本発明は、止着テープを備えた、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつに関するものである。本発明の使い捨ておむつは、おむつ本体の幅方向の両側に止着テープが設けられるとともに引き出しタブが設けられたものであり、引き出しタブにより、止着テープの先端側の部分を手で摘まむことが容易になる。以下、本発明の使い捨ておむつについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1~図4には、本発明の使い捨ておむつの一例を示した。図1は使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図2は図1に示した使い捨ておむつのII-II断面図を表す。図3は、図1に示した使い捨ておむつの右側に取り付けられた止着テープと引き出しタブの拡大平面図と断面図を表し、図4は、図3に示した止着テープの折り返しを展開した状態の止着テープと引き出しタブの平面図と断面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。なお図1では、図面の上側がおむつの前側に相当し、図面の下側がおむつの後側に相当する。
使い捨ておむつ1は、おむつ本体2と、おむつ本体2の幅方向xの両側に取り付けられた止着テープ21とを有する。おむつ本体2は、前側部と後側部とこれらの間に位置する股部とを有し、止着テープ21がおむつ本体2の後側部の両側に取り付けられている。使い捨ておむつ1は、着用の際、前側部を着用者の腹部に、股部を着用者の股間部に、後側部を着用者の背部に当て、止着テープ21をおむつ本体2の前側部に止着することで、パンツ形状に形成して使用する。例えば、おむつ本体2の前側部の外側面に止着対応部10が設けられ、止着テープ21を止着対応部10に止着することで、おむつを着用する。
使い捨ておむつ1は、前後方向yと幅方向xを有する。前後方向yとは、使い捨ておむつを着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向xとは、使い捨ておむつと同一面上にあり前後方向yと直交する方向を意味し、使い捨ておむつを着用した際の着用者の左右方向に相当する。また本発明において、使い捨ておむつの肌面側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、使い捨ておむつの外側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
おむつ本体2は、トップシート3と、バックシート4と、これらの間に配された吸収体5とを有する。トップシート3は、使い捨ておむつを着用した際に着用者側に位置するシートであり、バックシート4は、使い捨ておむつを着用した際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートである。着用者から排泄された尿等は、トップシート3を透過して吸収体5に収容される。バックシート4は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
トップシート3は液透過性であることが好ましく、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート3として、織布、編布、有孔樹脂フィルム等を用いてもよい。
バックシート4は液不透過性であることが好ましく、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、樹脂フィルム等を用いることができる。またバックシート4として、不織布とフィルムとの積層体を用いてもよい。
吸収体5は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体5としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは当該成形体を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱溶着性繊維が含まれてもよい。これらの熱溶着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収体5は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
吸収体5の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体(あるいは吸収体を構成する成形体)の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。なお、吸収体が着用者の大腿部に挟まれて幅方向に圧迫されても歪みにくくする点から、吸収体、あるいは吸収体を構成する成形体は、砂時計形に形成されていることが好ましい。
おむつ本体2には、トップシート3の幅方向xの両側に、トップシート3よりも幅方向xの外方に延在するサイドシート6が接合していることが好ましい。サイドシート6は液不透過性であることが好ましく、バックシート4に使用可能なシート材料から構成することができる。
サイドシート6は、トップシート3の幅方向xの両側に、立ち上がりフラップ7を形成することが好ましい。この場合、サイドシート6には、図2に示すように、トップシート3との接合部9よりも幅方向xの内方部分に前後方向yに延びる起立用弾性部材8が設けられることが好ましく、起立用弾性部材8の収縮力によってサイドシート6の内方部分が立ち上げられて、立ち上がりフラップ7を形成することができる。立ち上がりフラップ7を設けることにより、尿等の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップ7は前後方向yの端部の内面がトップシート3上に接合されてもよく、これにより、おむつを着用の際に立ち上がりフラップ7が着用者の肌に向かって立ち上がりやすくなる。
上記に説明した各シートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。各シートの単位面積あたりの質量は、10g/m2以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましく、また40g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましい。
おむつ本体2には、幅方向xの両側にそれぞれ、前後方向yに延びる脚部弾性部材11が設けられることが好ましい(図1を参照)。脚部弾性部材11を設けることにより、着用者の脚周りにギャザーを形成して脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
