JP4818786B2 - 破断限界取得システム及び方法、破断予測システム及び方法、並びにこれら方法のプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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FLD予測手法としては、Hillの局部くびれモデルとSwiftの拡散くびれモデルの併用、Marciniak-Kuczynski法、
などがあり、Keelerの経験則で板厚の影響を補正することで得られる。従来の破断評価方法は、これら破断限界線と塑性変形過程の有限要素法によるシミュレーションの結果から得られる各部位の歪み状態との位置関係を比較することで評価し、変形過程の歪みがこの限界歪みに達したときに破断、もしくは、その危険性が高いと判断する。
本実施形態では、本発明を金属材料からなる薄板の破断限界の取得に適用した具体例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(1)比例負荷経路で得られる歪み空間のFLDは、単軸引張試験から得られる応力―歪み曲線と素材の板厚、もしくは応力―歪み曲線と素材の板厚および応力増分依存性を規定するパラメータKCを用いて高い精度で予測することができ、これにより多種の鋼板メニューと板厚に対して歪み空間でのFLDデータベースを簡便かつ効率的に構築することができること。
(2)この比例負荷経路で得られる歪み空間でのFLDを応力空間に変換し、応力空間で破断を判定することにより1つ以上の変形経路変化を含む過程における破断判定が可能なこと。
以下、本実施形態の概括的構成について説明する。
先ず、実験的に歪み空間の破断限界線を測定する手法について説明する。
以下の表1に示す機械的特性値と材料パラメータを持つ金属材料からなる鋼板を対象として、比例負荷実験により破断限界歪みを測定した。ここで、tは薄板の厚み、YPは降伏強さ、TSは引張り強さ、U.Elは均一伸び、Elは全伸び、rmは平均r値(ランクフォード値を示し、圧延方向のr値をr0,圧延方向に対し45゜方向のr値をr45,圧延方向に対し90゜方向のr値をr90とした場合、rm=(r0+2r45+r90)/4で表される。)、K,ε0,nは単軸引張試験から得られる応力−ひずみ曲線を
図3に、上記の実験により測定した歪み空間の破断限界線を含むFLDを示す。
FLD推定方法としては、Hillの局部くびれモデルとSwiftの拡散くびれモデルの併用、シュテーレン−ライスモデル(1975、J.Mech.Phys.Solids、23、421)などがあり、Keelerの経験則で板厚の影響を補正することで得られる。以下に、具体的な計算方法を説明する。まず、
Swiftの拡散くびれモデルより予測精度に大幅な改善が見られるものの、十分な精度を確保することは困難である。伊藤ら(非特許文献4を参照)は、Misesの2次降伏関数を塑性ポテンシャルとする垂直則では応力増分テンソルと塑性歪み増分テンソルが1対1に対応せず、応力方向の急激な変化に対して塑性歪み増分方向が追従しないという欠点を克服するため、塑性歪み増分テンソルの方向が応力増分テンソルに依存する構成式を提案している。この構成式では、塑性歪み増分の応力増分依存性を規定するパラメータKCが必要であるが、KCの物理的背景は不明瞭であり、パラメータの導出方法についても提案されていない。
(1)等2軸引張変形での破断限界最大主歪みε1と破断限界最小主歪みε2の測定値に基づいて材料パラメータKCを同定すれば高い精度でFLDを予測できること。
(2)KCは板厚に依存しないため材料の引張り強さや鋼板の強化機構ごとに必要最低限のKCを求めておけばよいこと。
なお、当然のことながら、Keelerの板厚補正則の代わりに実験により測定した平面歪みでの破断限界歪みε1 *を用いて補正する方がより高い予測精度を確保することができる。しかしながら、素材の単軸引張試験による応力―歪み曲線のみで多種の鋼板メニューと板厚に対するFLDデータベースを構築できるという観点からは、Keelerの板厚補正則を用いた方が効率的である。
表1に示す鋼板を対象に、比例負荷経路での破断限界線は上記した方法で予測し、変形経路変化下での破断限界線は、1次変形として圧延方向に10%の引張を施した後、1次引張方向より90゜の方向が最大主応力となるよう単軸引張、中島法(テフロン(登録商標)シートを用いた球頭張出し)、液圧バルジ試験により破断歪みを測定した。
