WO2018179047A1 - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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久雄 越智
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Abstract

有機EL表示装置(1)は、表示領域(5)と、TFT基板(10)の少なくとも一部の縁部(2a)との間に、上面に溝部(17c1)を有する第3有機絶縁膜パターン部(17C)を備え、封止膜(30)における第1無機層(31)および第2無機層(33)が、平面視で、第3有機絶縁膜パターン部(17C)および少なくとも一部の縁部(2a)を覆っており、溝部(17c1)内で断裂している。

Description

表示装置およびその製造方法
 本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。
 発光材料の電界発光(Electro luminescence;以下、「EL」と記す)を利用したEL表示装置は、液晶表示装置に比べて応答速度が速く、視野角も広い表示装置として注目されている。
 このような表示装置は、例えば、ガラス基板等からなる支持体上にTFT(薄膜トランジスタ)が設けられてなるTFT基板上に、TFTに接続された、OLED素子等の発光素子が設けられた構成を有している。
 しかしながら、このような発光素子は、一般的に、水分や酸素等による影響を受け易く、微量の水分や酸素と反応することでその特性が劣化し、表示装置の寿命を損なう。
 そこで、上記発光素子内への水分や酸素の浸入を防止するために、上記発光素子は、無機層を含む封止膜で封止される。無機層は、水分の浸入を防ぐ防湿機能を有し、バリア層として機能する。
 商用生産においては、大型のマザー基板に複数の表示装置を形成した後、隣接する表示装置の境界部で基板を分断することにより、複数の表示装置から個々の表示装置が得られる。
 しかしながら、このように基板を分断する際に、分断ライン上に、上記封止膜の無機層が存在していると、マザー基板の分断時に上記無機層を切断することで発生したクラックが、マザー基板の分断時に、もしくは分断後に、衝撃や振動等により上記無機層を伝搬して、分断した表示装置の表示領域に広がるおそれがある。
 このようにマザー基板の分断により発生したクラックが表示装置の表示領域まで進行すると、発光素子内に水分や酸素が浸入し、発光素子が破壊される等、表示装置の信頼性を低下させる。このため、従来は、マザー基板の分断によるクラック防止のために、分断領域と上記無機層の形成領域とを分離する必要があった(例えば、特許文献1、2参照)。
日本国公開特許公報「特開2010-141181号公報(2010年6月24日公開)」 日本国公開特許公報「特開2014-127436号公報(2014年7月7日公開)」
 しかしながら、隣り合う封止膜が互いに接触しないように各封止膜を独立して形成する場合、CVD用のマスクを使用して上記無機層を形成すると、該無機層の端部において、蒸着ボケが発生し、膜厚が薄くなるという問題がある。このため、蒸着ボケが表示領域に及ばないように、CVD用のマスクの加工精度、アライメント精度を含めて、上記無機層の端部を、表示領域から十分に離す必要がある。このため、狭額縁化が困難となる等の問題がある。
 本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、表示装置の縁部に封止膜が成膜されているとともに、マザー基板の分断で上記封止膜に発生したクラックが表示領域内に進行することを防止することができる、信頼性の高い表示装置およびその製造方法を提供することにある。
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様にかかる表示装置は、支持体と、上記支持体上の表示領域に設けられた、複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する封止膜と、を備えた表示装置であって、平面視で、上記表示領域と、上記支持体の少なくとも一部の縁部との間に、上記少なくとも一部の縁部から離間して設けられた、上面に溝部を有する樹脂層を備え、上記封止膜は、少なくとも無機層を含み、上記無機層は、平面視で、上記樹脂層および上記少なくとも一部の縁部を覆っており、上記溝部内で断裂している。
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様にかかる表示装置の製造方法は、支持体と、上記支持体上の表示領域に設けられた、複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する封止膜と、を備えた表示装置の製造方法であって、上記支持体の少なくとも一部を構成するマザー基板上に、平面視で、上記マザー基板を個々の表示装置に個片化するために分断する複数の分断予定線のうち少なくとも一部の分断予定線と、上記分断予定線で囲まれた領域内における上記表示領域との間に、上記少なくとも一部の分断予定線から離間して、上面に溝部を有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記封止膜を形成する封止膜形成工程と、上記封止膜が形成された上記マザー基板を、各表示領域をそれぞれ囲むように上記分断予定線に沿って分断する分断工程と、を含み、上記封止膜形成工程は、無機層を形成する無機層形成工程を含むとともに、上記無機層形成工程では、上記無機層が上記樹脂層を覆うとともに上記少なくとも一部の分断予定線を覆うように、上記無機層を形成することで、上記無機層が、上記溝部内で断裂する。
 本発明の一態様によれば、表示装置の縁部に封止膜が成膜されているとともに、マザー基板の分断で上記封止膜に発生したクラックが表示領域内に進行することを防止することができる、信頼性の高い表示装置およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態1にかかる有機EL表示装置の概略構成の一例を示す断面図である。 個片化を行う前の、本発明の実施形態1にかかる有機EL表示装置における有機EL基板の要部の概略構成を示す平面図である。 (a)は、本発明の実施形態1にかかる、溝部が形成された第3有機絶縁膜パターン部の概略構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す第3有機絶縁膜パターン部上に第1無機層および第2無機層を形成したときの該第3有機絶縁膜パターン部の概略構成を示す断面図である。 (a)~(c)は、本発明の実施形態1にかかる有機EL表示装置の要部の製造工程を工程順に示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態1にかかる有機EL基板の個片化時における分断ライン近傍の概略構成を示す断面図であり、(b)は、溝部を有する第3有機絶縁膜パターン部が形成されていない有機EL基板において、封止膜における第1無機層および第2無機層を分断ライン上に形成したときの、有機EL基板の個片化時における分断ライン近傍の概略構成を示す断面図であり、(c)は、CVD用のマスクを用いて、分断ラインから離間して封止膜を形成したときの、有機EL基板の個片化時における分断ライン近傍の概略構成を示す断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ、本発明の実施形態1の変形例1にかかる溝部の形状の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態1の変形例2にかかる有機EL表示装置の概略構成の一例を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態1の変形例3にかかる有機EL表示装置の概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すC-C線断面図であり、(c)は、(a)に示すD-D線断面図である。 本発明の実施形態1の変形例4にかかる有機EL表示装置の概略構成の一例を示す平面図である。
 以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
 本発明の実施の一形態について、図1~図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
 なお、以下では、本実施形態にかかる表示装置の一例として、発光素子として、有機EL素子と称されるOLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)素子を含むOLED層を備えた有機EL表示装置を例に挙げて説明する。
 <有機EL表示装置の概略構成>
 図1は、本実施形態にかかる有機EL表示装置1の概略構成の一例を示す断面図である。図2は、個片化を行う前の、上記有機EL表示装置1における有機EL基板2の要部の概略構成を示す平面図である。なお、図1は、個片化後の有機EL表示装置1の断面を示し、該断面は、図2に示す有機EL表示装置1のA-A線矢視断面に相当する。
 なお、図2では、図示の便宜上、バンクBK1~BK4、第3有機絶縁膜パターン部17C、各配線の端子となる複数の端子TMが設けられた端子部12T、以外の図示を省略している。また、図2では、図示の便宜上、表示領域5に対する額縁領域6の比率を、実際よりもかなり大きく記載している。
 図1に示すように、有機EL表示装置1は、有機EL基板2と、図示しない駆動回路等と、を備えている。
 有機EL基板2は、TFT(Thin Film Transistor)基板10上に、OLED素子(有機EL素子)を構成するOLED層20、封止膜30、および図示しないカバー体が、TFT基板10側からこの順に設けられた構成を有している。
 なお、上記有機EL表示装置1は、折り曲げ可能な可撓性を有するフレキシブル表示装置であってもよく、剛性を有する折り曲げできない表示装置であってもよい。
 (TFT基板10)
 TFT基板10は、絶縁性の支持体11と、支持体11上に設けられたTFT層12と、を備えている。
 (支持体11)
 支持体11としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム等が挙げられる。なお、支持体11は、プラスチックフィルム(樹脂層)上にバリア層(防湿層)が設けられた、可撓性を有する積層フィルムであってもよい。また、上記積層フィルムは、プラスチックフィルムにおけるバリア層とは反対面側に、接着層を介して、外部に面する下面フィルムがさらに設けられた構成を有していてもよい。
 上記プラスチックフィルムに使用される樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレン、ポリアミド等が挙げられる。
 バリア層は、水分や不純物が、支持体11上に形成されるTFT層12およびOLED層20に到達することを防ぐ層であり、例えば、CVDにより形成される、酸化シリコン(SiOx)膜、窒化シリコン(SiNx)膜、またはこれらの積層膜等で形成することができる。
 バリア層は、プラスチックフィルムの表面が露出しないように、プラスチックフィルムにおける一面全体に渡って設けられる。これにより、プラスチックフィルムとして、例えばポリイミド等の薬液に弱い材料を用いた場合であっても、薬液によるプラスチックフィルムの溶出および工程汚染を防止することができる。
 下面フィルムは、上記有機EL表示装置1がフレキシブル表示装置である場合に、ガラス基板を剥離したプラスチックフィルム(樹脂層)の下面に貼り付けることで、柔軟性に優れた有機EL表示装置1を製造するためのものである。下面フィルムには、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、アラミド、等の可撓性を有する樹脂からなるプラスチックフィルムが用いられる。
 (TFT層12)
