WO2019130539A1 - 粘着シート及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

基材(11)と、粘着剤層(12)と、を有し、粘着剤層(12)は、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む、半導体素子を封止する際に当該半導体素子を固定するための粘着シート(10)。

Description

粘着シート及び半導体装置の製造方法
 本発明は、粘着シート及び半導体装置の製造方法に関する。
 半導体装置の製造工程で使用される粘着シートには、様々な特性が求められる。近年は、粘着シートには、高温条件が課される工程を経た後、粘着シートを室温で剥離する際に、被着体等への粘着剤が残るという不具合(いわゆる糊残り)が少なく、かつ剥離力が小さいことも求められている。
 例えば、特許文献1には、金属製リードフレームに搭載された半導体チップを樹脂封止する際に貼着して使用する耐熱性粘着テープが記載されている。特許文献1に記載の耐熱性粘着テープは、少なくとも基材層と活性エネルギー線硬化型粘着剤層とを有する。特許文献1には、当該耐熱性粘着テープによれば、剥離時には糊残りすることなく、容易に剥離することができると記載されている。
特開2010-73853号公報
 特許文献1には、活性エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化させるタイミングとしては、貼り合わせ後、ワイヤボンディング工程前であれば、特に限定されないと記載されている。その理由として、特許文献1には、リードフレームのアウターパッド側に貼り合わせる前に粘着剤層を硬化させると、リードフレーム表面の凹凸への追従効果が得られず、粘着力が低下するため貼り合わせが困難となり、また、リードフレームへの密着性が低下するため封止樹脂の漏れを防止することが困難であると記載されている。
 しかしながら、特許文献1に記載されたような粘着剤層に活性エネルギー線硬化型粘着剤を含む粘着テープを半導体装置の製造工程に用いた場合、封止工程における高温環境下で粘着テープが被着体から剥離したり膨れ(ブリスター)が発生したりする場合がある。また、封止工程に続いてプラズマ処理工程が実施される場合、加熱及び減圧により、粘着テープと被着体との間に膨れ(ブリスター)が発生する場合がある。
 本発明の目的は、被着体から剥離した際の糊残りを防止でき、高温及び減圧条件下における膨れの発生及び被着体からの意図しない剥離を低減できる粘着シートを提供することである。本発明の別の目的は、当該粘着シートを用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供することである。
 本発明の一態様に係る粘着シートは、半導体素子を封止する際に当該半導体素子を固定するための粘着シートであって、基材と、粘着剤層と、を有し、前記粘着剤層は、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着シートの100℃におけるポリイミドに対する粘着力が、0.04N/25mm以上であることが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤層は、さらに重合体成分を含むことが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記重合体成分は、架橋剤により架橋されていることが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記重合体成分は、(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記エネルギー線硬化性成分は、反応性官能基を有する低分子化合物、及び反応性官能基を有する低分子化合物オリゴマーの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線硬化性化合物を含み、前記エネルギー線硬化性化合物は、一分子中に2個以上5個以下の反応性官能基を有することが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤層の全体の質量に占める、前記エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物の割合は、5質量%以上40質量%以下の割合であることが好ましい。
 本発明の一態様に係る粘着シートの製造方法は、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む粘着剤層を有する粘着シート上に、半導体素子を固定する工程と、封止材により前記半導体素子を封止する工程と、を含む。
 また、本発明の一態様に係る粘着シートの製造方法は、前述の本発明のいずれかの態様に係る粘着シートを用いて実施してもよい。
 本発明によれば、被着体から剥離した際の糊残りを防止でき、高温及び減圧条件下における膨れの発生及び被着体からの意図しない剥離を低減できる粘着シートを提供することができる。また、本発明によれば、当該粘着シートを用いて半導体装置を製造する方法を提供することができる。
第一実施形態に係る粘着シートの断面概略図である。 第一実施形態に係る粘着シートを用いた半導体装置の製造工程の一部を説明する図である。 第一実施形態に係る粘着シートを用いた半導体装置の製造工程の一部を説明する図である。 第一実施形態に係る粘着シートを用いた半導体装置の製造工程の一部を説明する図である。 第一実施形態に係る粘着シートを用いた半導体装置の製造工程の一部を説明する図である。 第一実施形態に係る粘着シートを用いた半導体装置の製造工程の一部を説明する図である。 第二実施形態に係る粘着シートの断面概略図である。
<第一実施形態>
[粘着シート]
 図1には、本実施形態の粘着シート10の断面概略図が示されている。
 粘着シート10は、基材11と、粘着剤組成物を含む粘着剤層12とを有する。
 基材11は、第一基材面11a、及び第一基材面11aとは反対側の第二基材面11bを有する。本実施形態の粘着シート10においては、第一基材面11aに粘着剤層12が積層されている。粘着剤層12の上には、図1に示されているように、剥離シートRLが積層されている。
 粘着シート10の形状は、例えば、テープ状(長尺の形態)、及びラベル状(枚葉の形態)等、あらゆる形状をとり得る。
(粘着剤層)
 本実施形態に係る粘着剤層12は、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む。そのため、半導体素子の封止工程における高温環境下でも、粘着剤層12は、ポリイミド等の被着体に対して粘着力を充分に維持することができる。その結果、粘着シート10は、半導体素子を脱落させることなく粘着シート10に固定することが可能である。また、封止工程に続くプラズマ処理工程等の加熱及び減圧を伴う工程において、粘着シート10及び他の部材が保管中や製造工程中に吸収した水分に起因するガス発生により、粘着シートと被着体の間に膨れ(ブリスター)が発生することがある。粘着シート10は、高温及び減圧環境下でも、粘着力が高いため、ブリスターの発生を抑制し得る。そして、粘着剤層12は、充分な凝集性を有するため、封止工程、又は封止工程に続くプラズマ処理工程等の加熱及び減圧を伴う工程の後において、被着体(半導体素子又はフレーム)に残渣物を発生させずに、粘着シート10を剥離して、除去できる。
 被着体から粘着シートを剥離した後に、被着体の表面に残渣物が付着することを糊残りと称する場合がある。例えば、半導体装置の製造工程中、封止工程が完了した後に、封止体から粘着シートを剥離した際に、半導体デバイス(半導体素子)の導通部分に粘着剤が付着していることがある。例えば、導通部分としては、半導体デバイスのPad部及びvia部が挙げられ、導通部分は、例えば、銅で形成される。
 本実施形態に係る粘着シートによれば、封止工程で加熱された後であっても、銅の表面に対して粘着剤が付着することを防止できるので、半導体デバイスを樹脂封止した後に粘着シートを剥がした後、導通部分への糊残りを防止できる。
 エネルギー線硬化性成分の硬化物は、後述する重合体成分と異なり、粘着剤層12に含まれる粘着剤組成物を調製するための原材料の段階においては、未硬化(未反応)の状態である。エネルギー線硬化性成分は、粘着剤組成物から粘着剤層12が形成された後に反応し、高分子量体が合成されて硬化する。そのため、エネルギー線硬化性成分の硬化物は、粘着剤層12中に連続的に存在し、有機フィラー等のように不連続に存在するものとは異なる。粘着剤層がエネルギー線硬化性成分を含み、エネルギー線硬化性成分が硬化物である結果、粘着剤層を有する粘着シートに対して、エネルギー線を照射する前、並びに下記の条件でエネルギー線を照射した後に、それぞれ、IRスペクトルを測定した結果に下記の特徴が見られる。エネルギー線としてUV照射を行う場合には、UV照射の条件は、照度:200mW/cm、積算光量:200mJ/cmとする。粘着剤層に剥離フィルムが貼着されている場合には、剥離フィルムが貼着された状態で、剥離フィルム側からエネルギー線を照射する。エネルギー線照射前のサンプル(照射前サンプル)及びエネルギー線照射後のサンプル(照射後サンプル)のそれぞれについて、複数回、IR測定を行い、照射前サンプルのIRスペクトル(照射前スペクトル)及び照射後サンプルのIRスペクトル(照射後スペクトル)の全波長領域における吸収ピークの最大吸光度が、同一となる照射前スペクトルと照射後スペクトルとを選び、両スペクトルを比較する。IRスペクトルの反応性官能基に対応するピークについて、エネルギー線照射前の吸光度AUV(%)とエネルギー線照射後の吸光度BUV(%)との差AUV-BUVが、3%未満である場合を、エネルギー線照射前のエネルギー線硬化性成分に含まれる反応性官能基の特性吸収無し(AUV-BUVが3%以上である場合を、「特性吸収有り」)、と判断できる。すなわち、差AUV-BUVが3%未満である場合は、エネルギー線硬化性成分が充分に硬化していることを示している。IRスペクトルの反応性官能基に対応するピークとしては、例えば、ビニル基であれば800cm-1以上820cm-1以下の範囲における吸収ピークが挙げられる。
 なお、粘着剤層がエネルギー線硬化性成分の硬化物を含むことの確認方法は、このようなエネルギー線照射前のエネルギー線硬化性成分に含まれる反応性官能基の特性吸収の有無の判断によるものに限られない。
・エネルギー線硬化性成分
 エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線硬化性化合物を含む。エネルギー線硬化性化合物は、エネルギー線の照射を受けて、硬化する化合物である。エネルギー線硬化成分を硬化させるためのエネルギー線としては、紫外線(UV)及び電子線(EB)の少なくともいずれかのエネルギー線であることが好ましく、紫外線であることがより好ましい。
 本実施形態に係るエネルギー線硬化性化合物としては、特に制限はなく、従来公知のエネルギー線硬化性化合物の中から選択できる。エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線硬化性のモノマー、低分子化合物、オリゴマー、及び樹脂が挙げられる。エネルギー線硬化成分は、エネルギー線硬化性のモノマー、低分子化合物、オリゴマー、及び樹脂からなる群から選択される少なくともいずれか一種を含む組成物であってもよい。
 エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線硬化性化合物として、反応性官能基を有する低分子化合物、及び反応性官能基を有するオリゴマーの少なくともいずれかを含むことが好ましい。エネルギー線硬化性成分が、反応性官能基を有する低分子化合物又はオリゴマーであることで、エネルギー線硬化性成分の硬化物において、三次元網目構造の架橋密度が高くなる。粘着剤層が、硬化物だけでなく、さらに重合体成分を含む場合に、重合体成分が硬化物の三次元網目構造中に取り込まれ易くなり、粘着剤層の凝集性がより向上する効果がある。
 反応性官能基を有する低分子化合物の式量は、通常、3,000以下であり、2,000以下であることが好ましい。
 反応性官能基を有するオリゴマーの理論分子量は、通常、10,000以下であり、8,000以下であることが好ましい。
 反応性官能基としては、重合性の炭素-炭素二重結合を有する官能基が挙げられる。反応性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
 100℃におけるポリイミドに対する粘着シートの粘着力を向上させるという観点から、エネルギー線硬化性成分に含まれるエネルギー線硬化性化合物が有する反応性官能基の数は、一分子中に、2個以上5個以下であることが好ましく、2個以上3個以下であることがより好ましく、2個であることがさらに好ましい。
 エネルギー線硬化性成分が、一分子中に2個の反応性官能基を有する化合物(2官能エネルギー線硬化性化合物)であることにより、粘着剤層12の凝集性を向上させつつ、3官能以上のエネルギー線硬化性成分の硬化物に比べて、架橋密度が低く抑えられ、被着体表面の微小凹凸に対する粘着剤層12の追従性が向上する。また、高温環境下での粘着力もより向上する。そのため、半導体素子の封止工程後に、粘着シートが貼り付けられたまま、封止材の表面に、配線のための前処理としてプラズマ処理を行う等のプロセスにおいて、高温及び真空環境に置かれた場合に、粘着シート自体や、部材から発生するガスによって粘着シートと被着体との界面にブリスターが発生することを防止し易くなる。なお、一分子中の反応性官能基の数を2以上とすることで、三次元網目構造を形成し易くなる。
 エネルギー線硬化性化合物は、反応性官能基及び環式構造を有する化合物であることが好ましい。反応性官能基については、前述のとおりである。環式構造としては、芳香族環、複素環、及び脂肪族環からなる群から選択される少なくともいずれかの環式構造であることがより好ましい。高温及び真空環境におけるポリイミドに対する粘着力が向上するという観点から、芳香族環、及び脂肪族環の少なくともいずれかの環式構造を有する化合物であることが好ましい。
 エネルギー線硬化性低分子化合物としては、例えば、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。エネルギー線硬化性オリゴマーとしては、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、多官能ポリエステル(メタ)アクリレート、多官能ポリエーテル(メタ)アクリレート、及び多官能シリコーン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。多官能とは、反応性官能基が1分子中に2個以上含まれていることをいう。
 多官能(メタ)アクリレートのうち、1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、及びプロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。
 多官能(メタ)アクリレートのうち、1分子中に3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びグリセロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 多官能(メタ)アクリレートのうち、1分子中に4個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 多官能(メタ)アクリレートのうち、1分子中に6個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレートとしては、例えば、新中村化学(株)製のA-BPP(商品名)を用いることができる。ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートとしては、例えば、新中村化学(株)製のA-9300-1CL(商品名)を用いることができる。
 多官能(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 多官能(メタ)アクリレートの中でも、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数が、2個以上5個以下である(メタ)アクリレートが好ましく、2個又は3個である(メタ)アクリレートがより好ましく、2個である(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
 また、エネルギー線硬化性低分子化合物としては、環式構造を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、芳香族環、及び脂肪族環の少なくともいずれかの環式構造を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
 また、エネルギー線硬化性低分子化合物としては、環式構造を有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。環式構造を有する多官能(メタ)アクリレートにおいて、(メタ)アクリロイル基は、2個以上5個以下であることが好ましく、2個又は3個であることがより好ましく、2個であることがさらに好ましい。環式構造を有する多官能(メタ)アクリレートにおいて、環式構造は、芳香族環、及び脂肪族環の少なくともいずれかであることが好ましい。
 エネルギー線硬化性成分に対して照射するエネルギー線として紫外線を用いる場合には、エネルギー線硬化性成分は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有することにより、エネルギー線硬化性成分を効率良く硬化させることができ、また重合硬化時間及び活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
 光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリ-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、及び2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 光重合開始剤は、エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上15質量部以下、より好ましくは5質量部以上12質量部以下の範囲の量で用いられることが好ましい。
・重合体成分
 本実施形態に係る粘着剤層12は、さらに重合体成分を含むことが好ましい。重合体成分は、重合性化合物が重合反応されて形成された成分である。ここでいう重合反応には、重縮合反応も含まれる。なお、重合体成分は、エネルギー線硬化性成分と異なり、粘着剤層12に含まれる粘着剤組成物を調製するための原材料の状態において、すでに重合されている成分である。
 粘着剤層12が、さらに重合体成分を含むことで、重合体成分がエネルギー線硬化性成分の硬化物の三次元網目構造中に侵入した構造が形成され、重合体成分が網目状構造の緩い拘束により架橋された状態となる。これにより、粘着剤層12の粘着性と、粘着剤層12の凝集性とを両立させ易くなる。
 重合体成分の種類は、エネルギー線硬化性成分の種類、粘着剤層の用途、及び粘着剤層に貼着される被着体の種類等を考慮して選択される。重合体成分は、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、フェノキシ系樹脂、及びポリスチレン系樹脂等からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物であることが好ましく、アクリル系樹脂がより好ましい。これらの重合体成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 重合体成分が、上述のエネルギー線硬化性成分と反応して直接結合するのではなく、エネルギー線硬化性成分の硬化物の三次元網目構造中に侵入した構造により緩く拘束された状態を実現する観点から、粘着剤層12は、重合体成分として、エネルギー線硬化性を有さない非エネルギー線硬化性重合体成分を含有することが好ましい。非エネルギー線硬化性重合体成分の含有量は、重合体成分全体の60質量%以上とすることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
 重合体成分としてのアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。重合体成分が(メタ)アクリル系重合体であれば、エネルギー線硬化性成分との相溶性が高いこと、並びに粘着剤層の粘着性、特に高温における粘着性のコントロールが容易になる。
