JP2019135753A - 粘着シート及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
粘着シート及び半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019135753A JP2019135753A JP2018018466A JP2018018466A JP2019135753A JP 2019135753 A JP2019135753 A JP 2019135753A JP 2018018466 A JP2018018466 A JP 2018018466A JP 2018018466 A JP2018018466 A JP 2018018466A JP 2019135753 A JP2019135753 A JP 2019135753A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- sensitive adhesive
- adhesive sheet
- resin
- adhesive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】半導体素子を封止樹脂で封止する際に、被着体から剥がれにくい粘着シート及びその粘着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】粘着シート上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に使用される粘着シート(10)であって、厚さ方向に複数の貫通孔(13)を有する基材(11)と、粘着剤を含む粘着剤層(12)と、を有する粘着シート(10)。【選択図】図1
Description
本発明は、粘着シート及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体素子(例えば半導体チップ等)の封止技術の分野では、粘着シート上に貼着された半導体素子を、封止樹脂を用いて封止する方法が知られている。
例えば特許文献1には、粘着シート及び前記粘着シート上に配置された複数の電子部品を備える電子部品仮固定体上に、樹脂シートを配置する積層工程と、積層工程により得られた積層体を0.03MPa以上3MPa以下でプレスして、複数の電子部品及び複数の電子部品を覆う樹脂シートを備える封止体を形成する封止工程とを含む半導体装置の製造方法が開示されている。
例えば特許文献1には、粘着シート及び前記粘着シート上に配置された複数の電子部品を備える電子部品仮固定体上に、樹脂シートを配置する積層工程と、積層工程により得られた積層体を0.03MPa以上3MPa以下でプレスして、複数の電子部品及び複数の電子部品を覆う樹脂シートを備える封止体を形成する封止工程とを含む半導体装置の製造方法が開示されている。
一方、半導体素子の封止技術の分野では、製造時に樹脂から発生するガスをできるだけ低減させるための検討も行われている。
例えば特許文献2には、ウエハレベルCSP(ウエハ状態でパッケージングを完了する方式)の製造工程において、以下の方法でウエハ上に再配線を形成する方法が開示されている。
特許文献2に記載の方法は、具体的には、Cu配線を挟む2層の絶縁膜(感光性ポリイミド樹脂膜及び最上層保護膜)を感光性ポリイミド樹脂系の絶縁材料で構成し、最上層保護膜に、低温硬化型樹脂を使用し、その低温硬化型樹脂の硬化時の温度を下層の感光性ポリイミド樹脂膜を硬化させる際の温度を超えないようにする。
例えば特許文献2には、ウエハレベルCSP(ウエハ状態でパッケージングを完了する方式)の製造工程において、以下の方法でウエハ上に再配線を形成する方法が開示されている。
特許文献2に記載の方法は、具体的には、Cu配線を挟む2層の絶縁膜(感光性ポリイミド樹脂膜及び最上層保護膜)を感光性ポリイミド樹脂系の絶縁材料で構成し、最上層保護膜に、低温硬化型樹脂を使用し、その低温硬化型樹脂の硬化時の温度を下層の感光性ポリイミド樹脂膜を硬化させる際の温度を超えないようにする。
しかしながら、特許文献1に記載の方法のように、封止樹脂を用いて粘着シート上の半導体素子を封止すると、半導体素子等の被着体から粘着シートが剥がれる場合がある。この原因としては、粘着シートと封止樹脂との接触により、封止樹脂中の低分子量成分(例えば、モノマー成分、オリゴマー成分、及び溶剤等)が粘着剤層に移行し、低分子量成分が粘着剤層において発泡したことによると考えられる。粘着シートが被着体から剥がれると、粘着シート上で封止されている半導体素子、ひいては半導体装置に不具合が生じる可能性がある。
なお、特許文献2に記載の技術は、最上層保護膜の形成によって、ガスの発生を物理的に抑制する技術であり、樹脂の硬化温度が制限されるという問題がある。
なお、特許文献2に記載の技術は、最上層保護膜の形成によって、ガスの発生を物理的に抑制する技術であり、樹脂の硬化温度が制限されるという問題がある。
本発明の目的は、半導体素子を封止樹脂で封止する際に、被着体から剥がれにくい粘着シート及びその粘着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係る粘着シートは、粘着シート上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に使用される粘着シートであって、厚さ方向に複数の貫通孔を有する基材と、粘着剤を含む粘着剤層と、を有する。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤層の一部が、前記封止樹脂の一部に接触して用いられることが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記貫通孔は、さらに前記粘着剤層を厚さ方向に貫通していることが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記基材及び前記粘着剤層の間に中間層が設けられ、前記貫通孔は、さらに前記中間層を厚さ方向に貫通していることが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記基材に対して前記粘着剤層とは反対側から見たときに、前記基材の面積SBと、複数の前記貫通孔の合計面積SHとが、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
0.001≦(SH/SB)×100≦20 …(1)
0.001≦(SH/SB)×100≦20 …(1)
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記半導体素子を前記封止樹脂で封止する際には、前記半導体素子を含む被着体が前記粘着剤層に貼着されており、複数の前記貫通孔は、前記被着体が貼着される予定の貼着予定領域において選択的に形成されていることが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤組成物を含有し、前記アクリル系粘着剤組成物は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするアクリル系共重合体を含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、前述の本発明の一態様に係る粘着シートの上に、前記半導体素子を貼着させる工程と、貼着された前記半導体素子を、前記封止樹脂で覆う工程と、前記封止樹脂を熱硬化させる工程と、を有する。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記半導体素子を貼着させる工程において、前記貫通孔が形成された領域と対応する位置に前記半導体素子を貼着し、貼着された前記半導体素子で前記貫通孔を塞ぐことが好ましい。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記封止樹脂は、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、及びシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記封止樹脂は、溶剤を含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記封止樹脂を熱硬化させる工程において、前記封止樹脂を熱硬化させる硬化温度は、前記溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。
本発明によれば、半導体素子を封止樹脂で封止する際に、被着体から剥がれにくい粘着シート及びその粘着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一態様に係る粘着シートについて図面を参照して説明する。
〔粘着シート〕
<第一実施形態>
図1には、第一実施形態に係る粘着シート10の断面図が示されている。
粘着シート10は、粘着シート10上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に使用される。粘着シート10には、半導体素子だけでなく、その他の部材も貼着させることができる。本明細書において、半導体素子及びその他の部材を含めて被着体と称する場合がある。その他の部材としては、例えば、枠部材が挙げられる。枠部材は、例えば、粘着シート10上の半導体素子を封止する際の封止樹脂の硬化収縮にともなう粘着シート10の反りを防止するために用いることができる。
粘着シート10は、厚さ方向に複数の貫通孔13を有する基材11と、粘着剤を含む粘着剤層12と、を有する。基材11は、第一基材面11a、及び第一基材面11aとは反対側の第二基材面11bを有する。粘着シート10においては、第一基材面11aに粘着剤層12が積層されている。
粘着シート10の形状は、例えば、シート状、テープ状、ラベル状等あらゆる形状をとり得る。
<第一実施形態>
図1には、第一実施形態に係る粘着シート10の断面図が示されている。
粘着シート10は、粘着シート10上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に使用される。粘着シート10には、半導体素子だけでなく、その他の部材も貼着させることができる。本明細書において、半導体素子及びその他の部材を含めて被着体と称する場合がある。その他の部材としては、例えば、枠部材が挙げられる。枠部材は、例えば、粘着シート10上の半導体素子を封止する際の封止樹脂の硬化収縮にともなう粘着シート10の反りを防止するために用いることができる。
粘着シート10は、厚さ方向に複数の貫通孔13を有する基材11と、粘着剤を含む粘着剤層12と、を有する。基材11は、第一基材面11a、及び第一基材面11aとは反対側の第二基材面11bを有する。粘着シート10においては、第一基材面11aに粘着剤層12が積層されている。
粘着シート10の形状は、例えば、シート状、テープ状、ラベル状等あらゆる形状をとり得る。
粘着シート上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に、粘着シートが封止樹脂と接触すると、封止樹脂中に含まれる低分子量成分(例えば、モノマー成分、オリゴマー成分、及び溶剤等)が粘着剤層に移行することがある。粘着剤層中に移行した低分子量成分は、封止工程における加熱によって気化し、粘着剤層中で発泡する場合がある。この発泡により、半導体素子等の被着体が粘着シートから剥がれ易くなると考えられる。
そこで、本実施形態の粘着シート10は、基材11に対し、当該基材11の厚さ方向に、予め複数の貫通孔13が形成された構成とする。これにより、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12に移行し粘着剤層中で気化した場合でも、基材11の厚さ方向に設けられた複数の貫通孔13を通じて、気化した低分子量成分を粘着シートの外部へ排出することができる。
したがって、本実施形態の粘着シート10は、粘着剤層12中で生じ得る低分子量成分の発泡を抑制でき、その結果、粘着シート10は、被着体から剥がれにくくなると推測される。また、低分子量成分の発泡を抑制できるので、被着体から粘着シートが浮く現象(以下、浮きと称する場合がある)も抑制できると考えられる。浮きの発生は、粘着シート10の剥がれを引き起こす要因とされている。
そこで、本実施形態の粘着シート10は、基材11に対し、当該基材11の厚さ方向に、予め複数の貫通孔13が形成された構成とする。これにより、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12に移行し粘着剤層中で気化した場合でも、基材11の厚さ方向に設けられた複数の貫通孔13を通じて、気化した低分子量成分を粘着シートの外部へ排出することができる。
したがって、本実施形態の粘着シート10は、粘着剤層12中で生じ得る低分子量成分の発泡を抑制でき、その結果、粘着シート10は、被着体から剥がれにくくなると推測される。また、低分子量成分の発泡を抑制できるので、被着体から粘着シートが浮く現象(以下、浮きと称する場合がある)も抑制できると考えられる。浮きの発生は、粘着シート10の剥がれを引き起こす要因とされている。
本実施形態の粘着シート10において、粘着剤層12の一部は、封止樹脂の一部に接触して用いられることが好ましい。
これにより、被着体から粘着シート10が、より剥がれにくくなる。
粘着剤層12の一部が、封止樹脂の一部に接触した状態の粘着シート10は、封止樹脂中の低分子量成分が、粘着剤層12に、より移行し易い構成となる。しかし、この構成の粘着シート10は、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12に移行し粘着剤層12中で気化した場合でも、気化した低分子量成分を、複数の貫通孔13を通じて効率よく外部へ排出できると考えられる。その結果、粘着剤層12中で生じ得る低分子量成分の発泡をより抑制できると考えられる。
これにより、被着体から粘着シート10が、より剥がれにくくなる。
粘着剤層12の一部が、封止樹脂の一部に接触した状態の粘着シート10は、封止樹脂中の低分子量成分が、粘着剤層12に、より移行し易い構成となる。しかし、この構成の粘着シート10は、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12に移行し粘着剤層12中で気化した場合でも、気化した低分子量成分を、複数の貫通孔13を通じて効率よく外部へ排出できると考えられる。その結果、粘着剤層12中で生じ得る低分子量成分の発泡をより抑制できると考えられる。
以下、本実施形態の粘着シートについて詳細に説明する。
(基材)
基材11は、粘着剤層12を支持する部材である。
基材11としては、例えば、合成樹脂フィルム等のシート材料等を用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。その他、基材11としては、これらの架橋フィルム及び積層フィルム等が挙げられる。
基材11は、粘着剤層12を支持する部材である。
基材11としては、例えば、合成樹脂フィルム等のシート材料等を用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。その他、基材11としては、これらの架橋フィルム及び積層フィルム等が挙げられる。
基材11は、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料からなることがより好ましい。本明細書において、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料とは、基材を構成する材料全体の質量に占めるポリエステル系樹脂の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合樹脂からなる群から選択されるいずれかの樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。
基材11としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムに含有するオリゴマーとしては、ポリエステル形成性モノマー、ダイマー、及びトリマー等に由来する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合樹脂からなる群から選択されるいずれかの樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。
基材11としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムに含有するオリゴマーとしては、ポリエステル形成性モノマー、ダイマー、及びトリマー等に由来する。
本実施形態の粘着シート10において、加工性を良好にする観点から、基材11の100℃における貯蔵弾性率は、1×107Pa以上であることが好ましい。
基材11の100℃での貯蔵弾性率の下限は、加工時の寸法安定性の観点から、1×107Pa以上が好ましく、1×108Pa以上であることがより好ましい。基材11の100℃での貯蔵弾性率の上限は、加工適性の観点から1×1012Pa以下であることが好ましい。なお、本明細書において、貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、ねじりせん断法により周波数1Hzで測定した値である。測定する基材を幅5mm、長さ20mmに切断し、粘弾性測定機器(ティー・エイ・インスツルメント社製、DMAQ800)を使用し、周波数1Hz、引張モードにより、100℃の貯蔵粘弾性を測定する。
基材11の100℃での貯蔵弾性率の下限は、加工時の寸法安定性の観点から、1×107Pa以上が好ましく、1×108Pa以上であることがより好ましい。基材11の100℃での貯蔵弾性率の上限は、加工適性の観点から1×1012Pa以下であることが好ましい。なお、本明細書において、貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、ねじりせん断法により周波数1Hzで測定した値である。測定する基材を幅5mm、長さ20mmに切断し、粘弾性測定機器(ティー・エイ・インスツルメント社製、DMAQ800)を使用し、周波数1Hz、引張モードにより、100℃の貯蔵粘弾性を測定する。
基材11の第一基材面11aは、第一基材面11a上に形成される層(本実施形態では粘着剤層12)との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、及びプラズマ処理等の少なくともいずれかの表面処理が施されてもよい。また、第一基材面11a上に、例えば中間層を介して粘着剤層12を形成する場合には、第一基材面11aは、中間層との密着性を高めるために、粘着剤が塗布されて粘着処理が施されていてもよい。この粘着処理に用いられる粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、及びウレタン系等の粘着剤が挙げられる。
基材11は、厚さ方向に、複数の貫通孔13を有する。貫通孔13は、それぞれ、第一基材面11aから第二基材面11bまで貫通する孔である。これらの貫通孔13の形成領域は特に限定されない。すなわち、貫通孔13は、基材11全体に形成されていてもよいし、基材11の一部に形成されていてもよい。また、貫通孔13は、基材11全体に均等にされていてもよいし、基材11の特定の領域に選択的に形成されていてもよい。
本実施形態の粘着シート10において、基材11に対して粘着剤層12とは反対側から見たときに、基材11の面積SB(mm2)と、複数の貫通孔13の合計面積SH(mm2)とが、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。(SH/SB)×100の単位は%である。
0.001≦(SH/SB)×100≦20 …(1)
「(SH/SB)×100[%]」とは、「基材11の面積に占める貫通孔13の面積割合[%]」を意味する。
式(1)において、(SH/SB)×100[%]が0.001%以上であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
式(1)において、(SH/SB)×100[%]が20%以下であると、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
上記(SH/SB)×100[%]の下限値は、より好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.05%以上である。
上記(SH/SB)×100[%]の上限値は、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
0.001≦(SH/SB)×100≦20 …(1)
「(SH/SB)×100[%]」とは、「基材11の面積に占める貫通孔13の面積割合[%]」を意味する。
式(1)において、(SH/SB)×100[%]が0.001%以上であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
式(1)において、(SH/SB)×100[%]が20%以下であると、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
上記(SH/SB)×100[%]の下限値は、より好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.05%以上である。
上記(SH/SB)×100[%]の上限値は、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
