WO2019087864A1 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

操舵制御装置(50)は、モータ(40)の駆動を制御するマイコン(51)を備えている。マイコン(51)は、基本アシスト成分(Tb*)を演算する基本アシスト成分演算部(70)と、角度指令値(θp*)を演算する角度指令値演算部(71)、ピニオン角(θp)を角度指令値(θp*)に追従させる角度フィードバック制御を通じてアシスト指令値(Ta*)を演算する角度F/B制御部(72)、アシスト指令値(Ta*)に基づきモータ制御信号(S_m)を生成する制御信号生成部(55)を有している。基本アシスト成分演算部(70)は、運転者が入力すべき操舵トルク(Trq)の目標値であるトルク指令値(Th*)を演算するトルク指令値演算部(74)、操舵トルク(Trq)をトルク指令値(Th*)に追従させるトルクフィードバック制御を通じて基本アシスト成分(Tb*)を演算するトルクF/B制御部(75)を有している。

Description

操舵制御装置
 本発明は、操舵制御装置に関する。
 例えば、特許文献1には、車両の操舵機構にモータのトルクをアシスト力として付与する電動パワーステアリング装置が開示されている。この電動パワーステアリング装置の操舵制御装置は、運転者が入力する操舵トルクに基づき演算されるアシスト力の基礎成分である第1アシスト成分と、車両の転舵輪の転舵角を転舵角指令値にフィードバック制御して得られる第2アシスト成分とを加算したアシスト指令値に応じたアシスト力を付与するべく制御する。これにより、操舵機構にモータのトルクをアシスト力として付与する際、転舵輪からの逆入力振動の抑制を実現している。
 さらに、上記操舵制御装置では、運転者がステアリング操作のために操舵トルクを入力することによって運転者の感じる操舵反力を適正化するべく演算されるアシスト補償成分を含む基本駆動トルクに基づいて、転舵角指令値を演算するようにしている。このアシスト補償成分は、運転者が入力すべき操舵トルクを、アシスト力の基礎成分である第1アシスト成分と、アシスト補償成分と、操舵トルクとを加算して得られる基本駆動トルク、すなわち操舵機構に入力されるトルクに基づき演算されるトルク指令値にトルクフィードバック制御を実行することによって演算されるものである。これにより、アシスト補償成分に基づき転舵角指令値が変化し、当該変化に基づきアシスト力が変化するように構成している。
特開2014-223832号公報
 特許文献1に記載の操舵制御装置では、運転者が入力すべき操舵トルクと、当該操舵トルクに対する電動パワーステアリング装置(車両)の出力である転舵輪の転舵角との関係により示される操舵特性を最適化する場合、第1アシスト成分と、第2アシスト成分とをそれぞれ調整する必要がある。第2アシスト成分を演算する演算部について言えば、当該第2アシスト成分の基となるアシスト補償成分Tacは、第1アシスト成分の調整の影響を受け得るので、当該第1アシスト成分との間で相互に調整を図る必要がある。この場合、操舵制御装置の最適な操舵特性への調整を容易にする観点で、改善の余地がある。
 本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、最適な操舵特性への調整を容易にする操舵制御装置を提供することにある。
 上記課題を解決する操舵制御装置は、車両の転舵輪を転舵させるべく操舵機構を操舵するために運転者が入力する操舵トルクに基づいて、前記操舵機構に付与するアシスト力の発生源であるモータの駆動を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記操舵トルクに基づいて、前記モータに発生させるべき前記アシスト力の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、前記操舵トルク及び前記基本アシスト成分の加算値である前記操舵機構に入力される駆動トルクに基づいて、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転軸の回転角度の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、前記回転角度を前記角度指令値に追従させるべく角度フィードバック制御の実行により前記アシスト力の目標値に対応するアシスト指令値を演算する角度フィードバック制御部と、前記アシスト指令値に基づいて、前記モータの駆動に必要なモータ制御信号を生成する制御信号生成部と、を含み、前記基本アシスト成分演算部は、前記駆動トルクに基づき運転者が入力すべき前記操舵トルクの目標値に対応するトルク指令値を演算するトルク指令値演算部と、前記操舵トルクを前記トルク指令値に追従させるべくトルクフィードバック制御の実行により前記基本アシスト成分を演算するトルクフィードバック制御部と、を有するようにしている。
 上記構成によれば、基本アシスト成分は、運転者が入力すべき操舵トルクを、操舵機構に入力される駆動トルクに基づき演算されるトルク指令値にトルクフィードバック制御を実行することによって演算される。このように演算される基本アシスト成分は、角度指令値を演算するのに用いられるものであり、角度指令値を変化させ、当該変化に基づきアシスト力を変化させるように機能する。これにより、基本アシスト成分は、運転者が入力すべき操舵トルクを、駆動トルクに応じた適切な操舵トルクに維持させるように作用するアシスト力として操舵機構に付与される。つまり、運転者が入力すべき操舵トルクと、当該操舵トルクに対する車両の出力である転舵輪の転舵角(回転軸の回転角度)に関わる操舵特性を最適化する場合、基本アシスト成分演算部のトルク指令値演算部の調整を通じて基本アシスト成分を調整すれば済むようになる。したがって、最適な操舵特性への調整については、基本アシスト成分を調整すればよく、他の成分との間で相互に調整を図る必要がある場合と比較して、調整を容易にすることができる。
 ここで、実際の車両において、駆動トルクと、回転角度との関係は、車両や当該車両の操舵機構の状態によって変化し得るので、実際の状態に基づいて、角度指令値を演算する場合には、車両や当該車両の操舵機構に作用する外乱の影響を受け易くなっている。
 そこで、上記操舵制御装置において、前記角度指令値演算部は、前記駆動トルクと、前記回転角度とを関係づけるように表現されるモデル式に基づいて、前記角度指令値を演算することが好ましい。
 上記構成によれば、角度指令値演算部は、駆動トルクと、回転角度とをモデル式にて関係づけているので、車両や当該車両の操舵機構に外乱が作用していたとしてもその影響を抑えるかたちで角度指令値を演算することができるようになる。これにより、操舵制御装置では、車両や当該車両の操舵機構に作用する外乱の影響を受け難くなり、当該外乱に対するロバスト性を高くすることができる。したがって、操舵特性の変動を抑えることができ、最適化した操舵特性の再現性を高めることができる。
 また、上記操舵制御装置において、前記角度指令値演算部は、前記アシスト指令値を車両や当該車両の操舵機構の状態に適正化するべく補償する補償成分を演算する補償成分演算部を有していることが好ましい。