 粘着剤層12が重合体成分としてアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。粘着剤層12が(メタ)アクリル系重合体を含む場合、(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(CH=CRCOOR(Rは水素またはメチル基、Rは直鎖、分岐鎖または環状(脂環式)のアルキル基))に由来する重合体単位を含むことが好ましい。高温における粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、アクリル酸アルキルエステル(CH=CRCOOR)の一部または全部が、アルキル基Rの炭素数が6~8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。アルキル基Rの炭素数が6~8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、及び(メタ)アクリル酸n-オクチル等が挙げられる。これらの中でも、Rが直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましい。また、アルキル基Rの炭素数が8であるものが好ましく、高温における粘着剤層の粘着性をさらに向上させる観点から、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルがより好ましく、アクリル酸2-エチルヘキシルがさらに好ましい。
 アルキル基Rの炭素数が1~5または9~20の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(前記CH=CRCOOR)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
 (メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の双方を表す場合に用いる表記であり、他の類似用語についても同様である。
 本実施形態においては、(メタ)アクリル系重合体全体の質量に占める、前記CH=CRCOOR由来の重合体単位の質量の割合が50質量%以上であることが好ましい。
 (メタ)アクリル酸アルキルエステル(前記CH=CRCOOR)に由来する重合体単位の質量の割合が、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがさらにより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(前記CH=CRCOOR)に由来する重合体単位の質量の割合は、初期密着力の向上等の観点から、96質量%以下であることが好ましい。
 また、本実施形態においては、粘着剤層の高温における粘着性を高める観点から、(メタ)アクリル系重合体全体の質量に占める、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル由来の重合体単位の質量の割合が50質量%以上であることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体全体の質量に占める、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル由来の重合体単位の質量の割合は、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがさらにより好ましい。(メタ)アクリル系重合体全体の質量に占める、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル由来の重合体単位の質量の割合は、96質量%以下であることが好ましい。
 (メタ)アクリル系重合体が共重合体であり、(メタ)アクリル系共重合体における第一の共重合体単位が(メタ)アクリル酸アルキルエステルである場合、当該アクリル系共重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の共重合体単位(以下、「第二の共重合体単位」と称する)の種類及び数は、特に限定されない。例えば、第二の共重合体単位としては、反応性の官能基を有する官能基含有モノマーが好ましい。第二の共重合体単位の反応性官能基としては、後述する架橋剤を使用する場合には、当該架橋剤と反応し得る官能基であることが好ましい。この反応性の官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、及びエポキシ基等が挙げられる。
 カルボキシル基を有するモノマー(以下、「カルボキシル基含有モノマー」と称する場合がある)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーの中でも、反応性及び共重合性の点から、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。カルボキシル基含有モノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 水酸基を有するモノマー(以下、「水酸基含有モノマー」と称する場合がある)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。水酸基含有モノマーの中でも、水酸基の反応性及び共重合性の点から、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルが好ましい。水酸基含有モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 エポキシ基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
 アクリル系共重合体における第二の共重合体成分としては、上記の他、例えば、アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、非架橋性のアクリルアミド、非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、及びスチレンからなる群から選択される少なくともいずれかのモノマーに由来する共重合体単位が挙げられる。
 アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、及び(メタ)アクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
 芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
 非架橋性のアクリルアミドとしては、例えば、アクリルアミド、及びメタクリルアミド等が挙げられる。
 非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(N,N-ジメチルアミノ)エチル、及び(メタ)アクリル酸(N,N-ジメチルアミノ)プロピル等が挙げられる。
 これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 本実施形態において、(メタ)アクリル系共重合体は、水酸基を有するモノマーに由来する共重合体単位を含むことが好ましい。
 (メタ)アクリル系共重合体が、水酸基を有するモノマーに由来する共重合体単位を含むことで、後述する架橋剤を使用する場合に、水酸基を架橋点とした架橋密度を上昇させることができる。その結果、(メタ)アクリル系共重合体の架橋構造を効果的に形成することができる。このような効果を高める観点から、(メタ)アクリル系共重合体全体の質量に占める、水酸基を有するモノマーに由来する共重合体単位の質量の割合は、3質量%以上であることが好ましい。(メタ)アクリル系共重合体全体の質量に占める、水酸基を有するモノマーに由来する共重合体単位の質量の割合は、9.9質量%以下であることが好ましい。
 本実施形態において、粘着剤層を形成するための原材料組成物のポットライフを延長する観点から、(メタ)アクリル系共重合体は、カルボキシル基を有するモノマーに由来する共重合体単位を含まないことも好ましい。または、(メタ)アクリル系共重合体は、カルボキシル基を有するモノマーに由来する共重合体単位を含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体全体の質量に占める、前記カルボキシル基を有するモノマー由来の共重合体単位の質量の割合が1質量%以下であることも好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
 (メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30万以上200万以下であることが好ましく、60万以上150万以下であることがより好ましく、80万以上120万以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが30万以上であれば、被着体への粘着剤の残渣なく粘着シートを剥離することができる。(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが200万以下であれば、粘着シートを被着体へ確実に貼り付けることができる。
 (メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算値である。
 (メタ)アクリル系共重合体は、前述の各種原料モノマーを用いて、従来公知の方法に従って製造することができる。
 (メタ)アクリル系共重合体の共重合の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体のいずれでもよい。
 本実施形態において、粘着剤層12の全体の質量に占める、重合体成分の質量の割合は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、65質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。
 本実施形態において、粘着剤層12の全体の質量に占める、アクリル系共重合体の質量の割合は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、65質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。
 本実施形態において、重合体成分は、架橋剤により架橋されていることが好ましい。
 重合体成分が、さらに架橋剤により架橋されていることにより、粘着剤層の凝集性が、いっそう向上する。この理由は、重合体成分から形成される三次元網目構造と、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物の三次元網目構造とが相互侵入網目構造を形成するためと考えられる。