おむつ本体2には、前後方向yの端部に、幅方向xに延びるウェスト弾性部材12を設けてもよい。ウェスト弾性部材12の収縮力により、着用者の胴周りに沿ったウェストギャザーが形成され、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。
上記に説明した各弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤等の接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度40~1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1~5.0倍に伸張して配設し、固定する。接着剤としては、ゴム系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
おむつ本体2には、幅方向xの両側に止着テープ21が設けられている。止着テープ21は、テープ基材22の肌面側に留め具23が設けられて構成され、おむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10と着脱可能に形成されている。留め具23は、具体的には、止着テープ21を折り返さずに展開した状態で、テープ基材22の肌面側に設けられている。
テープ基材22としては、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、あるいはこれらの積層体等を用いることができる。なお、テープ基材22とおむつ本体2との接着性を高める点から、テープ基材22は、織布、編布、または不織布から構成されていることが好ましく、不織布から構成されていることがより好ましい。また、テープ基材22を不織布から構成することにより、テープ基材22を折り返すことが容易になり、使い捨ておむつ1の使用前、止着テープ21を安定して折り畳むことができる。
テープ基材22に不織布を用いる場合、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることができるが、テープ基材22としては、スパンボンド不織布またはSMS不織布を用いることが好ましく、スパンボンド不織布を用いることがより好ましい。このような不織布を用いれば、テープ基材22の強度を高めやすくなる。テープ基材22に用いられる不織布はエンボス加工されていてもよく、これによりテープ基材22の剛性が高まり、止着テープ21の取り扱い性が向上する。また、エンボス加工された不織布として、ポイントボンド不織布を用いることも好ましい。
テープ基材22の単位面積あたりの質量は、50g/m2以上が好ましく、55g/m2以上がより好ましく、また120g/m2以下が好ましく、100g/m2以下がより好ましい。テープ基材22の単位面積あたりの質量が50g/m2以上であれば、テープ基材22が十分な剛性を有し、テープ基材22の単位面積あたりの質量が120g/m2以下であれば、テープ基材22が厚くなりすぎず、取り扱い性が向上する。
留め具23としては、面ファスナーのフック部材や粘着テープを用いることができる。留め具23として面ファスナーのフック部材を用いる場合は、おむつ本体2の前側部の外側面に面ファスナーのループ部材を止着対応部10として設けたり、あるいは、おむつ本体2の前側部の外側面をループ部材として機能する材料(例えば、不織布、織布、編布等)で構成し、これを止着対応部10としてもよい。留め具23として粘着テープを用いる場合は、止着対応部10として、おむつ本体2の前側部の外側面に樹脂フィルムを設けたり、おむつ本体2の前側部の外側面を樹脂フィルムで構成し、これを止着対応部10としてもよい。面ファスナーのフック部材は、例えば、基盤から、錨形や鉤形やきのこ形等の形状のフックが多数突出して構成される。
留め具23は面ファスナーのフック部材であり、テープ基材22は不織布から構成されることが好ましい。これにより、後述するように止着テープ21を第1折り目F1で折り返しやすくなる。また、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、留め具23をテープ基材22に留めて、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した状態を安定して保持することができる。
止着テープ21は、おむつ本体2から幅方向xの外方に延在するように設けられる。止着テープ21は、おむつ本体2に取り付けられたテープ固定部25と、テープ固定部25から幅方向xに延在したテープ本体部26と、テープ本体部26から幅方向xに延在し、留め具23が設けられたテープつまみ部27とを有する(図4を参照)。止着テープ21を折り返さずに展開した状態で、テープ本体部26はテープ固定部25から幅方向xの外方に延在し、テープつまみ部27はテープ本体部26から幅方向xの外方に延在する。テープ固定部25は、サイドシート6とバックシート4の間に固定されることが好ましい。
テープつまみ部27は、前後方向yの長さがテープ本体部26よりも短く形成されていることが好ましく、これにより止着テープ21の先端側を手で摘まみやすくなり、止着テープ21の取り扱い性が向上する。テープつまみ部27は、1つのテープ本体部26に対して1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。後者の場合、テープつまみ部27は前後方向yに複数並んで配置されることが好ましい。図1、図3および図4では、1つのテープ本体部26に対してテープつまみ部27が2つ設けられている。テープつまみ部27が複数設けられる場合、複数のテープつまみ部27の幅方向xの長さは互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
留め具23は、1つのテープつまみ部27に対して1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい、後者の場合、留め具23は幅方向xに複数並んで配置されることが好ましい。図1、図3および図4では、1つのテープつまみ部27に留め具23が1つ設けられている。
図3に示すように、止着テープ21は、第1折り目F1で幅方向xの内方に折り返されており、具体的には、第1折り目F1で肌面側を内側にして幅方向xの内方に折り返されている。これにより、使用前の使い捨ておむつ1をコンパクトに形成することができる。ところで、このように止着テープ21を幅方向xの内方に折り返すと、テープつまみ部27、具体的には止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、止着テープ21自身やおむつ本体2と重なることにより、使い捨ておむつ1を使用する際に、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まみにくくなる。特に、止着テープ21が第1折り目F1で幅方向xの内方に折り返された状態で、止着テープ21に設けられた留め具23がテープ基材22やおむつ本体2に留められている(すなわち留め具23がテープ基材22やおむつ本体2に脱着可能に仮留めされている)と、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まむことが難しくなりやすい。