 TFT層12は、複数の島状に形成された半導体層13と、これら半導体層13を覆うように支持体11上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された、複数のゲート電極G、および図示しない複数のゲート配線と、ゲート絶縁膜14上に形成された上記ゲート電極Gおよび配線を覆う無機絶縁膜15(第1パッシベーション膜)と、無機絶縁膜15上に形成された複数の容量電極Cと、これら容量電極Cを覆うように無機絶縁膜15上に形成された無機絶縁膜16(第2パッシベーション膜)と、無機絶縁膜16上に形成された、複数のソース電極S、複数のドレイン電極D、複数の配線W、図示しない複数のソース配線、図示しない複数の電源線と、無機絶縁膜16上に形成された上記電極および配線を覆う有機絶縁膜17と、外部接続用の複数の端子TM(端子電極)が設けられた端子部12Tと、を含んでいる。
 半導体層13は、例えば、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン(LPTS)、あるいは、酸化物半導体で構成される。ゲート絶縁膜14は、例えば酸化シリコン(SiOx)あるいは窒化シリコン(SiNx)、または、これらの積層膜によって構成される。
 ゲート電極G、ソース電極S、ドレイン電極D、容量電極C、配線W、図示しない引き回し配線、および端子TMは、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、等の金属の単層膜あるいは積層膜によって構成される。
 無機絶縁膜15・16は、例えば、酸化シリコン(SiOx)あるいは窒化シリコン(SiNx)によって構成される。有機絶縁膜17は、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等の感光性樹脂材料によって構成される。
 半導体層13、ゲート電極G、無機絶縁膜15・16、ソース電極Sおよびドレイン電極Dは、TFT18を構成している。
 ソース電極Sおよびドレイン電極Dは、ゲート絶縁膜14、無機絶縁膜15・16に設けられたコンタクトホールを介して、半導体層13と接続されている。ソース電極Sは、例えば電源線(図示せず)に接続されている。ドレイン電極Dは、有機絶縁膜17を貫通するコンタクトホールを介して第1電極21と接続されている。配線Wは、無機絶縁膜16に設けられたコンタクトホールを介して容量電極Cと接続されている。
 また、ゲート電極Gにはゲート配線が接続されており、ソース電極Sにはソース配線が接続されている。ゲート配線とソース配線とは、平面視で、互いに直交するように交差している。
 ゲート配線とソース配線とによって格子状に囲まれた領域が副画素3であり、各色の副画素3のセットで、一つの画素4が形成されている。図1および図2に示す例では、副画素3として、赤色副画素3R、緑色副画素3G、青色副画素3Bが設けられており、これら赤色副画素3R、緑色副画素3G、青色副画素3Bで、一つの画素4が形成されている。各副画素3には、それぞれTFT18が設けられている。
 なお、図1では、TFT18が、半導体層13をチャネルとするトップゲート構造を有している場合を例に挙げて図示しているが、TFT18は、ボトムゲート構造を有していてもよい。
 図1および図2に示すように、有機EL表示装置1は、副画素3がマトリクス状に配置され、画像が表示される表示領域5と、表示領域5の周囲を囲み、副画素3が配置されていない周辺領域である額縁領域6と、を有している。
 図1に示すように、端子TMは、額縁領域6に設けられている。端子TMは、図示しない引き回し配線を介して、例えばゲート配線と電気的に接続されている。ソース配線は、図示しない引き回し配線を介して、図示しない端子TMと接続されている。
 端子TMが設けられた端子部12Tは、有機EL素子24の配設領域である表示領域5と、TFT基板10の一部の縁部2aとの間に設けられている。図1および図2に示す例では、端子部12Tは、TFT基板10の一辺に面して、有機EL素子24と、該有機EL素子24を封止する封止膜30における後述する有機層32と、を封止する、後述するバンクBK4で囲まれた封止領域8と、TFT基板10の一辺の縁部2aとの間に設けられている。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、端子部12Tは、TFT基板10の二辺に面して設けられていてもよい。なお、封止領域8は、図2に、斜線で示す領域に設けられており、図2では、図示の便宜上、封止領域8を、1つの有機EL表示装置1の封止領域8に対応する部分にのみ図示しているが、他の有機EL表示装置1に対しても同様に封止領域8が設けられていることは、言うまでもない。
 有機絶縁膜17は、図1に示すように表示領域5内におけるTFT18および配線W上の段差を平坦化するとともに、端子TMのエッジ部を覆っている。
 有機絶縁膜17で覆われていない端子TMは、異方性導電接着フィルム(ACF)等を介して、例えばフレキシブルフィルムケーブルや、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、集積回路(IC)等の外部回路と電気的に接続される。
 また、有機絶縁膜17は、図1に示すように、無機絶縁膜16の端面を覆っている。
 有機絶縁膜17は、互いに離間して設けられた複数のパターンに分離されている。有機絶縁膜17は、平坦化膜として表示領域5内に設けられる一方、額縁領域6にも設けられている。本実施形態にかかる有機絶縁膜17は、第1有機絶縁膜パターン部17A、第2有機絶縁膜パターン部17B、第3有機絶縁膜パターン部17C、第4有機絶縁膜パターン部17Dを含んでいる。第2有機絶縁膜パターン部17B~第4有機絶縁膜パターン部17Dは、第1有機絶縁膜パターン部17Aと同じ材料からなり、第1有機絶縁膜パターン部17Aと同層に、該第1有機絶縁膜パターン部17Aから離間して設けられている。なお、これら第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dについては、後述する。
 (OLED層20)
 OLED層20は、有機絶縁膜17上に形成された第1電極21(下部電極)と、バンクBK(壁体、土手)と、第1電極21上に形成された、少なくとも発光層を含む有機層からなる有機EL層22と、有機EL層22上に形成された第2電極23(上部電極)と、を含んでいる。
 第1電極21と、有機EL層22と、第2電極23とは、有機EL素子24(OLED素子)を構成している。なお、本実施形態では、第1電極21と第2電極23との間の層を総称して有機EL層22と称する。
 また、第2電極23上には、光学的な調整を行う図示しない光学調整層や、第2電極23を保護し、酸素や水分が外部から有機EL素子24内に浸入することを阻止する保護層が形成されていてもよい。本実施形態では、各副画素3に形成された有機EL層22、有機EL層22を挟持する一対の電極層(第1電極21および第2電極23)、並びに、必要に応じて形成される、図示しない光学調整層や保護層をまとめて、有機EL素子24と称する。
 第1電極21は、表示領域5における有機絶縁膜17上に形成されている。第1電極21は、有機EL層22に正孔を注入(供給)し、第2電極23は、有機EL層22に電子を注入する。有機EL層22に注入された正孔と電子とは、有機EL層22において再結合されることによって励起子が形成される。形成された励起子は励起状態から基底状態へと失活する際に光を放出し、その放出された光が、有機EL素子24から外部に出射される。
 第1電極21は、有機絶縁膜17に形成されたコンタクトホールを介して、TFT18に電気的に接続されている。
 第1電極21は、副画素3毎に島状にパターン形成されたパターン電極である。一方、第2電極23は、各副画素3に共通に設けられた、ベタ状の共通電極である。
 図2に示すように、表示領域5の外側、具体的には、表示領域5の2組の対となる辺のうち、一方の組の対となる辺の外側に、それぞれ対向する辺に沿って、第2電極23に接続される図示しない第2電極接続電極が設けられた第2電極接続部7が設けられている。
 バンクBKは、表示領域5内に配置されたバンクBK1(格子状バンク)と、額縁領域6に配置されたバンクBK2~BK4(枠状バンク)と、を備えている。なお、各バンクBK1~バンクBK4については、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dと併せて後で説明する。
 第1電極21の周縁部は、バンクBK1で覆われている。図1および図2に示すように、バンクBK1には、副画素3毎に開口部BK1Aが設けられている。この開口部BK1Aによる第1電極21の露出部が各副画素3の発光領域となっている。
 図1に示すように、有機EL素子24の有機EL層22が副画素3毎に異なる色の光を出射するように塗り分けを行う場合、有機EL層22は、バンクBK1によって囲まれた領域(副画素3)毎に形成される。このため、図1に示す有機EL表示装置1は、赤色副画素3Rからは赤色光を出射し、緑色副画素3Gからは緑色光を出射し、青色副画素3Bからは青色光を出射する。このように、有機EL表示装置1が、RGB塗り分け方式の有機EL素子24を備えている場合、カラーフィルタを用いることなく、赤色光、緑色光、青色光によるフルカラーの画像表示を行うことができる。
 有機EL層22は、例えば、第1電極21側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を積層することで構成される。なお、一つの層が複数の機能を有していてもよい。例えば、正孔注入層および正孔輸送層に代えて、これら両層の機能を有する正孔注入層兼正孔輸送層が設けられていてもよい。また、電子注入層および電子輸送層に代えて、これら両層の機能を有する電子注入層兼電子輸送層が設けられていてもよい。また、各層の間に、適宜、キャリアブロッキング層が設けられていてもよい。
 なお、上記積層順は、第1電極21を陽極とし、第2電極23を陰極とした場合の例であり、第1電極21を陰極とし、第2電極23を陽極とした場合、有機EL層22を構成する各層の順序は反転する。
 有機EL表示装置1が支持体11の裏面側から光を放出するボトムエミッション型である場合には、第2電極23を反射性電極材料で形成し、第1電極21を透明または半透明の透光性電極材料で形成することが好ましい。
 第1電極21には、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電膜、あるいは、Au(金)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)等の金属薄膜が使用される。第2電極23には、発光層に電子を注入する目的で、Li(リチウム)、Ce(セリウム)、Ba(バリウム)、Al(アルミニウム)等の仕事関数の小さい金属、またはこれらの金属を含有するマグネシウム合金(MgAg等)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg等)等の合金が使用される。
 一方、有機EL表示装置1が、封止膜30側から光を放出するトップエミッション型である場合には、第1電極21を反射性電極材料で形成し、第2電極23を透明または半透明の透光性電極材料で形成することが好ましい。
 第1電極21および第2電極23は、それぞれ、単層であってもよいし、積層構造を有していてもよい。例えば、有機EL素子24がトップエミッション型の有機EL素子である場合、第1電極21を、反射電極と透明電極との積層構造としてもよい。
 (有機絶縁膜17およびバンクBK)
 本実施形態では、TFT基板10における有機絶縁膜17を、バンクBK4で囲まれた封止領域8の外側まで形成することで、クラックストッパが設けられた樹脂層として、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cを、上記封止領域8を囲むように形成する。
 前述したように、有機絶縁膜17は、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dに分割されている。
