JP2011102488A - 異径鉄筋ねじ式鉄筋継手および継手付き鉄筋構造 - Google Patents

異径鉄筋ねじ式鉄筋継手および継手付き鉄筋構造 Download PDF

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廣三 ▲脇▼山
Kozo Wakiyama
Akira Fukuda
章 福田
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Abstract

【課題】 互いに異なる径の鉄筋を接続することができ、かつねじ式鉄筋継手の利点である簡易な接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる継手、およびこれを用いた継手付き鉄筋構造を提供する。
【解決手段】 この異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3は、互いに径の異なる一対の雄ねじ部31b,31cを有する両端異径雄ねじ部品31と、大径側ねじ筒32と、小径側ねじ筒33とを備える。各ねじ筒32,33に、大径の鉄筋1の雄ねじ部1a、および小径の鉄筋1Aの雄ねじ部1aを螺合する。この継手付き鉄筋構造は、大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aとを、前記異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3を含む各種のねじ式鉄筋継手2〜4で接続したものである。また、ねじ式の拡径頭部5を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄筋コンクリート造の柱や梁等に用いられる異径鉄筋ねじ式鉄筋継手、およびこの継手を用いた継手付き鉄筋構造に関する。
鉄筋コンクリート造の柱や梁において、限られた標準長さの鉄筋を現場において連続な鉄筋とするために、各種の鉄筋継手が用いられる。鉄筋継手としては、鉄筋を所定の長さだけ重ねる重ね継手や、ガス圧接継手が一般的であるが、重ね継手は重なりによって配筋構造が煩雑となり、ガス圧接継手は圧接工の技量に継手の良否が左右されるという欠点がある。
そのため、特殊継手として、スリーブ内に鉄筋と共にグラウトを注入する継手が開発され、またねじ式継手が提案されている。スリーブ内にグラウトを注入する特殊継手は、配筋構造の簡略化の面で好ましく、実用化されているが、グラウトの硬化に、例えば1日程度の養生期間が必要になり、工期が長びくという欠点がある。
ねじ式鉄筋継手は、グラウト注入式の特殊継手に必要となる養生期間が不要という利点があるが、まだ実用化に至っておらず、例えば特許文献1に示すものが提案されている。これは、鉄筋の端部に拡径した雄ねじ部を設け、ねじ筒で両鉄筋の雄ねじ部を接続するものである。
また、一般に、鉄筋コンクリート造梁の主筋の端部は、柱コンクリートへの定着の確実のために、上下方向に折り曲げた折り曲げ部分とされる。しかし、上記折り曲げ部分は、使用する鉄筋量の増加を招き、また柱内の配筋が複雑になる。このような課題を解決する工法として、端部に拡径した頭部を有する鉄筋を用い、折り曲げ部に代わる定着強度を持たせるものがある(例えば、特許文献2)。この工法は、機械式鉄筋定着方式と呼ばれている。上記拡径頭部付き鉄筋の加工は、梁へ使用時の長さよりも若干長い寸法の素材鉄筋の端部を、高周波誘導加熱等で加熱し、加圧成形することにより行われる。また、ねじ孔を有する定着部材の前記ねじ孔に鉄筋の端部を挿入し、この端部を赤熱状態に加熱して増肉することにより、前記定着部材を接合して拡径頭部を形成するものも提案されている(特許文献3、図7)。
特開平11−336256号公報 特開2000−257209号公報 特開平11−293850号公報
従来のねじ式鉄筋継手、例えば特許文献1に示されたねじ式鉄筋継手は、異なる径の鉄筋の接続には用いることができない。鉄筋コンクリート柱においては、上階に至るに従い、作用する荷重が軽減されるため、上階部分の鉄筋に、下階部分の鉄筋よりも小径のものを用いて無駄な鉄筋使用を削減し、必要部分の鉄筋を増加させることが望ましい。鉄筋コンクリート梁においても、例えば、1階部分のみが広い建物では、上階部分がない建物部分の屋根を構成する梁は、上階部分のある建物部分よりも作用する荷重が小さく、細い鉄筋で足りる。このような鉄筋コンクリート柱や鉄筋コンクリート梁では、異なる径の鉄筋を接続することが必要となる。しかし、従来のねじ式鉄筋継手では、このような互いに異なる径の鉄筋を接続することができない。
ねじ式鉄筋継手を採用する場合、鉄筋の端部に雄ねじ部を形成することが必要となる。この雄ねじ部の形成には、強度確保のため、鉄筋端部を加熱および圧縮の付与によって拡径させ、その拡径部分にねじ溝を切ることが必要になる。または、鉄筋の一般部分よりも大径の丸鋼にねじを切った雄ねじ部品を製造し、この雄ねじ部品を鉄筋の端部に圧接するなどの処理が必要となる。これらの拡径処理や、圧接には、精度,信頼性確保のために、大がかりな設備が必要であって、専用の工場で行う必要があり、生産性確保も難しい。
そのため、本発明者等は、鉄筋径毎に、両端に雄ねじ部を有する数種類の長さの定尺の鉄筋を標準化して準備しておき、これを現場に搬入して用いることを考えた。しかし、建物毎や、柱、梁毎に、連続させる鉄筋の長さが異なり、定尺の鉄筋の組み合わせでは、必要な長さに合わせることができない。また、連続させた鉄筋の端部の雄ねじ部が無駄になる。
また、上記拡径頭部付きの鉄筋を用いる工法は、使用鉄筋量の節減や、配筋の簡素化、過密配筋の軽減を図る面で非常に優れた工法である。また、ねじ式鉄筋継手は、上記のように配筋構造の簡素化、接続作業性、施工期間の面で優れている。そのため、拡径頭部付き鉄筋とねじ式鉄筋継手とを併用することを考えた。両者を併用すれば、配筋の簡素化の面で非常に優れたものとなる。