「(SH/SB)×100[%]」は、以下の方法により算出した値とする。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得する。取得した写真から、任意に選んだ領域(観測領域)の面積SB1(50mm×50mm)について、その面積SB1に占める貫通孔の合計面積SH1(mm2)を求める。貫通孔の合計面積SH1を上記面積SB1で除して100を乗じることにより、「(SH1/SB1)×100[%]」を求める。この操作を5箇所の任意の領域について行い、その平均値を「(SH/SB)×100[%]」とする。ここでSBとは貫通孔の面積を含む5箇所の観測領域の合計面積を指す。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得する。取得した写真から、任意に選んだ領域(観測領域)の面積SB1(50mm×50mm)について、その面積SB1に占める貫通孔の合計面積SH1(mm2)を求める。貫通孔の合計面積SH1を上記面積SB1で除して100を乗じることにより、「(SH1/SB1)×100[%]」を求める。この操作を5箇所の任意の領域について行い、その平均値を「(SH/SB)×100[%]」とする。ここでSBとは貫通孔の面積を含む5箇所の観測領域の合計面積を指す。
貫通孔13の形状は、円形状であることが好ましいが、特に限定されることはなく、非円形状であってもよい。非円形状としては、例えば、多角形(三角形、四角形、及び六角形等)、楕円形、及び半円形等が挙げられる。
貫通孔13の孔径は、特に限定されない。
例えば、貫通孔13の孔径は、基材11の厚さ方向の全ての位置において、好ましくは5μm以上300μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。
貫通孔13の孔径が5μm以上であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
貫通孔13の孔径が300μm以下であると、粘着剤層12に含まれる粘着剤によって、貫通孔13が閉塞されることを抑制できる。また、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
また、粘着剤層12に接する第一基材面11a側の孔径D1と、第二基材面11b側の孔径D2とが、異なっていてもよい。ただし、貫通孔に由来する凹凸の発生を抑制する観点からD1<D2であることが好ましい。
例えば、貫通孔13の孔径は、基材11の厚さ方向の全ての位置において、好ましくは5μm以上300μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。
貫通孔13の孔径が5μm以上であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
貫通孔13の孔径が300μm以下であると、粘着剤層12に含まれる粘着剤によって、貫通孔13が閉塞されることを抑制できる。また、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
また、粘着剤層12に接する第一基材面11a側の孔径D1と、第二基材面11b側の孔径D2とが、異なっていてもよい。ただし、貫通孔に由来する凹凸の発生を抑制する観点からD1<D2であることが好ましい。
貫通孔の孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得し、取得した写真から測定することができる。
なお、貫通孔13の形状が円形状の場合、貫通孔の最大直径を「貫通孔13の孔径」とする。貫通孔13の形状が非円形状の場合、貫通孔の端部間の距離の最大値を「貫通孔13の孔径」とする。
なお、貫通孔13の形状が円形状の場合、貫通孔の最大直径を「貫通孔13の孔径」とする。貫通孔13の形状が非円形状の場合、貫通孔の端部間の距離の最大値を「貫通孔13の孔径」とする。
貫通孔13同士の間隔(隣接する貫通孔13との平均距離)は、好ましくは0.2mm以上35mm以下、より好ましくは0.5mm以上25mm以下、さらに好ましくは1mm以上15mm以下である。
貫通孔13同士の間隔とは、一方の貫通孔の輪郭と、他方の貫通孔の輪郭との最短距離を意味する。
貫通孔13同士の間隔が、0.2mm以上であると、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
貫通孔13同士の間隔が、35mm以下であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
貫通孔13同士の間隔とは、一方の貫通孔の輪郭と、他方の貫通孔の輪郭との最短距離を意味する。
貫通孔13同士の間隔が、0.2mm以上であると、基材11と、粘着剤層12上に貼着される被着体との密着性が良好になり易い。
貫通孔13同士の間隔が、35mm以下であると、粘着剤層12中で低分子量成分が気化した場合に、気化した低分子量成分が貫通孔13を通じて外部に排出され易くなる。
「貫通孔13同士の間隔」は、以下の方法により算出することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得する。取得した写真から、任意に選んだ隣接する貫通孔について、一方の貫通孔の輪郭と、他方の貫通孔の輪郭との最短距離を求める。この操作を、任意に選んだ10回箇所について行い、その平均値を「貫通孔13同士の間隔」とする。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得する。取得した写真から、任意に選んだ隣接する貫通孔について、一方の貫通孔の輪郭と、他方の貫通孔の輪郭との最短距離を求める。この操作を、任意に選んだ10回箇所について行い、その平均値を「貫通孔13同士の間隔」とする。
本実施形態の粘着シート10において、半導体素子を封止樹脂で封止する際には、半導体素子を含む被着体が粘着剤層に貼着されており、複数の貫通孔13は、前記被着体が貼着される予定の貼着予定領域において選択的に形成されていることも好ましい。
なお、以下では、貼着予定領域に対し、被着体が貼着されない予定の領域を「非貼着予定領域」と称する場合がある。非貼着予定領域とは、粘着剤層12が直接封止樹脂で覆われる予定の領域、すなわち、粘着剤層12と封止樹脂とが直接接触する予定の領域を意味する。
ここで、複数の貫通孔13が貼着予定領域において選択的に形成されている態様としては、粘着シート10の面に直交する方向から見たときに、例えば、貼着予定領域における(1)貫通孔13の数、(2)貫通孔13の面積の総和、または(3)(SH2/SB2)×100[%](当該領域に占める貫通孔13の面積割合)が、非貼着予定領域における上記(1)、(2)または(3)に比べて、多くなるように、貫通孔13が偏在して形成されている態様が挙げられる。
SB2は、貼着予定領域の面積(mm2)であり、SH2は、上記SB2に占める貫通孔の合計面積(mm2)である。
例えば、上記(2)については、貼着予定領域における貫通孔13の面積の総和が、非貼着予定領域における貫通孔13の面積の総和に対して、好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは5倍以上である。
貫通孔13の数(上記(1))及び貫通孔13の面積の総和(上記(2))は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得し、取得した写真から求めることができる。また、「(SH2/SB2)×100[%]」(上記(3))は、前述の「(SH/SB)×100[%]」と同様の方法で算出することができる。
なお、以下では、貼着予定領域に対し、被着体が貼着されない予定の領域を「非貼着予定領域」と称する場合がある。非貼着予定領域とは、粘着剤層12が直接封止樹脂で覆われる予定の領域、すなわち、粘着剤層12と封止樹脂とが直接接触する予定の領域を意味する。
ここで、複数の貫通孔13が貼着予定領域において選択的に形成されている態様としては、粘着シート10の面に直交する方向から見たときに、例えば、貼着予定領域における(1)貫通孔13の数、(2)貫通孔13の面積の総和、または(3)(SH2/SB2)×100[%](当該領域に占める貫通孔13の面積割合)が、非貼着予定領域における上記(1)、(2)または(3)に比べて、多くなるように、貫通孔13が偏在して形成されている態様が挙げられる。
SB2は、貼着予定領域の面積(mm2)であり、SH2は、上記SB2に占める貫通孔の合計面積(mm2)である。
例えば、上記(2)については、貼着予定領域における貫通孔13の面積の総和が、非貼着予定領域における貫通孔13の面積の総和に対して、好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは5倍以上である。
貫通孔13の数(上記(1))及び貫通孔13の面積の総和(上記(2))は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基材11の第二基材面11bの写真を取得し、取得した写真から求めることができる。また、「(SH2/SB2)×100[%]」(上記(3))は、前述の「(SH/SB)×100[%]」と同様の方法で算出することができる。
なお、後述する第二実施形態の粘着シートのように、貫通孔が粘着剤層を貫通している場合、または、第三実施形態の粘着シートのように、貫通孔が中間層及び粘着剤層を貫通している場合には、粘着シート上に付与される封止樹脂によって、貫通孔の大部分(例えば貫通孔の50個数%以上)が塞がれないように、非貼着予定領域に貫通孔を選択的に形成することが好ましい。
本実施形態の粘着シート10において、複数の貫通孔13が、貼着予定領域に選択的に形成されたものである場合、粘着剤層12中で気化した低分子量成分の多くが、貼着予定領域と対応する位置にある貫通孔13を通じて排出されるので、浮きの発生が抑制されやすい。
被着体から粘着シート10を、より剥がれにくくする観点から、貼着予定領域に選択的に形成される貫通孔13の孔径、貫通孔13同士の間隔、及び貫通孔13の形状等は、前述の範囲であることが好ましい。また、(SH2/SB2)×100[%]は、前述の「(SH/SB)×100[%]」と同様の範囲であることが好ましい。
被着体から粘着シート10を、より剥がれにくくする観点から、貼着予定領域に選択的に形成される貫通孔13の孔径、貫通孔13同士の間隔、及び貫通孔13の形状等は、前述の範囲であることが好ましい。また、(SH2/SB2)×100[%]は、前述の「(SH/SB)×100[%]」と同様の範囲であることが好ましい。
本実施形態の粘着シート10において、被着体から粘着シート10を剥がれにくくする観点から、貼着予定領域にのみ貫通孔13が選択的に形成されていてもよい。
貫通孔13の穿孔方法は特に限定はされず、例えば細い針を突き刺して貫通孔13を形成してもよいが、レーザー光を使用することが簡便であり好ましい。レーザー光による穿孔方法としては、YAGレーザー等の固体レーザー、CO2レーザー等の気体レーザー等による方法が挙げられるが、CO2レーザーが好ましい。レーザー光は、少なくとも基材11を熱分解しうる程度の強度及び波長を有することが好ましい。具体的には、波長10.6μm程度のCO2レーザー、または波長10.6μm程度の赤外線レーザーが好ましく用いられる。
また、貫通孔13は、例えば、ウォータージェット、マイクロドリル、精密プレスにより形成してもよい。
また、貫通孔13は、例えば、ウォータージェット、マイクロドリル、精密プレスにより形成してもよい。
基材11の厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましく、20μm以上250μm以下であることがさらに好ましい。
(粘着剤層)
本実施形態の粘着シート10において、粘着剤層12は、基材11の第一基材面11aに積層されている。粘着剤層12には、半導体素子等の被着体が貼着される。粘着剤層12は、半導体装置の製造工程において被着体を粘着シート10上に保持する。
本実施形態の粘着シート10において、貫通孔13は、粘着剤層12には形成されていない。
なお、貫通孔13が基材11の第二基材面11b側から粘着剤層12の表面側までに渡って貫通して形成されている態様の粘着シートについては、第二実施形態において説明する。
本実施形態の粘着シート10において、粘着剤層12は、基材11の第一基材面11aに積層されている。粘着剤層12には、半導体素子等の被着体が貼着される。粘着剤層12は、半導体装置の製造工程において被着体を粘着シート10上に保持する。
本実施形態の粘着シート10において、貫通孔13は、粘着剤層12には形成されていない。
なお、貫通孔13が基材11の第二基材面11b側から粘着剤層12の表面側までに渡って貫通して形成されている態様の粘着シートについては、第二実施形態において説明する。
粘着剤層12は、粘着剤組成物を含むことが好ましい。
粘着剤組成物に含まれる粘着剤としては、特に限定されず、様々な種類の粘着剤を粘着剤層に適用できる。粘着剤層12に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、及びウレタン系が挙げられる。なお、粘着剤の種類は、用途及び貼着される被着体の種類等を考慮して選択される。粘着剤層12は、アクリル系粘着剤組成物またはシリコーン系粘着剤組成物を含有することが好ましい。
粘着剤組成物に含まれる粘着剤としては、特に限定されず、様々な種類の粘着剤を粘着剤層に適用できる。粘着剤層12に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、及びウレタン系が挙げられる。なお、粘着剤の種類は、用途及び貼着される被着体の種類等を考慮して選択される。粘着剤層12は、アクリル系粘着剤組成物またはシリコーン系粘着剤組成物を含有することが好ましい。
・アクリル系粘着剤組成物
粘着剤層12がアクリル系粘着剤組成物を含む場合、アクリル系粘着剤組成物は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするアクリル系共重合体を含むことが好ましい。
また、粘着剤層12がアクリル系粘着剤組成物を含む場合、アクリル系共重合体と、粘着助剤と、を含んでいることが好ましい。アクリル系共重合体は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとする共重合体であることが好ましい。粘着助剤は、反応性基を有するゴム系材料を主成分として含むことが好ましい。
粘着剤層12がアクリル系粘着剤組成物を含む場合、アクリル系粘着剤組成物は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするアクリル系共重合体を含むことが好ましい。
また、粘着剤層12がアクリル系粘着剤組成物を含む場合、アクリル系共重合体と、粘着助剤と、を含んでいることが好ましい。アクリル系共重合体は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとする共重合体であることが好ましい。粘着助剤は、反応性基を有するゴム系材料を主成分として含むことが好ましい。
本明細書において、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするとは、アクリル系共重合体全体の質量に占めるアクリル酸2−エチルヘキシル由来の共重合体成分の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。本実施形態においては、アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以上93質量%以下であることがさらにより好ましい。アクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合が50質量%以上であれば、加熱後に粘着力が高くなり過ぎず、被着体から粘着シート10をより剥離し易くなり、80質量%以上であればさらに剥離し易くなる。アクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合が95質量%以下であれば、初期密着力が不足して加熱時に基材11が変形したり、その変形によって粘着シート10が被着体から剥離したりすることを防止できる。
アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシル以外の共重合体成分の種類及び数は、特に限定されない。例えば、第二の共重合体成分としては、反応性の官能基を有する官能基含有モノマーが好ましい。第二の共重合体成分の反応性官能基としては、後述する架橋剤を使用する場合には、当該架橋剤と反応し得る官能基であることが好ましい。この反応性官能基は、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくともいずれかの置換基であることが好ましく、カルボキシル基及び水酸基の少なくともいずれかの置換基であることがより好ましく、カルボキシル基であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有するモノマー(カルボキシル基含有モノマー)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーの中でも、反応性及び共重合性の点から、アクリル酸が好ましい。カルボキシル基含有モノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。水酸基含有モノマーの中でも、水酸基の反応性及び共重合性の点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。水酸基含有モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の双方を表す場合に用いる表記であり、他の類似用語についても同様である。
エポキシ基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、
及びグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
及びグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、アルキル基の炭素数が2以上20以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、粘着性をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数が2以上4以下の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、例えば、アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、非架橋性のアクリルアミド、非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、及びスチレンからなる群から選択される少なくともいずれかのモノマーに由来する共重合体成分が挙げられる。
アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、及び(メタ)アクリル酸エトキシエチルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルが挙げられる。
非架橋性のアクリルアミドとしては、例えば、アクリルアミド、及びメタクリルアミドが挙げられる。
非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル、及び(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)プロピルが挙げられる。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、粘着剤の極性を向上させ、密着性及び粘着力を向上させる観点から、窒素原子含有環を有するモノマーに由来する共重合体成分も好ましい。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、及びN−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、N−(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、及び(メタ)アクリル酸エトキシエチルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルが挙げられる。
非架橋性のアクリルアミドとしては、例えば、アクリルアミド、及びメタクリルアミドが挙げられる。
非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル、及び(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)プロピルが挙げられる。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、粘着剤の極性を向上させ、密着性及び粘着力を向上させる観点から、窒素原子含有環を有するモノマーに由来する共重合体成分も好ましい。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、及びN−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、N−(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、第二の共重合体成分として、カルボキシル基含有モノマーまたは水酸基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル由来の共重合体成分、及びアクリル酸由来の共重合体成分を含む場合、アクリル系共重合体全体の質量に占めるアクリル酸由来の共重合体成分の質量の割合が1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。アクリル酸の割合が1質量%以下であれば、粘着剤組成物に架橋剤が含まれる場合にアクリル系共重合体の架橋が早く進行し過ぎることを防止できる。
