WO2020049652A1 - エレベータ - Google Patents

Abstract

エレベータは、乗場操作盤６と、乗場にいる利用者を検出する乗客検出装置４と、乗場に設置されたエレベータ乗場制御装置２とを備えている。エレベータ乗場制御装置２は、乗客検出装置４からの出力に基づいて、利用者が子供か否かを判定する子供判別部２１と、子供判別部２１によって利用者が子供であると判定された場合に、乗場操作盤６に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う入力処理部２２とを有している。また、アナウンス制御部２４は、乗場操作盤６の無効状態の設定を解除するための解除操作方法をアナウンスする。解除部２３は、利用者が当該アナウンスに従って解除操作を行ったと判定した場合、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力する。

Description

エレベータ

　この発明は、乗場に乗場操作盤が設置されたエレベータに関する。

　エレベータは、一般的に、かごに乗車するための操作が簡単で、誰でも利用できるため、保護者が目を離したすきに子供が誤って乗場操作盤を操作し、かごに乗り込んでしまう可能性がある。

　そのため、例えば特許文献１に記載のエレベータは、かごに乗車した利用者を検出する検出装置として、赤外線センサを有している。赤外線センサは、かごの乗降口の上部から下部まで複数の赤外線を横方向に照射する。特許文献１では、赤外線センサの乗降口下部の赤外線のみが遮断されたときに、制御装置が、かご内の利用者が子供であると判定して、ドアの閉扉を禁止する。また、制御装置は、予め設定された解除操作がなされたときに、ドアの閉扉禁止を解除する。

　特許文献１に記載のエレベータにおいては、このように、利用者の乗車時に、利用者の身長を測定し、利用者が子供であると判定した場合に、利用者からの操作を無効とする。それにより、子供が一人でエレベータを利用することを防止している。

特開２０１２－１２１７１０号公報

　上述したように、特許文献１に記載のエレベータにおいては、子供が一人でエレベータを利用することを防止することはできる。しかしながら、間違って子供が一人でかごに乗車した上で、その場に留まってしまうと、当該エレベータは使用不可となってしまう。その結果、エレベータの運行に支障をきたしてしまうという問題点があった。

　この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、利用者が子供であるか否かを判別することで、エレベータの運行に支障をきたすことがないように防止することが可能なエレベータを得ることを目的としている。

　この発明は、乗場に設置され、かご呼び登録を行うための操作を受け付ける乗場操作盤と、前記乗場に設置され、前記乗場にいる利用者を検出する乗客検出装置と、前記乗場に設置されたエレベータ乗場制御装置とを備え、前記エレベータ乗場制御装置は、前記乗客検出装置からの出力に基づいて、前記利用者が子供か否かを判定する子供判別部と、前記子供判別部によって前記利用者が子供であると判定された場合に、前記乗場操作盤に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う入力処理部とを有している、エレベータである。

　この発明に係るエレベータによれば、利用者が子供であるか否かを判別することで、エレベータの運行に支障をきたすことがないように防止することができる。

この発明の実施の形態１に係るエレベータの全体の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた乗客検出装置の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた子供判別部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた子供判別部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた子供判別部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた解除部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた解除部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられた解除部の構成例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられたエレベータ乗場制御装置の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられたエレベータ乗場制御装置およびエレベータ制御装置のハードウェア構成を示した図である。 この発明の実施の形態１に係るエレベータに設けられたエレベータ乗場制御装置およびエレベータ制御装置のハードウェア構成を示した図である。

　実施の形態１．
　図１は、本発明の実施の形態１に係るエレベータの全体構成図である。図１に示すように、本実施の形態１に係るエレベータは、エレベータ制御装置１とエレベータ乗場制御装置２とを備えて構成されている。また、当該エレベータは、乗客検出装置４と、アナウンス装置５と、乗場操作盤６とを備えて構成されている。さらに、当該エレベータは、必要に応じて、カードリーダー７を備えていてもよい。

