本発明の止着テープについて、図面を参照して説明する。なお本発明の止着テープは、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1および図2には、本発明の止着テープの構成例を示した。図1は止着テープの平面図の一例を表し、図2は図1に示した止着テープのII-II断面図を表す。図1および図2では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、前後方向yは幅方向xに対して直交しており、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。なお、幅方向xと前後方向yは、止着テープを使い捨ておむつに取り付けたときのおむつの幅方向と前後方向に対応する。
止着テープ1は、使い捨ておむつに設けられるものであり、テープ基材2に第1留め具3と第2留め具4が設けられて構成される。テープ基材2は第1主面2Aとその反対側の第2主面2Bを有し、第1主面2Aに第1留め具3と第2留め具4が設けられる。テープ基材2の第1主面2Aは、止着テープ1を使い捨ておむつに取り付けた際に、肌面側を向く面となる。止着テープ1は、幅方向xの一方端が使い捨ておむつに固定され、すなわち着脱不能に取り付けられ、幅方向xの他方端が自由端として存在する。
テープ基材2としては、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、あるいはこれらの積層体等を用いることができる。なお、テープ基材2の剛性を確保し、止着テープの取り扱い性を高める点から、テープ基材2は、織布、編布または不織布から構成されていることが好ましく、不織布から構成されていることがより好ましい。
テープ基材2に不織布を用いる場合、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることができるが、テープ基材2としては、スパンボンド不織布またはSMS不織布を用いることが好ましく、スパンボンド不織布を用いることがより好ましい。このような不織布を用いれば、テープ基材2の強度を高めやすくなる。テープ基材2に用いられる不織布はエンボス加工されていてもよく、これによりテープ基材2の剛性が高まり、止着テープ1の取り扱い性が向上する。
テープ基材2の単位面積あたりの質量は、50g/m2以上が好ましく、55g/m2以上がより好ましく、また120g/m2以下が好ましく、100g/m2以下がより好ましい。テープ基材2の単位面積あたりの質量が50g/m2以上であれば、テープ基材2が十分な剛性を有し、テープ基材2の単位面積あたりの質量が120g/m2以下であれば、テープ基材2が厚くなりすぎず、取り扱い性が向上する。
第1留め具3と第2留め具4としては、面ファスナー(フック・ループ・ファスナー)や粘着テープを用いることができ、なかでも面ファスナーのフック部材またはループ部材を用いることが好ましい。面ファスナーのフック部材とループ部材はある程度の剛性を有するため、第1留め具3と第2留め具4が面ファスナーのフック部材またはループ部材から構成されていれば、後述するように第1留め具3と第2留め具4の外縁を所定形状に形成する効果がより奏効されやすくなる。
フック部材は、基盤から複数の係合素子が突出して構成される。詳細には、フック部材は、基盤と、基盤から突出する複数の係合素子とを有し、基盤は、係合素子が設けられる面と反対側の面がテープ基材2に接着・固定される。係合素子の形状は特に限定されず、鉤形、錨形、きのこ形、柱形等が挙げられる。
ループ部材は、基盤上に、フック部材の係合素子と係合可能なループ部が設けられて構成され、基盤は、ループ部が設けられる面と反対側の面がテープ基材2に接着・固定される。ループ部は一部が基盤に固定され他部が基盤と非固定とされ、このループ部の非固定の部分にフック部材の係合素子を係合させることができる。各ループ部は、閉じた環を形成してもよく、環の一部が開いて形成され、隣接するループ部と接続して設けられていてもよい。また、基盤上に糸条による編組織が形成され、この編組織によってループ部が形成されてもよい。
止着テープ1は、テープ本体部6と、テープ本体部6から幅方向xに延出するつまみ部7とを有する。テープ本体部6はテープ基材2の幅方向xの内方側に形成され、つまみ部7はテープ基材2の幅方向xの外方側に形成される。止着テープ1は、テープ本体部6の少なくとも一部が使い捨ておむつに固定され、つまみ部7に第1留め具3と第2留め具4が設けられる。
つまみ部7は、1つのテープ本体部6に対して1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。後者の場合、つまみ部7は前後方向yに複数並んで配置され、各つまみ部7に第1留め具3と第2留め具4が設けられることが好ましい。図1では、1つのテープ本体部6に対してつまみ部7が2つ設けられている。つまみ部7が複数設けられる場合、複数のつまみ部7の幅方向xの長さは互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1留め具3と第2留め具4は、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で互いに離隔して配置され、第1留め具3は第2留め具4と対向する側の外縁が非直線状に形成されている、および/または、第2留め具4は第1留め具3と対向する側の外縁が非直線状に形成されている。図1では、第1留め具3と第2留め具4の両方が、互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されている。このように第1留め具3と第2留め具4が形成されていれば、止着テープ1は、安定して止着することができるとともに、止着テープ1を剥がす際は、第1留め具3と第2留め具4の間に指を入れることにより止着テープ1を容易に剥がすことができる。
