WO2020066334A1

WO2020066334A1 - 空気調和機の室外機部

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Publication number: WO2020066334A1
Application number: PCT/JP2019/031379
Authority: WO
Inventors: 原田　浩一; 晋一石関; 平岡　誠康; 圭人小寺; 広司中島; 貴司小野
Original assignee: ダイキン工業株式会社
Priority date: 2018-09-26
Filing date: 2019-08-08
Publication date: 2020-04-02

Abstract

仕切板（５０）により機内を二分割する。一方は、室外熱交換器（２２）及び室外送風機（２１）を収納した送風機室（２０）であり、他方は、圧縮機（３１）及び電装品箱（４０）を収納した機械室（３０）である。そして、仕切板（５０）に、電装品箱（４０）内を送風機（２０）内に連通するための開口（５１）を設ける。開口（５１）は、室外送風機（２１）の運転時に仕切板（５０）の送風機室側表面（５０ａ）に沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する送風機室側表面（５０ａ）の位置に形成される。

Description

空気調和機の室外機部

　本開示は、空気調和機の室外機部に関する。

　空気調和機の室外機は、通常、仕切板により機内が二分されている。二分された一方の機内は、圧縮機、電装品箱等を搭載した機械室とされ、他方の機内は、室外送風機、室外熱交換器等を搭載した送風機室とされている。電装品箱は、圧縮機、送風機等の駆動や制御を行うための電子回路を構成する電装品を収納するものであって、防災効果を高めるために不燃材料のケースが用いられている。また、電装品箱に収納された電装品の冷却方法は、例えば特許文献１のように、仕切板と電装品箱とに開口を設け、送風機室の負圧を利用して電装品箱内に冷却空気としての外気を循環させるようにしたものが知られている。また、電装品箱は、機械室の下方が圧縮機、冷媒回路を構成する配管で詰まっているため、機械室の上方部に取り付けられていた。

特開平７－２４８１３３号公報

　ところが従来のものは、電装品箱内の上方部と送風機室とが仕切板の上方部に形成された開口により連通されていた。このため、開口部の圧力が十分に低いとは言えず、電装品箱内に循環させる外気量を十分に確保することが難しいという問題があった。

　本開示は、送風機室の負圧を利用して電装品箱内に冷却空気を循環させるものにおいて、電装品箱内に循環させる冷却空気量の不足を緩和するようにした空気調和機の室外機部を提供することを目的とする。

　第１の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、冷媒回路内を循環する冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、前記室外熱交換器で熱交換された後の外気を水平方向に排気する室外送風機と、電子回路を構成する電装品を搭載した基板を収納する電装品箱と、機内を二分する仕切板と、前記仕切板により二分された一方であって、前記室外熱交換器及び前記室外送風機を収納した送風機室と、前記仕切板により二分された他方であって、圧縮機及び前記電装品箱を収納した機械室と、前記電装品箱内を前記送風機室内に連通するための、前記仕切板に設けられた開口と、を備える。前記仕切板（５０）は、前記送風機室（２０）を向く送風機室側表面（５０ａ）を有している。前記開口は、前記室外送風機の運転時に前記送風機室側表面に沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する前記送風機室側表面（５０ａ）の位置に形成されている。

　この構成によれば、電装品箱内が、仕切板の送風機室側表面に沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する送風機室側表面の位置に設けられた開口に連通されるため、電装品箱内を冷却する冷却空気量の不足を緩和することができる。

　第２の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記室外送風機は、軸流送風機であり、前記仕切板は、垂直に立設され、前記開口は、前記室外送風機の羽根車の上端から下端までの側方部分、又は、前記室外送風機が上下方向に複数台が並列配置されている場合における上下方向の前記羽根車間の側方部分に連通するように前記仕切板に設けられている。

　この構成によれば、電装品箱内を、仕切板の送風機室側表面に沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する送風機室側表面の位置に連通させることができる。これにより電装品箱に流通させる冷却空気量を増やすことができる。

　第３の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記開口は、前記室外送風機における前記羽根車の回転中心位置の側方部分に連通するように前記仕切板に設けられている。
　この構成によれば、電装品箱を、仕切板の送風機室側表面に沿って分布する圧力のうちで最も低い圧力を有する送風機室側表面の位置に連通させることができる。これにより電装品箱に流通させる冷却空気量を増やすことができる。

