JP2015116900A - 車輪用駆動装置 - Google Patents

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大輔 松岡
Daisuke Matsuoka
大輔 松岡
輝明 藤尾
Teruaki Fujio
輝明 藤尾
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Abstract

【課題】 車輪用駆動装置において、ハウジング内に設けた油路を通る潤滑油の冷却効果を従来技術よりも高めた車輪用駆動装置を提供する。
【解決手段】 この車輪用駆動装置は、車輪Wを駆動する電動モータ1と、車輪Wを回転支持する車輪用軸受5と、電動モータ1の回転を減速して車輪用軸受5に伝達する減速機2とを備える。さらに車輪用駆動装置は、電動モータ1および減速機2を収納するハウジングHsと、冷却を兼ねる潤滑油をハウジング内に設けた油路を通して電動モータ1および減速機2に導く潤滑油供給機構Jkとを有する。ハウジング内の前記油路は迂回路35を含む。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪用駆動装置に関し、ハウジング内に油路を張り巡らせ、油の冷却を促進させ得る技術に関する。
図12に示すように、インホイールモータ駆動装置は潤滑油供給機構を有し、この潤滑油供給機構は、例えば、冷却を兼ねる潤滑油を、主軸100の内部から径方向外方に導きモータ101を冷却する。また潤滑油供給機構は、潤滑油を減速機内の各部に供給して潤滑した後、貯留部102に貯留された潤滑油をポンプにより循環させる(例えば、特許文献1)。
インホイールモータを冷却する構造として、車体のアンダーカバーの一部を上方に凸にすることで、下側の開放された冷却用のダクトを形成する技術が提案されている(特許文献2)。
他のインホイールモータの冷却構造として、モータユニットに熱伝導部材を設け、この熱伝導部材に下方に向けて延在する延長部を形成し、この延長部を走行風に当てる技術が提案されている(特許文献3)。
特開2011−079484号公報 特開2005−199828号公報 特開2013−063727号公報
前記潤滑油供給機構を有するインホイールモータ駆動装置では、センタプラグ103とリアカバー104の一部で潤滑油を冷却する構造であるため、放熱効果が低い。
前記冷却用のダクトの技術は、アンダーカバーの一部にダクトを形成しているため、インホイールモータ駆動装置に設けられた冷却構造ではない。
前記延長部を形成した技術は、モータユニットに放熱板を取り付けているだけであり、この放熱板内に油路はない。
この発明の目的は、車輪用駆動装置において、ハウジング内に設けた油路を通る潤滑油の冷却効果を従来技術よりも高めた車輪用駆動装置を提供することである。
この発明の車輪用駆動装置は、車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転を前記車輪に伝達すると共に回転支持する車輪用軸受と、前記電動モータを収納するハウジングと、冷却を兼ねる潤滑油を前記ハウジング内に設けた油路を通して前記電動モータに導く潤滑油供給機構とを備えた車輪用駆動装置において、
前記ハウジング内の前記油路は迂回路を含むことを特徴とする。
前記「迂回路」は、前記油路の流路抵抗、強度、および製作上で問題なく設計可能な最短経路よりも長く形成した経路を言い、例えば、蛇行経路や渦巻き状とした経路である。
この構成によると、潤滑油供給機構は、冷却を兼ねる潤滑油を、例えば、潤滑油貯留部から吸い上げてハウジング内の油路を通して電動モータに導く。これにより電動モータが冷却される。このときハウジング内の油路を通る潤滑油が、空冷により冷却される。特に、ハウジング内の前記油路は迂回路を含むため、従来のインホイールモータ駆動装置における、例えば、最短路となる直線経路からなる油路よりも表面積を大きく確保することができ、走行風等により冷却効果を高めることが可能となる。
前記車輪用駆動装置がインホイールモータ駆動装置であって、前記ハウジングは、前記車輪のインボード側の側面から突出した突出部分を有し、この突出部分に前記迂回路を設けても良い。この場合、突出部分に走行風が直接当たるため、油路を通る潤滑油の冷却効果を一層高めることができる。
前記ハウジングは、前記電動モータを覆う筒状のケーシングと、このケーシングのインボード側端を塞ぐリアカバーとを有し、前記ケーシングに前記迂回路を設けても良い。この場合、ケーシング内に例えば直線状の油路を設けるよりも、油路全体の表面積を拡大することができる。
