JP5459377B1 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動スクロール周囲に背圧空間が形成される場合に、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面が常に良好に潤滑される信頼性の高いスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】スクロール圧縮機は、固定側鏡板311、固定側ラップ312及び周縁部313を有する固定スクロール31と、可動側鏡板及び可動側ラップを有する可動スクロールと、駆動部とを備える。駆動部は可動スクロールを旋回させ圧縮室内の冷媒を圧縮する。可動側鏡板の背面側に、周縁側の圧縮室と間欠的に連通する背圧空間が形成される。周縁部の下面313aは、可動側鏡板上面と常時接する常時摺動面R1と、間欠的に接する間欠摺動面R2と、背圧空間と常時面する非摺動面R3とを有する。常時摺動面に、中央側の圧縮室と連通する油溜め空間から油が供給される第1油溝313dが形成される。第1油溝より外側に間欠摺動面から常時摺動面まで延びる第2油溝313eが形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、可動スクロールの周囲に背圧空間が形成されるスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機において、固定スクロールのスラスト摺動部と可動スクロールの鏡板との接触部分を潤滑するために、例えば特許文献1(特開2011−111903号公報)のように、固定スクロールのスラスト摺動部に給油のための油溝が形成される場合がある。スラスト摺動部の油溝には、高圧の圧縮室と連通する油溜め空間から油が供給され、その油が保持される。
つまり、特許文献1のスクロール圧縮機では、油溝には、通常、高圧の油が供給される。一方、可動スクロールの周囲の空間は、低圧(吸入圧)である。そのため、油溝に供給された油は、差圧により固定スクロールの外周側に向かって移動しやすい。その結果、油溝よりも外周側に位置する、スラスト摺動部と可動スクロールの鏡板との接触部分にも油が供給される。
ところで、スクロール圧縮機においては、可動スクロールを固定スクロールに対して適切な力で押し付けるため、例えば特許文献2(特開2012−67712号公報)のように、可動スクロールの背面側及び外周側に、周縁側の圧縮室と連通する背圧空間が形成される場合がある。
特許文献2において、固定スクロールのスラスト摺動部に特許文献1のような油溝を設けた場合にも、油溝に供給される油の圧力は背圧空間の圧力より基本的に高いため、通常は、供給された油は差圧により油溝から固定スクロールの外周側に向かって移動する。その結果、油溝よりも外周側に位置する、スラスト摺動部と可動スクロールの鏡板との接触部分にも油が供給される。
ところが、特許文献2のスクロール圧縮機では、低圧縮比などの運転状態によっては、背圧空間の圧力が油溝に供給される圧力と同等以上となることがある。そして、この場合には、油溝よりも高圧の背圧空間側に油は移動しづらく、油溝よりも固定スクロールの外周側に位置する、スラスト摺動部と可動スクロールの鏡板との接触部分に潤滑のための油が供給されにくくなることを本願発明者は見い出した。
本発明の課題は、可動スクロールの周囲に背圧空間が形成される場合に、固定スクロールと可動スクロールとの接触部分が常に良好に潤滑される、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールと、可動スクロールと、駆動部と、ケーシングと、を備える。固定スクロールは、平板状の第1鏡板と、第1鏡板の前面から突出する渦巻状の第1ラップと、第1ラップを囲むスラスト摺動部とを有する。可動スクロールは、平板状の第2鏡板と、第2鏡板の前面から突出する渦巻状の第2ラップと、を有する。駆動部は、可動スクロールとクランク軸を介して連結され、前記可動スクロールを旋回させる。ケーシングは、固定スクロール、可動スクロール、及び駆動部を収容する。第1ラップと第2ラップとは、第1鏡板の前面と第2鏡板の前面とが対向するように組み合わされ、隣接する第1ラップと第2ラップとの間に圧縮室を形成する。駆動部は、可動スクロールを周期的に旋回させて圧縮室内のガス状の冷媒を圧縮する。可動スクロールの第2鏡板の背面側に、可動スクロールの1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室と連通する背圧空間が形成される。スラスト摺動部は、第2鏡板の前面側の第1面に、第2鏡板の前面と常時接する常時摺動面と、常時摺動面の周縁側に配され、可動スクロールの1公転サイクル中の少なくとも一定期間、背圧空間と面する周縁面と、を有する。スラスト摺動部の常時摺動面に、ケーシングの下部に形成される油溜め空間から、クランク軸の内部に形成された給油経路を介して油が供給され、油が保持される第1油溝が形成される。スラスト摺動部の第1面の、第1油溝より外側に、周縁及び常時摺動面にわたって第2油溝が形成される。
ここでは、スラスト摺動部の、油溜め空間からクランク軸の内部に形成された給油経路を介して油が供給される第1油溝より外側に、間欠的に又は連続的に背圧空間と連通する第2油溝が形成される。背圧空間は、可動スクロールの1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室と連通する。
スクロール圧縮機においては、高圧空間と連通するケーシング下部の油溜め空間の圧力は、周縁側の圧縮室の圧力よりも高いため、第1油溝に供給される油の圧力は、通常、背圧空間の圧力よりも高くなる。そのため、第1油溝に保持される油は、高圧側から低圧側に、すなわち第1油溝から背圧空間に向かって移動し、スラスト摺動部の第1油溝より外側に油が供給される。
一方、例えばスクロール圧縮機の背圧空間の圧力が第1油溝に供給される油の圧力と同等以上となる場合には、背圧空間において第2油溝に捕集された油が、差圧により低圧側の第1油溝側に移動し、スラスト摺動部の第2油溝より内側に油が供給される。
つまり、第1油溝に供給される油の圧力と背圧空間の圧力との大小関係によらず、常に固定スクロールのスラスト摺動部と可動スクロールの第2鏡板との接触部分に油が供給されやすい。その結果、スラスト摺動部と第2鏡板との接触部分における焼き付き等の問題が確実に防止されやすく、スクロール圧縮機の信頼性を向上させることができる。
また、第1油溝は背圧空間と連通しないため、高圧となる第1油溝の油が、直接、背圧空間に流出し、スクロール圧縮機の効率に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点に係るスクロール圧縮機であって、周縁面は、第2鏡板の前面と間欠的に接する間欠摺動面を含む。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、第2観点に係るスクロール圧縮機であって、周縁面は、背圧空間と常に面する外縁近傍面をさらに含む