　第４の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記電装品箱における前記基板の上方部分と前記開口とを連通する通風路をさらに備える。
　この構成によれば、電装品箱内の上部まで冷却空気を循環させることができる。これにより、電装品箱における前記基板の上方部に高温部が発生することを緩和することができるとともに、電装品を全般的に冷却することができる。

　第５の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記電装品箱は、前記仕切板に沿うように配置され、前記電装品箱内は、隔壁により前記基板を収納する第１区画室と、前記仕切板に沿う第２区画室とに仕切られ、前記第２区画室は、前記通風路の少なくとも一部を構成し、前記第１区画室には、吸気口が設けられている。

　この構成によれば、電装品箱内に隔壁を設けることにより、第１区画室を電装品の収納室とし、第２区画室を仕切板に設ける開口と電装品箱における前記基板の上方部分とを連絡する通風路の少なくとも一部とすることができる。

　第６の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記電装品箱は、前記隔壁の上方部に前記第１区画室と前記第２区画室とを連通する連通部が形成され、前記連通部は、前記仕切板に設けられた前記開口より高い場所に位置するように形成されている。

　この構成によれば、第１区画室と第２区画室とを連通する連通部が仕切板の開口より高くなるので、仕切板の開口から侵入する水滴等が第１区画室へ侵入することを回避することができる。これにより電装品への水の付着を回避することができる。

　第７の観点に係る空気調和機の室外機部によれば、前記基板には、前記圧縮機の駆動回路を構成するパワーモジュールが搭載され、パワーモジュールは、前記空気調和機の冷媒回路内を循環する冷媒を冷却源とする冷媒冷却器により冷却される。

　この構成によれば、パワーモジュールを冷却するヒートシンクを省略することができる。これにより、電装品箱周りを簡素化することができる。

実施の形態１に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す正面図。同空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す平面図。同空気調和機における仕切板の送風機室側表面の圧力分布状態図。参考例に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す正面図。実施の形態２に係る空気調和機における仕切板の送風機室側表面の圧力分布状態図。実施の形態３に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す平面図。同空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す右側面図。実施の形態４に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す部分正面図。実施の形態５に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す正面図。変更例に係る空気調和機の内部構成を模式的に示す部分正面図。他の変更例に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す部分正面図。他の変更例に係る空気調和機の内部構成の要部を模式的に示す部分正面図。

　（実施の形態１）
　以下、図面を参照して、実施の形態１に係る空気調和機の室外機部について説明する。
　本空気調和機の室外機部は、セパレート型空気調和機の室外機であって、図１及び図２に示すように、横長箱型の、所謂トランク型のケーシング１０内に所要の機器を収納したものである。

　セパレート型空気調和機の室外機は、ケーシング１０の内部、すなわち機内が仕切板５０により左右方向に二分されている。正面から見て、二分された左側の機内が送風機室２０であり、二分された右側の機内が機械室３０である。仕切板５０は、送風機室２０を向く送風機室側表面５０ａと、機械室３０を向く機械室側表面５０ｂとを有している。送風機室２０には、室外送風機２１、室外熱交換器２２等が搭載されている。機械室３０には、圧縮機３１、電装品箱４０等が搭載されている。

　トランク型を成すケーシング１０は、正面板１１、左側板１２、右側板１３、背面板１４、底フレーム１５、天面板１６を備えている。
　送風機室２０は、左側板１２及び背面板１４に室外熱交換器２２に外気を吸入する外気吸入口１２ａ、１４ａを備えている。

　室外送風機２１は、例えば、軸流送風機（所謂プロペラ送風機）である。そして、送風機室２０に収納される室外送風機２１は、背面及び左側面の各外気吸入口１２ａ，１４ａから外気を吸入し、正面から排気するように送風機室２０内に配置されている。軸流送風機用のベルマウス２３及び吹出口２４は、正面板１１に形成されている。なお、本開示の室外機は、吹出口２４が形成されている面を正面と称している。

　室外熱交換器２２は、背面板１４の外気吸入口１４ａ及び左側板１２の外気吸入口１２ａに沿うように送風機室２０内に配置されている。室外熱交換器２２は、１個の熱交換器であって、背面及び左側面の外気吸入口１４ａ，１２ａそれぞれの内側に沿うように平面視Ｌ字型に形成されている。室外熱交換器２２は、伝熱管と多数のフィンとにより構成された、例えばクロス・フィン・チューブ方式やマイクロチャネル方式の熱交換器で構成されている。

