WO2019208421A1 - モータユニット - Google Patents

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修平 中松
勇樹 石川
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Abstract

本発明のモータユニットの一つの態様は、モータと、モータを収容するハウジングと、ハウジング内に収容されるオイルと、を備える。モータのシャフトは、ハウジングに保持されるベアリングにより回転可能に支持される。ハウジングには、オイルを循環させオイルをモータの上側からモータに供給する油路が設けられる。油路には、モータの上側に位置しオイルを貯留するリザーバが設けられる。リザーバは、軸方向に沿って延び油路の上流側から供給されるオイルを受ける主樋と、主樋の軸方向一方の端部から周方向一方側に向かって延びる側樋と、を有する。側樋には、リザーバ内のオイルをモータのコイルエンドに供給する流出口と、リザーバ内のオイルをベアリングに供給するベアリング供給孔と、が設けられる。

Description

モータユニット
 本発明は、モータユニットに関する。
 本願は、2018年4月25日に日本に出願された特願2018-84483に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 モータは、駆動時に発熱するため、高トルクを生じさせるモータには、冷却構造が設けられる。特許文献1には、モータの上側に位置する冷媒流入口からモータに冷媒を供給してモータを冷却する構造が開示されている。
特開2016-73163号公報
 従来から、冷媒としてオイルを用いる場合に、オイルはモータのシャフトを支持するベアリングの潤滑にも利用される。オイルによるベアリングの潤滑は、モータの冷却時に副次的な効果として行われるものである。このため、従来構造では、ベアリングへの供給量が不足したり、必要なタイミングで供給がなされないという問題があった。
 本発明の一つの態様は、オイルにより、モータを冷却しつつ効率的にベアリングの潤滑性を高めることができるモータユニットの提供を目的の一つとする。
 本発明のモータユニットの一つの態様は、水平方向に延びるモータ軸を中心として回転するロータおよび前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内に収容されるオイルと、を備える。前記ロータは、前記モータ軸を中心として軸方向に沿って延びるシャフトを有する。前記シャフトは、前記ハウジングに保持されるベアリングにより回転可能に支持される。前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに巻き付けられるコイルと、を有する。前記コイルは、前記ステータコアから軸方向に突出するコイルエンドを有する。前記ハウジングには、前記オイルを循環させ前記オイルを前記モータの上側から前記モータに供給する油路が設けられる。前記油路には、前記モータの上側に位置し前記オイルを貯留するリザーバが設けられる。前記リザーバは、軸方向に沿って延び前記油路の上流側から供給される前記オイルを受ける主樋と、前記主樋の軸方向一方の端部から周方向一方側に向かって延びる側樋と、を有する。前記側樋には、前記リザーバ内の前記オイルを前記コイルエンドに供給する流出口と、前記リザーバ内の前記オイルを前記ベアリングに供給するベアリング供給孔と、が設けられる。
 本発明の一つの態様によれば、オイルにより、モータを冷却しつつ効率的にベアリングの潤滑性を高めることができるモータユニットが提供される。
図1は、一実施形態のモータユニットの概念図である。 図2は、モータユニットの断面図であって、モータおよび第2のリザーバを上側から見た図である。 図3は、第2のリザーバの斜視図である。 図4は、側樋底部の断面模式図である。 図5は、軸方向と直交する平面に沿って見たモータユニットの部分断面図である。 図6は、軸方向に沿う平面に沿って見たモータユニットの部分断面図である。 図7は、第3のベアリングおよび隔壁の斜視図である。 図8は、変形例の凹部および第1の吐出孔の断面図である。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータユニットについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
 以下の説明では、モータユニット1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であってモータユニット1が搭載される車両の前後方向を示す。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の幅方向(左右方向)を示す。
 以下の説明において特に断りのない限り、モータ2のモータ軸J2に平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J2を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J2を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J2の軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。
 また、本明細書において、所定の方向(又は平面)に「沿って延びる」とは、厳密に所定の方向に延びる場合に加えて、厳密な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
 以下、本発明の例示的な一実施形態に係るモータユニット1について説明する。本実施形態のモータユニット1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
 図1は、モータユニット1の概念図である。モータユニット1は、モータ(メインモータ)2と、減速装置4および差動装置5を含むギヤ部3と、ハウジング6と、ハウジング6内に収容されるオイルOと、インバータユニット8と、を備える。
 <ハウジング>
 ハウジング6の内部は、モータ2およびギヤ部3を収容する収容空間80が設けられる。ハウジング6は、収容空間80においてモータ2およびギヤ部3を保持する。収容空間80は、モータ2を収容するモータ室81と、ギヤ部3を収容するギヤ室82と、に区画される。ハウジング6は、例えばアルミダイカスト製である。
 ハウジング6は、隔壁61cを有する。収容空間80は、隔壁61cによってモータ室81とギヤ室82とに区画される。また、ハウジング6は、モータ室81を囲み隔壁61cと対向する閉塞部63を有する。閉塞部63は、ハウジング6から取り外すことができる。組み立て工程において、作業者は、閉塞部63を取り外した状態でモータ2をモータ室81に格納する。
 収容空間80内の下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。本実施形態では、モータ室81の底部81aは、ギヤ室82の底部82aより上側に位置する。また、モータ室81とギヤ室82とを区画する隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。隔壁開口68は、モータ室81とギヤ室82とを連通させる。隔壁開口68は、モータ室81内の下部領域に溜ったオイルOをギヤ室82に移動させる。したがって、本実施形態においてオイル溜りPは、ギヤ室82の下部領域に位置する。
 <モータ>
 モータ2は、ハウジング6のモータ室81に収容される。モータ2は、水平方向に延びるモータ軸J2を中心として回転するロータ20と、ロータ20の径方向外側に位置するステータ30と、ロータ20を回転可能に支持する一対のベアリング26,27と、を備える。本実施形態のモータ2は、インナーロータ型モータである。