そこで使い捨ておむつ1には、止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に引き出しタブ31が設けられている。引き出しタブ31は、幅方向xの一方側に固定端33を有し、他方側に自由端34を有し、幅方向xの外方に倒伏して設けられており、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、引き出しタブ31に留められている。具体的には、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、引き出しタブ31に脱着可能に仮留めされている。使い捨ておむつ1はこのように引き出しタブ31が設けられることにより、使い捨ておむつ1を使用する際、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まみやすくなる。
これについて詳しく説明すると、使い捨ておむつ1は、幅方向xの外方に倒伏して設けられた引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まんで、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることにより、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が引き出しタブ31とともに持ち上げられ、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まむことが容易になる。そして、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まむことができれば、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を引き出しタブ31から引き離して仮留めを解除し、止着テープ21をおむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10に止着することにより、使い捨ておむつ1を着用者の腰周りに装着することができる。そのため、使い捨ておむつ1は、止着テープ21の取り扱い性に優れるものとなり、例えば高齢者など指先の不自由な使用者でも、止着テープ21の先端側の部分を手で摘まむことが容易になる。
引き出しタブ31は、止着テープ21の肌面側に配置される。詳細には、引き出しタブ31は、止着テープ21を展開した状態で、止着テープ21の肌面側に配置される。止着テープ21を第1折り目F1で折り返した状態では、引き出しタブ31は、幅方向xの内方側の部分が止着テープ21の肌面側に配置され、幅方向xの外方側の部分が第1折り目F1で折り返された止着テープ21の間(すなわち止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分とテープ固定部25側の部分の間)に配置される。引き出しタブ31は、前後方向yに対して、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分と重なる位置に存在し、さらに止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分と重ならない位置にも存在していてもよい。
引き出しタブ31は、止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に設けられる。好ましくは、引き出しタブ31はその全体が止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に設けられ、後述するように引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返される場合は、第2折り目F2で折り返された引き出しタブ31の全体が止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に設けられる。例えば、引き出しタブ31(あるいは第2折り目F2で折り返された引き出しタブ31)はその全体が、止着テープ21の第1折り目F1よりも1mm以上幅方向xの内方に設けられることが好ましく、3mm以上幅方向xの内方に設けられることがより好ましく、5mm以上幅方向xの内方に設けられることがさらに好ましい。
引き出しタブ31は、タブ基材32から構成される。タブ基材32は、テープ基材22に使用可能なシート部材から構成することができ、これに関する説明は上記のテープ基材22の説明が参照される。なかでもタブ基材32は不織布から構成されることが好ましく、これにより、タブ基材32に剛性を付与することが容易になり、引き出しタブ31の取り扱い性を高めることができる。
引き出しタブ31は、幅方向xの一方側に固定端33を有し、他方側に自由端34を有する。引き出しタブ31の固定端33と自由端34は、引き出しタブ31を展開した状態における、引き出しタブ31の幅方向xの一方側の端と他方側の端に相当する。引き出しタブ31は、固定端33を含む部分としてタブ固定部35を有し、タブ固定部35で引き出しタブ31が固定されている。引き出しタブ31の自由端34はいずれの部材にも固定されず、引き出しタブ31の自由端34を含む非固定の部分を「フラップ部」と称する。引き出しタブ31は、フラップ部36が幅方向xの外方に倒伏して設けられており、この状態から、起立させた状態や幅方向xの内方に倒伏した状態に変位可能に形成されている。図3(b)では、引き出しタブ31は、フラップ部36が幅方向xの外方に倒伏した状態が実線で示されており、フラップ部36を起立させた状態が一点鎖線で示されている。なお、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図12(b)、図14(b)、図16(b)においても、引き出しタブ31は、フラップ部36が幅方向xの外方に倒伏した状態が実線で示されており、フラップ部36を起立させた状態が一点鎖線で示されている。