アクリル系共重合体は、2種類以上の官能基含有モノマー由来の共重合体成分を含んでいてもよい。例えば、アクリル系共重合体は、3元系共重合体であってもよい。アクリル系共重合体が3元系共重合体である場合、アクリル酸2−エチルヘキシル、カルボキシル基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを共重合して得られるアクリル系共重合体が好ましく、このカルボキシル基含有モノマーは、アクリル酸であることが好ましく、水酸基含有モノマーは、アクリル酸2−ヒドロキシエチルであることが好ましい。アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合が80質量%以上95質量%以下であり、アクリル酸由来の共重合体成分の質量の割合が1質量%以下であり、残部がアクリル酸2−ヒドロキシエチル由来の共重合体成分であることが好ましい。
アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30万以上200万以下であることが好ましく、60万以上150万以下であることがより好ましく、80万以上120万以下であることがさらに好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが30万以上であれば、被着体への粘着剤の残渣なく剥離することができる。アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが200万以下であれば、被着体へ確実に貼り付けることができる。
アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算値である。
アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算値である。
アクリル系共重合体は、前述の各種原料モノマーを用いて、従来公知の方法に従って製造することができる。
アクリル系共重合体の共重合の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体のいずれでもよい。
本実施形態において、粘着剤組成物中のアクリル系共重合体の含有率は、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、粘着剤組成物中のアクリル系共重合体の含有率は、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
粘着助剤は、反応性基を有するゴム系材料を主成分として含むことが好ましい。粘着剤組成物が反応性粘着助剤を含んでいると、糊残りを減少させることができる。粘着剤組成物中の粘着助剤の含有率は、3質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。粘着剤組成物中の粘着助剤の含有率が3質量%以上であれば、糊残りの発生を抑制でき、50質量%以下であれば粘着力の低下を抑制できる。
本明細書において、反応性基を有するゴム系材料を主成分として含むとは、粘着助剤全体の質量に占める反応性基を有するゴム系材料の質量の割合が50質量%を超えることを意味する。本実施形態においては、粘着助剤における反応性基を有するゴム系材料の割合は、50質量%超であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。粘着助剤が実質的に反応性基を有するゴム系材料からなることも好ましい。
本明細書において、反応性基を有するゴム系材料を主成分として含むとは、粘着助剤全体の質量に占める反応性基を有するゴム系材料の質量の割合が50質量%を超えることを意味する。本実施形態においては、粘着助剤における反応性基を有するゴム系材料の割合は、50質量%超であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。粘着助剤が実質的に反応性基を有するゴム系材料からなることも好ましい。
反応性基としては、水酸基、イソシアネート基、アミノ基、オキシラン基、酸無水物基、アルコキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される一種以上の官能基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。ゴム系材料が有する反応性基は、1種類でも、2種類以上でもよい。水酸基を有するゴム系材料は、さらに前述の反応性基を有していてもよい。また、反応性基の数は、ゴム系材料を構成する1分子中に1つでも、2つ以上でもよい。
ゴム系材料としては、特に限定されないが、ポリブタジエン系樹脂、及びポリブタジエン系樹脂の水素添加物が好ましく、ポリブタジエン系樹脂の水素添加物がより好ましい。
ポリブタジエン系樹脂としては、1,4−繰り返し単位を有する樹脂、1,2−繰り返し単位を有する樹脂、並びに1,4−繰り返し単位及び1,2−繰り返し単位の両方を有する樹脂が挙げられる。本実施形態のポリブタジエン系樹脂の水素添加物は、これらの繰り返し単位を有する樹脂の水素化物も含む。
ポリブタジエン系樹脂としては、1,4−繰り返し単位を有する樹脂、1,2−繰り返し単位を有する樹脂、並びに1,4−繰り返し単位及び1,2−繰り返し単位の両方を有する樹脂が挙げられる。本実施形態のポリブタジエン系樹脂の水素添加物は、これらの繰り返し単位を有する樹脂の水素化物も含む。
ポリブタジエン系樹脂、及びポリブタジエン系樹脂の水素添加物は、両末端にそれぞれ反応性基を有することが好ましい。両末端の反応性基は、同一でも異なっていてもよい。両末端の反応性基は、水酸基、イソシアネート基、アミノ基、オキシラン基、酸無水物基、アルコキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される一種以上の官能基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。ポリブタジエン系樹脂、及びポリブタジエン系樹脂の水素添加物においては、両末端が水酸基であることがより好ましい。
本実施形態に係る粘着剤組成物は、前述のアクリル系共重合体及び粘着助剤の他に、さらに架橋剤を配合した組成物を架橋させて得られる架橋物を含むことも好ましい。また、粘着剤組成物の固形分は、実質的に、前述のように前述のアクリル系共重合体と、粘着助剤と、架橋剤とを架橋させて得られる架橋物からなることも好ましい。ここで、実質的にとは、不可避的に粘着剤に混入してしまうような微量な不純物を除いて、粘着剤組成物の固形分が当該架橋物だけからなることを意味する。
本実施形態において、架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミン系架橋剤、及びアミノ樹脂系架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、粘着剤組成物の耐熱性及び粘着力を向上させる観点から、これら架橋剤の中でも、イソシアネート基を有する化合物を主成分として含有する架橋剤(イソシアネート系架橋剤)が好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、及びリジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
また、多価イソシアネート化合物は、前述の化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート型変性体であってもよい。
本明細書において、イソシアネート基を有する化合物を主成分とする架橋剤とは、架橋剤を構成する成分全体の質量に占めるイソシアネート基を有する化合物の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。
本実施形態において、粘着剤組成物の耐熱性及び粘着力を向上させる観点から、これら架橋剤の中でも、イソシアネート基を有する化合物を主成分として含有する架橋剤(イソシアネート系架橋剤)が好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、及びリジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
また、多価イソシアネート化合物は、前述の化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート型変性体であってもよい。
本明細書において、イソシアネート基を有する化合物を主成分とする架橋剤とは、架橋剤を構成する成分全体の質量に占めるイソシアネート基を有する化合物の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。
本実施形態において、粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは1質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上10質量部以下である。粘着剤組成物中の架橋剤の含有量がこのような範囲内であれば、粘着剤組成物を含む層(粘着剤層)と被着体(例えば、基材)との接着性を向上させることができ、粘着シート10の製造後に粘着特性を安定化させるための養生期間を短縮できる。
本実施形態においては、粘着剤組成物の耐熱性の観点から、イソシアネート系架橋剤は、イソシアヌレート環を有する化合物(イソシアヌレート型変性体)であることがさらに好ましい。イソシアヌレート環を有する化合物は、アクリル系共重合体の水酸基当量に対して、0.7当量以上1.5当量以下配合されていることが好ましい。イソシアヌレート環を有する化合物の配合量が0.7当量以上であれば、加熱後に粘着力が高くなり過ぎず、粘着シート10を剥離し易くなり、糊残りを減少させることができる。イソシアヌレート環を有する化合物の配合量が1.5当量以下であれば、初期粘着力が低くなり過ぎることを防止したり、貼付性の低下を防止したりすることができる。
本実施形態における粘着剤組成物が架橋剤を含む場合、粘着剤組成物は、架橋促進剤をさらに含むことが好ましい。架橋促進剤は、架橋剤の種類等に応じて、適宜選択して用いることが好ましい。例えば、粘着剤組成物が、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を含む場合には、有機スズ化合物等の有機金属化合物系の架橋促進剤をさらに含むことが好ましい。
・シリコーン系粘着剤組成物
粘着剤層12がシリコーン系粘着剤組成物を含む場合、シリコーン系粘着剤組成物は、付加重合型シリコーン樹脂を含むことが好ましい。本明細書において、付加重合型シリコーン樹脂を含むシリコーン系粘着剤組成物を付加反応型シリコーン系粘着剤組成物と称する。
粘着剤層12がシリコーン系粘着剤組成物を含む場合、シリコーン系粘着剤組成物は、付加重合型シリコーン樹脂を含むことが好ましい。本明細書において、付加重合型シリコーン樹脂を含むシリコーン系粘着剤組成物を付加反応型シリコーン系粘着剤組成物と称する。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物は、主剤、及び架橋剤を含有する。付加反応型シリコーン系粘着剤組成物は、低温での一次硬化だけで使用することが可能で、高温での2次硬化を必要としないという利点がある。ちなみに、従来の過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は150℃以上のような高温での2次硬化を必要とする。
したがって、付加反応型シリコーン系粘着剤組成物を用いることにより、比較的低温での粘着シートの製造が可能となり、エネルギー経済性に優れており、かつ、比較的耐熱性の低い基材11を用いて粘着シート10を製造することも可能となる。また、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤のように硬化時に副生物を生じないので、臭気及び腐食等の問題もない。
したがって、付加反応型シリコーン系粘着剤組成物を用いることにより、比較的低温での粘着シートの製造が可能となり、エネルギー経済性に優れており、かつ、比較的耐熱性の低い基材11を用いて粘着シート10を製造することも可能となる。また、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤のように硬化時に副生物を生じないので、臭気及び腐食等の問題もない。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物は、通常、シリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分との混合物からなる主剤、及びヒドロシリル基(SiH基)含有の架橋剤、並びに必要に応じて使用される硬化触媒からなる。
シリコーン樹脂成分は、オルガノクロルシランまたはオルガノアルコキシシランを加水分解した後、脱水縮合反応を行うことにより得られる網状構造のオルガノポリシロキサンである。
シリコーンゴム成分は、直鎖構造を有するジオルガノポリシロキサンである。
オルガノ基としては、シリコーン樹脂成分、及びシリコーンゴム成分ともに、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等である。前述のオルガノ基は、一部、ビニル基、ヘキセニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、オクテニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルメチル基、(メタ)アクリロイルプロピル基、及びシクロヘキセニル基のような不飽和基に置換されている。工業的に入手が容易なビニル基を有するオルガノ基が好ましい。付加反応型シリコーン系粘着剤組成物においては、不飽和基とヒドロシリル基との付加反応によって架橋が進行して網状の構造が形成され、粘着性が発現する。
ビニル基のような不飽和基の数は、オルガノ基100個に対して、通常0.05個以上3.0個以下、好ましくは、0.1個以上2.5個以下である。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を0.05個以上とすることにより、ヒドロシリル基との反応性が低下して硬化しにくくなるのを防止して適度な粘着力を付与することができる。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を3.0個以下とすることにより、粘着剤の架橋密度が高くなり粘着力及び凝集力が大きくなって被着面に悪影響を与えるのを防止する。
シリコーン樹脂成分は、オルガノクロルシランまたはオルガノアルコキシシランを加水分解した後、脱水縮合反応を行うことにより得られる網状構造のオルガノポリシロキサンである。
シリコーンゴム成分は、直鎖構造を有するジオルガノポリシロキサンである。
オルガノ基としては、シリコーン樹脂成分、及びシリコーンゴム成分ともに、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等である。前述のオルガノ基は、一部、ビニル基、ヘキセニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、オクテニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルメチル基、(メタ)アクリロイルプロピル基、及びシクロヘキセニル基のような不飽和基に置換されている。工業的に入手が容易なビニル基を有するオルガノ基が好ましい。付加反応型シリコーン系粘着剤組成物においては、不飽和基とヒドロシリル基との付加反応によって架橋が進行して網状の構造が形成され、粘着性が発現する。
ビニル基のような不飽和基の数は、オルガノ基100個に対して、通常0.05個以上3.0個以下、好ましくは、0.1個以上2.5個以下である。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を0.05個以上とすることにより、ヒドロシリル基との反応性が低下して硬化しにくくなるのを防止して適度な粘着力を付与することができる。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を3.0個以下とすることにより、粘着剤の架橋密度が高くなり粘着力及び凝集力が大きくなって被着面に悪影響を与えるのを防止する。
前述のようなオルガノポリシロキサンとしては、具体的には、信越化学工業社製のKS−3703(ビニル基の数がメチル基100個に対して0.6個であるもの)、東レ・ダウコーニング社製のBY23−753(ビニル基の数がメチル基100個に対して0.1個であるもの)及びBY24−162(ビニル基の数がメチル基100個に対して1.4個であるもの)等がある。また、東レ・ダウコーニング社製のSD4560PSA、SD4570PSA、SD4580PSA、SD4584PSA、SD4585PSA、SD4587L、及びSD4592PSA等も使用することができる。
前述のように、シリコーン樹脂成分であるオルガノポリシロキサンは、通常、シリコーンゴム成分と混合して使用されるが、シリコーンゴム成分としては、信越化学工業社製のKS−3800(ビニル基の数がメチル基100個に対して7.6個であるもの)、東レ・ダウコーニング社製のBY24−162(ビニル基の数がメチル基100個に対して1.4個であるもの)、BY24−843(不飽和基を有していない)及びSD−7292(ビニル基の数がメチル基100個に対して5.0個であるもの)等が挙げられる。
前述のような付加反応型シリコーンの具体例は、例えば、特開平10−219229号公報に記載されている。
前述のように、シリコーン樹脂成分であるオルガノポリシロキサンは、通常、シリコーンゴム成分と混合して使用されるが、シリコーンゴム成分としては、信越化学工業社製のKS−3800(ビニル基の数がメチル基100個に対して7.6個であるもの)、東レ・ダウコーニング社製のBY24−162(ビニル基の数がメチル基100個に対して1.4個であるもの)、BY24−843(不飽和基を有していない)及びSD−7292(ビニル基の数がメチル基100個に対して5.0個であるもの)等が挙げられる。
前述のような付加反応型シリコーンの具体例は、例えば、特開平10−219229号公報に記載されている。
架橋剤は、シリコーン樹脂成分及びシリコーンゴム成分のビニル基のような不飽和基1個に対して、通常、ケイ素原子に結合した水素原子0.5個以上10個以下、好ましくは、1個以上2.5個以下になるように配合する。0.5個以上とすることにより、ビニル基のような不飽和基とヒドロシリル基との反応が完全には進行せずに硬化不良となるのを防止する。10個以下とすることにより、架橋剤が未反応で残存して被着面に悪影響を与えるのを防止する。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物は、前述の付加反応型シリコーン成分(シリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分とからなる主剤)、及び架橋剤とともに、硬化触媒を含有していることも好ましい。
この硬化触媒は、シリコーン樹脂成分及びシリコーンゴム成分中の不飽和基と架橋剤中のSi−H基とのヒドロシリル化反応を促進させるために使用される。
硬化触媒としては、白金系の触媒、すなわち、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコール溶液との反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサン化合物との反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体、及び白金−リン錯体等が挙げられる。前述のような硬化触媒の具体例は、例えば、特開2006−28311号公報及び特開平10−147758号公報に記載されている。
より具体的には、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSRX-212、及び信越
化学工業社製のPL-50T等が挙げられる。
この硬化触媒は、シリコーン樹脂成分及びシリコーンゴム成分中の不飽和基と架橋剤中のSi−H基とのヒドロシリル化反応を促進させるために使用される。
硬化触媒としては、白金系の触媒、すなわち、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコール溶液との反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサン化合物との反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体、及び白金−リン錯体等が挙げられる。前述のような硬化触媒の具体例は、例えば、特開2006−28311号公報及び特開平10−147758号公報に記載されている。
より具体的には、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSRX-212、及び信越
化学工業社製のPL-50T等が挙げられる。
硬化触媒の配合量は白金分として、シリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分の合計量に対して、通常、5質量ppm以上2000質量ppm以下、好ましくは、10質量ppm以上500質量ppm以下である。5質量ppm以上とすることにより、硬化性が低下して架橋密度の低下、すなわち、粘着力及び凝集力(保持力)が低下するのを防ぎ、2000質量ppm以下とすることにより、コストアップを防ぐとともに粘着剤層の安定性を保持することができ、かつ、過剰に使用された硬化触媒が被着面に悪影響を与えるのを防止する。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物においては、前述の各成分を配合することにより常温(25℃)でも粘着力が発現するが、付加反応型シリコーン系粘着剤組成物を基材11または後記する剥離シートに塗布し、基材11と剥離シートとを貼り合わせた後、加熱または活性エネルギー線を照射してシリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分の架橋剤による架橋反応を促進させることが粘着力の安定性の面から好ましい。