　エレベータ制御装置１は、例えば昇降路の上部に設けられた機械室等に設置されている。エレベータ制御装置１は、エレベータのかごの運行全般を制御する。

　エレベータ乗場制御装置２は、例えば、各階の乗場に設置されている。エレベータ乗場制御装置２は、乗客検出装置４、アナウンス装置５、乗場操作盤６などの、乗場に設置された装置の動作を制御する。エレベータ乗場制御装置２は、図１に示すように、子供判別部２１と、入力処理部２２と、解除部２３と、アナウンス制御部２４とを備えて構成されている。

　乗客検出装置４は、乗場に設置されている。乗客検出装置４は、例えば、図２に示すように、超音波センサ４ａまたはカメラ４ｂから構成されている。乗客検出装置４として、超音波センサ４ａおよびカメラ４ｂの両方を設ける必要はなく、いずれか１つを設ければよい。乗客検出装置４は、乗場にいる乗客を検出する。

　アナウンス装置５は、乗場に設置されている。アナウンス装置５は、例えばスピーカを備えて構成されている。アナウンス装置５は、エレベータ乗場制御装置２の制御により、音声メッセージを乗場に向けて出力する。

　乗場操作盤６は、乗場に設置されている。乗場操作盤６には、図８に示すように、利用者が操作して、かご呼びを登録するためのかご呼び登録釦６ａおよび６ｂが設置されている。かご呼び登録釦６ａおよび６ｂは、かごの走行方向を示す上方向釦６ａと下方向釦６ｂとを含んでいる。利用者は、現在の乗場よりも上方向の階床を行先階に指定したい場合には、上方向釦６ａを押して、かご呼び登録を行う。一方、利用者は、現在の乗場よりも下方向の階床を行先階に指定したい場合には、下方向釦６ｂを押して、かご呼び登録を行う。乗場操作盤６は、利用者が上方向釦６ａまたは下方向釦６ｂを操作した場合に、エレベータ乗場制御装置２に、操作検出信号を送信する。エレベータ乗場制御装置２は、後述する入力処理部２２により、当該操作検出信号に基づいて、エレベータ制御装置１に対して、かご呼び登録があったことを知らせる呼び登録信号を出力する。エレベータ制御装置１は、当該呼び登録信号に対して最適なかごを割り当て、かご呼び登録があった階床まで当該かごを走行させる。

　カードリーダー７は、必要に応じて、乗場に設置される。カードリーダー７は、乗場操作盤６と一体成型してもよいし、乗場操作盤６とは別の箇所に設けてもよい。カードリーダー７を設置する場合、利用者は、認証カードを携帯している。認証カードには、利用者を特定するための認証情報が予め記憶されている。認証情報には、利用者の個人情報、属性情報などが含まれる。カードリーダー７は、利用者が携帯している認証カードから、認証情報を読み取る。

　次に、エレベータ乗場制御装置２の各部について説明する。

　子供判別部２１は、乗客検出装置４からの出力に基づいて、乗場にいる利用者が大人であるか子供であるかを判定する。また、子供判別部２１は、利用者が子供であると判定した場合、判別信号を入力処理部２２に出力する。入力処理部２２は、子供判別部２１からの判別信号に基づいて、乗場操作盤６に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う。すなわち、入力処理部２２は、乗場操作盤６に対して利用者が行った操作を無効にして、エレベータ制御装置１に対して、呼び登録信号を出力しないようにする。

