JP2017063542A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑機構における油路の数を増加させることなく、簡易な構造でもって潤滑油を冷却する。【解決手段】 モータ部Aと、複数の歯車30〜33からなる平行軸歯車減速機39で構成された減速機部Bと、車輪用軸受部Cと、回転ポンプ56によりモータ部Aおよび減速機部Bに潤滑油を供給する潤滑機構とを備え、モータ部Aおよび減速機部Bをケーシング22に収容したインホイールモータ駆動装置21であって、回転ポンプ56からモータ部Aへ潤滑油を圧送する油路57の一部に、ケーシング22の外部に露呈する外部油路73を設け、その外部油路73は、水による気化熱でもって潤滑油を冷却する保水材で被覆されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電動モータの出力軸と車輪用軸受とを減速機を介して連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特許文献1に開示された構造のものがある。この特許文献1のインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪用軸受部と、モータ部と車輪用軸受部との間に配置され、モータ部の回転を減速して車輪用軸受部に伝達する減速機部とを備えている。モータ部および減速機部はハウジングに収容されている。
このインホイールモータ駆動装置では、モータ部の冷却と減速機部の冷却および潤滑とを目的として、モータ部および減速機部に潤滑油を供給する潤滑機構が設けられている。潤滑機構は、潤滑油を圧送する回転ポンプと、ハウジングの下部に設けられた潤滑油貯溜部と、モータ部および減速機部に設けられた油路とを備え、潤滑油がモータ部および減速機部を循環する構造を有する。
この潤滑機構では、回転ポンプから吐出される潤滑油をハウジングの油路からモータ出力軸の油路を経由してモータ部に供給することにより、モータ部の冷却が行われる。また、モータ出力軸の油路と連通する減速機入力軸の油路を経由して減速機部に潤滑油を供給することにより、減速機部の冷却および潤滑が行われる。
このようにして、モータ部の冷却と減速機部の冷却および潤滑とを行った潤滑油は、ハウジング下部の潤滑油貯溜部に一旦貯溜される。この潤滑油貯溜部に貯溜された潤滑油は、ハウジングの油路から吸い上げられて回転ポンプへ還流する。
以上のように、このインホイールモータ駆動装置において、潤滑機構は、回転ポンプから吐出された潤滑油により、モータ部の冷却と減速機部の冷却および潤滑を行った後、その潤滑油を潤滑油貯溜部から回転ポンプへ吸入させる循環構造をなす。
特開2011−189919号公報 特許第5473626号公報
ところで、特許文献1で開示されたインホイールモータ駆動装置では、潤滑油がモータ部および減速機部を循環することにより、それらモータ部および減速機部を冷却する構造を具備する。
インホイールモータ駆動装置のハウジング内部を循環する潤滑油は、使用状況によって高温になることがある。このように、潤滑油が高温になると、その潤滑油の冷却性能が低下するだけでなく、シール部材や潤滑油の劣化を早めることになる。
従来、インホイールモータ駆動装置において、潤滑油を冷却する冷却装置として、特許文献2に開示された構造のものがある。この特許文献2で開示された冷却装置は、ハウジングにオイルクーラを設け、モータ部および減速機部の油路とは別に冷却油路を設けた構造を具備する。
この冷却装置では、モータ部および減速機部の油路を流れる潤滑油が高温になると、開閉弁を制御することにより油路を必要に応じて選択的に切り替え、高温の潤滑油を冷却油路に流してオイルクーラで冷却するようにしている。
しかしながら、特許文献2で開示された冷却装置では、モータ部および減速機部の油路とは別に冷却油路を設けてオイルクーラで冷却しなければならない。そのため、油路の数が増加することにより潤滑機構が複雑になると共に、オイルクーラの設置により装置を小型化することが困難となる。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、潤滑機構における油路の数を増加させることなく、簡易な構造でもって潤滑油を冷却し得るインホイールモータ駆動装置を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、モータ部と、複数の歯車からなる平行軸歯車減速機で構成された減速機部と、車輪用軸受部と、回転ポンプによりモータ部および減速機部に潤滑油を供給する潤滑機構とを備え、モータ部および減速機部をケーシングに収容したインホイールモータ駆動装置であって、回転ポンプからモータ部へ潤滑油を圧送する油路の一部に、ケーシングの外部に露呈する外部油路を設け、その外部油路は、水による気化熱でもって潤滑油を冷却する保水材で被覆されていることを特徴とする。