 ロータ20は、図示略のバッテリからインバータユニット8を介してステータ30に交流電流が供給されることで回転する。ロータ20は、シャフト21と、ロータコア24と、ロータマグネット(図示略)と、を有する。ロータ20(すなわち、シャフト21、ロータコア24およびロータマグネット)は、水平方向かつ車両の幅方向に延びるモータ軸J2を中心として回転する。ロータ20のトルクは、ギヤ部3に伝達される。
 シャフト21は、モータ軸J2を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J2を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを連通させる。
 シャフト21は、ハウジング6のモータ室81とギヤ室82とを跨って延びる。シャフト21の一方の端部は、ギヤ室82側に突出する。ギヤ室82に突出するシャフト21の端部には、ギヤ部3の第1のギヤ41が固定されている。
 シャフト21は、複数のベアリング(第1のベアリング26、第2のベアリング27および第3のベアリング)により回転可能に支持される。第1のベアリング26および第2のベアリング27は、モータ室81に位置する。また、第1のベアリング26および第2のベアリング27は、ロータコア24を挟んでシャフト21の軸方向両側にそれぞれ位置する。一方で、第3のベアリング28は、ギヤ室82内に位置する。第1のベアリング26、第2のベアリング27および第3のベアリング28は、ハウジング6に保持される。より具体的には、第1のベアリング26は閉塞部63に保持され、第2のベアリング27は隔壁61cのモータ室81側を向く面に保持され、第3のベアリング28は、第3のベアリング28は隔壁61cのギヤ室82側を向く面に保持される。
 ロータコア24は、珪素鋼板を積層して構成される。ロータコア24は、軸方向に沿って延びる円柱体である。ロータコア24には、図示略の複数のロータマグネットが固定される。複数のロータマグネットは、磁極を交互にして周方向に沿って並ぶ。
 ステータ30は、ステータコア32と、コイル31と、ステータコア32とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。ステータ30は、ハウジング6に保持される。ステータコア32は、円環状のヨークの内周面から径方向内方に複数の磁極歯(図示略)を有する。磁極歯の間には、コイル線が掛けまわされる。磁極歯に掛けまわされたコイル線は、コイル31を構成する。すなわち、コイル31は、インシュレータを介してステータコア32に巻き付けられる。コイル31から延び出るコイル線は、図示略のバスバーを介してインバータユニット8に接続される。
 コイル31は、第1のコイルエンド31aと、第2のコイルエンド31bと、を有する。第1のコイルエンドは、ステータコア32の軸方向一方側に突出する。第2のコイルエンド31bは、ステータコア32の軸方向他方側に突出する。すなわち、コイル31は、ステータコア32の軸方向両側にそれぞれ突出する一対のコイルエンド31a、31bを有する。
 <ギヤ部>
 ギヤ部3は、ハウジング6のギヤ室82に収容される。ギヤ部3は、モータ軸J2の軸方向一方側においてシャフト21に接続される。ギヤ部3は、減速装置4と差動装置5とを有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。
 <減速装置>
 減速装置4は、モータ2のロータ20に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる機能を有する。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。
 減速装置4は、第1のギヤ(中間ドライブギヤ)41と、第2のギヤ(中間ギヤ)42と、第3のギヤ(ファイルナルドライブギヤ)43と、中間シャフト45と、を有する。モータ2から出力されるトルクは、モータ2のシャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43を介して差動装置5のリングギヤ(ギヤ)51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
 第1のギヤ41は、モータ2のシャフト21の外周面に設けられる。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J2を中心に回転する。中間シャフト45は、モータ軸J2と平行な中間軸J4に沿って延びる。中間シャフト45は、中間軸J4を中心として回転する。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に設けられる。第2のギヤ42と第3のギヤ43は、中間シャフト45を介して接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J4を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5のリングギヤ51と噛み合う。
 <差動装置>
 差動装置5は、減速装置4を介しモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える機能を有する。差動装置5は、リングギヤ51と、ギヤハウジング(不図示)と、一対のピニオンギヤ(不図示)と、ピニオンシャフト(不図示)と、一対のサイドギヤ(不図示)と、を有する。
 リングギヤ51は、モータ軸J2と平行な差動軸J5を中心として回転する。リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。すなわち、リングギヤ51は、他のギヤを介してモータ2に接続される。
 <オイル>
 オイルOは、ハウジング6に設けられた油路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOは、ギヤ室82内の下部領域(すなわちオイル溜りP)に溜る。オイルOは、潤滑油および冷却油の機能を奏するため、粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のものを用いることが好ましい。
 
 <油路>
 油路90は、ハウジング6に設けられる。油路90は、収容空間80のモータ室81とギヤ室82とに跨って構成される。油路90は、オイル溜りPからオイルOをモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。
 なお、本明細書において、「油路」とは、収容空間80を循環するオイルOの経路を意味する。したがって、「油路」とは、定常的に一方向に向かう定常的なオイルの流動を形成する「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路(例えばリザーバ)およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。
 油路90は、モータ2の内部を通る第1の油路91と、モータ2の外部を通る第2の油路(油路)92と、を有する。第1の油路91および第2の油路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。オイルOは、第1の油路91および第2の油路92において、モータ2を内部および外部から冷却する。
 (第1の油路と第2の油路の共通部分)
 まず、第1の油路91と第2の油路92の共通部分について説明する。
 第1の油路91および第2の油路92は、ともにオイル溜りPからオイルOをモータ2に供給して、再びオイル溜りPに回収する経路である。第1の油路91および第2の油路92において、オイルOは、モータ2から滴下して、モータ室81内の下部領域に溜る。モータ室81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁開口68を介して、ギヤ室82内の下部領域(すなわち、オイル溜りP)に移動する。すなわち、第1の油路91および第2の油路92は、オイルOをモータ室81内の下部領域からギヤ室82内の下部領域に移動させる経路を含む。
 (第1の油路)