 図1に示すように、第1有機絶縁膜パターン部17Aは、表示領域5から額縁領域6にかけて一続きに形成されている。第2有機絶縁膜パターン部17B~第4有機絶縁膜パターン部17Dは、額縁領域6に形成されている。これら第2有機絶縁膜パターン部17B~第4有機絶縁膜パターン部17Dのうち、第2有機絶縁膜パターン部17Bは、第1有機絶縁膜パターン部17Aを取り囲むように第1有機絶縁膜パターン部17Aから離間して枠状に形成されている。第3有機絶縁膜パターン部17Cは、第2有機絶縁膜パターン部17Bを取り囲むように第2有機絶縁膜パターン部17Bから離間して枠状に形成されている。第4有機絶縁膜パターン部17Dは、端子TMのエッジ部を覆っている。
 第1有機絶縁膜パターン部17Aは、平坦化膜であり、前述したように、表示領域5内におけるTFT18および配線W上の段差を平坦化する。なお、第1有機絶縁膜パターン部17AにはTFT18および有機EL素子24が設けられているが、第2有機絶縁膜パターン部17B、第3有機絶縁膜パターン部17C、第4有機絶縁膜パターン部17Dには、TFT18および有機EL素子24は設けられていない。
 上述したように表示領域5から額縁領域6にかけて形成されている第1有機絶縁膜パターン部17A上には、表示領域5内にバンクBK1が形成されている一方、額縁領域6内に、バンクBK2が形成されている。
 バンクBK1は、第1電極21の周縁部で、電極集中や有機EL層22が薄くなって第2電極23と短絡することを防止するエッジカバーとして機能するとともに、隣接する副画素3に電流が漏れないように副画素3を分離する副画素分離層として機能する。
 バンクBK1は、表示領域5内にマトリクス状に配置された第1電極21の各エッジを覆うように、平面視で例えば格子状に設けられている。バンクBK2は、表示領域5を囲むように枠状に形成されている。
 バンクBK2は、互いに離間して設けられた複数のドット状バンクBK2aが、それぞれ断続的な枠状に複数列配置されている。図2に示すように、バンクBK2は、隣り合う列のドット状バンクBK2a同士が、平面視で千鳥状に規則的に配置された構成を有している。
 第2有機絶縁膜パターン部17Bは、第1有機絶縁膜パターン部17Aの外側(言い換えれば、平面視で、第1有機絶縁膜パターン部17Aと、有機EL基板2の縁部2aとの間)に、第1有機絶縁膜パターン部17Aを囲むように枠状に形成されている。第2有機絶縁膜パターン部17B上には、バンクBK2を囲むように、バンクBK3が枠状に形成されている。
 バンクBK3は、互いに離間して設けられた複数のドット状バンクBK3aが、それぞれ断続的な枠状に複数列配置されている。図2に示すように、バンクBK3は、隣り合う列のドット状バンクBK3a同士が、平面視で千鳥状に規則的に配置された構成を有している。
 BK3が設けられた第2有機絶縁膜パターン部17Bは、第2有機絶縁膜パターン部17Bが第1有機絶縁膜パターン部17Aと分離されていることで、第1有機絶縁膜パターン部17A内のTFT18および有機EL素子24への水分の浸入を防ぐ第1ダム部DM1として用いられる。
 第1ダム部DM1の外側(言い換えれば、第1ダム部DM1と、有機EL基板2の縁部2aとの間)には、第1ダム部DM1を囲むように、ドット状ではなく、連続したラインからなる枠状のバンクBK4が形成されている。バンクBK4は、額縁領域6における無機絶縁膜15上に形成されている。バンクBK4は、後述する封止膜30における有機層32となる有機絶縁材料を堰き止める有機層ストッパとして機能する。
 また、BK4は、第1有機絶縁膜パターン部17Aおよび第2有機絶縁膜パターン部17Bと分離されていることで、第1有機絶縁膜パターン部17A内のTFT18および有機EL素子24への水分の浸入を防ぐ第2ダム部DM2として用いられる。
 なお、各バンクBKの断面は、それぞれが形成されている形成面のカバレッジを良くするため、順テーパ形状であることが好ましい。
 第3有機絶縁膜パターン部17Cは、バンクBK4の外側(言い換えれば、バンクBK4と、有機EL基板2の縁部2aとの間)に、バンクBK4を囲むように枠状に形成されている。
 第3有機絶縁膜パターン部17Cの上面には、平面視で、微細な連続したライン状の溝部17c1が、バンクBK4を囲むように枠状に形成されている。なお、溝部17c1については、後で詳述する。
 第4有機絶縁膜パターン部17Dは、前述したように、端子TMのエッジ部を覆っている。
 本実施形態では、図2に示すように、表示領域5が四角形状に形成されている。このため、第1有機絶縁膜パターン部17Aは、その外形が、四角形状である表示領域5に対応して、表示領域5の外形と略相似形を有する四角形状に形成されている。また、第1有機絶縁膜パターン部17Aを囲む、第2有機絶縁膜パターン部17B、第3有機絶縁膜パターン部17C、およびバンクBK4も、その外形(枠の外縁形状)が、表示領域5の外形と略相似形を有する四角形状に形成されている。
 なお、これら第1有機絶縁膜パターン部17A、第2有機絶縁膜パターン部17B、第3有機絶縁膜パターン部17C、バンクBK4における、それぞれ4つの角部は、図2に示すように曲線であってもよいし、直角であってもよい。
 第1有機絶縁膜パターン部17Aは、表示領域5の各縁部から、各縁部に対向する第1有機絶縁膜パターン部17Aの各内側側面までの直線距離が一定になるように形成される。また、第2有機絶縁膜パターン部17Bは、第1有機絶縁膜パターン部17Aの各外側側面から、各外側側面に対向する第2有機絶縁膜パターン部17Bの各内側側面までの直線距離が一定になるように形成される。バンクBK4は、第2有機絶縁膜パターン部17Bの各外側側面から、各外側側面に対向するバンクBK4の各内側側面までの直線距離が一定になるように形成される。第3有機絶縁膜パターン部17Cは、バンクBK4の各外側側面から、各外側側面に対向する第3有機絶縁膜パターン部17Cの各内側側面までの直線距離が一定になるように形成される。
 上述したように、格子状のバンクBK1が設けられた表示領域5の外側には、図1および図2に示すように、枠状のバンクBK2、枠状のバンクBK3および第2有機絶縁膜パターン部17Bからなる第1ダム部DM1、枠状のバンクBK4からなる第2ダム部DM2、溝部17c1が設けられた第3有機絶縁膜パターン部17Cが、格子状のバンクBK1を中心として内側から外側に向かって、この順に設けられている。
 バンクBK1~BK4は、有機絶縁材料からなる。バンクBK1~BK4は、例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の感光性樹脂で形成される。バンクBK1~BK4は、例えば同一工程で形成することができる。
 バンクBK2~BK4は、後述する、封止膜30における有機層32の成膜時に、有機層32の材料となる液状の有機絶縁材料(インク)の流動速度を段階的に低下させ、有機絶縁材料の濡れ広がりを規制することで、有機層32のエッジを規定する。
 特に、ドット状バンクBK2a・BK3aは、有機層32を構成する液状の有機絶縁材料が、インクジェット法等によって塗布された後、濡れ広がっていく有機絶縁材料の縁を揃えると共に、濡れ広がっていく有機絶縁材料の流れを抑え、有機絶縁材料の縁部を、直線に近い形状に揃える。
 また、有機絶縁材料は、バンクBK2・BK3を通過して濡れ広がることで、バンクBK2・BK3は、抵抗として機能する。このため、有機絶縁材料は、バンクBK2・BK3を通過することで、濡れ広がる速度が低下する。本実施形態によれば、このように、バンクBK4よりも表示領域5側にバンクBK2・BK3を設けることで、有機絶縁材料の流れを抑制することができ、有機絶縁材料がバンクBK4を越えて外側に溢れる(特に、端子部12T上に侵入する)ことを防止することができる。
 有機層32となる有機絶縁材料は、バンクBK4における、バンクBK3側の縁部を覆う形で、バンクBK4によって堰き止められる。これにより、有機層32は、第1無機層31を介して、バンクBK4のバンクBK3側の縁部と接触している。
 また、図示はしないが、本実施形態では、第2電極23は、第1有機絶縁膜パターン部17Aにおける、第2電極接続部7が設けられた辺に沿って形成されたバンクBK2を覆うように形成されている。
 このため、バンクBK2が複数のドット状バンクBK2aからなることで、第2電極23は、ドット状バンクBK2aの段差を乗り越えて形成されているとともに、ドット状バンクBK2a間の隙間の平坦部にも形成される。このようにバンクBK2が複数のドット状バンクBK2aからなることで、第2電極23と第2電極接続部7とを、確実に導通させることができる。
 (封止膜30)
 封止膜30は、TFT基板10側からこの順に積層された、第1無機層31(下層無機封止層)と、有機層32(第1有機封止層)と、第2無機層33(上層無機封止層)と、を含む。
 第1無機層31および第2無機層33は、水分の浸入を防ぐ防湿機能を有し、水分や酸素による有機EL素子24の劣化を防止するバリア層として機能する。
 有機層32は、バッファ層(応力緩和層)として使用され、膜応力が大きい第1無機層31および第2無機層33の応力緩和や、表示領域5におけるOLED層20の表面の段差部や異物を埋めることによる平坦化やピンホールの穴埋め、さらには、第2無機層33下地を平坦化させることで、第2無機層33の積層時に第2無機層33にクラックが発生することを抑制する。
 第1無機層31および第2無機層33は、それぞれ、例えば、CVDにより形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。第1無機層31の厚み、並びに、第2無機層33の厚みは、それぞれ、例えば500~1500nmである。
 有機層32は、第1無機層31および第2無機層33よりも厚い、透光性の有機絶縁膜であり、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の感光性樹脂によって構成することができる。有機層32は、例えば、有機絶縁材料として、このような感光性樹脂を含むインクを第1無機層31上にインクジェット塗布した後、UV硬化させることにより形成することができる。有機層32の厚みは、例えば4~12μmである。
 第1無機層31は、支持体11上に、平面視で、第2電極23、端子部12Tの一部を除く有機絶縁膜17(本実施形態では、第1有機絶縁膜パターン部17A~第3有機絶縁膜パターン部17C、並びに、第4有機絶縁膜パターン部17Dにおける第3有機絶縁膜パターン部17C側の縁部)、有機EL素子24、無機絶縁膜15、第2電極23で覆われていないバンクBK(本実施形態では、バンクBK2の一部、バンクBK3およびバンクBK4)を覆うように、端子TM上を除く、表示領域5および額縁領域6の全面に渡って形成されている。
 但し、第1無機層31は、第3有機絶縁膜パターン部17Cに設けられた溝部17c1内で断裂(パターン切れ)している。
 有機層32は、第1無機層31を介して、望ましくは、第1有機絶縁膜パターン部17Aおよび第2有機絶縁膜パターン部17B、有機EL素子24、バンクBK1~BK3を覆うとともに、有機層ストッパとして機能するバンクBK4における、バンクBK3側の縁部および上部の一部を覆っている。有機層32は、有機層ストッパであるバンクBK4で囲まれた、有機EL素子24を封止する封止領域8(図2参照)に設けられている。
 第2無機層33は、第1無機層31と重畳するように形成されている。有機層32の断面が露出すると、該断面から水分等が浸入する。このため、第2無機層33は、有機層32の断面が露出しないように、第1無機層31との間に有機層32を封止するように、第1無機層31を覆っている。
 第2無機層33は、第1無機層31上に、第1無機層31および有機層32のうち少なくとも第1無機層31を介して、平面視で、第2電極23、端子部12Tの一部を除く有機絶縁膜17(本実施形態では、第1有機絶縁膜パターン部17A~第3有機絶縁膜パターン部17C、並びに、第4有機絶縁膜パターン部17Dにおける第3有機絶縁膜パターン部17C側の縁部)、有機EL素子24、無機絶縁膜15、第2電極23で覆われていないバンクBK(本実施形態では、バンクBK2の一部、バンクBK3およびバンクBK4)を覆うように、端子TM上を除く、表示領域5および額縁領域6の全面に渡って形成されている。
 但し、第2無機層33は、第1無機層31と同じく、第3有機絶縁膜パターン部17Cに設けられた溝部17c1内で断裂(パターン切れ)している。