以下、上述した本実施形態の概括的構成を踏まえ、具体的な緒実施例について図面を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態のネットワークシステムの全体構成を示す模式図である。図中、100はインターネットやイントラネット等のネットワークである。
201はCPUであり、データの送受信、結合等を行うため、バス206を介して各種構成要素を制御する。このバス206を介して、各種構成要素間相互のアドレス信号、制御信号、各種データ等の転送が行われる。
204はハードディスク記憶装置等の記憶装置であり、205はインターネット等のネットワーク100に接続するためのネットワークインターフェースである。
同図において、301はCPUであり、データの送受信、結合等を行うため、バス308を介して各種構成要素を制御する。このバス308を介して、各種構成要素間相互のアドレス信号、制御信号、各種データ等の転送が行われる。
この破断限界取得装置は、金属材料からなる薄板について、1つ以上の変形経路変化を含む過程における薄板の破断限界を判定するものであり、比例負荷経路で得られた歪み空間の破断限界線を応力空間の破断限界線に変換する変換部1と、変換部1により得られた応力空間の破断限界線を応力FLDとして表示する表示部2とを備えて構成されている。
先ず、ユーザによりユーザ端末101に入力された材料データ、例えば薄板の材料と連動して、変換部1は、例えばMisesの降伏関数を用いて、実験的に測定された歪み空間の破断限界線を応力空間の破断限界線に変換する(ステップS1)。
図13は、実施例2による破断限界取得装置の機能を有するサーバコンピュータ102の主要構成を示すブロック図である。なお、実施例1の図11と同一の構成部材については同符号を付し、詳しい説明を省略する。
先ず、ユーザにより、ユーザ端末101に材料データ、例えば薄板の材料及び機械的特性値(t,YP,TS,El,U.El,r値、n乗硬化則/Swift硬化則)が入力される。
ここで、実施例2の変形例について説明する。この変形例では、図15に示すように、実施例2の破断限界取得装置において、第1の推定部11の代わりに第2の推定部12が設けられている。
本例では、図8に示したネットワークシステムの全体構成、及び図10に示したユーザ端末101のハードウェア構成については、上述の実施例1,2(及び変形例)と同様であるが、サーバコンピュータ102の構成が若干異なる。
先ず、ユーザにより、ユーザ端末101に材料データ、例えば薄板の材料、規格値である強度及び厚みが入力される。
本実施形態では、本発明を金属材料からなる薄板の破断予測に適用した具体例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(1) 440MPa以上の引張強さの高強度鋼板について詳細な実験を行い、応力空間内で表記した破断限界線を用いると変形の経路によらず、単一の破断限界線で表現できること。
(2) 応力空間に表記した破断限界線を用いることで、プレス成形やプレス成形での予変形を受けた自動車車体部品の衝突のように、変形経路が大きく変化するような塑性変形過程の破断評価を高い精度で予測できること。
以下、本実施形態の概括的構成について説明する。
第1の実施形態と同様に、表1に示す鋼板を対象に、(1)比例負荷経路での破断限界歪み、(2)変形経路変化下での破断限界歪みを測定した。ここで、tは薄板の厚み、YPは降伏強さ、TSは引張り強さ、U.Elは均一伸び、Elは全伸び、rmは平均r値(ランクフォード値を示し、圧延方向のr値をr0,圧延方向に対し45゜方向のr値をr45,圧延方向に対し90゜方向のr値をr90とした場合、rm=(r0+2r45+r90)/4で表される。)、K,ε0,nは単軸引張試験から得られる応力−ひずみ曲線を
座標変換テンソルをRとすると、(1)実験座標系で計測した歪み成分εijは座標変換則により材料座標系を基準座標とした歪み成分
を求め、最後に、(3)座標変換則を用いて実験座標系を基準座標とした応力成分
歪み空間のFLDは変形経路に依存し破断限界線は大きく変化するが、応力空間に表記した破断限界線は単一の破断限界線となる。
有限要素法(FEM)による数値シミュレーションで材料の破断を予測するには、以下に示す技術的な課題がある。
(1)実験により測定したFLDは、評点間距離や摩擦状態の影響を強く受けるため、これを破断判定基準として用いる場合、数値シミュレーションの解析条件に合わせ補正が必要である。
