WO2019194189A1 - 雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手 - Google Patents

雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手 Download PDF

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Abstract

継手は、一対の鉄筋(1,1)が両鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部(1c)に螺合する筒状のカプラー(2)で接続された継手である。一対の鉄筋(1,1)におけるいずれか一方の鉄筋(1)は、鉄筋(1)の雄ねじ部(1c)の基端における不完全ねじ部(1ca)のねじ溝に、カプラー(2)の雌ねじ部(2a)のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合することで、雄ねじ部(1c)とカプラー(2)との間に緩み止めトルクが発生したものである。一般的には使用しない不完全ねじ部(1ca)を利用して雄ねじ部(1c)とカプラー(2)との間に緩み止めトルクを発生させるので、少なくともいずれか一方の鉄筋(1)の雄ねじ部(1c)に、ロックナット等を螺合する長さ分を確保する必要がない。

Description

雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手 関連出願
 この出願は、2018年4月6日出願の特願2018-073939、2018年7月19日出願の特願2018-135496および2018年9月28日出願の特願2018-184967の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
 この発明は、例えば、鉄筋コンクリートに用いられる雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手に関する。
 鉄筋コンクリートにおいて、主筋には一般に異形鉄筋が用いられ、帯筋やあばら筋には異形鉄筋または丸鋼が用いられる。長尺の柱や、梁、布基礎等において、限られた長さの鉄筋を現場で連続な鉄筋とするために、各種の鉄筋継手が用いられる。各種の鉄筋継手のうち、短い工期で済むねじ式継手が提案されている。図16に示すように、従来のねじ式継手として、ねじ筒からなるカプラー50の両側にそれぞれワッシャー51を介してロックナット52を使用することが記載されている(例えば、特許文献1)。
特開平10-61107号公報 特開2008-063730号公報
 鉄筋継手には、引っ張り荷重の他に、所定の圧縮荷重にも耐えることが、建築の基準として定められている。ねじ式鉄筋継手では、鉄筋の雄ねじ部とねじ筒の雌ねじ部との噛み合い部分の遊びが、圧縮荷重の要件を充足させるうえで問題となる。すなわち、ねじの噛み合い部分ではねじ込み作業が可能なように規定の遊び、いわゆるガタが設けられている。そのため、引っ張り荷重の負荷状態から圧縮荷重の負荷状態に変わったとき、雄ねじ部のねじ山の片方の面に押し付けられていた雌ねじ部のねじ山が、遊び分だけ移動して、雄ねじ部の隣のねじ山の反対側の面に押し付けられることになる。この遊び内でのねじ山の移動は自由な移動となるので、滑り量の規定を満たす上で問題となる。鉄筋径が大きくなると、遊びも大きくなるので、上記の課題がより大きくなる。
 この遊びの課題は、ロックナットを用いると解消できる。しかしながら、従来のロックナットを用いたねじ式鉄筋継手では、雄ねじ部が、接続作業のためにカプラーおよびロックナットを逃がしておくための範囲に渡って設けられている。そのため、雄ねじ部の長さが長くなる。
 鉄筋の雄ねじ部の長さが長くなると、次のような種々の課題が生じる。資材の共用化のため、ねじ式鉄筋継手を構成する異形鉄筋を、ねじ式鉄筋継手として使用せずに、一般の異形鉄筋と同様にコンクリートに埋め込む場合がある。この場合、雄ねじ部の長さ範囲では、特に異形鉄筋の場合、その特徴である節部を有しないので、コンクリートに対する定着力が弱い。そのため、雄ねじ部を設けた鉄筋を異形鉄筋として使用することが難しい。建築基準における異形鉄筋の規定では、鉄筋径に対する所定倍数の鉄筋長さの範囲内に、節部を幾つ必要であるかが定められている。この規定を、ロックナットの逃がし可能な長い雄ねじ部を持つ異形鉄筋で充足させようとすると、雄ねじ部以外の部分の節部の間隔が短くなり、コスト増に繋がる。雄ねじ部付きの異形鉄筋を一般の異形鉄筋として扱えない場合、管理上および現場での鉄筋の保管、取り扱い上で煩雑さが生じる。
 また、雄ねじ部におけるカプラーおよびロックナット等を逃がしておくための範囲は、カプラーまたはロックナットのねじ込みによって露出する。この雄ねじ部の露出部分には節部がないので、定着力が弱いという問題が生じる。
 しかも、雄ねじ部の長さが長いと、それだけねじ加工における工具、例えば転造ではダイス、切削加工ではバイトの摩耗が多くなり、この工具の摩耗による寿命の低下は、ねじ式鉄筋継手のコスト増の大きな要因の一つとなっている。また従来のロックナット付きのねじ式鉄筋継手では、図16に示すように、カプラー50の両側にそれぞれワッシャー51を介してロックナット52を設けているので、部品点数が多くコスト増となる。このようなねじ加工による寿命の低下、ワッシャーによる部品点数の増加という課題は鉄筋が丸鋼からなる場合も同じである。
 この発明の目的は、耐引張力および耐圧縮力上の両方の要件を充足でき、かつ汎用性を高めることができ、また部品点数を低減してコスト低減を図ることができる雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手を提供することである。
 この発明の第1構成に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手は、一対の鉄筋が両鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部に螺合する筒状のカプラーで接続された継手であって、前記一対の鉄筋におけるいずれか一方または両方の鉄筋は、前記鉄筋の前記雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、前記カプラーの前記雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合することで、前記雄ねじ部と前記カプラーとの間に緩み止めトルクが発生したものである。
 鉄筋の端部に雄ねじ部を形成する際、雄ねじ部を加工する工具の面取り部または食い付き部等によって、円筒部と完全ねじ部との境界部およびねじ先端部に、ねじ溝が次第に浅くなる、いわゆる不完全ねじ部が生じる。一般的なねじ式鉄筋継手では、雄ねじ部の基端における不完全ねじ部が、ねじ筒、ロックナットの各雌ねじ部と噛み合わないように、雄ねじ部の長さを長く確保する。
 この発明の第1構成によると、不完全ねじ部への螺合を避けるという従来の常識を破り、いずれか一方の鉄筋の雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、カプラーの雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。これにより、雄ねじ部とカプラーとの間に緩み止めトルクが発生する。また、この鉄筋継手に対する引張力の作用時と圧縮力の作用時とで、雄ねじ部と雌ねじ部のねじ山同士の接触する面が変わらず、雄ねじ部と雌ねじ部間の遊びは微小であり、遊びが大きくなる課題が解消される。
 なお、不完全ねじ部のねじ溝に、カプラーの雌ねじ部のねじ山の一部が塑性変形するまで螺合してもよい。鉄筋に緩み止めトルクを与えることにより、両側の鉄筋に引張力が作用したとき、互いに接触するねじ山同士が接触を維持してガタ(遊び)を生じず、引張力は、一方の鉄筋→カプラー→他方の鉄筋に伝わる。両側の鉄筋に圧縮力が作用したときは、鉄筋の不完全ねじ部のねじ溝から、このねじ溝に弾性変形状態に食い込むカプラーの雌ねじ部のねじ山に圧縮力が伝達される。したがって、耐引張力および耐圧縮力の両方の要件を充足できる。