　機械室３０は、下方に圧縮機３１が設けられている。圧縮機３１は、重量物であるので底フレーム１５に取り付けられるため、機械室３０の下方部は圧縮機３１及び圧縮機３１に接続される配管、配線等により詰まった状態になっている。

　機械室３０の右側壁を構成する右側板１３の下方部には、電装品箱４０を冷却する冷却空気としての外気を吸入する冷却空気吸入口１３ａが形成されている。冷却空気吸入口１３ａは、昆虫等の小さな小動物の侵入を防止できるような多数の小穴、スリットなどからなる多孔のものである。

　電装品箱４０は、図２から見てわかるように、前後方向に薄い、縦長の箱型であって、左側面が仕切板５０に沿うように配置されている。電装品箱４０は、空気調和機の圧縮機３１、室外送風機２１、電子膨張弁等を制御或いは駆動する電子回路を構成する電装品を搭載した基板４１、端子盤４１ａ等を収納している。端子盤４１ａには電源用、制御用等の配線４１ｂが接続されている。基板４１に搭載される電子部品には、圧縮機３１の駆動回路に用いられるマイコン、電解コンデンサー、パワーモジュール４２，４３などが含まれている。パワーモジュール４２，４３は、冷媒冷却器４４により冷却されるように構成されている。冷媒冷却器４４は、空気調和機の冷媒回路の一部を成す冷媒配管４４ａ，４４ｂ内を循環する冷媒を冷却熱源とするものであって、パワーモジュール４２，４３に付設された状態で電装品箱４０内に収納されている。

　電装品箱４０内には、電装品箱４０内を左右方向に二分する隔壁４５が設けられている。二分された一方の部屋、すなわち右側の第１区画室４６は、基板４１の収納室である。二分された他方の部屋、すなわち左側の第２区画室４７は、仕切板５０に沿う風洞を形成するものであって、電装品箱４０内における基板４１の上方部分と仕切板５０の開口５１とを連通する通風路の一部を構成している。そして、図１に示すように、隔壁４５の上端部と電装品箱４０の天面との間に、第１区画室４６における基板４１の上方部分と第２区画室４７とを連通するための連通部４８としての隙間、すなわちスリットが形成されている。これにより第１区画室４６における基板４１の上方部と第２区画室４７とを連通している。このスリットは、隔壁４５の上端部全体又は一部に亘るものでもよい。したがって、連通部４８は、隔壁４５を構成する板部材に設けられた切欠や孔部により形成されたものでもよい。

　図１に示すように、第１区画室４６の下面には、機械室３０内に吸入された外気を電装品箱４０内へ導入するための吸気口４６ａが形成されている。吸気口４６ａは、昆虫等の小動物の侵入を防止できるような複数の小孔から形成されている。図１及び図２では２個の小孔が示されている。また、第２区画室４７の仕切板５０に沿う側面には、連通部４８の下方となる位置に排気口４７ａが形成されている。排気口４７ａは、１個の孔から成る孔部である。

　以上の構成において、隔壁４５上部の連通部４８及び風洞状の第２区画室４７は、電装品箱４０内における基板４１の上方部分を排気口４７ａへ連通する通風路を構成している。また、隔壁４５上部の連通部４８から風洞状の第２区画室４７を経由して排気口４７ａに至る構成は、排気口４７ａから侵入する雨水の第１区画室４６への流入を防止する役割を有している。また、隔壁４５上部の連通部４８から風洞状の第２区画室４７を経由して排気口４７ａに至る構成は、電装品箱４０における排気口４７ａの位置を下方とすることを可能にしている。

　仕切板５０は、前述のように送風機室２０と機械室３０を区画するものであるが、送風機室２０に関する空気の流れを形成する壁面としても機能している。このため、仕切板５０は、底フレーム１５から垂直方向に立設されている。また、仕切板５０は、ベルマウス２３の近傍から室外熱交換器２２の右側管板２２ａに向かって滑らかな風路を形成するように折れ曲がった平面形状に形成されている。

　仕切板５０には、電装品箱４０内を送風機室２０の負圧部分に連通させるための開口５１が設けられている。開口５１は、複数の小孔から成る孔部である。開口５１は、室外送風機２１の運転により送風機室２０内に形成される負圧を利用して、電装品箱４０内の空気を誘引し、これに付随して電装品箱４０内に冷却空気としての外気を取り込み、取り込んだ外気を電装品箱４０内の高温部分を経由して送風機室２０へ流通させるものである。このため、開口５１は、電装品箱４０の排気口４７ａと少なくとも一部において重なる位置に設けられなければならない。また、開口５１は、仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおける負圧の位置に連通されなければならない。開口５１は、送風機室側表面５０ａにおけるできるだけ圧力の低い負圧の位置に設けられることが好ましい。