 なお、第2電極23と封止膜30との間には、前述したように、光学調整層や電極保護層等の図示しない無機層あるいは有機層が形成されていてもよい。
 (溝部17c1)
 次に、上記溝部17c1について、図1~図3の(a)・(b)を参照して以下に説明する。
 図3の(a)は、本実施形態にかかる、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cの概略構成を示す断面図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示す第3有機絶縁膜パターン部17C上に第1無機層31および第2無機層33を形成したときの該第3有機絶縁膜パターン部17Cの概略構成を示す断面図である。
 前述したように、バンクBK4で囲まれた封止領域8の外側に形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cの上面には、図1~図3の(a)・(b)に示すように、溝部17c1が形成されている。
 溝部17c1は、マザー基板50(図2参照)の分断等により有機EL基板2の縁部2aで封止膜30に発生したクラックが表示領域5内に進行することを防止するクラックストッパとして機能する。
 一般的に、無機封止膜の形成に使用されるCVDでは、発光素子における機能層(具体的には、有機EL層22のようなEL層)の熱ダメージを防ぐために、例えば80℃以下の低温となっており、基板温度も同様である。このため、たとえプラズマCVDであっても、基板上での膜成長が起こり難く、また、溝部17c1内への無機封止膜材料の回り込み、特に、影となる部分への無機封止膜材料の回り込みが少ない。
 このため、上述したように、第3有機絶縁膜パターン部17Cの上面に溝部17c1を形成し、上記第3有機絶縁膜パターン部17C上に第1無機層31および第2無機層33を成膜すると、該溝部17c1に第1無機層31および第2無機層33が追随できず、これら第1無機層31および第2無機層33の成膜時に、溝部17c1の底部17c2で、第1無機層31および第2無機層33が自然と断裂(パターン切れ)する。
 このように溝部17c1として例えばV字溝が形成された第3有機絶縁膜パターン部17C上に第1無機層31および第2無機層33を成膜すると、該溝部17c1に第1無機層31および第2無機層33が追随できず、これら第1無機層31および第2無機層33の成膜時に、溝部17c1の底部17c2を基点として、第1無機層31および第2無機層33が自然と断裂(パターン切れ)する。これにより、溝部17c1の底部17c2には、第1無機層31および第2無機層33が断裂している断裂部34が形成される。
 本実施形態において、溝部17c1の幅(溝幅)および深さは、溝部17c1の形状・幅・深さ、並びに、第1無機層31および第2無機層33の厚み等に応じて、第3有機絶縁膜パターン部17C上に積層される第1無機層31および第2無機層33が、溝部17c1内で断裂する幅および深さに適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
 しかしながら、図3の(b)に示すように、平面視での溝部17c1の幅(つまり、溝部17c1の上端の幅、溝幅)をx1とし、該溝部17c1を有する第3有機絶縁膜パターン部17C(樹脂層)の最表面における上記幅x1と同じ方向の幅をx2とし、第1無機層31および第2無機層33の合計の層厚をt1とすると、上記幅x1は、t1<x1<x2を満足することが好ましい。
 なお、ここで、平面視での溝部17c1の幅(溝幅)とは、溝部17c1の上端の短手方向の長さ、つまり、第3有機絶縁膜パターン部17Cの最表面と同一平面における溝部17c1の短手方向の長さを示す。また、溝部17c1の短手方向の長さとは、溝部17c1が伸びる方向(言い換えれば、有機EL基板2の縁部2aに沿った方向)に直交する方向(言い換えれば、溝部2aを横切る方向)の長さを示す。
 また、第3有機絶縁膜パターン部17C上(より具体的には、第3有機絶縁膜パターン部17Cの天面)には、表示領域5における第1無機層31および第2無機層33と同じ層厚の第1無機層31および第2無機層33が形成される。
 一例として、上記幅x1は、例えば、2μm~5μmの範囲内であることが好ましい。上記幅x1を上述した幅とすることで、上記第1無機層31および第2無機層33の断裂が起こり易くなる。また、上記幅x2は、パターン作成上の理由から、例えば、7μm~25μmの範囲内であることが好ましい。前述したように第1無機層31の厚み、並びに、第2無機層33の厚みは、それぞれ、例えば500~1500nmであり、上記層厚t1は、例えば、1μm~3μmである。
 また、溝部17c1の深さ(法線方向の長さ)をt2とすると、溝部17c1の深さt2は、例えば、0.5μm~2μmの範囲内であることが好ましい。上記t2を上述した幅とすることで、上記第1無機層31および第2無機層33の断裂が起こり易くなる。
 有機絶縁膜17は、上記溝部17c1を形成することができる厚みに形成される。本実施形態では、溝部17c1を有する樹脂層である第3有機絶縁膜パターン部17Cが有機絶縁膜17で構成されており、該有機絶縁膜17の第1有機絶縁膜パターン部17AがTFT18による段差を補償する平坦化膜であることから、上記有機絶縁膜17は、TFT18による段差を補償するとともに、上記溝部17c1を形成することができる厚みに形成される。上記有機絶縁膜17の厚みは、例えば、1~3μmである。
 また、図3の(a)に示すように上記溝部17c1の内壁と、TFT基板10の表面に平行な面とがなす角度(言い換えれば、上記溝部17c1の内壁と水平面とがなす角度:以下、「テーパ角θ」と称する)は、例えば、70°~120°の範囲内であることが好ましい。上記テーパ角θを上述した角度とすることで、上記第1無機層31および第2無機層33の断裂が起こり易くなる。
 (カバー体)
 上述したように、封止膜30上には、図示しないカバー体が設けられている。カバー体は、保護機能、光学補償機能、タッチセンサ機能の少なくとも1つを有する機能層であり、例えば、有機EL表示装置1がフレキシブル表示装置である場合、ガラス基板を剥離したときの支持体として機能する保護フィルムであってもよい。また、有機EL表示装置1が、剛性を有する折り曲げできない表示装置である場合、カバー体としては、ガラス基板等の対向基板であってもよく、上記対向基板と有機EL基板2との間には、図示しない充填材からなる充填層がさらに設けられていてもよい。
 また、カバー体は、偏光フィルムおよびタッチセンサフィルム等の機能性フィルム、あるいは、偏光板およびタッチパネル等を備えていてもよい。
 <有機EL表示装置1の製造方法>
 次に、有機EL表示装置1の製造方法について、図1~図4の(a)~(c)を参照して以下に説明する。
 図4の(a)~(c)は、本実施形態にかかる有機EL表示装置1の要部の製造工程を工程順に示す断面図である。図4の(a)~(c)は、図2に示す有機EL表示装置1のB-B線矢視断面を示している。
 まず、図1に示すように、支持体11を構成する、大型のガラス基板等からなるマザー基板50(図2参照)上に、公知の方法で、半導体層13と、これら半導体層13を覆うようにマザー基板50上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された、複数のゲート電極G、図示しない複数のゲート配線と、ゲート絶縁膜14上に形成された上記ゲート電極Gおよびゲート配線を覆う無機絶縁膜15と、無機絶縁膜15上に形成された複数の容量電極Cと、これら容量電極Cを覆うように無機絶縁膜15上に形成された無機絶縁膜16と、無機絶縁膜16上に形成された、複数のソース電極S、複数のドレイン電極D、複数の配線W、図示しない複数のソース配線、図示しない複数の電源線、および複数の端子TMを有する端子部12Tと、を形成する。
 なお、有機EL表示装置1がフレキシブル表示装置である場合、上記マザー基板50としては、ガラス基板等の大型のキャリア基板上に、支持体11を構成する、ポリイミド層等の樹脂層(プラスチックフィルム)、防湿層が成膜された基板を使用する。
 次に、これら配線等が形成されたマザー基板50上に、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ等によってパターニングを行うことで、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dを有する有機絶縁膜17を形成する。
 なお、このとき、図4の(a)に示すように、第4有機絶縁膜パターン部17Dを、端子部12Tにおける端子TMを覆うように形成する。
 また、このとき、例えば、光の透過率が部分的に異なるハーフトーンマスクを利用することで、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dの形成と同時に溝部17c1を形成することができる。
 但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dの形成後に、再度フォトリソグラフィ等を行うか、または、第3有機絶縁膜パターン部17Cにおける溝部17c1の形成位置にレーザ照射を行う等することにより、第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dと溝部17c1とを、別工程で形成してもよい。
 これにより、図1、図2、図3の(a)に示すように、各有機EL表示装置1の有機EL基板2となる、分断ラインDLで囲まれた領域内に、上記マザー基板50を各分断ラインDLで分断したときに、有機EL基板2における、端子部12Tに面する辺以外の各辺の有機EL基板2の縁部2aを形成する分断ラインDLに沿ってそれぞれ溝部17c1を形成するとともに、溝部17c1が表示領域5と端子部12Tとの間を通って表示領域5を囲むように、表示領域5と端子部12Tとの間にも溝部17c1を形成する。
 なお、ここで、分断ラインDLとは、マザー基板50を個々の有機EL表示装置1に対応した有機EL基板2に個片化するために分断する分断予定線を示す。
 上記工程により、TFT基板10として、TFT層12が形成されたマザー基板50が形成される。
 次いで、スパッタ法等によって、第1電極21をマトリクス状にパターン形成する。このとき、有機絶縁膜17に形成されたコンタクトホールを介して、第1電極21は、ドレイン電極Dと接続される。
 次いで、上記第1電極21、有機絶縁膜17および無機絶縁膜15・16を覆うように、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の感光性樹脂等からなる図示しない有機膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィ等によって、図1および図2に示すように、上記有機膜からなるバンクBK(バンクBK1~BK4)をパターン形成する。なお、各バンクBK1~BK4は、同一の材料により、同一の工程にてパターン形成することができる。但し、バンクBK1~BK4を、互いに異なるマスクを用いて別工程によって形成してもよい。
 その後、図1に示すように、有機EL層22を、各色の発光層が、バンクBK1で囲まれた領域(つまり、開口部BK1A)を覆うように、それぞれ、副画素3R・3G・3Bに対応して塗り分け蒸着する。なお、有機EL層22の成膜には、塗布法、インクジェット法、印刷法等、蒸着法以外の方法を用いてもよい。
 フルカラー表示を行うためには、一例として、発光層は、上述したように、発光色毎に塗り分け蒸着によりパターン形成することができる。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、フルカラー表示を行うために、発光色が白(W)色の発光層を使用した白色発光の有機EL素子24と、図示しないカラーフィルタ(CF)層とを組み合せて各副画素3における発光色を選択する方式を用いても構わない。また、発光色がW色の発光層を使用し、各副画素3にマイクロキャビティ構造を導入することでフルカラーの画像表示を実現する方式を採用してもよい。なお、CF層あるいはマイクロキャビティ構造等の方法で各副画素3の発光色を変更する場合には、発光層を副画素3毎に塗り分ける必要はない。
