WO2019035203A1

WO2019035203A1 - 手乾燥装置

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Publication number: WO2019035203A1
Application number: PCT/JP2017/029561
Authority: WO
Inventors: 西村　茂樹; 健司澤部; 繕弘深谷; 晋也鈴村; 史恭三宅
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2017-08-17
Filing date: 2017-08-17
Publication date: 2019-02-21
Also published as: TW201912091A

Abstract

手乾燥装置（１００）は、空気流を送り出す送風部と、送風部を収納するケーシング（１）と、ケーシング（１）に設けられ、手を挿入可能に形成された手挿入部（３）と、手挿入部（３）にて後方へ向けて斜め下方へ空気流を噴射するノズル孔（１２）を備え、送風部からノズル孔（１２）へ向かう空気流が流動する風路が設けられたノズル（２３）と、を備える。風路の前側壁面は、下流へ向かうにしたがってケーシング（１）の前方へ向かうように傾斜している第１の部分と、第１の部分より下流に位置する第２の部分とを含む。

Description

手乾燥装置

　本発明は、濡れた手を乾燥させる手乾燥装置に関する。

　手に付着している水滴を空気流の噴射によって吹き飛ばして手を乾燥させる手乾燥装置が知られている。特許文献１には、ケーシングに設けられた手挿入部にて下方へ空気流を噴射するノズルを備え、ケーシングの前方あるいは左右から手挿入部へ挿入された手に空気流を吹き付ける手乾燥装置が開示されている。特許文献１の手乾燥装置は、手挿入部にて後方へ向かう斜め下方へ空気流が噴射されるようにノズルが傾けられることで、ケーシングの前方にいる使用者に向けて飛散する水滴を低減できる。

特許第３８０８９５０号公報

　特許文献１の手乾燥装置では、ノズル孔が後方へ向くようにノズルが傾けられていることで、ノズルが傾けられない場合、すなわちノズルが鉛直方向に平行である場合に比べて、ケーシングの前面とノズル孔との間の距離が長くなる。使用者は、ケーシングの前面とノズル孔との間の距離が長いほど、ケーシングの後方へ向けて深く手を挿入することになる。ケーシングの前面とノズル孔との間の距離が長いほど、使用者の視点からは、手挿入部へ挿入されている手を目視しづらくなる。手元を目視しづらくなることで、手の乾燥時において手挿入部の後方壁面に手が触れてしまう可能性が高くなる。手挿入部に手が触れることで、手の衛生感が損なわれることがある。手乾燥装置は、乾燥時における手元を目視し易くすることにより快適な使用が可能であることが求められている。

　本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、快適に使用することができる手乾燥装置を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる手乾燥装置は、空気流を送り出す送風部と、送風部を収納するケーシングと、ケーシングに設けられ、手を挿入可能に形成された手挿入部と、手挿入部にて後方へ向けて斜め下方へ空気流を噴射するノズル孔を備え、送風部からノズル孔へ向かう空気流が流動する風路が設けられたノズルと、を備える。風路の前側壁面は、下流へ向かうにしたがってケーシングの前方へ向かうように傾斜している第１の部分と、第１の部分より下流に位置する第２の部分とを含む。

　本発明にかかる手乾燥装置は、快適な使用が可能となるという効果を奏する。

本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置の外観を示す斜視図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置の断面図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置の外装部品の断面図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置においてドレン容器と着脱底面部とが取り外された状態を示す斜視図図２に示す手乾燥装置の断面構成の一部を拡大して示す図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置においてドレン容器と着脱底面部とが連結された状態を示す断面図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置においてドレン容器と着脱底面部とが連結される前の状態を示す断面図本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置においてドレン容器から着脱底面部が取り外された状態を示す断面図

　以下に、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態．
　図１は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００の外観を示す斜視図である。図２は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００の断面図である。図３は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００の外装部品の断面図である。図２と図３とに示す断面は、手乾燥装置１００の側面１ａに平行な断面とする。図４は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００においてドレン容器６と着脱底面部４２ｂとが取り外された状態を示す斜視図である。

　手乾燥装置１００は、手乾燥装置１００の外殻をなすケーシング１を備える。図１、図２および図３に示すように、ケーシング１は、手乾燥装置１００の正面と両側面１ａとに亘って形成された手挿入口２と、手挿入口２から続く処理空間をなす手挿入部３とを備える。手挿入部３は、正面と両側面とが開放された凹部であって、ケーシング１の正面下部に形成されている。手乾燥装置１００の正面側にいる使用者は、手挿入口２を通じて手挿入部３内の処理空間へ手を挿入する。

　手乾燥装置１００は、手乾燥装置１００から見て使用者側である前方へ向けられる前面部２１と、使用者側とは逆の後方へ向けられる背面部であるベース７とを備える。前面部２１は、箱状のケーシング１のうち前方へ向けられる部分である。手挿入部３は、前面部２１の下方にて手を挿抜可能に形成されている。ベース７は、手乾燥装置１００のうち背面側の外殻をなし、後方からケーシング１を塞ぐ。手挿入部３の上方には、ケーシング１とベース７とによって囲まれた空間が存在する。

　水受け部４は、手挿入部３内の処理空間へ挿入されている手から飛散した水を受ける。水受け部４は、複数の部品によって構成されており、手挿入部３の後方にて鉛直方向に沿って設けられた壁面を有する背面部である背面側水受け部４ａと、手挿入部３の下方に設けられた底面部である底面側水受け部４ｂとを備える。図２および図３に示す断面において、水受け部４は、手挿入部３の後方から下方にわたって、Ｌ字形状をなすように設けられている。