 上記構成によれば、車両や当該車両の操舵機構の動作(振る舞い)に関わる動特性を補償する補償成分については、モデル式を考慮して角度指令値を演算する角度指令値演算部で纏めて演算されるように構成することができる。つまり、動特性を最適化する場合、角度指令値演算部の調整を通じて補償成分を調整すれば済むようになる。したがって、最適な動特性への調整については、角度指令値演算部の補償成分を調整すればよく、他の成分との間で相互に調整を図る必要がある場合と比較して、調整を容易にすることができる。
 本発明によれば、最適な操舵特性への調整を容易にすることができる。
電動パワーステアリング装置についてその概略を示す図。 同電動パワーステアリング装置についてその電気的構成とともに、その操舵制御装置におけるマイコンの機能を示すブロック図。 同マイコンについてそのアシスト指令値演算部の角度指令値演算部の機能を示すブロック図。 同角度指令値演算部についてその粘性制御演算部の機能を示すブロック図。 同粘性制御演算部についてその切り戻り用補償成分演算部の操作状態判定部の判定方法を説明する図。 同操舵制御装置についてその機能を運転者の運転を支援する運転支援装置に拡張した際のマイコンの機能を示すブロック図。 (a)~(c)は、同運転支援装置に拡張した際の具体化の例を示すブロック図。
 以下、操舵制御装置の一実施形態を説明する。
 図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
 操舵機構2は、ステアリングホイール10と、ステアリングホイール10と固定されたステアリングシャフト11とを備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11bと、インターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cとを有している。ピニオンシャフト11cの下端部は、ラックアンドピニオン機構13を介して転舵軸としてのラックシャフト12に連結されている。なお、ラックシャフト12は、ラックハウジング16に支持されている。ラックシャフト12の両端には、タイロッド14を介して、左右の転舵輪15が連結されている。したがって、ステアリングホイール10、すなわちステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11c及びラックシャフト12からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して、転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角θtが変化する。
 ラックシャフト12の周囲には、アシスト機構3を構成する要素として、操舵機構2に対して付与する動力(アシスト力)の発生源であるモータ40が設けられている。例えば、モータ40は、3相(U,V,W)の駆動電力に基づいて回転する3相ブラシレスモータである。モータ40は、ラックハウジング16に対してその外部から取り付けられている。また、ラックハウジング16の内部には、アシスト機構3を構成する要素として、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構20と、モータ40の出力軸40aの回転力をボールねじ機構20に伝達するベルト式減速機構30とが設けられている。モータ40の出力軸40aの回転力は、ベルト式減速機構30及びボールねじ機構20を介して、ラックシャフト12を軸方向に往復直線運動させる力に変換される。このラックシャフト12に付与される軸方向の力が動力(アシスト力)となり、転舵輪15の転舵角θtを変化させる。
 図1に示すように、モータ40には、当該モータ40の駆動を制御する操舵制御装置50が接続されている。操舵制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づき、モータ40の制御量である電流の供給を制御することによって、モータ40の駆動を制御する。各種のセンサとしては、例えば、トルクセンサ60、回転角センサ61、及び車速センサ62がある。トルクセンサ60は、ピニオンシャフト11cに設けられている。回転角センサ61は、モータ40に設けられている。トルクセンサ60は、運転者のステアリングの操作によりステアリングシャフト11に変化を伴って生じる操作状態量である操舵トルクTrqを検出する。回転角センサ61は、モータ40の出力軸40aの回転角度θmを検出する。車速センサ62は、車両の走行速度である車速値Vを検出する。
 次に、電動パワーステアリング装置1の電気的構成について説明する。
 図2に示すように、操舵制御装置50は、モータ40の駆動に必要なモータ制御信号S_mを生成するマイコン(マイクロコンピュータ)51と、そのモータ制御信号S_mに基づいてモータ40に電流を供給する駆動回路52とを有している。マイコン51は、トルクセンサ60、回転角センサ61、車速センサ62の検出結果や、駆動回路52とモータ40との間の給電経路に設けられた電流センサ53により検出されるモータ40の実電流Iを取り込む。そして、マイコン51は、モータ制御信号S_mを生成し、PWM信号として駆動回路52に対して出力する。本実施形態において、マイコン51は制御部の一例である。
 次に、マイコン51の機能について詳しく説明する。マイコン51は、図示しない中央処理装置(CPU(Central Processing Unit))及びメモリをそれぞれ備えており、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することによって、モータ40の駆動が制御される。
 マイコン51は、アシスト指令値演算部54、制御信号生成部55、及びピニオン角演算部56を有している。アシスト指令値演算部54には、車速値V、操舵トルクTrq、及びピニオン角θpがそれぞれ入力される。本実施形態において、ピニオン角θpは、転舵輪15の転舵角θtに換算可能な回転角度であり、ピニオン角演算部56によって回転角度θmに基づいてピニオンシャフト11cにおけるトルクセンサ60よりも転舵輪15側の部位の回転角度として演算(生成)されるものである。ピニオン角演算部56は、ベルト式減速機構30の減速比と、ボールねじ機構20のリードとに応じて定められている換算係数を回転角度θmに乗算することによってピニオン角θpを得られる。
 そして、アシスト指令値演算部54は、車速値V、操舵トルクTrq、及びピニオン角θpに基づいて、モータ40に発生させるべきアシスト力に対応した電流量の目標値であるアシスト指令値Ta*を演算する。
 制御信号生成部55には、アシスト指令値演算部54で演算されたアシスト指令値Ta*、回転角度θm、及び実電流Iがそれぞれ入力される。制御信号生成部55は、回転角度θm及び実電流Iに基づいて、当該実電流Iをアシスト指令値Ta*に追従させるべく電流フィードバック制御の実行によりモータ制御信号S_mを生成し、PWM信号として駆動回路52に対して出力する。
 ここで、アシスト指令値演算部54の機能についてさらに詳しく説明する。
 図2に示すように、アシスト指令値演算部54は、基本アシスト成分Tb*を演算(生成)する基本アシスト成分演算部70を有している。また、アシスト指令値演算部54は、角度指令値θp*を演算(生成)する角度指令値演算部71と、アシスト指令値Ta*を演算(生成)する角度フィードバック制御部(以下「角度F/B制御部」という)72と、摩擦成分Tf*を演算(生成)する摩擦補償制御部73とを有している。
