WO2018207743A1 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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康夫 水嶋
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Abstract

運転中の固定スクロールの変形を抑制可能な、効率の良いスクロール圧縮機を提供する。スクロール圧縮機は、固定側鏡板(32)及び固定側鏡板の正面(32a)から突出する渦巻状の固定側ラップ(34)を有する固定スクロール(30)と、固定側ラップと組み合わされて圧縮室(Sc)を形成する渦巻状の可動側ラップ(44)を有する可動スクロール(40)と、固定側鏡板の背面(32b)側の高圧空間内に配置され、固定スクロールに取り付けられるカバー部材(60)と、を備える。固定側鏡板は、その正面が圧縮室に接する圧縮室隣接部(33)を有する。圧縮室隣接部は、圧縮室隣接部の中央部に配置され、固定側鏡板の正面が高圧の圧縮室に接する高圧隣接部分(33a)と、高圧隣接部分より外側に配置される中低圧隣接部分(33b)と、を含む。カバー部材は、固定側鏡板の圧縮室隣接部の中低圧隣接部分の背面の少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間(S3)を形成する。

Description

スクロール圧縮機
 本発明は、スクロール圧縮機、特には、運転中に固定スクロールの鏡板の背面側(固定側ラップが突出する面とは反対側)に高圧空間が配置されるスクロール圧縮機に関する。
 運転中に固定スクロールの鏡板の背面(固定側ラップが突出する正面とは反対側の面)に接する空間が高圧(吐出圧)の空間になるスクロール圧縮機が知られている。
 このようなスクロール圧縮機では、例えば特許文献1(特開2003-206873号公報)に開示されているように、固定スクロールの鏡板の、正面が圧縮室と接する領域全体において、背面が運転中に高圧となる空間に接する。
 ところで、スクロール圧縮機の運転中、固定スクロールの鏡板が接する圧縮室は、中央部では高圧の空間となるが、その周囲では低圧(吸入圧)又は中間圧(吸入圧と吐出圧の中間の圧力)の空間となる。そのため、特許文献1(特開2003-206873号公報)に開示されているようなスクロール圧縮機では、固定スクロールの鏡板が、背面側に作用する高圧の冷媒により、低圧又は中間圧の圧縮室に向かって押されて変形する可能性がある。そして、このように固定スクロールの鏡板が変形すると、固定/可動スクロールのラップ先端とこれに対向する可動/固定スクロールの鏡板との隙間(歯先隙間)の増大や、歯先隙間の不均一が引き起こされ、スクロール圧縮機の効率が低下するおそれがある。
 本発明の課題は、運転中の固定スクロールの変形を抑制可能な、効率の良いスクロール圧縮機を提供することにある。
 本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールと、可動スクロールと、カバー部材と、を備える。固定スクロールは、平板状の固定側鏡板と、固定側鏡板の正面から突出する渦巻状の固定側ラップと、を有する。可動スクロールは、平板状の可動側鏡板と、可動側鏡板の正面から突出し、固定側ラップと組み合わされて圧縮室を形成する渦巻状の可動側ラップと、を有する。カバー部材は、固定側鏡板の背面側の高圧空間内に配置され、固定スクロールに取り付けられる。固定側鏡板は、固定側鏡板の正面が圧縮室に接する圧縮室隣接部を有する。圧縮室隣接部は、圧縮室隣接部の中央部に配置され、固定側鏡板の正面が高圧の圧縮室に接する高圧隣接部分と、高圧隣接部分より外側に配置される中低圧隣接部分と、を含む。カバー部材は、固定側鏡板の圧縮室隣接部の中低圧隣接部分の背面の少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間を形成する。
 なお、ここで、低圧とは、スクロール圧縮機の定常運転時における、スクロール圧縮機の吸入圧を意味する。高圧とは、スクロール圧縮機の定常運転時における、スクロール圧縮機の吐出圧を意味する。中間圧とは、低圧と高圧との中間の圧力を意味する。
 また、ここで、圧縮室隣接部の高圧隣接部分とは、圧縮室隣接部のうち、スクロール圧縮機の定常運転時において、圧力が吐出圧まで上昇する圧縮室に接する部分を意味する。圧縮室隣接部の中低圧隣接部分とは、圧縮室隣接部のうち、スクロール圧縮機の定常運転時において、圧力が吐出圧まで上昇しない(つまり、最大圧力が低圧又は中間圧の)圧縮室に接する部分を意味する。
 本スクロール圧縮機では、その正面が圧縮室に接する固定側鏡板の圧縮室隣接部の背面のうち、中低圧隣接部分(つまり圧縮室隣接部のうち低圧又は中間圧の圧縮室と接する部分)の背面の少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間がカバー部材により形成される。このような構成とすることで、スクロール圧縮機の運転中の固定側鏡板の正面側と背面側との圧力差が低減され、固定スクロールの変形を抑制し、効率の良いスクロール圧縮機を実現することができる。
 また、高圧の冷媒は高温でもあるため、圧縮室隣接部の背面の全体が高圧空間に隣接しているスクロール圧縮機では、低圧又は中間圧の圧縮室の冷媒に高圧空間の熱が伝わりやすく、圧縮ガスが過熱するおそれがある。またこのような高圧空間から低圧又は中間圧の圧縮室側への伝熱により、固定/可動スクロールのラップ先端とこれに対向する可動/固定スクロールの鏡板との隙間(歯先隙間)の不均一が引き起こされる可能性がある。これに対し、本スクロール圧縮機では、高圧空間と固定側鏡板との間に低圧又は中間圧の背面隣接空間を有しているため、高圧空間から低圧又は中間圧の圧縮室側への伝熱に伴う上記のような問題の発生を抑制することができる。
 本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点に係るスクロール圧縮機であって、中低圧隣接部分は、固定側鏡板の正面が低圧の圧縮室に接する低圧隣接部分を含む。
背面隣接空間は、少なくとも低圧隣接部分の背面に接する。
 ここで、圧縮室隣接部の低圧隣接部分とは、圧縮室隣接部のうち、スクロール圧縮機の定常運転時において、圧力が吸入圧から上昇しない圧縮室に接する部分を意味する。
 本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機では、定常運転時に、正面側が低圧かつ背面側が高圧になる部分が固定側鏡板に存在せず、固定スクロールの比較的大きな変形を防止できる。そのため、効率の良いスクロール圧縮機が実現される。
 本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点又は第2観点に係るスクロール圧縮機であって、中低圧隣接部分は、固定側鏡板の正面が中間圧の圧縮室に接する中間圧隣接部分を含む。背面隣接空間は、低圧の低圧背面隣接空間を少なくとも有する。低圧背面隣接空間は、圧縮室隣接部の中央部を基準として、中間圧隣接部分より外側に配置される。
 ここで、圧縮室隣接部の中間圧隣接部分とは、圧縮室隣接部のうち、スクロール圧縮機の定常運転時において、圧力が吸入圧より大きくなるものの、吐出圧には達しない圧縮室に接する部分を意味する。言い換えると、圧縮室隣接部の中間圧隣接部分は、圧縮室隣接部のうち、高圧隣接部分と低圧隣接部分とを除く部分である。
 本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機では、定常運転時に、正面側が中間圧かつ背面側が低圧になる部分が固定側鏡板に存在せず、固定スクロールの変形を防止することができる。そのため、効率の良いスクロール圧縮機が実現される。
 本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点に係るスクロール圧縮機であって、背面隣接空間は、中間圧の第1背面隣接空間と、低圧の第2背面隣接空間と、を含む。第2背面隣接空間は、圧縮室隣接部の中央部を基準として第1背面隣接空間よりも外側に配置される。
 一般的な特徴として、スクロール圧縮機では、スクロールの中央側に高圧の圧縮室が、外側に低圧の圧縮室が、その間に中間圧の圧縮室が配置される。本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機では、このような圧力分布に合わせて、圧縮室隣接部の中央部を基準として、内側に中間圧の第1背面隣接空間が、外側に低圧の第2背面隣接空間が配置される。そのため、スクロール圧縮機の定常運転時に、固定側鏡板の正面側と背面側とで圧力差が生じにくく、固定スクロールの変形を抑制して高効率のスクロール圧縮機を実現することができる。