タブ固定部35は、おむつ本体2に固定されていてもよく、止着テープ21に固定されていてもよい。タブ固定部35がおむつ本体2に固定される場合、タブ固定部35は、例えば、おむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に配置されたり、おむつ本体2のサイドシート6の肌面側に配置することができる。タブ固定部35が止着テープ21に固定される場合、タブ固定部35はテープ基材22の肌面側に配置されることが好ましい。タブ固定部35は、例えば、おむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に配置され、テープ基材22の肌面側に固定されてもよく、おむつ本体2よりも幅方向xの外方でテープ基材22の肌面側に固定されてもよい。タブ固定部35は、接着剤や溶着等の公知の接合手段により、おむつ本体2や止着テープ21に固定することができる。
図3および図4では、引き出しタブ31は、タブ固定部35がおむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に配置され、タブ固定部35がサイドシート6および/またはテープ基材22に固定されている。そして、フラップ部36が幅方向xの外方に傾倒した状態で、フラップ部36がおむつ本体2の幅方向xの側縁から幅方向xの外方に延びるように設けられている。図3および図4では、フラップ部36はタブ固定部35と同一面に形成され、フラップ部36がタブ固定部35の幅方向xの外方縁から幅方向xの外方に延在するように形成されている。
引き出しタブ31は、止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に設けられ、止着テープ21は第1折り目F1よりも先端側の部分が引き出しタブ31に留められている。詳細には、引き出しタブ31は、フラップ部36が止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの内方に設けられ、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分がフラップ部36に脱着可能に仮留めされている。図面に示すように、止着テープ21にテープつまみ部27が複数設けられる場合は、各テープつまみ部27の先端側の部分がフラップ部36に留められることが好ましい。
図3では、止着テープ21は、止着テープ21の留め具23よりも先端側の部分に設けられた仮留め部24で、引き出しタブ31に留められている。仮留め部24は、例えば、引き出しタブ31のフラップ部36を手で摘まんで持ち上げても止着テープ21と引き出しタブ31との仮留めが維持され、引き出しタブ31と止着テープ21とを引き離すことにより、止着テープ21と引き出しタブ31との仮留めが解除されるように形成されていることが好ましい。
仮留め部24は、接着剤、溶着、圧着等により形成することができる。接着剤により仮留め部24を形成する場合は、比較的弱い接着力の接着剤を用いて、止着テープ21の留め具23よりも先端側の部分と引き出しタブ31とを接着すればよい。溶着により仮留め部24を形成する場合は、止着テープ21の留め具23よりも先端側の部分を引き出しタブ31と重ね合わせた状態で、止着テープ21と引き出しタブ31とをヒートシールや超音波溶着により溶着すればよい。圧着により仮留め部24を形成する場合は、止着テープ21の留め具23よりも先端側の部分を引き出しタブ31と重ね合わせた状態で、止着テープ21と引き出しタブ31とをエンボスロール等に挟むことにより圧着すればよい。
止着テープ21の第1折り目F1は、テープつまみ部27に形成されてもよく、テープ本体部26に形成されてもよい。なお、第1折り目F1はテープつまみ部27に形成されることが好ましく、これにより引き出しタブ31のフラップ部36を幅方向xに長く形成することができる。その結果、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張った際に、止着テープ21の第1折り目F1よりも幅方向xの先端側の部分を大きく動かすことができ、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まみやすくなる。同様の観点から、第1折り目F1は、第1折り目F1から止着テープ21の先端までの長さ(幅方向xの長さ)が第1折り目F1からおむつ本体2の幅方向xの側縁までの長さ(幅方向xの長さ)よりも短くなるように形成されることが好ましい。また、このように第1折り目F1を形成することにより、止着テープ21が第1折り目F1で折り返された状態で、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分がおむつ本体2と重ならないようにすることができる。そのため、後述するように、止着テープ21をおむつ本体2の幅方向xの側縁に沿った第3折り目F3で折り返す際に、止着テープ21を第3折り目F3で折り返すことが容易になる。
止着テープ21は、第1折り目F1で折り返された状態で、第1折り目F1よりも先端側の部分の一部が引き出しタブ31と重なり、他部が引き出しタブ31と重ならないことが好ましい。具体的には、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分のうち、第1折り目F1から離れた部分が引き出しタブ31と重なり、第1折り目F1から近い部分が引き出しタブ31と重ならないことが好ましい。これにより、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることが容易になる。例えば、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分の幅方向xの長さをLとしたとき、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、少なくとも第1折り目F1から幅方向xに0.5L以内の範囲で、引き出しタブ31と重ならないことが好ましい。
止着テープ21は、留め具23を内側にして第1折り目F1で折り返された状態で、留め具23がテープ基材22に留められていることが好ましい。具体的には、使い捨ておむつ1の使用前、留め具23が対向するテープ基材22に脱着可能に留められていることが好ましい。このように留め具23がテープ基材22に留められていれば、使い捨ておむつ1の使用前、止着テープ21が第1折り目F1で折り畳まれた状態で安定化され、止着テープ21と引き出しタブ31との仮留めが安定して維持される。なお、図3(b)に示した止着テープ21は留め具23がテープ基材22に留められておらず、図3(b)に示した状態で止着テープ21を厚み方向zに押圧することで、留め具23をテープ基材22に留めることができる。