前記ハウジングは、前記電動モータを覆う筒状のケーシングと、このケーシングのインボード側端を塞ぐリアカバーとを有し、このリアカバーに前記迂回路を設けても良い。この場合、リアカバーの迂回路を、例えば、鋳造等により加工することができる。
前記リアカバーに設けた前記迂回路は、潤滑油の流入口から排出口までを1本の経路としても良い。例えば、複数の経路を合流させると合流するまでの各経路の流路断面積、流路長等により、合流部で各流路間に圧力差が生じ損失の原因になるが、迂回路を流入口から排出口まで1本の経路としたため、合流時に生じる損失を解消し、潤滑油を電動モータにスムースに供給することができる。
前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口まで渦巻状に形成されたものとしても良い。この場合、迂回路における流入口から排出口に至る油路途中で、過度に屈曲した箇所が無くなるため、潤滑油が目詰まりを起こすことを防止することができる。またリアカバー全体を渦巻状の迂回路に沿って万遍なく冷やすことができるため、冷却効果を高めることが可能となる。
前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口までを複数本の経路としても良い。この場合、分岐部から合流部に至るまでの流路設計に注意する必要はあるが、リアカバーの設計の自由度を高めることができる。
前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口に向かうに従って断面積を大きくしても良い。この場合、潤滑油の内部流れの損失を小さくすることができる。したがって、潤滑油を電動モータにスムースに供給することができる。
前記リアカバーは、二つのリアカバー分割体を互いに組み合わせた構造とし、いずれか一方のリアカバー分割体に前記迂回路を設け、この迂回路を他方のリアカバー分割体で密閉させたものとしても良い。この場合、例えば、二つのリアカバー分割体をそれぞれ鋳造等により加工し組み立てることができるため、リアカバーのうち複雑な迂回路を例えば機械加工により製造するよりも、各リアカバー分割体を容易に且つ迅速に製造し組立てることができ、量産化を図れる。
この発明の車輪用駆動装置は、車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転を前記車輪に伝達すると共に回転支持する車輪用軸受と、前記電動モータを収納するハウジングと、冷却を兼ねる潤滑油を前記ハウジング内に設けた油路を通して前記電動モータに導く潤滑油供給機構とを備えた車輪用駆動装置において、前記ハウジング内の前記油路は迂回路を含むため、インホイールモータ駆動装置において、ハウジング内に設けた油路を通る潤滑油の冷却効果を従来技術よりも高めることができる。
この発明の第1の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の断面図である。 図1の要部の拡大図である。 図2のIII−III線断面となる減速機部分の断面図である。 図3の部分拡大図である。 同インホイールモータ駆動装置のリアカバーの分解斜視図である。 同リアカバーにおける一方のリアカバー分割体の迂回路を示す正面図である。 この発明の他の実施形態のリアカバー分割体の迂回路を示す正面図である。 この発明のさらに他の実施形態のリアカバー分割体の迂回路を示す正面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の断面図である。 従来例のインホイールモータ駆動装置の断面図である。
この発明の第1の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を図1ないし図6と共に説明する。図1に示すように、このインホイールモータ駆動装置は、車輪を駆動する電動モータ1と、この電動モータ1の回転を減速する減速機2と、この減速機2の入力軸3(減速機入力軸3と称す)と同軸心上にある出力部材4によって回転される車輪用軸受5と、電動モータ1および減速機2を収納するハウジングHsと、潤滑油供給機構Jkとを有する。この明細書において、インホイールモータ駆動装置を車両に支持した状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