　子供判別部２１の構成例について説明する。図３～図５は、それぞれ、本実施の形態１における子供判別部２１の構成例である。

　図３の例においては、乗客検出装置４が超音波センサ４ａから構成されている。この場合、子供判別部２１は、第１の身長推定部２１ａと、第１の判定部２１ｂとを備えて構成されている。超音波センサ４ａは、図２に示すように、乗場の天井に設けられている。超音波センサ４ａは、天井の設置位置から乗場に向けて超音波を発信する。当該超音波は、乗場にいる利用者の頭部に投射されると、当該利用者の頭部で反射されて、反射波となる。超音波センサ４ａは、当該反射波を受信する。第１の身長推定部２１ａは、反射波に基づいて利用者の身長を推定する。さらに詳細に言えば、第１の身長推定部２１ａは、超音波センサ４ａが受信した反射波の反射距離Ｌ１に基づいて、利用者の身長を推定する。具体的には、超音波センサ４ａと乗場の床面までの距離Ｌ２を予め記憶しておき、距離Ｌ２から反射距離Ｌ１を差し引くことで、利用者の推定身長を求める。第１の判定部２１ｂは、推定身長に基づいて、利用者が子供であるか否かを判定する。第１の判定部２１ｂは、利用者の推定身長が、予め設定された閾値未満の場合、当該利用者が子供であると判定する。

　図４の例においては、乗客検出装置４がカメラ４ｂから構成されている。カメラ４ｂは、図２に示すように、例えば乗場の天井に設けられている。しかしながら、カメラ４ｂの設置位置は天井に限定されるものではなく、乗場の利用者が撮影できる場所であれば、いずれの場所に、カメラ４ｂを設置してもよい。カメラ４ｂは、乗場を撮影して、撮像画像を生成する。撮像画像は、静止画像であっても、動画像であってもよい。この場合、子供判別部２１は、図４に示すように、撮像画像に基づいて利用者の身長を推定する第２の身長推定部２１ｃと、推定身長に基づいて、利用者が子供であるか否かを判定する第２の判定部２１ｄとを備えて構成されている。第２の身長推定部２１ｃは、カメラ４ｂが生成した撮像画像に基づいて、利用者の身長を推定する。具体的には、乗場操作盤６の垂直方向の長さなどを基準値として予めメモリに記憶しておく。そして、第２の身長推定部２１ｃは、撮像画像内の乗場操作盤６の長さに基づいて、利用者の身長を推定する。第２の判定部２１ｄは、利用者の推定身長が、予め設定された閾値未満の場合、当該利用者が子供であると判定する。

　図５の例においては、乗客検出装置４がカメラ４ｂから構成されている。カメラ４ｂについては、図４の例において説明したため、ここでは、説明を省略する。この場合、子供判別部２１は、特徴抽出部２１ｅと、第３の判定部２１ｆとを備えて構成されている。特徴抽出部２１ｅは、カメラ４ｂが生成した撮像画像に基づいて、利用者の特徴を抽出する。第３の判定部２１ｆは、抽出した特徴が、予め設定された条件を満たしている場合、利用者が子供であると判定する。予め設定された条件の例としては、子供は大人に比べて頻繁に動くため、予め設定された時間内の利用者の動きの頻度が、予め設定された閾値を超えた場合に、子供であると判定する。あるいは、子供は半ズボンまたは短いスカートをはくことが多いため、そのような服装の特徴を条件として設定しておいてもよい。あるいは、利用者の頭身を条件としてもよく、その場合には、例えば６頭身以下の場合に、子供であると判定する。また、子供は、大人に比べて、手足が小さいので、例えば、利用者の手または足の大きさが、予め設定された値より小さい場合、あるいは、利用者の頭の大きさに対する手または足の大きさの比率が、予め設定された値より小さい場合に、利用者が子供であると判定してもよい。また、子供判別部２１が、第１の身長推定部２１ａまたは第２の身長推定部２１ｃと、特徴抽出部２１ｅとの両方を有していてもよい。その場合には、第３の判定部２１ｆが、第１の身長推定部２１ａまたは第２の身長推定部２１ｃで得られた推定身長が閾値未満か否かの判定と、特徴抽出部２１ｅが抽出した利用者の特徴が、予め設定された条件を満たすか否かの判定との２つの判定を行う。その結果、２つの判定のうち、いずれか一方の判定で、利用者が子供であると判定された場合に、子供であると判定するようにする。あるいは、２つの判定で、共に、利用者が子供であると判定された場合にのみ、子供であると判定するようにしてもよい。