　開口５１の前後方向の位置は、図２に示すように、ベルマウス２３の吸込み口付近が好ましい。一方、開口５１の上下方向の位置は、送風機室側表面５０ａの圧力の低い位置が選択される。図３は、左側に内部構成の要部を模式的に示す正面図を配置し、その右側に送風機室側表面５０ａにおける圧力分布を示したものである。なお、図３において、左側の正面図と右側の圧力分布図は、高さ方向の寸法を整合させている。図３に示すように、軸流送風機である室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部では、圧力が最も低い。羽根車の上端から下端までの側方部分Ｓ１は、送風機室側表面５０ａに沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する。

　したがって、送風機室側表面５０ａにおける開口５１の上下方向の位置は、図３に示すように、この室外機では室外送風機２１の羽根車の上端から下端までの側方部分Ｓ１に設けることが好ましく、室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部分に設けることが最も好ましい。

　なお、開口５１は、送風機室側表面５０ａにおける圧力の低い負圧部分であると同時に、電装品箱４０の排気口４７ａと重なる位置でなければない。このため、開口５１の位置は、電装品箱４０の構成及び取り付け位置により影響される場合がある。例えば、図４に示すように、排気口１４７ａを上方に有する電装品箱１４０を機械室３０内の上方部に設けた場合には、仕切板１５０における開口１５１の位置が上方とせざるを得ない。なお、図４は、参考例を示すものであって、実施の形態１と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略している。

　図１及び図２に示すように、仕切板５０に沿うように配置されている電装品箱４０の側板と仕切板５０との隙間には、開口５１及び排気口４７ａの周囲を囲う四角形状にゴム製等のシール板４９が貼り付けられている。このシール板４９は、仕切板５０と電装品箱４０の側板との隙間から、電装品箱４０内への水の侵入を防止するものである。

　（作用）
　実施の形態１は、以上のように構成されているので、電装品箱４０内の冷却は次のように行われる。

　室外機の運転に伴い室外送風機２１が運転されると、仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおける開口５１付近の圧力が低くなって負圧になる。この開口５１は、図１及び図２に示すようにベルマウス２３の吸込み口付近であって、軸流送風機における羽根車の回転中心位置の側方部に設けられているので、仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおいて最も圧力の低い部分に位置する。

　このように開口５１付近の圧力が低くなると、第１区画室４６内上方、すなわち、基板４１上方の空間部の空気が、連通部４８、第２区画室４７の空洞部、排気口４７ａ及び開口５１により形成される通風路を流通して送風機室２０内に吸入される。これに伴い、吸気口４６ａ、機械室３０内及び冷却空気吸入口１３ａを経由して冷却空気としての外気が電装品箱４０内に取り込まれる。この結果、冷却空気吸入口１３ａ、機械室３０内、吸気口４６ａ、連通部４８、第２区画室４７、排気口４７ａ、開口５１を経路とする冷却空気の流れが形成される。これにより、基板４１の上方の電子部品の発熱熱量の溜まりやすい空間部の換気が円滑に行われる。このようにして、第１区画室４６内全域に冷却空気が流通され、この冷却空気の流通により基板４１に搭載される電子部品が許容温度以下に冷却される。この電子部品には、冷媒冷却器４４により冷却されるパワーモジュール４２，４３、及び、耐熱温度の低い電子部品も含まれる。

　室外機が激しい風雨に見舞われた場合には、室外送風機２１の羽根の隙間から風と共に雨水が送風機室２０内に飛び込み、開口５１及びこの開口５１に重なって配置される排気口４７ａから第２区画室４７内へ水の浸入することが懸念される。しかしながら、このように雨水が飛び込むような場合であっても、第２区画室４７内に浸入した水は、連通部４８が開口５１及び排気口４７ａの上方部に形成されているため、第１区画室４６内へは侵入されない。

　（実施の形態１の効果）
　本空気調和機の室外機部は、以上のように構成されているので、次のような効果を奏する。

　（１－１）電装品箱４０が、仕切板５０の送風機室側表面５０ａに沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する送風機室側表面５０ａの位置に設けられた開口５１に連通されるため、電装品箱４０内を冷却する冷却空気量の不足を緩和することができる。