　背面側水受け部４ａの両側面側には、背面側水受け部４ａから前方へ立てられた防水壁４４が設けられている。防水壁４４は、背面側水受け部４ａから左右方向への水の飛散を防ぐ。防水壁４４は、背面側水受け部４ａに垂直に立てられた防水壁立ち部４４ａと、防水壁立ち部４４ａより本体外側に設けられた防水壁傾斜部４４ｂとを備える。防水壁傾斜部４４ｂは、手挿入部３の後方へ向かうにしたがい手挿入部３の中心へ向かうように傾斜している。防水壁傾斜部４４ｂは、防水壁４４のうち側面側外縁の全体に設けられている。

　底面側水受け部４ｂは、背面側水受け部４ａの下部から手乾燥装置１００の正面側に向かって延在してケーシング１に固定された固定底面部４１ｂと、着脱自在に設けられたトレイ形状の着脱底面部４２ｂとを備える。背面側水受け部４ａと固定底面部４１ｂとは、一体に形成されており、またケーシング１の一部を構成している。

　図３に示すように、着脱底面部４２ｂは、手乾燥装置１００の前方から後方へ向かうにしたがって下方へ傾けられている。着脱底面部４２ｂの傾斜の下端には、排水口５が設けられている。着脱底面部４２ｂのうち後方の外縁領域４２ｂａは、固定底面部４１ｂのうち前方の外縁領域４１ｂａの上方に位置する。前後方向のうち外縁領域４２ｂａと外縁領域４１ｂａとが位置している重複領域４３において、外縁領域４２ｂａは、外縁領域４１ｂａのとの間に排水口５となる隙間を有した状態で外縁領域４１ｂａの上方に配置されている。前後方向は、手乾燥装置１００の奥行き方向である。

　底面側水受け部４ｂの両側面側と正面側には、底面側水受け部４ｂから上方へ立てられた防水壁４４が設けられている。防水壁４４は、底面側水受け部４ｂから左右方向と前方とへの水の飛散を防ぐ。防水壁４４は、底面側水受け部４ｂに垂直に立てられた防水壁立ち部４４ａと、防水壁立ち部４４ａより左右方向外側に設けられた防水壁傾斜部４４ｂとを備える。防水壁傾斜部４４ｂは、手挿入部３の中心へ向かうにしたがい下方へ向かうように傾斜している。防水壁傾斜部４４ｂは、防水壁４４のうち側面側外縁と正面側外縁との全体に設けられている。左右方向は、鉛直方向と前後方向とに垂直な方向であって、手乾燥装置１００の横幅方向である。鉛直方向は、手乾燥装置１００の高さ方向である。

　防水壁４４は、手挿入部３の外への水滴の飛散を防止する。背面側水受け部４ａの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂに付着した水滴は、水滴の自重によって下方に移動する。底面側水受け部４ｂの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂは、背面側水受け部４ａの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂの下方にあるため、水滴は、背面側水受け部４ａの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂから、底面側水受け部４ｂの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂに移動する。底面側水受け部４ｂの防水壁４４に設けられている防水壁傾斜部４４ｂに移動した水滴は、防水壁立ち部４４ａを伝って防水壁傾斜部４４ｂへ流れる。防水壁傾斜部４４ｂを流れた水滴は、排水口５からドレン容器６へ落下する。

　手乾燥装置１００は、商業施設あるいは飲食店の洗面室といった利用者が比較的多い場所に設置されることが多い。手乾燥装置１００は、手から吹き飛ばされた水滴が使用後すぐに水受け部４に流れて、ドレン容器６にて水滴が回収できる構造であることが望ましい。手乾燥装置１００は、防水壁傾斜部４４ｂが設けられていることで、防水壁４４から背面側水受け部４ａと底面側水受け部４ｂとへの水滴の移動を促す。手乾燥装置１００は、防水壁４４に留まる水滴を低減できることで、使用者が手を乾燥させる際における防水壁４４から手挿入部３の外への水滴の飛散を低減できる。

　ドレン容器６は、水受け部４の下方に配置されている。ドレン容器６は、排水口５から滴下する水を貯留する。ドレン容器６は、ケーシング１に対して抜き差し自在に設けられている。着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６の上端６ａを閉塞するとともに、ドレン容器６から着脱可能とされている。

　手挿入部３には、シリコン系の撥水性コーティング、フッ素系の撥水性コーティング、あるいは酸化チタンといった親水性材料のコーティングが施されている。または、手挿入部３には、抗菌剤が含浸されている。手乾燥装置１００は、親水性材料のコーティングあるいは抗菌剤の含浸により、手挿入部３への汚れの付着を低減し、細菌の繁殖を低減できる。

　手挿入部３の上方においてケーシング１とベース７とによって囲まれた空間には、送風部である高圧空気流発生装置８と不図示の制御回路といった構成要素が収納されている。高圧空気流発生装置８は、駆動源である直流（Direct　Current，ＤＣ）ブラシレスモータと、ＤＣブラシレスモータの駆動により回転するターボファンとを備える。制御回路は、手検知センサ１４における手の検知信号に応じて高圧空気流発生装置８の運転を制御する。なお、ＤＣブラシレスモータの代わりに、整流子モータまたは誘導電動機が設けられていても良い。

　ノズル孔１２は、手挿入部３にて後方へ向けて斜め下方へ空気流を噴射する。ノズル孔１２は、ノズル２３の下端に設けられている。ノズル２３の内部には、高圧空気流発生装置８からノズル孔１２へ向かう空気流が流動する風路である排気風路１３が設けられている。排気風路１３には、高圧空気流発生装置８から送られてくる空気を加熱するヒータ１５が設けられている。排気風路１３のうちヒータ１５より下流側の部分は、ノズル２３の内部に設けられている。ノズル２３は、ヒータ１５とノズル孔１２との間に設けられている。