 このように、不完全ねじ部が製造上で生じてしまうが、ねじ締めには一般的には使用しない不完全ねじ部を利用して雄ねじ部とカプラーとの間に緩み止めトルクを発生させる。このため、少なくともいずれか一方の鉄筋の雄ねじ部に、ロックナット等を螺合する長さ分を確保する必要がない。換言すれば、鉄筋の雄ねじ部には、カプラーの雌ねじ部に螺合する長さ分があれば足りる。よって、ロックナットと同様の緩み止め機能を得ながら、従来のロックナット付きのねじ式鉄筋継手よりも雄ねじ部の長さ、およびカプラーの軸方向長さを短くすることができる。このため、雄ねじ部以外の部分(例えば、節部の間隔等)を短くする必要がなくなるうえに、カプラーの材料費も低減できる。その結果、コスト低減を図れる。
 さらに、雄ねじ部付きの異形鉄筋を一般の異形鉄筋として扱うことができ、汎用性を高めることができる。また、従来のねじ式鉄筋継手に対し、ロックナット等を低減することができるので、従来構造よりも部品点数を低減しコスト低減を図れる。
 カプラー内における互いに対向する雄ねじ部の先端部同士が互いに接触するように両鉄筋が設けられてもよい。この場合、両側の鉄筋に圧縮力が作用したとき、鉄筋の不完全ねじ部のねじ溝から、このねじ溝に少なくとも弾性変形状態に食い込むカプラーの雌ねじ部のねじ山に圧縮力が伝達されると共に、雄ねじ部の先端部を介して他方の鉄筋に伝わる。これにより、耐圧縮力の要件を充足することができる。
 前記一対の鉄筋におけるいずれか一方の鉄筋につき、前記不完全ねじ部のねじ溝に、前記カプラーの前記ねじ山が少なくとも弾性変形状態に食い込み、いずれか他方の鉄筋の雄ねじ部にロックナットが螺合されたものであってもよい。
 この発明では、鉄筋に緩み止めトルクを導入して性能を確保しているが、場合によっては作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響を及ぼすことが懸念される。そこで、この構成によると、鉄筋の片側にロックナットを設けることで、作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響が及ぶことを未然に防止し得る。一対の鉄筋につき、雄ねじ部の長さが異なるものを準備しておき、雄ねじ部の長さが短い一方の鉄筋につき、雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、カプラーの雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。これにより、雄ねじ部とカプラーとの間に定められた緩み止めトルクを得る。
 定められた緩み止めトルクは、設計等によって任意に定めるトルクであって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切なトルクを求めて定められる。その後、雄ねじ部が長い他方の鉄筋に螺合したロックナットに所定の締付けトルクを与える。このように鉄筋の片側にロックナットを設けることで、作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響が及ぶことを未然に防止し得る。
 前記カプラーに、前記一対の鉄筋が前記カプラー内に所定の締結最小長さまでねじ込まれていることを確認する締結長さ確認孔が形成されたものであってもよい。確認孔は1個であっても、複数設けられていてもよい。また、締結長さ確認孔を設ける位置は、カプラーに両側の鉄筋が締結最小長さまでねじ込まれていることが確認できる位置にあればよく、必ずしもカプラーの長さ方向の中央でなくてもよい。所定の締結最小長さは、適宜設計される。確認孔が設けられていると、確認孔を覗くこと、確認孔にピン状の治具を差し込むこと、または確認孔に光を通すことで、鉄筋が締結最小長さまでねじ込まれか否かを容易に確認することができる。
 この発明の第1構成において、前記一対の鉄筋のうちの一方または両方の鉄筋は、丸軸状の鉄筋本体の外周に、長手方向に間隔を開けて複数の節部を有し、かつ長手方向に延びる突条を有する異形鉄筋であってもよい。この構成によれば、耐引張力および耐圧縮力上の両方の要件を充足でき、かつ汎用性を高めることができる。
 この発明の第1構成において、さらに、前記一対の鉄筋のうちの一方または両方の鉄筋は、丸鋼であってもよい。この場合、丸鋼はリブがなくなるので断面欠損も発生しない。また、この丸鋼はコイル状で生産・供給されており、安価で取扱いやすく、ロスを生じるおそれが低いうえ、鋼種も豊富であることから、メリットが大きい。
 この発明の第2構成に係る継手は、長手方向に対向する一対の鉄筋の端部を相互に接続する鉄筋継手であって、内面に雌ねじ部が形成された筒状体と、一端部に継手雄ねじ部を有する継手部材と、対向する一対の継手部材同士を長手方向およびその直交方向に変位可能に接続する接続部材とを備え、前記筒状体の一端部に一方の前記鉄筋の端部に形成された鉄筋雄ねじ部が螺合され、他端部に前記継手部材の一端部の前記継手雄ねじ部が螺合され、前記鉄筋雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、前記筒状体の一端部の前記雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合することで、前記鉄筋雄ねじ部と前記筒状体との間に緩み止めトルクが発生している。
 周知のように、梁や柱のような鉄筋コンクリート構造物における鉄筋継手としては、大きく分けて次の4種類がある。すなわち、重ね継手、ガス圧接継手、溶接継手および機械式継手である。とりわけ、機械式継手はカプラーを鉄筋端部に被せ、鉄筋の節とカプラーの噛み合いやねじによる接合を利用して鉄筋を一体化する工法として知られる。この機械式継手のメリットとしては、施工時に鉄筋が縮まないこと、部材端で全数継手が可能なこと、作業員に特別の資格が不要なこと、天候等の影響を受けないことが挙げられる。
 上述の4種類の鉄筋継手のほかに、高価なグラウト材(モルタル、セメントミルクや合成樹脂等)を用いて鉄筋同士を接合する方式も採用されている(例えば、上述の特許文献2)。
 しかしながら、このグラウト式継手の場合、鉄筋群としての位置精度の確保が難しい。また、グラウト材の注入後、グラウト材が硬化して所定の強度に達するまでにかなりの時間を要する。したがって、グラウト材が硬化するまでは次工程に進められず、コスト面および工期に大きな影響を与えている。
 上述のこの発明の第2構成によれば、一対の鉄筋継手同士を筒状体内で接合するにあたり、モルタルのような高価で硬化に数日かかるグラウト材を用いないで、ねじ連結のみで済む。したがって、施工コストの低廉化と、施工の工期短縮化を図ることができる。また、対向する一対の継手部材同士を接続する接続部材は、これら一対の継手部材同士を長手方向およびその直交方向に変位可能に接続する。したがって、一対の継手部材同士に多少の芯ずれ、つまり、一対の鉄筋に多少の芯ずれまたは長手方向の位置ずれがあったとしても、このずれを吸収して一対の継手部材同士、つまり一対の鉄筋同士を接続できる。これにより、鉄筋群としての位置精度の確保が容易である。このように、一対の鉄筋同士の接続に一定の許容範囲があることでも施工の工期短縮化を図ることができる。
 第1構成と同様に、いずれか一方の鉄筋の雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、カプラーの雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。これにより、雄ねじ部とカプラーとの間に緩み止めトルクが発生する。また、この鉄筋継手に対する引張力の作用時と圧縮力の作用時とで、雄ねじ部と雌ねじ部のねじ山同士の接触する面が変わらず、雄ねじ部と雌ねじ部間の遊びは微小であり、遊びが大きくなる課題が解消される。
 この場合、前記継手部材は本体部と前記継手雄ねじ部とを有し、前記一対の継手部材の本体同士が長手方向に対向した状態で前記接続部材と前記継手部材とが締結部材によって着脱自在に連結されていてもよい。この構成によれば、工場内での鉄筋組立のみならず、工事現場での鉄筋組立でも迅速かつ容易に行える。
 この場合、一対の前記接続部材の間に前記継手部材の本体部が介在していることが望ましい。この構成によれば、一対の接続部材によって継手部材の本体部がサンドイッチ構造で強固に保持されるので、一対の鉄筋同士の接合の信頼性も向上する。
 さらに、本発明に係るプレキャスト鉄筋コンクリート体は、本発明の継手における前記筒状体と前記鉄筋がコンクリートに埋め込まれ、前記筒状体の雌ねじ部が前記コンクリートの端面から露出している。この構成によれば、鉄筋コンクリート構造物において梁や柱となりうるプレキャスト鉄筋コンクリート体を工場内で製作し、これを工事現場で接合するにあたり、コンクリートの端面からそれぞれ露出する筒状体の外端面の雌ねじ部を利用して、隣接するプレキャスト鉄筋コンクリート体を鉄筋継手で容易に接合できる。したがって、工事現場での施工性が格段に向上する。