 基本アシスト成分演算部70には、車速値V、操舵トルクTrq、及び摩擦成分Tf*がそれぞれ入力される。基本アシスト成分演算部70は、車速値V、操舵トルクTrq、及び摩擦成分Tf*に基づいて、アシスト指令値Ta*の基礎成分である基本アシスト成分Tb*を演算して生成するべく機能するトルク指令値演算部74と、トルクフィードバック制御部(以下「トルクF/B制御部」という)75とを有している。
 具体的には、トルク指令値演算部74には、操舵トルクTrqに基づいて演算される駆動トルクTcと、車速値Vとがそれぞれ入力される。トルク指令値演算部74は、駆動トルクTc及び車速値Vに基づいて、運転者が入力すべき操舵トルクTrqの目標値であるトルク指令値Th*を演算して生成する。本実施形態において、駆動トルクTcは、操舵機構2(ステアリングシャフト11やラックシャフト12)に入力されるトルクの合算であり、加算処理部76によって操舵トルクTrq及び基本アシスト成分Tb*の加算値として得られる(Tc=Trq+Tb*)。なお、トルク指令値演算部74は、駆動トルクTcの絶対値が大きいほど、車速値Vが小さいほど、より大きな絶対値となるトルク指令値Th*を演算する。このトルク指令値Th*は、摩擦補償制御部73で生成された摩擦成分Tf*が加算処理部77によって加算されて補償されている。
 摩擦補償制御部73は、車速値V及びピニオン角θpに基づいて、操舵機構2に入力されるトルクに対する摩擦(反力)である摩擦成分Tf*を演算して生成する。なお、摩擦補償制御部73は、ステアリングホイール10の切り込み時には、ピニオン角θpの絶対値が大きいほど、より大きな絶対値となる摩擦成分Tf*を演算するとともに、ピニオン角θpに対する摩擦成分Tf*の変化率の絶対値が小さくなるように摩擦成分Tf*を演算する。また、摩擦補償制御部73は、ステアリングホイール10の切り戻し時には、ピニオン角θpの絶対値に比例して大きい絶対値となる摩擦成分Tf*を演算する。そして、摩擦補償制御部73は、操舵方向の変化や上記切り込みの状況であるか上記切り戻しの状況であるか判断して、運転者に滑らかな操舵感を与えるために、運転者の操舵に適したヒステリシス特性を有する操舵反力を与える観点に基づいて摩擦成分Tf*を演算する。また、摩擦補償制御部73は、車速値Vが大きいほど、より小さな絶対値となる摩擦成分Tf*を演算する。
 摩擦補償制御部73の処理を通じて生成された摩擦成分Tf*は、加算処理部77において加算されることによって、運転者が入力すべき操舵トルクTrqの成分としてトルク指令値Th*に反映される。
 トルクF/B制御部75には、摩擦成分Tf*による補償後のトルク指令値Th*に基づいて演算されるトルク偏差ΔTrqが入力される。トルクF/B制御部75は、トルク偏差ΔTrqに基づいて、基本アシスト成分Tb*を演算して生成する。本実施形態において、トルク偏差ΔTrqは、トルク指令値Th*に対する操舵トルクTrqの偏差であり、減算処理部78によってトルク指令値Th*から操舵トルクTrqを減算した減算値として得られる(ΔTrq=Th*-Trq)。そして、トルクF/B制御部75は、トルク偏差ΔTrqに基づいて、操舵トルクTrqをトルク指令値Th*に追従させるべくトルクフィードバック制御の実行により基本アシスト成分Tb*を演算して生成する。
 角度指令値演算部71には、基本アシスト成分演算部70で生成された基本アシスト成分Tb*とともに、車速値V、操舵トルクTrq、及びピニオン角θpがそれぞれ入力される。角度指令値演算部71は、基本アシスト成分Tb*、車速値V、操舵トルクTrq、及びピニオン角θpに基づいて、ピニオン角θpの目標値である角度指令値θp*を演算して生成するべく機能する目標モデル演算部80を有している。
 具体的には、図3に示すように、目標モデル演算部80には、基本アシスト成分Tb*及び操舵トルクTrqを加算処理部81で加算して得られる駆動トルクTc(=Trq+Tb*)が入力される。駆動トルクTcは、ピニオンシャフト11cに伝達される入力トルクと見なせる。目標モデル演算部80は、駆動トルクTcに基づいて、角度指令値θp*を演算する。ここでは、駆動トルクTcと、角度指令値θp*とを関係づける以下の式(c1)にて表現されるモデル式を利用する。
 Tc=K・θp*+C・θp*’+J・θp*’’ …(c1)
 上記の式(c1)にて表現されるモデルは、ステアリングホイール10の回転に伴って回転するピニオンシャフト11cの入力トルク(駆動トルク)とその回転角度(ピニオン角)との関係を定める理想モデルである。上記の式(c1)において、粘性係数Cは、電動パワーステアリング装置の摩擦等をモデル化したものであり、慣性係数Jは、電動パワーステアリング装置の慣性をモデル化したものであり、バネ係数Kは、電動パワーステアリング装置が搭載される車両のサスペンションやホイールアライメント等の仕様をモデル化したものである。
 本実施形態において、目標モデル演算部80は、上記の式(c1)の慣性項「J・θp*’’」に対応する慣性制御演算部82と、上記の式(c1)の粘性項「C・θp*’」に対応する粘性制御演算部83と、上記の式(c1)のバネ項「K・θp*」に対応するバネ特性制御演算部84とを有している。そして、目標モデル演算部80では、減算処理部85によって駆動トルクTcから粘性制御演算部83で生成された粘性成分Tvi*及びバネ特性制御演算部84で生成されたバネ成分Tsp*を減算して得られる慣性項が演算されて生成され、慣性制御演算部82に入力される。慣性制御演算部82は、慣性項を車速値Vに応じて設定される慣性係数Jで除算することによって得られる角加速度指令値αp*(角度指令値θp*の二階時間微分値(θp’’))を演算して生成する。
 また、目標モデル演算部80は、慣性制御演算部82で生成された角加速度指令値αp*を積分処理部86で積分することによって得られる角速度指令値ωp*(角度指令値θp*の一階時間微分値(θp’))を演算して生成する。また、目標モデル演算部80は、積分処理部86で生成された角速度指令値ωp*を積分処理部87で積分することによって得られる角度指令値θp*を演算して生成する。
 粘性制御演算部83には、目標モデル演算部80で生成された角速度指令値ωp*及び角度指令値θp*とともに、車速値V及び操舵トルクTrqがそれぞれ入力される。粘性制御演算部83は、角速度指令値ωp*に対して車速値Vに応じて設定される粘性係数Cを乗算することによって得られる基本粘性成分Tvib*と、当該基本粘性成分Tvib*を車両や操舵機構2の状態に適正化するべく補償する補償成分として、ダンピング補償成分Td*とを含む粘性成分Tvi*を演算して生成する。ダンピング補償成分Td*は、ステアリングホイール10の回転角度である操舵角θs(図1に示す)の急変(小刻みな振動)を抑えるように補償するための補償成分である。粘性成分Tvi*の演算の詳細については後で詳しく説明する。
 バネ特性制御演算部84には、目標モデル演算部80で生成された角度指令値θp*とともに、車速値V及びピニオン角θpがそれぞれ入力される。バネ特性制御演算部84は、角度指令値θp*に対して車速値V及びピニオン角θpに応じて設定されるバネ係数Kを乗算することによって得られるバネ成分Tsp*を演算して生成する。バネ成分Tsp*は、転舵角θtに対する転舵輪15を転舵させるのに必要なトルクを運転者に入力させるべくピニオン角θpに応じてバネ係数Kと、車速値Vとの関係を変更するように構成されている。