 本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機は、第4観点に係るスクロール圧縮機であって、中低圧隣接部分は、固定側鏡板の正面が低圧の圧縮室に接する低圧隣接部分と、固定側鏡板の正面が中間圧の圧縮室に接する中間圧隣接部分と、を含む。第1背面隣接空間は、中間圧隣接部分の背面に接する。第2背面隣接空間は、低圧隣接部分の背面に接する。
 本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機では、固定側鏡板の圧縮室隣接部の全域で正面側の圧力と背面側の圧力とが概ね等しくなるため、特に固定スクロールの変形が抑制されやすく、効率の良いスクロール圧縮機が実現される。
 本発明の第6観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第5観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、背面隣接空間の体積は、高圧空間の体積より小さい。
 本発明の第6観点に係るスクロール圧縮機では、固定スクロールの変形を抑制することが可能で高効率な、なおかつコンパクトなスクロール圧縮機を実現することができる。
 本発明の第7観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第6観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、カバー部材は、環状の背面隣接空間を形成する。
 本発明の第7観点に係るスクロール圧縮機では、全周にわたってスクロール圧縮機の定常運転時の固定側鏡板の正面側と背面側との圧力差を低減でき、固定スクロールの局所的な変形を抑制することができる。
 本発明の第8観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第7観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、背面隣接空間に中間圧の油を供給する給油経路を更に備える。固定側鏡板には、背面隣接空間の油を圧縮室へと導く油通路が形成されている。
 本発明の第8観点に係るスクロール圧縮機では、背面隣接空間の少なくとも一部が中間圧の油で満たされるため、運転条件の変化が生じた場合でも、背面隣接空間にガスしか存在しない場合に比べて、背面隣接空間の急激な圧力変化を抑制することができる。また、背面隣接空間の油が圧縮室に供給されるので、圧縮機構の潤滑を確保し、スクロール圧縮機の信頼性と性能とを向上することができる。
 本発明の第9観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第8観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、逃がし弁を更に備える。逃がし弁は、高圧空間と背面隣接空間とを連通する、カバー部材に形成された連通孔、を閉鎖するようにカバー部材に取り付けられている。逃がし弁は、背面隣接空間内の圧力が所定圧力より上昇すると開く。
 本発明の第9観点に係るスクロール圧縮機では、背面隣接空間内の圧力が何らかの原因で異常上昇した場合に、高圧空間に圧力を逃がすことができ、スクロール圧縮機の信頼性を確保することができる。
 本発明に係るスクロール圧縮機では、その正面が圧縮室に接する固定側鏡板の圧縮室隣接部の背面のうち、中低圧隣接部分(つまり圧縮室隣接部のうち低圧又は中間圧の圧縮室と接する部分)の背面の少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間がカバー部材により形成される。このような構成とすることで、スクロール圧縮機の運転中の固定側鏡板の正面側と背面側との圧力差が低減され、固定スクロールの変形を抑制し、効率の良いスクロール圧縮機を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機の模式図である。 図1のスクロール圧縮機の圧縮機構周辺を模式的に描画した断面図である。 図1のスクロール圧縮機の固定スクロールの固定側鏡板の圧縮室隣接部に含まれる、高圧隣接部分、中圧隣接部分、及び低圧隣接部分の配置を説明する図である。図3では、上方側から見た固定スクロールを概略的に描画している。また、上方側からは見えない固定側ラップ及び可動スクロールを、それぞれ、点線及び二点鎖線で描画している。 図1のスクロール圧縮機のカバー部材を概略的に描画した斜視図である。 変形例Aのスクロール圧縮機の圧縮機構周辺を模式的に描画した断面図である。 変形例Bのスクロール圧縮機の圧縮機構周辺を模式的に描画した断面図である。 変形例Cのスクロール圧縮機の圧縮機構周辺を模式的に描画した断面図である。
 本発明のスクロール圧縮機の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
 なお、下記の実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
下記の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
 (1)全体構成
 本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機100について説明する。図1は、スクロール圧縮機100を模式的に示した図である。
 スクロール圧縮機100は、例えば冷凍装置に使用される冷媒の圧縮機である。冷凍装置において、スクロール圧縮機100は、冷媒の冷却器(凝縮器)として機能する熱交換器、冷媒の加熱器(蒸発器)として機能する熱交換器、及び冷媒の膨張機構等と共に冷凍サイクルを構成する。冷凍装置には、例えば、空調装置、給湯システム、及び除湿装置等を含む。
 なお、以下では、圧力を表す表現として、低圧、高圧、及び中間圧という語を使用する場合がある。ここでの低圧は、スクロール圧縮機100がその一部を形成する冷凍サイクルにおける低圧を意味する。そして、低圧は、定常運転時におけるスクロール圧縮機100の吸入圧を意味する。また、ここでの高圧は、スクロール圧縮機100がその一部を形成する冷凍サイクルにおける高圧を意味する。そして、高圧は、定常運転時におけるスクロール圧縮機100の吐出圧を意味する。また、ここでの中間圧は、低圧(吸入圧)と高圧(吐出圧)との中間の圧力を意味する。
 スクロール圧縮機100の圧縮対象の冷媒は、例えば、圧縮されることで高温高圧になりやすい冷媒である。言い換えれば、スクロール圧縮機100の圧縮対象の冷媒は、凝縮圧力が比較的高い冷媒である。
 スクロール圧縮機100では、圧縮機構20の固定スクロール30の背面側(可動スクロール40とは対向しない側、本実施形態では上側)に圧縮機構20による吐出後の冷媒が流入する第1空間S1が形成される(図1参照)。本実施形態で例示するような凝縮圧力が比較的高い冷媒が用いられる結果、この第1空間S1は、比較的、高温高圧になりやすい。
 具体的には、スクロール圧縮機100の圧縮対象の冷媒は、例えば、R32(R32単体)、R32を50%以上含む混合冷媒(例えば、R410A、R452B、R454B等)、R1123とR32との混合冷媒等である。なお、ここでのスクロール圧縮機100の圧縮対象の冷媒は、特に、R32や、R1123とR32との混合冷媒等、R410Aよりも凝縮圧力が高い冷媒である。
 ただし、スクロール圧縮機100の圧縮対象の冷媒は、上記冷媒に限定されるものではなく、例示したような冷媒に比べて凝縮圧力が比較的低い冷媒であってもよい。
 スクロール圧縮機100は、図1に示されるように、ケーシング10、圧縮機構20、カバー部材60、モータ70、クランク軸80、及び下部軸受90を主に有する。圧縮機構20は、固定スクロール30、可動スクロール40、及びハウジング50を主に含む(図1参照)。
 スクロール圧縮機100は、いわゆる高圧ドーム構造のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機100の定常運転時(例えば、スクロール圧縮機100が、起動後、運転条件の変化のない状態で比較的長時間運転されている状態)において、第1空間S1、第2空間S2、油溜空間16、及びクランク室54aは、高圧の空間となる。なお、第1空間S1は、固定スクロール30の上方に配置される、圧縮機構20による圧縮後の冷媒が吐出される空間である。第2空間S2は、ハウジング50の下方に形成され、モータ70が配置される空間である。第1空間S1と第2空間S2とは、固定スクロール30及びハウジング50に形成された冷媒通路22により連通している(図1参照)。油溜空間16は、ケーシング10の下部に形成され、油O(冷凍機油)が溜められる空間である。クランク室54aは、ハウジング50により形成され、後述する可動スクロール40のボス部46が配置される空間である。