本発明の第観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、オルダムをさらに備える。オルダムは、環状のリング部と、リング部の前面から突出するキー部とを有し、可動スクロールの自転運動を防止する。スラスト摺動部には、キー部が摺動するキー溝空間が形成される。第2油溝は、キー溝空間と連通する。
ここでは、キー溝空間と第2油溝とが連通しているため、オルダムのキー部がキー溝空間を摺動すると、第2油溝内の油の動きが促進される。そのため、第2油溝全体に油が行き渡り、スラスト摺動部と第2鏡板との接触部分に油が確実に供給されやすい。
また、キー部の動きにより、第2油溝内の油の移動が促進されるため、スラスト摺動部と第2鏡板との接触部分の温度上昇、つまりスクロール圧縮機構の温度上昇が抑制できる。その結果、スクロール圧縮機の信頼性をより向上させることができる。
本発明の第観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、スラスト摺動部の第1面には、第2油溝が複数形成される。
ここでは、第2油溝を介して、スラスト摺動部と第2鏡板との接触部分に確実に油が供給されやすい。その結果、スクロール圧縮機の信頼性をより向上させることができる。
本発明に係るスクロール圧縮機では、スラスト摺動部の、油溜め空間からクランク軸の内部に形成された給油経路を介して油が供給される第1油溝より外側に、間欠的に又は連続的に背圧空間と連通する第2油溝が形成される。背圧空間は、可動スクロールの1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室と連通する。
スクロール圧縮機においては、高圧空間と連通するケーシング下部の油溜め空間の圧力は、周縁側の圧縮室の圧力よりも高いため、第1油溝に供給される油の圧力は、通常、背圧空間の圧力よりも高くなる。そのため、第1油溝に保持される油は、高圧側から低圧側に、すなわち第1油溝から背圧空間に向かって移動し、スラスト摺動部の第1油溝より外側に油が供給される。
一方、例えばスクロール圧縮機の背圧空間の圧力が第1油溝に供給される油の圧力と同等以上となる場合には、背圧空間において第2油溝に捕集された油が、差圧により低圧側の第1油溝側に移動し、スラスト摺動部の第2油溝より内側に油が供給される。
つまり、第1油溝に供給される油の圧力と背圧空間の圧力との大小関係によらず、常に固定スクロールのスラスト摺動部と可動スクロールの第2鏡板との接触部分に油が供給されやすい。その結果、スラスト摺動部と第2鏡板との接触部分における焼き付き等の問題が確実に防止されやすく、スクロール圧縮機の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の概略縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の固定スクロールを下方から見た概略平面図である。第2油溝は、間欠摺動面及び常時摺動面を延びるように形成され、第2固定スクロールキー溝と連通する。 図1のスクロール圧縮機の可動スクロールを上方から見た概略平面図である。 図1のスクロール圧縮機について、偏心部空間から第1油溝に高圧の油を供給するための高圧油流路を説明するための図である。 図1のスクロール圧縮機のオルダム継手の概略斜視図である。 図1のスクロール圧縮機において、固定スクロールの周縁部に形成された連通溝と、可動スクロールの可動側鏡板に形成された連通穴とが連通する動作を説明する図である。 変形例Aに係るスクロール圧縮機の固定スクロールを下方から見た平面図である。第2油溝は、間欠摺動面及び常時摺動面に形成される。第2油溝は、固定スクロールキー溝と連通しない。 変形例Aに係るスクロール圧縮機の固定スクロールを下方から見た平面図である。第2油溝は、非摺動面から、間欠摺動面を通り常時摺動面まで延びるように形成される。第2油溝は、第2固定スクロールキー溝と連通する。 変形例Bに係るスクロール圧縮機の固定スクロールを下方から見た平面図である。第2油溝が2本形成されている。
〔実施形態〕
本発明のスクロール圧縮機の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(1)全体構成
本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、例えば、空気調和装置の室外機に使用される。
スクロール圧縮機10は、図1に示されるように、ケーシング20、スクロール圧縮機構30、オルダム継手40、駆動モータ50、クランク軸60、及び下部軸受部70を主に有する。
スクロール圧縮機10の構成について以下に詳述する。なお、以下の説明では、特に断りの無い場合、図1中の矢印Uの方向を上として方向の説明を行う。
(2)詳細構成
(2−1)ケーシング
スクロール圧縮機10は、縦長円筒状のケーシング20を有する。ケーシング20は、上下が開口した略円筒状の円筒部材21と、円筒部材21の上端及び下端にそれぞれ設けられた上蓋22a及び下蓋22bと、を有する。円筒部材21と、上蓋22a及び下蓋22bとは、気密を保つように溶接により固定される。
ケーシング20には、スクロール圧縮機構30、オルダム継手40、駆動モータ50、クランク軸60及び下部軸受部70を含むスクロール圧縮機10の構成機器が収容される。また、ケーシング20の下部には、油溜め空間26が形成される。油溜め空間26には、スクロール圧縮機構30等を潤滑するための油Lが溜められる。油溜め空間26は、後述する第1空間S1と連通する。
ケーシング20の上部には、スクロール圧縮機構30の圧縮対象であるガス冷媒を吸入する吸入管23が、上蓋22aを貫通して設けられる。吸入管23の下端は、後述するスクロール圧縮機構30の固定スクロール31に接続される。吸入管23は、後述するスクロール圧縮機構30の圧縮室35と連通する。吸入管23には、圧縮前の低圧のガス冷媒が流れる。
ケーシング20の円筒部材21の中間部には、ケーシング20外に吐出されるガス冷媒が通過する吐出管24が設けられる。より具体的には、吐出管24は、吐出管24のケーシング20内側の端部が、スクロール圧縮機構30のハウジング33の下方に形成される第1空間S1に突き出すように配置される。吐出管24には、スクロール圧縮機構30により圧縮された高圧のガス冷媒が流れる。
(2−2)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構30は、図1に示されるように、主に、ハウジング33と、ハウジング33の上方に配置される固定スクロール31と、固定スクロール31と組み合わされて圧縮室35を形成する可動スクロール32と、を有する。可動スクロール32とハウジング33との間には、偏心部空間37及び背圧空間36が形成される。
(2−2−1)固定スクロール
固定スクロール31は、図1及び図2に示されるように、円板状の固定側鏡板311と、固定側鏡板311の前面(下面311a)から突出する渦巻状の固定側ラップ312と、固定側ラップ312を囲む周縁部313とを有する。
固定側鏡板311の略中央には、後述する圧縮室35に連通する非円形形状の吐出口311bが、固定側鏡板311を厚さ方向に貫通して形成される。圧縮室35で圧縮されたガス冷媒は、吐出口311bから上方に吐出され、固定スクロール31に形成された冷媒通路315及び後述するハウジング33に形成された冷媒通路33dを通過して第1空間S1へ流入する。