 次に、第2電極23を、有機EL層22およびバンクBK1を覆うように上記TFT基板10における表示領域5全面に形成するとともに、第2電極接続部7の第2電極接続電極と電気的に接続し、それら以外の領域を露出するように、例えば蒸着マスクを用いた蒸着法によりパターン形成する。
 これにより、TFT基板10上に、第1電極21、有機EL層22、および第2電極23からなる有機EL素子24を形成することができる。
 次いで、有機EL素子24が形成された上記TFT基板10上に、CVD用のマスクを使用せず、上記マザー基板50上の全面に、CVD法等によって、第1無機層31をマスクレスで形成する。これにより、図3の(a)に示すように、マザー基板50の各分断ラインDL上を覆う第1無機層31を成膜する。
 次に、表示領域5の全面に、感光性樹脂を含む、液状の有機絶縁材料(インク)を、インクジェット法等により塗布する。
 次いで、バンクBK4で囲まれた領域内に濡れ広がった上記液状の有機絶縁材料を硬化させる。これにより、バンクBK4に沿った縁部の層厚が均一な有機層32が成膜される。
 その後、上記第1無機層31上に、上記第1無機層31と第2無機層33とで有機層32が封止されるように、上記第1無機層31と同じ方法で、第2無機層33をマスクレス形成する。
 これにより、第1無機層31、有機層32、第2無機層33からなる封止膜30が形成される。
 上記第1無機層31および第2無機層33の成膜には、前述したように例えばプラズマCVDを使用する。有機層32は、バンクBK4によって、バンクBK4で囲まれた領域内に堰き止められている。このため、第3有機絶縁膜パターン部17C上および第3有機絶縁膜パターン部17Cの周囲の封止膜30は、有機層32を含まず、第1無機層31および第2無機層33のみが積層されている。
 本実施形態によれば、前述したように、第3有機絶縁膜パターン部17Cの上面に溝部17c1が形成されていることで、第1無機層31および第2無機層33の成膜時に、溝部17c1の底部17c2で、第1無機層31および第2無機層33が自然と断裂(パターン切れ)する。これにより、溝部17c1の底部17c2には、第1無機層31および第2無機層33が断裂している断裂部34が形成される。
 なお、上記断裂部34は、それぞれの膜の成膜時(すなわち、第1無機層31の成膜時、および、第2無機層33の成膜時)に自然に形成される断裂である。このため、無機封止膜形成後(例えば、第1無機層31および第2無機層33の成膜後)に該無機封止膜を物理的に切断した場合とは異なり、上記第1無機層31の断裂時および上記第2無機層33の断裂時に、上記第1無機層31および第2無機層33に、後発的なクラックは発生しない。
 なお、前述したように、第3有機絶縁膜パターン部17C上(より具体的には、第3有機絶縁膜パターン部17Cの天面)には、表示領域5における第1無機層31および第2無機層33と同じ層厚の第1無機層31および第2無機層33が形成される。
 その後、上記端子部12Tにレーザを照射して、図4の(b)に示すように、上記端子部12Tの端子TMを露出させる端子出し工程を行う。
 次いで、図示しない保護フィルム等を上記封止膜30上に貼り合せた後、上記TFT層12、OLED層20、および封止膜30が成膜されたマザー基板50を、該マザー基板50上の各表示領域5をそれぞれ囲むように分断ラインDLで分断(ダイシング)する。これにより、上記TFT層12、OLED層20、および封止膜30が成膜されたマザー基板50を、図4の(c)に示すように、個々の有機EL基板2に個片化する。なお、上記分断には、レーザや金属刃等を使用することができる。
 得られた有機EL基板2は、第1無機層31および第2無機層33が、平面視で、有機EL基板2の縁部2a(エッジ)を覆っており、第1無機層31および第2無機層33の周縁部(つまり、全てのエッジ)が、有機EL基板2の周縁部(つまり、全てのエッジ(縁部2a))と重なっている。
 なお、有機EL表示装置1がフレキシブル表示装置である場合、保護フィルム等を上記封止膜30上に貼り合せた後、レーザ照射により、マザー基板50におけるキャリア基板と樹脂層(プラスチックフィルム)との界面でキャリア基板をアブレーション剥離し、剥離面に下面フィルムを貼り付けた後、有機EL基板2の個片化が行われる。
 その後、必要に応じて、上記有機EL基板2に、偏光フィルムおよびタッチセンサフィルム等の機能性フィルム、あるいは、偏光板およびタッチパネル等が貼り合わされる。
 <効果>
 図5の(a)は、本実施形態にかかる有機EL基板2の個片化時における分断ラインDL近傍の概略構成を示す断面図であり、図5の(b)は、溝部17c1を有する第3有機絶縁膜パターン部17Cが設けられていない有機EL基板2において、封止膜30における第1無機層31および第2無機層33を分断ラインDL上に形成したときの、有機EL基板2の個片化時における分断ラインDL近傍の概略構成を示す断面図であり、図5の(c)は、CVD用のマスクを用いて、分断ラインDLから離間して封止膜30を形成したときの、有機EL基板2の個片化時における分断ラインDL近傍の概略構成を示す断面図である。
 図5の(a)・(b)に示すように、分断ラインDL上に第1無機層31および第2無機層33のような無機封止膜が存在していると、分断ラインDL上の無機封止膜には、該無機封止膜が切断されることでクラックCRが発生するおそれがある。
 このとき、図5の(b)に示すように、溝部17c1を有する第3有機絶縁膜パターン部17Cのような、クラックストッパが設けられた樹脂層が形成されていないと、上記無機封止膜に発生したクラックが、該無機封止膜を伝搬して、分断した有機EL基板2の表示領域5内に広がるおそれがある。
 しかしながら、本実施形態によれば、前述したように表示領域5の外側(例えば封止領域8の外側)に、表示領域5を囲むように、溝部17c1を有する第3有機絶縁膜パターン部17Cが設けられていることで、上記無機封止膜の成膜時に、上記無機封止膜が、溝部17c1の底部17c2で自然と断裂する。
 このため、本実施形態によれば、図5の(a)に示すように、溝部17c1の底部17c2には、第1無機層31および第2無機層33が断裂してなる断裂部34が設けられている。
 このため、本実施形態によれば、図5の(a)に示すように、封止膜30の切断によって、分断ラインDL上の封止膜30にクラックCRが発生したとしても、上記断裂部34でクラックCRの進行が停止する。このため、本実施形態によれば、上記無機封止膜に発生したクラックCRが表示領域5内に進行して表示領域5内に水分や酸素が浸入することがなく、信頼性が高い有機EL表示装置1を形成することができる。
 なお、マザー基板50において隣り合う有機EL基板2における封止膜30が互いに接触しないように、CVD用のマスクを用いて、各有機EL基板2における封止膜30を独立して形成した場合、図5の(c)に示すように、分断ラインDL上に無機封止膜が存在せず、無機封止膜に発生したクラックが表示領域5内に進行することはない。
 しかしながら、CVD用のマスクを使用して無機封止層を形成すると、図5の(c)に示すように、無機封止層の端部において、蒸着ボケが発生する。
 このときの蒸着ボケの発生領域(ボケ領域P)は、300~400μm程度である。ボケ領域Pでは無機封止膜の膜厚が小さくなるため、バリア性が低下する。このため、ボケ領域Pが表示領域5内に存在しないように、CVD用のマスクの加工精度、アライメント精度を含めて、無機封止層の端部を、表示領域5から十分に離す必要がある。そのため、CVD用のマスクを用いて、分断ラインDLと封止膜30の形成領域とを分離した場合、狭額縁化することが不可能となる。
 これに対し、本実施形態によれば、ボケ領域Pを無くすことができるため、上記制限がない。本実施形態によれば、分断ラインDL上に無機封止膜を設けることが可能となるため、無機封止膜の形成精度のマージンを稼ぐことができる。本実施形態によれば、無機封止膜の端部と分断領域とを分離配置する必要性がなく、狭額縁化を行うことができる。
 なお、図5の(a)~(c)では、分断ラインDLの位置を揃えているが、溝部17c1(より厳密には、溝部17c1が設けられた第3有機絶縁膜パターン部17C)を表示領域5に近づけた位置に配置すれば、容易に狭額縁化を行うことが可能となる。溝部17c1は、分断ラインDLのごく内側(言い換えれば、有機EL基板2の縁部2aのごく内側)に形成することができる。
 また、図示はしないが、封止膜30形成後に、分断ラインDL上の無機封止膜を除去することで分断ラインDL上に溝を形成する場合には、封止膜30を形成後に、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィ、エッチング、剥離工程が必要となり、しかも、これらの工程は、有機EL素子24にダメージを与えない低温プロセスで行う必要がある。このため、上述したように分断ラインDL上に溝を形成する場合、設備コスト、ランニングコストの負荷となるばかりか、工程数が多いことで、歩留りの低下を招くことになる。
 これに対し、本実施形態によれば、上記庇体41を形成するためのフォトリソグラフィ工程のみを追加すればよく、工程数追加の負荷は、比較的低い。また、封止膜30の成膜工程前、特に、有機EL22の形成工程前に上記庇体41を形成することで、上記庇体41のパターン不良が生じた際の材料損失を各段に小さくすることができる。
 <変形例1>
 図6の(a)~(c)は、それぞれ、本変形例にかかる溝部17c1の形状の一例を示す断面図である。
 図1、図3の(a)・(b)~図5の(a)では、溝部17c1が断面視でV字形状を有するV字溝である場合を例に挙げて説明した。
 しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。溝部17c1は、図6の(a)に示すように、テーパ角θが90°未満であり、例えば断面視で逆テーパ状の内壁面を有する、逆テーパ状の凹溝であってもよい。
 この場合、溝部17c1の底部17c2(下端)が平坦な部分を有することから、溝部17c1の内壁、並びに、底部17c2の平坦な部分に第1無機層31および第2無機層33が積層される(付着する)。しかしながら、底部17c2のエッジ部分に第1無機層31および第2無機層33が追随しないことから、該エッジ部分で第1無機層31および第2無機層33が断裂し、該エッジ部分に断裂部34が形成される。
 また、上記図1および図6の(a)等では、テーパ角θが90°未満である場合を例に挙げて図示したが、前述したように、テーパ角θは、90°以上に設定されていても構わない。
 このため、溝部17c1は、図6の(b)に示すように、テーパ角θが90°であり、内壁面が垂直な凹溝であってもよい。
 また、溝部17c1は、図6の(c)に示すように、テーパ角θが90°よりも大きく、例えば断面視で順テーパ状の内壁面を有する、順テーパ状の凹溝であってもよい。
 上述した説明では、例えば、有機絶縁膜17にポジ型の感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィにより溝部17c1を形成する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、溝部17c1は、例えば、レーザ加工、切削加工等により形成しても構わない。
 例えば、図6の(c)に示す溝部17c1は、溝部17c1が形成されていない第3有機絶縁膜パターン部17Cを形成後に、該第3有機絶縁膜パターン部17Cにレーザ光を照射することにより形成することができる。
 また、図6の(c)に示すように、有機絶縁膜17は、複数の樹脂層で形成されていてもよい。この場合、有機絶縁膜17全体が複数の樹脂層で形成されていてもよく、例えば、第3有機絶縁膜パターン部17Cのみ、あるいは、第3有機絶縁膜パターン部17Cを含む一部の有機絶縁膜パターン部が、複数の樹脂層で形成されていてもよい。
 一例として、図6の(c)では、第3有機絶縁膜パターン部17Cが、第1樹脂層18上に第2樹脂層19が積層された積層構造を有している場合を例に挙げて示している。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。