これについて詳しく説明すると、テープタイプの使い捨ておむつは、おむつ本体の前側部の外面側にターゲットテープが設けられ、このターゲットテープに、おむつ本体の幅方向の両側に設けられた止着テープ1を止着させることにより、パンツ形状に形成して、着用者の腰周りに装着することができる。この際、上記の止着テープ1を備えた使い捨ておむつであれば、止着テープ1に第1留め具3と第2留め具4の複数の留め具が互いに離隔して設けられることにより、安定してターゲットテープに止着することができる。一方、止着テープ1をターゲットテープから剥がす際は、第1留め具3および/または第2留め具4は互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されているため、第1留め具3と第2留め具4の間に指を入れて止着テープ1を持ち上げることで、止着テープ1をターゲットテープから容易に剥がすことができる。例えば、第1留め具3と第2留め具4の互いに対向する側の外縁が直線状に形成されている場合は、第1留め具3と第2留め具4に対して互いに対向する側から剥がれる力が作用しても、第1留め具3と第2留め具4の互いに対向する側の外縁の全体がその力に対して垂直に対抗して剥がれにくくなる。しかし、第1留め具3および/または第2留め具4の互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されていれば、第1留め具3および/または第2留め具4に対して互いに対向する側から剥がれる力が作用した際に、第1留め具3および/または第2留め具4が容易に剥がれやすくなる。好ましくは、第1留め具3と第2留め具4の両方が、互いに対向する側の外縁が非直線状に形成される。
非直線状に形成される第1留め具3および/または第2留め具4の外縁は、曲線状に形成されたり、折れ線状に形成されたり、これらを組み合わせた形状で形成されればよい。なかでも、第1留め具3および/または第2留め具4の互いに対向する側の外縁は、波状(例えば、正弦波状、矩形波状、三角波状等)や曲線状に形成されていることが好ましく、曲線の波状に形成されることがより好ましい。これにより、止着テープ1の取り扱い性を高めることができる。
一方、第1留め具3と第2留め具4は、互いに対向する側と反対側の外縁が直線状に形成されることが好ましい。すなわち、第1留め具3は第2留め具4と対向する側と反対側の外縁が直線状に形成され、第2留め具4は第1留め具3と対向する側と反対側の外縁が直線状に形成されていることが好ましい。このように第1留め具3と第2留め具4が形成されていれば、おむつ本体の前側部のターゲットテープに止着テープ1を止着させた際、止着テープ1を安定して止着することができる。例えば、止着テープ1に対して、その先端側や基端側から剥がれる力が作用しても、第1留め具3または第2留め具4の直線状の外縁の全体がその力に対して垂直に対抗して、止着テープ1が不用意にターゲットテープから剥がれにくくなる。
第1留め具3と第2留め具4は、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、幅方向xに並んで配置されることが好ましく、すなわち幅方向xに互いに離隔して配置されることが好ましい。これにより、止着テープ1を使い捨ておむつの前側部のターゲットテープに止着する際、止着テープ1を着用者の腰周りの曲面形状に沿って安定して止着しやすくなる。図1では、つまみ部7の先端側に第1留め具3が設けられ、つまみ部7の基端側に第2留め具4が設けられ、第1留め具3と第2留め具4が互いに幅方向xに離隔して配置されている。そして、第1留め具3の基端側の外縁と第2留め具4の先端側の外縁が非直線状に形成され、第1留め具3の先端側の外縁と第2留め具4の基端側の外縁が直線状(前後方向yに略平行に延びる直線状)に形成されている。
第1留め具3と第2留め具4は、つまみ部7において、テープ基材2を前後方向yに横切るように設けられることが好ましい。すなわち、第1留め具3と第2留め具4は、前後方向yに対して、各つまみ部7の一方側の縁から他方側の縁まで延在して設けられることが好ましい。これにより、第1留め具3と第2留め具4が前後方向yに対してより広い範囲で設けられ、止着テープ1を安定して使い捨ておむつの前側部のターゲットテープに止着しやすくなる。より好ましくは、第1留め具3と第2留め具4は、前後方向yの端縁が、当該端縁の幅方向xの全体にわたって、テープ基材2の前後方向yの端縁と一致するように設けられる。これにより、おむつ本体の前側部のターゲットテープに止着テープ1を止着させた際、止着テープ1に衣類等からせん断方向の力がかかっても第1留め具3と第2留め具4がターゲットテープから剥がれにくくなり、止着テープ1をターゲットテープに安定して止着することができる。
第1留め具3と第2留め具4との離隔長さ(最短の離隔長さ)は10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましく、また80mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。このように第1留め具3と第2留め具4を設けることにより、止着テープ1を安定してターゲットテープに止着することができるとともに、止着テープ1をターゲットテープから剥がす際に、第1留め具3と第2留め具4の間に指を入れやすくなり、止着テープ1をターゲットテープから剥がしやすくなる。