　（１－２）開口５１は、高さ方向の位置が室外送風機２１の羽根車の上端から下端までの側方部分Ｓ１に連通している。そのため、開口５１を仕切板５０の送風機室側表面５０ａに沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する送風機室側表面５０ａの位置に容易に連通させることができる。特に、本実施の形態に係る室外機では、開口５１が室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部分に設けられているため、電装品箱４０に流通させる冷却空気量を大きく増やすことができる。

　（１－３）空気調和機の室外機部は、電装品箱４０における基板４１の上方部分と開口５１とを連通する通風路を有する。そのため、電装品箱４０における基板４１の上方部に高温部が発生することを緩和することができる。また、電装品箱４０内の電装品を全般的に冷却することができる。

　（１－４）電装品箱４０内に隔壁４５を設けることにより、第１区画室４６を電装品の収納室とし、第２区画室４７を仕切板５０に設ける開口５１と電装品箱４０における基板４１の上方部分とを連絡する通風路の少なくとも一部とすることができる。具体的には、連通部４８、第２区画室４７、及び排気口４７ａにより、開口５１と電装品箱４０における基板４１の上方部分とを連絡する通風路を形成することができる。

　（１－５）第１区画室４６と第２区画室４７とを連通する連通部４８が仕切板５０の開口５１より高い場所に位置している。そのため、開口５１から侵入する水滴等が第１区画室４６へ侵入することを回避することができる。これにより電装品への水の付着を回避することができる。

　（１－６）基板４１には圧縮機３１の駆動回路を構成するパワーモジュール４２，４３が搭載され、パワーモジュール４２，４３は空気調和機の冷媒回路内の冷媒を冷却源とする冷媒冷却器４４により冷却されている。これにより、パワーモジュール４２，４３を冷却するヒートシンクを省略することができ、電装品箱４０周りを簡素化することができる。

　（実施の形態２）
　次に、実施の形態２に係る空気調和機の室外機部について図５に基づき説明する。なお、実施の形態１と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。

　実施の形態２に係る空気調和機の室外機部は、実施形態１と同様セパレート型空気調和機の室外機である。本室外機は、軸流送風機からなる室外送風機２１が高さ方向に複数台並列に配置されたものである。実施の形態２に係る室外機は、その一例として、室外送風機２１が高さ方向に２台並列配置された場合の構成を示す。図５は、図３の場合と同様に、左側に内部構成の要部を模式的に示す正面図を配置し、その右側に仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおける圧力分布を示す。この圧力分布図は、高さ方向の位置を左側の正面図に対応して示している。

　実施の形態２に係る室外機は、室外送風機の台数が２台になったこと、及びこれに付随する構成の変更部分を除いては、実施の形態１と同様のものである。
　図５に示すように、室外送風機２１の各々の羽根車の上端から下端までの側方部分Ｓ１及び室外送風機２１が上下方向に２台が並列配置されている場合における上下方向の羽根車間の側方部分Ｓ２は、仕切板５０の送風機室側表面５０ａに沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する。また、室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部では、圧力が最も低くなる。

　したがって、仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおける開口５１の上下方向の位置は、図５における室外送風機２１の各々の羽根車の上端から下端までの側方部分Ｓ１、及び、上下方向に２台並列配置された室外送風機２１の羽根車間の側方部分Ｓ２が好ましい。また、上方又は下方に配置された室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部分に開口５１を設けることがより好ましい。この実施の形態においては、電装品箱４０の位置に整合させるため、上方に配置された室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部分に開口５１が設けられている。

　実施の形態２に係る空気調和機の室外機部は、実施の形態１に係る空気調和機の室外機部と同様の作用効果を奏するとともに、次の効果を奏することができる。
　（２－１）室外送風機２１を複数台設けることにより、大容量の室外機に適用することができる。

　（実施の形態３）
　次に、実施の形態３に係る空気調和機の室外機部について図６及び図７に基づき説明する。なお、実施の形態１と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。

　実施の形態３に係る空気調和機の室外機部は、実施形態１と同様セパレート型空気調和機の室外機である。本室外機は、電装品箱４０内の構成のみが実施の形態１及び実施の形態２と異なるものである。すなわち、実施の形態１及び実施の形態２に係る室外機では、電装品箱４０内が隔壁４５により左右方向に区画されていたが、実施の形態３に係る室外機では、電装品箱４０内が隔壁４５により前後方向に区画されている。