　手検知センサ１４は、手挿入部３のうちノズル孔１２の後方に設けられている。手検知センサ１４は、手挿入部３における手の有無を検知する。メンテナンスパネル２０は、側面１ａのうち手挿入部３より上方に位置する。メンテナンスパネル２０の表面の一部は、手乾燥装置１００の後方から前方へ向かうにしたがって、左右方向における中央側に向かって傾斜している傾斜面２０ａが設けられている。吸気口９は、傾斜面２０ａの前方縁とメンテナンスパネル２０の裏面との間に設けられている隙間である。手乾燥装置１００は、吸気口９からケーシング１の内部へ空気を取り込む。

　次に、ノズル孔１２と排気風路１３の構成について説明する。手乾燥装置１００は、ケーシング１に収納されて高圧空気流発生装置８を覆うカバー部であるモータカバー３１と、ノズル２３とモータカバー３１とを連結する連結部３０とを備える。シール部材３２は、連結部３０に設けられている。シール部材３２は、高圧空気流発生装置８から発生する高圧空気流をシールする。なお、連結部３０は、シール部材３２を用いずにノズル２３とモータカバー３１とを連結しても良い。

　シール部材３２は、ヒータ１５の発熱を考慮して、耐熱性の高いシリコン樹脂製とすることが望ましい。ノズル２３は、ネジによりモータカバー３１に固定される。手乾燥装置１００は、ネジの締め込みと取り外しとによりノズル２３を着脱可能としたことで、ヒータ１５あるいは高圧空気流発生装置８といった部品の交換を容易に行うことができる。また、手乾燥装置１００は、排気風路１３の清掃を容易に行うことができる。

　図５は、図２に示す手乾燥装置１００の断面構成の一部を拡大して示す図である。ノズル２３内の排気風路１３の前側壁面２７は、下流へ向かうにしたがってケーシング１の前方へ向かうように傾斜している第１の部分１３ｂと、第１の部分１３ｂより下流に位置する第２の部分１３ｃとを含む。排気風路１３は、第１の部分１３ｂと第２の部分１３ｃとの境界である曲げ部１３ａを含む。排気風路１３における風向は、曲げ部１３ａにて変化する。

　第１の部分１３ｂは、排気風路１３のうち曲げ部１３ａより上流側に設けられている。第２の部分１３ｃは、排気風路１３のうち曲げ部１３ａより下流側に設けられている。ノズル２３の前方端２８は、曲げ部１３ａが設けられている位置におけるノズル２３の前側表面の位置である。ノズル２３の前方端２８は、前面部２１に当接している。

　第１の部分１３ｂは、高圧空気流発生装置８の側から下流の曲げ部１３ａへ向かうにしたがって前面部２１の側へ向かうように傾斜している。第１の部分１３ｂは、ノズル２３の上端から曲げ部１３ａへ向かうにしたがって前方へ傾斜している。第２の部分１３ｃは、曲げ部１３ａから下流のノズル孔１２へ向かうにしたがってベース７の側へ向かうように傾斜している。第２の部分１３ｃは、曲げ部１３ａからノズル２３の下端であるノズル孔１２へ向かうにしたがって後方へ傾斜している。ノズル孔１２から噴射される空気流は、第２の部分１３ｃの向きにしたがって後方へ傾けられる。なお、排気風路１３の後側壁面２９のうち曲げ部１３ａより上流の部分は、ノズル２３の上端から曲げ部１３ａへ向かうにしたがって前方へ傾斜している。後側壁面２９のうち曲げ部１３ａより下流の部分は、曲げ部１３ａからノズル孔１２へ向かうにしたがって後方へ傾斜している。

　曲げ部１３ａの前方端２５の位置は、ノズル孔１２の前方端２６の位置より前方である。また、曲げ部１３ａの前方端２５の位置は、連結部３０の前方端であるシール部材３２の前方端３２ａの位置より前方である。曲げ部１３ａの前方端２５と、ノズル孔１２の前方端２６と、シール部材３２の前方端３２ａのうち、曲げ部１３ａの前方端２５は、他の２つより前方に位置している。ノズル孔１２の前方端２６は、シール部材３２の前方端３２ａより前方に位置している。なお、曲げ部１３ａの前方端２５の位置は、ノズル孔１２の前方端２６の鉛直上方の位置と同じであっても良い。ノズル孔１２の前方端２６の位置は、シール部材３２の前方端３２ａの鉛直下方の位置と同じであっても良い。

　ノズル２３の前方端２８の位置は、連結部３０の前方端であるシール部材３２の前方端３２ａの位置より前方である。ノズル２３の前方端２８の位置は、シール部材３２の前方端３２ａの鉛直下方の位置と同じであっても良い。

　ノズル２３の前方端２８は、ケーシング１の内部に収納された各構成要素のうち最も前方に位置している。前後方向におけるケーシング１の寸法は、前後方向における前方端２８の位置あるいは曲げ部１３ａの位置により決定される。前後方向におけるケーシング１の寸法と、前後方向におけるノズル孔１２の位置とが適宜設定されることで、ケーシング１の前面部２１とノズル孔１２との間の距離を短くすることができる。

　排気風路１３に第２の部分１３ｃが設けられたことで、ノズル孔１２から噴射される空気流の向きが後方へ傾けられる。これにより、手乾燥装置１００は、ケーシング１の前方にいる使用者に向けて飛散する水滴を低減できる。また、前方へ傾斜させた第１の部分１３ｂが排気風路１３に設けられたことで、後方へ傾けられた風路のみを備える場合に比べて、前面部２１とノズル孔１２との間の距離を短くすることができる。手乾燥装置１００は、前面部２１とノズル孔１２との間の距離が短くなることで、前後方向におけるケーシング１の寸法を縮小できる。