本発明のインホイールモータ駆動装置では、回転ポンプからモータ部へ潤滑油を圧送する油路の一部に外部油路を設け、その外部油路が保水材で被覆されていることにより、給水により保水材に保持された水が蒸発する時に発生する気化熱でもって、保水材と接する潤滑油を冷却することができる。このような構造を採用することにより、潤滑機構における油路の数を増加させることなく、簡易な構造でもって高温の潤滑油を冷却することができる。
本発明における外部油路は、潤滑油が流通する油管を多孔質部材で被覆し、油管の外面と多孔質部材の内面との間に粉体状の保水材を介在させた構造が望ましい。このような構造を採用すれば、給水により多孔質部材に染み込んだ水が保水材に保持される。この保水材が粉体状をなすことから、保水材での吸水性が良好である。また、多孔質部材であれば、粉体状の保水材を被覆することが容易である。
本発明における外部油路は、ケーシングの外部で走行風を受け易い部位に配設されている構造が望ましい。このような構造を採用すれば、走行風を受け易いことから、保水材に保持された水の蒸発を促進させることができる。その結果、給水量の低減が図れるので、潤滑油を効率よく冷却することができる。
本発明によれば、給水により保水材に保持された水が蒸発する時に発生する気化熱でもって、保水材と接する潤滑油を冷却することができる。これにより、潤滑機構における油路の数を増加させることなく、簡易な構造でもって高温の潤滑油を冷却することができる。その結果、モータ部の冷却性能、減速機部の冷却性能および潤滑性能の向上が図れ、信頼性が高く長寿命でコンパクトなインホイールモータ駆動装置を提供できる。
本発明の実施形態で、インホイールモータ駆動装置の全体構成を示す断面図である。 図1の平行軸歯車減速機を構成する歯車のみをアウトボード側から見た概要図である。 図1のP−P線に沿う断面図である。 (A)は外部油路を示す部分断面図、(B)は(A)のQ−Q線に沿う断面図である。 外部油路への給水の要領を示すフローチャートである。 インホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車の概略構成を示す平面図である。 図6の電気自動車を示す後方断面図である。
本発明に係るインホイールモータ駆動装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図6は、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車11の概略平面図、図7は、電気自動車11を後方から見た概略断面図である。
電気自動車11は、図6に示すように、シャシー12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、後輪14に駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを装備する。後輪14は、図7に示すように、シャシー12のホイールハウジング15の内部に収容され、独立懸架式の懸架装置(サスペンション)16を介してシャシー12の下部に固定されている。
電気自動車11は、ホイールハウジング15の内部に、左右それぞれの後輪14を駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャシー12上にモータ、ドライブシャフトおよびデファレンシャルギヤ機構などを設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の後輪14の回転をそれぞれ制御することができるという利点を有する。
電気自動車11の走行安定性およびNVH特性を向上させるためにばね下重量を抑える必要があり、さらに、広い客室スペースを確保するためにインホイールモータ駆動装置21の小型化が求められる。