加熱で架橋反応を促進させる場合の加熱温度は通常は、60℃以上140℃以下、好ましくは、80℃以上130℃以下である。60℃以上で加熱することにより、シリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分の架橋が不足し、粘着力が不十分になるのを防止し、140℃以下で加熱することにより基材11に熱収縮しわが生じたり、劣化したり、変色したりするのを防止することができる。
活性エネルギー線を照射して架橋反応を促進させる場合、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有する活性エネルギー線、すなわち、紫外線等の活性光または電子線等を利用できる。電子線を照射して架橋させる場合、光重合開始剤を必要としないが、紫外線等の活性光を照射して架橋させる場合には、光重合開始剤を存在させることが好ましい。
紫外線照射させる場合の光重合開始剤としては、特に制限はなく、従来、紫外線硬化型樹脂に慣用されている光重合開始剤の中から、任意の光重合開始剤を適宜選択して用いることができる。この光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、α−ジケトン類、α−ジケトンジアルキルアセタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、及びその他化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、主剤として用いられる前記付加反応型シリコーン成分と架橋剤との合計量100質量部に対し、通常、0.01質量部以上30質量部以下、好ましくは0.05質量部以上20質量部以下の範囲で選定される。
加熱または活性エネルギー線を照射して架橋することにより、安定した粘着力を有する粘着シートが得られる。
紫外線照射させる場合の光重合開始剤としては、特に制限はなく、従来、紫外線硬化型樹脂に慣用されている光重合開始剤の中から、任意の光重合開始剤を適宜選択して用いることができる。この光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、α−ジケトン類、α−ジケトンジアルキルアセタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、及びその他化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、主剤として用いられる前記付加反応型シリコーン成分と架橋剤との合計量100質量部に対し、通常、0.01質量部以上30質量部以下、好ましくは0.05質量部以上20質量部以下の範囲で選定される。
加熱または活性エネルギー線を照射して架橋することにより、安定した粘着力を有する粘着シートが得られる。
活性エネルギー線の一つである電子線を照射して架橋する場合の電子線の加速電圧は、一般的には、130kV以上300kV以下、好ましくは150kV以上250kV以下である。130kV以上の加速電圧で照射することにより、シリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分の架橋が不足し、粘着力が不十分になるのを防ぐことができ、300kV以下の加速電圧で照射することにより粘着剤層12及び基材11が劣化したり変色したりするのを防止することができる。ビーム電流の好ましい範囲は1mA以上100mA以下である。
照射される電子線の線量は1Mrad以上70Mrad以下が好ましく、2Mrad以上20Mrad以下がより好ましい。1Mrad以上の線量で照射することにより粘着剤層12及び基材11が劣化したり変色したりするのを防止し、架橋不足による粘着性が不十分になるのを防止することができる。70Mrad以下の線量で照射することにより、粘着剤層12が劣化したり変色することによる凝集力の低下を防止し、基材11が劣化したり収縮したりするのを防止することができる。
紫外線照射の場合の照射量としては、適宜選択されるが、光量は、100mJ/cm2以上500mJ/cm2以下、照度は、10mW/cm2以上500mW/cm2以下である。
加熱及び活性エネルギー線の照射は、酸素による反応阻害を防止するため、窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
照射される電子線の線量は1Mrad以上70Mrad以下が好ましく、2Mrad以上20Mrad以下がより好ましい。1Mrad以上の線量で照射することにより粘着剤層12及び基材11が劣化したり変色したりするのを防止し、架橋不足による粘着性が不十分になるのを防止することができる。70Mrad以下の線量で照射することにより、粘着剤層12が劣化したり変色することによる凝集力の低下を防止し、基材11が劣化したり収縮したりするのを防止することができる。
紫外線照射の場合の照射量としては、適宜選択されるが、光量は、100mJ/cm2以上500mJ/cm2以下、照度は、10mW/cm2以上500mW/cm2以下である。
加熱及び活性エネルギー線の照射は、酸素による反応阻害を防止するため、窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
・粘着剤層の厚さ
粘着剤層12の厚さは、粘着シート10の用途に応じて適宜決定される。本実施形態において、粘着剤層12の厚さは、5μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
粘着剤層12の厚さが5μm以上であると、例えば半導体チップの回路面の凹凸に粘着剤層12が追従し易くなる。これにより、粘着剤層12及び半導体チップ間に隙間が生じにくくなるので、その隙間に、例えば、層間絶縁材及び封止樹脂等が入り込むことが抑制される。その結果、チップ回路面の配線接続用の電極パッドが塞がれることが抑制される。
粘着剤層12の厚さが60μm以下であると、例えば半導体チップが粘着剤層12に沈み込むことが抑制される。これにより、半導体チップ部分と、半導体チップを封止する樹脂部分との段差が生じにくくなり、その結果、再配線の際における配線の断線が抑制される。
粘着剤層12の厚さは、粘着シート10の用途に応じて適宜決定される。本実施形態において、粘着剤層12の厚さは、5μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
粘着剤層12の厚さが5μm以上であると、例えば半導体チップの回路面の凹凸に粘着剤層12が追従し易くなる。これにより、粘着剤層12及び半導体チップ間に隙間が生じにくくなるので、その隙間に、例えば、層間絶縁材及び封止樹脂等が入り込むことが抑制される。その結果、チップ回路面の配線接続用の電極パッドが塞がれることが抑制される。
粘着剤層12の厚さが60μm以下であると、例えば半導体チップが粘着剤層12に沈み込むことが抑制される。これにより、半導体チップ部分と、半導体チップを封止する樹脂部分との段差が生じにくくなり、その結果、再配線の際における配線の断線が抑制される。
・その他の成分
本実施形態において、粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。粘着剤組成物に含まれ得るその他の成分としては、例えば、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、フィラー、及び濡れ性調整剤等が挙げられる。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物には、添加剤として、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンのような非反応性のポリオルガノシロキサンが含まれていてもよい。
本実施形態において、粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。粘着剤組成物に含まれ得るその他の成分としては、例えば、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、フィラー、及び濡れ性調整剤等が挙げられる。
付加反応型シリコーン系粘着剤組成物には、添加剤として、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンのような非反応性のポリオルガノシロキサンが含まれていてもよい。
本実施形態に係る粘着シート10は、加熱後に、次のような粘着力を示すことが好ましい。まず、粘着シート10を被着体(銅箔またはポリイミドフィルム)に貼着させ、100℃及び30分間の条件で加熱し、続いて180℃及び30分間の条件で加熱し、さらに190℃及び1時間の条件で加熱した後、粘着剤層12の銅箔に対する室温での粘着力、及び粘着剤層12のポリイミドフィルムに対する室温での粘着力が、それぞれ0.7N/25mm以上2.0N/25mm以下であることが好ましい。このような加熱を行った後の粘着力が0.7N/25mm以上であれば、加熱によって基材11または被着体が変形した場合に粘着シート10が被着体から剥離することを防止できる。また、加熱後の粘着力が2.0N/25mm以下であれば、剥離力が高くなり過ぎず、粘着シート10を被着体から剥離し易い。なお、本明細書において室温とは、22℃以上24℃以下の温度である。本明細書において、粘着力は、180°引き剥がし法により、引っ張り速度300mm/分、粘着シートの幅25mmにて測定した値である。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る粘着シートは、貫通孔が、基材だけでなく、さらに粘着剤層も貫通している点において、第一実施形態に係る粘着シートと相違する。その他の点においては第一実施形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
第二実施形態に係る粘着シートは、貫通孔が、基材だけでなく、さらに粘着剤層も貫通している点において、第一実施形態に係る粘着シートと相違する。その他の点においては第一実施形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
図2(A)には、第二実施形態に係る粘着シート10Aの平面図が示されている。
図2(B)には、第二実施形態に係る粘着シート10Aの断面図が示されている。
粘着シート10Aは、基材11Aと、粘着剤を含む粘着剤層12Aとを有する。粘着シート10Aには、厚さ方向に、基材11A及び粘着剤層12Aを貫通する複数の貫通孔13Aが形成されている。基材11Aは、第一基材面11c、及び第一基材面11cとは反対側の第二基材面11dを有する。粘着シート10Aにおいては、第一基材面11cに粘着剤層12Aが積層されている。
本実施形態の粘着シート10Aによれば、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、粘着剤層12A中の貫通孔13Aから基材11A中の貫通孔13Aを通過して、粘着シート10Aの外部に排出されると考えられる。
したがって、第二実施形態によれば、被着体から、より剥がれにくい粘着シート10Aが得られる。
図2(B)には、第二実施形態に係る粘着シート10Aの断面図が示されている。
粘着シート10Aは、基材11Aと、粘着剤を含む粘着剤層12Aとを有する。粘着シート10Aには、厚さ方向に、基材11A及び粘着剤層12Aを貫通する複数の貫通孔13Aが形成されている。基材11Aは、第一基材面11c、及び第一基材面11cとは反対側の第二基材面11dを有する。粘着シート10Aにおいては、第一基材面11cに粘着剤層12Aが積層されている。
本実施形態の粘着シート10Aによれば、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、粘着剤層12A中の貫通孔13Aから基材11A中の貫通孔13Aを通過して、粘着シート10Aの外部に排出されると考えられる。
したがって、第二実施形態によれば、被着体から、より剥がれにくい粘着シート10Aが得られる。
<第三実施形態>
第三実施形態に係る粘着シートは、基材と粘着剤層との間に中間層を含んでいる点において、第一実施形態に係る粘着シートと相違する。その他の点においては第一実施形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
第三実施形態に係る粘着シートは、基材と粘着剤層との間に中間層を含んでいる点において、第一実施形態に係る粘着シートと相違する。その他の点においては第一実施形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
(中間層)
中間層は、基材と粘着剤層との間に設けられる。中間層には所望の目的に応じた機能を持たせることが好ましい。中間層としては、例えば、オリゴマー封止層、プライマー層、及びハードコート層等が挙げられる。例えば、中間層を設けることにより、基材と粘着剤層との密着性、基材表面へのオリゴマーの析出抑制、及び加熱工程における基材熱収縮のうちの少なくとも1つを向上させることができる。
中間層は、基材と粘着剤層との間に設けられる。中間層には所望の目的に応じた機能を持たせることが好ましい。中間層としては、例えば、オリゴマー封止層、プライマー層、及びハードコート層等が挙げられる。例えば、中間層を設けることにより、基材と粘着剤層との密着性、基材表面へのオリゴマーの析出抑制、及び加熱工程における基材熱収縮のうちの少なくとも1つを向上させることができる。
ここで、オリゴマー封止層とは、粘着剤層にオリゴマーが浸入することを防止するための層である。高温条件に粘着シートが曝されると、基材中に含まれるオリゴマーが、加熱により基材の表面に析出することがある。このため、粘着シートが、オリゴマー封止層を有することにより、基材中に含まれるオリゴマーの粘着剤層への浸入を抑制することができる。これにより、オリゴマー成分が基材から移動することを抑制できるので、被着体から粘着シートが、より剥がれにくくなる。
なお、オリゴマー封止層は、180℃以上200℃以下の高温条件下においても、粘着剤層へのオリゴマーの浸入を防止することが好ましい。
なお、オリゴマー封止層は、180℃以上200℃以下の高温条件下においても、粘着剤層へのオリゴマーの浸入を防止することが好ましい。
以下、オリゴマー封止層について詳細に説明する。
(オリゴマー封止層)
オリゴマー封止層の材質は、基材中のオリゴマーが粘着剤層に浸入することを防止できれば、特に限定されない。
例えば、オリゴマー封止層は、オリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。オリゴマー封止層用組成物は、例えば、(A)エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、(A)エポキシ化合物と、(B)ポリエステル化合物と、(C)多官能アミノ化合物と、を含むことがより好ましい。
オリゴマー封止層用組成物は、硬化反応を促進するために、更に、(D)酸性触媒を含んでいても良い。
オリゴマー封止層の材質は、基材中のオリゴマーが粘着剤層に浸入することを防止できれば、特に限定されない。
例えば、オリゴマー封止層は、オリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。オリゴマー封止層用組成物は、例えば、(A)エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、(A)エポキシ化合物と、(B)ポリエステル化合物と、(C)多官能アミノ化合物と、を含むことがより好ましい。
オリゴマー封止層用組成物は、硬化反応を促進するために、更に、(D)酸性触媒を含んでいても良い。
・(A)エポキシ化合物
(A)エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい。ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
(A)エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい。ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
・(B)ポリエステル化合物
(B)ポリエステル化合物としては、特に限定されず、公知のポリエステル化合物の中から適宜選択して用いることができる。ポリエステル化合物としては、具体的には、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂であって、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物若しくは不乾性油脂肪酸等で変性した化合物である不転化性ポリエステル化合物、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物等が挙げられる。
(B)ポリエステル化合物としては、特に限定されず、公知のポリエステル化合物の中から適宜選択して用いることができる。ポリエステル化合物としては、具体的には、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂であって、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物若しくは不乾性油脂肪酸等で変性した化合物である不転化性ポリエステル化合物、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物等が挙げられる。
(B)ポリエステル化合物の原料として用いられる多価アルコール及び多塩基酸としては、公知の多価アルコール及び多塩基酸を適宜選択して用いることができる。
・(C)多官能アミノ化合物
(C)多官能アミノ化合物としては、例えば、メラミン化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物、及びジアミン類を用いることができる。
メラミン化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化メラミン化合物、及びブチル化メラミン化合物が挙げられる。
尿素化合物としては、例えば、メチル化尿素化合物、及びブチル化尿素化合物が挙げられる。
ベンゾグアナミン化合物としては、例えば、メチル化ベンゾグアナミン化合物、及びブチル化ベンゾグアナミン化合物が挙げられる。
ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンが挙げられる。
硬化性の観点から、(C)多官能アミノ化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
(C)多官能アミノ化合物としては、例えば、メラミン化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物、及びジアミン類を用いることができる。
メラミン化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化メラミン化合物、及びブチル化メラミン化合物が挙げられる。
尿素化合物としては、例えば、メチル化尿素化合物、及びブチル化尿素化合物が挙げられる。
ベンゾグアナミン化合物としては、例えば、メチル化ベンゾグアナミン化合物、及びブチル化ベンゾグアナミン化合物が挙げられる。
ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンが挙げられる。
硬化性の観点から、(C)多官能アミノ化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
・(D)酸性触媒
酸性触媒(D)としては、例えば、塩酸、及びp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
酸性触媒(D)としては、例えば、塩酸、及びp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
・硬化皮膜
本実施形態において、オリゴマー封止層は、(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物を、それぞれ、(A)50質量%以上80質量%以下、(B)5質量%以上30質量%以下、及び(C)10質量%以上40質量%以下の配合率で含むオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。(D)酸性触媒をオリゴマー封止層用組成物に配合する場合は、(D)成分の含有量を1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
前述の範囲の配合率のオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜によれば、オリゴマー封止層による粘着剤層へのオリゴマーの浸入を防止する効果を向上させることができる。
本実施形態において、オリゴマー封止層は、(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、及び(C)多官能アミノ化合物を、それぞれ、(A)50質量%以上80質量%以下、(B)5質量%以上30質量%以下、及び(C)10質量%以上40質量%以下の配合率で含むオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。(D)酸性触媒をオリゴマー封止層用組成物に配合する場合は、(D)成分の含有量を1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
前述の範囲の配合率のオリゴマー封止層用組成物を硬化させた硬化皮膜によれば、オリゴマー封止層による粘着剤層へのオリゴマーの浸入を防止する効果を向上させることができる。
本実施形態の粘着シートにおいて、基材及び粘着剤層の間に中間層が設けられ、かつ貫通孔が、さらに中間層を厚さ方向に貫通することも好ましい。
これにより、粘着剤層に移行した封止樹脂中の低分子量成分が貫通孔を通じて、外部に、より排出され易くなる。
これにより、粘着剤層に移行した封止樹脂中の低分子量成分が貫通孔を通じて、外部に、より排出され易くなる。
・中間層の膜厚
中間層の厚さは、50nm以上500nm以下であることが好ましく、80nm以上300nm以下であることがより好ましい。