　なお、手乾燥装置１００は、傾きを持たせた第２の部分１３ｃに代えて、鉛直方向に平行な第２の部分１３ｃを備えるものであっても良い。ノズル孔１２には、噴射される空気流をコアンダ効果により後方へ向けるための突起が設けられていても良い。排気風路１３のうち曲げ部１３ａより上流側の部分は、１つの風路である場合に限られず、複数の風路に分割されていても良い。かかる複数の風路は、直列に配置されて、互いに結合されている。手乾燥装置１００は、排気風路１３のうち曲げ部１３ａより上流側の部分が複数の風路に分割されている場合も、ケーシング１の前面部２１とノズル孔１２との間の距離を短くすることができる。

　曲げ部１３ａにおける風向の変更角度が９０度を超えると、曲げ部１３ａにおける縮流の発生により、空気流の噴射力が減衰することとなる。また、排気風路１３のうち曲げ部１３ａより上流の部分の距離が短い場合にも空気流の噴射力が減衰することがある。空気流の噴射力が弱まることで、乾燥に要する時間が長くなることになる。実施の形態では、曲げ部１３ａにおける風向の変更角度は、９０度以下とする。また、空気流の進行方向における曲げ部１３ａとノズル孔１２との間の距離は、５ｍｍ以上とする。これにより、手乾燥装置１００は、空気流の噴射力の減衰を低減でき、乾燥に要する時間を短くすることができる。

　曲げ部１３ａの前方端２５がシール部材３２の前方端３２ａの位置より前方とされ、かつ、手挿入部３では、シール部材３２の前方端３２ａの鉛直下方の位置より後方へ空気流が噴射される。これにより、手乾燥装置１００は、手が挿入される十分な空間を確保しながら、手乾燥装置１００が設置される壁からの手乾燥装置１００の突出を小さくすることができる。また、手から吹き飛ばされた水滴は、手挿入部３の後方の背面側水受け部４ａへ飛ばされるため、ケーシング１の下部にある水受け部４で確実に水滴を回収することができる。

　手乾燥装置１００は、前面部２１とノズル孔１２との間の距離が短くなることで、使用者の視点からは、手挿入部３へ挿入されている手を見易くすることができる。使用者は、手元を確認しながら手を乾燥させることができるため、手挿入部３に手が触れる事態を低減でき、手乾燥装置１００を快適に使用することができる。実施の形態において、ケーシング１の前方表面である前面部２１からノズル孔１２の中心までの前後方向における距離Ｌは、１５ｍｍ未満である。これにより、標準的な高さに設置された手乾燥装置１００において、平均的な身長の使用者が手元を確認することができる。

　手乾燥装置１００は、前後方向におけるケーシング１の寸法である奥行寸法を１５０ｍｍ以下とすることで、使い勝手がよく、水滴を確実に回収でき、衛生的にすることができる。また、手乾燥装置１００は、ケーシング１の奥行寸法を１５０ｍｍ以下とすることで、壁からの突出を小さくし、狭い洗面所あるいはトイレ空間に設置することができる。また、手乾燥装置１００は、前面部２１からノズル孔１２の中心までの距離Ｌが、前後方向におけるケーシング１の寸法の５分の１以下とされる。これにより、使用者は、手元を確認しながら手を乾燥させることができる。

　ケーシング１内の吸気風路１０には、高圧空気流発生装置８へ吸い込まれる空気中の塵埃を除去する樹脂製または金属製のフィルタが設けられている。フィルタは、ＨＥＰＡ（High　Efficiency　Particulate　Air）フィルタあるいは抗菌フィルタである。かかるフィルタは、メンテナンスパネル２０と一体に成形されている。フィルタは、ケーシング１の側面におけるメンテナンスパネル２０の抜き差し動作により着脱できる。フィルタの面積は、吸気口９および吸気風路１０の通風方向に対する断面積よりも大きい。図１から図４において、フィルタの図示を省略している。なお、吸気口９は、ベース７に設けられても良い。手乾燥装置１００は、ベース７に吸気口９が設けられることで、外観の意匠性を向上できる。

　操作スイッチ部は、ケーシング１の上面に設けられている。操作スイッチ部には、制御回路への通電のオンとオフとを切り換えるための電源スイッチと、ノズル孔１２から噴射される空気流の風速を切り換えるための切り換えスイッチと、ヒータ１５のオンとオフとを切り換えるための切り換えスイッチとが設けられている。図１から図４において、操作スイッチ部と、電源スイッチと、切り換えスイッチとの図示を省略している。

　操作スイッチ部は、電源スイッチと操作スイッチが実装された制御基板と、制御基板の上方を覆う操作スイッチカバーとを備える。操作スイッチカバーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂（Acrylonitrile　Butadiene　Styrene，ＡＢＳ）、あるいはポリプロピレン（Polypropylene，ＰＰ）といった樹脂材料で構成されている。操作スイッチカバーには、電源スイッチと操作スイッチを操作するための押しボタンが設けられている。押しボタンは、押圧により上下方向に動くように、バネ性をもつ形状となっている。操作スイッチには、タクトスイッチまたは静電容量式のスイッチが用いられる。図１から図４において、制御基板と、操作スイッチカバーと、押しボタンとの図示を省略している。

　操作スイッチ部は、吸気風路１０の上方に固定されている。ケーシング１には、ケーシング１を取り付けた時に、操作スイッチ部がケーシング１の上面に表れるように上面開口部３７が設けられている。図１に示すように、ケーシング１をベース７に取り付けた状態では、上面開口部３７に操作スイッチ部がはまり込む構造となっている。ケーシング１と操作スイッチ部は上面開口部３７の付近で固定され、上面開口部３７と操作スイッチ部との間に隙間がない状態で取り付けることが可能となる。操作スイッチ部とケーシング１との固定には、ねじを用いてもよい。