図1に示す実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、以下の構造を具備する。これにより、コンパクトなインホイールモータ駆動装置21を実現し、ばね下重量を抑えることで、走行安定性およびNVH特性に優れた電気自動車11を得ることができる。
この実施形態の特徴的な構成を説明する前に、インホイールモータ駆動装置21の全体構成を説明する。以下の説明では、インホイールモータ駆動装置21を車両に搭載した状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図1の左側)と称し、中央寄りとなる側をインボード側(図1の右側)と称する。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機部Bと、減速機部Bからの出力を駆動輪としての後輪14(図6および図7参照)に伝達する車輪用軸受部Cとを備えている。モータ部Aと減速機部Bはケーシング22に収容されて、電気自動車11のホイールハウジング15(図7参照)内に取り付けられる。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されたステータ23と、ステータ23の径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ24と、ロータ24の径方向内側に配置されてロータ24と一体回転するモータ回転軸25とを備えたラジアルギャップ型の電動モータ26で構成されている。モータ回転軸25は、毎分一万数千回転程度で高速回転可能である。ステータ23は、磁性体コアの外周にコイルを巻回することによって構成されている。ロータ24は、永久磁石または磁性体が内部に配置されている。
モータ回転軸25は、径方向外側へ一体的に延びるホルダ部27によりロータ24を保持している。ホルダ部27は、ロータ24が嵌め込み固定された凹溝を環状に形成した構成としている。モータ回転軸25は、その軸方向一方側端部(図1の右側)が転がり軸受28に、軸方向他方側端部(図1の左側)が転がり軸受29によって、ケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機部Bは、入力歯車である第1歯車30と、中間歯車である第2歯車31および第3歯車32と、出力歯車である第4歯車33とからなる平行軸歯車減速機39で構成されている。この平行軸歯車減速機39では、第1歯車30と第2歯車31とが噛合し、第3歯車32と第4歯車33とが噛合することにより、モータ回転軸25の回転運動を2段で減速する。ケーシング22のスペースなどを考慮すると、第1歯車30と第2歯車31からなる第1段の減速比は2〜4程度とし、第3歯車32と第4歯車33からなる第2段の減速比は3〜5程度とすることが好ましい。
第1歯車30は、インボード側に延びる軸部34をモータ回転軸25にスプライン嵌合で連結することにより、モータ回転軸25に同軸的に取り付け固定されている。第2歯車31は、中間軸35に取り付け固定されている。第3歯車32は、中間軸35に一体的に形成されている。第4歯車33は、その軸部36を減速機出力軸37のインボード側軸部38にスプライン嵌合で連結することにより、減速機出力軸37に同軸的に取り付け固定されている。
第1歯車30の軸部34は、転がり軸受40によってケーシング22に対して回転自在に支持されている。第2歯車31が取り付け固定され、第3歯車32が一体的に形成された中間軸35は、転がり軸受41,42によってケーシング22に対して回転自在に支持されている。減速機出力軸37が取り付け固定された第4歯車33は、転がり軸受43,44によってケーシング22に対して回転自在に支持されている。減速機出力軸37のアウトボード側軸部45は、車輪用軸受部Cのハブ輪47にスプライン嵌合で連結され、減速機部Bの出力を後輪14(図6および図7参照)に伝達する。
第1歯車30〜第4歯車33および各歯車の回転軸を図2に基づいて説明する。図2は、図1の平行軸歯車減速機39を構成する第1歯車30〜第4歯車33のみをアウトボード側から見た概要図である。