しかし、拡径頭部付きの鉄筋の生産には、高周波誘導加熱等で加熱し、加圧成形により拡径頭部を形成することか必要であるため、生産に手間がかかり、また大掛かりな生産設備が必要となる。ねじ式鉄筋継手の製造にも、鉄筋の端部に拡径した雄ねじ部を加工することが必要であり、この雄ねじ部の加工に手間と設備が要する。そのため、拡径頭部付き鉄筋とねじ式鉄筋継手との併用は、生産の手間や設備の面で困難であり、コスト増を招く。また、特許文献3のように定着部材を増肉加工で接合する場合も、生産の手間や設備が必要となる。
この発明の目的は、互いに異なる径の鉄筋を接続することができ、かつねじ式鉄筋継手の利点である簡易な接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる異径鉄筋ねじ式鉄筋継手を提供することである。
この発明の他の目的は、互いに異なる径の鉄筋を有しながら、ねじ式鉄筋継手を用いて簡易な接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる継手付き鉄筋構造を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、互いに異なる径の鉄筋を有し、かつねじ式鉄筋継手を用いた継手付き鉄筋構造において、両端に雄ねじ部を有する定尺の鉄筋を用いて生産性の向上を図ることができ、かつ一部のねじ式鉄筋継手の選択により、鉄筋配列の総長を任意の長さにできるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、互いに異なる径の鉄筋を有し、かつねじ式鉄筋継手を用いた継手付き鉄筋構造において、両端に雄ねじ部を有する定尺の鉄筋を用いて生産性の向上を図ることができ、さらに鉄筋配列の両端の雄ねじ部を、定着力確保用の拡径頭部の成形に効果的に利用でき、使用鉄筋量の節減、配筋の簡素化、過密配筋の軽減が図れるようにすることである。
この発明の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手は、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋の端部間を接続する鉄筋継手であって、
互いに接続される大径の鉄筋および小径の鉄筋の端部にそれぞれ拡径形状に形成されて互いに径の異なる一対の雄ねじ部と、これら大径の鉄筋の雄ねじ部および小径の鉄筋の雄ねじ部とそれぞれ径およびリードが同じとされた大径側雄ねじ部および小径側雄ねじ部を両端に各々有する両端異径雄ねじ部品と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記大径側雄ねじ部と前記大径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する大径側ねじ筒と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記小径側雄ねじ部と前記小径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する小径側ねじ筒とを備えることを特徴とする。
この構成によると、両端に大径側雄ねじ部および小径側雄ねじ部を両端に各々有する両端異径雄ねじ部品と、これら大小径の各雄ねじ部と大小径の鉄筋の雄ねじ部とに渡ってそれぞれ螺合する一対のねじ筒とを有するため、ねじ式鉄筋継手でありながら、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋を接続することができる。また、ねじ式鉄筋継手であるため、接続作業性に優れ、グラウト注入式の特殊継手等と比べて施工期間も短縮される。重ね継手と比べると配筋が簡素化される。鉄筋端部の雄ねじ部は、拡径形状とされているため、ねじ溝を形成したことによる強度低下が回避され、必要な強度が確保できる。
この発明の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手において、前記両端異径雄ねじ部品における前記大径側雄ねじ部と小径側雄ねじ部との間の部分である中間部分の外径を、前記大径の鉄筋の外径よりも大径としても良い。このように両端異径雄ねじ部品における中間部分を大径に形成した場合、製造上、切削とねじ加工のみで製造でき、効率が良い。
この発明の継手付き鉄筋構造は、複数本の鉄筋を、鉄筋継手を介して順次接続した継手付き鉄筋構造であって、前記各鉄筋継手を、それぞれ各鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部およびこの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されたねじ筒を有する継手であるねじ式鉄筋継手とする。前記複数本の鉄筋には、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋とがあり、この大径の鉄筋と小径の鉄筋とを接続するねじ式鉄筋継手に、この発明の上記いずれかの構成の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手を用いたことを特徴とする。
この構成によると、各鉄筋は全てねじ式鉄筋継手で接続するため、配筋が簡素にでき、また接続作業性に優れ、施工期間短縮の短縮が図れる。互いに径の異なる鉄筋を用いるため、作用する荷重に応じて必要な径の鉄筋を使用することができて、鋼材使用料が削減できる。径の異なる鉄筋を用いるが、この発明の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手を用いるため、ねじ式鉄筋継手を用いながら、接続が可能であり、かつねじ式鉄筋継手による、簡易な接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる。