第1留め具3と第2留め具4は、その両方が、互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されていることが好ましく、第1留め具3の第2留め具4と対向する側の外縁と第2留め具4の第1留め具3と対向する側の外縁が、互いに相補的な形状を有することが好ましい。すなわち、第1留め具3の第2留め具4と対向する側の外縁と第2留め具4の第1留め具3と対向する側の外縁を突き合わせたときに、両外縁がぴったりと合わさるように、各外縁が形成されていることが好ましい。この場合、1つの留め具を非直線状の切断線で分割することにより、分割した一方を第1留め具3とし他方を第2留め具4として形成することができる。そのため、互いに対向する外縁が非直線状に形成された第1留め具3と第2留め具4を容易に製造することができる。
止着テープ1は、テープ基材2の第1主面2Aが使い捨ておむつの肌面側を向くように取り付けられる。上述したように、第1留め具3と第2留め具4としては、面ファスナーのフック部材またはループ部材を用いることが好ましいが、第1留め具3と第2留め具4がフック部材である場合は、使い捨ておむつの前側部の外面側には、ターゲットテープとして面ファスナーのループ部材が設けられることが好ましく、第1留め具3と第2留め具4がループ部材である場合は、使い捨ておむつの前側部の外面側には、ターゲットテープとして面ファスナーのフック部材が設けられることが好ましい。なお、ターゲットテープとしては面ファスナーのループ部材が設けられることが好ましく、これにより、衣服の下に使い捨ておむつを着用した際に、ターゲットテープが衣類に係合して衣類を巻き込むことが起こりにくくなる。
止着テープ1は、テープ基材2の第2主面に第3留め具が設けられていてもよい。このような止着テープを備えた使い捨ておむつは、様々な体型の着用者に対してフィット性良く装着することが可能となる。止着テープ1に第3留め具が設けられる場合、第3留め具はつまみ部7に設けられることが好ましい。
図3~図6には、第3留め具が設けられた止着テープの構成例を示した。図3は止着テープの平面図の一例を表し、図4は図3に示した止着テープのIV-IV断面図を表し、図5は止着テープの平面図のさらに他の一例を表し、図6は図5に示した止着テープのVI-VI断面図を表す。なお、図3および図5では、図3(a)と図5(a)に、止着テープ1をテープ基材2の第1主面2A側から見た平面図が示されており、図3(b)と図5(b)に、止着テープ1をテープ基材2の第2主面2B側から見た平面図が示されている。
図3~図6に示した止着テープ1は、テープ基材2の第1主面2Aに第1留め具3と第2留め具4が設けられ、テープ基材2の第2主面2Bに第3留め具5が設けられている。このように止着テープ1が構成されることにより、止着テープ1は、テープ基材2の第1主面2Aに設けられた第1留め具3と第2留め具4とともに第2主面2Bに設けられた第3留め具5が、使い捨ておむつの装着の際に、止着に寄与することができる。例えば、着用者の腰周り寸法が使い捨ておむつのサイズに比べて小さい場合は、止着テープをターゲットテープに適切に止着できず、左右の止着テープが一部重なり合うことが起こり得るが、そのような場合でも、図3~図6に示した止着テープ1を備えた使い捨ておむつであれば、左右の止着テープ1どうしを重ね合わせることで、第1留め具3と第3留め具5または第2留め具4と第3留め具5とを互いに接合させて、止着テープ1を適切に止着させることができる。そのため、このような止着テープ1を有する使い捨ておむつは、着用者の胴周り寸法に対する適合範囲を広げることができ、使い捨ておむつを着用者の腰周りにフィット性良く装着することができる。
止着テープ1が、図3や図5に示すように、つまみ部7を2つ有するように構成されるような場合は、2つのつまみ部7を互いにクロスさせるように重ね合わせてターゲットテープに止着する、いわゆるクロス留めに適した止着テープとなる。この際、上記のように止着テープ1の第1主面2Aに第1留め具3と第2留め具4が設けられ第2主面2Bに第3留め具5が設けられていれば、つまみ部7どうしを重ね合わせた際に、止着テープ1に設けられた第1留め具3と第3留め具5または第2留め具4と第3留め具5とを互いに接合せて、安定してクロス留めすることができる。そのため、使い捨ておむつを着用者の腰周りによりフィット性良く装着することが可能となる。
第3留め具5としては、面ファスナーや粘着テープを用いることができ、なかでも面ファスナーのフック部材またはループ部材を用いることが好ましい。例えば、第1留め具3と第2留め具4に面ファスナーのフック部材を用いる場合は、第3留め具5に面ファスナーのループ部材を用いることが好ましく、第1留め具3と第2留め具4に面ファスナーのループ部材を用いる場合は、第3留め具5に面ファスナーのフック部材を用いることが好ましい。これにより、第1留め具3および/または第2留め具4を第3留め具5に係合することができる。
第3留め具5は、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第1留め具3と第2留め具4の間に設けられることが好ましい。このように第3留め具5が設けられることにより、止着テープ1をターゲットテープに止着した際に、第3留め具5の位置が安定し、ずれにくくなる。そのため、このように配置された第3留め具5に第1留め具3または第2留め具4を係合させることにより、左右の止着テープ1どうしを安定して重ね合わせたり、止着テープ1を安定してクロス留めすることができる。第3留め具5はまた、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第1留め具3と第2留め具4と幅方向xに並んで配置されることが好ましい。