　操作スイッチ部は、ケーシング１に開閉可能に取り付けられた操作部パネル１８により覆われている。ここで、操作スイッチ部を操作する手順を説明する。まず、ケーシング１の左右方向における外側に向かって、操作部パネル１８を水平に移動させ、移動させた操作部パネル１８を回転軸を中心に上方に回転させることにより、操作部パネル１８を開く。操作部パネル１８の回転軸は、左右方向に移動可能である。操作部パネル１８が閉じた状態では、ケーシング１と操作部パネル１８との間に隙間が生じないようにされている。これにより、手乾燥装置１００は、外観の意匠性が高められるとともに、ケーシング１内への埃あるいは水の入り込みを防ぐことができる。また操作部パネル１８を開く際は、操作部パネル１８をケーシング１の左右方向の外側に向かって水平に移動させる必要があるため、操作方法を把握しているメンテナンス作業者以外の人により、操作部パネル１８が開かれる事態を低減することができる。これにより、手乾燥装置１００は、操作スイッチ部へのいたずらを防止できる。

　操作スイッチカバーの上面には、ラベルまたはプラスチックフィルムが貼り付けられている。ラベルまたはプラスチックフィルムには、通電のオンとオフと、風速の切り換えと、ヒータ１５のオンおよびオフの状態表示についての説明が表示されている。また、操作スイッチカバーの上面には、状態表示のためのランプからの光を透過させる孔が設けられている。かかる孔は、ラベルまたはプラスチックフィルムにより覆われている。これにより、手乾燥装置１００は、操作スイッチ部への水あるいは埃の入り込みを防止することができる。

　次に、ケーシング１におけるドレン容器６の着脱について説明する。図４に示すように、ケーシング１の両側面の下部には、底面側水受け部４ｂの固定底面部４１ｂよりも前方に突出した一対のケーシング係止突起部１９ａが設けられている。ドレン容器６の両側面における後ろ側の内壁部には、ケーシング係止突起部１９ａが嵌め込まれる凹形状の一対のドレン容器係止受け部１９ｂが設けられている。ケーシング１にケーシング係止突起部１９ａが設けられるとともに、ケーシング係止突起部１９ａを挿入可能なドレン容器係止受け部１９ｂがドレン容器６に設けられていることで、手乾燥装置１００は、前後方向におけるドレン容器６の抜き差しにより、ケーシング１においてドレン容器６が着脱自在とされている。

　したがって、ケーシング係止突起部１９ａとドレン容器係止受け部１９ｂとによるドレン容器６とケーシング１との嵌め合い構造の少なくとも一部は、ケーシング１の下部に設けられている。手乾燥装置１００の前後方向において、嵌め合い構造の少なくとも一部は、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとの分割部である排水口５より後方に位置している。これにより、手乾燥装置１００は、水受け部４で受けた水を、排水口５より後方に位置している嵌め合い構造へ到達させないようにすることができ、嵌め合い構造における汚れの堆積を低減できる。

　ドレン容器６をケーシング１に装着する場合には、ケーシング係止突起部１９ａがドレン容器係止受け部１９ｂに嵌め込まれる。ドレン容器６とケーシング１とは嵌め合い構造によって連結されることで、ドレン容器６はケーシング１に固定される。手乾燥装置１００は、ドレン容器６をケーシング１から落下させずに保持する。ケーシング１におけるドレン容器６の着脱は、底面側水受け部４ｂの着脱底面部４２ｂには関係なく、ケーシング１に対して独立して行われる。このため、ドレン容器６は、着脱底面部４２ｂがドレン容器６から取り外された状態でも、ケーシング１に対して固定されたままの状態を維持することができる。

　ドレン容器６をケーシング１に装着した状態にて、ドレン容器６の重心よりも前方にてケーシング係止突起部１９ａがドレン容器６を支持できるように、前後方向におけるケーシング係止突起部１９ａの長さが設定されている。ドレン容器６をケーシング１に装着した状態では、ドレン容器６の重心は、ケーシング係止突起部１９ａによるドレン容器６の支持点よりも後方となる。これにより、手乾燥装置１００は、ドレン容器６の自重によって前方が下がるように傾いた状態でドレン容器６が装着されてしまうことを防止できる。

　ドレン容器底面５４は、後方へ向かうほど下がるように傾斜している。ドレン容器底面５４の後方端は、ケーシング１への取り付けのため水平面となっている。ドレン容器底面５４の傾斜は、ドレン容器６の重心まで継続する。なお、ドレン容器底面５４の傾斜は、ドレン容器６の重心よりも後方まで継続してもよい。ドレン容器６に水が溜まると、ドレン容器６の重心よりも後方に溜まる水の体積は、ドレン容器６の重心よりも前方に溜まる水の体積よりも大きくなる。すなわち、ドレン容器６に水が溜まった状態でのドレン容器６の重心は、ドレン容器６が空の状態での重心よりも後方に移動する。これにより、ドレン容器６がケーシング１に装着された状態では、ドレン容器６に水が溜まった状態でのドレン容器６の重心は、ケーシング係止突起部１９ａによるドレン容器６の支持点よりも後方となる。これにより、手乾燥装置１００は、ドレン容器６の前方部分が下がるように傾いた状態でドレン容器６が装着されてしまうことを防止できる。

　また、ケーシング１の側面１ａとドレン容器６の側面との合わせ目５３は、ドレン容器６に水が溜まった状態でも傾くことがない。このため、ケーシング１に隙間なくドレン容器６を取り付けることができる。

　ドレン容器６をケーシング１から取り外す場合には、ドレン容器６を前方に引っ張ることで、ケーシング１のケーシング係止突起部１９ａがドレン容器６のドレン容器係止受け部１９ｂから引き抜かれる。これにより、図４に示すように、ドレン容器６がケーシング１から取り外された状態とすることができる。