　入力処理部２２は、子供判別部２１が利用者が子供であると判定した場合に、乗場操作盤６に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う。無効状態とは、利用者が乗場操作盤６のかご呼び登録釦６ａまたは６ｂに対して操作を行った場合においても、入力処理部２２が、当該操作の入力を無効として処理する状態のことである。従って、乗場操作盤６への操作が無効状態に設定されているときには、利用者がかご呼び登録釦６ａまたは６ｂを押しても、かご呼び登録は行われない。一方、通常時は、入力処理部２２において、乗場操作盤６への操作は有効状態に設定されている。乗場操作盤６への操作が有効状態に設定されているときには、利用者が乗場操作盤６のかご呼び登録釦６ａまたは６ｂに対して操作を行った場合に、入力処理部２２が、乗場操作盤６への当該操作の入力を受け付けて、エレベータ制御装置１に対して、かご呼び登録があったことを知らせる呼び登録信号を出力する。

　アナウンス制御部２４は、アナウンス装置５の動作を制御する。アナウンス制御部２４は、アナウンス装置５から出力すべき音声メッセージを指定して、アナウンス装置５のスピーカから乗場に向けて出力させる。音声メッセージは、予め複数個用意してメモリに記憶させておき、その中から、アナウンス制御部２４が選択して、アナウンス装置５に指示する。アナウンス制御部２４は、子供判別部２１が利用者が子供であると判定した場合に、子供だけではエレベータのかごに乗れない旨の音声メッセージを出力するようにアナウンス装置５に指示する。また、アナウンス制御部２４は、乗場操作盤６への操作が無効状態に設定されている場合に、無効状態を解除するための解除操作方法をアナウンスするための音声メッセージを出力するようにアナウンス装置５に指示する。

　解除部２３は、利用者が解除操作を実行したか否かを判定し、利用者が実行したと判定した場合、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力する。入力処理部２２は、解除要求信号を受信した場合に、乗場操作盤６への操作を無効にする無効状態の設定を解除する。

　解除部２３の構成例について説明する。図６～図８は、それぞれ、本実施の形態１における解除部２３の構成例である。

　図６の例においては、解除部２３に、カードリーダー７が接続されている。また、解除部２３は、第１の解除要求信号出力部２３ａとメモリ２３ｂとを備えて構成されている。カードリーダー７は、乗場操作盤６に設けてもよいし、乗場操作盤６とは別の箇所に設けてもよい。この場合、利用者は、認証カードを携帯している。認証カードには、利用者を特定するための認証情報が予め記憶されている。認証情報には、利用者の個人情報、属性情報などが含まれる。カードリーダー７は、利用者が携帯している認証カードから、認証情報を読み取る。メモリ２３ｂには、エレベータの利用が許可されているすべての利用者の登録情報が格納された利用者リストが予め記憶されている。第１の解除要求信号出力部２３ａは、メモリ２３ｂに記憶されている利用者リストの登録情報の中から、読み取った認証情報と一致する登録情報を検索する。検索の結果、読み取った認証情報と一致する登録情報があった場合に、入力処理部２２に、解除要求信号を出力する。すなわち、この場合、解除操作は、利用者が、カードリーダー７に、認証カードの認証情報を読み取らせることである。

　図７の例においては、解除部２３に、カメラ４ｂで生成された撮像画像が入力される。この場合、解除部２３が、特定動作判定部２３ｃと、第２の解除要求信号出力部２３ｄとを備えて構成されている。特定動作判定部２３ｃは、カメラ４ｂが生成した撮像画像に基づいて、利用者が、予め設定された特定動作を行ったか否かを判定する。第２の解除要求信号出力部２３ｄは、特定動作判定部２３ｃが利用者が特定動作を行ったと判定した場合に、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力する。なお、この場合、子供判別部２１と解除部２３とが、１つのカメラ４ｂを兼用してもよいし、あるいは、２つのカメラを別個に設けてもよい。すなわち、この場合、解除操作は、利用者が、予め設定された特定動作を行うことである。特定動作の例としては、例えば、以下の例ａ），ｂ），ｃ）などが挙げられる。
　ａ）アナウンスで指定された方の手を上げる。
　ｂ）両手で円を作る。
　ｃ）アナウンスに合わせて手を叩く。