固定側ラップ312は、渦巻き状に形成され、固定側鏡板311の下面311aから突出する。固定側ラップ312と、後述する可動スクロール32の可動側ラップ322とは、固定側鏡板311の下面311aと可動側鏡板321の上面321aとが対向するように組み合わされ、隣接する固定側ラップ312と可動側ラップ322との間に圧縮室35が形成される。可動スクロール32は、後述するように、背圧空間36及び偏心部空間37に生じる力で固定スクロール31に押し付けられる。そして、固定側ラップ312の可動スクロール32側の端面と、可動側鏡板321の上面321aとが密着する。同様に、可動側ラップ322の固定スクロール31側の端面と、固定側鏡板311の下面311aとが密着する。
周縁部313は、厚肉のリング状に形成され、固定側ラップ312を取り囲むように配置される。周縁部313は、後述する可動スクロール32の可動側鏡板321の前面(上面321a)と対向する下面313aを有する。可動スクロール32は、後述する背圧空間36及び偏心部空間37に生じる力により固定スクロール31に押し付けられる。その結果、周縁部313の下面313aと可動側鏡板321の上面321aとの接触部分は密着する。
周縁部313の下面313aは、可動スクロール32が後述するように固定スクロール31に対して公転する際に、可動側鏡板321の上面321aと常に接触する常時摺動面R1を有する。また、周縁部313の下面313aは、常時摺動面R1の周縁側に、周縁面を有する。周縁面には、可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転する際に、可動側鏡板321の上面321aと間欠的に接触する間欠摺動面R2と、可動側鏡板321の上面321aと接触しない非摺動面R3と、を含む。図2に一点破線で示すように、平面視において、固定スクロール31の中心側から外周側に向かって、常時摺動面R1、間欠摺動面R2、非摺動面R3の順に配置される。なお、間欠摺動面R2は、可動側鏡板321の上面321aと接触していない時には、後述する背圧空間36に面する。非摺動面R3は、常に背圧空間36に面する。つまり、周縁面(間欠摺動面R2,非摺動面R3)は、可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転する際に、少なくとも一定期間、背圧空間(36)と面する。
周縁部313の下面313aには、第1固定スクロールキー溝313b、第2固定スクロールキー溝313c、第1油溝313d、第2油溝313e、及び、連通溝314が形成される。各溝について以下に詳述する。
(2−2−1−1)固定スクロールキー溝
第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cは、図2のように、固定スクロール31の径方向を長手方向とし、角部に丸みがつけられた略矩形状の溝である。第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cは、常時摺動面R1と間欠摺動面R2との境界付近から周縁部313の外縁まで、間欠摺動面R2及び非摺動面R3にわたって形成される。第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cは、図2のように、平面視において固定スクロール31の固定側鏡板311の中心に対し点対称に配置される。第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cは、上下方向に周縁部313を貫通しないように形成される。
第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内には、後述するオルダム継手40の第2キー部43が嵌り込み、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの長手方向に、言い換えれば固定スクロール31の径方向に摺動する。つまり、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内には、第2キー部43が摺動する第2キー部摺動空間S2がそれぞれ形成される。第2キー部摺動空間S2は、後述する背圧空間36と常に連通する空間である。
第1固定スクロールキー溝313bは、後述する第1油溝313dと略隣接して配置される。一方、第2固定スクロールキー溝313cは、図2のように、第1油溝313dと離れて配置される。第2固定スクロールキー溝313cには、図2のように、後述する第2油溝313eが連通される。つまり、第2油溝313eは、周縁部313に形成される第2キー部摺動空間S2と連通する。
なお、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの短手方向の距離(幅)は、第2キー部43の周方向の幅とほぼ等しく形成される。より具体的には、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの短手方向の距離は、第2キー部43が第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内をスムースに摺動可能な範囲で、第2キー部43が第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内に嵌め合わされた時の隙間ができるだけ小さくなるように形成される。一方、第2キー部43の上面と、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの上面との距離は、第2キー部43と第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの短手方向との隙間より長くなるように設定される。
(2−2−1−2)第1油溝
第1油溝313dは、図2に示されるように、常時摺動面R1において、常時摺動面R1と間欠摺動面R2の境界に沿うように略円弧状に形成される。ただし、第1油溝313dは、第2固定スクロールキー溝313cとは距離を空けるように、第2固定スクロールキー溝313c付近で周縁部313の内縁に近づくように、すなわち固定側ラップ312に近づくように形成される。第1油溝313dの断面は略矩形状であるが、これに限定されるものではなく、略三角形状、円弧形状などであってもよい。
第1油溝313dは、図2のように、固定スクロール31を下方から見た時に、反時計回りに、後述する連通溝314近傍から、固定側ラップ312の巻き終わり近傍まで形成される。
第1油溝313dには、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分を潤滑するために、油溜め空間26から、後述するクランク軸60の内部に形成された給油経路63を介して高圧の油Lが供給される。より具体的には、油溜め空間26の油Lは、給油経路63を上方に流れ、後述する可動スクロール32の可動側鏡板321に形成された高圧油流路321gを介して、第1油溝313dに供給される。