ハウジングHsは、電動モータ1および減速機2を覆う筒状のケーシング7と、このケーシング7のインボード側端を塞ぐリアカバー8とを有する。ケーシング7の外周面には、複数のフィン7aが軸方向一定間隔おきに設けられ、リアカバー8のインボード側端面には、複数のフィン8aが径方向一定間隔おきに設けられる。これらフィン7a,8aにより、電動モータ1からハウジングHsに伝導される熱を放熱する。この例では、ケーシング7における、電動モータ1を覆う部分と、リアカバー8とが、車輪Wのインボード側の側面から突出する突出部分となっている。
前記ケーシング7に、車両における図示外のサスペンションが連結される。車両のナックルに、ケーシング7のアウトボード側端が連結されている。車輪用軸受5のうち固定側軌道輪である外方部材の外周面には、車体取付フランジが設けられ、前記ケーシング7に前記車体取付フランジが連結される。車輪用軸受5と電動モータ1との間に減速機2を介在させ、車輪用軸受5で支持される駆動輪である車輪Wのハブと、電動モータ1のモータ回転軸6とを同軸心上で連結してある。
図1の要部の拡大図である図2に示すように、電動モータ1は、ハウジングHsに固定したモータステータ9と、モータ回転軸6に取り付けたモータロータ10との間にラジアルギャップを設けたラジアルギャップ型のIPMモータ(いわゆる埋込み磁石型同期モータ)である。ハウジングHsには、軸方向に離隔して軸受11,12が設けられ、これら軸受11,12に、主軸であるモータ回転軸6が回転自在に支持されている。モータ回転軸6は、電動モータ1の駆動力を減速機2に伝達するものである。モータ回転軸6の軸方向中間付近部には、径方向外方に延びるフランジ部6aが設けられ、このフランジ部6aにロータ固定部材13を介してモータロータ10が取付けられている。
減速機入力軸3は、軸方向一端がモータ回転軸6内に延びて、モータ回転軸6とスプライン嵌合されている。出力部材4のカップ部4a内に軸受14aが嵌合され、前記カップ部4aに内ピン22を介して連結される筒状の連結部材内に軸受14bが嵌合されている。よって減速機入力軸3およびモータ回転軸6は、軸受11,12,14a,14bにより一体に回転自在に支持される。減速機ハウジング7内における、減速機入力軸3の外周面には、偏心部15,16が設けられる。これら偏心部15,16は、偏心運動による遠心力が互いに打ち消されるように180°位相をずらして設けられている。
減速機2は、図示外の外ピンハウジングと、曲線板17,18(図3)と、複数の外ピン19と、運動変換機構20と、カウンタウェイト21とを有するサイクロイド減速機である。
図3は、図2のIII−III線断面となる減速機部分の断面図である。減速機2は、外形がなだらかな波状のトロコイド曲線で形成された2枚の曲線板17,18が、それぞれ軸受85を介して、各偏心部15,16に装着してある。これら各曲線板17,18の偏心運動を外周側で案内する複数の外ピン19を、それぞれハウジングHsの内側に設け、カップ部4a(図2)に取り付けた複数の内ピン22を、各曲線板17,18の内部に設けられた複数の円形の貫通孔89に挿入状態に係合させてある。
図4に拡大して示すように、各外ピン19と内ピン22には針状ころ軸受92,93が装着される。各外ピン19は、それぞれ針状ころ軸受92で両端支持されて、各曲線板17,18の外周面と転接する。各内ピン22は、針状ころ軸受93の外輪93aが、それぞれ各曲線板17,18の各貫通孔89の内周に転接する。したがって、外ピン19と各曲線板17,18の外周との接触抵抗、および内ピン22と各貫通孔89の内周との接触抵抗を低減し、各曲線板17,18の偏心運動をスムーズに車輪用軸受5(図2)の内方部材に回転運動として伝達し得る。
図2〜図4に示すように、モータ回転軸6が回転すると、このモータ回転軸6と一体回転する減速機入力軸3に設けられた各曲線板17,18が偏心運動を行う。このとき外ピン19が偏心運動する各曲線板17,18の外周面と転がり接触するように係合すると共に、各曲線板17,18が、内ピン22と貫通孔89との係合によって、各曲線板17,18の自転運動のみが出力部材4および車輪用軸受5の内方部材5aに回転運動として伝達される。モータ回転軸6の回転に対して前記内方部材の回転は減速されたものとなる。
図2に示すように、潤滑油供給機構Jkは、減速機2の潤滑および電動モータ1の冷却の両方に用いられる潤滑油を供給する軸心給油機構である。この潤滑油供給機構Jkは、ハウジングHs内に設けられた油路30と、モータ回転軸油路32と、減速機油路31と、オイルポンプ28とを有する。油路30は、径方向油路33と、ケーシング外周側油路34と、迂回路35とを含む。径方向油路33は、オイルポンプ28の吐出口に連通し、ケーシング内における径方向外方に略沿って延びる。ケーシング外周側油路34は、径方向油路33に連通し、ケーシング内における軸方向中間付近部からインボード側に軸方向に沿って延びる。