中間層の厚さが50nm以上であれば、基材と粘着剤層との良好な密着性が得られ易い。特に中間層がオリゴマー封止層の場合は、基材中に含まれるオリゴマーの粘着剤層への浸入を効果的に防止できる。
中間層の厚さが500nm以下であれば、例えば粘着シートをコア材にロール状に巻き取る際に巻き取り易くなる。コア材の材質としては、例えば、紙製、プラスチック製、及び金属製が挙げられる。
中間層の厚さは、50nm以上500nm以下であることが好ましく、80nm以上300nm以下であることがより好ましい。
中間層の厚さが50nm以上であれば、基材と粘着剤層との良好な密着性が得られ易い。特に中間層がオリゴマー封止層の場合は、基材中に含まれるオリゴマーの粘着剤層への浸入を効果的に防止できる。
中間層の厚さが500nm以下であれば、例えば粘着シートをコア材にロール状に巻き取る際に巻き取り易くなる。コア材の材質としては、例えば、紙製、プラスチック製、及び金属製が挙げられる。
図3には、第三実施形態に係る粘着シート10Bの断面図が示されている。粘着シート10Bは、中間層としてオリゴマー封止層14を有している。
粘着シート10Bは、基材11Bと、オリゴマー封止層14と、粘着剤を含む粘着剤層12Bと、をこの順に有する。粘着シート10Bには、厚さ方向に、基材11B、オリゴマー封止層14及び粘着剤層12Bを貫通する複数の貫通孔13Bが形成されている。基材11Bは、第一基材面11e、及び第一基材面11eとは反対側の第二基材面11fを有する。粘着シート10Bにおいては、第一基材面11eにオリゴマー封止層14が積層されている。
本実施形態の粘着シート10Bによれば、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Bに移行し粘着剤層12B中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、粘着剤層12B中の貫通孔13Bから、オリゴマー封止層14中の貫通孔13B及び基材11B中の貫通孔13Bを通過して、粘着シート10Bの外部に排出されると考えられる。
したがって、第三実施形態によれば、被着体から、より剥がれにくい粘着シート10Bが得られる。
また、粘着シート10Bは、オリゴマー封止層14を有するため、基材11B中に含まれるオリゴマーの粘着剤層12Bへの侵入も防止することができる。
粘着シート10Bは、基材11Bと、オリゴマー封止層14と、粘着剤を含む粘着剤層12Bと、をこの順に有する。粘着シート10Bには、厚さ方向に、基材11B、オリゴマー封止層14及び粘着剤層12Bを貫通する複数の貫通孔13Bが形成されている。基材11Bは、第一基材面11e、及び第一基材面11eとは反対側の第二基材面11fを有する。粘着シート10Bにおいては、第一基材面11eにオリゴマー封止層14が積層されている。
本実施形態の粘着シート10Bによれば、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Bに移行し粘着剤層12B中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、粘着剤層12B中の貫通孔13Bから、オリゴマー封止層14中の貫通孔13B及び基材11B中の貫通孔13Bを通過して、粘着シート10Bの外部に排出されると考えられる。
したがって、第三実施形態によれば、被着体から、より剥がれにくい粘着シート10Bが得られる。
また、粘着シート10Bは、オリゴマー封止層14を有するため、基材11B中に含まれるオリゴマーの粘着剤層12Bへの侵入も防止することができる。
次に、粘着シートの製造方法について説明する。
<第四実施形態>
〔粘着シートの製造方法〕
上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートの製造方法は、特に限定されない。
〔粘着シートの製造方法〕
上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートの製造方法は、特に限定されない。
・製造方法A
図1に示す第一実施形態の粘着シート10は、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Aと称する場合がある)。
まず、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、基材11に対して、当該基材11の厚さ方向に複数の貫通孔13を形成する。貫通孔13の孔径、(SH/SB)×100、貫通孔13同士の間隔、及び貫通孔13の形状等は特に限定されないが、被着体から粘着シート10を剥がれにくくする観点から、前述の範囲となるように貫通孔13を形成することが好ましい。
また、粘着シート10は、複数の貫通孔13が、半導体素子等の被着体が貼着される予定の貼着予定領域において選択的に形成されていることも好ましい。後述する製造方法B及びCについても同様である。
次に、貫通孔13が形成された基材11の第一基材面11a上に、粘着剤組成物を塗布し塗膜を形成する。この塗膜を乾燥させて、粘着剤層12を形成する。これにより、図1に示す粘着シート10が得られる。
図1に示す第一実施形態の粘着シート10は、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Aと称する場合がある)。
まず、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、基材11に対して、当該基材11の厚さ方向に複数の貫通孔13を形成する。貫通孔13の孔径、(SH/SB)×100、貫通孔13同士の間隔、及び貫通孔13の形状等は特に限定されないが、被着体から粘着シート10を剥がれにくくする観点から、前述の範囲となるように貫通孔13を形成することが好ましい。
また、粘着シート10は、複数の貫通孔13が、半導体素子等の被着体が貼着される予定の貼着予定領域において選択的に形成されていることも好ましい。後述する製造方法B及びCについても同様である。
次に、貫通孔13が形成された基材11の第一基材面11a上に、粘着剤組成物を塗布し塗膜を形成する。この塗膜を乾燥させて、粘着剤層12を形成する。これにより、図1に示す粘着シート10が得られる。
・製造方法B
図2(A)及び(B)に示す第二実施形態の粘着シート10Aは、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Bと称する場合がある)。
まず、基材11Aの第一基材面11c上に、粘着剤組成物を塗布し塗膜を形成する。この塗膜を乾燥させて、粘着剤層12Aを形成し、基材11A及び粘着剤層12Aからなる積層体を得る。
次に、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、得られた積層体に対し、当該積層体の厚さ方向に複数の貫通孔13Aを形成する。これにより、図2(A)及び(B)に示す粘着シート10Aが得られる。
なお、例えばレーザー光で、基材11A及び粘着剤層12Aに貫通孔13Aを形成する場合、貫通孔13Aの径が50μm以上100μm以下のときは波長10.6μm程度の赤外線レーザーまたはCO2レーザーを用いることが好ましく、貫通孔13Aの径が15μm以上50μm未満のときはUVレーザー(YAGレーザー)を用いることが好ましい。
図2(A)及び(B)に示す第二実施形態の粘着シート10Aは、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Bと称する場合がある)。
まず、基材11Aの第一基材面11c上に、粘着剤組成物を塗布し塗膜を形成する。この塗膜を乾燥させて、粘着剤層12Aを形成し、基材11A及び粘着剤層12Aからなる積層体を得る。
次に、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、得られた積層体に対し、当該積層体の厚さ方向に複数の貫通孔13Aを形成する。これにより、図2(A)及び(B)に示す粘着シート10Aが得られる。
なお、例えばレーザー光で、基材11A及び粘着剤層12Aに貫通孔13Aを形成する場合、貫通孔13Aの径が50μm以上100μm以下のときは波長10.6μm程度の赤外線レーザーまたはCO2レーザーを用いることが好ましく、貫通孔13Aの径が15μm以上50μm未満のときはUVレーザー(YAGレーザー)を用いることが好ましい。
・製造方法C
図3に示す第三実施形態の粘着シート10Bは、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Cと称する場合がある)。
まず、基材11Bの第一基材面11e上に、オリゴマー封止層用組成物を塗布し塗膜を形成する。次に、この塗膜を加熱及び硬化させて、オリゴマー封止層14となる硬化皮膜を形成する。熱硬化の条件としては、例えば、120℃以上170℃以下で、5秒間以上5分間以内である。次に、オリゴマー封止層14の上に、製造方法Bと同様にして、粘着剤層12Bを形成し、基材11B、オリゴマー封止層14及び粘着剤層12Bからなる積層体を得る。
次に、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、得られた積層体に対し、当該積層体の厚さ方向に複数の貫通孔13Bを形成する。これにより、図3に示す粘着シート10Bが得られる。
なお、基材11B、オリゴマー封止層14、及び粘着剤層12Bに貫通孔13Bを形成する場合、貫通孔13Bの径が50μm以上100μm以下のときは波長10.6μm程度の赤外線レーザーまたはCO2レーザーを用いることが好ましく、貫通孔13Bの径が15μm以上50μm未満のときはUVレーザー(YAGレーザー)を用いることが好ましい。
図3に示す第三実施形態の粘着シート10Bは、例えば以下の方法により製造される(以下、製造方法Cと称する場合がある)。
まず、基材11Bの第一基材面11e上に、オリゴマー封止層用組成物を塗布し塗膜を形成する。次に、この塗膜を加熱及び硬化させて、オリゴマー封止層14となる硬化皮膜を形成する。熱硬化の条件としては、例えば、120℃以上170℃以下で、5秒間以上5分間以内である。次に、オリゴマー封止層14の上に、製造方法Bと同様にして、粘着剤層12Bを形成し、基材11B、オリゴマー封止層14及び粘着剤層12Bからなる積層体を得る。
次に、前述の穿孔方法(例えばレーザー光による穿孔方法)により、得られた積層体に対し、当該積層体の厚さ方向に複数の貫通孔13Bを形成する。これにより、図3に示す粘着シート10Bが得られる。
なお、基材11B、オリゴマー封止層14、及び粘着剤層12Bに貫通孔13Bを形成する場合、貫通孔13Bの径が50μm以上100μm以下のときは波長10.6μm程度の赤外線レーザーまたはCO2レーザーを用いることが好ましく、貫通孔13Bの径が15μm以上50μm未満のときはUVレーザー(YAGレーザー)を用いることが好ましい。
上記製造方法A〜Cにおいて、粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成する場合には、粘着剤組成物を有機溶媒で希釈して、コーティング液を調製して用いることが好ましい。また、オリゴマー封止層用組成物を塗布してオリゴマー封止層を形成する場合には、オリゴマー封止層用組成物を有機溶媒で希釈して、コーティング液を調製して用いることが好ましい。
コーティング液の調製に用いる有機溶媒としては、特に限定されない。有機溶媒としては、例えば、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及びアルコール系溶媒が挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、及びノルマルヘプタンが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、及びメタノールが挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、及びグラビアコート法等が挙げられる。
有機溶媒及び低沸点成分が粘着剤層、及びオリゴマー封止層に残留することを防ぐため、コーティング液を、例えば基材に塗布した後、塗膜を加熱して乾燥させることが好ましい。
粘着剤組成物に架橋剤が配合されている場合には、架橋反応を進行させて凝集力を向上させるためにも、塗膜を加熱することが好ましい。
コーティング液の調製に用いる有機溶媒としては、特に限定されない。有機溶媒としては、例えば、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及びアルコール系溶媒が挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、及びノルマルヘプタンが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、及びメタノールが挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、及びグラビアコート法等が挙げられる。
有機溶媒及び低沸点成分が粘着剤層、及びオリゴマー封止層に残留することを防ぐため、コーティング液を、例えば基材に塗布した後、塗膜を加熱して乾燥させることが好ましい。
粘着剤組成物に架橋剤が配合されている場合には、架橋反応を進行させて凝集力を向上させるためにも、塗膜を加熱することが好ましい。
<第五実施形態>
〔粘着シートの使用〕
上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートは、半導体素子を封止する際に使用される。粘着シートは、金属製リードフレームに搭載されておらず、粘着シート上に貼着された状態の半導体素子を封止する際に使用されることが好ましい。具体的には、粘着シートは、金属製リードフレームに搭載された半導体素子を封止する際に使用されるのではなく、粘着剤層に貼着された状態の半導体素子を封止する際に使用されることが好ましい。金属製リードフレームを用いずに半導体素子をパッケージングする形態としては、パネルスケールパッケージ(Panel Scale Package;PSP)及びウエハレベルパッケージ(Wafer Level Package;WLP)が挙げられる。
粘着シートは、複数の開口部が形成された枠部材を粘着シートに貼着させる工程と、前記枠部材の開口部にて露出する粘着剤層に半導体チップ(半導体素子の一例)を貼着させる工程と、前記半導体チップを封止樹脂で覆う工程と、前記封止樹脂を熱硬化させる工程と、を有するプロセスにおいて使用されることが好ましい。
〔粘着シートの使用〕
上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートは、半導体素子を封止する際に使用される。粘着シートは、金属製リードフレームに搭載されておらず、粘着シート上に貼着された状態の半導体素子を封止する際に使用されることが好ましい。具体的には、粘着シートは、金属製リードフレームに搭載された半導体素子を封止する際に使用されるのではなく、粘着剤層に貼着された状態の半導体素子を封止する際に使用されることが好ましい。金属製リードフレームを用いずに半導体素子をパッケージングする形態としては、パネルスケールパッケージ(Panel Scale Package;PSP)及びウエハレベルパッケージ(Wafer Level Package;WLP)が挙げられる。
粘着シートは、複数の開口部が形成された枠部材を粘着シートに貼着させる工程と、前記枠部材の開口部にて露出する粘着剤層に半導体チップ(半導体素子の一例)を貼着させる工程と、前記半導体チップを封止樹脂で覆う工程と、前記封止樹脂を熱硬化させる工程と、を有するプロセスにおいて使用されることが好ましい。
<第六実施形態>
〔半導体装置の製造方法〕
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートの上に、半導体素子を貼着させる工程(以下、ボンディング工程と称する場合がある)と、貼着された半導体素子を、封止樹脂で覆う工程(封止工程)と、封止樹脂を熱硬化させる工程(熱硬化工程)と、を有する。
〔半導体装置の製造方法〕
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、上記実施形態(第一実施形態から第三実施形態のいずれか)の粘着シートの上に、半導体素子を貼着させる工程(以下、ボンディング工程と称する場合がある)と、貼着された半導体素子を、封止樹脂で覆う工程(封止工程)と、封止樹脂を熱硬化させる工程(熱硬化工程)と、を有する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として、第二実施形態に係る粘着シート10Aを用いて半導体装置を製造する方法について説明する。
図4(A)〜図4(E)には、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する平面図が示されている。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、粘着シート10Aに複数の開口部21が形成された枠部材20を貼着させる工程(粘着シート貼着工程)と、枠部材20の開口部21にて露出する粘着剤層12Aに半導体チップCP(半導体素子の一例)を貼着させる工程(ボンディング工程)と、半導体チップCPを封止樹脂30で覆う工程(封止工程)と、封止樹脂30を熱硬化させる工程(熱硬化工程)と、を有する。
なお、本実施形態では、熱硬化工程の後に、粘着シート10Aを剥離する工程(剥離工程)を実施する。また、必要に応じて、熱硬化工程の後に、封止樹脂30で封止された封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。
以下に各工程について説明する。
図4(A)〜図4(E)には、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する平面図が示されている。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、粘着シート10Aに複数の開口部21が形成された枠部材20を貼着させる工程(粘着シート貼着工程)と、枠部材20の開口部21にて露出する粘着剤層12Aに半導体チップCP(半導体素子の一例)を貼着させる工程(ボンディング工程)と、半導体チップCPを封止樹脂30で覆う工程(封止工程)と、封止樹脂30を熱硬化させる工程(熱硬化工程)と、を有する。
なお、本実施形態では、熱硬化工程の後に、粘着シート10Aを剥離する工程(剥離工程)を実施する。また、必要に応じて、熱硬化工程の後に、封止樹脂30で封止された封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。
以下に各工程について説明する。
(粘着シート貼着工程)
図4(A)には、粘着シート10Aの粘着剤層12Aに枠部材20を貼着させる工程を説明する断面図が示されている。
本実施形態に係る枠部材20は、格子状に形成され、複数の開口部21を有する。枠部材20は、耐熱性を有する材質で形成されていることが好ましい。枠部材20の材質としては、例えば、銅及びステンレス等の金属、並びにポリイミド樹脂及びガラスエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂等が挙げられる。
開口部21は、枠部材20の表裏面を貫通する孔である。開口部21の形状は、半導体チップCPを枠内に収容可能であれば、特に限定されない。開口部21の孔の深さも、半導体チップCPを収容可能であれば、特に限定されない。
図4(A)には、粘着シート10Aの粘着剤層12Aに枠部材20を貼着させる工程を説明する断面図が示されている。
本実施形態に係る枠部材20は、格子状に形成され、複数の開口部21を有する。枠部材20は、耐熱性を有する材質で形成されていることが好ましい。枠部材20の材質としては、例えば、銅及びステンレス等の金属、並びにポリイミド樹脂及びガラスエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂等が挙げられる。
開口部21は、枠部材20の表裏面を貫通する孔である。開口部21の形状は、半導体チップCPを枠内に収容可能であれば、特に限定されない。開口部21の孔の深さも、半導体チップCPを収容可能であれば、特に限定されない。
(ボンディング工程)
図4(B)には、粘着剤層12Aに半導体チップCPを貼着させる工程を説明する断面図が示されている。
枠部材20に粘着シート10Aを貼着させると、それぞれの開口部21において開口部21の形状に応じて粘着剤層12Aが露出する。各開口部21の粘着剤層12Aに半導体チップCPを貼着させる。半導体チップCPを、その回路面を粘着剤層12Aで覆うように貼着させる。
図4(B)には、粘着剤層12Aに半導体チップCPを貼着させる工程を説明する断面図が示されている。
枠部材20に粘着シート10Aを貼着させると、それぞれの開口部21において開口部21の形状に応じて粘着剤層12Aが露出する。各開口部21の粘着剤層12Aに半導体チップCPを貼着させる。半導体チップCPを、その回路面を粘着剤層12Aで覆うように貼着させる。
粘着シート10Aとして、複数の貫通孔13Aが、被着体(本実施形態では半導体チップCP及び枠部材20)の貼着予定領域に選択的に形成されている粘着シートを用いる場合、粘着シート貼着工程では、貫通孔13Aが選択的に形成された領域に枠部材20を貼着し、貼着された枠部材20で貫通孔13Aを塞ぐことが好ましい。そして、続くボンディング工程では、貫通孔13Aが選択的に形成された領域に半導体チップCPを貼着し、貼着された半導体チップCPで貫通孔13Aを塞ぐことが好ましい。
これにより、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、被着体で塞がれた領域に対応する位置にある貫通孔13Aを通じて排出されるので、残留する有機溶媒成分の加熱によって生じる、粘着シートの浮きや剥がれが抑制されやすい。
これにより、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、被着体で塞がれた領域に対応する位置にある貫通孔13Aを通じて排出されるので、残留する有機溶媒成分の加熱によって生じる、粘着シートの浮きや剥がれが抑制されやすい。