この発明の継手付き鉄筋構造において、前記各鉄筋はいずれも両端に前記雄ねじ部を有するものであり、前記各ねじ式鉄筋継手の一つとして、同径の鉄筋を相互に接続する長さ調整用ねじ式鉄筋継手を設け、この長さ調整用ねじ式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋の対向する雄ねじ部に螺合する雄ねじ部を両端に有する両端同径雄ねじ部品と、それぞれ内面に雌ねじ部を有し前記両端同径雄ねじ部品の各雄ねじ部とこれら雄ねじ部に対向する鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する一対のねじ筒とを有するものとしても良い。
この構成の場合、長さ調整用ねじ式鉄筋継手につき、長さが種々異なる各種のものを準備しておき、選択して使用することで、鉄筋長さが一定であっても、希望の総長の鉄筋配列が得られる。そのため、両端雄ねじ部付きの鉄筋を、定尺物として多数準備しておき、必要時に使用することができる。例えば鉄筋の製造業者が、両端雄ねじ部付きの鉄筋を定尺の規格品として数種類準備しておき、建物の施工業者がその鉄筋を購入して特に加工することなくそのまま使用することができる。このため、要求長さの鉄筋毎に両端に雄ねじ部を加工する受注生産の場合に比べて、両端雄ねじ部付きの鉄筋を効率良く生産することができて、コスト低減が図れる。また、両端雄ねじ部付きの鉄筋の標準化による品質向上が図れる。長さ調整用ねじ式鉄筋継手は、長さの異なる多種類のものを準備する必要があるが、鉄筋に比べて小さい部品であり、また長さ調整用ねじ式鉄筋継手における両端同径雄ねじ部品のみを種々異ならせて準備しておけば良く、ねじ筒は共通品で良いため、種類増による生産性低下の影響が少ない。
また、この発明の継手付き鉄筋構造において、前記各鉄筋は、いずれも両端に前記雄ねじ部を有するものであり、鉄筋配列の両端にそれぞれ配置された各鉄筋の鉄筋配列の端部の雄ねじ部に、内周に雌ねじ部を有し、定着力付与用の拡径頭部を形成する拡径頭部形成部品を螺合しても良い。
この構成によると、ねじ式鉄筋継手で接続されることによる配筋の簡素化、施工期間短縮に加えて、拡径頭部付きの鉄筋とできて、より一層の配筋の簡素化、使用鉄筋量の節減、過密配筋の軽減の利点が得られる。配筋簡素化は、拡径頭部付き鉄筋とねじ式鉄筋継手の双方で得られ、併用によってより一層高い効果が得られる。しかも、拡径頭部を、鉄筋端部の雄ねじ部に拡径頭部形成部品を螺合して形成するため、両端雄ねじ部付きの鉄筋の雄ねじ部を、ねじ式鉄筋継手と拡径頭部とのいずれにも使用できて、鉄筋配列の端部の鉄筋を含めて、全ての鉄筋に両端雄ねじ部付きの鉄筋を用いることができ、生産性の向上が図れる。これにより、両端雄ねじ部付きの鉄筋の標準化、定尺化による生産性向上の各効果が、より効果的に得られる。拡径頭部は、鉄筋に一体に形成する場合は、拡径頭部の形成のための専用の誘導加熱,加圧成形の設備が必要となるが、鉄筋継手と兼用の雄ねじ部を利用することで、このような設備も不要となる。
この発明の継手付き鉄筋構造は、例えば、鉄筋コンクリート柱の複数本設けられる各主筋に適用できる。その場合、前記複数本の鉄筋のうち、最上部の鉄筋を含む上側の1本または複数本の鉄筋が前記小径の鉄筋とされる。
鉄筋コンクリート柱では、前記のように上階の主筋となる鉄筋は、作用する荷重が小さいために小径の鉄筋が使用されることが多い。そのため、この発明における異径の鉄筋を用いながら、ねじ式鉄筋継手により作業性良く接続できて施工期間が短縮できるという利点が、より一層効果的となる。
この発明の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手は、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋の端部間を接続する鉄筋継手であって、互いに接続される大径の鉄筋および小径の鉄筋の端部にそれぞれ拡径形状に形成されて互いに径の異なる一対の雄ねじ部と、これら大径の鉄筋の雄ねじ部および小径の鉄筋の雄ねじ部とそれぞれ径およびリードが同じとされた大径側雄ねじ部および小径側雄ねじ部を両端に各々有する両端異径雄ねじ部品と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記大径側雄ねじ部と前記大径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する大径側ねじ筒と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記小径側雄ねじ部と前記小径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する小径側ねじ筒とを備えるため、互いに異なる径の鉄筋を接続することができ、かつねじ式鉄筋継手の利点である簡易な接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる。
この発明の継手付き鉄筋構造は、複数本の鉄筋を、鉄筋継手を介して順次接続した継手付き鉄筋構造であって、前記各鉄筋継手を、それぞれ各鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部およびこの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されたねじ筒を有する継手であるねじ式鉄筋継手とし、前記複数本の鉄筋に、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋とがあり、この大径の鉄筋と小径の鉄筋とを接続するねじ式鉄筋継手に、この発明の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手を用いたため、互いに異なる径の鉄筋を有しながら、接続作業性の向上、施工期間短縮の利点が得られる。