第1留め具3と第2留め具4は、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5とずれて配置されていることが好ましい。第1留め具3と第2留め具4が第3留め具5とずれて配置される態様として、図3および図4では、第1留め具3と第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と重ならないように配置され、図5および図6では、第1留め具3と第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と一部重なって配置されている。なお、図3および図4において、第1留め具3と第2留め具4の一方のみが第3留め具5と重ならないように配置されていてもよく、図5および図6において、第1留め具3と第2留め具4の一方のみが第3留め具5と一部重なって配置されていてもよい。すなわち、第1留め具3と第2留め具4の一方が第3留め具5と重ならないように配置され、他方が第3留め具と一部重なって配置されていてもよい。このように、第1留め具3と第2留め具4が第3留め具5とずれて配置されていれば、止着テープ1は、過度に厚く構成される部分が少なくなり、取り扱いやすいものとなる。また、使い捨ておむつを装着した際に、着用者が止着テープ1に対して違和感を覚えにくくなる。例えば上記に説明したように、左右の止着テープ1どうしを重ね合わせたり、クロス留めをした際にも、止着テープ1の嵩張りを抑えることができる。
図3および図4では、第1留め具3と第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と重ならないように配置され、第1留め具3と第2留め具4の互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されている。このように止着テープ1が形成されていれば、止着テープ1は、第1留め具3と第3留め具5の間または第2留め具4と第3留め具5の間で不用意に折り返されにくくなる。例えば、第1留め具3と第2留め具4としてフック部材が設けられる場合、止着テープ1が第1留め具3または第2留め具4を内側にして、第1留め具3と第3留め具5の間または第2留め具4と第3留め具5の間で折り返されると、フック部材である第1留め具3または第2留め具4が意図せずテープ基材2に止着することが起こり得るが、図3および図4に示した止着テープ1は、第1留め具3と第2留め具4の互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されているため、第1留め具3と第3留め具5の間または第2留め具4と第3留め具5の間で不用意に折り返されにくく、第1留め具3または第2留め具4が意図せずテープ基材2に止着することが起こりにくくなる。そのため、止着テープ1の取り扱い性を高めることができる。第3留め具5としてフック部材が設けられる場合も同様に、第3留め具5が意図せずテープ基材2に止着することが起こりにくくなり、止着テープ1の取り扱い性を高めることができる。なお、第1留め具3と第2留め具4は、どちらか一方の互いに対向する側の外縁のみが非直線状に形成されていてもよい。
図5および図6では、第1留め具3と第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と一部重なるように配置されているが、この場合、止着テープ1は、第1留め具3と第3留め具5との重なり部分または第2留め具4と第3留め具5との重なり部分で剛性が高まり、第1留め具3から第2留め具4に向かう方向に延びる折り曲げ線(図5において幅方向xに略平行に延びる折り曲げ線)が形成されるように、止着テープ1が曲がりにくくなるおそれがある。すなわち止着テープ1は、第1および第2主面の平面視で、第1留め具3から第2留め具4に向かう方向に対して垂直な方向(図5における前後方向y)に止着テープ1が折れ曲がりにくくなるおそれがある。しかし、図5および図6に示した止着テープ1は、第1留め具3の第3留め具5と重なる側の外縁および/または第2留め具4の第3留め具5と重なる側の外縁が非直線状に形成されているため、第1留め具3から第2留め具4に向かう方向に対して垂直な方向への折れ曲がりやすさが確保され、止着テープ1の取り扱い性が高まる。またその結果、使い捨ておむつを着用した際に、止着テープ1に邪魔されずに、着用者が前屈する動作を行いやすくなる。なお、第1留め具3と第2留め具4は、どちらか一方の互いに対向する側の外縁のみが非直線状に形成されていてもよい。
第3留め具5は、第1留め具3および/または第2留め具4と対向するまたは重なる側の外縁が、直線状に形成されていてもよく、非直線状に形成されていてもよい。第3留め具5の外縁が非直線状に形成される場合は、曲線状や折れ線状やこれらを組み合わせた形状で形成することができる。図3~図6では、第3留め具5の第1留め具3と対向するまたは重なる側の外縁が直線状(前後方向yに略平行に延びる直線状)に形成され、第3留め具5の第2留め具4と対向するまたは重なる側の外縁が直線状(前後方向yに略平行に延びる直線状)に形成されている。
図3および図4に示されるように、第1留め具3および/または第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と重ならないように配置される場合、第1留め具3と第3留め具5との離隔長さおよび/または第2留め具4と第3留め具5との離隔長さ(第1留め具3から第2留め具4に向かう方向の最短の離隔長さ)は20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましい。これにより、止着テープ1は、第1留め具3と第3留め具5の間または第2留め具4と第3留め具5の間で不用意に折り返されにくくなる。また、止着テープ1を使い捨ておむつの前側部のターゲットテープに止着した際、ターゲットテープと非対向となるテープ基材2の第2主面2Bに取り付けられた第2留め具5の位置が安定化する。そのため、左右の止着テープ1どうしを安定して重ね合わせたり、止着テープ1を安定してクロス留めしやすくなる。
