JP2014225970A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明に係る電動機は、ハウジング(5、10、30)の下部側は貯留槽Tを構成し、貯留槽Tとステータコア13とは、平面視で軸に直交する直交方向に延びる第1貯留槽T1と、平面視で直交方向に延びる第2貯留槽T2と、を構成し、潤滑油供給装置から供給された潤滑油が流れ、平面視で直交方向に延びる第1貯留槽T1内の一端側に潤滑油を供給する供給路と、平面視で直交方向に延びる第2貯留槽T2内の一端側に接続し、第2貯留槽T2に貯留する潤滑油を吸入して潤滑油供給装置に循環させる吸入路5dと、平面視で直交方向に延びる第1貯留槽T内の他端側と第2貯留槽T2内の他端側とを連通させる連通路(連通孔25)と、を有していることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
なお、電動機に設けられた油路は、一般的に、モータを収容するハウジング内を巡回し、オイルオンプ等により潤滑油の汲み上げが行われるオイル貯留槽に帰還する連続した流路になっている。
この貯留槽は、モータ室を形成するハウジングの下部側により構成される槽であり、コイルエンドを油没させて、コイルエンドを冷却させる役割を果たしている。
ここで、貯留槽内の空間は、モータ室の軸方向中央部に固定されたステータコアに仕切られ、貯留槽に溜まる潤滑油が軸方向の一端側と他端側とに分かれるようになっている。
よって、以下の説明において、貯留槽(ハウジング)とステータコアとから構成される槽であって、ステータコアよりも軸方向の一端側で潤滑油を溜める槽を第1貯留槽と称し、軸方向の他端側で潤滑油を溜める槽を第2貯留槽と称する。
このオイル連通路によれば、第1貯留槽と第2貯留槽とオイル貯留槽とに貯留される潤滑油の油面が均等な高さとなるようになっていた。
その結果、温度が上昇した潤滑油が貯留槽から排出されるまでに時間がかかり、冷却効率が良くなかった。
その結果、第1貯留槽と第2貯留槽とに貯留される潤滑油の冷却能力に差が生じ、コイルエンドを均一に冷却することができなかった。
そのため、第1貯留槽と第2貯留槽とに貯留する潤滑油がオイル貯留槽側に向かって移動する流れが形成され、潤滑油が第1貯留槽と第2貯留槽に留まっている時間が短縮化し、冷却効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、連通路が第1貯留槽の他端側と第2貯留槽の他端側とを連通し、平面視で略U字状を成している。
そのため、第1貯留槽と第2貯留槽とに貯留される潤滑油が滞ることなく平面視でU字状に流れ、第1貯留槽と第2貯留槽とに貯留される潤滑油に温度差が生じ難く、油没するコイルエンドを均一に冷却することができる。
なお、実施形態では、電気自動車のパワーユニットとして使用される動力装置に電動機が組み込まれた例を挙げて説明する。
動力装置1は、電気自動車に搭載されて電力を回転力に変換するとともに、この変換された回転力を駆動輪に伝達し、電気自動車を駆動させるための駆動源である。
図1に示すように、動力装置1は、左右方向に延在するロータシャフト2を有する電動機3と、電動機3の左側に配置されたギヤボックス4とを備えている。
また、実施形態に係る動力装置1では、電動機3を構成するセンターハウジング10と、ギヤボックス4を構成するギヤハウジング5とが図示しないボルトにより締結されており、電動機3とギヤボックス4とが一体になっている。
ギヤボックス4は、図示しないが、多数の歯車から構成される変速機構と、ロータシャフト2の左端部に連結して変速機構にロータシャフト2の回転運動が伝達される入力軸とを備えている。そして、変速機構は、伝達されたロータシャフト2の回転運動を減速させ、その減速後の回転運動をドライブシャフトに伝達するようになっている。
また、ギヤボックス4には、図示しないが、多数の歯車等に潤滑油を供給するための油路とオイルポンプとが設けられている。なお、ギヤボックス4の図示しないオイルポンプが特許請求の範囲に記載された「潤滑油供給装置」に相当する構成である。