図5は、このインホイールモータ駆動装置のリアカバー8の分解斜視図である。前記ハウジングHsのリアカバー8には、迂回路35が設けられる。図2,図5に示すように、リアカバー8は、二つのリアカバー分割体39,40とセンタプラグ41とを有する。これらリアカバー分割体39,40、センタプラグ41は、例えば、鋳造によりそれぞれ加工される。リアカバー8は、前記二つのリアカバー分割体39,40を互いに組み合わせた構造とし、これらリアカバー分割体39,40のうち一方のリアカバー分割体39における、他方のリアカバー分割体40との合わせ面39aに迂回路35を設けている。
図6は、一方のリアカバー分割体39の迂回路35を示す正面図である。
この迂回路35は、潤滑油の流入口35aから排出口35bまでを複数本(この例では2本)の経路としている。前記2本の経路は、リアカバー分割体39の中心を通る鉛直方向の縦軸L1に対し線対称に設けられている。この迂回路35の流入口35aがケーシング外周側油路34(図2)に連通し、迂回路35の流出口35bがモータ回転軸油路32(図2)に連通する。この実施形態の迂回路35は、蛇行経路である。
リアカバー分割体39は、リアカバー分割体本体42と、このリアカバー分割体本体42の外周縁に沿って設けられ、ケーシング7(図2)のインボード側端に連結されるフランジ43と、このフランジ43の円周方向一箇所に付設され、図示外のモータ端子台を固定する端子台固定部44とを有する。リアカバー分割体本体42の中央部に、ケーシング内に延びる環状突起42aが設けられ、図2に示すように、この環状突起42aの内周面に軸受11の外輪が嵌合固定される。
リアカバー分割体本体42における、ケーシング7のインボード側端との合わせ面には、ケーシング内に延びこのケーシング7の内周面に嵌合するインロー部42bが形成されている。図2,図5に示すように、他方のリアカバー分割体40は、中央部に嵌合孔40aが設けられた略円板状に形成される。このリアカバー分割体40のインボード側端面に、前記複数のフィン8aが設けられている。
一方のリアカバー分割体39のフランジ43の内周面に、他方のリアカバー分割体40の外周面が嵌合され、且つ、一方のリアカバー分割体39の環状突起42aに、他方のリアカバー分割体40の嵌合孔40aが嵌合されて、二つのリアカバー分割体39,40が互いに組合わされて固定される。センタプラグ41は、前記環状突起42aに嵌込まれて一方のリアカバー分割体39に連結され、軸受11の外輪端面に予圧を与える。なお図示しないが、二つのリアカバー分割体39,40、センタプラグ41の各嵌合面等に環状のシール部材が設けられ、密閉性が高められている。
モータ回転軸油路32は、図2に示すように、電動モータ1のモータ回転軸6内の軸心に沿って設けられ、前記油路30に連通する。減速機油路31は、減速機2に設けられ、モータ回転軸油路32および潤滑油貯留部29に連通して潤滑油を減速機2に供給する。
減速機油路31は、入力軸油路36と、オイル供給口37と、オイル排出口38とを有する。入力軸油路36は、モータ回転軸油路32に連通し、減速機入力軸3の内部におけるインボード側端からアウトボード側に軸方向に延びる。オイル供給口37は、入力軸油路36のうち偏心部15,16が設けられる軸方向位置から、半径方向外方に延びている。
ケーシング7には、減速機2の潤滑に供された潤滑油を潤滑油貯留部29に排出するオイル排出口38が設けられている。
オイルポンプ28は、潤滑油貯留部29に貯留された潤滑油を、潤滑油貯留部29内の吸込口から吸い上げて順次、径方向油路33、ケーシング外周側油路34、迂回路35を経由してモータ回転軸油路32および減速機油路31に循環させる。このオイルポンプ28は、例えば、出力部材4の回転により回転する図示外のインナーロータと、このインナーロータの回転に伴って従動回転するアウターロータと、ポンプ室と、吸入口と、吐出口(いずれも図示せず)とを有するサイクロイドポンプである。
電動モータ1に駆動される出力部材4の回転により前記インナーロータが回転すると、前記アウターロータは従動回転する。このときインナーロータおよびアウターロータはそれぞれ異なる回転中心を中心として回転することで、前記ポンプ室の容積が連続的に変化する。これにより、潤滑油貯留部29に貯留された潤滑油は、吸い上げられて前記吸入口から流入し、前記吐出口からハウジング内の径方向油路33、ケーシング外周側油路34、迂回路35に順次圧送される。