半導体チップCPの製造は、例えば、回路が形成された半導体ウエハの裏面を研削するバックグラインド工程、及び半導体ウエハを個片化するダイシング工程を実施することにより製造する。ダイシング工程では、半導体ウエハをダイシングシートの接着剤層に貼着させ、ダイシングソー等の切断手段を用いて半導体ウエハを個片化することで半導体チップCPが得られる。
ダイシング装置は、特に限定されず、公知のダイシング装置を用いることができる。また、ダイシングの条件についても、特に限定されない。なお、ダイシングブレードを用いてダイシングする方法に代えて、レーザーダイシング法またはステルスダイシング法等を用いてもよい。
ダイシング装置は、特に限定されず、公知のダイシング装置を用いることができる。また、ダイシングの条件についても、特に限定されない。なお、ダイシングブレードを用いてダイシングする方法に代えて、レーザーダイシング法またはステルスダイシング法等を用いてもよい。
ダイシング工程の後、ダイシングシートを引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を拡げるエキスパンド工程を実施してもよい。エキスパンド工程を実施することで、コレット等の搬送手段を用いて半導体チップCPをピックアップすることができる。また、エキスパンド工程を実施することで、ダイシングシートの接着剤層の接着力が減少し、半導体チップCPがピックアップし易くなる。
ダイシングシートの接着剤組成物、または接着剤層にエネルギー線重合性化合物が配合されている場合には、ダイシングシートの基材側から接着剤層にエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。エネルギー線重合性化合物を硬化させると、接着剤層の凝集力が高まり、接着剤層の接着力を低下させることができる。エネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)及び電子線(EB)等が挙げられ、紫外線が好ましい。エネルギー線の照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよい。例えば、ダイシングの前もしくは後にエネルギー線を照射してもよいし、エキスパンド工程の後にエネルギー線を照射してもよい。
ダイシングシートの接着剤組成物、または接着剤層にエネルギー線重合性化合物が配合されている場合には、ダイシングシートの基材側から接着剤層にエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。エネルギー線重合性化合物を硬化させると、接着剤層の凝集力が高まり、接着剤層の接着力を低下させることができる。エネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)及び電子線(EB)等が挙げられ、紫外線が好ましい。エネルギー線の照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよい。例えば、ダイシングの前もしくは後にエネルギー線を照射してもよいし、エキスパンド工程の後にエネルギー線を照射してもよい。
(封止工程及び熱硬化工程)
図4(C)には、粘着シート10Aに貼着された半導体チップCP及び枠部材20を封止する工程を説明する平面図が示されている。
封止樹脂30(図4(D)参照)で半導体チップCP及び枠部材20を覆う方法は、特に限定されない。
本実施形態では、シート状の封止樹脂30を用いた態様を例に挙げて説明する。シート状の封止樹脂30を半導体チップCP及び枠部材20を覆うように載置し、封止樹脂30を熱硬化させて、封止樹脂層30Aを形成する。
図4(C)には、粘着シート10Aに貼着された半導体チップCP及び枠部材20を封止する工程を説明する平面図が示されている。
封止樹脂30(図4(D)参照)で半導体チップCP及び枠部材20を覆う方法は、特に限定されない。
本実施形態では、シート状の封止樹脂30を用いた態様を例に挙げて説明する。シート状の封止樹脂30を半導体チップCP及び枠部材20を覆うように載置し、封止樹脂30を熱硬化させて、封止樹脂層30Aを形成する。
封止樹脂30を熱硬化させる温度(以下、封止樹脂の硬化温度と称する場合がある)は、封止樹脂の種類に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは130℃以上250℃以下、より好ましくは150℃以上220℃以下、さらに好ましくは180℃以上220℃以下である。
硬化温度が130℃以上であると、粘着シート10A上に貼着された半導体チップCPの封止を良好に行い易い。
硬化温度が250℃以下であると、封止樹脂30中の低分子量成分が粘着剤層12Aに過剰に移行することが抑制される。
特に封止樹脂30としてエポキシ樹脂を用いた場合には、封止樹脂の硬化温度は、好ましくは180℃以上220℃以下、より好ましくは185℃以上200℃以下、さらに好ましくは190℃以上195℃以下である。
熱硬化工程の雰囲気は、空気雰囲気下でもよいし、不活性雰囲気下でもよい。不活性雰囲気としては、例えば、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等が挙げられる。封止樹脂30の副反応抑制及び金属の酸化防止の観点から、好ましくは不活性雰囲気下であり、より好ましくは窒素雰囲気下である。
硬化温度が130℃以上であると、粘着シート10A上に貼着された半導体チップCPの封止を良好に行い易い。
硬化温度が250℃以下であると、封止樹脂30中の低分子量成分が粘着剤層12Aに過剰に移行することが抑制される。
特に封止樹脂30としてエポキシ樹脂を用いた場合には、封止樹脂の硬化温度は、好ましくは180℃以上220℃以下、より好ましくは185℃以上200℃以下、さらに好ましくは190℃以上195℃以下である。
熱硬化工程の雰囲気は、空気雰囲気下でもよいし、不活性雰囲気下でもよい。不活性雰囲気としては、例えば、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等が挙げられる。封止樹脂30の副反応抑制及び金属の酸化防止の観点から、好ましくは不活性雰囲気下であり、より好ましくは窒素雰囲気下である。
封止樹脂30を熱硬化させることにより、半導体チップCP及び枠部材20が封止樹脂層30Aに埋め込まれる。シート状の封止樹脂30を用いる場合には、真空ラミネート法により半導体チップCP及び枠部材20を封止することが好ましい。この真空ラミネート法により、半導体チップCPと枠部材20との間に空隙が生じることを防止できる。真空ラミネート法による加熱の温度条件範囲は、例えば、80℃以上120℃以下である。
封止工程では、シート状の封止樹脂30がポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートに支持された積層シートを用いてもよい。この場合、半導体チップCP及び枠部材20を覆うように積層シートを載置した後、樹脂シートを封止樹脂30から剥離して、封止樹脂30を熱硬化させてもよい。このような積層シートとしては、例えば、ABFフィルム(味の素ファインテクノ株式会社製)が挙げられる。
半導体チップCP及び枠部材20を封止する方法としては、トランスファーモールド法を採用してもよい。この場合、例えば、封止装置の金型の内部に、粘着シート10Aに貼着された半導体チップCP及び枠部材20を収容する。この金型の内部に流動性の樹脂材料を注入し、樹脂材料を硬化させる。トランスファーモールド法の場合、加熱及び圧力の条件は、特に限定されない。トランスファーモールド法における通常の条件の一例として、150℃以上の温度と、4MPa以上15MPa以下の圧力を30秒以上300秒以下の間維持する。その後、加圧を解除し、封止装置から硬化物を取り出してオーブン内に静置して、150℃以上の温度を2時間以上15時間以下、維持する。このようにして、半導体チップCP及び枠部材20を封止する。
前述の封止工程においてシート状の封止樹脂30を用いる場合、封止樹脂30を熱硬化させる工程(熱硬化工程)の前に、第一加熱プレス工程を実施してもよい。第一加熱プレス工程においては、封止樹脂30で被覆された半導体チップCP及び枠部材20付き粘着シート10Aを両面から板状部材で挟み込み、所定の温度、時間、及び圧力の条件下でプレスする。第一加熱プレス工程を実施することにより、封止樹脂30が半導体チップCPと枠部材20との空隙にも充填され易くなる。また、加熱プレス工程を実施することにより、封止樹脂30により構成される封止樹脂層30Aの凹凸を平坦化することもできる。板状部材としては、例えば、ステンレス等の金属板を用いることができる。
熱硬化工程の後、粘着シート10Aを剥離すると、封止樹脂層30Aで封止された半導体チップCP及び枠部材20が得られる。以下、これを封止体50と称する場合がある。
本実施形態では、基材11A及び粘着剤層12Aの厚さ方向に貫通孔13Aが形成された粘着シート10Aを用いているので、例えば熱硬化工程において、封止樹脂30又は封止樹脂層30A中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、低分子量成分が貫通孔13Aを通じて排出され易くなる。その結果、被着体から粘着シート10Aが剥がれにくい封止体50が得られる。
特に、粘着シート10Aとして、複数の貫通孔13Aが、被着体(本実施形態では半導体チップCP及び枠部材20)の貼着予定領域に選択的に形成されている粘着シートを用いた場合には、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、被着体で塞がれた領域に対応する位置にある貫通孔13Aを通じて排出されるので、残留する有機溶媒成分の加熱によって生じる、粘着シートの浮きや剥がれが抑制されやすい。その結果、被着体から粘着シート10Aが、より剥がれにくい封止体50が得られる。
本実施形態では、基材11A及び粘着剤層12Aの厚さ方向に貫通孔13Aが形成された粘着シート10Aを用いているので、例えば熱硬化工程において、封止樹脂30又は封止樹脂層30A中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、低分子量成分が貫通孔13Aを通じて排出され易くなる。その結果、被着体から粘着シート10Aが剥がれにくい封止体50が得られる。
特に、粘着シート10Aとして、複数の貫通孔13Aが、被着体(本実施形態では半導体チップCP及び枠部材20)の貼着予定領域に選択的に形成されている粘着シートを用いた場合には、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、被着体で塞がれた領域に対応する位置にある貫通孔13Aを通じて排出されるので、残留する有機溶媒成分の加熱によって生じる、粘着シートの浮きや剥がれが抑制されやすい。その結果、被着体から粘着シート10Aが、より剥がれにくい封止体50が得られる。
封止樹脂30の材質は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、封止材に通常含有される樹脂を使用することができる。
具体的に熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、酸無水物化合物、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、及びアミン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、被着体から粘着シート10Aを剥がれにくくする観点から、エポキシ樹脂、またはフェノール樹脂を使用することが好ましい。耐熱性の観点から、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、またはシアネート樹脂を使用することが好ましい。
すなわち、封止樹脂30は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂及びシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
具体的に熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、酸無水物化合物、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、及びアミン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、被着体から粘着シート10Aを剥がれにくくする観点から、エポキシ樹脂、またはフェノール樹脂を使用することが好ましい。耐熱性の観点から、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、またはシアネート樹脂を使用することが好ましい。
すなわち、封止樹脂30は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂及びシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
・エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、一般的に、加熱を受けると三次元網状化し、強固な硬化物を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。また、エポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂であっても、単官能エポキシ樹脂であってもよい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール類のグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック、及びビスフェノールAノボラック等)、アルコール類のグリシジルエーテル(例えば、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等)、カルボン酸のグリシジルエーテル(例えば、フタル酸、イソフタル酸、及びテトラヒドロフタル酸等)、アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂、分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシド(例えば、ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、及び2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等)等を挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、トリフェニルメタン骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格、及びナフトール骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。また、リン含有エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、又はブタジエン構造を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。さらに、上述のエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物、または水素添加物等を用いることもできる。
エポキシ樹脂は、一般的に、加熱を受けると三次元網状化し、強固な硬化物を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。また、エポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂であっても、単官能エポキシ樹脂であってもよい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール類のグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック、及びビスフェノールAノボラック等)、アルコール類のグリシジルエーテル(例えば、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等)、カルボン酸のグリシジルエーテル(例えば、フタル酸、イソフタル酸、及びテトラヒドロフタル酸等)、アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂、分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシド(例えば、ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、及び2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等)等を挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、トリフェニルメタン骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格、及びナフトール骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。また、リン含有エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、又はブタジエン構造を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。さらに、上述のエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物、または水素添加物等を用いることもできる。
単官能エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル類(例えば、フェニルグリシジルエーテル及びo−フェニルフェノールグリシジルエーテル等の芳香族モノグリシジルエーテル、並びに、脂肪族モノグリシジルエーテル)、シクロアルケンオキシド類(例えば、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、及びエポキシヘキサヒドロフタル酸ジアルキルエステル等)等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂は、液状であっても、固形状であってもよい。なお、ここでの「液状」及び「固形状」とは、常温(25℃)でのエポキシ樹脂の状態をいう。
固形状エポキシ樹脂としては、例えば、ナフトール骨格を有するエポキシ樹脂(ナフトール型エポキシ樹脂)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂)、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)、及びビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ビスフェノールFのグリシジルエーテル(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
固形状エポキシ樹脂としては、例えば、ナフトール骨格を有するエポキシ樹脂(ナフトール型エポキシ樹脂)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂)、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)、及びビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ビスフェノールFのグリシジルエーテル(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上述したエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述したエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、またはこれらの組み合わせを使用することが好ましい。
・フェノール樹脂
フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリフェニルメタン型フェノール、テトラキスフェノール、ノボラック型フェノール、クレゾールノボラック樹脂、及びビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール(ビフェニル型フェノール)等が挙げられ、これらの中でも、ビフェニル型フェノールを使用することが好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との反応性等の観点から、フェノール樹脂を併用することが好ましい。
フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリフェニルメタン型フェノール、テトラキスフェノール、ノボラック型フェノール、クレゾールノボラック樹脂、及びビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール(ビフェニル型フェノール)等が挙げられ、これらの中でも、ビフェニル型フェノールを使用することが好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との反応性等の観点から、フェノール樹脂を併用することが好ましい。
・ベンゾオキサジン樹脂
ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型ベンゾオキサジン化合物、ビスフェノールF型ベンゾオキサジン化合物、チオジフェノール型ベンゾオキサジン化合物、フェノールフタレイン型ベンゾオキサジン化合物、及びジシクロペンタジエン型ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。