　着脱底面部４２ｂのうち左右方向における端部に設けられている防水壁４４は、ケーシング係止突起部１９ａとドレン容器係止受け部１９ｂとの合わせ目を覆う。これにより、手乾燥装置１００は、ケーシング係止突起部１９ａとドレン容器係止受け部１９ｂとの合わせ目における汚れの蓄積を低減できる。

　次に、ドレン容器６における着脱底面部４２ｂの着脱について説明する。図６は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００においてドレン容器６と着脱底面部４２ｂとが連結された状態を示す断面図である。図７は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００においてドレン容器６と着脱底面部４２ｂとが連結される前の状態を示す断面図である。図８は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置１００においてドレン容器６から着脱底面部４２ｂが取り外された状態を示す断面図である。

　着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６から取り外し可能であって、ドレン容器６に対して単独で着脱自在とされている。着脱底面部４２ｂの防水壁４４の上端外縁は、ドレン容器６の上端外縁と同じ形状および同じ寸法で形成されている。着脱底面部４２ｂの防水壁４４の上端外縁の下面は、ドレン容器６の上端外縁に嵌め合い可能な形状をなしている。着脱底面部４２ｂの防水壁４４の上端外縁の下面がドレン容器６の上端外縁に嵌ることで、着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６に連結される。

　着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６がケーシング１に装着された状態と、ドレン容器６がケーシング１から取り外された状態とのいずれにおいても、ドレン容器６に対して着脱自在としても良い。この場合、ドレン容器６をケーシング１に装着したまま、ドレン容器６から上方へ着脱底面部４２ｂを取り外すことができる。手乾燥装置１００は、工具が使用されなくても着脱底面部４２ｂを容易に着脱することができる。

　手を乾燥する際に飛び散った水滴は、着脱底面部４２ｂに付着する。手乾燥装置１００の使用が継続されることにより、着脱底面部４２ｂに付着する汚れは徐々に増加する。手乾燥装置１００では、ドレン容器６をケーシング１から取り外すことなく、着脱底面部４２ｂを単独で取り外し可能としたことで、汚れが溜まりやすく使用者の視線に入る着脱底面部４２ｂの容易な清掃が可能となる。

　着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６がケーシング１から取り外された状態ではドレン容器６から着脱自在である一方、ドレン容器６がケーシング１に装着された状態におけるドレン容器６からの着脱ができないものとしても良い。この場合において、着脱底面部４２ｂは、ドレン容器６上にてスライドさせることにより、ドレン容器６に対して着脱可能とされている。図６、図７および図８に示す嵌合部７１，７５は、ドレン容器６上にて着脱底面部４２ｂをスライドさせることにより着脱底面部４２ｂが着脱可能とされている場合におけるドレン容器６に設けられる。図６、図７および図８に示す嵌合部７２，７６は、ドレン容器６上にて着脱底面部４２ｂをスライドさせることにより着脱底面部４２ｂが着脱可能とされている場合における着脱底面部４２ｂに設けられる。

　図８に示すように、嵌合部７１は、ドレン容器６のうち両側面の内壁上部に設けられている。嵌合部７１は、ドレン容器６に後方から連結される着脱底面部４２ｂと嵌まり合う。前後方向における嵌合部７１の長さは、鉛直方向における嵌合部７１の長さより長い。嵌合部７１の後方下部の角部には、ドレン容器６への着脱底面部４２ｂの挿入が容易となるように、面取りが施されている。

　嵌合部７２は、着脱底面部４２ｂのうち両側面の外壁上部に設けられている。前後方向における嵌合部７２の長さは、鉛直方向における嵌合部７２の長さより長い。嵌合部７２の前方上部の角部には、ドレン容器６への着脱底面部４２ｂの挿入が容易となるように、面取りが施されている。

　嵌合部７５は、ドレン容器６の前面の内壁上部に設けられている。嵌合部７６は、着脱底面部４２ｂの前面の外壁上部に設けられている。嵌合部７５は、ドレン容器６への着脱底面部４２ｂの連結により、嵌合部７６と嵌り合う。

　ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとの連結の際において、ドレン容器６の後方から前方に向かって水平に着脱底面部４２ｂをスライドさせる。ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとが連結された状態では、嵌合部７２の上に嵌合部７１が配置されて、嵌合部７１と嵌合部７２とは互いに嵌り合う。嵌合部７１と嵌合部７２との密着により、ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとのうち嵌合部７１と嵌合部７２とが嵌め合わせられた部分では、上下方向におけるドレン容器６と着脱底面部４２ｂとのがたつきが抑制される。

　ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとが連結された状態では、嵌合部７６の上に嵌合部７５が配置されて、嵌合部７５と嵌合部７６とは互いに嵌り合う。嵌合部７５と嵌合部７６との密着により、ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとのうち前方部分では、前後方向におけるドレン容器６と着脱底面部４２ｂとのがたつきが抑制される。

　ドレン容器６と着脱底面部４２ｂとの連結を解除する際には、ケーシング１からドレン容器６と着脱底面部４２ｂとを取り外してから、ドレン容器６上から後方へ向かって水平に着脱底面部４２ｂをスライドさせる。このように、図６に示す連結状態から、ドレン容器６上にて後方へ着脱底面部４２ｂをスライドさせなければ、ドレン容器６から上方へ着脱底面部４２ｂを取り外すことができない。この場合、手乾燥装置１００の構造は、ドレン容器６をケーシング１に装着したままではドレン容器６から着脱底面部４２ｂを取り外すことができない構造とされている。