 第1の油路91において、オイルOは、オイル溜りPから差動装置5によりかき上げられてロータ20の内部に導かれる。オイルOには、ロータ20の内部で、ロータ20の回転に伴う遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20を径方向外側から囲むステータ30に向かって均等に拡散されステータ30を冷却する。
 第1の油路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1の油路91の経路中には、第1のリザーバ93が設けられる。第1のリザーバ93は、ギヤ室82に設けられている。
 かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、第1のリザーバ93でオイルOを受ける経路である。第1のリザーバ93は、上側に開口する。第1のリザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面が高い場合等には、第1のリザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
 シャフト供給経路91bは、第1のリザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、シャフト21の連通孔23からロータコア24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
 シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、第1のリザーバ93に溜るオイルOが、ロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
 ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ室81内の下部領域に溜る。モータ室81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ室82に移動する。
 (第2の油路)
 第2の油路92においてオイルOは、オイル溜りPからモータ2の上側まで引き上げられてモータ2に供給される。すなわち、第2の油路92は、オイルOをモータ2の上側からモータ2に供給する。モータ2に供給されたオイルOは、ステータ30の外周面を伝いながら、ステータ30から熱を奪い、モータ2を冷却する。ステータ30の外周面を伝ったオイルOは、下方に滴下してモータ室81内の下部領域に溜る。第2の油路92のオイルOは、第1の油路91のオイルOとモータ室81内の下部領域で合流する。モータ室81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁開口68を介して、ギヤ室82内の下部領域(すなわち、オイル溜りP)に移動する。
 第2の油路92には、オイルポンプ96と、クーラー97と、第2のリザーバ(リザーバ)98と、が設けられる。また、第2の油路92は、第1の流路92aと第2の流路92bと第3の流路92cとを有する。第1の流路92a、第2の流路92bおよび第3の流路92cは、収容空間80を囲むハウジング6の壁部を通過する。
 第2の油路92において、オイルOは、第1の流路92a、オイルポンプ96、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92c、第2のリザーバ10の順で各部を通過して、モータ2に供給される。第1の流路92aは、収容空間80の下部領域のオイル溜りPとオイルポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、オイルポンプ96とクーラー97とを繋ぐ。第3の流路92cは、クーラー97から上側に延びてモータ室81の上部で開口する。
 オイルポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。オイルポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げて、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92cおよび第2のリザーバ10を介してモータ2に供給する。すなわち、オイルポンプ96は、第2の油路92中でオイルOを循環させるために設けられる。
 クーラー97は、第2の油路92を通過するオイルOを冷却する。クーラー97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第1の流路92aおよび第2の流路92bは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、ラジエーター(図示略)で冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管97jが接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管97jを通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。なお、冷却水用配管97jの経路中には、インバータユニット8が設けられる。冷却水用配管97jを通過する冷却水は、インバータユニット8を冷却する。
 第2のリザーバ10は、モータ室81に位置する。第2のリザーバ10は、モータ2の上側に位置する。第2のリザーバ10は、第3の流路92cを介してモータ室81に供給されたオイルOを貯留する。また、第2のリザーバ10には、複数の流出口(流出口10a、第1の吐出孔19)が設けられる。第2のリザーバ10内に溜ったオイルOは、各流出口からモータ2に供給される。第2のリザーバ10の流出口から流出したオイルOは、上側から下側に向かってモータ2の外周面を伝って流れてモータ2の熱を奪う。これにより、モータ2全体を冷却することができる。コイル31を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ室81内の下部領域に溜る。モータ室81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ室82に移動する。
 <第2のリザーバ>
 第2のリザーバ10についてより詳細に説明する。 図2は、モータユニット1の断面図であって、モータ2および第2のリザーバ10を上側から見た図である。図3は、第2のリザーバ10の斜視図である。なお、図2を用いた第2のリザーバ10の説明において、周方向一方側とは-X方向である。
 図2に示すように、第2のリザーバ10は、水平平面に沿って延びる底部(主樋底部12a、側樋底部11a)と、底部から上側に延びる壁部(主樋壁部12b、12c、側樋壁部11b、11c)と、を有する。第2のリザーバ10は、第3の流路92cからモータ室81に供給されたオイルOを底部および壁部に囲まれる空間において貯留する。
 第2のリザーバ10には、オイルOを流出させる複数の流出口(流出口10a、第1の吐出孔19、第2の吐出孔17)が設けられる。各流出口は、第2のリザーバ10内に溜ったオイルOを流出させ、モータ2に上側から供給する。すなわち、第2のリザーバ10は、流出口を介して貯留したオイルOをモータ2の各部に上側から供給する。
 第2のリザーバ10は、主樋12と一対の側樋11A、11Bとを有する。主樋12および一対の側樋11A、11Bは、それぞれ上側に開口する横断面略U字状の樋状である。すなわち、第2のリザーバ10は、樋状である。第2のリザーバ10は、樹脂材料から構成される。
 (主樋)
 主樋12は、ステータコア32の直上に位置する。主樋12は、第3の流路92cのモータ室81への供給口92caの直下に位置する。このため、主樋12は、第2の油路92の上流側から供給されるオイルOを受ける。
 なお、本明細書において、「直上に位置する」とは、対象物の上側に位置し、上下方向から見て対象物と重なることを意味する。同様に、本明細書において、「直下に位置する」とは、対象物の下側に位置し、上下方向から見て重なることを意味する。