留め具23は、止着テープ21の少なくとも第1折り目F1よりも先端側の部分に設けられることが好ましい。留め具23が止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分に設けられていれば、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の留め具23が設けられた部分の剛性が高まり、当該部分を手で摘まみやすくなる。そのため、使い捨ておむつ1を使用する際、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を引き出しタブ31から引き離して仮留めを解除することを行いやすくなる。止着テープ21(具体的には各テープつまみ部27)に留め具23が複数設けられる場合は、複数設けられた留め具23の少なくとも1つが、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分に設けられることが好ましい。
留め具23は、幅方向xの端縁が前後方向yに略平行に延びるように形成されていることが好ましい。このように留め具23が形成されていれば、止着テープ21を使い捨ておむつ1の前側部の止着対応部10に止着した際、留め具23に対して幅方向xに剥がれる力が作用しても、留め具23がその力に対して広い範囲で対抗して、止着テープ21が不用意に止着対応部10から剥がれにくくなる。
第1折り目F1は、留め具23の幅方向xの端縁に沿って、留め具23と重ならずに形成されていることが好ましい。これにより、止着テープ21を第1折り目F1で折り返すことが容易になる。第1折り目F1は、例えば、留め具23の幅方向xの端縁から5mm以内に形成されることが好ましく、3mm以内がより好ましく、2mm以内がさらに好ましい。従って、第1折り目F1は、前後方向yに略平行に延びるように形成されていることが好ましく、止着テープ21は前後方向yに略平行に延びる折り目のみで折り返されていることが好ましい。これにより、止着テープ21をコンパクトに折り畳むことが容易になる。
止着テープ21と引き出しタブ31は、図5に示すように、おむつ本体2の幅方向xの側縁に沿った第3折り目F3でさらに折り返されていてもよい。図5には、図3に示した止着テープ21と引き出しタブ31を、おむつ本体2の幅方向xの側縁に沿った第3折り目F3でさらに折り返した状態の平面図と断面図を示した。図5では、止着テープ21が第1折り目F1で折り返された状態で、止着テープ21と引き出しタブ31が第3折り目F3で肌面側を内側にして折り返されている。なお、後述するように引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返される場合は、引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返された状態で、引き出しタブ31が第3折り目F3でさらに折り返されることが好ましい。このように止着テープ21と引き出しタブ31が第3折り目F3で折り返されていれば、使用前、使い捨ておむつ1をコンパクトに折り畳むことができる。第3折り目F3は、おむつ本体2の幅方向xの側縁から幅方向xの外方5mm以内に形成されることが好ましく、3mm以内がより好ましく、2mm以内がさらに好ましい。
引き出しタブ31の設置態様、および、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分の引き出しタブ31への仮留めの態様は、図3~図5に示したものに限定されず、様々な態様が可能である。図6~図8には、図3~図5に示したものとは異なる止着テープと引き出しタブの構成例を示した。
図6(a)、図7(a)、図8(a)は、第1折り目で折り返された状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図6(b)、図7(b)、図8(b)はそれぞれ、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示した止着テープと引き出しタブの断面図を表す。図6~図8において、図3~図5に示した止着テープと引き出しタブと同じ構成部材は同一の参照符号を用いて示されている。下記の図6~図8の止着テープと引き出しタブの説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図6に示した態様では、引き出しタブ31は、タブ固定部35がおむつ本体2の幅方向xの側縁よりも幅方向xの外方に配置され、タブ固定部35が止着テープ21のテープ基材22の肌面側に固定されている。そして、フラップ部36が幅方向xの外方に傾倒した状態で、フラップ部36がタブ固定部35の幅方向xの外方縁から幅方向xの外方に延びるように形成されている。このように、引き出しタブ31は、おむつ本体2に固定されずに止着テープ21に固定されてもよい。なお、図6に示した態様の変形例として、タブ固定部35をおむつ本体2の肌面側(具体的にはサイドシート6の肌面側)に固定することも可能である。
図6に示した態様では、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、第1折り目F1よりも先端側の部分に設けられた留め具23で、引き出しタブ31に留められている。図6に示した態様では、図3に示した態様とは異なり、止着テープ21の留め具23よりも先端側の部分に仮留め部24は設けられておらず、止着テープ21の引き出しタブ31への仮留めは留め具23によってなされている。このように、留め具23によって止着テープ21の引き出しタブ31への仮留めを行ってもよい。
図6に示した態様では、止着テープ21が第1折り目F1で肌面側を内側にして折り返された状態で、留め具23が引き出しタブ31とテープ基材22に跨がって留められていることが好ましい。これにより、使い捨ておむつ1の使用前、止着テープ21が第1折り目F1で折り返された状態で安定化され、止着テープ21と引き出しタブ31との仮留めが安定して維持される。
図7に示した態様では、図6に示した態様と同じように、引き出しタブ31は、タブ固定部35がおむつ本体2の幅方向xの側縁よりも幅方向xの外方に配置され、タブ固定部35が止着テープ21のテープ基材22の肌面側に固定されている。ただし、フラップ部36が幅方向xの外方に傾倒した状態で、フラップ部36がタブ固定部35の幅方向xの内方縁から幅方向xの外方に延びるように形成されている。すなわち、引き出しタブ31は、幅方向xの外方に傾倒した状態で、タブ基材32が幅方向xの外方に折り返されており、折り目を挟んだ一方側(テープ基材22側)にタブ固定部35が形成され、他方側にフラップ部36が形成されている。なお、タブ基材32が幅方向xの外方に折り返されているとは、タブ基材32を折り返した際に、折り目の外側が幅方向xの内方に向くように折り返されていることを意味する。使い捨ておむつ1は、このように引き出しタブ31が設けられてもよい。なお、図7に示した態様の変形例として、タブ固定部35をおむつ本体2の肌面側(具体的にはサイドシート6の肌面側)に固定することも可能である。