　使用者が手乾燥装置１００を使用する際に、手に衝突した空気流が背面側水受け部４ａに向かい、背面側水受け部４ａを沿って、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとの分割部に設けられた隙間である排水口５に流れ込むことがある。ケーシング１にドレン容器６が装着された状態における着脱底面部４２ｂの取り外しが制限されていることにより、手乾燥装置１００は、排水口５に流れ込んだ空気流の風圧による着脱底面部４２ｂの浮き上がりを防止できる。

　ドレン容器６の後方部分には、上方へ突出する凸形状をなす突起部７７が設けられている。突起部７７の上面は、円形あるいは四角形をなす。ドレン容器６がケーシング１に装着されているとき、突起部７７は、固定底面部４１ｂの下面に接する。ケーシング１におけるドレン容器６の挿抜の際に、固定底面部４１ｂの下面に突起部７７を接触させることで、固定底面部４１ｂの下面における着脱底面部４２ｂの引っ掛かりを抑制できる。また、ドレン容器６がケーシング１に装着されている状態において、固定底面部４１ｂの下面に突起部７７が接触するか、固定底面部４１ｂの下面と突起部７７との間の隙間がほぼ無い状態となる。これにより、ドレン容器６のがたつきを低減でき、スムーズにドレン容器６を挿抜することが可能となる。

　また、固定底面部４１ｂの下面に突起部７７が接触するか、固定底面部４１ｂの下面と突起部７７との間の隙間がほぼ無い状態となることで、ケーシング１へのドレン容器６の装着強度が増加する。このため、ドレン容器６に貯留された水の重量によるドレン容器６の傾きを低減できる。ドレン容器６のうちケーシング１の固定底面部４１ｂに当接する部分が突起部７７のみであることで、ドレン容器６の装着時と取り外し時における摩擦を小さくすることができ、ドレン容器６のスムーズな挿抜が可能となる。

　着脱底面部４２ｂとドレン容器６とは、ケーシング１に取り付けられた状態において清掃されることがある。濡れた雑巾によって着脱底面部４２ｂとドレン容器６とが拭かれる際に、ドレン容器６には下方への負荷が加えられる。突起部７７が設けられていることによりケーシング１での上下方向におけるドレン容器６のがたつきが抑制されるため、下方への負荷が加えられても無理なく着脱底面部４２ｂとドレン容器６とを清掃することができる。突起部７７が設けられたことで下方への負荷によるドレン容器６のがたつきを抑制できることで、ケーシング１とドレン容器６との側面側の合わせ目５３に生じる隙間を低減できる。

　また、ドレン容器６にぶら下がったり、ドレン容器６を無理に下方に押したりした場合でも、手乾燥装置１００は、突起部７７が設けられていることで、ドレン容器６が下方に傾くことを防ぐことが可能となる。突起部７７の上面を円形あるいは四角形としたことで、ドレン容器６が下方へ押圧されたことによる突起部７７の破損を低減できる。また、ドレン容器６の挿抜の繰り返しによる突起部７７の破損も低減できる。

　手乾燥装置１００では、ケーシング１からドレン容器６が取り外された際に、ドレン容器６から着脱底面部４２ｂを取り外して、着脱底面部４２ｂを清掃することができる。ドレン容器６からの水の廃棄のためにドレン容器６が取り外された際に、着脱底面部４２を取り外して容易に清掃できる。手乾燥装置１００は、工具が使用されなくても着脱底面部４２ｂを容易に着脱することができる。

　次に、手乾燥装置１００における水滴の回収について説明する。手挿入部３に挿入された手を手検知センサ１４が検知すると、高圧空気流発生装置８が作動して、ノズル孔１２から空気流が吹き出される。使用者の手に付着していた水滴は、空気流によって手から吹き飛ばされる。手から吹き飛ばされた水滴は、水受け部４で受け止められる。上述したように、水受け部４で受けた水滴は、底面側水受け部４ｂの重複領域４３において、着脱底面部４２ｂにおける外縁領域４２ｂａと、固定底面部４１ｂにおける外縁領域４１ｂａとの間の隙間である排水口５を通して、ドレン容器６へ導かれる。

　これにより、手乾燥装置１００は、底面側水受け部４ｂにおける固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとの分割部に汚れが堆積することを抑制できる。すなわち、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとの分割部に設けられた隙間を排水口５としたことで、分割部に付着した汚れが水滴とともに流されるため、分割部における汚れの堆積を抑制できる。また、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとは直接固定されず、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとの嵌め合い構造によって互いに連結されるため、底面側水受け部４ｂの形状を簡単な形状とすることができる。着脱底面部４２ｂと固定底面部４１ｂとは、凹凸の少ない単純な形状とすることができる。これにより、手乾燥装置１００は、底面側水受け部４ｂの容易な清掃が可能となる。水受け部４には、２つの部品である背面側水受け部４ａと底面側水受け部４ｂとによる１つの分割部が含まれる。一般に分割部には汚れが堆積し易いことから、手乾燥装置１００は、さらに多くの分割部が水受け部４に含まれる場合に比べて、水受け部４の汚れの蓄積を少なくすることができる。

　使用者の視線に触れ易い着脱底面部４２ｂの美観を維持するとともに、着脱底面部４２ｂの衛生的かつ清潔な状態を維持することができるため、使用者は、手乾燥装置１００を快適に使用することができる。なお、固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとは、嵌め合い構造に代えて、爪構造によって互いに連結されても良い。手乾燥装置１００は、爪構造により固定底面部４１ｂと着脱底面部４２ｂとが連結される場合も、嵌め合い構造による連結の場合と同様に、底面側水受け部４ｂの容易な清掃が可能となる。