 粘着剤層12は、前述の(メタ)アクリル系共重合体が架橋剤により架橋した架橋物を含むことも好ましい。
 本実施形態において、アクリル系共重合体の架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミン系架橋剤、及びアミノ樹脂系架橋剤等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 本実施形態において、アクリル系粘着剤組成物の耐熱性及び粘着力を向上させる観点から、これら架橋剤の中でも、イソシアネート基を有する化合物である架橋剤(イソシアネート系架橋剤)が好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、及びリジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
 また、多価イソシアネート化合物は、これらの化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート型変性体であってもよい。
 本実施形態において、粘着剤層12が架橋剤により架橋されている重合体成分を含む場合、重合体成分と架橋剤との架橋前の配合比は、100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上15質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以上10質量部以下である。
 重合体成分として(メタ)アクリル系共重合体を用いる場合も、(メタ)アクリル系共重合体と架橋剤との架橋前の配合比は、100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは1質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上10質量部以下での割合である。
 重合体成分と架橋剤との架橋前の配合比が上記範囲内であれば、高温における粘着シートの粘着力を向上させやすいという点で好ましい。
 本実施形態において、重合体成分を架橋剤により架橋させる場合には、重合体成分と架橋剤と架橋促進剤とが配合されていることが好ましい。架橋促進剤は、架橋剤の種類等に応じて、適宜選択して用いることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル系共重合体を架橋剤としてのポリイソシアネート化合物によって架橋させる場合には、有機スズ化合物等の有機金属化合物系の架橋促進剤を用いることが好ましい。
 粘着剤層12は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。粘着剤層12が含み得るその他の成分としては、例えば、粘着助剤、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、フィラー、及び濡れ性調整剤等からなる群から選択される少なくともいずれかの成分が挙げられる。
 本実施形態において、粘着剤層12の全体の質量に占める、エネルギー線硬化性成分の硬化物の割合は、5質量%以上40質量%以下の割合であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下の割合であることがより好ましい。
 粘着剤層12の厚みは、粘着シート10の用途に応じて適宜決定される。本実施形態において、粘着剤層12の厚みは、5μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。粘着剤層12の厚みが5μm以上であれば、チップ回路面の凹凸に粘着剤層12が追従し易くなり、隙間の発生を防止できる。そのため、例えば、層間絶縁材及び封止樹脂等が半導体チップの回路面の凹凸の隙間に入り込み、チップ回路面の配線接続用の電極パッドが塞がれる等のおそれがない。粘着剤層12の厚みが60μm以下であれば、半導体チップが粘着剤層に沈み込み難く、半導体チップ部分と、半導体チップを封止する樹脂部分との段差が生じ難くなる。そのため、再配線の際に段差により配線が断線する等のおそれがない。
・100℃における対ポリイミド粘着力
 粘着シートの100℃におけるポリイミドに対する粘着力は、0.04N/25mm以上であることが好ましく、0.05N/25mm以上がより好ましく、0.08N/25mm以上がさらに好ましい。
 当該粘着力が、上記範囲内であれば、粘着シートが半導体素子等の被着体から剥離することを抑制でき、及び半導体素子等の被着体が粘着シートへの貼着位置からずれること(位置ずれ)を抑制できる。また、半導体素子が封止樹脂で封止されたもの(本明細書において、半導体素子が封止樹脂で封止されたものを封止体と称する場合がある。)に粘着シートが貼り付けられた状態で、高温、真空環境下でのプラズマ処理を行う場合であっても、粘着シートと封止体の間に膨れ(ブリスター)が生じにくくなる。
 粘着シートの100℃におけるポリイミドに対する粘着力は、1N/25mm以下であることが好ましく、0.5N/25mm以下がより好ましい。
(基材)
 基材11は、粘着剤層12を支持する部材である。
 基材11としては、例えば、合成樹脂フィルム等のシート材料等を用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。その他、基材11としては、これらの架橋フィルム及び積層フィルム等が挙げられる。
 基材11は、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料からなることがより好ましい。本明細書において、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料とは、基材を構成する材料全体の質量に占める、ポリエステル系樹脂の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合樹脂からなる群から選択されるいずれかの樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。
 基材11としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
 基材11側からエネルギー線を照射してエネルギー線硬化性成分を硬化させる場合には、基材11は、エネルギー線を透過させる材質で形成されていることが好ましい。エネルギー線として紫外線を用いる場合、基材11は、紫外線透過性の材質で形成されていることが好ましい。
 基材11の100℃での貯蔵弾性率の下限は、加工時の寸法安定性の観点から、1×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であることがより好ましい。基材11の100℃での貯蔵弾性率の上限は、加工適性の観点から1×1012Pa以下であることが好ましい。
 なお、本明細書において、基材11の100℃での貯蔵弾性率は、粘弾性測定機器を用いて、周波数1Hzで測定した引張弾性率の値である。測定する基材を幅5mm、長さ20mmに切断し、粘弾性測定機器(ティー・エイ・インスツルメント社製、DMAQ800)を使用し、周波数1Hz、引張モードにより、100℃の貯蔵粘弾率を測定する。
 基材11と粘着剤層12との密着性を高めるために、第一基材面11aは、プライマー処理、コロナ処理、及びプラズマ処理等の少なくともいずれかの表面処理が施されていてもよい。
 基材11の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましく、20μm以上250μm以下であることがさらに好ましい。
(剥離シート)
 剥離シートRLとしては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、剥離シートRLは、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離シートRLは、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。
 剥離シートRLを積層させた後に剥離シートRL側からエネルギー線を照射してエネルギー線硬化性成分を硬化させる場合には、剥離シートRLは、エネルギー線を透過させる材質で形成されていることが好ましい。エネルギー線として紫外線を用いる場合、剥離シートRLは、紫外線透過性の材質で形成されていることが好ましい。
 剥離基材としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、及びプラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、及びキャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等)、並びにポリオレフィンフィルム(例えば、ポリプロピレン、及びポリエチレン等)等が挙げられる。
 剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、及びイソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、並びにシリコーン系樹脂等が挙げられる。粘着剤層が、シリコーン系粘着剤組成物からなる場合には、剥離剤は、非シリコーン系の剥離剤であることが好ましい。
 剥離シートRLの厚みは、特に限定されない。剥離シートRLの厚みは、通常、20μm以上200μm以下であり、25μm以上150μm以下であることが好ましい。
 剥離剤層の厚みは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚みは、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
 剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚みは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
(粘着シートの製造方法)
 粘着シート10の製造方法は、特に限定されない。
 塗布法により粘着剤層12を形成する場合、有機溶媒で粘着剤組成物を希釈してコーティング液(塗布用粘着剤液)を調製して用いることが好ましい。
 粘着剤組成物は、少なくともエネルギー線硬化性成分を含む。粘着剤組成物は、さらに、重合体成分、架橋剤、架橋促進剤、及びその他の成分からなる群から選択される少なくともいずれかの成分を含んでいても良い。