図5および図6に示されるように、第1留め具3および/または第2留め具4が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5と一部重なって配置される場合は、第1留め具3と第3留め具5との重なり部分の長さおよび/または第2留め具4と第3留め具5との重なり部分の長さ(第1留め具3から第2留め具4に向かう方向の最長の重なり長さ)は、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましい。これにより、止着テープ1は、第1留め具3から第2留め具4に向かう方向に対して垂直な方向への折れ曲がりやすさが確保されやすくなる。また、止着テープ1は過度に厚く構成される部分が少なくなり、使い捨ておむつを装着した際に、着用者が止着テープ1に対して違和感を覚えにくくなる。
図5に示されるように、第1留め具3と第2留め具4は、非直線状に形成された外縁の一部のみが第3留め具5と重なっていることが好ましい。すなわち第1留め具3と第2留め具4は、非直線状に形成された外縁が、テープ基材2の第1および第2主面の平面視で、第3留め具5の外縁と交差するように設けられることが好ましい。これにより、止着テープ1は、第1留め具3から第2留め具4に向かう方向に対して垂直な方向への折れ曲がりやすさが確保されやすくなる。なお、第1留め具3と第2留め具4は、どちらか一方のみが、非直線状に形成された外縁の一部のみが第3留め具5と重なって形成されていてもよい。
第3留め具5は、つまみ部7において、テープ基材2を前後方向yに横切るように設けられることが好ましい。すなわち、第3留め具5は、前後方向yに対して、各つまみ部7の一方側の縁から他方側の縁まで延在して設けられることが好ましい。これにより、左右の止着テープ1どうしを安定して重ね合わせたり、止着テープ1を安定してクロス留めしやすくなる。
本発明の止着テープは、使い捨ておむつに取り付けて好適に用いることができる。従って、本発明は、上記に説明した止着テープを備えた使い捨ておむつも提供する。以下、本発明の使い捨ておむつについて、図面を参照して説明する。なお本発明の使い捨ておむつは、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図7および図8には、本発明の使い捨ておむつの一例を示した。図7は使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図8は図7に示した使い捨ておむつのVIII-VIII断面図を表す。図7および図8には、図1に示した止着テープを備えた使い捨ておむつが示されている。なお図7では、図面の上側がおむつの前側に相当し、図面の下側がおむつの後側に相当する。
使い捨ておむつ11(11A)は、おむつ本体12と、おむつ本体12の幅方向xの両側に取り付けられた止着テープ1とを有する。おむつ本体12は、前側部と後側部とこれらの間に位置する股部とを有し、止着テープ1はおむつ本体12の後側部の両側に取り付けられている。図7では、おむつ本体12の右側に取り付けられた止着テープ1は展開状態となっており、おむつ本体12の左側に取り付けられた止着テープ1は折り畳まれた状態となっている。使い捨ておむつ11は、着用の際、前側部を着用者の腹部に、股部を着用者の股間部に、後側部を着用者の背部に当て、止着テープ1を展開した状態でおむつ本体12の前側部に設けられたターゲットテープ20に止着することで、パンツ形状に形成して使用する。
使い捨ておむつ11において、前後方向yとは、使い捨ておむつを着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当し、幅方向xとは、使い捨ておむつと同一面上にあり前後方向yと直交する方向を意味し、使い捨ておむつを着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、使い捨ておむつの肌面側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、使い捨ておむつの外面側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
おむつ本体12は、トップシート13と、バックシート14と、これらの間に配された吸収体15とを有する。トップシート13は、使い捨ておむつを着用した際に着用者側に位置するシートであり、バックシート14は、使い捨ておむつを着用した際に着用者とは反対側、すなわち外面側に位置するシートである。着用者から排泄された尿等は、トップシート13を透過して吸収体15に収容される。バックシート14は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
トップシート13は液透過性であることが好ましく、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート13として、織布、編布、有孔樹脂フィルム等を用いてもよい。
バックシート14は液不透過性であることが好ましく、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、樹脂フィルム等を用いることができる。またバックシート14として、不織布とフィルムとの積層体を用いてもよい。
吸収体15は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体15としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは当該成形体を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱溶着性繊維が含まれてもよい。これらの熱溶着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点から、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収体15は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