 主樋12は、軸方向に沿って延びる。上下方向から見て、第3の流路92cの供給口92caは、主樋12の長さ方向中程に位置する。したがって、第3の流路92cから主樋12に供給されたオイルOは、主樋12の長さ方向両側に分岐して流れる。
 主樋12は、主樋底部(底部)12aと、一対の主樋壁部(壁部)12b、12cと、を有する。すなわち、第2のリザーバ10は、主樋底部12aおよび主樋壁部12b、12cを有する。
 (主樋底部)
 主樋底部12aは、水平平面に沿って延びる。本実施形態において、主樋底部12aは、水平平面と略平行である。また、主樋底部12aは、軸方向を長さ方向とする略矩形状である。すなわち、主樋底部12aは、主樋12の長さ方向に沿って延びる。
 (主樋壁部)
 一対の主樋壁部12b、12cは、それぞれ主樋底部12aから上側に突出する。一対の主樋壁部12b、12cは、主樋底部12aの幅方向両側に位置する。一対の主樋壁部12b、12cは、周方向において互いに対向する。なお、本明細書において、底部(主樋底部12aおよび側樋底部11a)の幅方向とは、底部が延びる平面内において各樋部(主樋12および一対の側樋11A、11B)の長さ方向と直交する方向を意味する。また、底部の幅寸法とは、幅方向の寸法を意味する。
 一対の主樋壁部12b、12cは、第1の主樋壁部12bと第2の主樋壁部12cとに分類される。第1の主樋壁部12bは、主樋底部12aの周方向一方側の端部に位置する。第2の主樋壁部12cは、主樋底部12aの周方向他方側の端部に位置する。
 主樋12に溜るオイルOは、一対の主樋壁部12b、12cにより周方向に向かう流動が制限される。主樋12は、軸方向の両側において開放され、軸方向の両側においてそれぞれ側樋11A、11Bに繋がる。このため、主樋12に溜るオイルOは、軸方向両側に流れて側樋11A、11Bに流入する。
 (側樋)
 一対の側樋11A、11Bは、それぞれ主樋12の軸方向両側の端部に繋がる。一対の側樋11A、11Bは、それぞれ主樋12の軸方向両側の端部からそれぞれ周方向一方側に向かって樋状に延びる。
 一対の側樋11A、11Bは、ステータコア32の軸方向一方側および他方側に位置する。一対の側樋11A、11Bのうち軸方向一方側に位置する側樋11Aは、第1のコイルエンド31aの直上に位置する。一方で、一対の側樋11A、11Bのうち軸方向他方側に位置する側樋11Bは、第2のコイルエンド31bの直上に位置する。以下の説明において、一対の側樋11A、11Bのうち軸方向一方側に位置する一方を第1の側樋11Aと呼び、軸方向他方側に位置する他方を第2の側樋11Bと呼ぶ場合がある。なお、本実施形態において、第1の側樋11Aと第2の側樋11Bとは、ステータコア32に対し互いに軸方向の逆側に配置される点を除き、互いに略同様の構成を有する。
 一対の側樋11A、11Bは、それぞれ側樋底部(底部)11aと、一対の側樋壁部(壁部)11b、11cと、閉塞壁部11dと、を有する。すなわち、第2のリザーバ10は、側樋底部11a、側樋壁部11b、11cおよび閉塞壁部11dを有する。また、一対の側樋11A、11Bには、流出口10aと、複数(本実施形態では2つ)の凹部18と、複数(本実施形態では2つ)の第1の吐出孔(吐出孔)19と、凹溝部(凹部)16と、第2の吐出孔(ベアリング供給孔)17と、が設けられる。すなわち、第2のリザーバ10には、流出口10a、凹部18、第1の吐出孔19、凹溝部16および第2の吐出孔17が設けられる。
 (側樋底部)
 側樋底部11aは、水平平面に沿って延びる。側樋底部11aは、軸方向と直交する方向を長さ方向とする略矩形状である。すなわち、側樋底部11aは、側樋11A、11Bの長さ方向に沿って延びる。
 図3に示すように、側樋底部11aは、第1の領域11aaと、第2の領域11abと、を有する。第1の領域11aaは、側樋底部11aにおいて主樋底部12aと連続する領域である。第1の領域11aaは、水平平面と略平行である。第1の領域11aaは、第2の領域11abに対してオイルOの流動方向上流側に位置する。
 第2の領域11abは、第1の領域11aaに対して周方向一方側に位置する。第2の領域11abは、周方向一方側に向かうに従い上側に傾斜する。第2の領域11abは、ステータコア32の外周面に沿って湾曲する。第2の領域11abは、周方向一方側に向かうに従い幅寸法が小さくなる。第2の領域11abの周方向一方側の先端には、流出口10aが設けられる。流出口10aは、第2のリザーバ10内に溜ったオイルOを流出させ、モータ2に供給する。
 本実施形態によれば、第2の領域11abの周方向一方側には、流出口10aが設けられる。第2の領域11abは、流出口10aに向かうに従い上側に傾斜する。したがって、流出口10aは、主樋底部12aおよび第1の領域11aaより上側に位置する。第2のリザーバ10内のオイルOは、液位が流出口10aの高さに達した後に、流出口10aから流出する。
 本実施形態の第2のリザーバ10は、オイルOの流路を構成する樋としての機能と、オイルOを貯留する貯留部としての機能と、を併せ持つ。第2の油路92の上流側からのオイルOの供給量が十分に多い場合、第2のリザーバ10は、樋として機能してオイルOを流し流出口10aからオイルOを流出させる。一方で、第2の油路92の上流側からオイルOの供給量が少なく、オイルOの液位が流出口10aより下側である場合、第2のリザーバ10は、オイルOを貯留する。すなわち、第2のリザーバ10内のオイルOは、一方向に流動しない。なお、第2のリザーバ10がオイルOを貯留する場合であっても、後段に説明する第1の吐出孔19および第2の吐出孔17からは、単位時間当たり一定量のオイルOが流出する。
 (側樋壁部)
 図2に示すように、一対の側樋壁部11b、11cは、それぞれ側樋底部11aから上側に突出する。一対の側樋壁部11b、11cは、側樋底部11aの幅方向両側に位置する。一対の側樋壁部11b、11cは、軸方向において互いに対向する。
 一対の側樋壁部11b、11cは、第1の側樋壁部11bと第2の側樋壁部11cとに分類される。
 第1の側樋壁部11bは、側樋底部11aのステータコア32側の端部に位置する。一方で、第2の側樋壁部11cは、側樋底部11aのステータコア32の反対側の端部に位置する。すなわち、一対の側樋壁部11b、11cのうち第2の側樋壁部11cは、主樋12の反対側に位置する一方であり、第1の側樋壁部11bは、主樋12側に位置する他方である。
 第1の側樋壁部11bは、主樋12の第1の主樋壁部12bと繋がる。一方で、第2の側樋壁部11cは、主樋12の第2の主樋壁部12cと繋がる。第2の側樋壁部11cは、第2の主樋壁部12cに向かって湾曲して滑らかに繋がる湾曲部11caを有する。本実施形態において、湾曲部11caは、上下方向から見て一様な曲率半径で湾曲する。
 本実施形態において、主樋12の全幅は、軸方向から見て、湾曲部11caに重なる。このため、主樋12の幅方向の何れの位置を流れるオイルOであっても、側樋11A、11Bに流入して湾曲部11caにあたる。これにより、オイルOは、湾曲部11caの湾曲に沿って周方向一方側にスムーズに流れを変える。すなわち、本実施形態によれば、第2の側樋壁部11cに主樋12の全幅の寸法より大きい湾曲部11caが設けられることで、主樋12から側樋11A、11Bに流入するオイルOの流れを、軸方向から周方向にスムーズに変えることができる。なお、本実施形態において、湾曲部11caの曲率半径は、一様である。しかしながら、湾曲部11caが第2の主樋壁部12cに滑らかに繋がり湾曲方向が一様であれば、湾曲部11caの曲率半径は、必ずしも一様でなくてもよい。
 閉塞壁部11dは、側樋底部11aの周方向一方側の端部のうち主樋12の反対側の一部の領域に設けられる。閉塞壁部11dは、側樋底部11aから上側に突出する。閉塞壁部11dは、側樋11A、11Bの周方向一方側の開口の一部を閉塞する。閉塞壁部11dは、側樋11A、11Bに設けられた凹溝部16の周方向一方側の端部を塞ぐ。側樋11A、11Bの周方向一方側の端部のうち、閉塞壁部11dに塞がれない領域には、流出口10aが構成される。