 有機溶媒としては、例えば、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及びアルコール系溶媒が挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、及びノルマルヘプタンが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、及びメタノールが挙げられる。
 例えば、粘着シート10は、次のような工程を経て製造される。
 まず、基材11の第一基材面11aの上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を乾燥させて、さらにエネルギー線を照射してエネルギー線硬化性成分を硬化させて硬化物を形成することにより、粘着剤層12を形成する。その後、剥離シートRLを貼着して、粘着剤層12を覆う。
 粘着シート10の別の製造方法としては、次のような工程を経て製造される。まず、剥離シートRLの上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、塗膜に基材11の第一基材面11aを貼り合わせる。次いで、剥離シートRLを透過させて塗膜にエネルギー線を照射してエネルギー線硬化性成分を硬化させて硬化物を形成することにより、粘着剤層12を形成する。
 粘着シート10のさらに別の製造方法としては、基材11の第一基材面11aの上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を乾燥させて、この塗膜に剥離シートRLを貼着して、塗膜を覆う。その後、基材側及び剥離シートRL側の少なくともいずれかの側からエネルギー線を照射して、塗膜中のエネルギー線硬化性成分を硬化させて硬化物を形成することにより、粘着剤層12を形成する方法が挙げられる。
 コーティング液を塗布する方法は、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、及びグラビアコート法等が挙げられる。
 有機溶媒及び低沸点成分が粘着剤層12に残留することを防ぐため、コーティング液を基材11または剥離シートRLに塗布した後、塗膜を加熱して乾燥させることが好ましい。
 粘着剤組成物に架橋剤が配合されている場合には、架橋反応を進行させて凝集力を向上させるためにも、塗膜を加熱することが好ましい。エネルギー線の照射は、架橋反応を進行させるための加熱の前でも後でも良いが、加熱後にエネルギー線を照射することが好ましい。
(粘着シートの使用)
 粘着シート10は、半導体素子を封止する際に使用される。本実施形態の粘着シート10は、粘着剤組成物中のエネルギー線硬化性成分が硬化されて硬化物が形成された後に使用される。
 金属製リードフレームに搭載された状態ではなく、粘着シート10上に貼着された状態の半導体素子を封止する際に、粘着シート10が使用されることが好ましい。具体的には、粘着シート10は、金属製リードフレームに搭載された半導体素子を封止する際に使用されるのではなく、粘着剤層12に貼着された状態の半導体素子を封止する際に使用されることが好ましい。金属製リードフレームを用いずに半導体素子をパッケージングする形態としては、パネルスケールパッケージ(Panel Scale Package;PSP)及びWLP等が挙げられる。
 粘着シート10は、複数の開口部が形成された枠部材を粘着シート10に貼着させる工程と、前記枠部材の開口部にて露出する粘着剤層12に半導体チップを貼着させる工程と、前記半導体チップを封止樹脂で覆う工程と、前記封止樹脂を熱硬化させる工程と、を有するプロセスにおいて使用されることが好ましい。
(半導体装置の製造方法)
 本実施形態に係る粘着シート10を用いて半導体装置を製造する方法を説明する。
 図2A~図2Eには、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する概略図が示されている。
 本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、粘着シート10に複数の開口部21が形成された枠部材20を貼着させる工程(粘着シート貼着工程)と、枠部材20の開口部21にて露出する粘着剤層12に半導体チップCPを貼着させる工程(ボンディング工程)と、半導体チップCPを封止樹脂30で覆う工程(封止工程)と、封止樹脂30を熱硬化させる工程(熱硬化工程)と、熱硬化させた後、粘着シート10を剥離する工程(剥離工程)と、を実施する。必要に応じて、熱硬化工程の後に、封止樹脂30で封止された封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。また、必要に応じて、熱硬化工程の後に、プラズマ処理工程等を実施してもよい。
 以下、各工程について説明する。
・粘着シート貼着工程
 図2Aには、粘着シート10の粘着剤層12に枠部材20を貼着させる工程を説明する概略図が示されている。なお、粘着シート10の粘着剤層12上に剥離シートRLが貼着されている場合には、予め剥離シートRLを剥離する。
 本実施形態に係る枠部材20は、格子状に形成され、複数の開口部21を有する。枠部材20は、耐熱性を有する材質で形成されていることが好ましい。枠部材の材質としては、例えば、銅及びステンレス等の金属、並びにポリイミド樹脂及びガラスエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂等が挙げられる。
 開口部21は、枠部材20の表裏面を貫通する孔である。開口部21の形状は、半導体チップCPを枠内に収容可能であれば、特に限定されない。開口部21の孔の深さも、半導体チップCPを収容可能であれば、特に限定されない。
・ボンディング工程
 図2Bには、粘着剤層12に半導体チップCPを貼着させる工程を説明する概略図が示されている。
 枠部材20に粘着シート10を貼着させると、それぞれの開口部21において開口部21の形状に応じて粘着剤層12が露出する。各開口部21の粘着剤層12に半導体チップCPを貼着させる。半導体チップCPを粘着剤層12に貼着させて、半導体チップCPの回路面を粘着剤層12で覆う。
 半導体チップCPの製造は、例えば、回路が形成された半導体ウェハの裏面を研削するバックグラインド工程、及び半導体ウェハを個片化するダイシング工程を実施することにより製造する。ダイシング工程では、半導体ウェハの裏面をダイシングシートの接着剤層に貼着し、ダイシングソー等の切断手段を用いて半導体ウェハを個片化することで半導体チップCP(半導体素子)が得られる。
 ダイシング装置は、特に限定されず、公知のダイシング装置を用いることができる。また、ダイシングの条件についても、特に限定されない。なお、ダイシングブレードを用いてダイシングする方法に代えて、レーザーダイシング法またはステルスダイシング法等を用いてもよい。
 ダイシング工程の後、ダイシングシートを引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を拡げるエキスパンド工程を実施してもよい。エキスパンド工程を実施することで、コレット等の搬送手段を用いて半導体チップCPをピックアップすることができる。また、エキスパンド工程を実施することで、ダイシングシートの接着剤層の接着力が減少し、半導体チップCPをピックアップし易くなる。
 ダイシングシートの接着剤組成物または接着剤層に、エネルギー線重合性化合物が配合されている場合には、ダイシングシートの基材側から接着剤層にエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。ダイシングシートにおいては、エネルギー線重合性化合物を硬化させると、接着剤層の凝集力が高まり、接着剤層の接着力が低下するように粘着剤層中の粘着剤組成物が配合されていることが好ましい。エネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)及び電子線(EB)等が挙げられ、紫外線が好ましい。エネルギー線の照射は、半導体ウェハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよい。例えば、ダイシングの前もしくは後にエネルギー線を照射してもよいし、エキスパンド工程の後にエネルギー線を照射してもよい。
・封止工程及び熱硬化工程
 図2Cには、粘着シート10に貼着された半導体チップCP及び枠部材20を封止する工程を説明する概略図が示されている。
 封止樹脂30の材質は、熱硬化性樹脂であり、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。封止樹脂30として用いられるエポキシ樹脂には、例えば、フェノール樹脂、エラストマー、無機充填材、及び硬化促進剤等が含まれていてもよい。
 封止樹脂30で半導体チップCP及び枠部材20を覆う方法は、特に限定されない。本実施形態では、シート状の封止樹脂30を用いた態様を例に挙げて説明する。シート状の封止樹脂30を載置して、半導体チップCP及び枠部材20を覆う。封止樹脂30を加熱硬化させて、封止樹脂層30Aを形成する。このようにして、半導体チップCP及び枠部材20が封止樹脂層30Aに埋め込まれる。シート状の封止樹脂30を用いる場合には、真空ラミネート法により半導体チップCP及び枠部材20を封止することが好ましい。この真空ラミネート法により、半導体チップCPと枠部材20との間に空隙が生じることを防止できる。真空ラミネート法による加熱硬化の温度条件範囲は、例えば、80℃以上120℃以下である。
 封止工程では、シート状の封止樹脂30がポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートに支持された積層シートを用いてもよい。この場合、積層シートを載置して、半導体チップCP及び枠部材20を覆った後、樹脂シートを封止樹脂30から剥離して、封止樹脂30を加熱硬化させてもよい。このような積層シートとしては、例えば、ABFフィルム(味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。
 半導体チップCP及び枠部材20を封止する方法としては、トランスファーモールド法を採用してもよい。この場合、例えば、封止装置の金型の内部に、粘着シート10に貼着された半導体チップCP及び枠部材20を収容する。この金型の内部に流動性の樹脂材料を注入し、樹脂材料を硬化させる。トランスファーモールド法の場合、加熱及び圧力の条件は、特に限定されない。トランスファーモールド法における通常の条件の一例として、150℃以上の温度と、4MPa以上15MPa以下の圧力を、30秒以上300秒以下の間、維持する。その後、加圧を解除し、封止装置から硬化物を取り出してオーブン内に静置して、150℃以上の温度を、2時間以上15時間以下、維持する。このようにして、半導体チップCP及び枠部材20を封止する。