 請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、この発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、この発明に含まれる。
 本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
この発明の第1実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 同雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手のカプラー付近の拡大正面図である。 同継手の雄ねじ部の製造過程の説明図である。 同継手の雄ねじ部の製造過程の説明図である。 同継手の雄ねじ部の製造過程の説明図である。 同継手のねじ部の噛み合い部分を拡大して示す部分拡大断面図である。 図3AのIIIB部の拡大図である。 図3AのIIIC部の拡大図である。 図3AのIIID部の拡大図である。 同継手の締結作業の具体例を説明する図である。 同継手の締結作業の具体例を説明する図である。 同継手の締結作業の具体例を説明する図である。 同継手の締結作業の具体例を説明する図である。 真円加工後の鉄筋の雄ねじ部の転造過程を示す説明図である。 同鉄筋を用いて定着板をねじ結合で取り付けた例を示す断面図である。 同鉄筋を用いて定着板をねじ結合で取り付けた例を示す断面図である。 この発明の第2実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 この発明の第3実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 この発明の第4実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 この発明の第5実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の全体システムである配筋例を概略示す図である。 この発明の第6実施形態であって、図1における異形鉄筋に代えて丸鋼を用いた継手の縦断面図である。 図12の左側部分を拡大して示す部分拡大断面図である。 この発明の第7実施形態であって、左右の丸鋼の一方を逆ねじにした継手の縦断面図である。 この発明の第8実施形態に係る雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の断面図である。 同雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手の変形例の断面図である。 従来例の鉄筋継手の縦断面図である。 参考提案例の鉄筋継手の縦断面図である。 本発明の第9実施形態に係る鉄筋継手および鉄筋組立体の正面図である。 同実施形態の鉄筋の端部の鉄筋雄ねじ部に螺合される鉄筋継手の分解斜視図である。 同じく鉄筋継手の継手部材の拡大斜視図である。 鉄筋の雄ねじ部の端面と型枠の別の取付構造を示す拡大断面図である。 鉄筋継手の側面図である。 同鉄筋継手の正面図である。 芯ずれした鉄筋同士を接続する場合、鉄筋継手を接続部材を除いた状態で示す正面図である。 第10実施形態による鉄筋継手の側面図である。 本発明の第11実施形態に係る鉄筋継手の継手部材の拡大斜視図である。 本発明の第12実施形態に係る鉄筋継手の正面図である。 参考提案例に係る鉄筋継手の鉄筋の端部の鉄筋雄ねじ部に螺合される鉄筋継手の分解斜視図である。
 [第1実施形態]
 この発明の第1実施形態を図1Aないし図6Bと共に説明する。図1Aに示すように、この雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手は、異形鉄筋のねじ式鉄筋継手であり、一対の鉄筋1,1と、両鉄筋1,1の端部に設けられた雄ねじ部1cに螺合する筒状のカプラー2とを備えている。
 <鉄筋1について>
 各鉄筋1は、丸軸状の鉄筋本体1aの外周面に突条1bを有する異形鉄筋である。突条1bは、円周方向に延びる節部1baと、長手方向に延びるリブ1bbとを有する。リブ1bbは、2本が鉄筋本体1aの180°離れた位置に設けられている。各節部1baは、この例では、リブ1bbを境に交互に半周ずつ設けられている。なお、節部1baは、全周に続く形状であってもよい。
 各鉄筋1の雄ねじ部は、例えば、転造ねじであり、加工硬化(塑性硬化とも呼ばれる)によって、鉄筋1の他の部分よりも少なくとも表層部の硬さが硬くなっている。雄ねじ部1cは、図2A,図2Bに示すように、節部1baとリブ1bbにねじ加工の精度の向上のために、節部1baおよびリブ1bbの基端が残る程度の真円加工を行ったうえで、図2Cに示すようにねじ加工を施す。このため、節部1baのある箇所とない箇所でねじ山の寸法が異なっている。
 なお、リブ1bbのある箇所は、節部1baのある箇所と外径寸法が同じである。このため、全周で考えると節部1baのある軸方向幅部分と節部1baのない軸方向幅部分とで雄ねじ部1cのねじ山の寸法は同じである。つまり、リブ1bbのある箇所には、節部1baのある軸方向幅部分に形成された雄ねじ部1cのねじ山と同一寸法のねじ山が形成されている。雄ねじ部1cと鉄筋本体1aとの境界部、およびねじ先端部には、ねじ溝が次第に浅くなった、いわゆる不完全ねじ部1ca,1cbが生じている。ねじ先端部の不完全ねじ部1cbには、面取りが施されている。
 図1Aに示すように、左右の雄ねじ部1cのねじ長さは異なり、一方(図1Aの左側)の鉄筋1では、締結ねじ長さに相当する長さ(L1)が転造加工されている。この左側のねじ長さ(L1)は、鉄筋径毎に設定されている。他方(図1Aの右側)の鉄筋1の雄ねじ部1cは、カプラー長さに加え、鉄筋継手の規格上でA級継手の性能値を満足でき、且つ鉄筋1のコンクリート付着に影響を与えない範囲でねじ長さ(L2)が設定されている。このねじ長さ(L2)は、例えば、プレキャスト工法等における鉄筋締結作業時にカプラー2全体を逃がせる長さに設定されている。具体的には、ねじ長さ(L2)は、例えば、カプラー長に「3」を乗じた長さであり、カプラー長は、ねじ長さ(L1)×2+(5~10mm)に設定される。この範囲(5~10mm)につき、鉄筋1が細径のとき5mm、大径のとき10mmが採用される。
 <カプラー2について>
 図1A,図1Bに示すように、カプラー2は、内周の全体に雌ねじ部2aが形成され、外周面が六角形状のねじ筒である。カプラー2は、鉄筋1の雄ねじ部1cに対して、鉄筋継手として要求される引張耐力が確保できるだけの締結長さが必要である。なお、カプラー2の外周面は、六角形状に限定されるものではなく、例えば、円筒形状の軸方向の一部または全体に六角形状または多角形状等の非円形部が部分的に形成されたものであってもよい。
 図1Bに示すように、カプラー2の中央に、円形の貫通孔である締結長さ確認孔2bが形成されている。この締結長さ確認孔2bは、一対の鉄筋1,1がカプラー2内に所定の締結最小長さまでねじ込まれていることを目視で確認し得る孔である。締結長さ確認孔2bは、円形に限定されるものではなく、また、複数設けられていてもよい。
 確認孔2bはなくてもよい。特に小さい外径のカプラー2では、目視可能な大きさの確認孔2bを設けると、カプラー2の強度に大きく影響する場合があるので、確認孔2bは省略される。その場合でも、両鉄筋1,1の雄ねじ部1cのねじ長さL1,L2が予め分かっているので、左側の雄ねじ部1cのカプラー2へのねじ込み量はL1となる。一方、右側の雄ねじ部1cのねじ込み量は、雄ねじ部1cのカプラー2からの露出長さL0を測ることにより、ねじ込み量(=L2-L0)を知ることができる。
 一方(図1Aの左側)の鉄筋1における雄ねじ部1cのねじ長さ(L1)は、製造時点で締結長さと同じ長さに加工されているうえ、この一方の鉄筋1の先端部に他方(図1Aの右側)の鉄筋1の先端部が接触するように配置する。このため、双方とも一つの確認孔2bから所定の締結最小長さまでねじ込まれていることを確認できる。なお、図示しないが、カプラー2の軸方向両端の内周縁部に、面取りが設けられてもよい。面取りを設けることで、鉄筋1の雄ねじ部1cへの螺合を円滑になり、施工性の向上を図ることができる。