 (流出口)
 流出口10aは、側樋11A、11Bの周方向一方側の端部に位置する。流出口10aは、上下方向からみて一対のコイルエンド31a、31bのうち何れか一方に重なる。本実施形態において、第2の側樋11Aの流出口10aは、第1のコイルエンド31aの直上に位置する。また、第2の側樋11Bの流出口10aは、第2のコイルエンド31bの直上に位置する。
 流出口10aは、第2のリザーバ10内のオイルOをモータ2に供給する。より具体的には、第1の側樋11Aの流出口10aは、一対のコイルエンド31a、31bのうち一方(第1のコイルエンド31a)にオイルOを供給する。また、第2の側樋11Bの流出口10aは、一対のコイルエンド31a、31bのうち他方(第2のコイルエンド31b)にオイルOを供給する。
 本実施形態の第2のリザーバ10には、第1のコイルエンド31aにオイルOを供給する流出口10aを備えた側樋11Aと、第2のコイルエンド31bにオイルOを供給する流出口10aを備えた側樋11Bと、が設けられる。このため、本実施形態によれば、ステータ30の一対のコイルエンド31a、31bをそれぞれ個別に冷却することができ、ステータ30の冷却効率を高めることができる。
 本実施形態の流出口10aは、周方向一方側に開口する。第2のリザーバ10内のオイルOのオイルの量が増加すると、流出口10aから流出するオイルOの流量が増加する。したがって、本実施形態によれば、オイルポンプ96を用いて、第2のリザーバ10へのオイルOの供給量を調整することで、モータ2へのオイルOの供給量を制御することができる。このため、本実施形態によれば、オイルポンプ96を制御することで、モータ2の負荷に応じてモータ2の冷却を行うことができる。また、モータ2の温度を測定する場合には、モータ2の温度に応じた冷却を行うことができる。
 (凹部および第1の吐出孔)
 図2に示すように、側樋底部11aの第1の領域11aaには、2つの凹部18と、2つの第1の吐出孔19と、が設けられる。凹部18は、上側から見て略矩形である。2つの凹部18は、側樋底部11aの長さ方向(周方向)に沿って並んで配置される。第1の吐出孔19は、側樋底部11aを貫通する。第1の吐出孔19は、上側から見て円形である。2つの第1の吐出孔19は、上側から見て、それぞれ異なる凹部18の内側に位置する。
 図4は、側樋底部11aの断面模式図である。
 凹部18は、側樋底部11aの上面において下側に凹む。凹部18の上面18aは、水平平面に沿って延びる。
 第1の吐出孔19は、側樋底部11aを上下方向に貫通する。第1の吐出孔19は、上側において凹部18の上面18aに開口する。第1の吐出孔19は、下側において、一対のコイルエンド31a、31bのうち何れか一方の直上で開口する。本実施形態において、第1の側樋11Aの第1の吐出孔19は、第1のコイルエンド31aの直上に位置する。また、第2の側樋11Bの第1の吐出孔19は、第2のコイルエンド31bの直上に位置する。
 第1の吐出孔19は、第2のリザーバ10内のオイルOを、通過させ、さらに下側に滴下させモータ2に供給する。より具体的には、第1の吐出孔19は、第2のリザーバ10内のオイルOをコイルエンド31a、31bに供給する。コイル31に供給されたオイルOは、コイル31を構成する導線同士の隙間から浸み込む。コイル31に浸みこんだオイルOは、導線間に作用する毛細管力および重力によってコイル31の全体に浸透しながらコイルから熱を奪う。さらに、オイルOは、ステータコア32の内周面の最下部に溜り、コイル31の軸方向両端より滴り落ちる。
 側樋11A、11B内のオイルOは、側樋11A、11Bの長さ方向に沿って流れる。第2のリザーバ10へのオイルOの供給量が増加すると、側樋11A、11B内を流れるオイルOの流速が高まる。一般的に、第1の吐出孔19の上側を流れるオイルOの流速が高まると、第1の吐出孔19からオイルOが流出しづらくなる。本実施形態によれば、第1の吐出孔19は、側樋底部11aに設けられた凹部18の上面18aに開口する。側樋11A、11Bを流れるオイルOは、凹部18に達すると、凹部18の段差から、凹部18内に注ぎ込まれる。凹部18内に注ぎ込まれたオイルOは、段差を昇ることなく凹部18内で一時的に滞留する。また、凹部18内で滞留するオイルOは、第1の吐出孔19からしか流出できない。このため、第1の吐出孔19からオイルOが流出しやすくなる。結果的に、第2のリザーバ10へのオイルOの供給量の増減に関わらず、オイルOを第1の吐出孔19から定常的に流出させることができ、コイル31の冷却効率が高まる。
 本実施形態によれば、2つの凹部18は、側樋11A、11Bの長さ方向に沿って並んで配置される。すなわち、複数の凹部18は、第2のリザーバ10内のオイルOの流動方向に沿って並ぶ。2つの凹部18内には、それぞれオイルOが注ぎ込まれる。
 なお、本明細書において、オイルOの流動方向とは、第2のリザーバ10の各樋(主樋12および側樋11A、11B)の長さ方向を意味する。
 本実施形態において、第2のリザーバ10は、流出口10aと第1の吐出孔19においてオイルOをモータ2に供給する。上下方向から見て、流出口10aと第1の吐出孔19とは、モータ軸J2を挟んで一方側の領域と他方側の領域とにそれぞれオイルを供給する。これにより、モータ2の表面を伝って下側に流れるオイルOにより、モータ2全体を冷却することができる。
 (凹溝部および第2の吐出孔)
 図2に示すように、側樋底部11aには、凹溝部16と、第2の吐出孔17と、が設けられる。
 凹溝部16は、上側に開口する溝である。凹溝部16は、周方向に沿って直線状に延びる。凹溝部16は、傾斜する第2の領域11abの軸方向一方側に位置するが、傾斜することなく水平方向に延びる。
 
 凹溝部16は、側樋底部11aの主樋12と反対側の端部に位置する。すなわち、凹溝部16は、一対の側樋壁部11b、11cのうち、主樋12と反対側の側樋壁部11bに沿って延びる。
 第1の側樋11Aに設けられた凹溝部16は、第1のベアリング26の直上に位置する。また、第2の側樋11Bに設けられた凹溝部16は、第2のベアリング27の直上に位置する。
 凹溝部16の周方向一方側の端部は、閉塞壁部11dにより塞がれる。このため、凹溝部16に溜ったオイルOは、側樋11A、11Bの周方向一方側の開口から流出することがない。
 第2の吐出孔17は、側樋底部11aを上下方向に貫通する。第2の吐出孔17は、凹溝部16に設けられる。すなわち、第2の吐出孔17は、上側において凹溝部16に開口する。また、第2の吐出孔17は、下側において、一対のベアリング26、27のうち、いずれか一方の直上で開口する。第1の側樋11Aの第2の吐出孔17は、第1のベアリング26の直上で開口し、第2のリザーバ10内のオイルOを第1のベアリング26に供給する。一方で、第2の側樋11Bの第2の吐出孔17は、第2のベアリング27の直上で開口し、第2のリザーバ10内のオイルOを第2のベアリング27に供給する。すなわち、一方の側樋(第1の側樋11A)に設けられる第2の吐出孔17は、オイルOを一方のベアリング(第1のベアリング26)に供給し、他方の側樋(第2の側樋11B)に設けられる第2の吐出孔17は、オイルOを他方のベアリング(第2のベアリング27)に供給する。
 図5は、軸方向と直交する平面に沿って見たモータユニット1の部分断面図である。図6は、モータ軸J2を通る平面に沿って見たモータユニット1の部分断面図である。ここでは、図5および図6を基に、第2の側樋11Bの第2の吐出孔17から第2のベアリング27に供給されるオイルの経路について説明する。第1の側樋11Aの第2の吐出孔17から第1のベアリング26に供給されるオイルの経路については、これと同様であるため、説明を省略する。
 図5に示すように、第2のベアリング27は、内輪27aと、外輪27bと、径方向において内輪27aと外輪27bとの間に配置される複数の鋼球27cと、を有する。第2のベアリング27は、内輪27aにおいてシャフト21を保持する。また、第2のベアリング27は、外輪27bにおいてハウジング6に保持される。
