WO2018066673A1 - 破断判定装置、破断判定プログラム、及びその方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)鋼材の材料特性及び板厚、並びに有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報と、基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値を示す基準成形限界値を示す基準成形限界値情報と、を記憶する記憶部と、
基準成形限界値情報に基づいて、入力情報に含まれる材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成する基準成形限界値生成部と、
鋼材の引張強度を使用して、基準成形限界値を変更して要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成する対象成形限界値生成部と、
入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力するシミュレーション実行部と、
変形情報に含まれる要素のそれぞれの主ひずみを決定する主ひずみ決定部と、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定部と、を有することを特徴とする破断判定装置。
(2)対象成形限界値生成部は、要素サイズと、鋼材の引張強度から得られる第1係数とを使用して成形限界値を予測する、(1)に記載の破断判定装置。
(3)対象成形限界値生成部は、第1係数と、基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び第1係数を含む第2係数と、要素サイズとを使用して要素サイズにおける最大主ひずみを予測する、(2)に記載の破断判定装置。
(4)第2係数は、基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び第1係数の関数である、(3)に記載の破断判定装置。
(5)第2係数は、基準要素サイズにおける最大主ひずみを第1係数で除算した値の対数に比例する、(4)に記載の破断判定装置。
(6)対象成形限界値生成部は、第1係数と、第2係数を指数とし且つ、要素サイズを底とする冪演算の演算結果との積を使用して要素サイズにおける最大主ひずみを予測する、(2)~(5)の何れか1つに記載の破断判定装置。
(7)対象成形限界値生成部は、要素サイズと、鋼材の引張強度から得られる第2係数を使用して成形限界値を予測する、(1)に記載の破断判定装置。
(8)第2係数は、基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び第1係数の関数である、(7)に記載の破断判定装置。
(9)第2係数は、基準要素サイズにおける最大主ひずみを第1係数で除算した値の対数に比例する、(8)に記載の破断判定装置。
(10)対象成形限界値生成部は、要素サイズ及び鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式を使用して対象成形限界値を生成し、
成形限界値予測式は、ρはひずみ比であり、MはFEMによるシミュレーションに用いる解析モデルの要素の大きさを示す要素サイズであり、ε1は要素サイズMにおける最大主ひずみであり、ε2は要素サイズMにおける最小主ひずみであるとき、第1係数k1及び第2係数k2により
(11)破断判定部は、決定された要素の最大主ひずみおよび最小主ひずみが対象成形限界線にて与えられる閾値を超えているときに、要素が破断すると判定する、(1)~(10)の何れか一つに記載の破断判定装置。
(12)対象成形限界値を変更して対象成形限界応力を生成する対象成形限界応力生成部と、
決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを最大主応力及び最小主応力に変換するひずみ応力変換部と、を更に有し、
破断判定部は、変換された要素の最大主応力及び最小主応力が対象成形限界応力を超えているときに、要素が破断すると判定する、(1)~(10)の何れか一つに記載の破断判定装置。
(13)変形シミュレーションは、鋼材によって形成された車両の衝突変形シミュレーションである、(1)~(12)の何れか一つに記載の破断判定装置。
(14)基準となる要素サイズを示す基準要素サイズにおける成形限界線に対応する成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報に含まれる鋼材の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成し、
要素サイズ及び鋼材の引張強度を使用して、基準成形限界値を変更して要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成し、
入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
変形情報に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、ことを含むことを特徴とする破断判定方法。
(15)基準となる要素サイズを示す基準要素サイズにおける成形限界線に対応する成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報に含まれる鋼材の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成し、
要素サイズ及び鋼材の引張強度を使用して、基準成形限界値を変更して要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成し、
入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
変形情報に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする破断判定プログラム。
実施形態に係る破断判定装置は、実測等によって作成された基準成形限界値情報と、有限要素法による要素の入力情報に含まれる材料特性及び板厚によって決定される、基準要素サイズにおける基準成形限界値を、解析モデルにおける要素の大きさである要素サイズと鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式によって変更する。実施形態に係る破断判定装置は、解析モデルにおける要素の大きさである要素サイズと鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式によって変更された対象成形限界値を使用することで、引張強度に応じた対象成形限界値を使用することができる。実施形態に係る破断判定装置は、引張強度に応じた対象成形限界値を使用することができるので、引張強度980MPa以上の超高強度の鋼材の破断を予測することができる。以下、実施形態に係る破断判定装置について説明する前に実施形態に係る破断判定装置における破断判定処理の原理を説明する。
図2は、第1実施形態に係る破断判定装置を示す図である。
図3は、破断判定装置1が衝突変形シミュレーションされた要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定処理のフローチャートである。図3に示す破断判定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部20により破断判定装置1の各要素と協働して実行される。
破断判定装置1は、鋼材の引張強度を使用する成形限界値予測式によって要素サイズに応じて変更された対象成形限界値を使用して破断したか否かを判定するため、要素サイズに依存せず、鋼材の引張強度に応じた正確な破断予測を行うことができる。