(2−2−1−3)第2油溝
第2油溝313eは、図2のように、第2固定スクロールキー溝313cから連通溝314付近まで延びるように形成される溝である。第2油溝313eは、常時摺動面R1及び間欠摺動面R2に形成され、第2固定スクロールキー溝313cと連通する。
より具体的には、第2油溝313eは、周縁部313の下面313a側からの平面視(図2)において、常時摺動面R1と間欠摺動面R2との境界付近の常時摺動面R1側を、第2固定スクロールキー溝313cから時計回りに延びる。そして、第2油溝313eは、後述する連通溝314の手前付近でその方向を変えて間欠摺動面R2まで延び、間欠摺動面R2内を略周方向に延びる。なお、連通溝314の手前側とは、第2固定スクロールキー溝313c側から連通溝314を見たときの手前側を指す。さらに、第2油溝313eは、連通溝314の奥側でその方向を変え、常時摺動面R1内まで延びる。連通溝314の奥側とは、第2固定スクロールキー溝313c側から連通溝314を見たときの奥側を指す。
間欠摺動面R2は、可動スクロール32の1公転サイクル中の一定期間、背圧空間36に面するため、第2油溝313eの一部が間欠摺動面R2に形成されることで、背圧空間36に存在する油Lも可動スクロール32の公転サイクル中に第2油溝313eに捕集され、第2油溝313e内に保持される。
(2−2−1−4)連通溝
連通溝314は、後述するように可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転する時に、可動スクロール32の可動側鏡板321に形成された連通穴321cを介して後述する背圧空間36と間欠的に連通するように、常時摺動面R1に形成される。具体的には、連通溝314は、図2のように、固定側ラップ312の巻き終わりから約1周分内側に形成される。また、連通溝314は、周縁側に位置する、圧縮途中の、中間圧の圧縮室35と連通する。なお、中間圧とは、吸入圧と吐出圧との中間の圧力を示す。
連通溝314は、図2のように、周縁部313の内縁から固定スクロール31の周方向外側に延びる延伸部314aと、延伸部314aの、周縁部313の外縁側の端部から延び、固定側鏡板311の中心に対して内向きに湾曲するように形成された湾曲部314bと、を有するJ字形状の溝である。連通溝314は、後述するように可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転すると、周縁側に位置する中間圧の圧縮室35と、背圧空間36とが、連通溝314及び連通穴321cを介して間欠的に連通される。つまり、周縁側に位置する圧縮室35と、背圧空間36とは、可動スクロール32の1公転サイクルに対し少なくとも一定期間連通する。
(2−2−2)可動スクロール
可動スクロール32は、図1及び図3に示されるように、略円板状の可動側鏡板321と、可動側鏡板321の前面(上面321a)から突出する渦巻状の可動側ラップ322と、可動側鏡板321の背面(下面321b)から突出し円筒状に形成されたボス部323とを有する。
可動側鏡板321の周縁には、平面視において、可動側鏡板321の径方向外向きに突出する凸部321iが2箇所設けられ、それぞれの凸部321iには、下方に開口する第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fが形成される。
第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fは、図3のように、可動側鏡板321の中心に対して対向するように配置される凸部321iにそれぞれ形成される。第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fは、可動スクロール32の径方向を長手方向とする、角部に丸みがつけられた略矩形状の溝である。第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fは、可動側鏡板321の下面321bに、可動側鏡板321の上下方向(厚み方向)の中央付近まで形成される。第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fは、固定側鏡板311に形成された第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cとは、平面視において90度回転した方向に配置される。後述するオルダム継手40の第1キー部42は、第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321f内に嵌り込み、第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fの長手方向に、つまり、可動スクロール32の径方向に摺動する。第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fの短手方向の距離(幅)は、第1キー部42の周方向の幅と略等しく形成される。より具体的には、第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fの短手方向の距離は、第1キー部42が第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321f内をスムースに摺動可能な範囲で、第1キー部42が第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321f内に嵌め合わされた時の隙間ができる限り小さくなるように形成される。第1キー部42の上面と、第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fの上面との距離は、第1キー部42と、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cの短手方向との隙間の距離よりも長く設定される。
また、可動スクロール32の可動側鏡板321には、固定スクロール31の周縁部313に形成された連通溝314と後述する背圧空間36とを間欠的に連通する連通穴321cが、可動側鏡板321を厚さ方向に貫通して形成される。連通穴321cは、可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転すると、1公転サイクル中の所定期間だけ連通溝314と連通するように配置される。連通穴321cと、連通溝314の連通については後述する。
更に、可動スクロール32の可動側鏡板321の内部には、図4のように、固定スクロール31の周縁部313に形成された第1油溝313dと、後述するクランク軸60の給油経路63とを連通するための高圧油流路321gが形成される。高圧油流路321gは、その一端が円筒状のボス部323の内部の上方で開口し、可動側鏡板321内を略径方向に延びるように形成される。言い換えれば、高圧油流路321gは、その一端が、可動側鏡板321の下面321bであって、クランク軸60の上端部と対向する部分に開口し、可動側鏡板321内を略径方向に延びるように形成される。高圧油流路321gの他端は、後述するように可動スクロール32が固定スクロール31に対して公転する際に、高圧油流路321gと第2油溝313eとが少なくとも間欠的に連通する位置に、可動側鏡板321の上面321aにおいて開口する。高圧油流路321gが、第1油溝313dと連通することで、給油経路63を流れる高圧の油Lが高圧油流路321gに供給される。