図7に示した態様では、止着テープ21の各テープつまみ部27に留め具23が2つ設けられている。留め具23は、各テープつまみ部27において、幅方向xに離隔して設けられており、幅方向xに離隔して設けられた留め具23の間に第1折り目F1が形成されている。そして、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、第1折り目F1よりも先端側の部分に設けられた留め具23で、引き出しタブ31に留められている。このように、テープつまみ部27に留め具23を複数設け、テープつまみ部27の先端側に設けた留め具23によって止着テープ21の引き出しタブ31への仮留めを行うこともできる。
図7に示した態様では、テープつまみ部27のテープ本体部26側に設けられた留め具23は、使い捨ておむつ1の使用前、止着テープ21が第1折り目F1で肌面側を内側にして折り返された状態で、テープ基材22に留められていることが好ましい。これにより、使い捨ておむつ1の使用前、止着テープ21が第1折り目F1で折り返された状態で安定化され、止着テープ21と引き出しタブ31との仮留めが安定して維持される。
図8には、図3に示した態様の変形例が示されている。図8に示した態様では、止着テープ21のテープ基材22と引き出しタブ31のタブ基材32が共通のシート部材から形成されている。具体的には、テープ基材22とタブ基材32を与えるシート部材が折り目F4で折り返されており、当該シート部材の折り目F4を挟んだ一方側(厚み方向zの外側)に止着テープ21が形成され、他方側(厚み方向zの肌面側)に引き出しタブ31が形成されている。このように止着テープ21と引き出しタブ31が形成されていれば、使用するシート部材の数を減らすことができ、また製造の際にテープ基材22とタブ基材32を一体的に取り扱うことができ、シート部材の長さを確保することができるため、製造が容易になる。図8に示した態様では、折り目F4の外側が幅方向xの内方に向くように形成されており、テープ基材22とタブ基材32を与えるシート部材の折り目F4を含む部分が、おむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に配置されているが、シート部材の折り目F4を含む部分は、おむつ本体2の肌面側(具体的にはサイドシート6の肌面側)に配置したり、あるいはおむつ本体2の外側(具体的にはバックシート4の外側)に配置することもできる。
図3~図8に示した態様では、引き出しタブ31は、フラップ部36が平面状に形成され、引き出しタブ31の自由端34が前後方向yに延びる直線状の外縁で形成されていたが、引き出しタブ31はそれ以外に様々な構成が可能である。図9~図11には、図3~図8に示したものとは異なる引き出しタブの構成例を示した。
図9は、第1折り目で折り返された状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図10は、図9に示した止着テープの第1折り目の折り返しを展開した状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表す。図11は、止着テープと引き出しタブのさらに他の構成例を表し、図11(a)は、止着テープが第1折り目で折り返され、引き出しタブのタブつまみ部が折り返された状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図11(b)は、止着テープと引き出しタブの断面図を表す。図9~図11において、図3~図8に示した止着テープと引き出しタブと同じ構成部材は同一の参照符号を用いて示されている。下記の図9~図11の止着テープと引き出しタブの説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図9および図10に示した態様では、引き出しタブ31のフラップ部36の先端部にタブつまみ部38が形成されている。詳細には、図10に示すように、引き出しタブ31のフラップ部36は、タブ本体部37と、タブ本体部37から幅方向xに延在し、前後方向yの長さがタブ本体部37よりも短く形成されたタブつまみ部38を有するように形成されている。このように、引き出しタブ31にタブつまみ部38が形成されていれば、引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まみやすくなる。そのため引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まんで、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることが容易になる。この場合、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、タブ本体部37に留められていることが好ましい。
図9に示すように、止着テープ21にテープつまみ部27が前後方向yに並んで複数設けられる場合、タブつまみ部38は、前後方向yに対して、複数のテープつまみ部27の間に配置されていることが好ましい。そして、複数のテープつまみ部27は、前後方向yに対してタブつまみ部38を挟んだ両側で、それぞれタブ本体部37に留められていることが好ましい。このように止着テープ21と引き出しタブ31が構成されていれば、引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まんで、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることにより、複数のテープつまみ部27が同時に引き出しタブ31とともに持ち上げられ、複数のテープつまみ部27のそれぞれを手で摘まみやすくなる。
図9および図10に示すように、引き出しタブ31は、自由端34の一部が、止着テープ21のテープ本体部26よりも幅方向xの外方に位置していてもよい。このように引き出しタブ31が設けられることにより、引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まみやすくなる。この場合、引き出しタブ31は、フラップ部36が折り返されずに平面状に形成されていることが好ましい。
引き出しタブ31は、フラップ部36が折り返されずに平面状に展開され、かつ幅方向xの外方に倒伏した状態で、肌面側に留め具が設けられていてもよい。図11に示した態様では、引き出しタブ31のタブつまみ部38に留め具39が設けられ、引き出しタブ31は、タブ本体部37とタブつまみ部38の境で肌面側を内側にして幅方向xの内方に折り返されている。留め具39は、タブつまみ部38の折り返しを展開した状態で、タブ基材32の肌面側に取り付けられている。このように引き出しタブ31に留め具39が設けられることにより、使い捨ておむつ1を着用する際、引き出しタブ31をおむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10に仮止着することができる。引き出しタブ31を止着対応部10に仮止着することにより、着用者の腰周りにおける使い捨ておむつ1の装着位置を大まかに決め、その後、止着テープ21を止着対応部10に止着することで、使い捨ておむつ1を着用者の腰周りに適切に装着することができる。引き出しタブ31に設けられる留め具39の説明は、止着テープ21に設けられる留め具23に関する上記の説明が参照される。