第1歯車30は、モータ回転軸25(図1参照)に取り付け固定され、その軸心C1を中心にして回転する。第2歯車31は、中間軸35(図1参照)に取り付け固定され、第3歯車32は、中間軸35に一体的に形成され、その軸心C2を中心にして回転する。第4歯車33は、減速機出力軸37(図1参照)に取り付け固定され、その軸心C3を中心にして回転する。なお、モータ回転軸25と減速機出力軸37は同軸上に配置されていることから、それぞれの軸心C1と軸心C3は一致している。
この実施形態では、モータ回転軸25、中間軸35および減速機出力軸37の各軸心C1,C2,C3が直線E−E上に配置され、減速機部Bの径方向のコンパクト化を図っている。ただし、各軸心C1,C2,C3の配置は、この実施形態のような配置に限らず、各歯車30〜33の噛合いを維持した状態で、ケーシング22のスペースなどを考慮して適宜ずらしてもよい。
ここで、第1歯車30〜第4歯車33には、はすば歯車を用いている。はすば歯車は、同時に噛合う歯数が増え、歯当たりが分散されるので音が静かで、トルク変動が少ない点で有効である。歯車のかみあい率や限界の回転数などを考慮して、モジュールは1〜3程度が好ましい。このように、平行軸歯車減速機39にはすば歯車を用いることで、製造が容易でコストの低減が図れ、性能面でも、静粛かつ効率のよいインホイールモータ駆動装置21を実現することができる。
インホイールモータ駆動装置21は、ホイールハウジング15(図7参照)の内部に収められ、ばね下荷重となるため、小型軽量化が必須である。例えば、第1歯車30と第2歯車31の第1段での減速比を1/2.5、第3歯車32と第4歯車33の第2段での減速比を1/4.5とすれば、平行軸歯車減速機39の減速比は約1/11となる。このように、大きな減速比を持つ平行軸歯車減速機39を用いた場合、毎分一万数千回転程度の高速回転の電動モータ26と組み合わせることで電動モータ26の小型化が図れ、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を実現できる。
車輪用軸受部Cは、図1に示すように、以下のような構造の車輪用軸受46で構成されている。車輪用軸受46は、減速機出力軸37にトルク伝達可能に連結されたハブ輪47と、ハブ輪47の外周に嵌合された内輪48と、ハブ輪47および内輪48の外側に配置された外輪49と、ハブ輪47および内輪48と外輪49との間に配置された複数の玉50と、複数の玉50を保持する保持器51とを備えた複列アンギュラ玉軸受である。車輪用軸受46の軸方向両端部には、泥水などの侵入防止およびグリースの漏洩防止のためにシール部材52が設けられている。
この車輪用軸受46は、減速機出力軸37のアウトボード側軸部45の端部に形成された雄ねじ部にナット53を螺合させることにより、平行軸歯車減速機39に締め付け固定されている。車輪用軸受46の外輪49は、ケーシング22に取り付け固定されている。車輪用軸受46の内輪48は、減速機出力軸37のフランジ部54に当接することにより抜け止めされている。車輪用軸受46のハブ輪47にハブボルト55で後輪14(図6および図7参照)が連結される。
以上の構成からなるインホイールモータ駆動装置21の全体的な作動原理を説明する。
図1に示すように、モータ部Aにおいて、ステータ23に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けてロータ24が回転する。減速機部Bにおいて、モータ回転軸25の回転が平行軸歯車減速機39の第1歯車30〜第4歯車33によって減速され、減速機出力軸37を介して車輪用軸受部Cに伝達される。この時、モータ回転軸25の回転が平行軸歯車減速機39により減速されて減速機出力軸37に伝達されるので、低トルク、高速回転型の電動モータ26を採用した場合でも、後輪14(図6および図7参照)に必要なトルクを伝達することが可能となる。
この実施形態では、モータ部Aとしてラジアルギャップ型の電動モータ26を例示したが、任意の構成のモータを適用可能である。例えば、ケーシングに固定されたステータと、ステータの軸方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータとを備えるアキシャルギャップ型の電動モータであってもよい。
次に、このインホイールモータ駆動装置21における全体的な潤滑機構を説明する。