吸収体15の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体(あるいは吸収体を構成する成形体)の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。なお、吸収体が着用者の大腿部に挟まれて幅方向に圧迫されても歪みにくくする点から、吸収体、あるいは吸収体を構成する成形体は、砂時計形に形成されていることが好ましい。
おむつ本体12には、トップシート13の幅方向xの両側に、トップシート13よりも幅方向xの外方に延在するサイドシート16が接合していることが好ましい。サイドシート16は液不透過性であることが好ましく、バックシート14に使用可能なシート材料から構成することができる。
使い捨ておむつ11は、サイドシート16により、トップシート13の幅方向xの両側に、立ち上がりフラップ17が形成されることが好ましい。この場合、サイドシート16には、図8に示すように、トップシート13との接合部19よりも幅方向xの内方部分に前後方向yに延びる起立用弾性部材18が設けられることが好ましく、起立用弾性部材18の収縮力によってサイドシート16の内方部分が立ち上げられて、立ち上がりフラップ17を形成することができる。立ち上がりフラップ17を設けることにより、尿等の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップ17は前後方向yの端部の内面がトップシート13上に接合されてもよく、これにより、おむつを着用の際に立ち上がりフラップ17が着用者の肌に向かって立ち上がりやすくなる。
上記説明した各シートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。各シートの単位面積あたりの質量は、10g/m2以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましく、また40g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましい。
おむつ本体12には、幅方向xの両側にそれぞれ、前後方向yに延びる脚部弾性部材21が設けられることが好ましい(図7を参照)。脚部弾性部材21を設けることにより、着用者の脚周りにギャザーを形成して脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
おむつ本体12には、前後方向yの端部に、幅方向xに延びるウェスト用弾性部材22が設けられてもよい。ウェスト用弾性部材22の収縮力により、着用者の胴周りに沿ったウェストギャザーが形成され、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。
上記に説明した各弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤等の接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度40~1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1~5.0倍に伸張して配設し、固定する。接着剤としては、ゴム系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
ターゲットテープ20は、おむつ本体12の前側部の外面側に設けられ、止着テープ1と着脱可能に形成される。ターゲットテープ20としては、面ファスナーのフック部材またはループ部材を用いることができ、これらの説明は上記の止着テープのフック部材とループ部材の説明が参照される。
図7に示した使い捨ておむつ11Aでは、止着テープ1は、テープ基材2の第1主面2Aが使い捨ておむつ11Aの肌面側を向くように、おむつ本体12に取り付けられている。止着テープ1は、テープ基材2の第1主面2Aに取り付けられた第1留め具3と第2留め具4がターゲットテープ20と着脱可能となっている。
止着テープ1は、テープ本体部6がおむつ本体12に取り付けられる。使い捨ておむつ11Aでは、テープ本体部6の幅方向xの内方部分がおむつ本体12に取り付けられ、当該内方部分から幅方向xの外方にテープ本体部6がさらに延出している。テープ本体部6の幅方向xの内方部分はサイドシート16とバックシート14の間に固定されることが好ましく、これにより止着テープ1をおむつ本体12に安定して取り付けることができる。
止着テープ1は、テープ本体部6からさらに幅方向xの外方につまみ部7が延出して形成され、つまみ部7の肌面側に第1留め具3と第2留め具4が設けられている。使い捨ておむつ11Aでは、1つの止着テープ1において、つまみ部7が前後方向yに並んで複数(具体的には2つ)配置されており、複数のつまみ部7のそれぞれに第1留め具3と第2留め具4が設けられている。第1留め具3と第2留め具4は、互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されている。