潤滑油は、迂回路35からモータ回転軸油路32に導かれる。潤滑油の一部は、このモータ回転軸油路32から、モータ回転軸6およびフランジ部6aの半径方向外方に延びる図示外の貫通孔等を経由して、ロータ固定部材13内部に形成された半径方向外方に延びる油路13aを通ることで、モータロータ10が冷却される。
さらに前記油路13aの油吹出し口(図示せず)から、各コイルエンド(図示せず)の内周面に対し、モータロータ10の遠心力とオイルポンプ28の圧力とにより潤滑油を射出することで、コイル78が冷却される。この冷却に供された潤滑油は、重力によって下方に移動しハウジングHsの下部に落ち、このハウジングHsの下部に連通する潤滑油貯留部29に貯留される。このように潤滑油がハウジング内の油路を通り、さらに前記コイルエンドに射出されることで、電動モータ1が冷却される。
モータ回転軸油路32からオイル供給口37に導かれた潤滑油は、減速機2内を潤滑する。オイル供給口37の外径側開口端から排出される潤滑油には、遠心力が作用することで、潤滑油は減速機2内の各部を潤滑しながらハウジング内で半径方向外方に移動する。その後、潤滑油は、重力によって下方に移動し、オイル排出口38から潤滑油貯留部29に貯留される。
以上説明したインホイールモータ駆動装置によると、潤滑油供給機構Jkは、冷却を兼ねる潤滑油を、例えば、潤滑油貯留部29から吸い上げてハウジング内の油路30を通して電動モータ1および減速機2に導く。これにより電動モータ1が冷却され、減速機2が潤滑される。このとき走行風でハウジングHsが冷却されることで、ハウジング内の油路30を通る潤滑油が冷却される。また、ハウジングHsに設けられる複数のフィン7a,8aにより、電動モータ1からハウジングHsに伝導される熱を放熱する。
特に、ハウジング内の前記油路30は、蛇行経路である迂回路35を含むため、従来のインホイールモータ駆動装置における、例えば、直線経路からなる油路よりも表面積を大きく確保することができ、走行風等により冷却効果を高めることが可能となる。
ハウジングHsは、車輪Wのインボード側の側面から突出した突出部分を有し、この突出部分に迂回路35を設けたことで前記突出部分に走行風が直接当たるため、油路30を通る潤滑油の冷却効果を一層高めることができる。
リアカバー8は、二つのリアカバー分割体39,40を互いに組み合わせた構造とし、これらリアカバー分割体39,40のうち一方のリアカバー分割体39における、他方のリアカバー分割体40との合わせ面39aに迂回路35を設けているため、二つのリアカバー分割体39,40をそれぞれ鋳造等により加工し組み立てることができるため、リアカバーのうち複雑な迂回路を例えば機械加工により製造するよりも、各リアカバー分割体39,40を容易に且つ迅速に製造し組立てることができ、量産化を図れる。
他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図7は、他の実施形態のリアカバー分割体39の迂回路35を示す正面図である。リアカバー分割体39は、潤滑油の流入口35aから排出口35bまでを1本の経路としても良い。この場合、合流時に生じる流れの偏りを解消し、潤滑油を電動モータおよび減速機にスムースに供給することができる。
図8に示すように、リアカバー分割体39の迂回路35を、流入口35aから排出口35bまで1本の経路とした場合に、迂回路35を、流入口35aから排出口35bまで渦巻状に形成されたものとしても良い。この場合、迂回路35における流入口35aから排出口35bに至る油路途中で、過度に屈曲した箇所が無くなるため、潤滑油が目詰まりを起こすことを防止することができる。またリアカバー全体を渦巻状の迂回路35に沿って万遍なく冷やすことができるため、冷却効果を高めることが可能となる。
図9に示すように、ハウジングHs内の油路30を、径方向油路33と、軸方向油路45と、第1,第2の迂回路35,46とを含むものとしても良い。前記軸方向油路45は、径方向油路33に連通し、ケーシング内における軸方向中間付近部からアウトボード側に軸方向に沿って延びる。第2の迂回路46は、曲線経路からなる円周状油路であり、ケーシング内のアウトボード側で軸方向油路45に連通し、インボード側でリアカバー8に設けられた第1の迂回路35に連通する。第1の迂回路35は、前記いずれかの実施形態に係る迂回路35と同様の構成となっている。第2の迂回路46は、ケーシング内のアウトボード側からインボード側まで1本の経路で螺旋状に設けても良いし、同心円状で軸方向所定間隔おきに設けられた複数の油路を、軸方向の接続油路(図示せず)で繋げても良い。