 (2)詳細構成
 スクロール圧縮機100の構成について以下に詳述する。なお、以下の説明では、特記無き場合、図1中の矢印Uの方向を上向きとして位置や方向の説明を行う。
 (2-1)ケーシング
 スクロール圧縮機100は、縦長円筒状のケーシング10を有する。
 ケーシング10は、図示を省略するが、上下が開口した円筒状の円筒部材と、円筒部材の上方及び下方にそれぞれ設けられた上蓋及び下蓋と、を有する。円筒部材と、上蓋及び下蓋とは、気密を保つように溶接により固定される。
 ケーシング10には、図1のように、圧縮機構20、カバー部材60、モータ70、クランク軸80及び下部軸受90を含むスクロール圧縮機100の各種構成が収容される。ケーシング10の下部には、図1のように、油溜空間16が形成される。油溜空間16には、圧縮機構20等を潤滑するための油O(冷凍機油)が溜められる。油溜空間16は、圧縮機構20のハウジング50の下方に形成される第2空間S2と連通する。
 ケーシング10の上部には、図1のように、圧縮機構20の圧縮対象であるガス冷媒を吸入する吸入管12が、ケーシング10の側面を貫通して設けられる。吸入管12は、圧縮機構20の固定スクロール30に接続される。吸入管12は、後述する圧縮機構20の外周側の圧縮室Scと連通する。吸入管12には、スクロール圧縮機100による圧縮前の低圧の冷媒が流れる。
 ケーシング10の鉛直方向における中央部には、図1のように、ケーシング10外に吐出されるガス冷媒が通過する吐出管14が設けられる。吐出管14は、吐出管14のケーシング10内側の端部が、圧縮機構20のハウジング50の下方に形成される第2空間S2に突き出すようにケーシング10の側面に取り付けられる。スクロール圧縮機100には、吐出管14に、圧縮機構20により圧縮された高圧の冷媒が流れる。
 (2-2)圧縮機構
 圧縮機構20は、図1に示されるように、主に、固定スクロール30と、固定スクロール30と組み合わされて圧縮室Scを形成する可動スクロール40と、固定スクロール30の下方に配置されるハウジング50と、を有する。固定スクロール30は、ハウジング50に固定されている。
 また、固定スクロール30及びハウジング50には、圧縮機構20で圧縮後の冷媒が流れる冷媒通路22が形成される(図1参照)。冷媒通路22は、固定スクロール30の上方の第1空間S1と、ハウジング50の下方の第2空間S2と、を連通する通路である。
 また、固定スクロール30及びハウジング50には、後述する背面隣接空間S3に油Oを供給するための給油経路24が形成される(図2参照)。給油経路24は、クランク室54aと、背面隣接空間S3とを連通する通路である。給油経路24の説明は、カバー部材60の説明と合わせて後述する。
 (2-2-1)固定スクロール
 固定スクロール30は、平板状の固定側鏡板32と、固定側鏡板32の正面32a(可動スクロール40側に対向する側の面)から突出する固定側ラップ34と、固定側ラップ34を囲む周縁部36と、を有する(図1参照)。
 固定側鏡板32は、円板状の部材である。
 固定側鏡板32の中央には、後述する圧縮室Scに連通する吐出口32cが、固定側鏡板32を厚さ方向(鉛直方向)に貫通して形成される。圧縮室Scで圧縮されたガス冷媒は、吐出口32cから吐出され、固定側鏡板32の背面32b側(固定側ラップ34が突出する正面32aとは反対側)の第1空間S1に流入する。圧縮室Scから第1空間S1に流入した冷媒は、固定スクロール30及びハウジング50に形成された冷媒通路22(図1参照)を通過して、ハウジング50の下方の第2空間S2へ流入する。
 また、固定側鏡板32には、固定側鏡板32を厚さ方向(鉛直方向)に貫通して形成される油通路32dが形成されている。油通路32dは、固定側鏡板32の背面32b側に配置される後述する背面隣接空間S3と、圧縮室Scとを連通する通路である。特に、油通路32dは、定常運転時に、背面隣接空間S3と、低圧又は中間圧の圧縮室Scとを連通する通路である。油通路32dは、背面隣接空間S3内の油Oを圧縮室Scへと導く。なお、図2では、油通路32dを2つ描画しているが、油通路32dの数量は2つに限定されるものではなく、1つ、又は、3つ以上形成されてもよい。
 固定側ラップ34は、渦巻き状に形成されている。固定側ラップ34と、後述する可動スクロール40の可動側ラップ44とが、固定側鏡板32の正面32aと可動側鏡板42の正面42aとが対向するように組み合わされることで、固定スクロール30と可動スクロール40との間に圧縮室Scが形成される。
 周縁部36は、厚肉のリング状に形成され、固定側ラップ34を取り囲むように配置される。周縁部36は、可動スクロール40の可動側鏡板42と摺接するスラスト部として機能する。
 周縁部36の下面には、周縁部36の内周縁から、外周側に延びるように連通溝36aが形成されている(図1参照)。連通溝36aは、スクロール圧縮機100の定常運転時に中間圧になる(圧縮途中の)圧縮室Scと連通するように形成されている。
 連通溝36aは、スクロール圧縮機100が運転され、可動スクロール40が旋回する際に、後述する可動スクロール40の可動側鏡板42に形成された連通孔42c(図1参照)を介して、1旋回サイクル中の所定の期間、背圧空間S4(可動側鏡板42の周縁側の背面42bに面する空間)と連通する(図1参照)。また、連通溝36aは、中間圧の(圧縮途中の)圧縮室Scと連通する。つまり、可動スクロール40の1旋回サイクル中の所定の期間、中間圧の圧縮室Scと背圧空間S4とは、連通溝36a及び連通孔42cを介して連通する。このように構成されることで、スクロール圧縮機100の定常運転時には、背圧空間S4の圧力は中間圧となる。
 (2-2-2)可動スクロール
 可動スクロール40は、図1に示されるように、主に、平板状の可動側鏡板42と、可動側鏡板42の正面42aから突出する渦巻状の可動側ラップ44と、可動側鏡板42の背面42bから突出するボス部46と、を有する。なお、可動側鏡板42の正面42aは、固定スクロール30と対向する面(上面)である。可動側鏡板42の背面42bは、正面42aとは反対側の面であり、ハウジング50の上面と対向する。
 可動側鏡板42は、円板状の部材である。可動側鏡板42には、図1のように、可動側鏡板42を厚さ方向(鉛直方向)に貫通する連通孔42cが形成されている。連通孔42cは、可動スクロール40が旋回すると、1旋回サイクル中の所定期間だけ、固定スクロール30の周縁部36に形成された連通溝36aと連通するような位置に形成される。
 可動側ラップ44は、可動側鏡板42の正面42aから上方に突出するように延びる。可動側ラップ44は、固定側ラップ34と組み合わされて圧縮室Scを形成する。
 ボス部46は、円筒状に形成されている。ボス部46は、可動側鏡板42の背面42bから下方に突出するように延びる。円筒状のボス部46の上部は、可動側鏡板42により閉じられている。ボス部46の中空部には、軸受メタル(図示省略)が設けられる。
 ボス部46は、ハウジング50により形成されるクランク室54a内に配置される。可動スクロール40とクランク軸80とは、ボス部46の中空部に、後述するクランク軸80の偏心部84が挿入されることで連結される(図2参照)。後述するように、クランク軸80はモータ70とも連結されていることから、可動スクロール40はクランク軸80を介してモータ70と連結される。そして、モータ70が運転されると、可動スクロール40が旋回する。
 なお、モータ70により旋回させられる可動スクロール40は、可動側鏡板42の背面42b側に配置されたオルダム継手48の働きで、自転することなく、固定スクロール30に対して公転する(図1参照)。可動スクロール40が固定スクロール30に対して公転させられると、圧縮機構20の圧縮室Sc内のガス冷媒が圧縮される。より具体的には、可動スクロール40が公転させられると、吸入管12を通して周縁側の圧縮室Scにガス冷媒が吸引され、その後、圧縮室Scが固定側鏡板32及び可動側鏡板42の中心側に移動する。圧縮室Scが中心側に移動するにつれ、圧縮室Scの容積は減少し、圧縮室Sc内の圧力が上昇する。つまり、中央側の圧縮室Scは、周縁側の圧縮室Scに比べ高い圧力になる。圧縮機構20により圧縮された高圧のガス冷媒は、中央側の圧縮室Scから固定側鏡板32に形成された吐出口32cを通って、固定スクロール30の上方側の(固定側鏡板32の背面32b側の)第1空間S1に吐出される。第1空間S1は、高圧空間の一例である。第1空間S1に吐出された高圧の冷媒は、固定スクロール30及びハウジング50に形成された冷媒通路22を通過して、ハウジング50の下方の第1空間S1へ流入する。