使い捨ておむつ11Aは上記のように構成された止着テープ1が設けられることにより、止着テープ1を使い捨ておむつ11Aの前側部に設けられたターゲットテープ20に安定して止着することができる。すなわち、止着テープ1は第1留め具3と第2留め具4の複数の留め具が互いに離隔して設けられているため、止着テープ1を安定してターゲットテープ20に止着することができる。また、前後方向yに並んで配置された2つのつまみ部7を互いにクロスさせるように重ね合わせて止着する、いわゆるクロス留めを行う場合にも、止着テープ1を好適に止着することができる。一方、止着テープ1をターゲットテープ20から剥がす際は、第1留め具3と第2留め具4は互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されているため、第1留め具3と第2留め具4の間に指を入れて止着テープ1を持ち上げることで、止着テープ1をターゲットテープ20から簡単に剥がすことができる。
使い捨ておむつ11Aでは、図7の左側に取り付けられた止着テープ1が、つまみ部7に形成された折り目F1で幅方向xに折り返されており、これにより使い捨ておむつ11Aの使用前、止着テープ1をコンパクトに折り畳むことができる。止着テープ1は第1主面2Aを内側にして折り返されており、これにより、止着テープ1を折り目F1で折り返した際、第1留め具3および/または第2留め具4をテープ基材2に仮留めすることができる。そのため、使い捨ておむつ11Aの使用前、止着テープ1を折り返した状態を安定して保持することができる。折り目F1は、第1留め具3または第2留め具4の直線状の外縁に沿って形成されることが好ましく、これにより止着テープ1を折り目F1で折り返しやすくなる。図7では、折り目F1は、止着テープ1の基端側に設けられた第2留め具4の幅方向xの内方縁に沿って形成されている。折り目F1は、第1留め具3または第2留め具4の直線状の外縁から5mm以内に形成されることが好ましく、3mm以内がより好ましい。これにより、止着テープ1を折り目F1で折り返す際、止着テープ1を第1留め具3または第2留め具4の縁に沿って折り返しやすくなる。
使い捨ておむつ11Aは、止着テープ1が、おむつ本体12の幅方向xの側縁に沿った折り目F2でさらに折り返されていてもよい。これにより、使い捨ておむつ11Aの使用前、止着テープ1をさらにコンパクトに折り畳むことができる。折り目F2は、おむつ本体12の幅方向xの側縁から3mm以内に形成されることが好ましく、2mm以内がより好ましい。折り目F2は、折り目F1で折り返されたつまみ部7と重ならないように形成されることが好ましい。
図9には、本発明の使い捨ておむつの他の一例を示した。図9は使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表す。図9において、図1~図8に示した止着テープおよび使い捨ておむつと同じ構成部材は同一の参照符号を用いて示されている。また、下記の図9の使い捨ておむつと止着テープの説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図9に示した使い捨ておむつ11(11B)は、図7に示した使い捨ておむつ11Aと止着テープ1の設置態様が異なり、おむつ本体12の幅方向xの両側に、止着テープ1が前後方向yに並んで複数(具体的には2つ)設けられている。なお、使い捨ておむつ11Bに設けられる止着テープ1は、つまみ部7が1つのみ設けられることが好ましい。各止着テープ1には、つまみ部7に第1留め具3と第2留め具4が設けられ、第1留め具3と第2留め具4は互いに対向する側の外縁が非直線状に形成されている。これにより、止着テープ1を使い捨ておむつ11Bの前側部に設けられたターゲットテープ20に安定して止着することができる。また、前後方向yに並んで配置された2つのつまみ部7を互いにクロスさせるように重ね合わせて止着する、いわゆるクロス留めを行う場合にも、止着テープ1を好適に止着することができる。一方、止着テープ1をターゲットテープ20から剥がす際は、第1留め具3と第2留め具4の間に指を入れて止着テープを持ち上げることで、止着テープ1をターゲットテープ20から簡単に剥がすことができる。
使い捨ておむつ11Bでは、止着テープ1のテープ本体部6の全体がおむつ本体12に取り付けられており、つまみ部7がおむつ本体12から幅方向xの外方に延在するように設けられている。このように止着テープ1がおむつ本体12に取り付けられていてもよい。なお、図9に示した止着テープ1は、テープ本体部6の一部のみがおむつ本体12に取り付けられる態様を排除するものではない。
使い捨ておむつ11Bでは、図9の左側に取り付けられた止着テープ1が、つまみ部7に形成された折り目F1で幅方向xに折り返されており、折り返されたつまみ部7に設けられた第1留め具3と第2留め具4がおむつ本体12の肌面側に仮留めされている。このように、使い捨ておむつ11Bの使用前、止着テープ1の第1留め具3および/または第2留め具4がおむつ本体12に仮留めされていてもよく、これにより止着テープ1を折り返した状態を安定して保持することができる。
本発明の止着テープの製造方法の例について、図10および図11を参照して説明する。なお本発明の止着テープの製造方法は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図10には、図1および図2に示した止着テープの製造方法が示されている。図10に示した製造方法は、留め具搬送工程31と、留め具切断工程32と、テープ基材搬送工程33と、留め具設置工程34と、蛇行線切断工程35と、個別切断工程36を有する。
留め具搬送工程31では、第1留め具と第2留め具を与える留め具の長尺体41を、搬送方向vに繰り出す。留め具の長尺体41は、搬送方向vに長い形状を有し、第1留め具と第2留め具がそれぞれ搬送方向vに連続的に繋がるとともに、これらが幅方向wに繋がったものである。留め具の長尺体41は、好ましくは、搬送方向vに長い矩形形状を有する。