 図2の説明に戻り、角度F/B制御部72には、角度指令値演算部71で生成された角度指令値θp*とともに、ピニオン角θpがそれぞれ入力される。角度F/B制御部72は、角度偏差Δθpに基づいて、アシスト指令値Ta*を演算して生成する。本実施形態において、角度偏差Δθpは、角度指令値θp*に対するピニオン角θpの偏差であり、角度指令値θp*からピニオン角θpを減算した減算値として得られる(Δθp=θp*-θp)。そして、角度F/B制御部72は、角度偏差Δθpに基づいて、ピニオン角θpを角度指令値θp*に追従させるべく角度フィードバック制御の実行によりアシスト指令値Ta*を演算して生成する。角度F/B制御部72で生成されたアシスト指令値Ta*は、制御信号生成部55に入力される。
 このように構成されるマイコン51は、モータ40の駆動を制御する間、基本アシスト成分演算部70の処理を通じて駆動トルクTcに応じた適切な操舵トルクTrqを運転者が入力することができるように、基本アシスト成分Tb*を所定周期で繰り返し生成する。また、マイコン51は、モータ40の駆動を制御する間、角度指令値演算部71の処理を通じて基本アシスト成分Tb*に基づいて変化されるように、角度指令値θp*を所定周期で繰り返し生成する。そして、マイコン51は、角度F/B制御部72の処理を通じて運転者が入力すべき操舵トルクTrqを、駆動トルクTcに応じた適切な操舵トルクに維持させるアシスト力を付与するための処理を所定周期毎に繰り返し実行する。
 すなわち、マイコン51は、基本アシスト成分演算部70の処理を通じて、運転者が入力すべき操舵トルクTrqの特性である電動パワーステアリング装置1の静特性を決定するように構成されている。また、マイコン51は、角度指令値演算部71及び角度F/B制御部72の処理を通じて、運転者が入力すべき操舵トルクTrqを適切な操舵トルクに維持させるように動作する転舵輪15の転舵角θtの特性である電動パワーステアリング装置1(車両)の動特性(動作の振る舞い)を決定するように構成されている。つまり、マイコン51は、電動パワーステアリング装置1について、静特性と、動特性とをそれぞれ独立して調整することができるように構成されている。
 ここで、粘性制御演算部83の機能についてさらに詳しく説明する。
 図4に示すように、粘性制御演算部83は、角速度指令値ωp*、角度指令値θp*、車速値V、及び操舵トルクTrqに基づいて、粘性成分Tvi*を演算して生成するべく機能する、粘性係数乗算部90と、ダンピング補償成分演算部91と、戻り用補償成分演算部92とを有している。
 粘性係数乗算部90には、車速値V及び角速度指令値ωp*がそれぞれ入力される。粘性係数乗算部90は、角速度指令値ωp*に対して車速値Vに応じて設定される粘性係数Cを乗算することによって基本粘性成分Tvib*を演算して生成する。
 ダンピング補償成分演算部91には、車速値V及び角速度指令値ωp*がそれぞれ入力される。角度指令値θp*は、ステアリングホイール10(ステアリングシャフト11)の回転角度である操舵角θsと相関があり、当該操舵角θsに換算することができる。つまり、角速度指令値ωp*は、ステアリングホイール10の操舵角θsの変化量である操舵速度ωsと相関があり、当該操舵速度ωsを算出することができる。ダンピング補償成分演算部91は、車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて、ダンピング補償成分Td*を演算して生成する。なお、ダンピング補償成分演算部91は、角速度指令値ωp*の絶対値に応じて、その時の車速値Vに対して定めているダンピング補償成分Td*を演算する。ダンピング補償成分演算部91の処理を通じて生成されたダンピング補償成分Td*は、加算処理部93において基本粘性成分Tvib*に加算されることによって、その時の角速度指令値ωp*の発生方向とは反対方向の成分として粘性成分Tvi*に反映される。
 戻り用補償成分演算部92には、車速値V及び角速度指令値ωp*に加えて、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*がそれぞれ入力される。戻り用補償成分演算部92は、車速値V、角速度指令値ωp*、操舵トルクTrq、及び角度指令値θp*に基づいて、ダンピング補償成分演算部91で生成されるダンピング補償成分Td*の影響を抑制するように基本粘性成分Tvib*を補償するための戻り用補償成分Tr*をダンピング補償成分Td*とは個別に演算して生成する。
 本実施形態において、ダンピング補償成分Td*の効果は、ステアリングホイール10を切り込んでから、運転者の切り戻しの操作なしにセルフアライニングトルクの作用によって、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況においても作用する。この場合、ダンピング補償成分Td*の効果は、ステアリングホイール10が中立位置に戻る際の操舵角θsの急変を抑えるように作用する結果、セルフアライニングトルクを阻害してしまう。つまり、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度が遅くなる可能性がある。そのため、本実施形態では、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況で、ダンピング補償成分演算部91で生成されるダンピング補償成分Td*の影響を抑制すべく、ダンピング補償成分Td*とともに、戻り用補償成分Tr*を角度指令値θp*に反映させるようにしている。
 具体的には、図4に示すように、戻り用補償成分演算部92は、車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて、戻り用補償成分Tr*の基礎成分である基本戻り用補償成分Trb*を演算(生成)する基本補償成分演算部94を有している。基本補償成分演算部94は、角速度指令値ωp*の絶対値に応じて、その時の車速値Vに対して定めている基本戻り用補償成分Trb*を演算する。基本戻り用補償成分Trb*は、その時の車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて生成されるダンピング補償成分Td*とは反対方向の成分として演算される。本実施形態において、基本戻り用補償成分Trb*は、その時の車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて生成されるダンピング補償成分Td*を相殺して打ち消すように構成され、絶対値が同値の成分である。
 また、戻り用補償成分演算部92は、車速値V、操舵トルクTrq、及び角度指令値θp*に基づいて、ステアリングホイール10を切り込んでから、運転者の切り戻しの操作なしにステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定する操作状態判定部95を有している。操作状態判定部95は、転舵輪15を転舵させるようにステアリングホイール10の切り戻しの操作をするのに必要な力と比較して、操舵トルクTrqが小さいか否かを判定することによって、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であるか否かを判定する。車両では、ステアリングホイール10を切り込み及び切り戻し操作するのに必要な力を車速値V及び角度指令値θp*(ピニオン角θp)に基づいて経験的に求めることができる。