図1、図2に示すように、ギヤハウジング5の下部側は、図示しないオイルポンプに汲み上げられて多数の歯車等に供給される潤滑油を貯留するオイル貯留槽5aを構成している。
図1に示すように、ギヤハウジング5の右壁部5bには、円環状のボールベアリング5cが設けられており、ボールベアリング5cがロータシャフト2の左端部を回転自在に支持している。
そして、円環部6の上部には、円環部6の合せ面6dを貫通して、ギヤハウジング5内の図示しない油路に接続する孔からなる第1供給路6aが形成されている。
そのほか、図1、図2に示すように、ギヤハウジング5の右壁部5bの下側には、左右方向に貫通する吸入路5dが形成されている。なお、吸入路5dの詳細な説明については後述する。
電動機3は、電気エネルギーをロータシャフト2の回転運動に変換するためのものである。図1に示すように、電動機3は、ロータシャフト2と、ギヤハウジング5に固定された筒状のセンターハウジング10と、センターハウジング10の内部における左右方向中央部に設けられたロータ11及びステータ12と、センターハウジング10の右側に配置される略円盤状のサイドハウジング30と、を備えている。
センターハウジング10は、左右方向に開口している略円筒形状の部材であり、ダイキャストにより製造された鋳造物である。
また、センターハウジング10の左右の開口は、ギヤハウジング5の右壁部5bとサイドハウジング30とにより閉塞されており、センターハウジング10の内部空間が、ロータ11とステータ12とを収容するモータ室Rを構成している。
なお、本実施形態において、センターハウジング10とギヤハウジング5とサイドハウジング30とから構成されるハウジングが特許請求の範囲に記載される「ハウジング」を相当する構成である。
さらに、センターハウジング10とギヤハウジング5とサイドハウジング30とからなるハウジングの下部側は、潤滑油を貯留する貯留槽Tとなっている。
ここで、モータ室Rの左右方向中央部には、後述するステータコア13が配置されており、貯留槽T内が右側と左側とに区分けされている。
そのため、貯留槽T(ハウジングの下部側)とステータコア13とにより、ステータコア13よりも右側で潤滑油を溜める第1貯留槽T1と、ステータコア13の左側で潤滑油を溜める槽を第2貯留槽T2とが構成されている。
なお、第1貯留槽T1よりも上方に配置されたモータ室Rを第1モータ室R1と称し、第2貯留槽T2よりも上方に配置されたモータ室Rを第2モータ室R2と称する。
なお、ギヤハウジング5の右壁部5bに設けられた吸入路5dにより、第2貯留槽T2の後側とオイル貯留槽5aとが連通している。そのため、第2貯留槽T2に貯留される循環油が、吸入路5dを介して第2貯留槽T2の後側からオイル貯留槽5aに帰還するようになっている。
図3に示すように、センターハウジング10は、軸方向から見て、ステータ12が圧入される円環状の内周部10bと、その内周部10bの外周を囲む円環状の外周部10cとを備えている。
この第2供給路20の左端部は、ギヤハウジング5の第1供給路6aに接続しており、潤滑油がセンターハウジング10よりも右側に流れ、センターハウジング10の右側に配置される部材・部品を冷却することができるようになっている。
また、図3に示すように、第2供給路20は、軸方向から見て中心軸よりも後方側に設けられている(図3参照)。そのため、第2供給路20を中心軸と上下方向で重なるように形成した場合よりも、センターハウジング10の高さが抑えられている。
そのほか、右側合せ面15には、サイドハウジング30を固定するためのボルトが螺合するための固定穴10fが、周方向に間隔を空けながら複数形成されている。
図3に示すように、環状の内周部10bは、軸方向から見て、前下側が径方向外側に肉厚の肉厚部10dを備えている。そして、その内周部10bの前下側の部位を貫通する連通孔25が形成されている。
図2に示すように、連通孔25は、左右方向に延びる孔であり、第1貯留槽T1内の前側と第2貯留槽T2内の前側とを連通している。そのため、連通孔25と第1貯留槽T1と第2貯留槽T2が連続し、上方から見て略U字状を成している。
さらに、図3に示すように、連通孔25は、軸方向から見た場合に円孤状に形成されて潤滑油の油面よりも上方に突出するようになっている。