 図3A,図3Dに示すように、一方(図1Aの左側)の鉄筋1は、この鉄筋1の雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaが、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合している。これにより、雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクが発生している。カプラー2を鉄筋1に螺合させた状態で回転させることにより、雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのフランク両面が、雌ねじ部2aのねじ山2aaにそれぞれ接触する。さらにカプラー2を回転させることで鉄筋1に緩み止めトルクが発生し雄ねじ部1cと雌ねじ部2a間のガタがなくなる。
 図3A~図3Dに示すように、カプラー2の雌ねじ2aは、軸方向全体に渡って完全なねじとなっている。雄ねじ部1cは、図3Bに示すカプラー2の中央付近における完全ねじ(ねじ山の頂部が一部欠損するものも含む噛合可能なねじ)から、図3Cに示すように、雄ねじ部1cの基端付近に向かって次第に谷が浅くなる。さらに、図3Dに示すように、雄ねじ部1cの基端において不完全ねじ部1caのフランク両面が、雌ねじ部2aのねじ山2aaにそれぞれ接触している。図3Dに示すように、不完全ねじ部1caで雄ねじ部1cと雌ねじ2aのセンターが完全に一致することにより、図3Bに示す完全ねじ部での雄ねじ部1cと雌ねじ2a間の軸方向隙間δが微小となる。この軸方向隙間δを明確に算定することができる。
 なお、図3B~図3Dでは、雌ねじ2aと雄ねじ部1cとの関係を判り易くするため、台形ねじとしているが、第1実施形態では三角ねじが適用されている。図1Aに示すように、他方の鉄筋1は、この雄ねじ部1cがカプラー2に螺合した状態で両鉄筋1,1の雄ねじ部1cの先端部同士が接触するように配置され、この他方の鉄筋1に締付けトルクを与えることで締結作業は完了する。なお、両鉄筋1,1の雄ねじ部1cの先端部が互いに離れていてもよい。
 <締結作業の具体例>
 図4Aに示すように、一方(図4Aの左側)の鉄筋1は、雄ねじ部1cが締結長さ確認孔2bから目視で視認可能なねじ長さ、換言すれば確認孔2bとラップするねじ長さに加工されている。まず、他方(図4Aの右側)の鉄筋1の雄ねじ部1cにカプラー2を螺合させた状態で、両鉄筋1,1の雄ねじ部1cの先端部同士を接触させる。つぎに、カプラー2を回転させて他方の鉄筋側から一方の鉄筋側へ移動させる。カプラー2は、両雄ねじ部1c,1cにカプラー2が螺合した状態で止まる。
 図4Bに示すように、一方(図4Bの左側)の鉄筋1とカプラー2とに渡って軸方向に繋がる第1のマークM1を施した後、カプラー2にトルクを掛ける。図4Cに示すように、カプラー2にトルクを与えることにより、一方(図4Bの左側)の鉄筋1とカプラー2間には円周方向のずれδ1が生じる。この鉄筋1の雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1ca(図3D参照)のねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aa(図3D参照)が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。ここで、一方(図4Bの左側)の鉄筋1とカプラー2とに渡って軸方向に繋がる第2のマークM2をさらに施す。
 図4Dに示すように、つぎに、他方(図4Dの右側)の鉄筋1をさらに回転させ、両鉄筋の雄ねじ部1cの先端部同士が接触した段階で、他方(図4Dの右側)の鉄筋1とカプラー2とに渡って軸方向に繋がる第3のマークM3を施す。さらに他方(図4Dの右側)の鉄筋1にトルクを与えた後、この鉄筋1とカプラー2とに渡って軸方向に繋がる第4のマークM4をさらに施す。
 この締結作業の例では一対の鉄筋1,1とカプラー2間でトルクが導入され、必然的に締結長さ確認孔2bより、両鉄筋1,1が所定の締結最小長さまでねじ込まれていることを目視で確認できる。連続する他の継手の締結作業時に過度の力が加わり、トルクが抜けた場合、第2,第4のマークM2,M4の両方がずれを起こしていれば、再トルクが必要であることが分かる。
 鉄筋1に緩み止めトルクを与えることにより、両側の鉄筋1,1に引張力(図1Bに実線の矢印で示す)が生じた際、微小な隙間は直ちに接触し、スムースな力の伝達を行う。図3Dのロックされている周方向の長さは、全ねじ周長(雄ねじ部1cの軸方向先端から基端まで螺旋に繋がる全ての雄ねじ部1cの周方向長さ)と比較して数パーセントにも達しておらず、この様な挙動を起こす。図3Dに示すように、鉄筋1の雄ねじ部1cのねじ山におけるカプラー2に接する面1caから、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaに引張力が伝達される。したがって、引張力は、一方の鉄筋1→カプラー2→他方の鉄筋1に伝わる。
 両側の鉄筋1,1に圧縮力(図1Bに破線の矢印で示す)が作用したときは、鉄筋1の不完全ねじ部1caのねじ溝から、このねじ溝に少なくとも弾性変形状態に食い込むカプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aa(図3D)に圧縮力が伝達されると共に、大部分は雄ねじ部1cの先端部を介して他方の鉄筋1に伝わる。なお、鉄筋継手に要求される耐圧縮力は、降伏点強度に比べて半分程度で足りる。
 <鉄筋1の製造方法>
 図2Aに示すように、素材となる異形鉄筋である鉄筋1を、建設現場または工場で、必要とされる任意の長さに切断する。図2Bに示すように、この切断された鉄筋1の端部における雄ねじ部1cを形成する長さ範囲の部分に、真円加工を施す。この真円加工は、鉄筋1の節部1baおよびリブ1bbを有する突条1bの基端が残る程度、または基端が略無くなる程度の外径D5に真円に切削を行う。真円加工により、節部1baは、低い突出高さの部分1baaとなる。外径D5は、鉄筋本体1aの外径D1よりも僅かに大きい。ねじ加工に伴う若干の径の変化があるため、外径D5は、雄ねじ部1c(図2C)のねじ山径と異なっている。なお、外径D5は、鉄筋本体1aの外径D1と同じかまたは僅かに小さくてもよい。
 図2Cに示すように、鉄筋1の真円加工が施された部分に、雄ねじ部1cを転造により形成する。真円加工が施された部分が、図5に示す一対の転造用ロール13,13の間で転造により加工され、雄ねじ部1c(図2C)が形成される。これにより、端部に雄ねじ部1c(図2C)を有する鉄筋となる。一対の転造用ロール13,13は互いに離れて配置され、真円加工が施された部分が転造用ロール13,13間に位置決めされる。その後、両転造用ロール13,13を矢印のように径方向に移動させて回転させながら真円加工が施された部分に押し付け、雄ねじ部1c(図2C)を加工する。雄ねじ部1cの加工は転造加工に限定されるものではなく、切削加工でもよい。
 <定着盤等について>
 図11に示すように、鉄筋継手の全体システムとして、ねじ方式の定着盤61を採用する。全体システムにおいて、短いねじ長さ(L1)の雄ねじ部と、長いねじ長さ(L2)の雄ねじ部とがカプラー2に螺合された継手パターンAと、長いねじ長さ(L2)の雄ねじ部同士がカプラー2に螺合された継手パターンBとが組み合わせられている。この定着盤61が設けられる全体システムの両最外端部に、例えば、短いねじ長さ(L1)(図1A)の雄ねじ部1cを配置する。
 図6Aに示すように、定着盤61は、ねじ孔61hを有する定着力付与用の板状で、矩形部61aと円形部61bとが軸方向に一体成形された部品からなる。矩形部61aは、例えば、外周が六角形状からなり、工具等により定着盤61を雄ねじ部1cに螺合可能である。円形部61bのうち矩形部61aに繋がる一側面は、外径側に向かうに従って軸方向一端側に傾斜するテーパ形状に形成されている。
 図6Bに示すように、定着盤61Aは、ねじ孔61hを有する筒状部61Aaと、この筒状部61Aaに嵌め込まれるリング状の円環部61Abとを有するものであってもよい。筒状部61Aaは、例えば、外周が六角形状からなる矩形部分62と、この矩形部分62の一側面に一体形成されたテーパ部63とを有する。テーパ部63は、先端から基端に向かうに従って拡径するテーパ形状である。円環部61Abに円筒孔64が形成され、この円筒孔64にテーパ部63が嵌め込まれている。