ボス部323は、上端の塞がれた円筒状部分である。ボス部323に、後述するクランク軸60の偏心部61が挿入されることで、ボス部323と偏心部61とが連結される。ボス部323は、可動スクロール32と後述するハウジング33との間に形成される偏心部空間37内に配置される。
後述するように、偏心部空間37には、高圧の第1空間S1と連通する油溜め空間26から高圧の油Lが供給され、その結果、偏心部空間37は高圧になる。より具体的には、定常時には、偏心部空間37の圧力は、スクロール圧縮機10の吐出圧と略等しくなる。偏心部空間37に作用する圧力により、偏心部空間37内の可動側鏡板321の下面321bには、可動スクロール32を固定スクロール31に向かって上方に押す力が発生する。可動スクロール32は、偏心部空間37内の圧力により生じる力と、後述する背圧空間36内の圧力により生じる力との合力により、固定スクロール31に密着する。
可動スクロール32は、後述するオルダム継手40を介して固定スクロール31に係合される。オルダム継手40は、可動スクロール32の自転を防止し公転させる部材である。ボス部323と偏心部61で接続されたクランク軸60が回転すると、オルダム継手40の第1キー部42が第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321f内を、第2キー部43が第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内を摺動し、可動スクロール32は固定スクロール31に対して自転することなく公転し、圧縮室35内のガス冷媒が圧縮される。より具体的には、圧縮室35は、可動スクロール32の公転により、固定側鏡板311及び可動側鏡板321の中心方向に移動するに連れ容積が減少し、それと共に圧縮室35内の圧力が上昇する。つまり、周縁側の圧縮室35よりも、中央側の圧縮室35の圧力は高圧になる。
(2−2−3)背圧空間
背圧空間36は、後述するハウジング33の上方であって、可動スクロール32の可動側鏡板321の背面(下面321b)側に形成される空間である。背圧空間36は、可動側鏡板321の下面321b及び周縁面321dと面する。背圧空間36は、可動側鏡板321の中央付近に形成される偏心部空間37に対し周縁側に配置される。なお、背圧空間36と偏心部空間37とを気密状態で隔てるため、ハウジング33と可動側鏡板321の下面321bとの間にはシールリング38が配置される。
背圧空間36は、前述のように、中間圧の、周縁側に位置する圧縮室35と間欠的に連通される。背圧空間36内の圧力により、可動スクロール32には、可動側鏡板321の下面321bを固定スクロール31に向かって上方に押す力が発生する。可動スクロール32は、偏心部空間37内の圧力により生じる力と、背圧空間36内の圧力により生じる力との合力により、固定スクロール31に密着する。
なお、背圧空間36は、オルダム継手40の第2キー部43が摺動する第2キー部摺動空間S2と連通している。また、背圧空間36は、固定スクロール31の上方に形成される上部空間S3とも連通している。
(2−2−4)ハウジング
ハウジング33は、円筒部材21に圧入され、その外周面において周方向の全体に亘って固定されている。また、ハウジング33と固定スクロール31とは、ハウジング33の上端面が、固定スクロール31の周縁部313の下面313aと対向するように配置され、図示しないボルト等により固定されている。
ハウジング33には、上面中央部に凹むように配置される第2凹部33bと、第2凹部33bの下方に配置される軸受部33cと、第2凹部33bを囲むように配置される第1凹部33aと、が形成される。
第2凹部33bは、可動スクロール32のボス部323が配置される偏心部空間37の側面を囲む。
軸受部33cには、クランク軸60の主軸62が挿入され、主軸62を回転自在に支持する。
第1凹部33aは、背圧空間36を囲む下面及び側面の一部である。
(2−3)オルダム継手
オルダム継手40は、可動スクロール32の自転運動を防止するための部材であって、図5に示されるように、主に、リング部41、第1キー部42及び第2キー部43を有する。
リング部41は、図5に示されるように、略環状の部材であり、4箇所に径方向外向きに突出する突出部411を有する。リング部41の上面41a(前面)及び下面41b(背面)は互いに平行な略平坦な面であり、リング部41の上面41aは可動側鏡板321の下面321bと、リング部41の下面41bはハウジング33の第1凹部33aの底面と、それぞれ対向する。
第1キー部42は、リング部41の突出部411から上方に、可動スクロール32の第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fまで延びる1対の凸部である。つまり、第1キー部42は、リング部41の上面41a(前面)から上方に延びる凸部である。1対の第1キー部42は、リング部41の中心に対して点対象に配置される。第1キー部42は、可動スクロール32の第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321fに嵌め込まれ、第1及び第2可動スクロールキー溝321e,321f内を摺動する。
第2キー部43は、リング部41の突出部411から上方に、固定スクロール31の第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cまで延びる1対の凸部である。つまり、第2キー部43は、リング部41の上面41a(前面)から上方に延びる凸部である。1対の第2キー部43は、リング部41の中心に対して点対象に配置される。また、平面視において、第2キー部43は、リング部41の中心に対し第1キー部42と90度回転した位置に配置される。第2キー部43は、固定スクロール31の第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313cに嵌め込まれ、第1及び第2固定スクロールキー溝313b,313c内を摺動する。
(2−4)駆動モータ
駆動モータ50は、円筒部材21の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)を空けて回転自在に収容されたロータ52とを有する。
ロータ52は、円筒部材21の軸心に沿って上下方向に延びるように配置されたクランク軸60を介して、可動スクロール32と連結される。ロータ52が回転することで、可動スクロール32は、固定スクロール31に対して周期的に公転し、その結果、圧縮室35内のガス冷媒が圧縮される。
(2−5)クランク軸
クランク軸60は、駆動モータ50の駆動力を可動スクロール32に伝達する。クランク軸60は、円筒部材21の軸心に沿って上下方向に延びるように配置され、駆動モータ50のロータ52と、スクロール圧縮機構30の可動スクロール32とを連結する。