この構成によると、リアカバー8に第1の迂回路35を設けるだけでなく、ケーシング内でアウトボード側からインボード側に至る曲線経路からなる第2の迂回路46を設けたため、ケーシング内に直線状の油路を設けるよりも、油路全体の表面積を拡大することができる。これにより走行風等による冷却効果をさらに高めることが可能となる。
図10に示すように、ハウジングHsにおける、車輪Wのインボード側の側面から突出した突出部分のみに、第1,第2の迂回路35,46を設けても良い。この場合にも、突出部分に走行風が直接当たるうえ、ケーシング内に直線状の油路を設けるより油路全体の表面積を拡大することができることから、冷却効果を高めることができる。
図11に示すように、ケーシング7内のみに曲線経路からなる迂回路46を設け、リアカバー8には、径方向に延びる直線経路からなる油路8bを設けても良い。この場合、ハウジングHsにおける突出部分に走行風が直接当たるうえ、ケーシング7内に直線状の油路を設けるより油路全体の表面積を拡大することができることから、冷却効果を高めることができる。また、他の実施形態よりもリアカバー8の構造を簡単化でき、製造コストの低減を図れる。
前記リアカバー8に迂回路35を設けたいずれかの実施形態において、前記迂回路35は、流入口35aから排出口35bに向かうに従って断面積を大きくした構成としても良い。この場合、潤滑油の内部流れの損失を小さくすることができる。したがって、潤滑油を電動モータ1および減速機2にスムースに供給することができる。
この実施形態では、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであっても良い。また、インホイールモータ駆動装置に限らず、車体にモータを設けた所謂オンボートタイプの車両用駆動装置であっても良い。
1…電動モータ
2…減速機
5…車輪用軸受
7…ケーシング
8…リアカバー
30…油路
35…迂回路
35a…流入口
35b…排出口
39,40…リアカバー分割体
Hs…ハウジング
Jk…潤滑油供給機構
W…車輪

Claims (9)

  1. 車輪を駆動する電動モータと、この電動モータの回転を前記車輪に伝達すると共に回転支持する車輪用軸受と、前記電動モータを収納するハウジングと、冷却を兼ねる潤滑油を前記ハウジング内に設けた油路を通して前記電動モータに導く潤滑油供給機構とを備えた車輪用駆動装置において、
    前記ハウジング内の前記油路は迂回路を含むことを特徴とする車輪用駆動装置。
  2. 請求項1記載の車輪用駆動装置がインホイールモータ駆動装置であって、前記ハウジングは、前記車輪のインボード側の側面から突出した突出部分を有し、この突出部分に前記迂回路を設けたインホイールモータ駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の車輪用駆動装置において、前記ハウジングは、前記電動モータを覆う筒状のケーシングと、このケーシングのインボード側端を塞ぐリアカバーとを有し、前記ケーシングに前記迂回路を設けた車輪用駆動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車輪用駆動装置において、前記ハウジングは、前記電動モータを覆う筒状のケーシングと、このケーシングのインボード側端を塞ぐリアカバーとを有し、このリアカバーに前記迂回路を設けた車輪用駆動装置。
  5. 請求項4記載の車輪用駆動装置において、前記リアカバーに設けた前記迂回路は、潤滑油の流入口から排出口までを1本の経路とした車輪用駆動装置。
  6. 請求項5記載の車輪用駆動装置において、前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口まで渦巻状に形成された車輪用駆動装置。
  7. 請求項4記載の車輪用駆動装置において、前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口までを複数本の経路とした車輪用駆動装置。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の車輪用駆動装置において、前記リアカバーに設けた前記迂回路は、前記流入口から前記排出口に向かうに従って断面積を大きくした車輪用駆動装置。
  9. 請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の車輪用駆動装置において、前記リアカバーは、二つのリアカバー分割体を互いに組み合わせた構造とし、いずれか一方のリアカバー分割体に前記迂回路を設け、この迂回路を他方のリアカバー分割体で密閉させた車輪用駆動装置。
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