 例えば、図5に示すように、ステアリングホイール10が所定方向に回転している場合に正、当該所定方向に対して反対方向に回転している場合に負とし、ステアリングホイール10を操作するのに必要な力について、角度指令値θp*(ピニオン角θp)に応じた特性を得ることができる。具体的には、同図に示すように、ステアリングホイール10を操作するのに必要な力の特性は、当該力の絶対値について、上記切り込み(図中、実線矢印)の状況と比較して、上記切り戻し(図中、白抜き矢印)の状況で小さい値となる。また、ステアリングホイール10を操作するのに必要な力の特性は、当該力の絶対値について、ステアリングホイール10の中立位置である「0(零値)」から最大角度θend(+),(-)の間で、上記切り込み(図中、実線矢印)の状況で増加傾向となり、上記切り戻し(図中、白抜き矢印)の状況で減少傾向となる。
 同図中、ハッチングにて示す領域に入ることによって、ステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力を操舵トルクTrq(絶対値)が下回る場合、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判断することができる。特にこの場合、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が一致する範囲において、セルフアライニングトルクによってステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判断することができる。なお、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が異なる範囲では、セルフアライニングトルクが弱まったり作用しなくなったり、車両の走行中であれば運転者の操作が基本的に行われている状況であることを判断することができる。
 本実施形態では、ステアリングホイール10を操作するのに必要な力の特性として、当該力の絶対値について、車速値V1の場合(図5中、実線)に対して、車速値V2の場合(図5中、一点鎖線の矢印の如く)、上記切り込みの状況と、上記切り戻しの状況との差が小さくなる特性が想定されている。また、ステアリングホイール10を操作するのに必要な力の特性は、当該力の絶対値について、車速値V1の場合(図5中、実線)に対して、車速値V3の場合(図5中、二点鎖線の矢印の如く)、上記切り込み及び上記切り戻しの状況での増加及び減少傾向の勾配が大きくなる特性が想定されている。
 操作状態判定部95は、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が一致する範囲において、ステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力と比較して、操舵トルクTrq(絶対値)が小さい場合にステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定する。この場合、操作状態判定部95は、戻り用補償ゲインGrとして「1」を演算して設定する。また、操作状態判定部95は、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が一致する範囲において、ステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力と比較して、操舵トルクTrq(絶対値)が小さくない場合に運転者の操作が行われている状況である(ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況でない)ことを判定する。この場合、操作状態判定部95は、戻り用補償ゲインGrとして「0(零値)」を演算して設定する。なお、操作状態判定部95は、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が異なる範囲において、操舵トルクTrqに関係なく、戻り用補償ゲインGrとして「0(零値)」を演算して設定する。
 また、戻り用補償成分演算部92は、基本補償成分演算部94の処理を通じて生成された基本戻り用補償成分Trb*に対して、操作状態判定部95の処理を通じて設定された戻り用補償ゲインGrを乗算して得られる戻り用補償成分Tr*を演算(生成)する乗算処理部96を有している。
 そして、戻り用補償成分演算部92は、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを条件とし、基本戻り用補償成分Trb*を、ダンピング補償成分Td*の影響を抑制するように機能する戻り用補償成分Tr*として生成する。また、戻り用補償成分演算部92は、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況でないことを条件とし、基本戻り用補償成分Trb*に関係なく零値を、ダンピング補償成分Td*の影響を抑制しないように機能する戻り用補償成分Tr*として生成する。戻り用補償成分演算部92の処理を通じて生成された戻り用補償成分Tr*は、加算処理部93において基本粘性成分Tvib*に加算されることによって、ダンピング補償成分Td*とは反対方向の成分として粘性成分Tvi*に反映される。
 このように構成されるマイコン51は、モータ40の駆動を制御する間、戻り用補償成分演算部92において、車速値V、角速度指令値ωp*、操舵トルクTrq、及び角度指令値θp*に基づいて、戻り用補償成分Tr*を所定周期で繰り返し生成する。つまり、マイコン51は、モータ40の駆動を制御する間、操舵角θsの急変を抑えるように補償し、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況で、ダンピング補償成分Td*の影響を抑制するための処理を所定周期で繰り返し実行する。
 以下、本実施形態の作用及び効果を説明する。
 (1)本実施形態によれば、基本アシスト成分Tb*は、運転者が入力すべき操舵トルクTrqを、操舵機構2に入力される駆動トルクTcに基づき演算されるトルク指令値Th*にトルクフィードバック制御を実行することによって演算される。このように演算される基本アシスト成分Tb*は、角度指令値θp*を演算するのに用いられるものであり、角度指令値θp*を変化させ、当該変化に基づきアシスト力を変化させるように機能する。これにより、基本アシスト成分Tb*は、運転者が入力すべき操舵トルクTrqを、駆動トルクTcに応じた適切な操舵トルクTrqに維持させるように作用するアシスト力として操舵機構2に付与される。つまり、運転者が入力すべき操舵トルクTrqと、当該操舵トルクTrqに対する電動パワーステアリング装置1(車両)の出力である転舵輪15の転舵角θt(ピニオン角θp)との関係により示される操舵特性を最適化する場合、基本アシスト成分演算部70のトルク指令値演算部74の調整を通じて基本アシスト成分Tb*を調整すれば済むようになる。したがって、最適な操舵特性への調整については、基本アシスト成分Tb*を調整すればよく、他の成分との間で相互に調整を図る必要がある場合と比較して、調整を容易にすることができる。