この発明の継手付き鉄筋構造において、前記各鉄筋がいずれも両端に前記雄ねじ部を有するものであり、前記各ねじ式鉄筋継手の一つとして、同径の鉄筋を相互に接続する長さ調整用ねじ式鉄筋継手を設け、この長さ調整用ねじ式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋の対向する雄ねじ部に螺合する雄ねじ部を両端に有する両端同径雄ねじ部品と、それぞれ内面に雌ねじ部を有し前記両端同径雄ねじ部品の各雄ねじ部とこれら雄ねじ部に対向する鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する一対のねじ筒とを有する場合は、両端に雄ねじ部を有する定尺の鉄筋を用いて生産性の向上を図ることができ、かつ一部のねじ式鉄筋継手の選択により、鉄筋配列の総長を任意の長さにすることができる。
この発明の継手付き鉄筋構造において、前記各鉄筋が、いずれも両端に前記雄ねじ部を有するものとし、鉄筋配列の両端にそれぞれ配置された各鉄筋の鉄筋配列の端部の雄ねじ部に、内周に雌ねじ部を有し、定着力付与用の拡径頭部を形成する拡径頭部形成部品を螺合した場合は、両端に雄ねじ部を有する定尺の鉄筋を用いて生産性の向上を図ることができ、さらに鉄筋配列の両端の雄ねじ部を、定着力確保用の拡径頭部の成形に効果的に利用でき、使用鉄筋量の節減、より一層の配筋の簡素化、過密配筋の軽減が図れる。
この発明の第1の実施形態に係る継手付き鉄筋構造を備えた鉄筋コンクリート柱の配筋説明図、並びにその異径鉄筋ねじ式鉄筋継手および他の各種の鉄筋継手等の説明図である。 同継手付き鉄筋構造に選択的に使用される各種長さの鉄筋の説明図である。 同鉄筋の雄ねじ部の拡大正面図である。 前記鉄筋コンクリート柱の断面の配筋図である。 同継手付き鉄筋構造における一般部用ねじ式鉄筋継手の一例を示す断面図である。 同一般部用ねじ式鉄筋継手のねじ筒の各例の断面図である。 同継手付き鉄筋構造における異径鉄筋ねじ式鉄筋継手の一例を示す断面図である。 同継手付き鉄筋構造における異径鉄筋ねじ式鉄筋継手の他の例を示す断面図である。 (A)は同継手付き鉄筋構造における長さ調整用ねじ式鉄筋継手の一例を示す断面図、(B)は長さ調整用ねじ式鉄筋継手の他の例を示す断面図である。 同継手付き鉄筋構造におけるねじ式拡径頭部の一例の断面図である。 同ねじ式拡径頭部の拡径頭部形成部品の各例を示す正面図である。 同継手付き鉄筋構造を備えた鉄筋コンクリート柱の他の例の配筋説明図である。 同継手付き鉄筋構造を備えた鉄筋コンクリート梁の一例を示す配筋説明図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図11と共に説明する。図1(A)は、この異径鉄筋ねじ式鉄筋継手および継手付き鉄筋構造を適用した鉄筋コンクリート柱の配筋構造を示す。柱10は、鉄筋コンクリート造の建物における鉄筋コンクリート柱であり、複数の階の床梁等となる梁11が接合される。柱10の配筋は、図4に水平断面を示すように、柱断面の外周部に沿って配列される複数本の主筋12と、上下に多数並んで設けられて主筋12を取り巻くフープ13とでなる。
図1に示すように、各主筋12は、それぞれ複数本の鉄筋1,1Aを、ねじ式の鉄筋継手2〜4を介して順次接続され、1本の連続した鉄筋配列となる継手付き鉄筋構造とされている。この鉄筋配列の上下端の鉄筋1,1Aにおける鉄筋配列の端部には、ねじ式の拡径頭部5が設けられている。この主筋12となる鉄筋配列の鉄筋1,1Aのうち、最上部の鉄筋を含む上側の1本または複数本の鉄筋1Aは、下側の鉄筋1に比べて小径のものが使用されている。これら大径の鉄筋1および小径の鉄筋1Aは、いずれも、図2に示すように両端に雄ねじ部1aを有する両端雄ねじ付き鉄筋とされている。これら両端雄ねじ付きの鉄筋1,1aは、各種の鉄筋径毎に、互いに種々長さの異なる複数種類の定尺物として準備され、その準備された中から、任意の長さの鉄筋1,1aが選択して使用される。この定尺物として準備する両端雄ねじ付きの鉄筋1,1aの種類は、例えば、通常に市販されている定尺の鉄筋の長さ毎であり、例を挙げると、3.5m〜12mの範囲で、500mm毎のピッチのものとされる。雄ねじ部1aは、鉄筋1,1Aの長さが異なっていても、各径毎に同じ仕様とされる。
各鉄筋1,1Aは、例えば図3に示すように、半円状突条1cおよび軸方向突条1dなどの突出部分を有する異形鉄筋であっても良く、またこのような突条を有しない円形断面の鉄筋であっても良い。
同図に示すように、大径および小径の各鉄筋1,1Aの雄ねじ部1aは、これらの鉄筋1,1Aの一般部分よりも拡径した拡径形状とされる。詳しくは、雄ねじ部1aは、ねじ溝の溝底径d3を、鉄筋1,1Aの一般部分の外径d1に対して同径以上とする。鉄筋1が同図のような突条1c,1d等を有する異形鉄筋の場合は、溝底径d3が鉄筋1,1Aの上記各突条1c,1dを除く部分の外径d1に対して同等以上であれば良いが、同図の例のように、突条1c,1dを含む外径d2に対して同等以上とすることが好ましい。