 なお、このように第3有機絶縁膜パターン部17Cが複数の樹脂層が積層された積層構造を有する場合、各樹脂層は、例えば、光の透過率および吸収率が異なる樹脂で形成されていてもよく、ポジ型感光性樹脂とネガ型感光性樹脂とを組み合わせて使用してもよい。
 このように、溝部17c1は、例えば、材料の選択、加工方法の選択、露光量あるいはレーザ出力等のエネルギーの出力条件の調整等により、公知の方法で、所望の形状に加工することが可能である。
 上述したように溝部17c1の底部17c2が平坦な部分を有する場合、図6の(a)~(c)に示すように、上記溝部17c1の底部17c2の平坦な部分の幅(溝幅)をx3とし、第1無機層31および第2無機層33の合計の層厚をt1とすると、上記幅x3は、0<x3<t1を満足することが好ましい。
 なお、ここで、溝部17c1の底部17c2の平坦な部分の幅(溝幅)とは、溝部17c1の底部17c2の平坦な部分の短手方向(前記幅x1と同じく、溝部17c1が伸びる方向に直交する方向)の長さを示す。
 また、この場合にも、前述したように、溝部17c1の上端の幅(溝幅)をx1とし、該溝部17c1を有する第3有機絶縁膜パターン部17Cの最表面における上記幅x1と同じ方向の幅をx2とし、第1無機層31および第2無機層33の合計の層厚をt1とすると、上記幅x1は、t1<x1<x2を満足することが好ましい。
 上記幅x3は、0<x3<t1を満足していれば、特に限定されるものではないが、例えば、0.5μm~2μmの範囲内であることが好ましい。幅x1・x2、層厚t1、深さt2については、前述した通りである。
 <変形例2>
 図7は、本変形例にかかる有機EL表示装置1の概略構成の一例を示す断面図である。
 本変形例にかかる有機EL表示装置1は、第3有機絶縁膜パターン部17Cに、バンクBK4を囲むように、連続したラインからなる枠状のバンクBK5が設けられており、溝部17c1が、上記第3有機絶縁膜パターン部17Cに、バンクBK5を囲むように、該バンクBK5の外側に、溝部17c1が設けられている点で、図1~図5の(a)に示す有機EL表示装置1と異なっている。
 本変形例では、バンクBKとして、格子状のバンクBK1の外側に、枠状のバンクBK2、枠状のバンクBK3、枠状のバンクBK4、枠状のバンクBK5が、格子状のバンクBK1を中心として内側から外側に向かって、この順に設けられている。
 バンクBK5は、例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂等、バンクBK1~BK4と同じ材料で形成することができ、バンクBK1~BK5は、例えば同一工程で形成することができる。
 バンクBK5は、バンクBK4によって有機層32を堰き止めることができなかった場合に有機層32を構成する有機絶縁材料を堰き止めるとともに、第3有機絶縁膜パターン部17Cが、第1有機絶縁膜パターン部17A、バンクBK4、および第2有機絶縁膜パターン部17Bと分離されていることで、第1有機絶縁膜パターン部17A内のTFT18および有機EL素子24への水分の浸入を防ぐ第3ダム部として用いられる。
 本変形例では、このように、第3ダム部として用いられる第3有機絶縁膜パターン部17Cを、有機EL基板2の縁部2a側、言い換えれば、分断パターンDL側に延設し、該第3有機絶縁膜パターン部17Cに溝部17c1を形成することで、第3有機絶縁膜パターン部17Cを、第3ダム部とクラックストッパの形成体とに共有し、複数の機能をもたせることができる。
 なお、図示はしないが、第3ダム部用と、溝部17c1用とに、それぞれ有機絶縁膜パターン部を形成しても構わない。例えば、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17CとバンクBK4との間に、第3ダム部として、バンクBK5が設けられた、バンクBK4を囲む図示しない有機絶縁膜パターン部をさらに形成し、該第3ダム部を囲むように、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cが形成されている構成としてもよい。
 また、図1および図4の(b)では、端子部12Tにレーザを照射して端子出しを行うことで、第4有機絶縁膜パターン部17Dおよび該第4有機絶縁膜パターン部17Dを覆う第1無機層31および第2無機層33に、端子TMを露出させる同一形状の開口部が形成されている場合を例に挙げて図示した。
 しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。バンクBK5の有無に拘らず、第4有機絶縁膜パターン部17Dに形成される、端子TMを露出させる開口部の形状(平面視のサイズ)と、第4有機絶縁膜パターン部17Dを覆う第1無機層31および第2無機層33に形成される、端子TMを露出させる開口部の形状(平面視のサイズ)とは、図1および図4の(b)に示したように互いに同じであってもよく、図7に示すように互いに異なっていてもよい。
 なお、上記開口部の形状の違いは、例えば、端子出しに使用するレーザの吸収率の違いによって生じるものであってもよい。また、第1無機層31および第2無機層33に対するレーザ強度と、第4有機絶縁膜パターン部17Dに対するレーザ強度とを変えることで、それぞれに形成される上記開口部の形状を変更してもよい。
 また、上記有機EL表示装置1は、前述したように、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cを設けることで、第1無機層31および第2無機層33をマスクレスで形成することができる。しかしながら、予め端子TMが露出するように開口部が設けられた第4有機絶縁膜パターン部17Dを形成するとともに、第1無機層31および第2無機層33の形成工程において、複数のマスク開口を有し、分断ラインDLを挟んで隣り合う複数の端子部12Tの各端子TM上を通るラインが被覆され、分断ラインDLで囲まれた領域の4つの辺のうち、少なくとも、端子部12Tが設けられていない辺の分断ラインDLが上記マスク開口内に位置するように、端子部12Tが設けられていない辺の分断ラインDLを囲む領域が開口されたCVD用のマスクを用いて、第1無機層31および第2無機層33を形成しても構わない。この場合でも、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cを設けることで、第1無機層31および第2無機層33を断裂させることができ、表示領域5内へのクラックの進行を防止することができる。また、端子部12Tが設けられていない辺の狭額縁化を図ることができる。
 <変形例3>
 図8の(a)は、本変形例にかかる有機EL表示装置1の概略構成の一例を示す平面図であり、図8の(b)は、図8の(a)に示すC-C線断面図であり、図8の(c)は、図8の(a)に示すD-D線断面図である。
 本変形例にかかる有機EL表示装置1は、図8の(a)~(c)に示すように、第3有機絶縁膜パターン部17Cに、溝部17c1として、溝部17c1Aと、溝部17c1Aよりも深い溝部17c1Bと、が設けられていてもよい。溝部17c1A・17c1Bは、例えば周期的に形成されていてもよく、第3有機絶縁膜パターン部17Cに、相対的に浅い溝部17c1Aが設けられた浅溝部D1と、相対的に深い溝部17c1Bが設けられた深溝部D2とが、一定の周期で交互に設けられていてもよい。
 また、本変形例にかかる有機EL表示装置1は、溝部17c1の形状が部分的に異なっていてもよい。本変形例にかかる有機EL表示装置1は、例えば、図8の(a)~(c)に示すように、形状が異なる溝部17c1A・17c1Bを有していてもよく、形状が異なる溝部17c1A・17c1Bが、周期的に形成された構造を有していてもよい。例えば、浅溝部D1と深溝部D2とで、異なる形状を有する溝部17c1A・17c1Bが設けられていてもよい。
 なお、図8の(a)~(c)では、浅溝部D1に、溝部17c1AとしてV字溝が設けられ、深溝部D2に、溝部17c1Bとして凹溝が設けられている場合を例に挙げて図示しているが、本変形例は、これに限定されるものではない。例えば浅溝部D1に溝部17c1Aとして凹溝が設けられ、深溝部D2に、溝部17c1BとしてV字溝が設けられていてもよい。
 また、溝部17c1Aと溝部17c1Bとは、例えば溝形状の違いにより異なるテーパ角度を有していてもよく、深さの違いにより異なるテーパ角度を有していてもよい。例えば、浅溝部D1に、溝部17c1Aとして相対的に浅いV字溝が設けられ、深溝部D2に、溝部17c1Bとして相対的に深いV字溝が設けられ、溝部17c1Aと溝部17c1Bとの深さの違いによりテーパ角θが異なっていてもよい。
 なお、図8では、有機EL基板2の角部に浅溝部D1が設けられている場合を例に挙げて図示しているが、有機EL基板2の角部に深溝部D2が設けられていてもよい。例えば、図8の(a)において、浅溝部D1と深溝部D2とは、位置が逆転していてもよい。
 また、図8では、溝部17c1A・17c1Bが設けられた第3有機絶縁膜パターン部17Cが、一重枠状に形成されている場合を例に挙げて図示しているが、本変形例は、これに限定されるものではない。例えば、浅溝部D1と深溝部D2とが設けられた第3有機絶縁膜パターン部17Cは、二重枠状あるいは三重枠状等、複数の枠からなる多重枠状に形成されていてもよく、隣り合う枠で、浅溝部D1と深溝部D2とが、千鳥状に配置されていてもよい。
 なお、溝部17c1(溝部17c1A・17c1B)のテーパ角θは、前述したように、例えば、70°~120°の範囲内であることが好ましい。
 また、溝部17c1(溝部17c1A・17c1B)の幅x1は、溝部17c1Aであるか溝部17c1Bであるかに拘らず、前述したようにt1<x1<x2を満足することが好ましい。また、溝部17c1は、溝部17c1Aであるか溝部17c1Bであるかに拘らず、溝部17c1の底部17c2が平坦な部分を有する場合、0<x3<t1を満足することが好ましい。
 また、浅溝部D1の溝部17c1Aの深さをt2Aとし、深溝部Dの溝部17c1Bの深さをt2Bとすると、t2A<t2Bであり、これら溝部17c1A・17c1Bの深さt2A・t2B(つまり、溝部17c1の深さt2)は、前述したように、例えば、0.5μm~2μmの範囲内であることが好ましい。
 <変形例4>
 図9は、本変形例にかかる有機EL表示装置1の概略構成の一例を示す平面図である。
 本変形例にかかる有機EL表示装置1は、図9に示すように、平面視における第3有機絶縁膜パターン部17Cの幅が部分的に異なっていてもよく、平面視で、溝部17c1として、溝部17c1Cと、溝部17c1Cよりも溝幅が太い溝部17c1Dと、が周期的に設けられていてもよい。
 例えば、第3有機絶縁膜パターン部17Cの幅が相対的に細い細幅部D11には、細溝として、相対的に溝幅が細い溝部17c1Cが設けられ、第3有機絶縁膜パターン部17Cの幅が相対的に太い太幅部D12には、太溝として、相対的に溝幅が太い溝部17c1Dが設けられていてもよい。なお、図9は、例えば、細幅部D11と太幅部D12とが、一定の周期で交互に設けられている場合を例に挙げて示しているが、本変形例は、これに限定されるものではない。
 また、細幅部D11と太幅部D12とでは、深さが異なる溝部17c1C・17c1Dが設けられていてもよく、細幅部D11と太幅部D12とでは、異なる形状を有する溝部17c1C・17c1Dが設けられていてもよい。
 また、図9では、有機EL基板2の角部に細幅部D11が設けられている場合を例に挙げて図示しているが、有機EL基板2の角部に太幅部D12が設けられていてもよい。例えば、図9において、細幅部D11と太幅部D12とは、位置が逆転していてもよい。
 また、図9では、細幅部D11と太幅部D12とが設けられた第3有機絶縁膜パターン部17Cが、一重枠状に形成されている場合を例に挙げて図示しているが、本変形例は、これに限定されるものではない。例えば、細幅部D11と太幅部D12とが設けられた第3有機絶縁膜パターン部17Cは、二重枠状あるいは三重枠状等、複数の枠からなる多重枠状に形成されていてもよく、隣り合う枠で、細幅部D11と太幅部D12とが、千鳥状に配置されていてもよい。