(2)数値シミュレーションでは、均一変形までの歪みの増加は正確にシミュレーションできるが、板厚程度の領域に生じる局部くびれや、さらに狭い領域内に歪みが局所化したせん断帯をシミュレーションするためには有限要素を十分細分化しなければならず、現状の計算機能力では予測が困難である。
(3)汎用ソフトウェアで標準的に採用されている材料構成則では歪みの局所化が遅れるため、実測したFLDを破断判定基準とした場合、危険側での評価を与える。
成形初期からポンチストローク25mm程度までは要素サイズ、材料構成式の影響がほとんど現れないが、歪みの局所化が始まる25mm以降では、これらの影響が顕著となる。
破断判定基準に実測したFLDを用いた場合、歪みの局所化過程を正確にシミュレーションできないため、破断の予測精度は高くない。一方、局部くびれ発生限界を破断限界に用いた場合、要素サイズや用いる材料構成式によらず比較的高い精度で予測可能であり、かつ安全側の評価を得ることができる。これは、薄鋼板の延性破壊は局部くびれにより変形が局所化した位置で発生し、局部くびれが発生すると極めて短時間で破断に至るため、実用上は局部くびれ発生限界を破断判定基準に用いればよいことを示唆している。
表1に示す鋼板を対象に、1次変形として圧延方向に10%の引張を施した後、球頭張出し成形により平面歪み変形を施すような非線形経路での破断予測事例を示す。
図23に数値シミュレーションにより得られた成形過程の応力履歴と歪み空間でのくびれ開始線を応力空間に変換した破断限界線の関係を示す。
従来のFLDによる破断予測方法では、変形経路に依存し破断限界線が大きく変化するため高い精度で予測することは困難であるが、本発明を適用することで変形経路が変化する場合でも良好な精度で破断を予測できることが判る。なお、本発明は、有限要素法を用いた数値シミュレーションの代わりに、実験の歪み測定結果を応力に変換した値と破断限界線の位置関係を比較することでも破断を評価することが可能である。
表1に示す鋼板を対象に、図25に示すハット断面で長さ900mmの部材の3点曲げ衝突解析において本発明の破断予測方法を適用した。
図27に相当塑性歪みと歪み速度に応じた相当応力の関係を、図28に応力空間での動的な破断応力限界線と衝突シミュレーションから得られる動的な応力の位置関係をそれぞれ示す。
従来のFLDによる破断予測方法ではプレス成形での予変形を受けた後の衝突現象のように変形経路が大きく変化するような塑性変形過程は高い精度で予測することが困難であったが、本発明を適用することでプレス成形後の衝突プロセスでも良好な精度で破断を予測できることが判る。
以下、上述した本発明の概括的構成を踏まえ、具体的な実施例について図面を参照しながら説明する。
本例では、図8に示したネットワークシステムの全体構成、図9に示したサーバコンピュータ102のハードウェア構成、及び図10に示したユーザ端末101のハードウェア構成については、第1の実施形態による実施例1,2(及び変形例)と同様であるが、サーバコンピュータ102の機能が異なる。
この破断予測装置は、金属材料からなる薄板について、1つ以上の変形経路変化を含む過程における薄板の破断発生の有無を予測するものであり、比例負荷経路で歪み空間の破断限界線を推定する推定部21と、比例負荷経路で得られた歪み空間の破断限界線を応力空間の破断限界線に変換する変換部22と、応力空間の破断限界線により破断発生の有無を判断する破断判定部23と、破断判定部23による判定結果等を表示する表示部24とを備えて構成されている。
先ず、ユーザによりユーザ端末101に入力された材料データ、例えば薄板の材料及び機械的特性値(t,YP,TS,El,U.El,r値、n乗硬化則/Swift硬化則)に基づき、推定部21は、比例負荷経路で歪み空間の破断限界線を推定する(ステップS31)。
要素ID、薄板の板厚、歪み、応力情報をログファイルに出力する。更に、クライテリアに達した要素を消去し、破断後の解析を継続する。
薄板に破断が生じる危険性がスカラー量でコンター表示される。また、応力空間で破断危険部位の応力履歴及びクライテリアが表示される。併せて、薄板におけるシワ発生の危険性もコンター表示される。ここで、出荷試験値の規格内におけるばらつき(平均値、下限値)に対して、破断の危険性を表示するようにしても良い。
そして、破断判定部23は、薄板の変形応力の速度依存性を考慮して数値解析を実行し、当該数値解析から得られた塑性歪みを変換して基準歪み速度における応力を算出し、基準歪み速度に対応した応力空間の破断限界線と比較し、破断、もしくは、その危険性を判断する(ステップS41)。