鉄筋1,1Aの雄ねじ部1aのピッチ円直径d4(=2r)は、他に支障が生じない範囲で大きくすることが好ましい。これは次の理由による。雄ねじ部1aの全体のねじ溝長さは、雄ねじ部1aの軸方向長さをl、リードをP1 とすると〔2πr×(l/P1 )〕となる。ねじの力の伝達能力はねじ溝長さに依存するため、同じねじ溝長さを得るにつき、ピッチ円直径d4(=2r)を大きくすることで、雄ねじ部1aの軸方向長さlが大幅に短くなる。また、ピッチ円直径d4を大きくすると、雄ねじ部1aをねじ溝深さの深い溝とすることが可能であり、ねじの力の伝達能力も増す。雄ねじ部1aの軸方向長さlを短くすると、ねじ筒2の長さも短くて済み、鉄筋1の周辺の配筋との干渉が避けられる。例えば、鉄筋1,1Aが柱10の主筋12や梁の主筋である場合、その周辺にフープ13スターラップ等となる配筋が多く設けられるが、このような配筋に対して雄ねじ部1aやねじ式鉄筋継手2〜4の構成部品が干渉することが、回避され易くなる。
鉄筋1,1Aに、このような太径の雄ねじ部1aを設ける方法としては、例えば次の2種類の方法が採用できる。その一つは、鉄筋1の端部に、高周波誘導加熱を行いながら圧縮力を与えることで太径部を形成し、その太径部にねじ切り加工を施すことで、太径の雄ねじ部1aとする方法である。他の一つは、鉄筋1と別体で鉄筋1よりも大径の雄ねじ部材を鉄筋1の端面に圧接等で接合することで、太径の雄ねじ部1aとする方法である。
図1おいて、前記ねじ式の鉄筋継手2〜4としては、同図(D)の一般部用ねじ式鉄筋継手2と、同図(B)の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3と、同図(C)の長さ調整用ねじ式鉄筋継手4とが用いられている。異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3は、大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aとの接続箇所に用いられる。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、図示の例では、1本に接続される鉄筋配列の中で1か所に用いられている。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、大径の鉄筋1の鉄筋配列毎、および小径の鉄筋1Aの鉄筋配列毎に、それぞれ1か所設けても良く、さらに複数設けても良い。一般部用ねじ式鉄筋継手2は、1本に接続される鉄筋配列の任意の箇所に用いられる。
一般部用ねじ式鉄筋継手2は、大径の鉄筋1および小径の鉄筋1Aに応じた各径のものが用いられる。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4についても、大径の鉄筋1の鉄筋配列および小径の鉄筋1Aの鉄筋配列にそれぞれ用いる場合は、大径の鉄筋1および小径の鉄筋1Aに応じた各径のものが用いられる。
図5において、一般部用ねじ式鉄筋継手2を説明する。このねじ式鉄筋継手2は、互いに連結される一対の鉄筋1,1(1A,1A)の対向する端部を太径の雄ねじ部1aに形成し、内周面が、前記一対の鉄筋1,1(1A,1A)の雄ねじ部1a,1aが螺合する雌ねじ部6aとされたねじ筒6を設けたものである。ねじ筒6の外周面における、両端の軸方向の端縁から、雌ねじ部6aのねじ山の1山ないし複数山に渡る長さの範囲Lは、先細りとなるテーパ状部2bとしてある。雄ねじ部1aおよび雌ねじ部6aの、ねじ溝およびねじ山の断面形状は、図示の例では3角形状としているが、台形状や矩形状であっても良い。この実施形態では、両鉄筋1,1の雄ねじ部1a,1aの螺旋方向は互いに同じ方向としてある。ねじ筒6の雌ねじ部6aの螺旋方向は、ねじ筒6の全長に渡り同じ方向としてある。いずれも順ねじ方向である。
ねじ筒6は、鋼製のスリーブの内周面に、全長に渡って一様な雌ねじ部6aを、ねじ切り加工で形成したものである。ねじ筒6の素材となるスリーブ(図示せず)は、厚肉の鋼管をねじ筒長さ毎に寸断したものであっても、また一般的な肉厚の鋼管を、圧縮力を付与しながら誘導加熱する増肉加工で増肉し、その増肉鋼管を寸断したものであっても良い。ねじ筒6の外周の断面形状は、例えば図6(A)のように円形であっても、同図(B)のように6〜8角形等の多角形であっても良い。多角形であれば、工具を係合させることができて、ねじ締め作業が容易である。ねじ筒6は、軸方向の中央など、一部のみに外周が多角形の部分を形成したものであっても良い。
ねじ筒6の全体の長さは、両側の鉄筋1,1の雄ねじ部1aが互いに突き合わされる程度にねじ込まれた状態で、各雄ねじ部1aの端がねじ筒6の端と一致する程度の長さか、または雌ねじ部6aの開口縁に1周程度の未螺合部分が余る程度の長さとされる。図示の例では、1周程度の未螺合部分を余らせてある。なお、ねじ筒6の長さは、両側の鉄筋1の雄ねじ部1aの長さを加えた長さよりも十分に長くしても良い。その場合、両側の鉄筋1の雄ねじ部1aは、ねじ筒6の両端部に螺合し、対向する両側の雄ねじ部1aの間隔を広げることになる。
図7において、異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3を説明する。この異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3は、1本の両端異径雄ねじ部品31と、大径側ねじ筒32と、小径側ねじ筒33と、互いに接続される大径および小径の各鉄筋1,1Aの端部に形成された雄ねじ部1a,1aとでなる。前記両端異径雄ねじ部品31、大径側ねじ筒32、および小径側ねじ筒33により、異径鉄筋用継手部品組24が構成される。両端異径雄ねじ部品31は、大径の鉄筋1の雄ねじ部1aおよび小径の鉄筋1Aの雄ねじ部1aとそれぞれ径およびリードが同じとされた大径側雄ねじ部31bおよび小径側雄ねじ部31cを、丸軸部材31aの両端に各々形成したものである。前記大径側ねじ筒32と、これに接続される両端異径雄ねじ部品31の大径側雄ねじ部31b、および大径の鉄筋1の雄ねじ部1aにより、大径側継手部3aが構成され、前記小径側ねじ筒33と、これに接続される両端異径雄ねじ部品31の小径側雄ねじ部31c、および小径の鉄筋1Aの雄ねじ部1aにより、小径側継手部3bが構成される。