　図８の例においては、解除部２３が、乗場操作盤６からの信号を受信するように構成されている。この場合、解除部２３は、特定操作判定部２３ｅと、第３の解除要求信号出力部２３ｆとを備えて構成されている。特定操作判定部２３ｅは、乗場操作盤６からの信号に基づいて、利用者が、乗場操作盤６に対して、予め設定された特定操作を行ったか否かを判定する。第３の解除要求信号出力部２３ｆは、特定操作判定部２３ｅが、利用者が特定操作を行ったと判定した場合に、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力する。前記特定操作の例としては、例えば、以下の例ａ），ｂ），ｃ）などが挙げられる。
　ａ）乗場操作盤６に設けられた後述のかご呼び登録釦６ａおよび６ｂのいずれか一方を一定時間以上長押しする。
　ｂ）かご呼び登録釦６ａおよび６ｂのいずれか一方を２回続けて押す。
　ｃ）かご呼び登録釦６ａおよび６ｂを同時に押す。
すなわち、この場合、解除操作は、利用者が、乗場操作盤６に対して、予め設定された特定操作を行うことである。

　本実施の形態１に係るエレベータにおいては、上述したように、子供判別部２１が、乗場にいる利用者が子供か否かを判定することで、子供が一人でエレベータを利用することを防止する。しかしながら、更に詳細に言えば、エレベータの利用方法が分からない子供が、一人でエレベータを利用することを防止できればよい。すなわち、利用方法が理解できる子供であれば、エレベータの使用を可能とすべきである。よって、本実施の形態１では、解除部２３を設けている。また、アナウンス装置５から、解除操作方法を音声メッセージでアナウンスするようにしたため、解除操作内容が理解できる子供であれば、混乱せずに、エレベータを使用することが可能になる。また、当該子供以外に、大人の他の利用者が乗場に居て、当該利用者が解除操作を行っても、乗場操作盤６への操作の無効状態の設定を解除できるので、エレベータの運行に支障をきたすことはない。

　次に、図９を用いて、本実施の形態１に係るエレベータ乗場制御装置２の処理の流れについて説明する。

　まず、ステップＳ１において、子供判別部２１が、乗客検出装置４からの出力に基づいて、乗場にいる利用者が子供か否かを判定する。

　次に、ステップＳ２において、子供判別部２１が、利用者が大人であると判定した場合には、ステップＳ７に進み、利用者が子供である場合には、ステップＳ３に進む。

　ステップＳ７では、入力処理部２２において、乗場操作盤６への操作が有効状態に設定されたままとする。有効状態とは、利用者が乗場操作盤６のかご呼び登録釦６ａまたは６ｂに対して操作を行った場合に、入力処理部２２が、乗場操作盤６への当該操作の入力を受け付けて、エレベータ制御装置１に対して、かご呼び登録があったことを知らせる呼び登録信号を出力する状態のことである。

　一方、ステップＳ３では、入力処理部２２が、乗場操作盤６に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う。無効状態とは、上述したように、利用者が乗場操作盤６のかご呼び登録釦６ａまたは６ｂに対して操作を行った場合に、当該操作の入力を無効として処理する状態のことである。従って、乗場操作盤６への操作が無効状態に設定されているときには、利用者がかご呼び登録釦６ａまたは６ｂを押しても、かご呼び登録は行われない。

　続けて、ステップＳ４では、アナウンス制御部２４の制御により、アナウンス装置５が、子供だけでは乗れない旨の音声メッセージを、乗場に向かってスピーカから出力する。

　次に、ステップＳ５では、ステップＳ４の終了後、一定時間経過後に、アナウンス制御部２４の制御により、アナウンス装置５が、乗場操作盤６への操作の無効状態を解除するための解除操作方法を利用者にアナウンスするための音声メッセージを、乗場に向かってスピーカから出力する。なお、一定時間は、１～３秒後でもよく、あるいは、１０～２０秒後程度でもよく、任意に設定する。あるいは、利用者がかご呼び登録釦６ａまたは６ｂを押す操作を３回以上行った場合に、解除操作方法をアナウンスするようにしてもよい。その理由としては、利用者が３回以上操作する場合には、利用者が意志をもってかご呼び登録を行っている可能性が高いためである。