 ハウジング6は、軸方向に沿って筒状に延びるベアリング保持部69を有する。ベアリング保持部69は、ハウジング6の隔壁61cに設けられる。ベアリング保持部69は、第2のベアリング27を径方向外側から囲む。ベアリング保持部69は、第2のベアリング27の外輪27bを保持する。
 ベアリング保持部69には、貫通孔69aが設けられる。貫通孔69aは、ベアリング保持部69を径方向に貫通する。また、貫通孔69aは、上下に開口する。貫通孔69aは、第2のベアリング27の外輪27bの外周面の一部を上側に露出させる。
 図6に示すように、本実施形態の貫通孔69aは、ベアリング保持部69の軸方向端部69bに開口する切欠である。すなわち、貫通孔69aは、ベアリング保持部69の軸方向端部69bから軸方向一方側(+Y側)に延びる切欠状である。貫通孔69aを軸方向に延びる切欠とすることで、貫通孔69aを安価な加工方法で容易に形成できる。
 図5に示すように、第2のリザーバ10の第2の吐出孔17は、貫通孔69aの上側に位置する。第2の吐出孔17を通過したオイルOは、貫通孔69aに達する。すなわち、第2の吐出孔17は、貫通孔69aにオイルOを供給する。貫通孔69aに達したオイルOは、ベアリングの外輪27bの表面を伝って鋼球27cおよび内輪27aに達し第2のベアリング27の潤滑性を高める。すなわち、本実施形態によれば、第2のリザーバ10から第2のベアリング27にオイルOを供給して、第2のベアリング27の回転効率を高めることができる。
 図6に示すように、貫通孔69aの内側面のうち、最も軸方向一方側(+Y側)に位置する部分を底部69aaと呼ぶこととする。本実施形態の底部69aaは、貫通孔69aの軸方向の開口側(-Y側)を向く平面である。底部69aaは、第2のベアリング27の外輪27bの軸方向一方側(+Y側)を向く端面27baより、軸方向一方側(+Y側)に位置する。このため、貫通孔69aを通過したオイルは、第2のベアリング27の軸方向全幅に供給され、第2のベアリング27の潤滑性を効率的に高めることができる。
 本実施形態によれば、第2のリザーバ10の側壁底部を貫通する第2の吐出孔17からオイルOを第1のベアリング26および第2のベアリング27に供給する。第2の吐出孔17は、上下方向に沿って貫通する貫通孔である。このため、第2の吐出孔17は、周方向に開口する流出口10aと比較して、第2のリザーバ10内のオイルOの液位に関わらず、オイルOを略一定の流量で流出させる。したがって、本実施形態によれば、第2のリザーバ10から第1のベアリング26および第2のベアリング27に単位時間当たり略一定量のオイルOを供給することができる。
 なお、本実施形態の第2の吐出孔17は、貫通孔69aの直上に位置し、オイルOを貫通孔69aに滴下して直接的に供給する。しかしながら、第2の吐出孔17は、滴下したオイルOをハウジング6の内壁面に伝わせて、貫通孔69aにオイルOを供給するものであってもよい。
 本実施形態の第2の吐出孔17は、凹溝部16に設けられる。凹溝部16は、第2のリザーバ10の底部から下側に凹んで形成されるため、第2のリザーバ10にオイルOが供給された場合に、オイルOが溜り易い。本実施形態によれば、第2の吐出孔17が凹溝部16に設けられるため、第2のリザーバ10の他の流出口(例えば流出口10a)よりも先に、オイルOを吐出する。これにより、モータユニット1の起動時に、第1のベアリング26および第2のベアリング27の潤滑性を高めることができる。
 本実施形態によれば、凹溝部16の周方向一方側の端部は、閉塞壁部11dにより塞がれる。このため、凹溝部16には、オイルOが滞留する。このため、第2の吐出孔17は、第2のリザーバ10に溜るオイルOの量が少なくなり、他の流出口(例えば流出口10a)からのオイルOの流出が停止した後においても、第1のベアリング26および第2のベアリング27に供給することができる。
 本実施形態の第2の吐出孔17は、閉塞壁部11dの近傍に位置する。凹溝部16内において側樋11A、11Bの長さ方向に流動するオイルOは、閉塞壁部11dにせき止められる。このため、オイルOの流速は、閉塞壁部11dの近傍で低減される。本実施形態によれば、第2の吐出孔17が閉塞壁部11dの近傍に位置することで、第2の吐出孔17の上側でオイルOの流速を低減させ、第2の吐出孔17から定常的にオイルOを滴下させることができる。
 本実施形態によれば、凹溝部16は、側樋11A、11Bの主樋12と反対側の端部に位置し第2の側樋壁部11cに沿って延びる。主樋12から側樋11A、11Bに流入したオイルは、第2の側樋壁部11cにあたって流動方向を周方向一方側に変化させ、第2の側樋壁部11cに沿って流れる。このため、第2のリザーバ10へのオイルOの供給量が少ない場合であっても、凹溝部16には、オイルOが溜り易い。すなわち、凹溝部16には、第2のリザーバ10の他の領域にオイルOが行き渡る前に、オイルOが溜まる。本実施形態によれば、第2の吐出孔17から、他の流出口(流出口10aおよび第1の吐出孔19)よりも先にオイルOを吐出させることができる。
 本実施形態において、運転者がモータユニット1を搭載する車両を起動させると、モータユニット1は、モータ2を駆動させる前にオイルポンプ96を駆動させる。すなわち、オイルポンプ96は、モータ2のロータ20が回転を始める前に第2のリザーバ10にオイルOを供給する。また、上述したように、第2の吐出孔17は、他の流出口10aより先に、オイルOを吐出する。本実施形態によれば、オイルOによって、第1のベアリング26および第2のベアリング27の潤滑性を高めた後に、モータ2を駆動させることができる。
 モータユニット1を長期間使用しないと、オイルOが循環しないため、シャフト21を支持する第1のベアリング26および第2のベアリング27のオイルOが抜けて、第1のベアリング26および第2のベアリング27の潤滑性が低下する虞がある。本実施形態によれば、モータユニット1が長期間起動されなかった後の最初の駆動においても、第1のベアリング26および第2のベアリング27にオイルOを供給した後にロータ20を回転させることができる。
 (ギヤ室側からのベアリングへのオイル供給)
 図7は、第3のベアリング28および隔壁61cをギヤ室82側から見た斜視図である。
 隔壁61cには、軸方向に貫通する挿通孔64が設けられる。挿通孔64には、シャフト21が挿通される。また、隔壁61cのギヤ室82側を向く面には、筒状部65と、第1のリザーバ93の一部と、複数のリブ66と、が設けられる。
 筒状部65は、挿通孔64の縁部から軸方向に突出する。筒状部65の径方向内側には、第3のベアリング28が配置される。筒状部65は、第3のベアリング28の外輪28bを保持する。また、筒状部65は、第3のベアリング28を介してシャフト21を回転可能に支持する。
 第1のリザーバ93は、第1の油路91(図1参照)の経路中に設けられ、リングギヤ51でかき上げられたオイルOを受ける。なお、隔壁61cに設けられる第1のリザーバ93は、全体の一部である。第1のリザーバ93は、隔壁61cから軸方向に延びる一部93Aと、隔壁61cと軸方向に対向するカバー部材(図示略)の一面から延びる他部93Bと、を有する。一部93Aおよび他部93Bは、軸方向から見て略同形状であり、軸方向に連結して第1のリザーバ93を構成する。
 第1のリザーバ93は、底部93aと、第1の壁部93bと、第2の壁部93cと、を有する。第1のリザーバ93は、底部93aと第1の壁部93bと第2の壁部93cとで囲まれた領域においてオイルOを一時的に貯留する。第1の壁部93bおよび第2の壁部93cは、それぞれ底部93aから上側に延びる。第1の壁部93bと第2の壁部93cは、車両の前後方向(すなわちX軸方向)に並ぶ。第2の壁部93cは、第1の壁部93bに対して、シャフト21側に配置される。
 第2の壁部93cは、モータ軸J2の周方向に沿って斜め上方に向かって延びる。より具体的には、第2の壁部93cは、上側に向かうに従い車両前方側(すなわち+X方向)に向かって傾斜する。これにより、第2の壁部93cは、リングギヤ51にかき上げられたオイルOを幅広い範囲で受けることができる。第2の壁部93cは、筒状部65の外周面に沿って湾曲する。本実施形態において、第2の壁部93cは、第2の壁部93cは、筒状部65の外周面と一体的に繋がる。