両端異径雄ねじ部品31の丸軸部材31aは、大径軸部31aaの一端に小径軸部31aaを形成した段付き軸状とし、大径軸部31aaの端部および小径軸部31aaの端部に、これら大径軸部31aaおよび小径軸部31aaよりも拡径した拡径形状の大径側雄ねじ部31bおよび小径側雄ねじ部31cが形成してある。両端異径雄ねじ部品31は、この部品の最大径の部分よりも大径の丸軸材から旋削等により各部を削り出して各部の外径を異ならせたものであっても、小径軸部31abまたは大径軸部31aaと同径の丸軸材を用い、加熱および圧縮により拡径させてその拡径部分に各雄ねじ部31a,31bを形成したものであっても良い。両端異径雄ねじ部品31の材質は、鉄筋1,1Aと同じであっても、異なる鋼材であっても良い。
大径側ねじ筒32は、内面に雌ねじ部32aを有し前記両端異径雄ねじ部品31の大径側雄ねじ部31bと大径の鉄筋1の雄ねじ1aとに渡って螺合する部品である。小径側ねじ筒33は、内面に雌ねじ部3aを有し両端異径雄ねじ部品31の小径側雄ねじ部31cと小径の鉄筋1の雄ねじ部1aとに渡って螺合する。
大径側継手部3aおよび小径側継手部3aは、それぞれ一方の雄ねじ部31b,31cが鉄筋ではなく両端異径雄ねじ部品31に設けられたものである点を除き、それぞれが図5,図6と共に前述した一般部用ねじ式鉄筋継手2と同様な構成である。大径側ねじ筒32および小径側ねじ筒33は、特に説明した事項を除き、一般部用ねじ式鉄筋継手2のねじ筒6と同様である。
なお、異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3は、鉄筋1の径毎に、または鉄筋1Aの径毎に準備しておくことが好ましい。また、大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aの径の、互いに接続可能な組み合わせ毎に準備しておいても良い。
図8は異径鉄筋ねじ式鉄筋継手の変形例を示す。この異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3Aは、両端異径雄ねじ部品31における中間部分31acを大径としたものである。詳しくは、両端異径雄ねじ部品31における大径側雄ねじ部31bと小径側雄ねじ部31cとの間の部分である中間部分31acの外径を、大径側雄ねじ部の付近となる大径側軸部31aaおよび小径側雄ねじ部31cの付近となる小径側軸部31abを除き、前記大径の鉄筋1の外径よりも大径としたものである。
このように中間部分31acを大径とした場合は、製造上、切削とねじ加工のみで製造でき、効率が良い。
図9(A)は、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4の具体例を示し、同図(B)はその変形例となる長さ調整用ねじ式鉄筋継手4Aを示す。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4,4Aは、それぞれ、両側の継手部4a,4aを互いに同じ径,同じ仕様とした点を除き、異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3,3Aとそれぞれ同様である。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、鉄筋1,1Aの各径毎に、長さの異なる複数種類のものを準備し、その中から選択して使用する。
図9(A)において、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、1本の両端同径雄ねじ部品41と、一対のねじ筒42と、互いに接続される同径の各鉄筋1,1(または1A,1A)の端部に形成された雄ねじ部1a,1aとでなる。前記両端同径雄ねじ部品41および一対のねじ筒42により、長さ調整用継手部品組44が構成される。両端同径雄ねじ部品41は、鉄筋1または鉄筋1Aの雄ねじ部1aと径およびリードが同じとされた雄ねじ部41bを、丸軸部材の両端に各々形成したものである。前記各ねじ筒42と、これに接続される両端同径雄ねじ部品41の雄ねじ部41b、および鉄筋1または鉄筋1Aの雄ねじ部1aにより、それぞれ継手部4aが構成される。その他の構成は、異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3と同様である。
図9(B)の長さ調整用ねじ式鉄筋継手4Aは、同図(A)の長さ調整用ねじ式鉄筋継手4に対して、両端同径雄ねじ部品41の中間部分41acを、この継手に接続する鉄筋1(または鉄筋1A)よりも大径としたものである。その他の構成は、図9(A)の例と同様である。この構成の場合も、中間部分41acを大径としたため、製造上、切削とねじ加工のみで製造でき、効率が良い。
図10,図11は、ねじ式の拡径頭部5の例を示す。拡径頭部5は、鉄筋1,1Aの端部の雄ねじ部1aに、同図の拡径頭部形成部品51を螺合して構成される。拡径頭部形成部品51は、鋼板または鋼製のブロック材に穴を設けて雌ねじ部51aを形成した部品である。拡径頭部形成部品51の正面形状は、例えば図11(A)のように円形としても、また同図(B)のように矩形としても良い。雌ねじ部51aは、拡径頭部形成部品51の中心に設けても良く、また中心から偏った位置に設けても良い。拡径頭部形成部品51の正面形状は、この他に任意の形状とできる。また、拡径頭部形成部品51の断面形状は、図10のように平板状としても、また、例えば円筒部の軸方向の一部からフランジ状に張り出す部分を設けた形状等としても良い。