留め具切断工程32では、留め具の長尺体41を、搬送方向vに延びる波状の切断線43で切断して、幅方向wに2つに分割し、第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bを得る。波状の切断線43には、正弦波状、三角波状、矩形波状等が含まれる。このように留め具の長尺体41を切断することにより、第1留め具と第2留め具の互いに対向する側の外縁が互いに相補的な形状を有するように形成することができる。一方、第1留め具と第2留め具の互いに対向する側と反対側の外縁は、直線状に形成することができる。
テープ基材搬送工程33では、テープ基材の長尺体44を搬送方向vに繰り出す。テープ基材の長尺体44は、搬送方向vに長い形状を有する。テープ基材の長尺体44は、幅方向wに対して両側部とそれらの間の中央部とを有する。両側部は、テープ基材の長尺体44の幅方向wの側縁を含み、当該側縁から幅方向wに所定の長さの領域として定められる。
留め具設置工程34では、留め具切断工程32で得られた第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bを搬送方向vに繰り出し、幅方向wに互いに離隔させてテープ基材の長尺体44に取り付けて、止着テープの前駆体を得る。第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bは、テープ基材の長尺体44の幅方向wの中央部に、幅方向wに互いに間隔を開けて配置される。第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bは、テープ基材の長尺体44上に配置する前に、テープ基材の長尺体44との対向面に接着剤が塗布されることが好ましい。
蛇行線切断工程35では、止着テープの前駆体を、搬送方向vに延び、第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bをそれぞれ幅方向wに横切る蛇行線状の切断線45で切断する。これにより、止着テープの前駆体が幅方向wに2つに分割され、止着テープの連続体46(46A,46B)が得られる。蛇行線状の切断線45は、止着テープのつまみ部の外縁を形成する。切断線45の蛇行線の振幅の頂点は、搬送方向vに延びる直線部を含むものであってもよい。このように止着テープの前駆体を蛇行線状の切断線45で切断することにより、蛇行線の振幅範囲の部分からつまみ部が形成され、振幅範囲よりも幅方向wの外方部分からテープ本体部が形成される。
図10において、止着テープの連続体46Aでは、第1の留め具の長尺体41Aから、つまみ部の先端側に設けられる第1留め具が形成され、第2の留め具の長尺体41Bから、つまみ部の基端側に設けられる第2留め具が形成される。止着テープの連続体46Bでは、第2の留め具の長尺体41Bから、つまみ部の先端側に設けられる第1留め具が形成され、第1の留め具の長尺体41Aから、つまみ部の基端側に設けられる第2留め具が形成される。止着テープの連続体46は、上記のように第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bがテープ基材の長尺体44に取り付けられて、蛇行線状の切断線45で切断されることにより、各つまみ部において、第1留め具と第2留め具がつまみ部を搬送方向vに横切るように設けられる。すなわち、各つまみ部において、第1留め具と第2留め具の搬送方向vの端縁が、当該端縁の幅方向wの全体にわたって、テープ基材の搬送方向vの端縁と一致するように形成される。
蛇行線切断工程35の後、個別切断工程36において、止着テープの連続体46を、蛇行線状の切断線45の谷部で幅方向wに延びる切断線47で切断して、個別の止着テープ48を得る。図10では、蛇行線状の切断線45の谷部1つおきに切断線47を形成しており、これにより1つのテープ本体部に2つのつまみ部を有する止着テープ48が得られる。図10では、第1留め具と第2留め具がテープ基材の第1主面に取り付けられた止着テープ48が得られる。
図11には、図3および図4に示した止着テープの製造方法が示されている。図11に示した製造方法も、留め具搬送工程31と、留め具切断工程32と、テープ基材搬送工程33と、留め具設置工程34と、蛇行線切断工程35と、個別切断工程36を有する。なお図11に示した製造方法では、留め具搬送工程31において、留め具の長尺体41を搬送方向vに繰り出すとともに、第3留め具を与える留め具の長尺体42(以下、「第3の留め具の長尺体43」と称する)を搬送方向vに繰り出す。そして、留め具設置工程34において、テープ基材の長尺体44の第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bが設置される面と反対側の面に、第3の留め具の長尺体42を取り付ける。第3の留め具の長尺体42は、幅方向wに対して、第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bの間に取り付け、これにより止着テープの前駆体が得られる。その後、蛇行線切断工程35において、止着テープの前駆体を、搬送方向vに延び、第1の留め具の長尺体41Aと第2の留め具の長尺体41Bと第3の留め具の長尺体42をそれぞれ幅方向wに横切る蛇行線状の切断線45で切断する。これにより、第1留め具と第2留め具がテープ基材の第1主面に取り付けられ、第3留め具がテープ基材の第2主面に取り付けられた止着テープ48が得られる。
なお図面には示されていないが、個別切断工程36の前に、蛇行線切断工程35で得られた止着テープの連続体46のつまみ部が形成される部分を幅方向wに折り返す工程(折り返し工程)を設けてもよい。これにより、つまみ部が折り返された止着テープの連続体46を得ることができる。この場合、個別切断工程36では、折り返し工程で得られたつまみ部が折り返された連続体46を、蛇行線状の切断線45の谷部で幅方向wに延びる切断線47で切断することにより、個別の止着テープ48を得ることができる。