そのため、連通孔25の下部側で、第1貯留槽T1から第2貯留槽T2へ潤滑油が流れ、連通孔25の上部側で、第1モータ室R1と第2モータ室R2との通気ができるようになっている。
また、センターハウジング10の後下側には、軸方向に貫通して冷却水路26に接続する注水口26aが形成され、センターハウジング10の前上側には、冷却水路26とセンターハウジング10の外部とを連通される排水口26bが形成されている。そして、注水口26aから冷却水路26内の下方に冷却水が供給され、冷却水が冷却水路26に沿って環状に流れてステータコア13を外周側から冷却しながら上方に移動するようになっている。また、冷却水路26内の上方に移動した冷却水は、ステータコア13により温められたことで冷却水から発生した空気とともに、排水口26bから排出されるようになっている。
さらに、冷却水路26は、連通孔25よりも径方向内側に設けられている。そのため、ステータコア13の熱が冷却水路26により遮断されて、連通孔25を流れる潤滑油が加熱されないようになっている。
ロータ11は、図示しないが、ロータシャフト2に固定される複数の鋼板と、複数の鋼板間に設けられた永久磁石とを備え、ステータ12が生成する回転磁界により回転するようになっている。なお、図2〜図4において、ロータ11とロータシャフト2とが省略されている。
図2に示すように、切り欠き13aとティース13bは、左右方向に延在している。そして、切り欠き13aを通過させながらティース13bに導線を巻き回すことで、ステータコイル14が形成される。
なお、ステータコイル14を形成した際に、ステータコア13の左右側の端面から突出している導線(巻き回した導線の折り返した部分)から構成されるコイルエンド14a、14bが形成される。
一方で、右側のコイルエンド14bの下部側は、図1に示すように、第2貯留槽T2に貯留された潤滑油に油没しており、第2貯留槽T2に貯留された潤滑油に冷却されるようになっている。
図1に示すように、サイドハウジング30は、ダイキャストにより製造された略円盤状の鋳造物である。
サイドハウジング30は、固定穴10f(図3参照)に螺合するボルトに締め付けられることでセンターハウジング10の右側に固定され、センターハウジング10の右側の開口を閉塞している。
サイドハウジング30の中央部には、円環状のボールベアリング31が設けられ、ボールベアリング31がロータシャフト2の左端部を回転自在に支持している。
サイドハウジング30は、ボールベアリング31の右側に、潤滑油を貯留できる円環状の貯留室33を備えている。
この第3供給路34は、対向するセンターハウジング10の右側合せ面15に形成された第2供給路20に対応しており、第2供給路20を流れる潤滑油が貯留室33に流れ込み、ボールベアリング31及びロータシャフト2に供給できるようになっている。
なお、ボールベアリング31に供給された潤滑油は、ボールベアリング31を通過してモータ室Rに流れ、第1貯留槽T1に流入するようになっている。
第4供給路35は、貯留室33を介して第3供給路34から流れてくる潤滑油を第1貯留槽T1に供給する油路である。そのため、比較的多くの潤滑油が第1貯留槽T1に供給されることとなる。
また、図3に示すように、第4供給路35の供給口35aは、第1貯留槽T1に貯留される潤滑油の油面よりも上方に位置している。そのため、第1貯留槽T1の潤滑油が第4供給路35に流れ込むおそれがない。また、第4供給路35内の油圧が低下していても、自重により潤滑油が第1貯留槽T1に流れ込むようになっている。
さらに、第4供給路35の供給口35aは、サイドハウジング30の後寄りに設けられており、供給口35aから流れ出す潤滑油が第1貯留槽T1の後側に供給するようになっている。
図1に示すように、オイルポンプにより圧送された潤滑油は、ギヤハウジング5の第1供給路6aを流れ、センターハウジング10の第2供給路20に供給される。
そして、潤滑油は、第2供給路20から第3供給路34を流れて、貯留室33に一旦貯留して、潤滑油の一部がボールベアリング31やロータシャフト2に供給される。
また、貯留室33内の潤滑油は、第4供給路35を流れて第1貯留槽T1に供給される。