図11に示した態様において、使い捨ておむつ1の使用前、留め具39は、対向するタブ基材32に脱着可能に留められていることが好ましい。このように留め具39がタブ基材32に留められていれば、使い捨ておむつ1の使用前、留め具39が不用意に使い捨ておむつ1の他の部材に止着することが防止され、使い捨ておむつ1の取り扱い性が良好となる。
上記に説明した態様では、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分は、引き出しタブ31のタブ固定部35から幅方向xの外方にまっすぐ延びたフラップ部36に仮留めされていたが、引き出しタブ31のフラップ部36は幅方向xの内方に折り返され、この折り返された部分に止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が仮留めされていてもよい。このように止着テープが引き出しタブに仮留めされた構成例について、図12~図17を参照して説明する。
図12(a)、図14(a)、図16(a)は、止着テープが第1折り目で折り返され、引き出しタブが第2折り目で折り返された状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図12(b)、図14(b)、図16(b)はそれぞれ、図12(a)、図14(a)、図16(a)に示した止着テープと引き出しタブの断面図を表す。図13(a)は、図12に示した止着テープの第1折り目の折り返しを展開し、引き出しタブの第2折り目の折り返しを展開した状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図13(b)は図13(a)に示した止着テープと引き出しタブの断面図を表す。図15は、図14に示した止着テープの第1折り目の折り返しを展開し、引き出しタブの第2折り目の折り返しを展開した状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表し、図17は、図16に示した止着テープの第1折り目の折り返しを展開し、引き出しタブの第2折り目の折り返しを展開した状態の止着テープと引き出しタブの平面図を表す。図12~図17において、図3~図11に示した止着テープと引き出しタブと同じ構成部材は同一の参照符号を用いて示されている。下記の図12~図17の止着テープと引き出しタブの説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図12および図13に示した態様では、引き出しタブ31は、固定端33と自由端34の間の第2折り目F2で幅方向xの内方に折り返されており、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、引き出しタブ31の第2折り目F2よりも先端側の部分に留められている。具体的には、引き出しタブ31は、フラップ部36が肌面側を内側にして幅方向xの内方に折り返されており、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、フラップ部36の第2折り目F2よりも先端側の部分に留められている。好ましくは、引き出しタブ31は、タブ本体部37が幅方向xの内方に折り返されており、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、タブ本体部37の第2折り目F2よりも先端側の部分に留められる。このように止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、引き出しタブ31の第2折り目F2よりも先端側の部分に留められていれば、引き出しタブ31の第2折り目F2の折り返しを展開することにより、第1折り目F1の先端側の部分をより大きく動かすことできる。また、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張った際に、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分が、折れ曲がることなく引き出しタブ31とともにスムーズに展開される。そのため、より容易に、止着テープ21の第1折り目F1よりも先端側の部分を手で摘まむことができる。
図12に示すように、引き出しタブ31は、第2折り目F2で折り返された状態で、自由端34がおむつ本体2と重なる位置にあることが好ましい。図12に示した態様では、引き出しタブ31が肌面側を内側にして第2折り目F2で折り返された状態で、タブつまみ部38の一部がおむつ本体2と重なっている。使い捨ておむつ1の使用前、このように引き出しタブ31が折り返されていれば、引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まむことが容易になり、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることを行いやすくなる。
なお、図面には示されていないが、引き出しタブ31は、第2折り目F2で折り返された状態で、自由端34がおむつ本体2と重ならないように形成されていてもよい。この場合は、使い捨ておむつ1の製造の際、おむつ本体2に止着テープ21と引き出しタブ31を取り付けることが容易になる点で好ましい。すなわち、止着テープ21を肌面側を内側にして第1折り目F1で折り返し、引き出しタブ31を肌面側を内側にして第2折り目F2で折り返した状態で、止着テープ21と引き出しタブ31を取り付けて、使い捨ておむつ1を製造することが容易になる。例えば、第2折り目F2で折り返した引き出しタブ31の自由端34がおむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に挟まれることなく、止着テープ21のテープ固定部25と引き出しタブ31のタブ固定部35をおむつ本体2のサイドシート6とバックシート4の間に配置し、固定することが容易になる。
図12に示すように、引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返され、かつ、止着テープ21にテープつまみ部27が前後方向yに並んで複数設けられる場合、タブつまみ部38は、前後方向yに対して、複数のテープつまみ部27の間に配置されることが好ましい。複数のテープつまみ部27は、前後方向yに対してタブつまみ部38を挟んだ両側で、それぞれタブ本体部37に留められていることが好ましい。このように止着テープ21と引き出しタブ31が構成されていれば、引き出しタブ31のタブつまみ部38を摘まみやすくなる。そのため、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることにより、複数のテープつまみ部27が同時に引き出しタブ31とともに持ち上げられ、複数のテープつまみ部27のそれぞれを手で摘まみやすくなる。