潤滑機構は、モータ部Aを冷却するために潤滑油を供給すると共に、減速機部Bを冷却および潤滑するために潤滑油を供給するものである。この実施形態の潤滑機構は、図1に示すように、回転ポンプ56と、ケーシング22に配設された油路57,58と、モータ回転軸25に配設された油路59,60と、第1歯車30およびその軸部34に配設された油路61,62とを主な構成としている。
回転ポンプ56は、押え板63によりケーシング22に組み込まれている。回転ポンプ56の吐出口64および吸入口65がケーシング22に設けられている。また、モータ部Aと減速機部Bとを区画するケーシング22の隔壁部66には、潤滑油をモータ部Aから減速機部Bへ流通させる排油孔67(図3参照)が配設されている。
図1に示すように、回転ポンプ56の吐出口64から延びる油路57は、ケーシング22の内部および外部を周回し、モータ回転軸25のインボード側端部で油路59と連通する。モータ回転軸25の内部を軸線方向に沿って延びる油路59は、その軸中央部でホルダ部27に向かって延びる油路60と連通し、アウトボード側端部で第1歯車30の軸部34の油路61と連通する。
第1歯車30の軸部34の内部を軸線方向に沿って延びる油路61は、第1歯車30の内部で径方向に沿って延びる油路62と連通する。モータ回転軸25の軸中央部の油路60は、ホルダ部27の凹溝内を経由して外周端部で開口する。第1歯車30の軸部34の油路61は、第1歯車30のアウトボード側端部で開口する。第1歯車30の内部の油路62は、第1歯車30の歯面の歯底部で開口する。
回転ポンプ56へ潤滑油を還流させるための油路58は、一端が回転ポンプ56の吸入口65と連通し、他端がケーシング22の隔壁部66の下部で減速機部B側に開口する。潤滑油を強制的に循環させるための回転ポンプ56は、吐出口64と連通する油路57と、吸入口65と連通する油路58との間に設けられている。
図1および図3に示すように、回転ポンプ56は、中間軸35のインボード側端部と同軸的に連結されたポンプ駆動軸72に取り付けられたインナロータ68と、ケーシング22に回転自在に支持されたアウタロータ69と、ポンプ室70と、油路57に連通する吐出口64と、油路58に連通する吸入口65とを備えるサイクロイドポンプである。ポンプ駆動軸72は、転がり軸受41によってケーシング22に対して回転自在に支持されている。この回転ポンプ56は、中間軸35の回転で駆動することから、別の駆動機構を必要としないので、部品点数の低減が図れる。
インナロータ68は、モータ回転軸25の回転を第1歯車30および第2歯車31からなる第1段で減速して駆動されることにより、中間軸35の回転と同期して回転する。一方、アウタロータ69は、インナロータ68の回転に伴って従動回転する。この回転ポンプ56をケーシング22内に配置することによって、インホイールモータ駆動装置21の大型化を防止することができる。
インナロータ68は、回転中心C4を中心として回転し、アウタロータ69は、回転中心C5を中心として回転する。インナロータ68およびアウタロータ69は異なる回転中心C4,C5を中心として回転するので、ポンプ室70の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口64から油路57に圧送される。インナロータ68の歯数をnとすると、アウタロータ69の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=7としている。
この実施形態では、回転ポンプ56としてサイクロイドポンプを例示したが、これに限定されることなく、減速機部Bの中間軸35の回転を利用して駆動するあらゆる回転型ポンプを採用することができる。
潤滑機構による潤滑油の流れを以下に説明する。図1において、インホールモータ駆動装置21の内部に付した白抜き矢印は潤滑油の流れを示す。また、図1のX−X線は、インホイールモータ駆動装置21が停止状態の時の潤滑油の油面を示す。
潤滑油は、減速機部Bにおけるケーシング22の下部に貯留され、その油面が中間軸35の軸心付近にある。そのため、第2歯車31および第3歯車32の略下半分が潤滑油に浸漬する状態にある。なお、モータ部Aと減速機部Bとを区画するケーシング22の隔壁部66に排油孔67(図3参照)が設けられていることから、モータ部Aと減速機部Bとで油面が同一となっている。