図4は、第2実施形態に係る破断判定装置を示す図である。
図5は、破断判定装置2が衝突変形シミュレーションされた要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定処理のフローチャートである。図5に示す破断判定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部30により破断判定装置2の各要素と協働して実行される。
破断判定装置1及び2は、車両の衝突変形シミュレーションにおける破断判定処理を実行するが、実施形態に係る破断判定装置は、鋼板をプレス成形する時の変形シミュレーション等の他のシミュレーションにおいて破断判定処理を実行してもよい。また、説明した例では、解析モデルの要素サイズが均一な場合を例にして説明されたが、実施形態に係る破断判定装置は、部位によって要素サイズが異なる解析モデルを使用してよい。すなわち、実施形態に係る破断判定装置が使用する要素モデルは、複数の要素サイズを含むものであってもよい。
図6は、実施形態に係る破断判定装置の適用例の一例である金型製造システムを示す図である。
Claims (15)
- 鋼材の材料特性及び板厚、並びに有限要素法による前記鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報と、基準となる前記要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値を示す基準成形限界値を示す基準成形限界値情報と、を記憶する記憶部と、
前記基準成形限界値情報に基づいて、前記入力情報に含まれる前記材料特性及び前記板厚に応じた前記基準成形限界値を生成する基準成形限界値生成部と、
前記鋼材の引張強度を使用して、前記基準成形限界値を変更して前記要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成する対象成形限界値生成部と、
前記入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力するシミュレーション実行部と、
前記変形情報に含まれる要素のそれぞれの主ひずみを決定する主ひずみ決定部と、
前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定部と、
を有することを特徴とする破断判定装置。 - 前記対象成形限界値生成部は、前記要素サイズと、前記鋼材の引張強度から得られる第1係数とを使用して前記成形限界値を予測する、請求項1に記載の破断判定装置。
- 前記対象成形限界値生成部は、前記第1係数と、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び前記第1係数を含む第2係数と、前記要素サイズとを使用して前記要素サイズにおける最大主ひずみを予測する、請求項2に記載の破断判定装置。
- 前記第2係数は、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び前記第1係数の関数である、請求項3に記載の破断判定装置。
- 前記第2係数は、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみを前記第1係数で除算した値の対数に比例する、請求項4に記載の破断判定装置。
- 前記対象成形限界値生成部は、前記第1係数と、前記第2係数を指数とし且つ、前記要素サイズを底とする冪演算の演算結果との積を使用して前記要素サイズにおける最大主ひずみを予測する、請求項2~5の何れか1項に記載の破断判定装置。
- 前記対象成形限界値生成部は、前記要素サイズと、前記鋼材の引張強度から得られる第2係数とを使用して前記成形限界値を予測する、請求項1に記載の破断判定装置。
- 前記第2係数は、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみ及び前記第1係数の関数である、請求項7に記載の破断判定装置。
- 前記第2係数は、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみを前記第1係数で除算した値の対数に比例する、請求項8に記載の破断判定装置。
- 前記対象成形限界値生成部は、前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式を使用して前記対象成形限界値を生成し、
前記成形限界値予測式は、ρはひずみ比であり、MはFEMによるシミュレーションに用いる解析モデルの要素の大きさを示す要素サイズであり、ε1は要素サイズMにおける最大主ひずみであり、ε2は要素サイズMにおける最小主ひずみであるとき、第1係数k1及び第2係数k2により
- 前記破断判定部は、前記決定された要素の最大主ひずみおよび最小主ひずみが前記対象成形限界線にて与えられる閾値を超えているときに、要素が破断すると判定する、請求項1~10の何れか一項に記載の破断判定装置。
- 前記対象成形限界値を変更して対象成形限界応力を生成する対象成形限界応力生成部と、
前記決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを最大主応力及び最小主応力に変換するひずみ応力変換部と、を更に有し、
前記破断判定部は、前記変換された要素の最大主応力及び最小主応力が前記対象成形限界応力を超えているときに、要素が破断すると判定する、請求項1~10の何れか一項に記載の破断判定装置。 - 前記変形シミュレーションは、前記鋼材によって形成された車両の衝突変形シミュレーションである、請求項1~12の何れか一項に記載の破断判定装置。
- 基準となる要素サイズを示す基準要素サイズにおける成形限界線に対応する成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報に含まれる前記鋼材の材料特性及び板厚に応じた前記基準成形限界値を生成し、
前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度を使用して、前記基準成形限界値を変更して前記要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成し、
前記入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
前記変形情報に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、
ことを含むことを特徴とする破断判定方法。 - 基準となる要素サイズを示す基準要素サイズにおける成形限界線に対応する成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報に含まれる前記鋼材の材料特性及び板厚に応じた前記基準成形限界値を生成し、
前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度を使用して、前記基準成形限界値を変更して前記要素サイズにおける成形限界値を予測して対象成形限界値を生成し、
前記入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
前記変形情報に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記対象成形限界値により規定される対象成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする破断判定プログラム。
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