 複数のリブ66は、筒状部65から径方向外側に向かって放射状に延びる。複数のリブ66は、筒状部65を補強する。複数のリブ66のうち1つのリブ66は、第2の壁部93cの直上に位置する。ここで、第2の壁部93cの直上のリブ66を直上リブ66Aと呼ぶ。直上リブ66Aは、上側に向かうに従い車両後方側(すなわち-X方向)に傾斜する。直上リブ66A下端と第2の壁部93cの上端とは、筒状部65の外周面を介して互いにて繋がっている。
 筒状部65には、径方向に延びる貫通孔67が設けられる。貫通孔67は、筒状部65を径方向に貫通する。貫通孔67は、ギヤ室82内でかき上げられたオイルOを第3のベアリング28に供給する。
 図6に示すように、貫通孔67は、筒状部65の外周面に位置する外側開口67aと、挿通孔64の内周面に位置する内側開口67bと、を有する。貫通孔67は、外側開口67aと内側開口67bの間で直線的に延びる。
 外側開口67aは、筒状部65の外周面において、上側かつリングギヤ51側を向く領域に位置する。より具体的には、外側開口67aは、筒状部65の外周面において、第2の壁部93cの上端と直上リブ66Aとの間に位置する。
 内側開口67bは、外側開口67aより下側に位置する。また、内側開口67bは、外側開口67aに対してモータ室81側に位置する。したがって、貫通孔67は、下側に向かうに従いモータ室81に近づく方向に傾斜する。図2に示すように、第2のベアリング27と第3のベアリング28とは、軸方向において互いに離間して配置される。したがって、挿通孔64の内部において、第2のベアリング27と第3のベアリング28との間には、隙間Aが設けられる。内側開口67bは、挿通孔64の内周面であって第2のベアリング27と第3のベアリング28の間に位置する。すなわち、貫通孔67は、径方向内側において、隙間Aに開口する。
 本実施形態によれば、リングギヤ51によりかき上げられるオイルOは、リングギヤ51の上側でリングギヤ51側からシャフト21側に向かって飛散する。このオイルOの一部は、直接的に第1のリザーバ93に受けられる。また、このオイルOの他の一部は、直上リブ66Aに当たって直上リブ66Aの表面を下側に伝う。このオイルOは、直上リブ66Aの下端から筒状部65の外周面を伝って第1のリザーバ93に誘導される。また、直上リブ66Aの下端から筒状部65の外周面に伝うオイルOの一部は、筒状部65の外周面に位置する外側開口67aに達する。外側開口67aに達したオイルOは、貫通孔67を通り隙間Aに供給される。さらにオイルOは、隙間A内から軸方向両側に移動して第2のベアリング27および第3のベアリング28に供給される。このため、本実施形態によれば、貫通孔67が設けられることで、第2のベアリング27および第3のベアリング28の潤滑性を高めることができる。
 (第2のリザーバ10の保持構造)
 次に、第2のリザーバ10をハウジング6の内部で保持させる構造について説明する。本実施系の第2のリザーバ10は、ステータコア32に保持される。
 図2に示すように、側樋11A、11Bの第1の側樋壁部11bは、ステータコア32側を向く対向面11baを有する。対向面11baは、ステータコア32の軸方向を向く端面に対向する。第1の側樋11Aの対向面11baは、ステータコア32の軸方向一方側を向く端面32aに対向する。また、第2の側樋11Bの対向面11baは、ステータコア32の軸方向他方側を向く端面32bに対向する。すなわち、一対の側樋11A、11Bは、ステータコア32の軸方向一方側および他方側を向く端面32a、32bにそれぞれ対向する対向面11baを有する。
 一対の側樋11A、11Bのそれぞれの対向面11baには、ステータコア32側に突出する突起部(第1の突出部)15が設けられる。それぞれの突起部15は、先端面において、ステータコア32に接触する。
 本実施形態によれば、第1の側樋11Aは、突起部15においてステータコア32の軸方向一方側を向く端面32aに接触する。同様に、第2の側樋11Bは、突起部15においてステータコア32の軸方向他方側を向く端面32bに接触する。すなわち、一対の側樋11A、11Bは、ステータコア32の軸方向一方側を向く端面32aおよび他方側を向く端面32bにそれぞれ接触する。これにより、第2のリザーバ10は、側樋11A、11Bによってステータコア32を軸方向両側から挟み込み、ステータコア32に保持させることができる。
 本実施形態によれば、側樋11A、11Bは、それぞれ突起部15においてステータコア32に接触する。側樋11A、11Bに突起部15が設けられることで、側樋11A、11Bとステータコア32との接触位置を突起部15の先端に制限できる。このため、第2のリザーバ10の成形において、突起部15の先端面の寸法精度を管理することで、側樋11A、11Bとステータコア32とを確実に接触させることができる。
 図3に示すように、主樋12の主樋底部12aは、下側に突出する複数の支持リブ(第2の突出部)14を有する。すなわち、第2のリザーバ10は、下側に突出する支持リブ14を有する。支持リブ14は、周方向に沿ってリブ状に延びる。支持リブ14は、下側を向く支持面14aを有する。支持面14aは、周方向に沿って湾曲する。支持リブ14は、支持面14aにおいて、ステータコア32の外周面に接触する。
 本実施形態によれば、第2のリザーバ10は、支持リブ14においてステータコア32の外周面に接触する。したがって、第2のリザーバ10が、ステータコア32に対して突起部15を中心として回転することを抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、ステータコア32によって第2のリザーバ10を周方向に保持させることができる。
 本実施形態によれば、支持リブ14は、周方向に沿ってリブ状に延びる。また、ステータコア32の外周面に接触する支持リブ14の支持面14aは、ステータコア32の外周面に沿って湾曲する。したがって、本実施形態によれば、支持リブ14とステータコア32の外周面との接触面が、周方向に長く確保され、ステータコア32による第2のリザーバ10の保持の安定性を高めることができる。
 図2に示すように、側樋11A、11Bの第2の側樋壁部11cに設けられた湾曲部11caには、接触リブ(第3の突出部)13が設けられる。すなわち、第2のリザーバ10は、接触リブ13を有する。接触リブ13は、湾曲部11caに対して周方向他方側に突出する。接触リブ13は、軸方向に沿ってリブ状に延びる。
 第2の側樋11Bの湾曲部11caに設けられた接触リブ13は、周方向他方側の先端においてハウジング6の内壁面6aに接触する。上述したように、第2のリザーバ10は、支持リブ14においてステータコア32の外周面と接触する。したがって、第2のリザーバ10は、ステータコア32の外周面とハウジング6の内壁面6aとの間に挟み込まれ、ステータコア32およびハウジング6によって保持される。本実施形態によれば、第2のリザーバ10をハウジング6内に安定的に保持させることができる。
 本実施形態において、ハウジング6は、ダイカスト等の鋳造により成形される。このため、接触リブ13と接触するハウジング6の内壁面6aは、軸方向一方側(閉塞部63側)から他方側(隔壁61c側)に向かうに従い径方向内側に傾斜するテーパ面となる。また、本実施形態のモータユニット1の製造工程において、第2のリザーバ10はモータ2に組み付けられて保持させた状態で、モータ2とともに軸方向に移動されてハウジング6のモータ室81内に収容される。したがって、第2のリザーバ10をモータ室81内へ収容する工程において、第2の側樋11Bの接触リブ13には、内壁面6aから軸方向一方側に向かう応力を受ける。
 本実施形態によれば、接触リブ13は、軸方向に沿ってリブ状に延びる。このため、接触リブ13は、軸方向に沿う剛性が高い。接触リブ13は、第2のリザーバ10をモータ室81内へ収容する工程において、内壁面6aから軸方向の応力を受けても、損傷が抑制される。また、接触リブ13は、軸方向に沿ってリブ状に延びることで、内壁面6aに接触した際に径方向において適度に変形する。これにより、接触リブ13が内壁面6aに接触した状たで、主樋12および側樋11A、11Bが変形することを抑制できる。