モータ部Aの冷却として、回転ポンプ56の吐出口64から圧送された潤滑油は油路57,59を経由し、その一部がモータ回転軸25の回転に伴う遠心力およびポンプ圧力によって油路60を経てロータ24を冷却する。さらに、ホルダ部27から潤滑油が吐出されてステータ23を冷却する。このようにして、モータ部Aの冷却が行われる。
減速機部Bの冷却および潤滑として、油路59の潤滑油は、モータ回転軸25の回転に伴う遠心力およびポンプ圧力によって油路61,62を経由して第1歯車30の歯面に流出し、高速回転する第1段の第1歯車30を潤滑する。第1段の第2歯車31および第2段の第3歯車32と第4歯車33は、減速機部Bにおけるケーシング22の下部に貯溜した潤滑油を跳ね掛けて潤滑される。このようにして、減速機部Bの冷却および潤滑が行われる。
なお、第1段の第1歯車30に流入した潤滑油はギヤハウジング側に飛散する。この飛散した潤滑油を第2段の第4歯車側に流すため、隔壁部71の上部に流入させるための孔(図示せず)を設けてもよい。
ここで、第1歯車30は、高速回転で使用される上、潤滑油の油面(図1のX−X線参照)から離れているので、特に、インホイールモータ駆動装置21の始動時などの潤滑が重要である。このことから、油路59,61,62を経由して第1歯車30に潤滑油を供給する軸心給油構造としている。
このような軸心給油構造を採用することにより、潤滑油の油面から離れた位置にある第1歯車30が跳ね掛けによる潤滑が困難であっても、インホイールモータ駆動装置21の始動時などに、第1歯車30に潤滑油を十分に供給することができる。
モータ部Aの冷却、減速機部Bの冷却および潤滑を行った潤滑油は、ケーシング22の内壁面を伝って重力により下部へ移動する。モータ部Aの下部へ移動した潤滑油は、排油孔67(図3参照)から減速機部Bの下部へ流入する。減速機部Bの下部へ移動および流入した潤滑油は、ケーシング22の油路58から吸い上げられて回転ポンプ56の吸入口65へ還流する。
この実施形態におけるインホイールモータ駆動装置21の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成を以下に詳述する。
この実施形態の潤滑機構は、回転ポンプ56からモータ部Aへ潤滑油を圧送する油路57の一部に、ケーシング22の外部に露呈する外部油路73を設けている。つまり、図1および図3に示すように、回転ポンプ56の吐出口64から上方へ延びる油路57は、ケーシング22の内部で屈曲してその上部で開口し、ケーシング22の外部に露呈する外部油路73と連通する。この外部油路73は、ケーシング22の外部を周回し、モータ回転軸25のインボード側端部で油路59と連通する。
外部油路73は、図4(A)(B)に示すように、潤滑油が流通する油管74を円筒状の多孔質部材75で被覆し、その油管74の外周面と多孔質部材75の内周面との間に粉体状の保水材76を介在させた構造を有する。この多孔質部材75の素材としては、焼結金属、多孔質ポーラス金属、および多孔質シリコンゴム等を使用することが好ましい。
このように、多孔質部材75を使用すれば、粉体状の保水材76を被覆することが容易である。また、保水材76は、水による気化熱でもって油管74内の潤滑油を冷却する機能を発揮させるため、例えば樹脂粉末や砂(シリカ)等が好適である。このように、保水材76が粉体状をなすことから、保水材76での吸水性が良好である。
この保水材76は、保水性と充填性とが相反関係にあり、充填性を重視する場合には、球体に近く、表面粗さが高い粒子を選択すればよい。一方、保水性を重視する場合には、粒子が大きく、粒子形状がランダムな粒子を選択することが好ましい。この実施形態の場合、砂(シリカ)等、大きな比重の粉体を選択すると、ばね下荷重の増加につながるため、1mm程度の球状樹脂粉体が好ましい。
潤滑機構において、モータ部Aの冷却、減速機部Bの冷却および潤滑を行った潤滑油が高温になると、油路57の一部である外部油路73に給水する。この外部油路73への給水は、インホイールモータ駆動装置21のケーシング22の近傍で車体側に設置されたタンクから給水ノズルで水を外部油路73に吹き付けるようにすればよい。
このような給水により多孔質部材75に染み込んだ水が保水材76に毛細管現象による吸収で保持される。このようにして、保水材76に保持された水が蒸発する時に発生する気化熱でもって、保水材76と接する油管74内の潤滑油を冷却する。