なお、第1供給路6aと、第2供給路20と、第3供給路34と、第4供給路35とから構成される油路が特許請求の範囲に記載される「供給路」に相当する構成である。
これに伴い、第2貯留槽T2内の潤滑油は、前側から後側に向かって流れる(図2の矢印F4参照)。
さらに、連通孔25を介して、第2貯留槽T2の前側と第1貯留槽T1内の前側とは連通している。
よって、オイルポンプの吸入により、第1貯留槽T1内の前側に貯留される循環油が第2貯留槽T2内の前側に流れるようになる(図2の矢印F3参照)。
そして、第1貯留槽T1内において、潤滑油が供給される後側から前側に向かって、潤滑油が流れるようになる(図2の矢印F2参照)。
よって、オイルポンプの吸入により、潤滑油が平面視で略U字状で流れるようになっている(図2のF2〜F5参照)。
そのため、第1貯留槽T1内に貯留される潤滑油の油面が第2貯留槽T2内とオイル貯留槽5a内とに貯留される潤滑油の油面よりも高くなり、第1貯留槽T1内の潤滑油が第2貯留槽T2、そして、オイル貯留槽5a内へ流れ込むようになる。
つまり、第4供給路35からの供給された潤滑油は、第1貯留槽T1の後側から前側に向かって潤滑油が流れ(図2の矢印F2参照)、そして、連通孔25を通過し(図2の矢印F3参照)、第2貯留槽T2の前側から後側に向かって流れ(図2の矢印F4参照)、そして、第2貯留槽T2の後側からオイル貯留槽5aに流れるようになっている(図2の矢印F5参照)。
よって、第4供給路35からの潤滑油の供給により、潤滑油が平面視で略U字状で流れるようになっている(図2のF2〜F5参照)。
よって、第1貯留槽T1内の潤滑油と第2貯留槽T2内の潤滑油には、温度差が生じ難くなっており、油没するコイルエンド14a、14bを均一に冷却することができる。
そのため、登坂走行により高出力が要求される場合において確実に連通孔25による通気を行い、滞ることなく確実に連通孔25を潤滑油が流通するようになっている。
たとえば、実施形態にかかる第4供給路35の供給口35aは、油面よりも高い位置に設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、油面よりも低い位置に設けられていても良いものである。
3 電動機
5 ギヤハウジング
5a オイル貯留槽
5d 吸入路
6a 第1供給路
10 センターハウジング
11 ロータ
12 ステータ
13 ステータコア
20 第2供給路
25 連通孔(連通路)
26 冷却水路
30 サイドハウジング
34 第3供給路
35 第4供給路
35a 供給口
R モータ室
T 貯留槽
T1 第1貯留槽
T2 第2貯留槽
Claims (2)
- 内部空間であるモータ室を有するハウジングと、
前記モータ室の軸方向中央部に配置されて前記モータ室を軸方向の一端側と他端側とに仕切るロータ及びステータと、
を備える電動機であって、
前記ハウジングの下部側は、潤滑油を貯留して前記ステータのコイルエンドを冷却するための貯留槽を構成し、
前記貯留槽と前記貯留槽内を軸方向中央部に配置された前記ステータのステータコアとは、
前記ステータコアよりも前記軸方向の一端側で潤滑油を貯留し、平面視で前記軸方向に直交する直交方向に延びる第1貯留槽と、
前記ステータコアよりも前記軸方向の他端側で潤滑油を貯留し、平面視で前記直交方向に延びる第2貯留槽と、を構成し、
潤滑油供給装置から供給された潤滑油が流れ、前記第1貯留槽内の前記直交方向の一端側に潤滑油を供給する供給路と、
前記第2貯留槽内の前記直交方向の一端側に接続し、前記第2貯留槽に貯留される潤滑油を吸入して前記潤滑油供給装置に循環させる吸入路と、
前記第1貯留槽内の前記直交方向の他端側と前記第2貯留槽内の前記直交方向の他端側とを連通させる連通路と、
を備えていることを特徴とする電動機。 - 前記連通路は、軸方向から見て、前記第1貯留槽及び前記第2貯留槽に溜まる潤滑油の油面よりも上方に突出し、通気が可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
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