クランク軸60は、円筒部材21の軸心と中心軸が一致する主軸62と、円筒部材21の軸心に対して偏心した偏心部61とを有する。
偏心部61は、前述のように可動スクロール32のボス部323に連結される。
主軸62は、ハウジング33の軸受部33c及び後述する下部軸受部70により回転自在に支持される。また、主軸62は、軸受部33cと下部軸受部70との間で、駆動モータ50のロータ52と連結される。
クランク軸60の内部には、図1のように、スクロール圧縮機構30等に潤滑のための油Lを供給するための給油経路63が形成されている。給油経路63は、クランク軸60内を軸心に沿って上下に延びる主経路64と、主経路64からクランク軸60の径方向に延びる第1〜第3副経路65a,65b,65cと、を有する。
主経路64は、クランク軸60の下端から上端まで延び、クランク軸60の上下の端部で開口する。主経路64の下端側には、給油ポンプ66が設けられている。給油ポンプ66の移送力、及び、油溜め空間26と偏心部空間37の差圧等によって、油溜め空間26の高圧の油Lは、クランク軸60の上端の開口まで運ばれる。可動スクロール32が公転し、高圧油流路321gと第1油溝313dとが連通すると、クランク軸60の上端の開口まで運ばれた油Lが、高圧油流路321gを通って第1油溝313dに供給される。
第1副経路65aは、主経路64から偏心部61の外周に向かって径方向に延び、偏心部61の外周面に開口する。第2副経路65bは、主軸62内を、主経路64から軸受部33cの内周面に向かって主軸62の径方向に延び、主軸62の外周面に開口する。第3副経路65cは、主軸62内を、主経路64から後述する下部軸受部70の内周面に向かって径方向に延び、主軸62の外周面に開口する。第1〜第3副経路65a,65b,65cには、主経路64を流れる油Lの一部が流入し、偏心部61又は主軸62の外周面に形成された開口から流出する。
(2−6)下部軸受部
下部軸受部70は、駆動モータ50の下方に配置される。下部軸受部70は、円筒部材21と固定されている。下部軸受部70には、クランク軸60の主軸62が挿入され、クランク軸60の主軸62を回転自在に支持する。
(3)スクロール圧縮機の動作
スクロール圧縮機10の動作について図1を参照して説明する。
(3−1)圧縮動作
駆動モータ50が駆動されると、ロータ52が回転し、ロータ52と連結されたクランク軸60も回転する。クランク軸60が回転すると、オルダム継手40の働きにより、可動スクロール32は自転せずに、固定スクロール31に対して公転する。そして、低圧の(吸入圧の)ガス冷媒が、吸入管23を通ってケーシング20内に吸引される。より具体的には、低圧のガス冷媒が、吸入管23から圧縮室35へ、圧縮室35の周縁側から吸引される。可動スクロール32が公転するのに従い、吸入管23と圧縮室35とは連通しなくなり、圧縮室35の容積が減少するのに伴って、圧縮室35の圧力が上昇する。ガス冷媒は、周縁側の圧縮室35から、中央側の圧縮室35へ移動するにつれ圧力が上昇し、最終的に高圧(吐出圧)になる。周縁側の圧縮途中の圧縮室35のガス冷媒の圧力は、吸入圧と吐出圧との中間の値(中間圧)である。スクロール圧縮機構30によって圧縮された高圧のガス冷媒は、固定側鏡板311の中央付近に位置する吐出口311bから吐出される。その後、高圧のガス冷媒は、固定スクロール31に形成された冷媒通路315及びハウジング33に形成された冷媒通路33dを通過して、第1空間S1へ流入する。スクロール圧縮機10の起動後、第1空間S1の圧力は次第に上昇し、定常時には、略吐出圧に等しくなる。第1空間S1のガス冷媒は、吐出管24から吐出される。
次に、スクロール圧縮機10の運転中の偏心部空間37及び背圧空間36の圧力について説明する。
まず、偏心部空間37の圧力について説明する。偏心部空間37には、油溜め空間26から油Lが供給されるため、偏心部空間37の圧力は油溜め空間26の圧力に略等しくなる。油溜め空間26は、第1空間S1と連通しているため、第1空間S1と略同じ圧力になる。つまり、油溜め空間26には、通常、高圧の(略吐出圧の)油Lが貯留される。そのため、油溜め空間26から油Lが供給される偏心部空間37も、通常、高圧(略吐出圧)になる。
次に、背圧空間36の圧力について説明する。可動スクロール32が公転すると、可動側鏡板321の連通穴321cは、固定スクロール31の周縁部313の連通溝314に対し、平面視において図6に二点破線で示した軌跡Cに沿って移動する。その結果、可動スクロール32の公転サイクル中の一定期間、可動側鏡板321の連通穴321cと固定スクロール31の周縁部313の連通溝314とが連通し、周縁側に位置する、中間圧の圧縮室35と、背圧空間36とが連通する。その結果、背圧空間36の圧力は中間圧となる。なお、上記のように、圧縮室35と背圧空間36とが、連通穴321c及び連通溝314を介して間欠的に連通されることで、背圧空間36の圧力を所望の圧力に制御することが容易になる。
以上のように、定常時には、高圧の圧縮室35と連通する油溜め空間26から油Lが供給される偏心部空間37の圧力は、吐出圧に略等しくなり、周縁側に位置する中間圧の圧縮室35と間欠的に連通する背圧空間36の圧力よりも大きくなる。
しかし、運転状態によっては、背圧空間36の圧力が偏心部空間37の圧力と同等以上になる場合がある。
(3−2)給油動作
クランク軸60が回転すると、油溜め空間26の油Lは、給油経路63の主経路64に吸い上げられ、クランク軸60の上端の開口まで上方に流れる。また、主経路64を流れる油Lの一部は、主経路64から分岐する第1〜第3副経路65a,65b,65cを流れる。そして、油Lは、主経路64の上端及びクランク軸60の外周面に形成された第1〜第3副経路65a,65b,65cの開口から流出する。主経路64の上端に流出した油Lは、可動スクロール32が公転することで高圧油流路321gと第1油溝313dとが連通すると、高圧油流路321gを介して第1油溝313dに供給される。第1油溝313dに供給された油Lは、可動スクロール32が公転することにより、周縁部313の下面313a及び可動側鏡板321の上面321aにおいて、第1油溝313d付近に広がる。主経路64の上端及び第1〜第2副経路65a,65bの開口から流出する油Lは、主に軸受部33cを含むスクロール圧縮機構30を、第3副経路65cの開口から流出する油Lは、主に下部軸受部70を潤滑する。
なお、ハウジングの偏心部空間37には、主経路64の上端の開口、第1副経路65aの開口、及び第2副経路65bの開口から流出し、偏心部61や軸受部33cの潤滑に用いられた油Lが流入する。偏心部空間37内の油Lの一部は、可動側鏡板321の下面321bとハウジング33との間に設けられたシールリング38の隙間から、背圧空間36へと漏れ出す。
次に、固定スクロール31の周縁部313と、可動スクロール32の可動側鏡板321との接触部分への油Lの供給について、定常時(偏心部空間37の圧力>背圧空間36の圧力)と、非定常時(偏心部空間37の圧力≦背圧空間36の圧力)とに分けて説明する。