 ここで、位置による圧縮室Scの圧力の違いについて更に説明する。なお、ここでの圧縮室Scの圧力は、スクロール圧縮機100の定常運転時における圧縮室Scの圧力を意味する。
 圧縮室Scは、圧縮機構20をクランク軸80の軸方向に沿って(ここでは上方から)見た時に、外周側から順に、低圧の圧縮室Sc、中間圧の圧縮室Sc、高圧の圧縮室Scが配置される。ここでは、スクロール圧縮機100の定常運転時に、吸入圧より圧力が上昇しない圧縮室Scを低圧の圧縮室Scと呼ぶ。また、スクロール圧縮機100の定常運転時に、吐出圧まで圧力が上昇する圧縮室Scを高圧の圧縮室Scと呼ぶ。スクロール圧縮機100の定常運転時に、その圧力の最大値が、吸入圧と吐出圧の中間の値となる圧縮室Scを中間圧の圧縮室Scと呼ぶ。
 より具体的に、各圧力の圧縮室Scの配置について説明する。
 ここでは、冷媒の吸込み完了時の最外側の圧縮室Scを低圧の圧縮室Scと呼ぶ。低圧の圧縮室Scは、固定スクロール30の固定側ラップ34の巻き終わりから約1周分内側までの範囲に形成される圧縮室である。
 また、ここでは、圧縮後の冷媒の吐出口からの吐出開始直前の最内側の圧縮室Scを高圧の圧縮室Scと呼ぶ。高圧の圧縮室Scは、固定スクロール30の固定側ラップ34の巻き初めから約1周分外側までの範囲に形成される圧縮室である(図3中の固定スクロール30の中央部のドットのハッチング部参照)。
 また、ここでは、中間圧の圧縮室Scは、低圧の圧縮室Scの内側、かつ、高圧の圧縮室Scの外側に位置する圧縮室である(図3中の固定スクロール30の斜線によるハッチング部参照)。
 なお、固定側鏡板32は、固定側鏡板32の正面32aが圧縮室Scに接する圧縮室隣接部33を含む(図2参照)。圧縮室隣接部33は、中央部に配置され、固定側鏡板32の正面32aが高圧の圧縮室Scに接する高圧隣接部分33aと、高圧隣接部分33aより外側に配置される中低圧隣接部分33bと、を含む(図2及び図3参照)。中低圧隣接部分33bは、固定側鏡板32の正面32aが低圧の圧縮室Scに接する低圧隣接部分33b2と、固定側鏡板32の正面32aが中間圧の圧縮室Scに接する中間圧隣接部分33b1と、を含む(図2及び図3参照)。
 (2-2-3)ハウジング
 ハウジング50は、ケーシング10の円筒部材に圧入固定された部材である。ハウジング50の外周とケーシング10の円筒部材の内面とは密接している。
 ハウジング50には、固定スクロール30が、固定スクロール30の周縁部36の下面とハウジング50の上面とが対向する状態で固定されている。固定スクロール30は、図示しない固定部材(例えばボルト)によりハウジング50に固定されている。また、ハウジング50は、その上方に配置されたオルダム継手48を介して、可動スクロール40を下方で支持する。
 ハウジング50は、図1に示すように、上部中央に凹むように配置される第1凹部54と、第1凹部54を囲むように配置される第2凹部56と、第1凹部54の下方に配置される上部軸受52と、を有する(図1及び図2参照)。また、ハウジング50には、給油経路24の一部が形成される(図2参照)。
 第1凹部54は、可動スクロール40のボス部46が配置されるクランク室54aの側面を囲む。
 第2凹部56は、背圧空間S4を囲む下面及び側面の一部を形成する。第1凹部54と第2凹部56とは、第1凹部54と第2凹部56との境界に配置されている環状の壁部55により隔てられている(図2参照)。
 背圧空間S4は、第2凹部56の上方に形成される空間である。背圧空間S4は、第1凹部54により形成されるクランク室54aの周囲に配置される。可動側鏡板42の背面42bと対向する壁部55の上端には、図示しないシールリングが配置され、このシールリングにより背圧空間S4とクランク室54aとは隔てられている。
 スクロール圧縮機100の定常運転時には、クランク室54aには、後述するように油溜空間16から高圧の油Oが流入する。そのためクランク室54aの圧力は、スクロール圧縮機100の定常運転時には高圧になる。そして、クランク室54aに面する(すなわち中央部の)可動側鏡板42の背面42bには、クランク室54a内の圧力により、可動スクロール40を固定スクロール30に向かって押す力が発生する。
 背圧空間S4は、上述したように、スクロール圧縮機100の運転時に圧縮途中の圧縮室Scと連通する。そして、スクロール圧縮機100の定常運転時には、背圧空間S4の圧力は中間圧となる。背圧空間S4に面する(すなわち周縁部の)可動側鏡板42の背面32bには、背圧空間S4内の圧力により、可動スクロール40を固定スクロール30に向かって押す力が発生する。
 このようにして、スクロール圧縮機100の運転時には、可動スクロール40は、クランク室54a内の圧力により生じる力と、背圧空間S4内の圧力により生じる力と、により、固定スクロール30に向かって押される。
 上部軸受52には、軸受メタル(図示省略)が設けられる。上部軸受52は、クランク軸80の主軸82を回転自在に軸支する。なお、上部軸受52に配置される軸受メタルの外側には、上部軸受部油通路(図示省略)が形成されている。後述するクランク軸80に形成された油通路86から供給され、軸受メタルとクランク軸80とを潤滑した油Oの一部は、上部軸受部油通路を通ってクランク室54aへと流入する。
 (2-3)カバー部材
 カバー部材60は、固定スクロール30の固定側鏡板32の背面32b側の第1空間S1内に配置される部材である。
 カバー部材60は、図示しない固定手段(例えばボルト)により固定スクロール30に取り付けられる。なお、カバー部材60の固定スクロール30へのボルトによる固定は、固定方法の一例であって、カバー部材60の固定スクロール30への固定方法は適宜選択されればよい。例えば、カバー部材60は、固定スクロール30に溶接等で固定されてもよい。なお、カバー部材60は、カバー部材60と固定側鏡板32との間に形成される背面隣接空間S3と第1空間S1との間で気密が保たれるように、言い換えれば背面隣接空間S3が第1空間S1と同じ高圧の空間にならないような状態で、固定スクロール30に取り付けられている。例えば、気密を保つため、カバー部材60と固定スクロール30との間の適切な位置にガスケット等のシール材が配置されてもよい。
 カバー部材60は、形状を特定するものではないが、例えば、図5のような形状を有する。カバー部材60は、主に、環状部62と、円筒部64と、鍔部66と、を含む。環状部62は、中央部に円形孔62aが形成された円板状の部分である。円筒部64は、環状部62の外縁から下方に延びる円筒状の部分である。鍔部66は、円筒部64の下端から外側に向かって(固定スクロール30の外周側に向かって)径方向に延びる部分である。カバー部材60は、例えば、環状部62及び鍔部66において、図示しない固定手段により固定スクロール30に固定されている。カバー部材60は、環状部62の下面と、固定側鏡板32の背面32bとの間に背面隣接空間S3を形成する(図2参照)。環状部62の下面と、固定側鏡板32の背面32bとの間に形成される背面隣接空間S3は、環状の空間である。背面隣接空間S3の体積は、カバー部材60の配置される第1空間S1の体積よりも小さい。
 ここでは、背面隣接空間S3は、定常運転中にハウジング50及び固定スクロール30に形成された給油経路24により中間圧の油Oが供給される中間圧の空間である。背面隣接空間S3は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中低圧隣接部分33bの背面32bの少なくとも一部に接する空間である。特に、背面隣接空間S3は、少なくとも固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2の背面32bと接することが好ましい(図2参照)。さらに、背面隣接空間S3は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1の背面32bと接することが好ましい(図2参照)。