 例えば、梁となるコンクリート部分の鉄筋を柱となるコンクリート部分内に埋め込む場合、柱内での定着力を確保するために、鉄筋の端部は、U字状またはL字状に屈曲させて埋め込まれる。しかしながら、このような鉄筋の屈曲部分が多数あると、柱内の配筋が煩雑となる。そこで、鉄筋の端部に拡径した拡径頭部を形成し、U字状またはL字状の屈曲部分の代わりとして定着力を確保することが行われている。しかしながら、従来の拡径頭部は、鉄筋の端部を高周波誘導等により熱間で塑性変形させて製造することから、製造過程に設備および手間が必要となる。このような課題に対して、この例では、図6Aの定着盤61または図6Bの定着盤61Aをねじ結合することで、鉄筋1の端部に、拡径した拡径頭部が形成されている。この場合、特別な設備が不要で、手間も掛けずに簡単に拡径頭部を形成できる。
 <作用効果について>
 鉄筋1の端部に雄ねじ部1cを形成する際、雄ねじ部1cを加工する工具の面取り部または食い付き部によって、円筒部と完全ねじ部との境界部(雄ねじ部1cの基端)およびねじ先端部に、ねじ溝が次第に浅くなるいわゆる不完全ねじ部が生じる。一般的なねじ式鉄筋継手では、雄ねじ部の基端における不完全ねじ部が、ねじ筒、ロックナットの各雌ねじ部と噛み合わないように、雄ねじ部が長く設定されている。
 この実施形態の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手によると、いずれか一方の鉄筋1の雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaが、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。これにより、雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクが発生する。また、この鉄筋継手に対する引張力の作用時と圧縮力の作用時とで、雄ねじ部1cと雌ねじ部2aのねじ山同士の接触する面が変わらず、雄ねじ部1cと雌ねじ部2a間の遊びの課題が解消される。鉄筋1に緩み止めトルクを与えることにより、両側の鉄筋1,1に引張力が生じた際、微小な隙間は直ちに接触し、スムースな力の伝達を行うことができる。
 図3Dのロックされている長さは、全ねじ周長と比較して数パーセントにも達しておらずこの様な挙動を起こす。引張力は、一方の鉄筋1→カプラー2→他方の鉄筋2に伝わる。両側の鉄筋1,1に圧縮力が作用したときは、少なくとも鉄筋1の不完全ねじ部1caのねじ溝から、このねじ溝に少なくとも弾性変形状態に食い込むカプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaに圧縮力が伝達されると共に、大部分は雄ねじ部1cの先端部を介して他方の鉄筋1に伝わる。したがって、耐引張力および耐圧縮力の両方の要件を充足できる。
 このように、製造上で生じてしまうがねじ締めには一般的には使用しない不完全ねじ部1caを利用して雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクを発生させる。このため、少なくともいずれか一方の鉄筋1の雄ねじ部1cに、ロックナット等を螺合する長さ分を確保する必要がない。換言すれば、鉄筋1の雄ねじ部1cには、カプラー2の雌ねじ部2aに螺合する長さ分があれば足りる。よって、従来のねじ式鉄筋継手よりも雄ねじ部1cの長さ、およびカプラー2の軸方向長さを短くすることができる。このため、雄ねじ部以外の部分(例えば、節部1baの間隔等)を短くする必要がなくなるうえ、カプラー2の材料費も低減できる。その結果、コスト低減を図れる。
 さらに、雄ねじ部付きの異形鉄筋を一般の異形鉄筋として扱うことができるので、汎用性を高めることができる。また、従来のロックナット付きのねじ式鉄筋継手に対し、ロックナット等を低減することができるので、従来構造よりも部品点数を低減しコスト低減を図ることができる。
 [他の実施形態について]
 以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
 [左右のねじ長さを同じにした例]
 図7に示す第2実施形態のように、左右の鉄筋1,1の雄ねじ部1cのねじ長さを同一にし、各雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、それぞれカプラー2の雌ねじ部2aのねじ山が少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合してもよい。両鉄筋1,1は、雄ねじ部1cの先端部同士は接触せず所定間隔を空けてカプラー2に螺合される。この場合、各鉄筋1に対し通常のトルク値と同程度のトルクを与え、鉄筋継手の規格上でA級継手以上とする。両鉄筋1,1は、工場出荷前または現場においてカプラー2に締結される。この構成によると、両鉄筋1,1の雄ねじ部1cの長さを短くでき、ロックナット等の部品点数をさらに低減しコスト低減を図れる。その他は、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
 [左右のねじ長さを変更した例]
 図8に示す第3実施形態のように、一方(図8の左側)の鉄筋1における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2のねじ山が少なくとも弾性変形状態に食い込み、他方(図8の右側)の鉄筋1における雄ねじ部1cに、ワッシャー14を介してロックナット15が螺合されていてもよい。ただし、ワッシャー14はなくてもよい。鉄筋に緩み止めトルクを導入して性能を確保する場合、作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響を及ぼすことが懸念される
 そこで、図8の構成によると、鉄筋1の片側にロックナット15を設けることで、作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響が及ぶことを未然に防止できる。一対の鉄筋1,1につき、雄ねじ部1cの長さが異なるものを準備しておく。雄ねじ部1cが長い他方(図8の右側)の鉄筋1のねじ長さは、カプラー2、ロックナット15、ワッシャー14(突起を含む。ワッシャー14がない場合、同ワッシャー14の厚み分短くなる。)の軸方向長さを足した長さがあればよいが、この例では、この長さの1.7倍を確保している。0.7倍分は作業的にも不必要であるが、長さ調整に用いられ、高速カッターまたは丸刃シャーにより切断される。
 雄ねじ部1cの長さが短い一方(図8の左側)の鉄筋1につき、雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合する。これにより、雄ねじ部1cとカプラー2との間に定められた緩み止めトルクを得る。その後、雄ねじ部1cが長い他方(図8の右側)の鉄筋1に螺合したロックナット15に所定の締付けトルクを与える。このように、鉄筋1,1の片側にロックナット15を設けることで、作業が完了した他の鉄筋継手へ悪影響が及ぶことを未然に防止できる。
 [打継用継手]
 図9に示す第4実施形態のように、両鉄筋1,1の先端部同士を接触させてトルクを与えた鉄筋継手が、コンクリート16に埋め込まれ、露出する片側の鉄筋1の雄ねじ部1cにロックナット15が螺合されたものであってもよい。この場合、カプラー2に締結長さ確認孔を設ける必要がないので、加工コストの低減を図れる。
 [長さ調整を含む継手]
 図10に示す第5実施形態のように、図10の右側の鉄筋1における雄ねじ部1cに、ロックナット15が螺合されたもので、この雄ねじ部1cのねじ長さLとして、標準ねじ長さの2倍程度が確保され、この部分を現場等で切断して長さを調整したものであってもよい。標準ねじ長さLとは、カプラー長とロックナット高さの和である。なお、右側の鉄筋1における雄ねじ部1cに、ワッシャー(図示せず)を介してロックナット15が螺合されてもよい。この場合のワッシャーは、トルク確認用として主に機能する。
 [異形鉄筋に代えて丸鋼を用いた例]
 図12に示す第6実施形態のように、図1に示す第1実施形態で使用した鉄筋(この場合、異形鉄筋)に代えて、丸鋼を用いてもよい。図12の部分拡大図である図13に示すように、一方(図12の左側部分)の鉄筋1は、図3A~図3Dで示したものと同様の状態、つまり、この鉄筋1の雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaが、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合している。これによって、雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクが発生している。なお、一対の鉄筋のうちの一方は異形鉄筋であってもよい。