　実施の形態３における電装品箱４０は、前後方向に薄い、縦長の箱型であって、左側面が仕切板５０に沿うように配置されるとともに、前面が正面板１１に沿うように配置されている。

　電装品箱４０内には、電装品箱４０内を前後方向に二分する隔壁４５が設けられている。二分された部屋のうち前側の第１区画室４６は、基板４１の収納室である。二分された部屋のうち後側の第２区画室４７は、仕切板５０に沿う風洞を形成する。第２区画室４７は、電装品箱４０内における基板４１の上方部分と仕切板５０の開口５１とを連通する通風路の一部を構成している。図７に示すように、隔壁４５の上端部と電装品箱４０天面との間には、実施の形態１の場合と同様に、第１区画室４６における基板４１の上方部分と第２区画室４７とを連通するための連通部４８が形成されている。

　図７に示すように、第１区画室４６の下面には、実施の形態１の場合と同様に、機械室３０内に吸入された外気を電装品箱４０内へ導入するための吸気口４６ａが形成されている。吸気口４６ａは、昆虫等の小さな小動物の侵入を防止できるような多数の小穴からなる多孔のものである。また、第２区画室４７の仕切板５０に沿う側面には、連通部４８の下方となる位置に細いスリット状の排気口４７ａが形成されている。

　以上のように構成された実施の形態３は、実施の形態１と同様効果を奏するとともに、次の効果を奏することができる。
　（３－１）前後方向に薄い、縦長の箱型である電装品箱４０が、正面板１１に沿うように取り付けられているので、正面板１１及び電装品箱４０の前板を外すことにより、電装品箱４０内の点検を容易に行うことができる。

　（実施の形態４）
　次に、実施の形態４に係る空気調和機の室外機部は、実施形態１と同様セパレート型空気調和機の室外機である。本室外機について図８に基づき説明する。なお、実施の形態１と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。

　実施の形態４に係る室外機は、電装品箱４０の形状を変更したものである、すなわち、この実施の形態における電装品箱４０は、一旦仕切板５０に沿う側板を省略した形状で製作される。そして、室外機に組み込まれる際に、仕切板５０を電装品箱４０の側板に兼用させるように組み付けたものである。このため、第２区画室４７は、電装品箱４０と仕切板５０との組み合わせを完了した時点で完成される。また、この場合には、仕切板５０と電装品箱４０の側板との間の隙間という概念が存在しないため、シール板４９が省略される。

　以上のように構成された実施の形態４は、実施の形態１と同様効果を奏するとともに、次の効果を奏することができる。
　（４－１）電装品箱４０は、仕切板５０に沿う側板が省略されている。したがって、電装品箱４０を形成する材料を節約することができる。

　（実施の形態５）
　次に、実施の形態５に係る空気調和機の室外機部について図９に基づき説明する。なお、実施の形態１と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。

　実施の形態５に係る空気調和機の室外機部は、実施形態１と同様セパレート型空気調和機の室外機である。本室外機は、電装品箱４０の内部を二分する隔壁４５を備えていない例である。電装品箱４０は、実施の形態１と同様に前後方向に薄い、縦長の箱型である。しかし、本実施の形態に係る電装品箱４０は、実施の形態１の場合のような隔壁４５を備えていない、したがって、電装品箱４０は、内部が１室に形成されている。電装品箱４０は、実施の形態１における第１区画室４６と同様に、電装品箱４０の内部には基板４１、端子盤４１ａ等が収納されている。また、端子盤４１ａには、電源用、制御用等の配線４１ｂが接続されている。

　電装品箱４０は、実施の形態１の場合と異なり、機械室３０の上方部分であって、仕切板５０から離れた位置に配置されている。電装品箱４０の仕切板５０側の側面の上方部には排気口４７ａが形成されている。電装品箱４０の下面には、機械室３０内に吸入された外気を電装品箱４０内へ導入するための吸気口４６ａが形成されている。

　排気口４７ａは、管状部材６０により仕切板５０上の開口５１に接続されている。開口５１は、仕切板５０における排気口４７ａより低い位置に形成されている。また、開口５１は、仕切板５０の送風機室側表面５０ａにおける圧力の低い位置に形成されている。具体的には、開口５１は、室外送風機２１における羽根車の回転中心位置の側方部分に形成されている。なお、開口５１及び吸気口４６ａは、実施の形態１の場合と同様に、電装品箱４０内への昆虫等の小動物の侵入を防止するために複数の小孔から形成されている。