 なお、背面隣接空間S3は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の高圧隣接部分33aの背面32bの一部に接してもよい。しかし、背面隣接空間S3は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の高圧隣接部分33aの背面32bには接しないことが好ましい。言い換えれば、カバー部材60の環状部62には、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の高圧隣接部分33aの位置と対応する部分に円形孔62aが形成されることが好ましい。これは、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の高圧隣接部分33aの正面32aに作用する圧力と背面32bに作用する圧力とは等しくなることが好ましいためである。
 スクロール圧縮機100がカバー部材60を有さず、背面隣接空間S3が形成されない従来の構造を仮定する。この場合、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2の正面32a側の圧力は低圧である。これに対し、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2の背面32bは第1空間S1と接することとなるため、固定側鏡板32の低圧隣接部分33b2の背面32b側の圧力は高圧である。また、この場合、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1の正面32a側の圧力は中間圧である。これに対し、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1の背面32bは第1空間S1と接することとなるため、固定側鏡板32の中間圧隣接部分33b1の背面32b側の圧力は高圧である。このような圧力関係にある時、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2及び中間圧隣接部分33b1では変形が生じやすい。これにより可動側ラップ44の歯先と固定側鏡板32の正面32aとの隙間(歯先隙間)や、固定側ラップ34の歯先と可動側鏡板42の正面42aとの隙間(歯先隙間)が拡大しやすく、スクロール圧縮機100の効率が低下しやすい。
 また、高圧の冷媒は高温であるため、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の背面32bの全体が第1空間S1に隣接している場合、低圧又は中間圧の圧縮室Scの冷媒に熱が伝わり、圧縮ガスが過熱するおそれがある。またこのような第1空間S1からの伝熱により、固定側ラップ34の歯先とこれに対向する可動側鏡板42との隙間や、可動側ラップ44の歯先とこれに対向する固定側鏡板32との隙間の不均一が引き起こされる可能性がある。
 これに対し、カバー部材60を設け、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2の背面32bの少なくとも一部(好ましくは全部)に接するように中間圧の背面隣接空間S3を形成することで、低圧隣接部分33b2の正面32a側と背面32b側との圧力差が比較的小さくなり、固定スクロール30の変形が抑制されやすい。さらに、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1の背面32bの少なくとも一部(好ましくは全部)に接するように中間圧の背面隣接空間S3が形成される場合、中間圧隣接部分33b1の正面32a側と背面32b側との圧力差が釣り合いやすくなるので、固定スクロール30の変形が特に抑制されやすい。
 また、背面隣接空間S3が存在することで、第1空間S1の熱は、低圧や中間圧の圧縮室Scの冷媒に伝わりにくくなるため、圧縮ガスの過熱が抑制されやすい。また、背面隣接空間S3が存在することで、低圧や中間圧の圧縮室Scの冷媒に伝わりにくくなるため、第1空間S1から低圧又は中間圧の圧縮室Sc側への伝熱に伴う歯先隙間の不均一等を原因とするスクロール圧縮機の効率の低下が抑制されやすい。
 固定スクロール30及びハウジング50に形成される給油経路24は、背面隣接空間S3に中間圧の油Oを供給する油の経路である。ハウジング50により形成されるクランク室54aには、クランク軸80の内部に形成された油通路86によりスクロール圧縮機100の各種摺接部に供給される油Oが流入する。例えば、クランク室54aには、クランク軸80の偏心部84と可動スクロール40のボス部46との摺接部に供給された油Oや、クランク軸80の主軸82と上部軸受52との摺接部に供給された油Oが流入する。給油経路24は、このようなクランク室54aに存在する油Oを、背面隣接空間S3へと導く通路である。なお、ここでは図示を省略するが、給油経路24には、背面隣接空間S3に供給される油Oの圧力を適切な圧力に低減するため、経路の流路面積を狭めるような流量制限部材が配置されることが好ましい。
 なお、ここでは、固定スクロール30及びハウジング50に形成された給油経路24により、クランク室54aの油Oが背面隣接空間S3へと導かれるが、これに限定されるものではなく、他の空間に存在する油Oが、他の経路を通って、背面隣接空間S3へと導かれてもよい。
 なお、環状部62には、第1空間S1と背面隣接空間S3とを連通する連通孔62bが形成されている。カバー部材60には、この連通孔62bを閉鎖するように逃がし弁68が取り付けられている。逃がし弁68は、背面隣接空間S3の圧力が所定圧力より上昇すると(例えば、背面隣接空間S3の圧力が、第1空間S1の圧力より所定値以上大きくなると)、開くように構成されている。
 スクロール圧縮機100の定常運転時には、背面隣接空間S3の圧力は中間圧になる。しかし、運転条件によっては、例えばスクロール圧縮機100が定常運転に至る過渡時等において、背面隣接空間S3の圧力が異常上昇する可能性が考えられる。これに対し、カバー部材60に連通孔62bを設け、更に連通孔62bに対応する位置に逃がし弁68を設けることで、背面隣接空間S3の圧力が異常上昇しても、第1空間S1に圧力を逃がすことができ、スクロール圧縮機100の信頼性を確保することができる。
 (2-4)モータ
 モータ70は、ケーシング10の円筒部材の内壁面に固定された環状のステータ72と、ステータ72の内側に配置されたロータ74と、を有する(図1参照)。
 ロータ74は、ステータ72の内側に、ステータ72と僅かな隙間(エアギャップ通路)を空けて回転自在に収容される。ロータ74は、クランク軸80を介して、可動スクロール40と連結されている。具体的には、ロータ74は、クランク軸80を介して、可動スクロール40のボス部46と連結されている(図1参照)。モータ70は、ロータ74を回転させることで、可動スクロール40を旋回させる。
 (2-5)クランク軸
 クランク軸80は、モータ70のロータ74と、圧縮機構20の可動スクロール40とを連結し、モータ70の駆動力を可動スクロール40に伝達する。
 クランク軸80は、ケーシング10の内部に、ケーシング10の円筒部材の軸方向に沿って鉛直方向に延びるように配置される(図1参照)。
 クランク軸80は、ケーシング10の円筒部材の軸心と中心軸が一致する主軸82と、主軸82に対して偏心した偏心部84とを有する(図1参照)。
 主軸82は、ハウジング50の上部軸受52と、下部軸受90とにより回転自在に支持される(図1参照)。また、主軸82は、上部軸受52と下部軸受90との間で、モータ70のロータ74に連結される(図1参照)。
 偏心部84は、可動スクロール40のボス部46に挿入されている。クランク軸80は、偏心部84において可動スクロール40と連結される。
 クランク軸80の内部には、油通路86が形成されている(図1参照)。油通路86は、各種摺接部に潤滑のための油Oを供給するための油の通路である。油通路86の下端開口には、図示しない容積式の給油ポンプが設けられている(図1参照)。給油ポンプは、油溜空間16の高圧の油Oを吸い上げ、油通路86に油Oを供給する。
 油通路86は、クランク軸80内を、クランク軸80の下端から上端まで鉛直方向に延びる。油通路86は、クランク軸80の上下の端部で開口する。油通路86には、鉛直方向に延びる主通路から水平方向に延び、上部軸受52に配置される軸受メタルや、下部軸受90に配置される軸受メタルに油Oを供給する分岐通路を含む。
 油通路86の上端開口から流出する油Oは、クランク軸80の偏心部84と可動スクロール40のボス部46に配置された軸受メタルとの摺接部を潤滑した後、クランク室54aに流入する。また、油通路86の分岐通路を流れ、主軸82と上部軸受52に配置された軸受メタルとの摺接部を潤滑した油Oは、ハウジング50に形成された図示しない上部軸受部油通路を通って、又は、上部軸受52に配置された軸受メタルの上端からクランク室54aに流入する。
 (2-6)下部軸受