上記構成の作用を説明する。上記構成の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3によると、大径側雄ねじ部31bおよび小径側雄ねじ部31cを両端に各々有する両端異径雄ねじ部品31と、これらの雄ねじ部31b,31cと鉄筋1,1Aの雄ねじ部1a,1aとに渡ってそれぞれ螺合する一対のねじ筒32,33とを有するため、ねじ式鉄筋継手でありながら、互いに径の異なる大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aを接続することができる。また、ねじ式鉄筋継手であるため、接続作業性に優れ、グラウト注入式の特殊継手等と比べて施工期間も短縮される。重ね継手と比べると配筋が簡素化される。鉄筋1,1Aの端部の雄ねじ部1aは拡径形状とされているため、ねじ溝を形成したことによる強度低下が回避され、必要な強度が確保できる。
この継手付き鉄筋構造は、各鉄筋1,1Aの全てをねじ式鉄筋継手2〜4で接続するため、重ね継手に比べて配筋が簡素にでき、またグラウト注入式の機械継手等と比べて接続作業性に優れ、施工期間短縮の短縮が図れる。柱10の主筋12として、互いに径の異なる鉄筋1,1Aを用いるため、作用する荷重に応じて必要な径の鉄筋を使用することができて、鋼材使用料が削減できる。径の異なる鉄筋1,1Aを用いるが、前記実施形態の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3を用いるため、ねじ式鉄筋継手を用いながら、接続が可能であり、かつねじ式鉄筋継手による、接続作業性、施工期間短縮の利点が得られる。
前記構成の長さ調整用ねじ式鉄筋継手4を用いた場合は、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4につき、種々異なる長さのものを準備しておき、選択して使用することで、前記雄ねじ付きの鉄筋1,1Aの長さが一定であっても、希望の総長の鉄筋配列体となる主筋12が得られる。そのため、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aを、図2と共に前述したように定尺物として多数準備しておき、必要時に使用することができる。例えば鉄筋の製造業者が、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aを定尺の規格品として数種類準備しておき、建物の施工業者がその鉄筋を購入して特に加工することなくそのまま使用することができる。このため、要求長さの鉄筋毎に両端に雄ねじ部を加工する受注生産の場合に比べて、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aを効率良く生産することができて、コスト低減が図れる。また、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aの標準化による品質向上が図れる。長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、長さの異なる多種類のものを準備する必要があるが、鉄筋1,1Aに比べて小さい部品であり、また長さ調整用ねじ式鉄筋継手4における両端同径雄ねじ部品41のみを種々異ならせて準備しておけば良く、ねじ筒42は共通品で良いため、種類増による生産性低下の影響が少ない。
また、前記のように、鉄筋1,1Aに拡径頭部形成部品51を螺合して定着力付与用の拡径頭部5を形成する場合は、ねじ式鉄筋継手2〜4で接続されることによる配筋の簡素化、施工期間短縮に加えて、拡径頭部付きの鉄筋とできて、より一層の配筋の簡素化、使用鉄筋量の節減、過密配筋の軽減の利点が得られる。配筋簡素化は、拡径頭部5付きの鉄筋とねじ式鉄筋継手2〜4の双方で得られ、併用によってより一層高い効果が得られる。しかも、拡径頭部5は、鉄筋1,1Aの端部の雄ねじ部1aに拡径頭部形成部品51を螺合して形成するため、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aの雄ねじ部1aを、ねじ式鉄筋継手2〜4と拡径頭部5とのいずれにも使用できて、鉄筋配列の端部の鉄筋1,1Aを含めて、全ての鉄筋1,1Aに両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aを用いることができ、生産性の向上が図れる。これにより、両端雄ねじ部付きの鉄筋1,1Aの標準化、定尺化による生産性向上の各効果が、より効果的に得られる。拡径頭部5は、鉄筋に一体に形成する場合は、拡径頭部の形成のための専用の誘導加熱,加圧成形の設備が必要となるが、鉄筋継手2〜4と兼用の雄ねじ部1aを利用することで、このような設備も不要となる。
この継手付き鉄筋構造を、この実施形態のように、柱10の主筋12に適用した場合は、その大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aとを接続できる利点が、より効果的に発揮させる。すなわち、鉄筋コンクリート柱10では、前記のように上階の主筋となる鉄筋1Aは、作用する荷重が小さいために小径の鉄筋が使用されることが多い。そのため、上記構成の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3によって、異径の鉄筋1,1Aを用いながら、ねじ式鉄筋継手により作業性良く接続できて施工期間が短縮できるという利点がより一層効果的となる。