このように、油路57の一部である外部油路73をケーシング22の外部に配設することにより、従来のようなオイルクーラの冷却油路を潤滑機構の油路とは別に設ける必要がないので、潤滑機構における油路の数を増加させることなく、簡易な構造でもって高温の潤滑油を冷却することができる。その結果、潤滑油によるモータ部Aの冷却性能、減速機部Bの冷却性能および潤滑性能の向上が図れ、コンパクトなインホイールモータ駆動装置を実現できる。
外部油路73は、ケーシング22の上部壁面および側部壁面に配設されている。このように、外部油路73をケーシング22の外部に配設することにより、走行風を受け易いことから、保水材76に保持された水の蒸発を促進させることができる。その結果、給水量の低減が図れるので、潤滑油を効率よく冷却することができる。なお、走行風を受け易い部位であれば、例えばケーシング22の前部壁面など他の部位であってもよい。
また、外部油路73をケーシング22の上部壁面および側部壁面に設けていることから、地面からの飛来物により外部油路73が損傷することを抑制できる。さらに、外部油路73は、ケーシング22の外部に設けられていることから、外部油路73の交換も容易である。
前述したように、タンクから給水ノズルでもって水を外部油路73に吹き付ける給水は、図5に示すフローチャートに従って行われる。なお、外気温、モータトルクおよび油温は、インホイールモータ駆動装置21のケーシング22、モータ部Aおよび潤滑機構の最適箇所に設けられた各種センサによって検出される。
外部油路73への給水は、外気温、モータトルクおよび油温をセンサにより監視し、そのセンサから出力される検出信号に基づいて自動的に制御される。
図5に示すように、インホイールモータ駆動装置21の外気温が0℃以上で(STEP1)、モータトルクがαNm以上、あるいは油温がβ℃以上になると(STEP2)、給水ノズルによる外部油路73への給水を開始する(STEP3)。この給水により、モータトルクがαNmより小さく、かつ、油温がβ℃より小さくなると(STEP4)、給水ノズルによる外部油路73への給水を終了する(STEP5)。
そして、車両が停止していなければ(STEP6)、外気温、モータトルクおよび油温の計測を続行し、車両が停止すれば、外気温、モータトルクおよび油温の計測を終了する。なお、外気温、モータトルクおよび油温の閾値(0℃、αNmおよびβ℃)は、適宜設定変更可能である。
以上のように、外気温、モータトルクおよび油温が所定の条件を満足する必要な時のみ、外部油路73への給水を行うことから、潤滑油の過剰冷却を防止することができる。
この実施形態では、図6および図7に示すように、後輪14を駆動輪とした電気自動車11を例示したが、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等も含むものである。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
21 インホイールモータ駆動装置
22 ケーシング
39 平行軸歯車減速機
56 回転ポンプ
73 外部油路
75 多孔質部材
76 保水材
A モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部

Claims (3)

  1. モータ部と、複数の歯車からなる平行軸歯車減速機で構成された減速機部と、車輪用軸受部と、回転ポンプにより前記モータ部および前記減速機部に潤滑油を供給する潤滑機構とを備え、モータ部および減速機部をケーシングに収容したインホイールモータ駆動装置であって、
    前記回転ポンプからモータ部へ潤滑油を圧送する油路の一部に、ケーシングの外部に露呈する外部油路を設け、前記外部油路は、水による気化熱でもって潤滑油を冷却する保水材で被覆されていることを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記外部油路は、潤滑油が流通する油管を多孔質部材で被覆し、前記油管の外面と多孔質部材の内面との間に粉体状の保水材を介在させた請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記外部油路は、ケーシングの外部で走行風を受け易い部位に配設されている請求項1又は2に記載のインホイールモータ駆動装置。
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