 下部軸受90は、モータ70の下方に配置される。下部軸受90は、ケーシング10の円筒部材と固定されている。下部軸受90には、図示しない軸受メタルが配置されている。下部軸受90は、クランク軸80の主軸82を回転自在に支持する。
 (3)スクロール圧縮機の動作
 スクロール圧縮機100の動作について説明する。
 (3-1)圧縮動作
 スクロール圧縮機100の圧縮動作について説明する。
 モータ70が駆動されると、ロータ74が回転し、ロータ74と連結されたクランク軸80が回転する。クランク軸80が回転すると、クランク軸80と連結された可動スクロール40が旋回する。なお、可動スクロール40は、オルダム継手48の働きにより、自転せず、固定スクロール30に対して公転する。可動スクロール40が旋回すると、低圧の(吸入圧の)ガス冷媒が、吸入管12を通ってケーシング10内に吸引される。より具体的には、低圧のガス冷媒が、吸入管12から周縁側の圧縮室Scに吸引される。可動スクロール40の旋回に従い、吸入管12と圧縮室Scとは連通しなくなり、圧縮室Scの容積減少に伴って、圧縮室Scの圧力が上昇する。ガス冷媒の圧力は、周縁側の圧縮室Scから、中央側の圧縮室Scへ移動するに連れて上昇し、最終的に高圧(吐出圧)になる。圧縮機構20による圧縮後の高圧のガス冷媒は、固定側鏡板32の中央付近に位置する吐出口32cから吐出される。吐出口32cから吐出された高圧のガス冷媒は、第1空間S1へ流入する。第1空間S1のガス冷媒は、固定スクロール30及びハウジング50に形成された冷媒通路22を通過してハウジング50の下方の第2空間S2に流入し、最終的に吐出管14からケーシング10外に吐出される。
 (3-2)給油動作
 クランク軸80が回転すると、油溜空間16の油Oは、クランク軸80の下端に設けられた図示しない給油ポンプにより吸い上げられ、油通路86を通ってクランク軸80の上端の開口まで上方に流れ、上端の開口から流出する。また、油通路86を流れる油Oの一部は、上部軸受52に設けられる軸受メタルの内面に対向するように開口する分岐油通路から流出する。油通路86の上端開口から流出する油Oは、偏心部84とボス部46との摺接部を潤滑した後、クランク室54aに流入し、一部の油Oはクランク室54a内に貯留される。また、油通路86の分岐油通路を流れた油Oは、主軸82と上部軸受52に配置された軸受メタルとの摺接部を潤滑した後、クランク室54aに流入し、一部の油Oはクランク室54a内に貯留される。
 クランク室54a内の油Oは、クランク室54aと背面隣接空間S3との差圧により、給油経路24を介して背面隣接空間S3へと供給される。高圧の油Oは、給油経路24に配置された図示しない流量制限部材により所定の圧力まで減圧され、中間圧の油Oとして背面隣接空間S3に流入する。その結果、背面隣接空間S3は中間圧の空間となる。なお、背面隣接空間S3に流入した油Oは、固定側鏡板32に形成された油通路32dから圧縮室Scへと流入し、圧縮機構20の潤滑に利用される。
 (4)特徴
 (4-1)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100は、固定スクロール30と、可動スクロール40と、カバー部材60と、を備える。固定スクロール30は、平板状の固定側鏡板32と、固定側鏡板32の正面32aから突出する渦巻状の固定側ラップ34と、を有する。可動スクロール40は、平板状の可動側鏡板42と、可動側鏡板42の正面42aから突出し、固定側ラップ34と組み合わされて圧縮室Scを形成する渦巻状の可動側ラップ44と、を有する。カバー部材60は、固定側鏡板32の背面32b側の第1空間S1内に配置され、固定スクロール30に取り付けられる。第1空間S1は、高圧空間の一例である。固定側鏡板32は、固定側鏡板32の正面32aが圧縮室Scに接する圧縮室隣接部33を有する。圧縮室隣接部33は、高圧隣接部分33aと、中低圧隣接部分33bと、を含む。高圧隣接部分33aは、圧縮室隣接部33の中央部に配置され、固定側鏡板32の正面が高圧の圧縮室Scに接する。中低圧隣接部分33bは、高圧隣接部分33aより外側に配置される。カバー部材60は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中低圧隣接部分33bの背面32bの少なくとも一部に接する中間圧の背面隣接空間S3を形成する。
 本スクロール圧縮機100では、その正面32aが圧縮室Scに接する固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の背面32bのうち、中低圧隣接部分33b(つまり圧縮室隣接部33のうち低圧又は中間圧の圧縮室Scと接する部分)の背面32bの少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間S3がカバー部材60により形成される。このような構成とすることで、スクロール圧縮機100の運転中の固定側鏡板32の正面32a側と背面32b側との圧力差が低減され、固定スクロール30の変形を抑制し、効率の良いスクロール圧縮機100を実現することができる。
 また、第1空間S1と固定側鏡板32との間に低圧又は中間圧の背面隣接空間S3を有しているため、第1空間S1から低圧又は中間圧の圧縮室Sc側への伝熱に伴う、圧縮ガスの加熱や、効率の低下等の問題の発生を抑制することができる。
 (4-2)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100では、中低圧隣接部分33bは、固定側鏡板32の正面32aが低圧の圧縮室Scに接する低圧隣接部分33b2を含む。背面隣接空間S3は、少なくとも低圧隣接部分33b2の背面に接する。
 本スクロール圧縮機100では、定常運転時に、正面32a側が低圧かつ背面32b側が高圧になる部分が固定側鏡板32に存在せず、固定スクロール30の比較的大きな変形を防止できる。そのため、効率の良いスクロール圧縮機100が実現される。
 (4-3)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100では、背面隣接空間S3の体積は、第1空間S1の体積より小さい。
 本スクロール圧縮機100では、固定スクロール30の変形を抑制することが可能で高効率な、なおかつコンパクトなスクロール圧縮機100を実現することができる。
 (4-4)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100では、カバー部材60は、環状の背面隣接空間S3を形成する。
 本スクロール圧縮機100では、全周にわたってスクロール圧縮機100の定常運転時の固定側鏡板32の正面32a側と背面32b側との圧力差を低減でき、固定スクロール30の局所的な変形を抑制することができる。
 (4-5)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100は、背面隣接空間S3に中間圧の油Oを供給する給油経路24を備える。固定側鏡板32には、背面隣接空間S3の油を圧縮室Scへと導く油通路32dが形成されている。
 本スクロール圧縮機100では、背面隣接空間S3の少なくとも一部が中間圧の油Oで満たされるため、運転条件の変化が生じた場合でも、背面隣接空間S3にガスしか存在しない場合に比べて、背面隣接空間S3の急激な圧力変化を抑制することができる。また、背面隣接空間S3の油Oが圧縮室Scに供給されるので、圧縮機構20の潤滑を確保し、スクロール圧縮機100の信頼性と性能とを向上することができる。
 (4-6)
 上記実施形態のスクロール圧縮機100は、逃がし弁68を備える。逃がし弁68は、第1空間S1と背面隣接空間S3とを連通する、カバー部材60に形成された連通孔62bを閉鎖するようにカバー部材60に取り付けられている。逃がし弁68は、背面隣接空間S3内の圧力が所定圧力より上昇すると開く。
 本スクロール圧縮機100では、背面隣接空間S3内の圧力が何らかの原因で異常上昇した場合に、第1空間S1に圧力を逃がすことができ、スクロール圧縮機100の信頼性を確保することができる。
 (5)変形例
 以下に上記実施形態の変形例を説明する。なお、各変形例の構成の一部又は全部は、他の変形例の構成の一部又は全部と互いに矛盾しない範囲で複数組み合わされてもよい。
 (5-1)変形例A
 上記実施形態では、カバー部材60により形成される中間圧の背面隣接空間S3が、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中低圧隣接部分33bの少なくとも一部に接するが、これに限定されるものではない。