 (2)ここで、実際の車両において、ステアリングホイール10の回転に伴って回転するピニオンシャフト11cの入力トルク(駆動トルク)とその回転角度(ピニオン角)との関係は、車両や当該車両の操舵機構2の状態によって変化し得る。つまり、実際の状態に基づいて、角度指令値θp*を演算する場合には、車両や当該車両の操舵機構2に作用する外乱の影響を受け易くなっている。
 その点、本実施形態において、角度指令値演算部71では、目標モデル演算部80が理想モデルを表現する上記の式(c1)に基づいて、角度指令値θp*を演算するので、車両や当該車両の操舵機構2に外乱が作用していたとしてもその影響を抑えるかたちで角度指令値θp*を演算することができるようになる。これにより、操舵制御装置50では、車両や当該車両の操舵機構2に作用する外乱の影響を受け難くなり、当該外乱に対するロバスト性を高くすることができる。したがって、操舵特性の変動を抑えることができ、最適化した操舵特性の再現性を高めることができる。
 (3)本実施形態において、角度指令値演算部71は、アシスト指令値Ta*を車両や当該車両の操舵機構2の状態に適正化するべく補償する各補償成分Td*,Tr*を演算する各補償成分演算部91,92を有している。これにより、車両や当該車両の操舵機構2の動作(振る舞い)に関わる動特性を補償する補償成分である各補償成分Td*,Tr*については、上記の式(c1)を考慮して角度指令値θp*を演算する角度指令値演算部71で纏めて演算されるように構成することができる。つまり、動特性を最適化する場合、角度指令値演算部71の調整を通じて各補償成分Td*,Tr*を調整すれば済むようになる。したがって、最適な動特性への調整については、角度指令値演算部71の各補償成分Td*,Tr*を調整すればよく、他の成分との間で相互に調整を図る必要がある場合と比較して、調整を容易にすることができる。
 (4)また、本実施形態によれば、運転者の切り戻しの操作なしにステアリングホイール10が中立位置に戻る状況で、ダンピング補償成分Td*とともに、戻り用補償成分Tr*が角度指令値θp*に反映されることによって、ダンピング補償成分Td*の影響が抑制されるようになる。これにより、ダンピング補償成分Td*の効果は、ステアリングホイール10を切り込んでいるか切り戻しているかに関係なく、運転者が意図的にステアリングホイール10を操作する状況において作用する一方、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況において作用しなくなる。つまり、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であっても、ダンピング補償成分Td*が影響してセルフアライニングトルクの阻害が抑制され、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度が遅くなることが抑制されるようになる。この場合、操舵感の向上と、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度の調整とを個別に設定することができ、操舵感を向上しつつ、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度を調整することができる。
 (5)ここで、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況は、運転者がステアリングホイール10を保舵しているか否かに関係なく存在しうる。例えば、運転者がステアリングホイール10を保舵していたとしてもその力が十分に小さければ、運転者の切り戻しの操作なしにステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判断することができる。
 そこで、本実施形態において、マイコン51は、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*に基づいて、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であるか否かを判定するようにしている。つまり、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況で、運転者がステアリングホイール10を保舵していたとしても、ダンピング補償成分Td*が影響してセルフアライニングトルクの阻害を抑制し、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度が遅くなることを抑制することができるようになる。これにより、戻り用補償成分Tr*を適切に適用することができるため、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度が遅くなることに対して的確に対処することができる。
 (6)具体的には、マイコン51は、車速値V及び角度指令値θp*に基づいて想定されたステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力と比較して、操舵トルクTrqが小さい場合にステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定するようにしている。つまり、運転者がステアリングホイール10を保舵していたとしても、セルフアライニングトルクによってステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを的確に判断することができるようになる。これにより、ステアリングホイール10が中立位置に戻る速度が遅くなることに対してより的確に対処することができる。
 (7)本実施形態において、トルク指令値Th*に対して摩擦成分Tf*を反映させるので、基本アシスト成分Tb*は、運転者が入力すべき操舵トルクTrqを、運転者に滑らかな操舵感を与えるように作用するアシスト力として操舵機構2に付与される。つまり、操舵機構2に入力されるトルクに対する摩擦(反力)まで管理することができ、操舵特性をより好適に最適化することができる。
 (8)本実施形態において、マイコン51は、電動パワーステアリング装置1について、静特性と、動特性とをそれぞれ独立して調整することができるように構成されている。
 例えば、図6に示すように、電動パワーステアリング装置1は、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)などの運転者の運転を支援する運転支援装置を構築するように機能を拡張してもよい。この場合、操舵制御装置50は、車載ネットワークを構成するCAN(Controller Area Network)等の通信回線Comを介して車載される運転支援制御装置100と通信可能に接続される。運転支援制御装置100は、例えば、車両が走行中の走行レーンを維持して走行したりするように設定される目標進路に沿った車両の走行を実現する運転支援制御を操舵制御装置50に対して指示するものである。運転支援制御装置100は、車載カメラや車載レーダ等の車載センサ101の検出結果である車両情報Cimに基づいて、運転支援制御に使用する目標進路(道路に対する車両の相対的な方向)を演算して生成するものである。