　次に、ステップＳ６では、解除部２３が、利用者が解除操作を実行したか否かを判定し、利用者が実行したと判定した場合、ステップＳ８に進む。一方、利用者が実行していないと判定した場合には、ステップＳ９に進む。

　ステップＳ８では、解除部２３が、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力する。入力処理部２２は、解除部２３からの解除要求信号を受信し、乗場操作盤６への操作の無効状態の設定を解除する。

　一方、ステップＳ９では、解除部２３が、入力処理部２２に対して、解除要求信号を出力しないため、乗場操作盤６への操作の無効状態の設定が継続される。

　次に、エレベータ乗場制御装置２およびエレベータ制御装置１のハードウェア構成について説明する。

　本実施の形態１に係るエレベータ乗場制御装置２における各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。図１０は、本発明の実施の形態１に係るエレベータ乗場制御装置２の各機能を専用のハードウェアである処理回路１０００で実現する場合を示した構成図である。また、図１１は、本発明の実施の形態１に係るエレベータ乗場制御装置２の各機能をプロセッサ２００１およびメモリ２００２を備えた処理回路２０００により実現する場合を示した構成図である。

　処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路１０００は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）、またはこれらを組み合わせたものが該当する。子供判別部２１、入力処理部２２、解除部２３、および、アナウンス制御部２４の各部の機能それぞれを個別の処理回路１０００で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路１０００で実現してもよい。

　一方、処理回路がプロセッサ２００１の場合、子供判別部２１、入力処理部２２、解除部２３、および、アナウンス制御部２４の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ２００２に格納される。プロセッサ２００１は、メモリ２００２に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、エレベータ乗場制御装置２は、処理回路２０００により実行されるときに、子供判別ステップ、無効設定ステップ、解除ステップ、および、アナウンス制御ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ２００２を備える。

　これらのプログラムは、上述した各部の手順あるいは方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ２００２とは、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ　Ｅｒａｓａｂｌｅ　ａｎｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、ＤＶＤ等も、メモリ２００２に該当する。

　なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。

　このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。

　また、同様に、エレベータ制御装置１の各部の機能についても、図１０および図１１に示す処理回路１０００または２０００から構成すればよい。また、各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。

　以上のように、本実施の形態１に係るエレベータは、乗場にいる利用者が子供か否かを判定する子供判別部２１を備えている。また、当該エレベータは、子供判別部２１によって利用者が子供であると判定された場合に、乗場操作盤６への操作を無効状態に設定する入力処理部２２を備えている。これにより、子供のみがかごに乗車しようとしている事を検出した場合には、乗場操作盤６への操作を無効状態にして、かご呼び登録を行わない。その結果、保護者が目を離したすきに、誤って、子供が乗場操作盤６を操作してかごに乗り込んでしまう事を回避することが可能になる。また、アナウンス装置５が、解除操作方法をアナウンスするようにしたので、解除操作方法を理解できる子供は、混乱せずに解除操作を行って、エレベータを使用することが可能である。また、乗場に他の利用者が居て、当該利用者が大人である場合にも、当該利用者が解除操作を行うことで、エレベータが使用可能となるので、エレベータの運行に支障をきたすことはない。

　１　エレベータ制御装置、２　エレベータ乗場制御装置、４　乗客検出装置、５　アナウンス装置、６　乗場操作盤、７　カードリーダー、２１　子供判別部、２２　入力処理部、２３　解除部、２４　アナウンス制御部。

Claims (9)