なお、前記実施形態では、鉄筋コンクリート柱10は、上階部分に小径の鉄筋1Aを用いるが、柱全体の断面を一定としたが、図12に示すように、鉄筋コンクリート柱10の上階部分10bを下階部分10aよりも小径としても良い。その場合、主筋12は、柱断面の寸法の変化する部分に屈曲部12aを設け、上階部分10bおよび下階部分10aのいずれにおいても、必要な被り厚を保ちながら、鉄筋1,1Aをできるだけ柱断面の外周に近い位置とする。この場合、屈曲部12aよりも上方に小径の鉄筋1Aを使用する。この小径の鉄筋1Aとその下の大径の鉄筋1との接続に、前記実施形態の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3,3Aを用いる。なお、鉄筋は、3種類以上の径のものを順次接続するようにしても良く、その場合、それぞれの異なる径の鉄筋同士の接合に、異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3を使用する。
図3は、この継手付き鉄筋構造を、梁14の主筋15に適用した例を示す。この梁14を設けた建物16は、1階部分のみが広い建物であって、上階部分がある建物部分16aと、上階部分のない建物部分16bとがある。この上階部分のない建物部分16bの屋根を構成する梁14は、上階部分がある建物部分16aに渡って形成されているが、梁主筋15には、上階部分がある建物部分16aでは太い鉄筋1が、上階部分のない建物部分16bでは細い鉄筋1Aが使用されていて、前記実施形態と同様に、各ねじ式の鉄筋継手2〜4により接続されている。すなわち、大径の鉄筋1と小径の鉄筋1Aとの接続に異径鉄筋ねじ式鉄筋継手3,3Aが用いられ、他の部分に一般部用ねじ式鉄筋継手2および長さ調整用ねじ式鉄筋継手4,4Aが用いられている。また、この鉄筋配列の左右両端の鉄筋1,1Aにおける鉄筋配列の端部には、ねじ式の拡径頭部5が設けられている。
なお、上記各ねじ式鉄筋継手2〜4や拡径頭部形成部品51は、建築/土木一般用や、土木せん段用など、用途に応じて形状や材質を異ならせても良い。また、上記各ねじ筒6、32、33、42の外周面には、エポキシ系塗料等による防錆被覆を設けても良い。
1,1…鉄筋
1a…雄ねじ部
2…一般部用ねじ式鉄筋継手
3,3A…異径鉄筋ねじ式鉄筋継手
4,4A…長さ調整用ねじ式鉄筋継手
5…拡径頭部
6a…雌ねじ部
6…ねじ筒
10…柱
11…梁
12…主筋
31…両端異径雄ねじ部品
32…大径側ねじ筒
33…小径側ねじ筒
31b…大径側雄ねじ部
31c…小径側雄ねじ部
32…大径側ねじ筒
32a…雌ねじ部
31ac…中間部分
41…両端同径雄ねじ部品
41b…雄ねじ部
42…ねじ筒
51…拡径頭部形成部品
51a…雌ねじ部

Claims (6)

  1. 互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋の端部間を接続する鉄筋継手であって、
    互いに接続される大径の鉄筋および小径の鉄筋の端部にそれぞれ拡径形状に形成されて互いに径の異なる一対の雄ねじ部と、これら大径の鉄筋の雄ねじ部および小径の鉄筋の雄ねじ部とそれぞれ径およびリードが同じとされた大径側雄ねじ部および小径側雄ねじ部を両端に各々有する両端異径雄ねじ部品と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記大径側雄ねじ部と前記大径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する大径側ねじ筒と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記小径側雄ねじ部と前記小径の鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する小径側ねじ筒とを備えることを特徴とする異径鉄筋ねじ式鉄筋継手。
  2. 請求項1において、前記両端異径雄ねじ部品における前記大径側雄ねじ部と小径側雄ねじ部との間の部分である中間部分の外径を、前記大径の鉄筋の外径よりも大径とした異径鉄筋ねじ式鉄筋継手。
  3. 複数本の鉄筋を、鉄筋継手を介して順次接続した継手付き鉄筋構造であって、前記各鉄筋継手を、それぞれ各鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部およびこの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されたねじ筒を有する継手であるねじ式鉄筋継手とし、前記複数本の鉄筋に、互いに径の異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋とがあり、この大径の鉄筋と小径の鉄筋とを接続するねじ式鉄筋継手に、請求項1または請求項2に記載の異径鉄筋ねじ式鉄筋継手を用いたことを特徴とする継手付き鉄筋構造。
  4. 請求項3において、前記各鉄筋はいずれも両端に前記雄ねじ部を有するものであり、前記各ねじ式鉄筋継手の一つとして、同径の鉄筋を相互に接続する長さ調整用ねじ式鉄筋継手を設け、この長さ調整用ねじ式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋の対向する雄ねじ部に螺合する雄ねじ部を両端に有する両端同径雄ねじ部品と、それぞれ内面に雌ねじ部を有し前記両端同径雄ねじ部品の各雄ねじ部とこれら雄ねじ部に対向する鉄筋の雄ねじ部とに渡って螺合する一対のねじ筒とを有する継手付き鉄筋構造。
  5. 請求項3または請求項4において、前記各鉄筋は、いずれも両端に前記雄ねじ部を有するものとし、鉄筋配列の両端にそれぞれ配置された各鉄筋の鉄筋配列の端部の雄ねじ部に、内周に雌ねじ部を有し、定着力付与用の拡径頭部を形成する拡径頭部形成部品を螺合した継手付き鉄筋構造。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項において、鉄筋コンクリート柱の複数本設けられる各主筋となる継手付き鉄筋構造であって、前記複数本の鉄筋のうち、最上部の鉄筋を含む上側の1本または複数本の鉄筋が前記小径の鉄筋である継手付き鉄筋構造。
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