 図14に示す第7実施形態では、丸鋼の2本の鉄筋1,1の雄ねじ部1c、1cを互いに逆ねじとしている。これら鉄筋1,1をカプラー2で連結したのち、カプラー2を回転させると、2つの雄ねじ部1c、1cが互いに逆ねじなので、カプラー2内の鉄筋1,1間の隙間αが変化する。そこで、この隙間αを調整しながらカプラー2を左側の丸鋼1の不完全ねじ部1caの近傍まで進出させ、適切な隙間αとなったことを確認したのち、さらに大きいトルクで不完全ねじ部1caに食い込ませる。この逆ねじを利用する場合、丸鋼に代えて異形鉄筋を用いてもよい。
 このように、異形鉄筋に代えて丸鋼を用いた場合、リブがなくなるので断面欠損も発生しない。また、丸鋼はコイル状で生産・供給されており、安価で取扱いやすく。ロスを生じるおそれが低いうえ、鋼種も豊富であることから、メリットが大きい。
 [端部ねじに摩擦圧接方式を用いた例]
 図15Aに示す第8実施形態のように、端部ねじに摩擦圧接方式を用いてもよい。摩擦圧接方式とは、鉄筋の端部に摩擦圧接により接合したねじ棒(雄ねじ部)を相互に突き合わせ、カプラー2によって結合して一体化を図った機械式鉄筋継手である。図15Aに示すように、一方(図15Aの左側部分)の異形鉄筋1は、図3A~図3Dで示したものと同様に、雄ねじ部1cの基端における不完全ねじ部1caのねじ溝に、カプラー2の雌ねじ部2aのねじ山2aaが、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合している。これによって、雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクが発生している。なお、鉄筋1は丸鋼であってもよい。また、図15Aの例では、剛性確保のためにロックナット15が用いられているが、ロックナット15はなくてもよい。
 図15Bの変形例に示すように、一方(図15Bの左側部分)の異形鉄筋1の雄ねじ部1cの基端に、不完全ねじ部1caがなくてもよい。この場合、摩擦圧接の際に形成されたバリ部160がストッパの役割を果たす。つまり、カプラー2を雄ねじ部1cにねじ込んで、カプラー2の端部をバリ部160に強く当て付ける。これによって、雄ねじ部1cとカプラー2との間に緩み止めトルクが発生している。
 図17は、この発明の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手と組み合わせて使用される鉄筋継手の参考提案例を示す。一本に接続する多数の鉄筋間のうちの何か所かの鉄筋継手にいずれかの実施形態に係る鉄筋継手を用い、残りの何か所かに図17に示す参考提案例の鉄筋継手を用いてもよい。図17では、両鉄筋1,1の先端部同士を接触させると共に、一方の鉄筋1における雄ねじ部1cの不完全ねじ部回避ナット15Aが螺合されている。この場合、不完全ねじ部回避ナット15Aに当たることでカプラー2が不完全ねじ部に螺合することが回避される。これにより、カプラー2は、全体が完全ねじ部に螺合することになり、剛性が向上する。なお、不完全ねじ部回避ナット15Aは鋼鉄製に限らず例えば樹脂製であってもよい。
 また、図7~図10に示す第2~第5実施形態は、いずれの場合においても異形鉄筋に代えて丸鋼を同様に使用可能である。
〈鉄筋組立体の構造について〉
 図18は、この発明の第9実施形態に係る鉄筋組立体が型枠に取り付けられた状態を示す正面図である。図18は、右側に位置する梁や柱となりうる一方の鉄筋組立体A1と、左側に位置する梁や柱となりうる他方の鉄筋組立体A2とを示している。この例では、鉄筋組立体A1、A2が梁となりうる場合を示す。なお、左右の鉄筋組立体A1,A2は、同一本数の主筋(鉄筋)101と同一または異なる本数のあばら筋2を用いた同一組立体である。
 図18において、鉄筋組立体A1,A2は主筋となる複数の鉄筋101が、図18の上下方向および紙面の表裏方向に離間して配設され、互いに平行に左右方向(この例では水平方向)に延びている。これらの鉄筋101に対してせん断補強筋となるあばら筋102が複数、巻き付けられている。本実施形態の鉄筋101は、外周に長手方向に延びるリブと、一定間隔置きで周方向に延びる節部とを含む突条が形成された異形鉄筋であるが、通常の丸棒であってもよい。
 鉄筋101の端部には雄ねじ部115が、例えば、転造で形成されている。雄ねじ部115は鉄筋101と別体に形成されて、鉄筋101の端面に溶接で接合されてもよい。雄ねじ部115と鉄筋本体との境界部に、前述の実施形態と同様に、不完全ねじ部115aが形成されている。この雄ねじ部115に、内面に雌ねじ部が形成された筒状体110が螺合されている。
 前述の実施形態と同様に、鉄筋101の雄ねじ部115の基端における不完全ねじ部115aのねじ溝に、筒状体110の雌ねじ部114のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合している。これにより、雄ねじ部15と筒状体110との間に緩み止めトルクが発生している。この筒状体110に、後述するように、型枠107の外側から挿入した取付ねじ体106をねじ込むことにより、鉄筋組立体A1が型枠107に取り付けられている。左側に位置する鉄筋組立体A2も同一の構造である。
 各鉄筋組立体A1,A2は、工場で型枠107を取り付けた状態で型枠107内に生コンクリートを打設して、梁や柱のようなプレキャスト鉄筋コンクリート体P(以下、単に「PCコンクリート体P」という)を作成する。ただし、型枠107付きの鉄筋組立体A1,A2を工事現場に搬送して、工事現場で型枠107内に生コンクリートを打設してもよく、あるいは、鉄筋101,あばら筋102,筒状体110,型枠107を別々に工事現場に搬送し、工事現場で型枠107付きの鉄筋組立体A1,A2を作成したうえで、型枠107内に生コンクリートを打設してもよい。
 つづいて、ねじ体106を抜いて型枠107を取り外し、鉄筋継手B1により左右のPCコンクリート体Pの鉄筋101,101同士を接続する。この例では、PCコンクリート体Pが梁の場合を想定しているが、PCコンクリート体Pが柱の場合では、上下一対のPCコンクリート体Pの鉄筋101,101同士を接続する。
 なお、図18に二点鎖線で示すように、PCコンクリート体Pの端面(下端面)の中央部にコンクリート突起170を設けてもよい。この場合、型枠107が外されたPCコンクリート体Pをクレーンで吊り下げた状態で、コンクリート突起170の下端面172を、接続するPCコンクリート体Pの端面(上端面)180に当接させて荷重を受けさせる。この状態で、例えば、四角柱状のPCコンクリート体Pの四隅の鉄筋継手B1を取り付ける。コンクリート突起170により荷重が受けられるので、四隅の鉄筋継手B1を取り付けた後の工程ではクレーンは不要となり、クレーンを別の作業に移すことができる。つづいて、残りの鉄筋継手B1を取り付ける。これにより、作業能率が向上する。
〈鉄筋継手の構造について〉
 図19により鉄筋継手B1について説明する。図19の分解斜視図に示すように、この鉄筋継手B1は、前述した内面に雌ねじ部114が形成されたカプラーとなる筒状体110と、一端部に継手雄ねじ部113を有する継手部材111と、対向する一対の継手部材111,111同士を接続する接続部材119とを備えている。
 接続部材119は、上下一対で継手部材111をサンドイッチ構造で挟み、長手方向(軸方向)Xおよびその直交方向Yに変位可能に保持する。継手部材111と鉄筋101とで、その長手方向Xは共通である。長手方向Xに直交し、かつ継手部材111の本体部112の主面と平行、つまり貫通孔117(後述)と直交する方向をYとする。また、両方向X,Yに直交する方向をZとする。筒状体110は、前述のとおり、コンクリート体Pに埋設されている。
 ここで、筒状体110は外形が横断面六角形で、その内面に鉄筋101の端部の露出した鉄筋雄ねじ部115に螺合される前記雌ねじ部114が形成されている。筒状体110は、外形が横断面円形または多角形でもよい。鉄筋雄ねじ部115は、筒状体110の雌ねじ部114の一部分である軸方向内側部分にのみ螺合される。継手部材111は、図20に示すように、偏平な形状の本体部112と、その先端の継手雄ねじ部113とを備える。継手雄ねじ部113は、筒状体110の雌ねじ部114に螺合される。
 本体部112には3つの貫通孔117が所定の間隔(例えば60mm)で形成されている。貫通孔117の数は、この例では3つとしたが、1つであっても、2つであっても、4つ以上であってもよい。また、この貫通孔117は、後述する高力ボルトまたは超高力ボルト(以下、単に「ボルト」という場合がある。)125の外径より数mm大きい内径を有する遊嵌孔(過大孔)となっている。貫通孔117の両端の縁部に、環状の突起または面取りからなる摩擦調整部117aが形成されている。これにより、大きな力でボルト125を締め付けたときに、突起が押し潰されるか、または面取りの凹みに接続部材119の一部分が入り込み、摩擦力が増して、力の伝達効力が高まる。