なお、図12に示した態様では、止着テープ21の各テープつまみ部27に留め具23が幅方向xに並んで2つ設けられており、止着テープ21は、留め具23よりも先端側の部分に設けられた仮留め部24で、引き出しタブ31に留められている。止着テープ21は、このように止着テープ21を構成し、止着テープ21の引き出しタブ31への仮留めを行ってもよい。
図12に示すように引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返される場合もまた、引き出しタブ31に留め具を設けることができる。図14~図17には、引き出しタブ31に留め具39が設けられた態様が示されており、留め具39は、引き出しタブ31のフラップ部36が折り返されずに平面状に展開され、かつ幅方向xの外方に倒伏した状態(すなわち図15および図17に示される状態)で、タブ基材32の肌面側に取り付けられている。引き出しタブ31は、肌面側を内側にして第2折り目F2で折り返されている。このように引き出しタブ31に留め具39が設けられることにより、使い捨ておむつ1の使用前、引き出しタブ31を第2折り目F2で折り返した状態を安定して維持することができる。使い捨ておむつ1を着用する際には、留め具39を、引き出しタブ31をおむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10に仮止着するのに用いることができる。引き出しタブ31を止着対応部10に仮止着することにより、着用者の腰周りにおける使い捨ておむつ1の装着位置を大まかに決め、その後、止着テープ21を止着対応部10に止着することで、使い捨ておむつ1を着用者の腰周りに適切に装着することができる。このとき、引き出しタブ31を止着対応部10に仮止着した状態で止着テープ21の先端部が引き出しタブ31の近くに存在するため、止着テープ21の先端部をすぐに見つけることができ、止着テープ21を止着対応部10に止着する操作を簡単に行うことができる。なお、留め具39は引き出しタブ31のタブつまみ部38に設けられることが好ましく、これにより、タブつまみ部38を摘まんで引き出しタブ31をおむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10に仮止着する操作を行いやすくなる。
図14および図15に示した態様では、引き出しタブ31は、第2折り目F2で折り返した際、自由端34がおむつ本体2と重ならないように形成されている。このように引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返されていれば、図5に示すように、止着テープ21と引き出しタブ31をおむつ本体2の幅方向xの側縁に沿って折り返すことが容易になる。また、使い捨ておむつ1の製造の際、止着テープ21を第1折り目F1で折り返し、引き出しタブ31を第2折り目F2で折り返した状態で、止着テープ21と引き出しタブ31をおむつ本体2に取り付けることが容易になる。
図16および図17に示した態様では、引き出しタブ31は、第2折り目F2で折り返した際、自由端34がおむつ本体2と重なるように形成されている。このように引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返されていれば、引き出しタブ31の自由端34側の部分を摘まむことが容易になり、引き出しタブ31を持ち上げたり、幅方向xの内方に引っ張ることを行いやすくなる。
図14に示した態様では、使い捨ておむつ1の使用前、留め具39は、対向するタブ基材32に脱着可能に留められていることが好ましい。図16に示した態様では、使い捨ておむつ1の使用前、留め具39は、対向するおむつ本体2(具体的にはサイドシート6の肌面側)に脱着可能に留められていることが好ましい。このように留め具39がタブ基材32またはおむつ本体2に留められていれば、使い捨ておむつ1の使用前、留め具39が不用意に使い捨ておむつ1の他の部材に止着することが防止され、使い捨ておむつ1の取り扱い性が良好となる。
引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返される場合、第2折り目F2は、前後方向yに略平行に延びるように形成されていることが好ましい。また、引き出しタブ31が折り返される場合、引き出しタブ31は前後方向yに略平行に延びる折り目のみで折り返されていることが好ましい。
引き出しタブ31が第2折り目F2で折り返される場合、図13、図15および図17に示されるように、第1折り目F1の折り返しを展開した状態の止着テープ21は、第2折り目F2の折り返しを展開した状態の引き出しタブ31よりも、幅方向xの外方に延在していることが好ましい。これにより、使い捨ておむつ1を着用する際、引き出しタブ31が展開された状態でも、引き出しタブ31の上(外側)に止着テープ21を重ねるようにして、止着テープ21をおむつ本体2の前側部の止着対応部10に簡単に止着することができる。より好ましくは、止着テープ21と引き出しタブ31が展開した状態で、止着テープ21に設けられた留め具23が、引き出しタブ31の幅方向xの外方縁よりも外方に位置する。
以上、本発明の使い捨ておむつに設けられる止着テープと引き出しタブについて、図面を参照して様々な態様を説明したが、上記に説明した止着テープと引き出しタブの構成は任意に組み合わせたり、適宜変更することができる。例えば、止着テープに設けられる留め具の数は限定されず、引き出しタブに設けられる留め具の数も1つであってもよく、2つ以上であってもよい。引き出しタブには留め具が設けられなくてもよい。止着テープは、第1折り目で折り返された状態で、第1折り目よりも先端側の部分が留め具によって引き出しタブに留められてもよく、仮留め部によって引き出しタブに留められてもよい。引き出しタブのフラップ部は、折り返されずに平面状に延びていてもよく、フラップ部が第2折り目で折り返されていてもよい。引き出しタブは、タブ固定部がおむつ本体に固定されていてもよく、止着テープに固定されていてもよく、タブ固定部とフラップ部の境で折り返されていてもよい。引き出しタブは、タブ固定部がおむつ本体と重なる位置にあってもよく、おむつ本体の幅方向の側縁よりも幅方向の外方に位置してもよい。引き出しタブの形状も特に限定されず、タブつまみ部が形成されても、形成されなくてもよい。また、引き出しタブが第2折り目で折り返された状態で、引き出しタブの自由端がおむつ本体と重なっていてもよく、重なっていなくてもよい。