　管状部材６０は、鋼管、軟質樹脂製のダクト等でよく、防水性のものが好ましい。管状部材６０の内断面積、開口５１の孔面積、及び排気口４７ａの孔面積は、室外送風機２１の運転により形成される負圧を利用して、電装品箱４０内に所定量の冷却空気を通気させることができる程度のものとされる。

　以上のように構成された実施の形態５は、実施の形態１と同様効果を奏するとともに、次の効果を奏することができる。
　（５－１）電装品箱４０は、仕切板５０に沿わせて取り付ける必要がないので、電装品箱４０の取り付けの上の制約が緩和される。

　（変更例）
　上記各実施の形態に関する説明は、本開示に従う空気調和機の室外機部の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う空気調和機の室外機部は、例えば以下に示される上記各実施の形態の変更例、及び相互に矛盾しない少なくとも２つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、上記各実施の形態と共通する部分は、上記各実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。

　・実施の形態１～３においては、仕切板５０上の開口５１を複数の小孔から成る孔部とし、電装品箱４０の排気口４７ａを１個の孔から成る孔部としていたが、これを反対の構成としてもよい。すなわち、図１０に示すように、仕切板５０上の開口５１を１個の孔からなる孔部とし、電装品箱４０の排気口４７ａを複数の小孔から成る孔部としてもよい。

　・実施の形態１～３においては、吸気口４６ａは電装品箱４０の下面に１個設けられていたが、これを他の位置に変更してもよく、個数も１個に限られず、２個以上としてもよい。図１１は、これを具体的に示したもので、電装品箱４０の右側面の下方に吸気口４６ｂを設けるとともに、電装品箱４０の右側面の上方に吸気口４６ｃを設けたものである。吸気口４６ｂは、これ１個のみでも先の吸気口４６ａに代えて使用することは可能である。吸気口４６ｃは、電装品箱４０内の基板４１の上方への冷却空気量を増加させるものである。

　・実施の形態１～５において、吸気口４６ａは、他の孔とは独立して設けられていたが、このような構成に限られるものではない。図１２はその一例を示したものであって、冷媒冷却器４４へ接続される冷媒配管４４ａ，４４ｂを機械室３０から電装品箱４０内へ通過させるための孔部と吸気口４６ａとを兼用したものである。なお、図示はしていないが、このような兼用の孔部に代えて、配線４１ｂを通過させる孔部と吸気口４６ａとを兼用させることも可能である。

　・実施の形態１～５において、室外送風機２１として軸流送風機が用いられているが、遠心送風機（シロッコファン）等の他の形式の送風機を用いたものでもよい。すなわち、室外熱交換器２２が室外送風機２１の吸入側に配置され、仕切板５０の送風機室側表面５０ａに負圧域を形成する構成であれば、他の形式の送風機を用いることが可能である。

　・実施の形態１～３においては、電装品箱４０の側面を仕切板５０に沿わせて取り付けていた。しかし、この取り付け方をしないで、電装品箱４０を仕切板５０から離して取り付けるとともに、電装品箱４０の排気口４７ａと仕切板５０の開口５１とを、実施の形態５の場合のように管状部材６０で接続するようにしてもよい。このようにすれば、電装品箱４０の取り付け位置に関する制約を緩和することができる。

　・各実施形態に係る空気調和機の室外機部は、セパレート型空気調和機の室外機であるが、本開示の空気調和機の室外機部は、一体型空気調和機の室外機部であってもよい。一体型空気調和機とは、圧縮機、室外熱交換器、室外送風機等を備えた室外機部と、室内熱交換器、室内送風機等を備えた室内機部とが一体に形成されたものである。また、一体型空気調和機の室外機部は、一般にセパレート型空気調和機の室外機部と同様に構成されている。すなわち、一体型空気調和機の室外機部は、仕切板により機内が二分され、一方に室外熱交換器及び室外送風機を備えた送風機室が形成され、他方に圧縮機、電装品箱を収納した機械室が形成されている。したがって、このような一体型空気調和機の室外機部においても、実施形態１～実施形態５の場合と同様に、送風機室に形成される負圧を利用して電装品箱内に冷却空気を循環させることができる。