 図19の筒状体110および継手部材111は、同一構造のものが長手方向(この場合、梁用の鉄筋を想定しているので水平方向)に対向するように配置され、各継手部材111の継手雄ねじ部113が対応する筒状体110の雌ねじ部114に螺合されている。PCコンクリート体P、P同士を連結するのに支障をきたす場合、継手部材111を後でPCコンクリート体Pの筒状体110に取り付けてもよい。継手部材111,111間には若干の隙間S(約70mm)が存在する。継手部材111を回転させて筒状体110へのねじ込み量を増減させることにより隙間Sの大きさを変化させることで、鉄筋101,101間の離間寸法の誤差を吸収する。
 具体的には、隙間Sを設けることで、施工時に継手部材111がぶつかった場合などに、回転させて取り外すことが可能になる。また、相互に軸心のずれた鉄筋101,101同士をボルト等で接続する場合、隙間Sを設けることで、接続部材119,119が曲がり易くなる。
 図21は、図18における型枠107に鉄筋101を取り付ける構造を示す拡大図である。図21に示すように、型枠用の雄ねじ体116の外端面に、予めねじ孔120が形成されている。この型枠用雄ねじ体116を取付ねじ体106によって型枠107に取り付け、型枠用雄ねじ体116に筒状体110を螺合させる。さらに、この筒状体110の内面の雌ねじ部114に鉄筋の鉄筋雄ねじ部115を螺合させる。このとき、前述のように、不完全ねじ部115aのねじ溝に、筒状体110の雌ねじ部114のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合される。この状態で、前述のとおり、型枠107内に生コンクリートを打設面135まで打設し、型枠107を取り外してPCコンクリート体Pを得る。
 鉄筋101,101同士の接続にあたっては、型枠用雄ねじ体116を工具で取り外し、筒状体110の内面の雌ねじ部114をPCコンクリート体Pの端面から外部に露出させる。この露出した雌ねじ部114に、図19の継手部材111の継手雄ねじ部113を螺合する。なお、型枠107の外側には、図21に示すように、取付ねじ体106の挿入によって鉄筋の位置決め用の鉄フレーム109が着脱可能に装着されている。
 型枠107に鉄筋101を取り付ける変形例として、型枠用ねじ体116を省略し、図21に二点鎖線で示すように取付ねじ体116を長くして、鉄筋101の端面に設けたねじ孔120Aに螺合することで、筒状体110付きの鉄筋101を型枠107に取り付けることもできる。この変形例では、型枠107を取り外せば筒状体110の雌ねじ部114がPCコンクリート体Pの端面から外部に露出する。
 これら継手部材111,111の本体部112,112は、図22に示すように、表裏面から一対の接続部材119,119が当接され、サンドイッチ構造に保持される。接続部材119は、平板からなり、継手部材111の貫通孔117に対応する位置に6つの連結孔127が設けられている。一方の接続部材119の連結孔127から締結部材の一例であるボルト125を挿通し、継手部材111の貫通孔117を貫通して反対側の接続部材119の連結孔127から突出させ、締結部材(ボルト)125の先端部をナット130で締め付ける。したがって、この例では、締結部材は、ボルト125とナット130とからなる。なお、図22に二点鎖線で示すように、第1実施形態(図1Bの締結長さ確認孔2b)と同様に、締結長さ確認孔150を筒状体110に設けてもよい。
 連結孔127は、過大孔ではなく、正規孔である。上述のように、過大孔117とボルト125との間に、通常のねじ連結の場合よりも大きい隙間が存在しており、この隙間の分だけ継手部材111,111同士を接続部材119によって、長手方向Xおよびその直交方向Yに変位可能に接続できる。こうして、図23に示すように、隣接するPCコンクリート体P,P同士が鉄筋継手B1により連結される。
〈鉄筋継手による連結作業について〉
 梁や柱の配筋となる両鉄筋101,101を鉄筋継手B1で連結するにあたり、まず、図19の筒状体110の雌ねじ部114に継手部材111の継手雄ねじ部113をねじ込む。その際、必要に応じて筒状体110の両端に、図22に示すロックナット131を取り付ける。これにより、筒状体110の雌ねじ部114の軸方向内側部分に鉄筋雄ねじ部115が締結された状態で、他の部分である軸方向外側部分に継手雄ねじ部113が螺合される。
 この状態で、前述のとおり、プレート状の接続部材119,119により継手部材111,111をサンドイッチ状に挟み込むような構造で保持し、6本のボルト125を接続部材119の連結孔127と継手部材111の貫通孔117に挿通する。このボルト125の先端部に、必要に応じてワッシャー134を介してナット130を螺合して締結する。こうして連結されたPCコンクリート体P,P間の隙間は現場でコンクリートを打設して埋められる。したがって、鉄筋継手B1はコンクリートに埋設されて外部に露出しない。
〈作用・効果について〉
 以上のように構成される本発明に係る鉄筋継手B1は、モルタルのような高価で硬化に数日という時間がかかるグラウト材を用いないで、ねじ連結のみで済む。したがって、施工コストの低廉化と、施工の工期短縮化を図ることができる。また、図19の対向する一対の継手部材111は本体部112と継手雄ねじ部113を有し、一対の継手部材111,111の本体112,112同士が長手方向に対向した状態で、接続部材119と継手部材111とが締結部材125,130によって着脱自在に連結されている。したがって、連結構造が簡単になる。これにより、工場内での鉄筋組立のみならず、工事現場での鉄筋組立も迅速かつ容易に行える。
 図23では継手部材111,111同士が同芯であるが、図24に示すように、一方の継手部材111の長手方向の軸心X1と他方の継手部材111の軸心X2との間に芯ずれC1があってもよく、あるいは、軸方向の位置ずれ、つまり、隙間Sの大きさの変動があってもよい。その場合でも、継手部材111の貫通孔117と接続部材119の連結孔127が過大孔であるから。その分だけ鉄筋101,101のずれを吸収して円滑に接続される。
 ボルト125の締結作業を円滑に行うために、継手部材111の本体部112の向きを締結作業性の良い方向に向ける場合がある。その場合、図22に示すZ方向に芯ずれが生じて本体部112と接続部材119間に隙間が発生することがある。この隙間に添え板を挿入してもよいが、添え板なしでも、継手部材111,111間には長手方向Xの隙間Sがあるから、ボルト125を強く締めることにより、継手部材111と接続部材119が傾くように変形させて、両者間のZ方向の隙間を無くすることができる。
 また、図22に示す一対の接続部材119,119の間に継手部材111の本体部112が介在されている。したがって、一対の接続部材119,119によって継手部材111の本体部112がサンドイッチ構造で強固に保持されるので、一対の鉄筋101,101同士の接合の信頼性も向上する。
 また、本発明に係る鉄筋組立体A1,A2は、複数本の鉄筋101が平行に配筋されて、あばら筋102で結合されており、鉄筋101に形成された鉄筋雄ねじ部115に、内面に雌ねじ部114を有する筒状体110が螺合されている。鉄筋雄ねじ部115は、雌ねじ部114の軸方向内側部分に侵入し、雌ねじ部114の軸方向外側部分が鉄筋組立体A1,A2の外部に露出している。したがって、この露出した雌ねじ部114に継手部材111の継手雄ねじ部113を螺合することで、継手部材111を容易に鉄筋101に連結できる。その結果、鉄筋継手B1による鉄筋101,101同士の連結作業の効率化が図れる。これにより、梁や柱のような鉄筋コンクリート構造物を工場内で量産する場合でも、工事現場でコンクリートを打設する場合でも、作業効率が向上する。
 つぎに、図25により第10実施形態による鉄筋継手について説明する。この第10実施形態は、図22に示す第9実施形態の構成と基本的な構成は同じで、鉄筋継手B1の筒状体110がPCコンクリート体Pに埋め込まれていない点でのみ相違する。鉄筋101の端部の雄ねじ部115がPCコンクリート体Pから突出しており、この突出した雄ねじ部115に筒状体110が工事現場で螺合される。筒状体110への継手部材111の接続、継手部材111と接続部材119との連結は、第9実施形態の場合と同様である。