 図9に示すように、細幅部D11における、第3有機絶縁膜パターン部17Cの最表面における上記幅x1と同じ方向の幅x2をx2Aとし、太幅部D12における、第3有機絶縁膜パターン部17Cの最表面における上記幅x1と同じ方向の幅x2をx2Bとすると、x2A<x2Bである。
 上記幅x2Aは、狭額縁化の理由から、例えば、7μm~15μmの範囲内であることが好ましい。上記幅x2Bは、狭額縁化の理由から、例えば、9μm~25μmの範囲内であることが好ましい。
 また、溝部17c1(溝部17c1C・17c1D)の幅x1は、溝部17c1Cであるか溝部17c1Dであるかに拘らず、前述したようにt1<x1<x2を満足することが好ましい。また、溝部17c1は、溝部17c1Cであるか溝部17c1Dであるかに拘らず、溝部17c1の底部17c2が平坦な部分を有する場合、0<x3<t1を満足することが好ましい。上記x2は、上記溝部17c1が細幅部D11に設けられた溝部であるか太幅部D12に設けられた溝部であるかによって、x2Aまたはx2Bに適宜置き換えることができる。なお、幅x1・x3、層厚t1、深さt2については、前述した通りである。
 また、本実施形態でも、溝部17c1(溝部17c1C・17c1D)のテーパ角θは、前述したように、例えば、70°~120°の範囲内であることが好ましい。
 <変形例5>
 また、図1では、有機絶縁膜17が第1有機絶縁膜パターン部17A~第4有機絶縁膜パターン部17Dを有している場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。
 例えば、第3有機絶縁膜パターン部17Cと、第4有機絶縁膜パターン部17Dとは、分離して設けられている必要は必ずしもなく、第3有機絶縁膜パターン部17Cが、端子TMを露出するように端子部12Tを覆っていてもよい。
 <変形例6>
 また、図2では、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cが、バンクBK4を囲むように枠状に形成されている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。
 例えば、端子TM上に第1無機層31および第2無機層33が形成されないように、CVD用のマスクを用いて、端子TM上を除く領域に第1無機層31および第2無機層33を形成する場合、表示領域5と端子部12Tとの間には、溝部17c1、もしくは、溝部17c1が形成された第3有機絶縁膜パターン部17Cが形成されていなくても構わない。
 <変形例7>
 本実施形態では、封止膜30が、第1無機層31および第2無機層33を含み、有機EL基板2の縁部2a(言い換えれば、分断ラインDL上)および第3有機絶縁膜パターン部17Cの天面に、第1無機層31と第2無機層33とが積層されている場合を例に挙げて説明した。
 しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、有機EL基板2の縁部2aおよび第3有機絶縁膜パターン部17Cの天面に、第1無機層31および第2無機層33のうち何れか一方の無機層のみが形成されている構成としてもよい。
 <変形例8>
 本発明の目的は、前述したように封止膜30に発生したクラックが表示領域5内に進行することを防止することであり、図1では、有機EL基板2の縁部2a上(言い換えれば、分断ラインDL上)に、TFT工程で形成される、ゲート絶縁膜14、無機絶縁膜15(パッシベーション膜)等の無機膜が形成されている場合を例に挙げて図示した。これらの無機膜は、通常、無機封止膜に比べて高温のプラズマCVDで形成されるため、強固な耐クラック性を有している。
 しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。これらTFT工程で形成される無機膜のクラックの抑制のため、これらの無機膜の形成工程において、分断ライン上のこれらの無機膜を、フォトリソグラフィ、エッチング等により除去しておいてもよい。
 <変形例9>
 本実施形態では、上述したように、本実施形態にかかる表示装置の一例として、発光素子として有機EL素子24(OLED素子)を含む有機EL表示装置1を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、上記発光素子は、無機EL素子であってもよく、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)素子であってもよい。
 〔まとめ〕
 本発明の態様1にかかる表示装置(有機EL表示装置1)は、支持体(TFT基板10)と、上記支持体上の表示領域5に設けられた、複数の発光素子(有機EL素子24)と、上記複数の発光素子を封止する封止膜30と、を備えた表示装置であって、平面視で、上記表示領域5と、上記支持体の少なくとも一部の縁部(上記TFT基板10を備えた有機EL基板2の縁部2a)との間に、上記少なくとも一部の縁部から離間して設けられた、上面に溝部(溝部17c1)を有する樹脂層(第3有機絶縁膜パターン部17C)を備え、上記封止膜30は、少なくとも無機層(第1無機層31、第2無機層33)を含み、上記無機層は、平面視で、上記樹脂層および上記少なくとも一部の縁部を覆っており、上記溝部内で断裂している。
 本発明の態様2にかかる表示装置は、上記態様1において、上記樹脂層は、上記無機層が設けられた、上記少なくとも一部の縁部に面して設けられていてもよい。
 本発明の態様3にかかる表示装置は、上記態様1または2において、上記表示領域5は、複数の副画素3を備え、上記発光素子は、第1電極21と、発光層を含む機能層(有機EL層22)と、第2電極23と、がこの順に積層されており、少なくとも上記第1電極21が上記副画素3毎に設けられており、上記表示領域5の外側に、上記第2電極23に電気的に接続される第2電極接続部7を備え、上記樹脂層は、上記第2電極接続部7よりも外側に設けられていてもよい。
 本発明の態様4にかかる表示装置は、上記態様1~3の何れかにおいて、上記封止膜30は、第1無機層31と、第2無機層33と、上記第1無機層31と上記第2無機層33との間に封止され、上記表示領域5を覆う有機層32と、を備え、上記樹脂層は、上記有機層32の縁部よりも外側(つまり、封止領域8よりも外側)に設けられていてもよい。
 本発明の態様5にかかる表示装置は、上記態様1~4の何れかにおいて、上記支持体は、平面視で四角形状を有し、上記支持体の4つの辺のうち一部の辺と上記表示領域5との間に、上記一部の辺に沿って端子部12Tが設けられており、上記樹脂層は、上記支持体における、少なくとも、上記端子部12Tが設けられていない辺の縁部に面して設けられていてもよい。
 本発明の態様6にかかる表示装置は、上記態様5において、上記樹脂層は、上記表示領域5と上記端子部12Tとの間にさらに設けられていてもよい。
 本発明の態様7にかかる表示装置は、上記態様1~6の何れかにおいて、上記樹脂層は、平面視で上記表示領域5を囲むように枠状に形成されていてもよい。
 本発明の態様8にかかる表示装置は、上記態様1~7の何れかにおいて、平面視で、上記無機層の周縁部と上記支持体の周縁部(全縁部2a)とが重なっていてもよい。
 本発明の態様9にかかる表示装置は、上記態様1~8の何れかにおいて、上記樹脂層は、上記溝部の深さが相対的に浅い浅溝部D1と、上記溝部の深さが相対的に深い深溝部D2とを有していてもよい。
 本発明の態様10にかかる表示装置は、上記態様9において、上記深溝部D2が周期的に設けられていてもよい。
 本発明の態様11にかかる表示装置は、上記態様9または10において、上記浅溝部D1における上記溝部と上記深溝部D2における上記溝部とは、異なる形状を有していてもよい。
 本発明の態様12にかかる表示装置は、上記態様1~11の何れかにおいて、上記樹脂層は、上記樹脂層の幅が相対的に細い細幅部D11と、上記樹脂層の幅が相対的に太い太幅部D12とを有していてもよい。
 本発明の態様13にかかる表示装置は、上記態様12において、上記細幅部D11には、上記溝部として、上記の幅が相対的に細い細溝が設けられており、上記太幅部D12には、上記溝部として、上記の幅が相対的に太い太溝が設けられていてもよい。
 本発明の態様14にかかる表示装置は、上記態様1~11の何れかにおいて、上記樹脂層は、上記溝部の幅が相対的に細い細幅部D11と、上記溝部の幅が相対的に太い太幅部D12とを有していてもよい。
 本発明の態様15にかかる表示装置は、上記態様12~14の何れかにおいて、上記太幅部D12が周期的に設けられていてもよい。
 本発明の態様16にかかる表示装置は、上記態様1~15の何れかにおいて、上記発光素子は、上記表示領域5に設けられた平坦化膜(第1有機絶縁膜パターン部17A)上に設けられており、上記樹脂層は、上記平坦化膜と同じ材料からなり、上記平坦化膜と同層に、上記平坦化膜から離間して設けられていてもよい。
 本発明の態様17にかかる表示装置は、上記態様1~16の何れかにおいて、上記樹脂層は、上記表示領域5を囲む枠状の壁体(バンクBK5)をさらに備え、上記溝部は、上記枠状の壁体を囲んで設けられていてもよい。
 本発明の態様18にかかる表示装置は、上記態様1~17の何れかにおいて、上記溝部の内壁と、上記支持体の表面に平行な面とがなす角度は、70°~120°の範囲内であってもよい。
 本発明の態様19にかかる表示装置は、上記態様1~18の何れかにおいて、上記溝部の深さは、0.5μm~2μmの範囲内であってもよい。
 本発明の態様20にかかる表示装置は、上記態様1~19の何れかにおいて、平面視で上記支持体の縁部に沿った方向に直交する方向の上記溝部の上端の幅をx1とし、上記溝部の上端の幅と同じ方向における上記樹脂層の最表面の幅をx2とし、上記樹脂層上の上記無機層の層厚をt1とすると、t1<x1<x2であってもよい。
 本発明の態様21にかかる表示装置は、上記態様1~20の何れかにおいて、上記溝部は、底部(底部17c2)に平坦な部分を有し、平面視で上記支持体の縁部に沿った方向に直交する方向の上記溝部の底部に平坦な部分の幅をx3とし、上記樹脂層上の上記無機層の層厚をt1とすると、0<x3<t1であってもよい。
 本発明の態様22にかかる表示装置は、上記態様1~21の何れかにおいて、上記溝部の幅は、2μm~5μmの範囲内であってもよい。
 本発明の態様23にかかる表示装置は、上記態様1~22の何れかにおいて、フレキシブル表示装置であってもよい。
 本発明の態様24にかかる表示装置(有機EL表示装置1)の製造方法は、支持体(TFT基板10)と、上記支持体上の表示領域5に設けられた、複数の発光素子(有機EL素子24)と、上記複数の発光素子を封止する封止膜30と、を備えた表示装置の製造方法であって、上記支持体の少なくとも一部を構成するマザー基板50上に、平面視で、上記マザー基板50を個々の表示装置に個片化するために分断する複数の分断予定線(分断ラインDL)のうち少なくとも一部の分断予定線と、上記分断予定線で囲まれた領域内における上記表示領域5との間に、上記少なくとも一部の分断予定線から離間して、上面に溝部(溝部17c1)を有する樹脂層(第3有機絶縁膜パターン部17C)を形成する樹脂層形成工程と、上記封止膜30を形成する封止膜形成工程と、上記封止膜30が形成された上記マザー基板50を、各表示領域5をそれぞれ囲むように上記分断予定線に沿って分断する分断工程と、を含み、上記封止膜形成工程は、無機層(第1無機層31、第2無機層33)を形成する無機層形成工程を含むとともに、上記無機層形成工程では、上記無機層が上記樹脂層を覆うとともに上記少なくとも一部の分断予定線を覆うように、上記無機層を形成することで、上記無機層が、上記溝部内で断裂する。
 本発明の態様25にかかる表示装置の製造方法は、上記態様24において、上記樹脂層形成工程では、上記少なくとも一部の分断予定線に面して上記樹脂層を形成してもよい。
 本発明の態様26にかかる表示装置の製造方法は、上記態様24または25において、上記樹脂層形成工程では、平面視で、上記分断予定線で囲まれた領域の内側に、上記表示領域5を囲むように枠状に上記樹脂層を形成してもよい。