定常時には、圧力差により、第1油溝313dに供給された高圧の油Lは、第1油溝313dより内側(内周側)に位置する低圧又は中間圧の圧縮室35側、及び、第1油溝313dより外側(外周側)に位置する中間圧の背圧空間36側に、周縁部313の下面313a及び可動側鏡板321の上面321aを移動する。その結果、第1油溝313dの内側、外側共に油Lが供給される。
なお、油Lが周縁部313の下面313aを移動する際に、油Lの一部は第2油溝313e内に捕集される。第2油溝313eに捕集された油Lの一部は、第2油溝313eよりさらに外側(背圧空間36側)に移動する。
また、第2油溝313eに捕集された油Lの一部は、第2油溝313e内を、第2油溝313eと連通する第2固定スクロールキー溝313c側の第2キー部摺動空間S2側、及び第2油溝313eに間欠的に連通する背圧空間36側に、圧力差により移動する。さらに、第2油溝313eに連通する第2固定スクロールキー溝313c側の第2キー部摺動空間S2では、第2キー部43が摺動するため、その動きにより第2油溝313e内の油Lの動きが促進される。その結果、第2油溝313e全体に油Lが行き渡り、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分に油Lが確実に供給されやすい。
さらに、油Lが第2油溝313e内を移動することで、第2油溝313e内の油Lが入れ替わり、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分の温度上昇、つまりは、スクロール圧縮機構30の温度上昇が抑制されやすい。
次に、非定常時について説明する。非定常時とは、偏心部空間37と背圧空間36との圧力関係が、定常時と一時的に逆転している状態である。
非定常時には、偏心部空間37から第1油溝313dに供給された油Lは、第1油溝313dより圧力の高い背圧空間36側(第1油溝313dより外側)に移動しにくい。しかし、可動スクロール32の公転サイクルの中で、第2油溝313eが背圧空間36と連通する際に、背圧空間36で第2油溝313eに捕集された油Lが、背圧空間36よりも圧力の低い第1油溝313d方向(第2油溝313eより内側)に、周縁部313の下面313a及び可動側鏡板321の上面321aを移動し、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分を潤滑する。
非定常時においても、第2固定スクロールキー溝313c側の第2キー部摺動空間S2において第2キー部43が摺動することで定常時と同様の効果が得られる。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態のスクロール圧縮機10は、固定スクロール31と、可動スクロール32と、駆動モータ50と、を備える。固定スクロール31は、平板状の固定側鏡板311と、固定側鏡板311の下面311aから突出する渦巻状の固定側ラップ312と、固定側ラップ312を囲むスラスト摺動部としての周縁部313と、を有する。可動スクロール32は、平板状の可動側鏡板321と、可動側鏡板321の上面321aから突出する渦巻状の可動側ラップ322と、を有する。駆動モータ50は、可動スクロール32とクランク軸60を介して連結され、可動スクロール32を旋回させる。固定側ラップ312と可動側ラップ322とは、固定側鏡板311の下面311aと可動側鏡板321の上面321aとが対向するように組み合わされ、隣接する固定側ラップ312と可動側ラップ322との間に圧縮室35を形成する。駆動モータ50は、可動スクロール32を周期的に旋回させて圧縮室35内のガス状の冷媒を圧縮する。可動スクロール32の可動側鏡板321の下面321b側に、可動スクロール32の1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室35と連通する背圧空間36が形成される。周縁部313は、可動側鏡板321の上面321a側の下面313aに、可動側鏡板321の上面321aと常時接する常時摺動面R1と、常時摺動面R1の外周側であって可動側鏡板321の上面321aと間欠的に接する間欠摺動面R2と、間欠摺動面R2の外周側であって背圧空間36と常時面する外縁近傍面としての非摺動面R3と、を有する。周縁部313の常時摺動面R1に、中央側の圧縮室35と第1空間S1を介して連通する油溜め空間26から油Lが供給され、油Lが保持される第1油溝313dが形成される。周縁部313の下面313aの、第1油溝313dより外側に、非摺動面R3から常時摺動面R1まで延びる第2油溝313dが形成される。
ここでは、周縁部313の、中央側の圧縮室35と連通する高圧の油溜め空間26から油Lが供給される第1油溝313dより外側に、間欠的に背圧空間36と連通する第2油溝313eが形成される。背圧空間36は、可動スクロール32の1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室35と連通する。
スクロール圧縮機10においては、中央側の圧縮室35の圧力は、周縁側の圧縮室35の圧力よりも高いため、第1油溝313dに供給される油Lの圧力は、通常、背圧空間36の圧力よりも高くなる。そのため、第1油溝313dに保持される油Lは、高圧側から低圧側に、すなわち第1油溝313dから背圧空間36に向かって移動し、周縁部313の第1油溝313dより外側に油が供給される。
一方、例えばスクロール圧縮機10の起動時などに背圧空間36の圧力が第1油溝313dに供給される油Lの圧力と同等以上となる場合には、背圧空間36において第2油溝313eに捕集された油Lが、差圧により低圧側の第1油溝313d側に移動し、周縁部313の第2油溝313eより内側に油Lが供給される。
つまり、第1油溝313dに供給される油Lの圧力と背圧空間36の圧力との大小関係によらず、固定スクロール31の周縁部313と可動スクロール32の可動側鏡板321との接触部分に油Lが供給されやすい。その結果、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分における焼き付き等の問題が確実に防止されやすく、スクロール圧縮機10の信頼性を向上させることができる。
また、第1油溝313dは背圧空間36と連通していないため、高圧となる第1油溝313dの油Lが、直接、背圧空間36に流出し、スクロール圧縮機10の効率に悪影響を及ぼすことがない。
(4−2)
さらに、本実施形態のスクロール圧縮機10では、オルダム継手40をさらに備える。オルダム継手40は、環状のリング部41と、リング部41の前面である上面41aから突出する第2キー部43と、を有し、可動スクロール32の自転運動を防止する。周縁部313には、第2キー部43が摺動する第2キー部摺動空間S2が形成される。第2油溝313eは、第2キー部摺動空間S2と連通する。
ここでは、第2キー部摺動空間S2と第2油溝313eとが連通しているため、オルダム継手40の第2キー部43が第2キー部摺動空間S2を摺動すると、第2油溝313e内の油Lの動きが促進される。そのため、第2油溝313e全体に油Lが行き渡り、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分に油Lが確実に供給されやすい。