これらのベンゾオキサジン樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型ベンゾオキサジン化合物、ビスフェノールF型ベンゾオキサジン化合物、チオジフェノール型ベンゾオキサジン化合物、フェノールフタレイン型ベンゾオキサジン化合物、及びジシクロペンタジエン型ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。
これらのベンゾオキサジン樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
・ビスマレイミド樹脂
ビスマレイミド樹脂としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、2,2'−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレンジマレイミド、及びN,N'−ヘキサメチレンジマレイミド等が挙げられる。
これらのビスマレイミド樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスマレイミド樹脂としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、2,2'−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレンジマレイミド、及びN,N'−ヘキサメチレンジマレイミド等が挙げられる。
これらのビスマレイミド樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
・シアネート樹脂
シアネート樹脂としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、及びテトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等が挙げられる。
これらのシアネート樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シアネート樹脂としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、及びテトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等が挙げられる。
これらのシアネート樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
封止樹脂30中における熱硬化性樹脂の含有量は、封止樹脂全体に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
本実施形態の半導体装置の製造方法において、封止樹脂30は、溶剤を含んでもよい。
半導体素子を封止樹脂で封止した状態の粘着シートは、加工性を良好にする観点から、封止樹脂が溶剤(つまり残留溶剤)を含むことが多い。封止樹脂が溶剤を含んだ状態の粘着シート10Aは、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに、より移行し易い構成となる。しかし、粘着シート10Aを用いて半導体装置を製造した場合には、半導体装置の製造工程において、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、複数の貫通孔13Aを通じて効率よく外部へ排出されると考えられる。その結果、粘着剤層12A中で生じ得る低分子量成分の発泡がより抑制され、製造工程中に被着体から粘着シート10Aがより剥がれにくくなると考えられる。
すなわち、本実施形態の半導体装置の製造方法において、熱硬化工程(封止樹脂を熱硬化させる工程)において、封止樹脂を熱硬化させる硬化温度は、溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。
半導体素子を封止樹脂で封止した状態の粘着シートは、加工性を良好にする観点から、封止樹脂が溶剤(つまり残留溶剤)を含むことが多い。封止樹脂が溶剤を含んだ状態の粘着シート10Aは、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに、より移行し易い構成となる。しかし、粘着シート10Aを用いて半導体装置を製造した場合には、半導体装置の製造工程において、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層12Aに移行し粘着剤層12A中で気化した場合でも、気化した低分子量成分が、複数の貫通孔13Aを通じて効率よく外部へ排出されると考えられる。その結果、粘着剤層12A中で生じ得る低分子量成分の発泡がより抑制され、製造工程中に被着体から粘着シート10Aがより剥がれにくくなると考えられる。
すなわち、本実施形態の半導体装置の製造方法において、熱硬化工程(封止樹脂を熱硬化させる工程)において、封止樹脂を熱硬化させる硬化温度は、溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。
封止樹脂30中における溶剤の含有量は、封止樹脂全体に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、より好ましくは1質量%以上7質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以上5質量%以下である。
溶剤の含有量が0.5質量%以上であると、加工性が良好になり、粘着シート10Aに柔軟性が付与され易い。
溶剤の含有量が10質量%以下であると、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、複数の貫通孔13Aを通じて、効率よく外部へ排出され易くなる。
溶剤の含有量が0.5質量%以上であると、加工性が良好になり、粘着シート10Aに柔軟性が付与され易い。
溶剤の含有量が10質量%以下であると、粘着剤層12A中で気化した低分子量成分が、複数の貫通孔13Aを通じて、効率よく外部へ排出され易くなる。
封止樹脂30は、熱硬化性樹脂及び溶剤以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、エラストマー、無機充填材、及び硬化促進剤等が挙げられる。
(補強部材貼着工程)
図4(D)には、封止体50に補強部材40を貼着させる工程を説明する平面図が示されている。
粘着シート10Aを剥離した後、露出した半導体チップCPの回路面に対して再配線層を形成する再配線工程及びバンプ付け工程が実施される。このような再配線工程及びバンプ付け工程における封止体50の取り扱い性を向上させるため、必要に応じて、封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。補強部材貼着工程を実施する場合には、粘着シート10Aを剥離する前に実施することが好ましい。図4(D)に示すように、封止体50は、粘着シート10A及び補強部材40によって挟まれた状態で支持されている。
図4(D)には、封止体50に補強部材40を貼着させる工程を説明する平面図が示されている。
粘着シート10Aを剥離した後、露出した半導体チップCPの回路面に対して再配線層を形成する再配線工程及びバンプ付け工程が実施される。このような再配線工程及びバンプ付け工程における封止体50の取り扱い性を向上させるため、必要に応じて、封止体50に補強部材40を貼着させる工程(補強部材貼着工程)を実施してもよい。補強部材貼着工程を実施する場合には、粘着シート10Aを剥離する前に実施することが好ましい。図4(D)に示すように、封止体50は、粘着シート10A及び補強部材40によって挟まれた状態で支持されている。
本実施形態では、補強部材40は、耐熱性の補強板41と、耐熱性の接着層42とを備える。補強板41としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂を含む板状の部材が挙げられる。接着層42は、補強板41と封止体50とを接着させる。接着層42としては、補強板41及び封止樹脂層30Aの材質に応じて適宜選択される。
補強部材貼着工程では、封止体50の封止樹脂層30Aと補強板41との間に接着層42を挟み込み、さらに補強板41側及び粘着シート10A側からそれぞれ板状部材で挟み込み、所定の温度、時間、及び圧力の条件下でプレスする第二加熱プレス工程を実施することが好ましい。第二加熱プレス工程により、封止体50と補強部材40とを仮固定する。第二加熱プレス工程の後に、接着層42を硬化させるために、仮固定された封止体50と補強部材40とを所定の温度及び時間の条件下で加熱することが好ましい。熱硬化の条件は、接着層42の材質に応じて適宜設定され、例えば、185℃、80分間、及び2.4MPaの条件である。第二加熱プレス工程においても、板状部材としては、例えば、ステンレス等の金属板を用いることができる。
(剥離工程)
図4(E)には、粘着シート10Aを剥離する工程を説明する平面図が示されている。
本実施形態では、粘着シート10Aの基材11Aが屈曲可能である場合、粘着シート10Aを屈曲させながら、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、特に限定されないが、90度以上の剥離角度θで粘着シート10Aを剥離することが好ましい。剥離角度θが90度以上であれば、粘着シート10Aを、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、90度以上180度以下が好ましく、135度以上180度以下がより好ましい。このように粘着シート10Aを屈曲させながら剥離を行うことで、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aにかかる負荷を低減しながらの剥離することができ、粘着シート10Aの剥離による、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aの損傷を抑制することができる。粘着シート10Aを剥離した後、前述の再配線工程及びバンプ付け工程等が実施される。粘着シート10Aの剥離後、再配線工程及びバンプ付け工程等の実施前に、必要に応じて、前述の補強部材貼着工程を実施してもよい。
図4(E)には、粘着シート10Aを剥離する工程を説明する平面図が示されている。
本実施形態では、粘着シート10Aの基材11Aが屈曲可能である場合、粘着シート10Aを屈曲させながら、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、特に限定されないが、90度以上の剥離角度θで粘着シート10Aを剥離することが好ましい。剥離角度θが90度以上であれば、粘着シート10Aを、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aから容易に剥離することができる。剥離角度θは、90度以上180度以下が好ましく、135度以上180度以下がより好ましい。このように粘着シート10Aを屈曲させながら剥離を行うことで、枠部材20、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aにかかる負荷を低減しながらの剥離することができ、粘着シート10Aの剥離による、半導体チップCP及び封止樹脂層30Aの損傷を抑制することができる。粘着シート10Aを剥離した後、前述の再配線工程及びバンプ付け工程等が実施される。粘着シート10Aの剥離後、再配線工程及びバンプ付け工程等の実施前に、必要に応じて、前述の補強部材貼着工程を実施してもよい。
補強部材40を貼着させた場合、再配線工程及びバンプ付け工程等が実施された後、補強部材40による支持が不要になった段階で、補強部材40を封止体50から剥離する。
その後、封止体50を半導体チップCP単位で個片化する(個片化工程)。封止体50を個片化させる方法は特に限定されない。例えば、前述の半導体ウエハをダイシングする際に使用した方法と同様の方法で個片化させることができる。封止体50を個片化させる工程は、封止体50をダイシングシート等に貼着させた状態で実施してもよい。封止体50を個片化することで、半導体チップCP単位の半導体パッケージが製造され、この半導体パッケージは、実装工程においてプリント配線基板等に実装される。
その後、封止体50を半導体チップCP単位で個片化する(個片化工程)。封止体50を個片化させる方法は特に限定されない。例えば、前述の半導体ウエハをダイシングする際に使用した方法と同様の方法で個片化させることができる。封止体50を個片化させる工程は、封止体50をダイシングシート等に貼着させた状態で実施してもよい。封止体50を個片化することで、半導体チップCP単位の半導体パッケージが製造され、この半導体パッケージは、実装工程においてプリント配線基板等に実装される。
本実施形態によれば、製造工程中に、被着体から剥がれにくい粘着シート10Aを用いて半導体装置を製造するため、製造効率及び歩留まりを向上できる半導体装置の製造方法が実現される。
〔実施形態の変形〕
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本発明に含まれる。なお、以下の説明では、前記実施形態で説明した部材等と同一であれば、同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本発明に含まれる。なお、以下の説明では、前記実施形態で説明した部材等と同一であれば、同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
また、粘着シートは、枚葉であってもよく、複数枚の粘着シートが積層された状態で提供されてもよい。この場合、複数枚の粘着シートが有する全ての基材が、厚さ方向に貫通孔を有していることが好ましい。
また、粘着シートは、長尺状のシートであってもよく、ロール状に巻き取られた状態で提供されてもよい。ロール状に巻き取られた粘着シートは、ロールから繰り出されて所望のサイズに切断する等して使用することができる。
また、粘着シートは、長尺状のシートであってもよく、ロール状に巻き取られた状態で提供されてもよい。ロール状に巻き取られた粘着シートは、ロールから繰り出されて所望のサイズに切断する等して使用することができる。
粘着シートの粘着剤層は、剥離シートによって覆われていてもよい。剥離シートとしては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、剥離シートは、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離シートは、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。剥離基材としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、並びにプラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、及びキャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びにポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、及びシリコーン系樹脂が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に限定されない。剥離シートの厚さは、通常、20μm以上200μm以下であり、25μm以上150μm以下であることが好ましい。
剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
剥離シートを有する粘着シートは、例えば、次のような工程を経て製造される。まず、剥離シートの上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、粘着剤層を形成する。次に、剥離シート上の粘着剤層と、基材とを貼り合わせる。
粘着シートが、例えば中間層としてオリゴマー封止層を有する場合には、基材の第一基材面にオリゴマー封止層を形成しておく。次に、剥離シート上の粘着剤層と、基材上のオリゴマー封止層とを貼り合わせる。
なお、貫通孔は、予め基材のみを厚さ方向に貫通するように形成してもよいし、剥離シートを有する粘着シート(粘着シートと剥離シートとの積層体)を得てから、粘着シートと剥離シートとの積層体のまま、当該積層体を厚さ方向に貫通するように貫通孔を形成してもよいし、粘着シート(つまり前記積層体から剥離シートを剥がした後の粘着シート)を厚さ方向に貫通するように貫通孔を形成してもよい。
粘着シートが、例えば中間層としてオリゴマー封止層を有する場合には、基材の第一基材面にオリゴマー封止層を形成しておく。次に、剥離シート上の粘着剤層と、基材上のオリゴマー封止層とを貼り合わせる。
なお、貫通孔は、予め基材のみを厚さ方向に貫通するように形成してもよいし、剥離シートを有する粘着シート(粘着シートと剥離シートとの積層体)を得てから、粘着シートと剥離シートとの積層体のまま、当該積層体を厚さ方向に貫通するように貫通孔を形成してもよいし、粘着シート(つまり前記積層体から剥離シートを剥がした後の粘着シート)を厚さ方向に貫通するように貫通孔を形成してもよい。
前記実施形態では、封止樹脂30の材質として熱硬化性樹脂である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、封止樹脂30は、紫外線等のエネルギー線で硬化するエネルギー線硬化性樹脂でもよい。
前記実施形態では、半導体装置の製造方法の説明において、枠部材20を粘着シート10Aに貼着させる態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。粘着シート10Aは、枠部材を用いずに半導体素子を封止する半導体装置の製造方法において使用されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
〔粘着シートの作製〕
(実施例1)
(実施例1)
(1)塗布用オリゴマー封止剤液の調製
下記(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、(C)多官能アミノ化合物及び(D)酸性触媒を配合し、十分に撹拌して、塗布用オリゴマー封止剤液(オリゴマー封止層用組成物)を調製した。
下記(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)ポリエステル化合物、(C)多官能アミノ化合物及び(D)酸性触媒を配合し、十分に撹拌して、塗布用オリゴマー封止剤液(オリゴマー封止層用組成物)を調製した。
(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物
DIC社製「EPICLON H−360」(商品名)、固形分濃度:40質量%、重量平均分子量:25000
DIC社製「EPICLON H−360」(商品名)、固形分濃度:40質量%、重量平均分子量:25000
(B)ポリエステル化合物
東洋紡績社製「バイロンGK680」(商品名)、数平均分子量:6000、ガラス転移温度:10℃
東洋紡績社製「バイロンGK680」(商品名)、数平均分子量:6000、ガラス転移温度:10℃
(C)多官能アミノ化合物
ヘキサメトキシメチルメラミン、日本サイテックインダストリーズ社製「サイメル303」(商品名)
ヘキサメトキシメチルメラミン、日本サイテックインダストリーズ社製「サイメル303」(商品名)
(D)酸性触媒
p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)
p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)
具体的には、上記(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物100質量部に、上記(B)ポリエステル化合物のトルエン希釈溶液(固形分濃度:30%)14.29質量部、及び上記(C)ヘキサメトキシメチルメラミン11.4質量部を加え、さらに、トルエン/メチルエチルケトン=50質量%/50質量%の混合溶剤で固形分が3質量%になるように希釈し、撹拌した。撹拌後の溶液に(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)を2.9質量部((A)ビスフェノールA型エポキシ化合物100質量部に対して)添加して、塗布用オリゴマー封止剤液を得た。
(2)オリゴマー封止層の作製
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製「ダイヤホイル T−100」(商品名)、厚さ50μm、100℃における貯蔵弾性率3.2×109Pa)を縦50mm×横50mmに裁断し、これを粘着シートの基材とした。
次に、調製した塗布用オリゴマー封止剤液を、フィルム(基材)の一方の面にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。塗布後のフィルムをオーブンの内部を通過させ、塗膜を熱硬化させて、中間層としての厚さ150nmのオリゴマー封止層を得た。オーブンにおける熱風の吹き出し条件としては、温度を150℃とし、風速を8m/minとし、オーブンにおける加工速度としては、塗布後のフィルムがオーブン内部を20秒で通過するように調整した。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製「ダイヤホイル T−100」(商品名)、厚さ50μm、100℃における貯蔵弾性率3.2×109Pa)を縦50mm×横50mmに裁断し、これを粘着シートの基材とした。
次に、調製した塗布用オリゴマー封止剤液を、フィルム(基材)の一方の面にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。塗布後のフィルムをオーブンの内部を通過させ、塗膜を熱硬化させて、中間層としての厚さ150nmのオリゴマー封止層を得た。オーブンにおける熱風の吹き出し条件としては、温度を150℃とし、風速を8m/minとし、オーブンにおける加工速度としては、塗布後のフィルムがオーブン内部を20秒で通過するように調整した。
(3)粘着剤組成物の作製