 この構成の場合、運転支援制御装置100は、車載センサ101の検出結果に基づいて生成した目標進路を示す情報として、運転支援指令値As*を操舵制御装置50に対して出力する。このような運転支援指令値As*は、運転支援制御装置100の仕様によって、操舵トルクTrqに対応する操舵トルク成分、角度指令値θp*に対応する角度成分、アシスト指令値Ta*に対応するアシストトルク成分の何れかの成分として出力される。
 これに対して、図7(a)に示すように、本実施形態のマイコン51では、運転支援制御装置100から操舵トルク成分である運転支援指令値As*が出力される場合、アシスト指令値演算部54のトルク指令値演算部74で生成されたトルク指令値Th*に対して運転支援指令値As*が加算されるように、加算処理部77を変更すればよい。
 また、図7(b)に示すように、本実施形態のマイコン51では、運転支援制御装置100から角度成分である運転支援指令値As*が出力される場合、アシスト指令値演算部54の角度指令値演算部71で生成された角度指令値θp*に対して運転支援指令値As*が加算されるように、加算処理部102を追加すればよい。
 また、図7(c)に示すように、本実施形態のマイコン51では、運転支援制御装置100からアシスト指令値成分である運転支援指令値As*が出力される場合、アシスト指令値演算部54の角度F/B制御部72で生成されたアシスト指令値Ta*に対して運転支援指令値As*が加算されるように、加算処理部103を追加すればよい。
 したがって、本実施形態の操舵制御装置50では、その機能を運転支援装置にまで拡張した際に上記何れの成分の運転支援指令値As*が出力される場合であっても、マイコン51の機能についての構成の変更を抑えることができ、容易に対応することができる。
 なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
 ・角度指令値演算部71(目標モデル演算部80)は、各補償成分演算部91,92を割愛したり、戻り用補償成分演算部92を割愛したり、他の動特性を補償する補償成分を追加したりしてもよい。各補償成分演算部91,92を割愛する場合には、対応する補償成分を基本アシスト成分Tb*の生成と合わせて生成するように構成してもよい。また、他の補償成分としては、例えば、ステアリングシャフト11に転舵輪15を介して路面から伝達される逆入力振動を抑えるように補償するためのトルク微分補償成分や、ステアリングホイール10の切り始め時の引っ掛かり感や切り終わり時の流れ感を抑制するための慣性補償成分等が考えられる。トルク微分補償成分の生成には、操舵トルクTrqを微分して得られるトルク微分値を用いればよい。慣性補償成分の生成には、角加速度指令値αp*を用いればよい。
 ・角度指令値演算部71(目標モデル演算部80)は、理想モデルを表現する上記の式(c1)に替えて、例えば、駆動トルクTcを入力とし、角度指令値θp*をマップ演算することもできる。
 ・バネ特性制御演算部84では、ピニオン角θpに替えて、例えば、ラックシャフト12の実際の軸力を検出したり、車両に作用するヨーレートや横加速度を検出したりして、実際の軸力やヨーレートや横加速度に応じてバネ係数Kと、車速値Vとの関係を変更することもできる。つまり、車両の仕様や使用環境等に応じて、転舵角θtに対する転舵輪15を転舵させるのに必要なトルクの特性を適宜変更可能である。
 ・目標モデル演算部80において、慣性制御演算部82や粘性制御演算部83では、バネ特性制御演算部84と同様、ピニオン角θpに応じて慣性係数Jや粘性係数Cと、車速値Vとの関係を変更することもできる。この場合、上述と同様、ピニオン角θpに替えて、例えば、ラックシャフト12の実際の軸力であったり、車両に作用するヨーレートや横加速度であったりを採用してもよい。
 ・アシスト指令値演算部54は、運転者が入力すべき操舵トルクTrqに対して、例えば、車両や当該車両の操舵機構2が有する機械的な摩擦(反力)を運転者が入力すべき操舵トルクTrqに反映させたい場合、摩擦補償制御部73を割愛してもよい。つまり、車両の仕様や使用環境等に応じて、摩擦補償制御部73を付加したり割愛したり適宜変更可能である。
 ・操作状態判定部95は、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*の符号が異なる範囲において、ステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力と比較して、操舵トルクTrq(絶対値)が小さい場合にステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定してもよい。
 ・操作状態判定部95は、車速値V及び角度指令値θp*に関係なく操舵トルクTrqが零値の場合にステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定してもよい。つまり、操作状態判定部95は、車速値V及び角度指令値θp*を用いることなく、操舵トルクTrqに基づいて、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であることを判定してもよい。
 ・操作状態判定部95では、角速度指令値ωp*を用いてステアリングホイール10の操舵方向が中立位置に向かう方向であるか否かを判定した上で、操舵トルクTrq及び角度指令値θp*に基づいて、ステアリングホイール10が中立位置に戻る状況であるか否かを判定してもよい。操作状態判定部95は、角速度指令値ωp*及び角度指令値θp*の符号が異なる場合にステアリングホイール10の操舵方向が中立位置に向かう方向であることを判定すればよい。
 ・操作状態判定部95では、転舵輪15を転舵させるようにステアリングホイール10を切り戻し操作するのに必要な力の特性として、想定する特性としてより多くの種類を用意してもよい。
 ・操作状態判定部95は、車速値Vや角度指令値θp*の値に応じて、戻り用補償ゲインGrの値を「0(零値)」から「1」の間で段階的に設定するようにしてもよい。戻り用補償ゲインGrの値としては、例えば、セルフアライニングトルクが大きい状況、つまり車速値Vや角度指令値θp*が大きいほど「1」に近付けるように設定すればよい。
 ・戻り用補償成分演算部92は、ダンピング補償成分Td*をいくらかでも打ち消すように戻り用補償成分Tr*を生成することができればよい。例えば、基本戻り用補償成分Trb*は、その時の車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて生成されるダンピング補償成分Td*に対して絶対値が小さくなるように設定したり、当該ダンピング補償成分Td*に対してその時の車速値V及び角速度指令値ωp*に応じて絶対値が小さくなったり同値になったり可変したりしてもよい。この場合、基本戻り用補償成分Trb*は、その時の車速値V及び角速度指令値ωp*に基づいて生成されるダンピング補償成分Td*を相殺して打ち消すように構成する一方で、戻り用補償ゲインGrは、「1」以下に設定したり、その時の車速値V及び角速度指令値ωp*に応じて「0(零値)」から「1」の間で可変したりしてもよい。