 前述の封止工程においてシート状の封止樹脂30を用いる場合、封止樹脂30を熱硬化させる工程(熱硬化工程)の前に、第一加熱プレス工程を実施してもよい。第一加熱プレス工程においては、封止樹脂30で被覆された半導体チップCP及び枠部材20付き粘着シート10を両面から板状部材で挟み込み、所定の温度、時間、及び圧力の条件下でプレスする。第一加熱プレス工程を実施することにより、封止樹脂30が半導体チップCPと枠部材20との空隙にも充填され易くなる。また、加熱プレス工程を実施することにより、封止樹脂30により構成される封止樹脂層30Aの凹凸を平坦化することもできる。板状部材としては、例えば、ステンレス等の金属板を用いることができる。
 熱硬化工程の後、粘着シート10を剥離すると、封止樹脂30で封止された半導体チップCP及び枠部材20(封止体50)が得られる。
・補強部材貼着工程
 図2Dには、封止体50に補強部材40を貼着させる工程を説明する概略図が示されている。
 粘着シート10を剥離した後、露出した半導体チップCPの回路面に対して再配線層を形成する再配線工程及びバンプ付け工程が実施される。
 このような再配線工程及びバンプ付け工程における封止体50の取り扱い性を向上させるため、必要に応じて、封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。補強部材貼着工程を実施する場合には、粘着シート10を剥離する前に実施することが好ましい。図2Dに示すように、封止体50は、粘着シート10及び補強部材40によって挟まれた状態で支持されている。
 本実施形態では、補強部材40は、耐熱性の補強板41と、耐熱性の接着層42とを備える。
 補強板41としては、例えば、ポリイミド樹脂及びガラスエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂を含む板状の部材が挙げられる。
 接着層42は、補強板41と封止体50とを接着させる。接着層42としては、補強板41及び封止樹脂層30Aの材質に応じて適宜選択される。例えば、封止樹脂層30Aがエポキシ系樹脂を含み、補強板41がガラスエポキシ樹脂を含んでいる場合には、接着層42としては、熱可塑性樹脂を含んだガラスクロスが好ましく、接着層42に含まれる熱可塑性樹脂としては、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)が好ましい。
 補強部材貼着工程では、封止体50の封止樹脂層30Aと補強板41との間に接着層42を挟み込み、さらに補強板41側及び粘着シート10側からそれぞれ板状部材で挟み込み、所定の温度、時間、及び圧力の条件下でプレスする第二加熱プレス工程を実施することが好ましい。第二加熱プレス工程により、封止体50と補強部材40とを仮固定する。第二加熱プレス工程の後に、接着層42を硬化させるために、仮固定された封止体50と補強部材40とを所定の温度及び時間の条件下で加熱することが好ましい。加熱硬化の条件は、接着層42の材質に応じて適宜設定され、例えば、185℃、80分間、及び2.4MPaの条件である。第二加熱プレス工程においても、板状部材としては、例えば、ステンレス等の金属板を用いることができる。
 本実施形態において、封止工程の後に封止体50に粘着シート10が貼り付けられたまま、封止体50の表面にプラズマ処理等を施す工程が含まれていても良い。プラズマ処理を行うプラズマ処理工程は、封止体50の表面に配線を形成するための前処理として実施される。プラズマ処理工程において、粘着シート10が貼り付けられたままの封止体50は、高温及び真空環境下に置かれる。
・剥離工程
 図2Eには、粘着シート10を剥離する工程を説明する概略図が示されている。
 本実施形態では、粘着シート10の基材11が屈曲可能であるため、粘着シート10を屈曲させながら、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、特に限定されないが、90度以上の剥離角度θで粘着シート10を剥離することが好ましい。剥離角度θが90度以上であれば、粘着シート10を、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、90度以上180度以下が好ましく、135度以上180度以下がより好ましい。このように粘着シート10を屈曲させながら剥離を行うことで、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aにかかる負荷を低減しながら剥離することができ、粘着シート10の剥離による、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aの損傷を抑制することができる。粘着シート10を剥離する際の温度雰囲気は、室温であってもよいが、剥離時における被着体の各部材及び部材間の界面の破壊が懸念される場合には、粘着剤の粘着性の低下を目的として、室温よりも高い温度雰囲気において粘着シート10を剥離してもよい。室温よりも高い温度雰囲気としては、30~60℃の範囲が好ましく、35~50℃の範囲がより好ましい。粘着シート10を剥離した後、前述の再配線工程及びバンプ付け工程等が実施される。粘着シート10の剥離後、再配線工程及びバンプ付け工程等の実施前に、必要に応じて、前述の補強部材貼着工程を実施してもよい。
 補強部材40を貼着させた場合、再配線工程及びバンプ付け工程等が実施された後、補強部材40による支持が不要になった段階で、補強部材40を封止体50から剥離する。
 その後、封止体50を半導体チップCP単位で個片化する(個片化工程)。封止体50を個片化させる方法は特に限定されない。例えば、前述の半導体ウェハをダイシングする際に使用した方法と同様の方法で個片化させることができる。封止体50を個片化させる工程は、封止体50をダイシングシート等に貼着させた状態で実施してもよい。封止体50を個片化することで、半導体チップCP単位の半導体パッケージが製造され、この半導体パッケージは、実装工程においてプリント配線基板等に実装される。
<第二実施形態>
 第二実施形態に係る粘着シートは、基材と粘着剤層との間に中間層を含んでいる点において、第一実施形態に係る粘着シートと相違する。その他の点においては第一実施形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
(中間層)
 中間層は、基材11と粘着剤層12との間に設けられる。中間層には所望の目的に応じた機能を持たせることが好ましい。中間層としては、例えば、オリゴマー封止層及び帯電防止層等が挙げられる。例えば、中間層を設けることにより、基材と粘着剤層との密着性、基材表面へのオリゴマーの析出抑制、並びに帯電防止性のうちの少なくとも1つを向上させることができる。
・中間層の膜厚
 中間層の厚さは、50nm以上500nm以下であることが好ましく、80nm以上300nm以下であることがより好ましい。
 中間層の厚さが50nm以上であれば、基材11と粘着剤層12との良好な密着性が得られ易い。特に中間層がオリゴマー封止層の場合は、基材11中に含まれるオリゴマーの粘着剤層12への浸入を効果的に防止できる。
 中間層の厚さが500nm以下であれば、例えば粘着シート10をコア材にロール状に巻き取る際に巻き取り易くなる。コア材の材質としては、例えば、紙製、プラスチック製、及び金属製が挙げられる。
 基材11中にオリゴマーが含まれている場合には、本実施形態に係る粘着シートは、中間層としてオリゴマー封止層を有することが好ましい。ここで、オリゴマー封止層とは、粘着剤層にオリゴマーが浸入することを防止するための層である。高温条件に粘着シートが曝されると、基材中に含まれるオリゴマーが、加熱により基材11の表面に析出することがある。このため、粘着シートが、オリゴマー封止層を有することにより、基材中に含まれるオリゴマーの粘着剤層への浸入を抑制することができる。これにより、オリゴマーが粘着剤層と被着体の界面に移動し、粘着シートの剥離後に、被着体に残渣物が発生することが抑制される。
 なお、オリゴマー封止層は、180℃以上200℃以下の高温条件下においても、粘着剤層へのオリゴマーの浸入を防止することが好ましい。
 図3には、第二実施形態の一例に係る粘着シート10Aの断面図が示されている。粘着シート10Aは、中間層としてオリゴマー封止層13を有している。
 粘着シート10Aは、基材11と、オリゴマー封止層13と、粘着剤を含む粘着剤層12と、をこの順に有する。粘着シート10Aにおいては、第一基材面11aにオリゴマー封止層13が積層されている。
(オリゴマー封止層)
 オリゴマー封止層13の材質は、基材11中のオリゴマーが粘着剤層12に浸入することを防止できれば、特に限定されない。
 例えば、オリゴマー封止層13は、オリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。オリゴマー封止層用組成物は、例えば、(A)エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、(A)エポキシ化合物と、(B)ポリエステル化合物と、(C)多官能アミノ化合物と、を含むことがより好ましい。
 オリゴマー封止層用組成物は、硬化反応を促進するために、更に、(D)酸性触媒を含んでいても良い。
・(A)エポキシ化合物
 (A)エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい。ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
・(B)ポリエステル化合物
 (B)ポリエステル化合物としては、特に限定されず、公知のポリエステル化合物の中から適宜選択して用いることができる。ポリエステル化合物としては、具体的には、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂であって、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物、若しくは不乾性油脂肪酸等で変性した化合物である不転化性ポリエステル化合物、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物等が挙げられる。
 (B)ポリエステル化合物の原料として用いられる多価アルコール及び多塩基酸としては、公知の多価アルコール及び多塩基酸を適宜選択して用いることができる。