 つぎに、図26により第11実施形態による鉄筋継手について説明する。第11実施形態は、図19~24に示す第9実施形態の構成と基本的な構成は同じで、鉄筋101として図15の第8実施形態の端部ねじに摩擦圧接方式を用いたものが用いられている。つまり、鉄筋101の不完全ねじ部115aのねじ溝に、筒状体110のねじ山が少なくとも弾性変形状態に食い込んでいる。その他の構成は、第9実施形態と同じである。なお、図26に二点鎖線で示すように、継手部材111の継手雄ねじ部113に、ロックナット140を螺合して剛性を確保するようにしてもよい。
 つぎに、図27により第12実施形態による鉄筋継手について説明する。第12実施形態では、対向する一対の継手部材111の一方(図27の左側)は図19~24に示す第9実施形態と同じ構成で、他方(図27の右側)の形状が第9実施形態と異なっている。具体的には、他方(図27の右側)の継手部材111の本体部112に、例えば、丸鋼からなる短い鉄筋145が、溶接のような接合手段により接合されている。この継手部材111の鉄筋145と鉄筋101とが、摩擦圧接により接合されている。その他の構成は、第9実施形態と同じである。
 つぎに、図28により、この発明の不完全ねじ部を利用しない鉄筋継手の参考提案例について説明する。参考提案例は、図19に示す第9実施形態の構成と基本的な構成は同じで、鉄筋101と筒状体110とがロックナット140で固定されている点でのみ相違する。つまり、筒状体110の内面の雌ねじ部114に鉄筋101の雄ねじ部115を螺合させ、ロックナット140で固定されている。その他の構成は、第9実施形態と同じである。
 以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものもこの発明の範囲内に含まれる。
 図18~図27の実施形態および図28の参考提案例は、以下の態様1~5を含む。
[態様1]
 態様1に係る鉄筋継手は、長手方向に対向する一対の鉄筋の端部を相互に接続する鉄筋継手であって、
 内面に雌ねじ部が形成された筒状体と、
 一端部に継手雄ねじ部を有する継手部材と、
 対向する一対の継手部材同士を長手方向およびその直交方向に変位可能に接続する接続部材と、を備え、
 前記筒状体の一端部に一方の前記鉄筋の端部に形成された鉄筋雄ねじ部が螺合され、他端部に前記継手部材の一端部の前記継手雄ねじ部が螺合されている。
[態様2]
 態様1に係る鉄筋継手は、態様1に記載の鉄筋継手において、前記継手部材は本体部と前記継手雄ねじ部とを有し、
 前記一対の継手部材の本体同士が長手方向に対向した状態で前記接続部材と前記継手部材とが締結部材によって着脱自在に連結されている。
[態様3]
 態様3に係る鉄筋継手は、態様2に記載の鉄筋継手において、一対の前記接続部材の間に前記継手部材の本体部が介在している。
[態様4]
 態様4に係る鉄筋組立体は、複数本の鉄筋が平行に配筋され、あばら筋で結合された鉄筋組み立て体であって、
 前記鉄筋の端部に形成された雄ねじ部に、内面に雌ねじ部を有する筒状体が螺合されて、前記鉄筋雄ねじ部が前記雌ねじ部の軸方向内側部分に侵入し、前記雌ねじ部の軸方向外側部分が外部に露出している。
[態様5]
 態様5に係るプレキャスト鉄筋コンクリート体は、態様1から3のいずれか一つに記載の鉄筋継手を備え、
 前記鉄筋継手における前記筒状体と前記鉄筋がコンクリートに埋め込まれ、
 前記筒状体の外端面の雌ねじ部が前記コンクリートの端面から露出している。
1,101…鉄筋(異形鉄筋または丸鋼)
1ba…節部
1bb…突条
1c,115…雄ねじ部
1ca,115a…不完全ねじ部
2…カプラー
2a…雌ねじ部
2aa…ねじ山
2b…締結長さ確認孔
15…ロックナット
102…あばら筋
106…ボルト(締結部材)
107…型枠
110…筒状体(カプラー)
111…継手部材
112…本体部
113…継手雄ねじ部
114…雌ねじ部
115…鉄筋雄ねじ部
117…貫通孔
117a…摩擦調整部
119…接続部材
120…ねじ孔
127…連結孔
130…ナット(締結部材)
A1、A2…鉄筋組立体
B…鉄筋継手
P…梁や柱のようなPCコンクリート体
 

Claims (10)

  1.  一対の鉄筋が両鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部に螺合する筒状のカプラーで接続された継手であって、
     前記一対の鉄筋におけるいずれか一方または両方の鉄筋は、前記鉄筋の前記雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、前記カプラーの前記雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合することで、前記雄ねじ部と前記カプラーとの間に緩み止めトルクが発生した、雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手。
  2.  請求項1に記載の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手において、前記カプラー内における互いに対向する雄ねじ部の先端部同士が互いに接触するように両鉄筋が設けられた雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手。
  3.  請求項1または請求項2に記載の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手において、前記一対の鉄筋におけるいずれか一方の鉄筋につき、前記不完全ねじ部のねじ溝に、前記カプラーの前記ねじ山が少なくとも弾性変形状態に食い込み、いずれか他方の鉄筋の雄ねじ部にロックナットが螺合された雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手。
  4.  請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手において、前記カプラーに、前記一対の鉄筋が前記カプラー内に所定の締結最小長さまでねじ込まれていることを確認する締結長さ確認孔が形成された雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手。
  5.  請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手において、前記一対の鉄筋のうちの一方または両方の鉄筋は、丸軸状の鉄筋本体の外周に、長手方向に間隔を開けて複数の節部を有し、かつ長手方向に延びる突条を有する異形鉄筋である継手。
  6.  請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した継手において、前記一対の鉄筋のうちの一方または両方の鉄筋は、丸鋼である継手。
  7.  長手方向に対向する一対の鉄筋の端部を相互に接続する鉄筋継手であって、
     内面に雌ねじ部が形成された筒状体と
     一端部に継手雄ねじ部を有する継手部材と、
     対向する一対の継手部材同士を長手方向およびその直交方向に変位可能に接続する接続部材と、を備え、
     前記筒状体の一端部に一方の前記鉄筋の端部に形成された鉄筋雄ねじ部が螺合され、他端部に前記継手部材の一端部の前記継手雄ねじ部が螺合され、
     前記鉄筋雄ねじ部の基端における不完全ねじ部のねじ溝に、前記筒状体の一端部の前記雌ねじ部のねじ山が、少なくとも弾性変形状態に食い込むまで深く螺合することで、前記鉄筋雄ねじ部と前記筒状体との間に緩み止めトルクが発生した、鉄筋雄ねじ部の不完全ねじ部を活用した鉄筋継手。
  8.  請求項7に記載の鉄筋継手において、前記継手部材は本体部と前記継手雄ねじ部とを有し、
     前記一対の継手部材の本体同士が長手方向に対向した状態で前記接続部材と前記継手部材とが締結部材によって着脱自在に連結されている鉄筋継手。
  9.  請求項8に記載の鉄筋継手において、一対の前記接続部材の間に前記継手部材の本体部が介在している鉄筋継手。
  10.  請求項7から9のいずれか一項に記載の鉄筋継手を備え、
     前記鉄筋継手における前記筒状体と前記鉄筋がコンクリートに埋め込まれ、
     前記筒状体の外端面の雌ねじ部が前記コンクリートの端面から露出しているプレキャスト鉄筋コンクリート体。
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