 ・戻り用補償成分演算部92は、ダンピング補償成分Td*に乗算するゲインを演算する構成としてもよい。この場合、粘性制御演算部83は、ダンピング補償成分演算部91と、加算処理部93との間に、ダンピング補償成分Td*に対して、戻り用補償成分演算部92で生成されたゲインを乗算して補償後のダンピング補償成分Td´*を演算(生成)する乗算処理部を有していればよい。これは、ダンピング補償成分演算部91においても同様であり、当該ダンピング補償成分演算部91は、基本粘性成分Tvib*に乗算するゲインを演算する構成としてもよい。これら構成を共に適用する場合、粘性制御演算部83は、加算処理部93の替わりに、基本粘性成分Tvib*に対して、ダンピング補償成分演算部91で生成されたゲイン及び戻り用補償成分演算部92で生成されたゲインを乗算して粘性成分Tvi*を演算(生成)する乗算処理部を有していればよい。
 ・トルク指令値演算部74では、トルク指令値Th*を演算する際、駆動トルクTcを少なくとも用いていればよく、車速値Vを用いなくてもよい。その他、トルク指令値Th*を演算する際は、駆動トルクTc及び車速値Vと、これら以外の要素とを用いるようにしてもよい。これは、粘性制御演算部83のダンピング補償成分演算部91においても同様であり、ダンピング補償成分Td*を演算する際、角速度指令値ωp*を少なくとも用いていればよく、車速値Vを用いなくてもよいし、他の要素を組み合わせて用いるようにしてもよい。なお、トルク指令値Th*は、求められる操舵特性に応じて適宜調整することができる。たとえば、車速値Vが小さいほどより小さい絶対値となるトルク指令値Th*を演算するようにしてもよい。また、戻り用補償成分演算部92について、基本補償成分演算部94においても同様であり、基本戻り用補償成分Trb*を演算する際、角度指令値θp*を少なくとも用いていればよく、車速値Vを用いなくてもよいし、他の要素を組み合わせて用いるようにしてもよい。
 上記実施形態では、トルク指令値演算部74において、操舵トルクTrqと基本アシスト成分Tb*との和である駆動トルクTcに対して運転者が入力すべき操舵トルクの目標値に対するトルク指令値Th*を演算したが、駆動トルクTcに基づきトルク指令値Th*を演算するものとしては、これに限らない。たとえば操舵トルクTrqと基本アシスト成分Tb*との和(駆動トルクTc)と、ヨーレートとの加重移動平均処理値に対してトルク指令値Th*を演算してもよい。
 ・上記実施形態では、転舵輪15の転舵角θtに換算可能な回転軸の回転角度として、ピニオン角θpに替えて、ステアリングホイール10の回転に基づき変化する操舵角θsを用いるようにしてもよい。この場合、操舵角θsを検出する舵角センサが車載されている場合、回転角度θmに替えて、当該舵角センサの検出値を用いるようにすればよい。
 上記実施形態では、減算処理部78によってトルク指令値Th*から操舵トルクTrqを減算した減算値を、トルクF/B制御部75の入力としたが、これに限らない。たとえば、操舵トルクTrqからトルク指令値Th*を減算した減算値をトルクF/B制御部75の入力としてもよい。この場合、たとえばトルクF/B制御部75が比例要素を有する場合に比例ゲインを正とするなど、フィードバックゲインを正とすることができる。
 上記実施形態では、マイコン51において、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することによって、アシスト指令値演算部54およびピニオン角演算部56を実現したが、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、操舵制御装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた制御部によって実行されればよい。なお、図2には、制御部の一例としてマイコン51が図示されている。
 ・上記実施形態は、出力軸40aがラックシャフト12の軸線に対して平行に配置されたモータ40により操舵機構2にアシスト力を付与するラックアシスト型の電動パワーステアリング装置1に限らず、例えば、コラム型やピニオン型等の電動パワーステアリング装置であっても適用可能である。
 ・上記各変形例は、互いに組み合わせて適用してもよく、例えば、コラム型の電動パワーステアリング装置に適用することと、その他の変形例の構成とは、互いに組み合わせて適用してもよい。
 1…電動パワーステアリング装置、2…操舵機構、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、11b…インターミディエイトシャフト、11c…ピニオンシャフト、15…転舵輪、40…モータ、40a…出力軸、50…操舵制御装置、51…マイコン、54…アシスト指令値演算部、55…制御信号生成部、70…基本アシスト成分演算部、71…角度指令値演算部、72…角度F/B制御部(角度フィードバック制御部)、74…トルク指令値演算部、75…トルクF/B制御部(トルクフィードバック制御部)、80…目標モデル演算部、91…ダンピング補償成分演算部、92…戻り用補償成分演算部、θm…回転角度、θp…ピニオン角、θt…転舵角、Tc…駆動トルク、θp*…角度指令値、S_m…モータ制御信号、Ta*…アシスト指令値、Tb*…基本アシスト成分、Td*…ダンピング補償成分、Th*…トルク指令値、Tr*…戻り用補償成分、Trq…操舵トルク。

Claims (3)

  1.  車両の転舵輪を転舵させるべく操舵機構を操舵するために運転者が入力する操舵トルクに基づいて、前記操舵機構に付与するアシスト力の発生源であるモータの駆動を制御する制御部を備え、
     前記制御部は、
     前記操舵トルクに基づいて、前記モータに発生させるべき前記アシスト力の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、
     前記操舵トルク及び前記基本アシスト成分の加算値である前記操舵機構に入力される駆動トルクに基づいて、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転軸の回転角度の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、
     前記回転角度を前記角度指令値に追従させるべく角度フィードバック制御の実行により前記アシスト力の目標値に対応するアシスト指令値を演算する角度フィードバック制御部と、
     前記アシスト指令値に基づいて、前記モータの駆動に必要なモータ制御信号を生成する制御信号生成部と、を含み、
     前記基本アシスト成分演算部は、
     前記駆動トルクに基づき運転者が入力すべき前記操舵トルクの目標値に対応するトルク指令値を演算するトルク指令値演算部と、
     前記操舵トルクを前記トルク指令値に追従させるべくトルクフィードバック制御の実行により前記基本アシスト成分を演算するトルクフィードバック制御部と、を有している操舵制御装置。
  2.  前記角度指令値演算部は、前記駆動トルクと、前記回転角度とを関係づけるように表現されるモデル式に基づいて、前記角度指令値を演算する請求項1に記載の操舵制御装置。
  3.  前記角度指令値演算部は、前記アシスト指令値を車両や当該車両の操舵機構の状態に適正化するべく補償する補償成分を演算する補償成分演算部を有している請求項2に記載の操舵制御装置。
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