また、第2キー部43の動きにより、第2油溝313e内の油Lの移動が促進されるため、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分の温度上昇、つまりスクロール圧縮機構30の温度上昇が抑制できる。その結果、スクロール圧縮機10の信頼性をより向上させることができる。
(5)変形例
上記実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、第2油溝313eは、第2キー部摺動空間S2と連通し、常時摺動面R1及び間欠摺動面R2にわたって形成されるが、これに限定されるものではない。
例えば、図7のように、第2油溝313eが、常時摺動面R1から、間欠摺動面R2を通って非摺動面R3まで延びるように(常時摺動面R1、間欠摺動面R2及び非摺動面R3にわたって)形成されてもよい。これにより、背圧空間36に存在する油Lが、第2油溝313eにより確実に捕集されやすくなり、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分の潤滑が確実に行われやすい。
また例えば、図8のように、第2油溝313eは第2キー部摺動空間S2と連通しなくてもよい。ただし、第2油溝313e内の間の油Lの移動を促進するためには、第2油溝313eは第2キー部摺動空間S2と連通していることが望ましい。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、第2油溝313eは1つであるが、これに限定されるものではない。周縁部313の下面313aには、図9のように、第2油溝313eが複数形成されてもよい。
これにより、第2油溝313eを介して、周縁部313と可動側鏡板321との接触部分に確実に油Lが供給されやすい。その結果、スクロール圧縮機10の信頼性を向上させることができる。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、オルダム継手40のリング部41の上面41aから上方に突出する第2キー部43が摺動する第2キー部摺動空間S2が、固定スクロール31の周縁部313に形成されるが、これに限定されるものではない。
例えば、特許文献1のように、オルダム継手40の第2キー部はリング部41の下面41b(背面)から下方に突出し、ハウジング33に第2キー部の摺動する第2キー部摺動空間が形成されてもよい。
この場合でも、第2油溝313eが周縁部313に形成されることで、第1油溝313dに供給される油Lの圧力と背圧空間36の圧力との大小関係によらず、常に固定スクロール31の周縁部313と可動側鏡板321との接触部分に油Lが供給されやすい。
ただし、第2油溝313eの動きが促進されるよう、第2キー部摺動空間S2が、固定スクロール31の周縁部313に形成され、第2油溝313eと連通していることがより望ましい。
本発明は、可動スクロールの周囲に背圧空間が形成されるスクロール圧縮機において適用することが可能である。
10 スクロール圧縮機
26 油溜め空間(高圧空間)
31 固定スクロール
311 固定側鏡板(第1鏡板)
311a 固定側鏡板の下面(第1鏡板の前面)
312 固定側ラップ(第1ラップ)
313 周縁部(スラスト摺動部)
313d 第1油溝
313e 第2油溝
32 可動スクロール
321 可動側鏡板(第2鏡板)
321a 可動側鏡板の上面(第2鏡板の前面)
321b 可動側鏡板の下面(第2鏡板の背面)
321d 可動側鏡板の外周面(第2鏡板の外周)
322 可動側ラップ(第2ラップ)
35 圧縮室
36 背圧空間
40 オルダム継手(オルダム)
41 リング部
43 第2キー部(キー部)
50 駆動モータ(駆動部)
60 クランク軸
L 油
R1 常時摺動面
R2 間欠摺動面
R3 非摺動面(外縁近傍面)
S2 第2キー部摺動空間(キー溝空間)
特開2011−111903号公報 特開2012−67712号公報

Claims (5)

  1. 平板状の第1鏡板(311)と、前記第1鏡板の前面(311a)から突出する渦巻状の第1ラップ(312)と、前記第1ラップを囲むスラスト摺動部(313)と、を有する固定スクロール(31)と、
    平板状の第2鏡板(321)と、前記第2鏡板の前面(321a)から突出する渦巻状の第2ラップ(322)と、を有する可動スクロール(32)と、
    前記可動スクロールとクランク軸(60)を介して連結され、前記可動スクロールを旋回させる駆動部(50)と、
    前記固定スクロール、前記可動スクロール、及び前記駆動部を収容するケーシング(20)と、
    を備え、
    前記第1ラップと前記第2ラップとは、前記第1鏡板の前記前面と前記第2鏡板の前記前面とが対向するように組み合わされ、隣接する前記第1ラップと前記第2ラップとの間に圧縮室(35)を形成し、
    前記駆動部は、前記可動スクロールを周期的に旋回させて前記圧縮室内のガス状の冷媒を圧縮し、
    前記可動スクロールの前記第2鏡板の背面(321b)側に、前記可動スクロールの1公転サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の前記圧縮室と連通する背圧空間(36)が形成され、
    前記スラスト摺動部は、前記第2鏡板の前記前面側の第1面(313a)に、前記第2鏡板の前記前面と常時接する常時摺動面(R1)と、前記常時摺動面の周縁側に配され、前記可動スクロールの前記1公転サイクル中の少なくとも一定期間、前記背圧空間と面する周縁面(R2,R3)と、を有し、
    前記スラスト摺動部の前記常時摺動面に、前記ケーシングの下部に形成された油溜め空間(26)から、前記クランク軸の内部に形成された給油経路を介して油(L)が供給され、前記油が保持される第1油溝(313d)が形成され、
    前記スラスト摺動部の前記第1面の、前記第1油溝より外側に、前記周縁及び前記常時摺動面にわたって第2油溝(313e)が形成される、
    スクロール圧縮機(10)。
  2. 前記周縁面は、前記第2鏡板の前記前面と間欠的に接する間欠摺動面(R2)を含む、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記周縁面は、前記背圧空間と常に面する外縁近傍面(R3)をさらに含む、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 環状のリング部(41)と、前記リング部の前面から突出するキー部(43)とを有し、前記可動スクロールの自転運動を防止するオルダム(40)をさらに備え、
    前記スラスト摺動部には、前記キー部が摺動するキー溝空間(S2)が形成され、
    前記第2油溝は、前記キー溝空間と連通する
    請求項1から3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記スラスト摺動部の前記第1面には、前記第2油溝が複数形成される、
    請求項1から4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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