 (凹部および第1の吐出孔の変形例)
 図8は、上述の第2のリザーバ10に採用可能な変形例の凹部118および第1の吐出孔119の断面図である。なお、なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
 上述の実施形態と同様に、本変形例の凹部118および第1の吐出孔119は、側樋底部11aに設けられる。凹部118は、側樋底部11aの上面において下側に凹む。本変形例において、凹部118の上面118aは、水平面部118aaとテーパ面部118abとを有する。
 水平面部118aaは、水平平面に沿って延びる。テーパ面部118abは、上側に向かうに従い周方向一方側に傾斜する。テーパ面部118abは、周方向一方側に対向して傾斜する。オイルOは、周方向一方側を流動方向として側樋11A、11Bを流れる。したがって、テーパ面部118abは、第2のリザーバ10内のオイルOの流動方向の上流側に対向して傾斜する。
 第1の吐出孔119は、側樋底部11aを貫通する。本変形例において、第1の吐出孔119は、テーパ面部118abの板厚方向に延びる。第1の吐出孔119は、上側において凹部118のテーパ面部118abに開口する。第1の吐出孔119は、下側において、一対のコイルエンド31a、31bのうち何れか一方の直上で開口する。第1の吐出孔119は、第2のリザーバ10内のオイルOを通過および下側に滴下させ、一対のコイルエンド31a、31bのうち何れか一方に供給する。
 本変形例によれば、第1の吐出孔119は、側樋底部11aに設けられた凹部118の上面118aに開口する。側樋11A、11Bを流れるオイルOが、凹部118に達すると、凹部118の段差から凹部118内に注ぎ込まれる。凹部118内に注ぎ込まれたオイルOは、段差を昇ることなく凹部118内で一時的に滞留する。また、凹部18内で滞留するオイルOは、第1の吐出孔19からしか流出できない。このため、第1の吐出孔119からオイルOが流出しやすくなる。結果的に、第2のリザーバ10へのオイルOの供給量の増減に関わらず、オイルOを第1の吐出孔119から定常的に流出させることができ、コイル31の冷却効率が高まる。
 また、本変形例の第1の吐出孔119は、テーパ面部118abに開口する。テーパ面部118abは、オイルOの流動方向上流側に対向する。したがって本変形例によれば、オイルOの流速が高まった場合に、オイルOの流速を利用して、オイルOを第1の吐出孔119からスムーズに流出させることができる。これにより、第2の油路92の上流側から第2のリザーバ10へのオイルOの供給量が増加した場合に、モータ2を効果的に冷却することができる。
 以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
 例えば、上述の実施形態において、第2のリザーバ10が一対の側樋11A、11Bを有する場合について説明した。しかしながら、第2のリザーバは、主樋に対して軸方向一方又は他方側に位置する何れか一方側の側樋を有していればよい。この場合、第2のリザーバは、上下方向から見てL字状に構成される。
 1…モータユニット、2…モータ、6…ハウジング、6a…内壁面、10a…流出口、11A,11B…側樋、11a…側樋底部(底部)、11b,11c…側樋壁部(壁部)、11d…閉塞壁部、12…主樋、12a…主樋底部(底部)、12b,12c…主樋壁部(壁部)、13…接触リブ(第3の突出部)、14…支持リブ(第2の突出部)、14a…支持面、15…突起部(第1の突出部)、16…凹溝部(凹部)、17…第2の吐出孔(ベアリング供給孔)、18,118…凹部、18a,118a…上面、19…第1の吐出孔(吐出孔)、20…ロータ、21…シャフト、26,27…ベアリング、27b…外輪、30…ステータ、31…コイル、31a,31b…コイルエンド、32…ステータコア、32a,32b…端面、69…ベアリング保持部、69a…貫通孔、92…第2の油路(油路)、98…第2のリザーバ(リザーバ)、11ba…対向面、11ca…湾曲部、118ab…テーパ面部、J2…モータ軸、O…オイル

Claims (8)

  1.  水平方向に延びるモータ軸を中心として回転するロータおよび前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、
     前記モータを収容するハウジングと、
     前記ハウジング内に収容されるオイルと、を備え、
     前記ロータは、前記モータ軸を中心として軸方向に沿って延びるシャフトを有し、
     前記シャフトは、前記ハウジングに保持されるベアリングにより回転可能に支持され、
     前記ステータは、
      ステータコアと、
      前記ステータコアに巻き付けられるコイルと、を有し、
     前記コイルは、前記ステータコアから軸方向に突出するコイルエンドを有し、
     前記ハウジングには、前記オイルを循環させ前記オイルを前記モータの上側から前記モータに供給する油路が設けられ、
     前記油路には、前記モータの上側に位置し前記オイルを貯留するリザーバが設けられ、
     前記リザーバは、
      軸方向に沿って延び前記油路の上流側から供給される前記オイルを受ける主樋と、
      前記主樋の軸方向一方の端部から周方向一方側に向かって延びる側樋と、を有し、
     前記側樋には、
      前記リザーバ内の前記オイルを前記コイルエンドに供給する流出口と、
      前記リザーバ内の前記オイルを前記ベアリングに供給するベアリング供給孔と、が設けられる、
    モータユニット。
  2.  前記側樋には、上側に開口する凹部が設けられ、
     前記ベアリング供給孔は、前記凹部に設けられる、
    請求項1に記載のモータユニット。
  3.  前記凹部は、前記側樋の前記主樋と反対側の端部に位置し周方向に沿って延びる凹溝である、
    請求項2に記載のモータユニット。
  4.  前記リザーバは、周方向に沿って延びる前記凹部の周方向一方側の端部を塞ぐ閉塞壁部
    を有する、
    請求項3に記載のモータユニット。
  5.  前記ハウジングは、軸方向に沿って筒状に延び前記ベアリングの外輪を保持するベアリング保持部を有し、
     前記ベアリング保持部には、径方向に貫通し上下に開口する貫通孔が設けられ、
     前記ベアリング供給孔は、前記貫通孔に前記オイルを供給する、
    請求項1~4の何れか一項に記載のモータユニット。
  6.  前記貫通孔は、前記ベアリング保持部の軸方向端部から軸方向一方側に延びる切欠状であり、
     前記貫通孔の内側面のうち、最も軸方向一方側に位置する底部は、前記ベアリングの外輪の軸方向一方側を向く端面より、軸方向一方側に位置する、
    請求項5に記載のモータユニット。
  7.  前記主樋および前記側樋は、それぞれの長さ方向に沿って延びる底部と、前記底部の幅方向両側に位置する一対の壁部と、をそれぞれ有し、
     前記側樋の一対の前記壁部のうち前記主樋の反対側に位置する一方は、前記主樋の一対の前記壁部のうち周方向他方側に位置する一方に向かって湾曲して滑らかに繋がる湾曲部を有し、
     前記主樋の全幅は、軸方向から見て、前記湾曲部に重なる、
    請求項1~6の何れか一項に記載のモータユニット。
  8.  前記シャフトは、一対の前記ベアリングに支持され、
     前記リザーバは、前記主樋の軸方向両側の端部から延びる一対の前記側樋を有し、
     一方の前記側樋に設けられる前記ベアリング供給孔は、前記オイルを一方の前記ベアリングに供給し、他方の前記側樋に設けられる前記ベアリング供給孔は、前記オイルを他方の前記ベアリングに供給する、
    請求項1~7の何れか一項に記載のモータユニット。
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