　手乾燥装置１００では、水受け部４の外縁に設けられた防水壁４４よりも下方に、ドレン容器６とケーシング１との嵌め合い構造が設けられている。防水壁４４で受け止められた水滴は、速やかに着脱底面部４２ｂまたは固定底面部４１ｂに流れ、排水口５を通してドレン容器６へ導かれる。これにより、防水壁４４で受け止められた水滴はドレン容器６とケーシング１との嵌め合い構造に到達しにくく、嵌め合い構造に汚れが堆積することを抑制できる。

　手乾燥装置１００は、着脱底面部４２ｂを取り外し可能としたことで、汚れが蓄積し易い着脱底面部４２ｂの容易な清掃を可能とする。手乾燥装置１００は、高い頻度での清掃が求められる水受け部４の衛生的かつ清潔な状態を維持することができる。また、手乾燥装置１００は、水受け部４を容易に清掃することができることで、メンテナンス性の向上が可能となる。

　実施の形態によると、手乾燥装置１００は、下流へ向かうにしたがって前方へ向かうように傾斜している第１の部分１３ｂを排気風路１３に含めたことで、ケーシング１の前面部２１とノズル孔１２との間の距離を短くすることができる。使用者は、手元を確認しながら手を乾燥させることができるため、手挿入部３に手が触れる事態を低減でき、手乾燥装置１００を快適に使用することができる。これにより、手乾燥装置１００は、乾燥時に手元を目視し易く快適に使用することができるという効果を奏する。

　以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１　ケーシング、１ａ　側面、２　手挿入口、３　手挿入部、４　水受け部、４ａ　背面側水受け部、４ｂ　底面側水受け部、５　排水口、６　ドレン容器、６ａ　上端、７　ベース、８　高圧空気流発生装置、９　吸気口、１０　吸気風路、１２　ノズル孔、１３　排気風路、１３ａ　曲げ部、１３ｂ　第１の部分、１３ｃ　第２の部分、１４　手検知センサ、１５　ヒータ、１８　操作部パネル、１９ａ　ケーシング係止突起部、１９ｂ　ドレン容器係止受け部、２０　メンテナンスパネル、２０ａ　傾斜面、２１　前面部、２３　ノズル、２５，２６，２８，３２ａ　前方端、２７　前側壁面、２９　後側壁面、３０　連結部、３１　モータカバー、３２　シール部材、３７　上面開口部、４１ｂ　固定底面部、４１ｂａ，４２ｂａ　外縁領域、４２ｂ　着脱底面部、４３　重複領域、４４　防水壁、４４ａ　防水壁立ち部、４４ｂ　防水壁傾斜部、５３　合わせ目、５４　ドレン容器底面、７１，７２，７５，７６　嵌合部、７７　突起部、１００　手乾燥装置。

Claims

　空気流を送り出す送風部と、
　前記送風部を収納するケーシングと、
　前記ケーシングに設けられ、手を挿入可能に形成された手挿入部と、
　前記手挿入部にて後方へ向けて斜め下方へ前記空気流を噴射するノズル孔を備え、前記送風部から前記ノズル孔へ向かう前記空気流が流動する風路が設けられたノズルと、
　を備え、
　前記風路の前側壁面は、下流へ向かうにしたがって前記ケーシングの前方へ向かうように傾斜している第１の部分と、前記第１の部分より下流に位置する第２の部分とを含むことを特徴とする手乾燥装置。
　前記第２の部分は、前記第１の部分との境界から前記ノズル孔へ向かうにしたがって、前記ケーシングの後方へ向かうように傾斜していることを特徴とする請求項１に記載の手乾燥装置。
　前記風路は、前記第１の部分と前記第２の部分との境界である曲げ部を含み、
　前記曲げ部が設けられている位置における前記ノズルの前方端は、前記ケーシングに当接していることを特徴とする請求項２に記載の手乾燥装置。
　前記ケーシングに収納され、前記送風部を覆うカバー部と、
　前記ノズルと前記カバー部とを連結する連結部と、
　を備え、
　前記風路は、前記第１の部分と前記第２の部分との境界である曲げ部を含み、
　前記曲げ部の前方端の位置は、前記連結部の前方端の位置より前方であることを特徴とする請求項２に記載の手乾燥装置。
　前記風路は、前記第１の部分と前記第２の部分との境界である曲げ部を含み、
　前記曲げ部の前方端の位置は、前記ノズル孔の前方端の鉛直上方の位置と同じであるか、前記ノズル孔の前方端の位置より前方であることを特徴とする請求項２に記載の手乾燥装置。
　前記ケーシングに収納され、前記送風部を覆うカバー部と、
　前記ノズルと前記カバー部とを連結する連結部と、
　を備え、
　前記ノズル孔の前方端の位置は、前記連結部の前方端の鉛直下方の位置と同じであるか、前記連結部の前方端の位置より前方であることを特徴とする請求項１または２に記載の手乾燥装置。
　前記ケーシングに収納され、前記送風部を覆うカバー部と、
　前記ノズルと前記カバー部とを連結する連結部と、
　を備え、
　前記ノズルの前方端の位置は、前記連結部の前方端の鉛直下方の位置と同じであるか、前記連結部の前方端の位置より前方であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１つに記載の手乾燥装置。
　前記曲げ部における風向の変更角度が９０度以下であることを特徴とする請求項３から５のいずれか１つに記載の手乾燥装置。
　前記ケーシングのうち前方へ向けられた面と前記ノズル孔の中心との間の距離が、前後方向における前記ケーシングの寸法の５分の１以下であることを特徴とする請求項１から８のいずれか１つに記載の手乾燥装置。
　前記ケーシングのうち前方へ向けられた面と前記ノズル孔の中心との間の距離が、１５ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１から９のいずれか１つに記載の手乾燥装置。
　前後方向における前記ケーシングの寸法が１５０ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１から１０のいずれか１つに記載の手乾燥装置。