1. 　乗場に設置され、かご呼び登録を行うための操作を受け付ける乗場操作盤と、
   　前記乗場に設置され、前記乗場にいる利用者を検出する乗客検出装置と、
   　前記乗場に設置されたエレベータ乗場制御装置と
   　を備え、
   　前記エレベータ乗場制御装置は、
   　前記乗客検出装置からの出力に基づいて、前記利用者が子供か否かを判定する子供判別部と、
   　前記子供判別部によって前記利用者が子供であると判定された場合に、前記乗場操作盤に対して行われた操作を無効にする無効状態の設定を行う入力処理部と
   　を有している、
   　エレベータ。
2. 　前記乗客検出装置は、前記乗場に向けて超音波を発信するとともに前記利用者の頭部で反射した前記超音波の反射波を受信する超音波センサから構成され、
   　前記子供判別部は、
   　前記超音波センサが受信した前記反射波に基づいて、前記利用者の身長を推定して、推定身長を出力する第１の身長推定部と、
   　前記推定身長が、予め設定された閾値未満の場合、前記利用者が子供であると判定する第１の判定部と
   　を有している、
   　請求項１に記載のエレベータ。
3. 　前記乗客検出装置は、前記乗場を撮影して撮像画像を生成するカメラから構成され、
   　前記子供判別部は、
   　前記カメラが生成した前記撮像画像に基づいて、前記利用者の身長を推定して、推定身長を出力する第２の身長推定部と、
   　前記推定身長が、予め設定された閾値未満の場合、前記利用者が子供であると判定する第２の判定部と
   　を有している、
   　請求項１に記載のエレベータ。
4. 　前記乗客検出装置は、前記乗場を撮影して撮像画像を生成するカメラから構成され、
   　前記子供判別部は、
   　前記カメラが生成した前記撮像画像に基づいて、前記利用者の特徴を抽出する特徴抽出部と、
   　抽出した前記特徴が、予め設定された条件を満たしている場合、前記利用者が子供であると判定する第３の判定部と
   　を有している、
   　請求項１に記載のエレベータ。
5. 　前記エレベータ乗場制御装置は、
   　予め設定された解除操作が前記利用者によって行われたか否かを判定して、前記解除操作が行われたと判定した場合に、解除要求信号を出力する解除部を
   　さらに有し、
   　前記入力処理部は、前記解除部からの前記解除要求信号を受信した場合に、前記無効状態の設定を解除する、
   　請求項１から４までのいずれか１項に記載のエレベータ。
6. 　前記エレベータは、音声メッセージを前記乗場に向けて出力するアナウンス装置をさらに備え、
   　前記エレベータ乗場制御装置は、
   　前記解除操作の操作方法をアナウンスするように前記アナウンス装置に指示するアナウンス制御部をさらに有している、
   　請求項５に記載のエレベータ。
7. 　前記エレベータは、前記利用者が携帯する認証カードに記憶された認証情報を読み取るカードリーダーをさらに備え、
   　前記解除部は、
   　前記エレベータの利用が許可されているすべての利用者の登録情報を記憶するメモリと、
   　前記メモリの登録情報の中から、前記カードリーダーが読み取った前記認証情報と一致する登録情報を検索し、一致する登録情報があった場合に、前記入力処理部に対して、前記解除要求信号を出力する第１の解除要求信号出力部と
   　を有している、
   　請求項５または６に記載のエレベータ。
8. 　前記解除部は、
   　前記乗客検出装置からの出力に基づいて、前記利用者が、予め設定された特定動作を行ったか否かを判定する、特定動作判定部と、
   　前記特定動作判定部によって、前記特定動作が行われたと判定した場合に、前記入力処理部に対して、前記解除要求信号を出力する第２の解除要求信号出力部と
   　を有している、
   　請求項５または６に記載のエレベータ。
9. 　前記解除部は、
   　前記乗場操作盤からの信号が入力され、当該信号に基づいて、前記利用者が、前記乗場操作盤に対して、予め設定された特定操作を行ったか否かを判定する、特定操作判定部と、
   　前記特定操作判定部によって、前記特定操作が行われたと判定した場合に、前記入力処理部に対して、前記解除要求信号を出力する第３の解除要求信号出力部と
   　を有している、
   　請求項５または６に記載のエレベータ。

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