・(C)多官能アミノ化合物
 (C)多官能アミノ化合物としては、例えば、メラミン化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物、及びジアミン類を用いることができる。
 メラミン化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化メラミン化合物、及びブチル化メラミン化合物が挙げられる。
 尿素化合物としては、例えば、メチル化尿素化合物、及びブチル化尿素化合物が挙げられる。
 ベンゾグアナミン化合物としては、例えば、メチル化ベンゾグアナミン化合物、及びブチル化ベンゾグアナミン化合物が挙げられる。
 ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ジフェニルエチレンジアミン、及びp-キシリレンジアミンが挙げられる。
 硬化性の観点から、(C)多官能アミノ化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
・(D)酸性触媒
 酸性触媒(D)としては、例えば、塩酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。
・硬化皮膜
 本実施形態において、オリゴマー封止層は、(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物を、それぞれ、(A)50質量%以上80質量%以下、(B)5質量%以上30質量%以下、及び(C)10質量%以上40質量%以下の配合率で含むオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。(D)酸性触媒をオリゴマー封止層用組成物に配合する場合は、(D)成分の含有量を1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
 前述の範囲の配合率のオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜によれば、オリゴマー封止層による粘着剤層12へのオリゴマーの浸入を防止する効果を向上させることができる。
 粘着シート10Aの製造方法は、特に限定されない。
 例えば、粘着シート10Aは、次のような工程を経て製造される。
 まず、基材11の第一基材面11aの上にオリゴマー封止層用組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を加熱及び硬化させて、オリゴマー封止層13となる硬化皮膜を形成する。加熱硬化の条件としては、例えば、120℃以上170℃以下で、5秒間以上5分間以内である。
 次に、オリゴマー封止層13の上に、第1実施形態での説明と同様に粘着剤層12を形成する。
 オリゴマー封止層用組成物を塗布してオリゴマー封止層13を形成する場合、オリゴマー封止層用組成物を有機溶媒で希釈して、コーティング液を調製して用いることが好ましい。有機溶媒としては、第1実施形態で説明した粘着剤組成物に用いる有機溶媒と同様のものを用いることができる。
 コーティング液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、及びグラビアコート法等が挙げられる。
 有機溶媒及び低沸点成分がオリゴマー封止層13に残留することを防ぐため、コーティング液を基材11に塗布した後、塗膜を加熱して乾燥させることが好ましい。
 第二実施形態によれば、被着体から、より剥がれにくい粘着シート10Aが得られる。また、粘着シート10Aは、オリゴマー封止層13を有するため、基材11中に含まれるオリゴマーの粘着剤層12への侵入も防止することができる。
〔実施形態の変形〕
 本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本発明に含まれる。なお、以下の説明では、前記実施形態で説明した部材等と同一であれば、同一符号を付してその説明を省略または簡略する。
 前記実施形態では、粘着シート10の粘着剤層12が剥離シートRLによって覆われている態様を例に挙げて説明したが、本発明は、このような態様に限定されない。
 また、粘着シート10は、シート片であってもよく、複数枚の粘着シート10が積層された状態で提供されてもよい。この場合、例えば、粘着剤層12は、積層される別の粘着シートの基材11によって覆われていてもよい。
 また、粘着シート10は、帯状のシートであってもよく、ロール状に巻き取られた状態で提供されてもよい。ロール状に巻き取られた粘着シート10は、ロールから繰り出されて所望のサイズに切断する等して使用することができる。
 前記実施形態では、封止樹脂30の材質が熱硬化性樹脂である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、封止樹脂30は、紫外線等のエネルギー線で硬化するエネルギー線硬化性樹脂でもよい。
 前記実施形態において、半導体装置の製造方法における各工程については、必ず全ての工程を実施しなければならないわけではなく、一部の工程を省略し得る。
 前記実施形態では、半導体装置の製造方法の説明において、枠部材20を粘着シート10に貼着させる態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。粘着シート10は、枠部材を用いずに半導体素子を封止する半導体装置の製造方法において使用されてもよい。
 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
〔評価方法〕
 粘着シートの評価は、以下に示す方法に従って行った。
(粘着剤組成物に含まれるエネルギー線硬化性成分のビニル基起因のIR特性吸収)
 上述した方法により、粘着剤層に含まれるエネルギー線硬化性成分のビニル基起因のIR特性吸収の有無を判断し、エネルギー線硬化性成分が硬化されて硬化物が形成されているか否かを評価した。
(100℃における対ポリイミド粘着力)
 ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、カプトン200H(商品名))を両面テープ(リンテック(株)製、TL-450S-16(商品名))を用いてアルミニウム板(150mm×70mm×1mm)に貼り付けた。ポリイミドフィルムに対してJIS-K-237を参考にして、測定温度を変更して粘着シートの粘着力を測定した。実施例及び比較例で作製した粘着シートを上記のポリイミドフィルムに貼付けて測定サンプルを作製し、この測定サンプルを30分間、23℃、50%相対湿度の環境下に置き、次いで、3分間、100℃の環境下に置いた後、100℃の環境下で引張試験を行った。引張試験には、恒温槽付き引張試験機((株)オリエンテック製「テンシロン」(商品名))を用いた。
(高温真空時のブリスター発生の評価)
 ガラスエポキシ基板(日立化成(株)製、「MCL-E-679FG」(商品名)、100mm×100mm×0.4mm)を#800の研磨材を用いて研磨した。研磨後、ガラスエポキシ基板の研磨した面の全体に実施例及び比較例で作製した粘着シートを貼り付けた。粘着シートの貼り付けには、ロールラミネーターを用いた。
 粘着シートをガラスエポキシ基板に貼り付けた後、加熱真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製、「V130」(商品名))を用いて100℃で真空ラミネートし、測定サンプルを作製した。
 真空ラミネートの後、85℃の温水に30分間、測定サンプルを浸漬した。浸漬後、測定サンプルを温水から取り出し、測定サンプルの表面の水適を拭き取った。拭き取り後に、25℃の加熱真空乾燥機に測定サンプルを投入した。
 その後、加熱真空乾燥機内を減圧(0.005MPa未満)し、設定温度を130℃として測定サンプルを加熱した。昇温速度を5℃/minとした。加熱真空乾燥機内が25℃から130℃になるまでに、膨れ(ブリスター)が発生したか目視で確認した。
 判定A:膨れ(ブリスター)が生じなかった。
 判定B:被着体の面積10cmの50%未満の面積においてに膨れ(ブリスター)が発生した。
 判定C:被着体の面積10cmの50%以上の面積においてに膨れ(ブリスター)が発生した。
(残渣物評価(糊残り評価))
 予め銅箔を#800の研磨材で研磨して、銅箔の表面の一方向に沿って研磨傷を形成した(研磨後の算術平均粗さRa=0.2±0.1μm)。実施例及び比較例で作製した粘着シートを、当該研磨傷が形成された銅箔の表面に貼付した。ここで、比較例3の粘着シートについてのみ、紫外線照射装置として、アイグラフィックス社製の高圧水銀ランプを用い、照度200mW/cm、積算光量200mJ/cmの条件で紫外線を照射した。その後、銅箔に貼付された粘着シートを100℃で30分加熱し、次いで180℃で30分加熱し、次いで190℃で60分加熱した。加熱後、粘着シートを室温で3mm/minの速度で剥離した。粘着シートを剥がす方向を、研磨傷に対して直交する方向とした。粘着シートを剥離した後の銅箔の表面をデジタル顕微鏡で観察し、糊残りを評価した。糊残りの評価における、判定基準は、次の通りとした。
 A判定:糊残りしなかった。
 B判定:部分的に糊残りした。
 C判定:全面に糊残りした。
〔粘着シートの作製〕
[実施例1]
(1)塗布用オリゴマー封止剤液の調製
 下記(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、(C)多官能アミノ化合物及び(D)酸性触媒を配合し、充分に撹拌して、実施例1に係る塗布用オリゴマー封止剤液(オリゴマー封止層用組成物)を調製した。
 (A)ビスフェノールA型エポキシ化合物
  DIC社製「EPICLON H-360」(商品名)、固形分濃度:40質量%、質量平均分子量:25000
 (B)ポリエステル化合物
  東洋紡績社製「バイロンGK680」(商品名)、数平均分子量:6000、ガラス転移温度:10℃
 (C)多官能アミノ化合物
  ヘキサメトキシメチルメラミン、日本サイテックインダストリーズ社製「サイメル303」(商品名)
 (D)酸性触媒
  p-トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度:50質量%)