以下の材料(ポリマー、粘着助剤、架橋剤、及び希釈溶剤)を配合し、十分に撹拌して、実施例1に係る塗布用粘着剤液(粘着剤組成物)を調製した。
以下の材料(ポリマー、粘着助剤、架橋剤、及び希釈溶剤)を配合し、十分に撹拌して、実施例1に係る塗布用粘着剤液(粘着剤組成物)を調製した。
・ポリマー:アクリル酸エステル共重合体、40質量部(固形分)
アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸2−エチルヘキシル92.8質量%と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル7.0質量%と、アクリル酸0.2質量%とを共重合して調製した。
アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸2−エチルヘキシル92.8質量%と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル7.0質量%と、アクリル酸0.2質量%とを共重合して調製した。
・粘着助剤:両末端水酸基水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製;GI−1000〕、5質量部(固形分)
・架橋剤:ヘキサメチレンジイソシアネートを有する脂肪族系イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型変性体)〔日本ポリウレタン工業(株)製;コロネートHX〕、3.5質量部(固形分)
・希釈溶剤:メチルエチルケトンを用い、塗布用粘着剤液の固形分濃度は、30質量%に調製した。
(4)粘着剤層の作製
調製した塗布用粘着剤液を、コンマコーター(登録商標)を用いて、シリコーン系剥離層を設けた、縦50mm×横50mm×厚さ38μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム(剥離シートの一例))〔リンテック(株)製;SP−PET382150〕の剥離層面側に塗布し、90℃及び90秒間の加熱を行い、続いて115℃及び90秒間の加熱を行い、塗膜を乾燥させて、膜厚が50μmの粘着剤層を作製した。
調製した塗布用粘着剤液を、コンマコーター(登録商標)を用いて、シリコーン系剥離層を設けた、縦50mm×横50mm×厚さ38μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム(剥離シートの一例))〔リンテック(株)製;SP−PET382150〕の剥離層面側に塗布し、90℃及び90秒間の加熱を行い、続いて115℃及び90秒間の加熱を行い、塗膜を乾燥させて、膜厚が50μmの粘着剤層を作製した。
(5)積層体の作製
剥離フィルムの表面上に作製された粘着剤層と、基材の表面上に作製されたオリゴマー封止層とを貼り合わせた。その後、剥離フィルムを剥がし、貫通孔を形成する前の粘着シート(基材、オリゴマー封止層、及び粘着剤層からなる積層体)を得た。
なお、(5)積層体の作製において、粘着剤層と剥離フィルムとが貼り合わされた状態の積層体(基材、オリゴマー封止層、粘着剤層、及び剥離フィルムからなる積層体)を用いて、後述の(6)貫通孔の形成を実施してもよい。
剥離フィルムの表面上に作製された粘着剤層と、基材の表面上に作製されたオリゴマー封止層とを貼り合わせた。その後、剥離フィルムを剥がし、貫通孔を形成する前の粘着シート(基材、オリゴマー封止層、及び粘着剤層からなる積層体)を得た。
なお、(5)積層体の作製において、粘着剤層と剥離フィルムとが貼り合わされた状態の積層体(基材、オリゴマー封止層、粘着剤層、及び剥離フィルムからなる積層体)を用いて、後述の(6)貫通孔の形成を実施してもよい。
(6)貫通孔の形成
炭酸ガス(CO2)レーザー加工装置(松下電器製、YB−HCS03T04、波長10.6μm)を用いて、上記(5)で得た積層体の粘着剤層側からレーザーを入射し、図5に示すように、粘着剤層面の孔径(貫通孔の直径)が50μmφ、貫通孔同士の間隔が10mmとなるように貫通孔を形成し、実施例1の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.00196%であった。SBは基材の面積であり、SHは複数の貫通孔の合計面積である。
炭酸ガス(CO2)レーザー加工装置(松下電器製、YB−HCS03T04、波長10.6μm)を用いて、上記(5)で得た積層体の粘着剤層側からレーザーを入射し、図5に示すように、粘着剤層面の孔径(貫通孔の直径)が50μmφ、貫通孔同士の間隔が10mmとなるように貫通孔を形成し、実施例1の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.00196%であった。SBは基材の面積であり、SHは複数の貫通孔の合計面積である。
(実施例2)
上記(5)で得た積層体の粘着剤層側からレーザーを入射し、図6に示すように、粘着剤層面の孔径(貫通孔の直径)が100μmφ、貫通孔同士の間隔が5.0mmとなるように貫通孔を形成し、実施例2の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.0254%であった。
上記(5)で得た積層体の粘着剤層側からレーザーを入射し、図6に示すように、粘着剤層面の孔径(貫通孔の直径)が100μmφ、貫通孔同士の間隔が5.0mmとなるように貫通孔を形成し、実施例2の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.0254%であった。
(実施例3)
貫通孔同士の間隔が1.0mmとなるように貫通孔を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.196%であった。
貫通孔同士の間隔が1.0mmとなるように貫通孔を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の粘着シートを得た。なお、粘着シートにおける(SH/SB)×100は、0.196%であった。
(比較例1)
上記(5)で得た積層体を、比較例1の粘着シートとした。すなわち、比較例1の粘着シートは、積層体の厚さ方向に貫通孔を形成していない粘着シートとした。
上記(5)で得た積層体を、比較例1の粘着シートとした。すなわち、比較例1の粘着シートは、積層体の厚さ方向に貫通孔を形成していない粘着シートとした。
表1に、各例で得られた粘着シートの構成を示す。なお、表1中、「PET」は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
各例で得られた粘着シートを用いて、ブリスター性試験サンプルを作製した。
<ブリスター性試験サンプルの作製>
(試験サンプル1)
銅張積層板(日立化成工業株式会社:MCL−E−679FG)の銅箔をエッチバックし、厚さ0.16mmのガラスエポキシ基板を得た。このガラスエポキシ基板を縦50mm×横50mmに裁断した。
実施例1の粘着シート(縦50mm×横50mm)を、ゴムローラーを使って、ガラスエポキシ基板に貼合した後、加熱真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ株式会社:真空ラミネーターV−130)を用いて、100℃、2気圧、120秒保持の条件で加熱加圧貼合し、これを試験サンプル1とした。
(試験サンプル1)
銅張積層板(日立化成工業株式会社:MCL−E−679FG)の銅箔をエッチバックし、厚さ0.16mmのガラスエポキシ基板を得た。このガラスエポキシ基板を縦50mm×横50mmに裁断した。
実施例1の粘着シート(縦50mm×横50mm)を、ゴムローラーを使って、ガラスエポキシ基板に貼合した後、加熱真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ株式会社:真空ラミネーターV−130)を用いて、100℃、2気圧、120秒保持の条件で加熱加圧貼合し、これを試験サンプル1とした。
(試験サンプル2)
実施例1の粘着シートを実施例2の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル2を作製した。
実施例1の粘着シートを実施例2の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル2を作製した。
(試験サンプル3)
実施例1の粘着シートを実施例3の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル3を作製した。
実施例1の粘着シートを実施例3の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル3を作製した。
(試験サンプル1C)
実施例1の粘着シートを比較例1の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル1Cを作製した。
実施例1の粘着シートを比較例1の粘着シートに変更したこと以外は、試験サンプル1と同様にして試験サンプル1Cを作製した。
〔耐ブリスター性評価〕
試験サンプル1〜3及び1Cを用いて、以下に示す試験方法A及びBに従って耐ブリスター性評価を行った。結果を表2に示す。
本評価では、低沸点の低分子量成分(本評価では水を使用)に起因する浮きの発生の有無を評価した。
試験サンプル1〜3及び1Cを用いて、以下に示す試験方法A及びBに従って耐ブリスター性評価を行った。結果を表2に示す。
本評価では、低沸点の低分子量成分(本評価では水を使用)に起因する浮きの発生の有無を評価した。
−試験方法A(常圧加熱試験)−
試験サンプルを80℃の温水に30分間含浸させた後、加熱テーブルにおいて常温(25℃)から130℃まで昇温した(昇温速度5℃/分)。130℃到達後に5分間温度を保持した。その後、以下の評価基準に基づき、ガラスエポキシ基板と粘着シートとの密着状態を目視により評価した。
試験サンプルを80℃の温水に30分間含浸させた後、加熱テーブルにおいて常温(25℃)から130℃まで昇温した(昇温速度5℃/分)。130℃到達後に5分間温度を保持した。その後、以下の評価基準に基づき、ガラスエポキシ基板と粘着シートとの密着状態を目視により評価した。
−試験方法B(減圧加熱試験)−
試験サンプルを80℃の温水に30分間含浸させた後、減圧加熱オーブンに投入し、ロータリーポンプで0.01気圧まで減圧した後、常温(25℃)から130℃まで昇温した(昇温速度5℃/分)。130℃到達後に5分間温度を保持した。その後、以下の評価基準に基づき、ガラスエポキシ基板と粘着シートとの密着状態を目視により評価した。
試験サンプルを80℃の温水に30分間含浸させた後、減圧加熱オーブンに投入し、ロータリーポンプで0.01気圧まで減圧した後、常温(25℃)から130℃まで昇温した(昇温速度5℃/分)。130℃到達後に5分間温度を保持した。その後、以下の評価基準に基づき、ガラスエポキシ基板と粘着シートとの密着状態を目視により評価した。
・評価基準
A(○)…浮き及び剥がれが全くなかった。
B(△)…一部に浮きが発生する、または一部が剥がれた。
C(×)…全面が剥がれた。
A(○)…浮き及び剥がれが全くなかった。
B(△)…一部に浮きが発生する、または一部が剥がれた。
C(×)…全面が剥がれた。
実施例1〜3の粘着シートを用いて作製した試験サンプル1〜3は、比較例1の粘着シートを用いた試験サンプル1Cに比べ、常圧加熱試験及び減圧加熱試験のどちらにおいても耐ブリスター性が良好であった。
次に、実施例1で得られた粘着シートを用いて、ガス発生(ガス抜け性)評価サンプル(以下、ガス発生評価サンプルと称する)を作製した。
<ガス発生評価サンプルの作製>
実施例1の粘着シートの粘着剤層の上に、2mm幅の格子状のガラスエポキシ基板フレーム(縦50mm×横50mm)を貼付した後に、基板フレーム上に、封止樹脂としてフィルム状エポキシ系樹脂サンプル(厚さ50μm)を積層し、加熱真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ株式会社:真空ラミネーターV−130)を用いて、100℃、2気圧、120秒保持の条件で加熱加圧貼合した。これをガス発生評価サンプルとした。
実施例1の粘着シートの粘着剤層の上に、2mm幅の格子状のガラスエポキシ基板フレーム(縦50mm×横50mm)を貼付した後に、基板フレーム上に、封止樹脂としてフィルム状エポキシ系樹脂サンプル(厚さ50μm)を積層し、加熱真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ株式会社:真空ラミネーターV−130)を用いて、100℃、2気圧、120秒保持の条件で加熱加圧貼合した。これをガス発生評価サンプルとした。
〔ガス発生評価〕
ガス発生評価サンプルを用いてガス発生評価を行った。結果を表3に示す。
フィルム状エポキシ系樹脂(封止樹脂)を加熱硬化させるために、100℃×30分、180℃×30分、190℃×60分の順でステップキュアを行った。このステップキュアの工程中に、フィルム状エポキシ系樹脂中に含まれる低分子量成分の発ガス成分による粘着テープの浮き剥がれを、以下の評価基準に基づき目視により確認した。
ガス発生評価サンプルを用いてガス発生評価を行った。結果を表3に示す。
フィルム状エポキシ系樹脂(封止樹脂)を加熱硬化させるために、100℃×30分、180℃×30分、190℃×60分の順でステップキュアを行った。このステップキュアの工程中に、フィルム状エポキシ系樹脂中に含まれる低分子量成分の発ガス成分による粘着テープの浮き剥がれを、以下の評価基準に基づき目視により確認した。
・評価基準
A(○)…浮き及び剥がれが全くなかった。
B(△)…一部に浮きが発生する、または一部が剥がれた。
C(×)…全面が剥がれた。
A(○)…浮き及び剥がれが全くなかった。
B(△)…一部に浮きが発生する、または一部が剥がれた。
C(×)…全面が剥がれた。
実施例1の粘着シートを用いて作製したガス発生評価サンプルは、ステップキュアにて封止樹脂を硬化させても粘着シートの浮きも剥がれも生じなかった。
これは、ステップキュアの工程中に発生した封止樹脂中の低分子量成分(発ガス成分)が、粘着シートに設けられた貫通孔を通じて外部に排出されたためと考えられる。
これは、ステップキュアの工程中に発生した封止樹脂中の低分子量成分(発ガス成分)が、粘着シートに設けられた貫通孔を通じて外部に排出されたためと考えられる。
以上のことから、本実施例の粘着シートによれば、半導体素子を封止する際に、封止樹脂中の低分子量成分が粘着剤層に移行した場合でも、低分子量成分が粘着シートに設けられた貫通孔を通じて外部に排出され、その結果、被着体から剥がれにくくなると考えられる。
10,10A,10B…粘着シート、11,11A,11B…基材、11a,11c,11e…第一基材面、11b,11d,11f…第二基材面、12,12A,12B…粘着剤層、13,13A,13B…貫通孔、14…オリゴマー封止層、20…枠部材、21…開口部、30…封止樹脂、30A…封止樹脂層、40…補強部材、41…補強板、42…接着層、50…封止体。
Claims (12)
- 粘着シート上の半導体素子を封止樹脂で封止する際に使用される粘着シートであって、
厚さ方向に複数の貫通孔を有する基材と、
粘着剤を含む粘着剤層と、を有する、
粘着シート。 - 前記粘着剤層の一部が、前記封止樹脂の一部に接触して用いられる、
請求項1に記載の粘着シート。 - 前記貫通孔は、さらに前記粘着剤層を厚さ方向に貫通している、
請求項1または請求項2に記載の粘着シート。 - 前記基材及び前記粘着剤層の間に中間層が設けられ、
前記貫通孔は、さらに前記中間層を厚さ方向に貫通している、
請求項3に記載の粘着シート。 - 前記基材に対して前記粘着剤層とは反対側から見たときに、前記基材の面積SBと、複数の前記貫通孔の合計面積SHとが、下記式(1)の関係を満たす、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の粘着シート。
0.001≦(SH/SB)×100≦20 …(1) - 前記半導体素子を前記封止樹脂で封止する際には、前記半導体素子を含む被着体が前記粘着剤層に貼着されており、
複数の前記貫通孔は、前記被着体が貼着される予定の貼着予定領域において選択的に形成されている、
請求項3または請求項4に記載の粘着シート。 - 前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤組成物を含有し、
前記アクリル系粘着剤組成物は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするアクリル系共重合体を含む、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の粘着シート。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の粘着シートの上に、前記半導体素子を貼着させる工程と、
貼着された前記半導体素子を、前記封止樹脂で覆う工程と、
前記封止樹脂を熱硬化させる工程と、を有する、
半導体装置の製造方法。 - 前記半導体素子を貼着させる工程において、前記貫通孔が形成された領域と対応する位置に前記半導体素子を貼着し、貼着された前記半導体素子で前記貫通孔を塞ぐ、
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記封止樹脂は、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、及びシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
請求項8または請求項9に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記封止樹脂は、溶剤を含む、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記封止樹脂を熱硬化させる工程において、前記封止樹脂を熱硬化させる硬化温度は、前記溶剤の沸点よりも高い、
請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018018466A JP2019135753A (ja) | 2018-02-05 | 2018-02-05 | 粘着シート及び半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018018466A JP2019135753A (ja) | 2018-02-05 | 2018-02-05 | 粘着シート及び半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019135753A true JP2019135753A (ja) | 2019-08-15 |
Family
ID=67624159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018018466A Pending JP2019135753A (ja) | 2018-02-05 | 2018-02-05 | 粘着シート及び半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019135753A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005239956A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Lintec Corp | 粘着シート |
JP2014210909A (ja) * | 2013-04-02 | 2014-11-13 | 日東電工株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
JP2015168711A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
-
2018
- 2018-02-05 JP JP2018018466A patent/JP2019135753A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005239956A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Lintec Corp | 粘着シート |
JP2014210909A (ja) * | 2013-04-02 | 2014-11-13 | 日東電工株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
JP2015168711A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6853731B2 (ja) | 粘着シート | |
TWI675900B (zh) | 保護膜形成用複合片 | |
JP6268329B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP6220487B1 (ja) | 粘着シート | |
JP6719476B2 (ja) | 粘着シート | |
JP6220488B1 (ja) | 粘着シート | |
JP2017082104A (ja) | 粘着シート及び半導体装置製造方法 | |
TW201802898A (zh) | 半導體加工用板片 | |
KR102630308B1 (ko) | 점착 시트 및 반도체 장치의 제조 방법 | |
TW201802897A (zh) | 半導體加工用板片 | |
JP6713471B2 (ja) | 粘着シート | |
JP2019135753A (ja) | 粘着シート及び半導体装置の製造方法 | |
WO2017038919A1 (ja) | 粘着シート | |
JP7448441B2 (ja) | 保護膜形成用シートおよびその製造方法 | |
WO2019130539A1 (ja) | 粘着シート及び半導体装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211019 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220412 |