　以上、本空気調和機の室外機部の実施の形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本空気調和機の室外機部の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。

Ｓ１　（室外送風機の羽根車の上端から下端までの）側方部分、Ｓ２　（上下方向の羽根車間の）側方部分、１０　ケーシング、１１　正面板、１２　左側板、１２ａ　外気吸入口、１３　右側板、１３ａ　冷却空気吸入、１４　背面板、１４ａ　外気吸入口、１５　底フレーム、１６　天面板、２０　送風機室、２１　室外送風機、２２　室外熱交換器、２２ａ　管板、２３　ベルマウス、２４　吹出口、３０　機械室、３１　圧縮機、４０　電装品箱、４１　基板、４１ａ　端子盤、４１ｂ　配線、４２　パワーモジュール、４３　パワーモジュール、４４　冷媒冷却器、４４ａ　冷媒配管、４４ｂ　冷媒配管、４５　隔壁
４６　第１区画室、４６ａ　吸気口、４６ｂ　吸気口、４６ｃ　吸気口、４７　第２区画室、４７ａ　排気口、４８　連通部、５０　仕切板、５１　開口、６０　管状部材。

Claims

　冷媒回路内を循環する冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器（２２）と、
　前記室外熱交換器（２２）で熱交換された後の外気を水平方向に排気する室外送風機（２１）と、
　電子回路を構成する電装品を搭載した基板（４１）を収納する電装品箱（４０）と、
　機内を二分する仕切板（５０）と、
　前記仕切板（５０）により二分された一方であって、前記室外熱交換器（２２）及び前記室外送風機（２１）を収納した送風機室（２０）と、
　前記仕切板（５０）により二分された他方であって、圧縮機（３１）及び前記電装品箱（４０）を収納した機械室（３０）と、
　前記電装品箱（４０）内を前記送風機室（２０）内に連通するための、前記仕切板（５０）に設けられた開口（５１）と、
　を備え、
　前記仕切板（５０）は、前記送風機室（２０）を向く送風機室側表面（５０ａ）を有しており、
　前記開口（５１）は、前記室外送風機（２１）の運転時に前記送風機室側表面（５０ａ）に沿って分布する圧力の中央値より低い圧力を有する前記送風機室側表面（５０ａ）の位置に形成されている
　空気調和機の室外機部。
　前記室外送風機（２１）は、軸流送風機であり、
　前記仕切板（５０）は、垂直に立設され、
　前記開口（５１）は、前記室外送風機（２１）の羽根車の上端から下端までの側方部分（Ｓ１）、又は、前記室外送風機（２１）が上下方向に複数台並列配置されている場合における上下方向の羽根車間の側方部分（Ｓ２）に連通するように前記仕切板（５０）に設けられている
　請求項１に記載の空気調和機の室外機部。
　前記開口（５１）は、前記室外送風機（２１）における前記羽根車の回転中心位置の側方部分に連通するように前記仕切板（５０）に設けられている
　請求項２に記載の空気調和機の室外機部。
　前記電装品箱（４０）内における前記基板（４１）の上方部分と前記開口（５１）とを連通する通風路（４７，４７ａ，４８）をさらに備える
　請求項１～３の何れか１項に記載の空気調和機の室外機部。
　前記電装品箱（４０）は、前記仕切板（５０）に沿うように配置され、
　前記電装品箱（４０）内は、隔壁（４５）により前記基板（４１）を収納する第１区画室（４６）と、前記仕切板（５０）に沿う第２区画室（４７）とに区画され、
　前記第２区画室（４７）は、前記通風路の少なくとも一部を構成し、
　前記第１区画室（４６）には、吸気口（４６ａ）が設けられている
　請求項４に記載の空気調和機の室外機部。
　前記電装品箱（４０）は、前記隔壁（４５）の上方部に前記第１区画室（４６）と前記第２区画室（４７）とを連通する連通部（４８）を有しており、
　前記連通部（４８）は、前記仕切板（５０）に設けられた前記開口（５１）より高い場所に位置するように形成されている
　請求項５に記載の空気調和機の室外機部。
　前記基板（４１）には前記圧縮機（３１）の駆動回路を構成するパワーモジュール（４２，４３）が搭載され、
　該パワーモジュール（４２，４３）は、前記空気調和機の冷媒回路内を循環する冷媒を冷却源とする冷媒冷却器（４４）により冷却される
　請求項１～６の何れか１項に記載の空気調和機の室外機部。