 例えばスクロール圧縮機の固定スクロール及びカバー部材は、図5のように形成されてもよい。なお、ここでは、上記実施形態との違いについてのみ説明し、共通する点についての説明は省略する。なお図5中では、上記実施形態と同様の構成については、上記実施形態と同じ符号を付している。
 まず、変形例Aでは、背面隣接空間S31を形成するカバー部材160は、第1カバー部材162と、第2カバー部材164と、を含む。第1カバー部材162及び第2カバー部材164のそれぞれの形状は、図3に描画した上記実施形態のカバー部材60と同様である。図5のように、第2カバー部材164は、第1カバー部材162を覆うように配置される。
 背面隣接空間S31は、第1背面隣接空間S31a及び第2背面隣接空間S31bを含む。第2カバー部材164は、第1背面隣接空間S31aを形成している。第1カバー部材162は、第1背面隣接空間S31aの内部に第2背面隣接空間S31bを形成している。具体的には、第2背面隣接空間S31bは、圧縮室隣接部33の中央部(高圧隣接部分33aが配置される部分)を基準として、第1背面隣接空間S31aよりも外側に配置される。なお、第1カバー部材162及び第2カバー部材164は、第1背面隣接空間S31aと、第2背面隣接空間S31bと、第1空間S1と、の間で互いに気密が保たれるような状態で固定スクロール130に取り付けられている。気密を保つために、適切な位置にガスケット等のシール材が配置されてもよい。
 第1背面隣接空間S31aは、上記実施形態と同様に、給油経路24により中間圧の油Oが供給される空間である。
 一方、第2背面隣接空間S31bは、主に低圧のガス冷媒で満たされる空間である。第2背面隣接空間S31bへの低圧のガス冷媒の供給について説明する。固定スクロール130の固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2には、固定側鏡板32を上下方向に貫通する貫通孔132eが形成されている(図5参照)。貫通孔132eは、可動スクロール40の一旋回中に、低圧の圧縮室Scと第2背面隣接空間S31bとを少なくとも所定期間連通する。
 このように構成されることで、スクロール圧縮機100の定常運転時において、第1空間S1は高圧の空間、第1背面隣接空間S31aは中間圧の空間、第2背面隣接空間S31bは低圧の空間となる。
 なお、ここでは、低圧の圧縮室Scと第2背面隣接空間S31bとを連通させ、主にガス冷媒を第2背面隣接空間S31bに取り込むことで、第2背面隣接空間S31bを低圧の空間としているが、これに限定されるものではない。例えば、給油経路24により第1背面隣接空間S31aに中間圧の油Oを供給するのと同様に、第2背面隣接空間S31bに低圧の油Oが供給されてもよい。第2背面隣接空間S31bも油Oで満たされることで、運転条件の変化が生じた場合でも、第2背面隣接空間S31bにガスしか存在しない場合に比べて、背面隣接空間S3の急激な圧力変化を抑制することができる。
 また、第1背面隣接空間S31aには、中間圧の油Oが供給されることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、貫通孔132eにより第2背面隣接空間S31bと低圧の圧縮室Scとを連通させるのと同様に、貫通孔により第1背面隣接空間S31aと中間圧の圧縮室Scとを連通させるように構成して、第1背面隣接空間S31aに中間圧のガス冷媒を供給するようにしてもよい。上記実施形態についても同様である。
 背面隣接空間S31(第1背面隣接空間S31a及び第2背面隣接空間S31b)は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中低圧隣接部分33bの背面32bの少なくとも一部に接する空間である。特に、第1背面隣接空間S31aは、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1の背面32bと少なくとも接することが好ましい(図5参照)。第2背面隣接空間S31bは、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2の背面32bと少なくとも接することが好ましい(図5参照)。低圧の第2背面隣接空間S31bは、圧縮室隣接部33の中央部(高圧隣接部分33aが配置される部分)を基準として、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中間圧隣接部分33b1より外側に配置されることが好ましい。
 本スクロール圧縮機では、中低圧隣接部分33bは、固定側鏡板32の正面32aが中間圧の圧縮室Scに接する中間圧隣接部分33b1を含む。背面隣接空間S31は、低圧の第1背面隣接空間S31aを少なくとも有する。第1背面隣接空間S31aは、低圧背面隣接空間の一例である。第1背面隣接空間S31aは、圧縮室隣接部33の中央部を基準として、中間圧隣接部分33b1より外側に配置される。そのため、本スクロール圧縮機では、定常運転時に、正面32a側が中間圧かつ背面32b側が低圧になる部分が固定側鏡板32に存在せず、固定スクロール130の変形を防止することができる。そのため、効率の良いスクロール圧縮機が実現される。
 また、本スクロール圧縮機では、背面隣接空間S31は、中間圧の第1背面隣接空間S31aと、低圧の第2背面隣接空間S31bと、を含む。第2背面隣接空間S31bは、圧縮室隣接部33の中央部を基準として第1背面隣接空間S31aよりも外側に配置される。一般的な特徴として、スクロール圧縮機では、スクロールの中央側に高圧の圧縮室が、外側に低圧の圧縮室が、その間に中間圧の圧縮室が配置される。本スクロール圧縮機では、このような圧力分布に合わせて、圧縮室隣接部33の中央部を基準として、内側に中間圧の第1背面隣接空間S31aが、外側に低圧の第2背面隣接空間S31bが配置される。そのため、スクロール圧縮機の定常運転時に、固定側鏡板32の正面32a側と背面32b側とで圧力差が生じにくく、固定スクロール130の変形を抑制して高効率のスクロール圧縮機を実現することができる。
 また、本スクロール圧縮機では、中低圧隣接部分33bは、固定側鏡板32の正面32aが低圧の圧縮室Scに接する低圧隣接部分33b2と、固定側鏡板32の正面32aが中間圧の圧縮室Scに接する中間圧隣接部分33b1と、を含む。第1背面隣接空間S31aは、中間圧隣接部分33b1の背面に接する。第2背面隣接空間S31bは、低圧隣接部分33b2の背面に接する。本スクロール圧縮機では、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の全域で正面32a側の圧力と背面32b側の圧力とが概ね等しくなるため、特に固定スクロール130の変形が抑制されやすく、効率の良いスクロール圧縮機が実現される。
 (5-2)変形例B
 変形例Aでは、2つのカバー部材162,164を用いて、中間圧の第1背面隣接空間S31aと、低圧の第2背面隣接空間S31bとを形成するが、これに限定されるものではない。
 例えば、図6のように固定スクロール230に環状の突起部232gを設け、上記実施形態と同様のカバー部材60を、その内面が突起部232gに当接するように固定スクロール30に被せることで、突起部232gより内側に中間圧の第1背面隣接空間S31aを、突起部232gより外側に低圧の第2背面隣接空間S31bを形成してもよい。固定スクロール230は、突起部232gを除き、変形例Aの固定スクロール130と同様である。
 なお、第1背面隣接空間S31aと第2背面隣接空間S31bとを仕切る突起部は、固定スクロール230側ではなく、カバー部材60側に設けられてもよい。
 (5-3)変形例C
 上記実施形態のスクロール圧縮機100では、カバー部材60により、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中低圧隣接部分33bの背面32bの少なくとも一部と接する中間圧の背面隣接空間S3が形成されるが、これに限定されるものではない。
 例えば、スクロール圧縮機では、図7のように、カバー部材360により背面隣接空間S32が形成され、背面隣接空間S32には、変形例Aにおいて説明したものと同様な固定スクロールに設けられる貫通孔132eにより、低圧のガス冷媒が供給されてもよい。
 このような低圧の背面隣接空間S32は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の低圧隣接部分33b2と接し、中間圧隣接部分33b1には接しないことが好ましい。つまり、低圧の背面隣接空間S32(低圧背面隣接空間)は、固定側鏡板32の圧縮室隣接部33の中央部(高圧隣接部分33a)を基準として、中間圧隣接部分33b1より外側に配置されることが好ましい。