 具体的には、上記(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物100質量部に、上記(B)ポリエステル化合物のトルエン希釈溶液(固形分濃度:30質量%)19.0質量部、及び上記(C)ヘキサメトキシメチルメラミン11.4質量部を加え、さらに、トルエン/メチルエチルケトン=50質量%/50質量%の混合溶剤で希釈し、固形分濃度が3質量%の溶液を調製した。調製した溶液を撹拌し、撹拌後の溶液に(D)p-トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度:50質量%)を2.9質量部添加して、塗布用オリゴマー封止剤液を得た。なお、質量部数はすべて固形分換算したものである。
(2)オリゴマー封止層の作製(オリゴマー封止層付き基材の作製)
 調製した塗布用オリゴマー封止剤液を、アニールされた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製「テイジンテトロンG2A」(商品名)、厚さ25μm)の一方の面にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。塗布後のフィルムをオーブンの内部を通過させ、塗膜を加熱硬化させて、厚さが150nmのオリゴマー封止層を形成し、オリゴマー封止層付き基材を得た。オーブンにおける熱風の吹き出し条件としては、温度を150℃とし、風速を8m/minとした。オーブンにおける加工速度としては、塗布後のフィルムがオーブン内部を20秒で通過する速度に調整した。
(3)粘着剤組成物の作製
 以下の材料(ポリマー(重合体成分)、架橋剤、反応性官能基を有する低分子化合物、光重合開始剤及び希釈溶剤)を配合し、充分に撹拌して、実施例1に係る塗布用粘着剤液を調製した。
・ポリマー:アクリル酸エステル共重合体、100質量部(固形分)
 アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸2-エチルヘキシル92.8質量%と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル7.0質量%と、アクリル酸0.2質量%とを共重合して調製した。
・架橋剤:ヘキサメチレンジイソシアネートを有する脂肪族系イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)社製;コロネートHX〕、7.4質量部(固形分)
・反応性官能基を有する低分子化合物:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔新中村化学(株)社製;A-DCP〕23.3質量部(固形分)
・光重合開始剤:2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン〔IGM Resin社製;Omnirad 127〕4.1質量部(固形分)
・希釈溶剤:酢酸エチルを用い、塗布用粘着剤液の固形分濃度は、30質量%に調製した。
(4)粘着剤層の作製
 調製した塗布用粘着剤液を、ナイフコーターを用いて、シリコーン系剥離層を備える38μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる剥離フィルム〔リンテック(株)社製;SP-PET382150〕の剥離層面側に塗布した。次いで剥離フィルム上の塗布用粘着剤液の塗膜に90℃で90秒間の加熱を行い、続いて115℃で90秒間の加熱を行い、塗膜を乾燥させた。その後、塗膜と、上述の手順により得たオリゴマー封止層付き基材のオリゴマー封止層が設けられた面とを貼り合わせた。そして、塗膜に、紫外線照射装置として、アイグラフィックス社製の高圧水銀ランプを用い、照度200mW/cm、積算光量200mJ/cmの条件で剥離フィルム側から紫外線を照射し、厚さ50μmの粘着剤層を作製した。このようにして、実施例1に係る粘着シートを得た。
[実施例2]
 トリシクロデカンジメタノールジアクリレート23.3質量部(固形分)の代わりに、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン〔新中村化学(株)製;A-BPEF〕23.3質量部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の粘着シートを得た。
[実施例3]
 トリシクロデカンジメタノールジアクリレート23.3質量部(固形分)の代わりに、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート〔新中村化学(株)製;A-BPP〕23.3質量部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の粘着シートを得た。
[実施例4]
 トリシクロデカンジメタノールジアクリレート23.3質量部(固形分)の代わりに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔新中村化学(株)社製;A-DPH〕23.3質量部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の粘着シートを得た。
[実施例5]
 トリシクロデカンジメタノールジアクリレート23.3質量部(固形分)の代わりに、ε‐カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート〔新中村化学(株)社製;A-9300-1CL〕23.3質量部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の粘着シートを得た。
[比較例1]
 粘着剤組成物の作製において、以下の材料(ポリマー、粘着助剤、架橋剤及び希釈溶剤)を配合し、粘着剤層の作製において、紫外線を照射する工程を省略した以外は、実施例1と同様にして比較例1の粘着シートを得た。
・ポリマー:アクリル酸エステル共重合体、100質量部(固形分)
アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸2-エチルヘキシル92.8質量%と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル7.0質量%と、アクリル酸0.2質量%とを共重合して調製した。
・粘着助剤:両末端水酸基水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製;GI-1000〕、12.5質量部(固形分)
・架橋剤:ヘキサメチレンジイソシアネートを有する脂肪族系イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製;コロネートHX〕、8.75質量部(固形分)
・希釈溶剤:メチルエチルケトンを用い、塗布用粘着剤液の固形分濃度は、30質量%に調製した。
[比較例2]
 粘着剤組成物の作製において、粘着助剤を配合しなかった以外は、比較例1と同様にして比較例2の粘着シートを得た。
[比較例3]
 紫外線を照射する工程を省略した以外は、実施例1と同様にして比較例3の粘着シートを得た。なお、残渣物評価の際には、上述の条件により紫外線を照射した上で評価を行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
(6)試験・評価結果
 ブリスター試験の結果、実施例1~3について膨れ(ブリスター)が発生せずA判定であり、実施例4~5についてはB判定であり、比較例1~2についてはC判定であり、比較例3は、B判定であった。被着体に貼着する前に予め紫外線硬化性成分を硬化させて硬化物とすることで、当該硬化物を含有する粘着剤層は、粘着力が向上し、ブリスター発生の抑制効果が認められた。一分子中に反応性官能基を2つ有する紫外線硬化性成分を用いた実施例1~3は、膨れ(ブリスター)を抑制する効果がより高い。
 残渣物評価の結果、実施例1~5について糊残りなしのA判定であった。比較例1については一部糊残りしてB判定であり、比較例2及び比較例3については全面に糊残りしてC判定であった。
 この結果から、封止工程に実施例1~5に係る粘着シートを用いた場合でも糊残りせず、更に実施例1~3に係る粘着シートは、プラズマ工程の様なブリスターが発生し易い工程においても剥離が発生し難いことを確認した。
  10…粘着シート、10A…粘着シート、11…基材、12…粘着剤層。
 

Claims (9)

  1.  基材と、粘着剤層と、を有し、
     前記粘着剤層は、エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む、
     半導体素子を封止する際に当該半導体素子を固定するための粘着シート。
  2.  請求項1に記載の粘着シートにおいて、
     前記粘着シートの100℃におけるポリイミドに対する粘着力が、0.04N/25mm以上である、粘着シート。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の粘着シートにおいて、
     前記粘着剤層は、さらに重合体成分を含む、粘着シート。
  4.  請求項3に記載の粘着シートにおいて、
     前記重合体成分は、架橋剤により架橋されている、粘着シート。
  5.  請求項3又は4に記載の粘着シートにおいて、
     前記重合体成分は、(メタ)アクリル系重合体である、粘着シート。
  6.  請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
     前記エネルギー線硬化性成分は、反応性官能基を有する低分子化合物、及び反応性官能基を有するオリゴマーの少なくともいずれかを含む、粘着シート。
  7.  請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
     前記エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線硬化性化合物を含み、前記エネルギー線硬化性化合物は、一分子中に2個以上5個以下の反応性官能基を有する、粘着シート。
  8.  請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
     前記粘着剤層の全体の質量に占める、前記エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物の割合は、5質量%以上40質量%以下の割合である、粘着シート。
  9.  エネルギー線硬化性成分が硬化された硬化物を含む粘着剤層を有する粘着シート上に、半導体素子を固定する工程と、
     封止材により前記半導体素子を封止する工程と、を含む、半導体装置の製造方法。
     
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