 本発明の態様27にかかる表示装置の製造方法は、上記態様24または25において、上記分断工程では、上記マザー基板50を、上記分断予定線に沿って平面視で四角形状に分断するとともに、上記四角形状の領域の4つの辺にそれぞれ対応する分断予定線のうち一部の分断予定線と、上記分断予定線で囲まれた上記四角形状の領域における表示領域5との間に、上記一部の分断予定線に沿って端子部12Tを形成する端子部形成工程をさらに含み、上記樹脂層形成工程では、上記四角形状の領域の4つの辺のうち、少なくとも、上記端子部12Tが設けられていない辺の上記分断予定線に面して上記樹脂層を形成してもよい。
 本発明の態様28にかかる表示装置の製造方法は、上記態様27において、上記端子部形成工程で形成された端子部12Tを樹脂で覆う端子部被覆工程をさらに含むとともに、上記樹脂層形成工程では、上記四角形状の領域内における上記表示領域5と上記端子部12Tとの間を通って上記表示領域5を囲むように、枠状に上記樹脂層を形成し、上記無機層形成工程では、上記樹脂層および上記各分断予定線が上記無機層で覆われるように、上記マザー基板50上の全面に上記無機層をマスクレスで形成し、上記無機層形成工程の後で、上記端子部12Tの端子TMを露出させる端子出し工程をさらに含んでいてもよい。
 本発明の態様29にかかる表示装置の製造方法は、上記態様28において、上記端子出し工程は、上記端子部12Tにレーザを照射することにより行われてもよい。
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
  1   有機EL表示装置
  2   有機EL基板
  2a  縁部
  3、3R、3G、3B  副画素
  4   画素
  5   表示領域
  6   額縁領域
  7   第2電極接続部
  8   封止領域
 10   TFT基板(支持体)
 12T  端子部
 14   ゲート絶縁膜
 15、16  無機絶縁膜
 17   有機絶縁膜
 17A  第1有機絶縁膜パターン部(平坦化膜)
 17B  第2有機絶縁膜パターン部
 17C  第3有機絶縁膜パターン部(樹脂層)
 17D  第4有機絶縁膜パターン部
 17c1、17c1A、17c1B、17c1C、17c1D  溝部
 17c2  底部
 18   第1樹脂層
 19   第2樹脂層
 21   第1電極
 22   有機EL層(機能層)
 23   第2電極
 24   有機EL素子(発光素子)
 30   封止膜
 31   第1無機層
 32   有機層
 33   第2無機層
 34   断裂部
 50   マザー基板
 BK、BK1、BK2、BK3、BK4、BK5  バンク
 DL   分断ライン(分断予定線)
 D1   浅溝部
 D2   深溝部
 D11  細幅部
 D12  太幅部

Claims (29)

  1.  支持体と、上記支持体上の表示領域に設けられた、複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する封止膜と、を備えた表示装置であって、
     平面視で、上記表示領域と、上記支持体の少なくとも一部の縁部との間に、上記少なくとも一部の縁部から離間して設けられた、上面に溝部を有する樹脂層を備え、
     上記封止膜は、少なくとも無機層を含み、
     上記無機層は、平面視で、上記樹脂層および上記少なくとも一部の縁部を覆っており、上記溝部内で断裂していることを特徴とする表示装置。
  2.  上記樹脂層は、上記無機層が設けられた、上記少なくとも一部の縁部に面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3.  上記表示領域は、複数の副画素を備え、
     上記発光素子は、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極と、がこの順に積層されており、少なくとも上記第1電極が上記副画素毎に設けられており、
     上記表示領域の外側に、上記第2電極に電気的に接続される第2電極接続部を備え、
     上記樹脂層は、上記第2電極接続部よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4.  上記封止膜は、第1無機層と、第2無機層と、上記第1無機層と上記第2無機層との間に封止され、上記表示領域を覆う有機層と、を備え、
     上記樹脂層は、上記有機層の縁部よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の表示装置。
  5.  上記支持体は、平面視で四角形状を有し、
     上記支持体の4つの辺のうち一部の辺と上記表示領域との間に、上記一部の辺に沿って端子部が設けられており、
     上記樹脂層は、上記支持体における、少なくとも、上記端子部が設けられていない辺の縁部に面して設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の表示装置。
  6.  上記樹脂層は、上記表示領域と上記端子部との間にさらに設けられていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7.  上記樹脂層は、平面視で上記表示領域を囲むように枠状に形成されていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の表示装置。
  8.  平面視で、上記無機層の周縁部と上記支持体の周縁部とが重なっていることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の表示装置。
  9.  上記樹脂層は、上記溝部の深さが相対的に浅い浅溝部と、上記溝部の深さが相対的に深い深溝部とを有していることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の表示装置。
  10.  上記深溝部が周期的に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
  11.  上記浅溝部における上記溝部と上記深溝部における上記溝部とは、異なる形状を有していることを特徴とする請求項9または10に記載の表示装置。
  12.  上記樹脂層は、上記樹脂層の幅が相対的に細い細幅部と、上記樹脂層の幅が相対的に太い太幅部とを有していることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の表示装置。
  13.  上記細幅部には、上記溝部として、上記の幅が相対的に細い細溝が設けられており、上記太幅部には、上記溝部として、上記の幅が相対的に太い太溝が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  14.  上記樹脂層は、上記溝部の幅が相対的に細い細幅部と、上記溝部の幅が相対的に太い太幅部とを有していることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の表示装置。
  15.  上記太幅部が周期的に設けられていることを特徴とする請求項12~14の何れか1項に記載の表示装置。
  16.  上記発光素子は、上記表示領域に設けられた平坦化膜上に設けられており、
     上記樹脂層は、上記平坦化膜と同じ材料からなり、上記平坦化膜と同層に、上記平坦化膜から離間して設けられていることを特徴とする請求項1~15の何れか1項に記載の表示装置。
  17.  上記樹脂層は、上記表示領域を囲む枠状の壁体をさらに備え、
     上記溝部は、上記枠状の壁体を囲んで設けられていることを特徴とする請求項1~16の何れか1項に記載の表示装置。
  18.  上記溝部の内壁と、上記支持体の表面に平行な面とがなす角度は、70°~120°の範囲内であることを特徴とする請求項1~17の何れか1項に記載の表示装置。
  19.  上記溝部の深さは、0.5μm~2μmの範囲内であることを特徴とする請求項1~18の何れか1項に記載の表示装置。
  20.  平面視で上記支持体の縁部に沿った方向に直交する方向の上記溝部の上端の幅をx1とし、上記溝部の上端の幅と同じ方向における上記樹脂層の最表面の幅をx2とし、上記樹脂層上の上記無機層の層厚をt1とすると、t1<x1<x2であることを特徴とする請求項1~19の何れか1項に記載の表示装置。
  21.  上記溝部は、底部に平坦な部分を有し、平面視で上記支持体の縁部に沿った方向に直交する方向の上記溝部の底部に平坦な部分の幅をx3とし、上記樹脂層上の上記無機層の層厚をt1とすると、0<x3<t1であることを特徴とする請求項1~20の何れか1項に記載の表示装置。
  22.  上記溝部の幅は、2μm~5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1~21の何れか1項に記載の表示装置。
  23.  フレキシブル表示装置であることを特徴とする請求項1~22の何れか1項に記載の表示装置。
  24.  支持体と、上記支持体上の表示領域に設けられた、複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する封止膜と、を備えた表示装置の製造方法であって、
     上記支持体の少なくとも一部を構成するマザー基板上に、平面視で、上記マザー基板を個々の表示装置に個片化するために分断する複数の分断予定線のうち少なくとも一部の分断予定線と、上記分断予定線で囲まれた領域内における上記表示領域との間に、上記少なくとも一部の分断予定線から離間して、上面に溝部を有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
     上記封止膜を形成する封止膜形成工程と、
     上記封止膜が形成された上記マザー基板を、各表示領域をそれぞれ囲むように上記分断予定線に沿って分断する分断工程と、を含み、
     上記封止膜形成工程は、無機層を形成する無機層形成工程を含むとともに、
     上記無機層形成工程では、上記無機層が上記樹脂層を覆うとともに上記少なくとも一部の分断予定線を覆うように、上記無機層を形成することで、上記無機層が、上記溝部内で断裂することを特徴とする表示装置の製造方法。
  25.  上記樹脂層形成工程では、上記少なくとも一部の分断予定線に面して上記樹脂層を形成することを特徴とする請求項24に記載の表示装置の製造方法。
  26.  上記樹脂層形成工程では、平面視で、上記分断予定線で囲まれた領域の内側に、上記表示領域を囲むように枠状に上記樹脂層を形成することを特徴とする請求項24または25に記載の表示装置の製造方法。
  27.  上記分断工程では、上記マザー基板を、上記分断予定線に沿って平面視で四角形状に分断するとともに、
     上記四角形状の領域の4つの辺にそれぞれ対応する分断予定線のうち一部の分断予定線と、上記分断予定線で囲まれた上記四角形状の領域における表示領域との間に、上記一部の分断予定線に沿って端子部を形成する端子部形成工程をさらに含み、
     上記樹脂層形成工程では、上記四角形状の領域の4つの辺のうち、少なくとも、上記端子部が設けられていない辺の上記分断予定線に面して上記樹脂層を形成することを特徴とする請求項24または25に記載の表示装置の製造方法。
  28.  上記端子部形成工程で形成された端子部を樹脂で覆う端子部被覆工程をさらに含むとともに、
     上記樹脂層形成工程では、上記四角形状の領域内における上記表示領域と上記端子部との間を通って上記表示領域を囲むように、枠状に上記樹脂層を形成し、
     上記無機層形成工程では、上記樹脂層および上記各分断予定線が上記無機層で覆われるように、上記マザー基板上の全面に上記無機層をマスクレスで形成し、
     上記無機層形成工程の後で、上記端子部の端子を露出させる端子出し工程をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の表示装置の製造方法。
  29.  上記端子出し工程は、上記端子部にレーザを照射することにより行われることを特徴とする請求項28に記載の表示装置の製造方法。
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