 なお、ここでは、固定スクロール330及びハウジング350には給油経路は形成されないが、変形例Aで説明したように、背面隣接空間S32と低圧の圧縮室Scとを固定スクロール330に形成された貫通孔132eを介して連通させる代わりに、例えば固定スクロール330及びハウジング350に形成される給油経路を用いて、背面隣接空間S32に低圧の油Oを供給してもよい。
 (5-4)変形例D
 上記実施形態では、固定側鏡板32の背面32bにだけ接するように背面隣接空間S3が形成されるが、これに限定されるものではない。背面隣接空間S3は、より広い範囲で固定スクロールと接するよう構成されてもよい。例えば、図7に描画された背面隣接空間S32のように、固定スクロール330の側面にも接する背面隣接空間S3が形成されてもよい。
 (5-5)変形例E
 上記実施形態では、可動スクロール40はモータ70により駆動されるが、スクロール圧縮機100の駆動源はモータに限定されるものではない。例えば、スクロール圧縮機の駆動源は、例えばエンジンであってもよい。
 (5-6)変形例F
 上記実施形態では、スクロール圧縮機100は、高圧ドーム構造のスクロール圧縮機であるが、本発明に係るスクロール圧縮機は、いわゆる低圧ドーム構造のスクロール圧縮機であってもよい。つまり、スクロール圧縮機は、モータ70の配置される第2空間S2に低圧の冷媒が供給され、これが圧縮機構20まで導かれて圧縮され、圧縮機構20から第1空間S1に吐出された高圧の冷媒が、ケーシング10の上部に設けられる吐出管から外部に流出するタイプのスクロール圧縮機であってもよい。このような低圧ドーム構造のスクロール圧縮機においても、カバー部材により上記のような背面隣接空間を形成し、固定側鏡板32の正面32aと背面32bとの圧力差が小さくなるように構成することで、歯先隙間の拡大によるスクロール圧縮機の効率の低下や、圧縮ガスの過熱が抑制されやすい。
 (5-7)変形例G
 上記実施形態では、スクロール圧縮機100はクランク軸80が鉛直方向に延びる縦型のスクロール圧縮機であるが、これに限定されるものではない。本発明に係るスクロール圧縮機は、横型のスクロール圧縮機であってもよい。
 (5-8)変形例H
 上記実施形態では、クランク室54aの周りに中間圧の背圧空間S4が設けられるが、これに限定されるものではない。例えば、固定スクロール30の周縁部36の連通溝36a及び可動スクロール40の可動側鏡板42の連通孔42cを形成せず、上記実施形態に係る背圧空間S4を低圧の空間としてもよい。
 (5-9)変形例I
 上記実施形態では、カバー部材60により環状の背面隣接空間S3が形成されるが、これに限定されるものではない。例えば、カバー部材60は、周方向において不連続な1又は複数の背面隣接空間を形成するものであってもよい。ただし、全周にわたって固定スクロール30の固定側鏡板32の変形を抑制するためには、背面隣接空間は、環状の空間であることが好ましい。
 本発明は、固定側鏡板の背面側に高圧空間が配置されるスクロール圧縮機に広く適用可能である。
24             給油経路
30,130,230,330 固定スクロール
32             固定側鏡板
32a            固定側鏡板の正面
32b            固定側鏡板の背面
32d            油通路
33             圧縮室隣接部
33a            高圧隣接部分
33b            中低圧隣接部分
33b1           中間圧隣接部分
33b2           低圧隣接部分
34             固定側ラップ
40             可動スクロール
42             可動側鏡板
42a            可動側鏡板の正面
44             可動側ラップ
60,160,360     カバー部材
62b            連通孔
68             逃がし弁
100            スクロール圧縮機
Sc             圧縮室
S1             第1空間(高圧空間)
S3,S31         背面隣接空間
S31a           第1背面隣接空間
S31b           第2背面隣接空間(低圧背面隣接空間)
S32            背面隣接空間(低圧背面隣接空間)
特開2003-206873号公報

Claims (9)

  1.  平板状の固定側鏡板(32)と、前記固定側鏡板の正面(32a)から突出する渦巻状の固定側ラップ(34)と、を有する固定スクロール(30,130,230,330)と、
     平板状の可動側鏡板(42)と、前記可動側鏡板の正面(42a)から突出し、前記固定側ラップと組み合わされて圧縮室(Sc)を形成する渦巻状の可動側ラップ(44)と、を有する可動スクロール(40)と、
     前記固定側鏡板の背面(32b)側の高圧空間(S1)内に配置され、前記固定スクロールに取り付けられるカバー部材(60,160,360)と、
    を備え、
     前記固定側鏡板は、前記固定側鏡板の前記正面が前記圧縮室に接する圧縮室隣接部(33)を有し、
     前記圧縮室隣接部は、前記圧縮室隣接部の中央部に配置され、前記固定側鏡板の前記正面が高圧の前記圧縮室に接する高圧隣接部分(33a)と、前記高圧隣接部分より外側に配置される中低圧隣接部分(33b)と、を含み、
     前記カバー部材は、前記固定側鏡板の前記圧縮室隣接部の前記中低圧隣接部分の背面の少なくとも一部に接する低圧又は中間圧の背面隣接空間(S3,S31,S32)を形成する、
    スクロール圧縮機(100)。
  2.  前記中低圧隣接部分は、前記固定側鏡板の前記正面が低圧の前記圧縮室に接する低圧隣接部分(33b2)を含み、
     前記背面隣接空間は、少なくとも前記低圧隣接部分の背面に接する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3.  前記中低圧隣接部分は、前記固定側鏡板の前記正面が中間圧の前記圧縮室に接する中間圧隣接部分(33b1)を含み、
     前記背面隣接空間は、低圧の低圧背面隣接空間(S31b,S32)を少なくとも有し、
     前記低圧背面隣接空間は、前記圧縮室隣接部の前記中央部を基準として、前記中間圧隣接部分より外側に配置される、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  4.  前記背面隣接空間は、中間圧の第1背面隣接空間(S31a)と、前記圧縮室隣接部の前記中央部を基準として前記第1背面隣接空間よりも外側に配置される、低圧の第2背面隣接空間(S31b)と、を含む、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  5.  前記中低圧隣接部分は、前記固定側鏡板の前記正面が低圧の前記圧縮室に接する低圧隣接部分(33b2)と、前記固定側鏡板の前記正面が中間圧の前記圧縮室に接する中間圧隣接部分(33b1)と、を含み、
     前記第1背面隣接空間は、前記中間圧隣接部分の背面に接し、
     前記第2背面隣接空間は、前記低圧隣接部分の背面に接する、
    請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6.  前記背面隣接空間の体積は、前記高圧空間の体積より小さい、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7.  前記カバー部材は、環状の前記背面隣接空間を形成する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  8.  前記背面隣接空間に中間圧の油を供給する給油経路(24)を更に備え、
     前記固定側鏡板には、前記背面隣接空間の油を前記圧縮室へと導く油通路(32d)が形成されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  9.  前記高圧空間と前記背面隣接空間とを連通する、前記カバー部材に形成された連通孔(62b)、を閉鎖するように前記カバー部材に取り付けられ、前記背面隣接空間内の圧力が所定圧力より上昇すると開く逃がし弁(68)、を更に備える、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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