要素ID、薄板の板厚、歪み、応力情報をログファイルに出力する。更に、クライテリアに達した要素を消去し、破断後の解析を継続する。
薄板に破断が生じる危険性がスカラー量でコンター表示される。また、応力空間で破断危険部位の応力履歴及びクライテリアが表示される。併せて、薄板におけるシワ発生の危険性もコンター表示される。ここで、出荷試験値の規格内におけるばらつき(平均値、下限値)に対して、破断の危険性を表示するようにしても良い。
上述した第1の実施形態における実施例1,2(及び変形例)、実施例3等による破断限界取得装置を構成する各構成要素(表示部2を除く)の機能、及び第2の実施形態における実施例等による破断予測装置を構成する各構成要素(表示部24を除く)の機能は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、第1の実施形態における破断限界取得方法の各ステップ(図12のステップS1〜S2,図14のステップS11〜S13、図19のステップS21〜S24等)、及び第2の実施形態における破断予測方法の各ステップ(図31のステップS31〜S36,図32のステップS41〜S44等)は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
2,24 表示部
11 第1の推定部
12 第2の推定部
13 第3の推定部
14 算出部
21 推定部
23 破断判定部
Claims (73)
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されてなり、金属材料からなる薄板の破断限界を判定するために用いる破断限界線を取得する破断限界取得システムであって、
1つ以上の変形経路変化を含む過程における前記薄板の破断限界を判定するに際して、
前記サーバは、前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、比例負荷経路で得られた歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換する変換手段を含み、
前記ユーザ端末は、前記サーバに前記材料データを提供し、前記サーバから前記第2の破断限界線のデータを取得することを特徴とする破断限界取得システム。 - 前記変換手段は、前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換する際に、塑性歪み増分方向が降伏曲面に対して垂直方向に規定される塑性歪み増分の垂直則を用いることを特徴とする請求項1に記載の破断限界取得システム。
- 前記第1の破断限界線は、前記薄板について複数の面内歪み比を比例負荷実験により求めた後、それぞれの歪み比における破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値を用いて得られるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の破断限界取得システム。
- 前記第2の推定手段は、1つ以上の破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値に基づいて、前記材料パラメータKCを同定することを特徴とする請求項6に記載の破断限界取得システム。
- 前記サーバは、
前記ユーザ端末から入力された前記材料データに基づき、各種の特性データを記憶するデータベースを用いて、前記第1の破断限界線を推定する第3の推定手段と、
前記各特性データの所定規格内における品質ばらつき分布の上限値、下限値及び平均値をそれぞれ算出する算出手段と
を更に含み、
前記変換手段は、算出された前記各特性データの前記上限値、下限値及び平均値に基づき、前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の破断限界取得システム。 - 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の破断限界取得システム。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されており、金属材料からなる薄板の破断限界を判定するために用いる破断限界線を取得する破断限界取得方法であって、
1つ以上の変形経路変化を含む過程における前記薄板の破断限界を判定するに際して、
前記ユーザ端末により、前記サーバに前記材料データを提供するステップと、
前記サーバにより、前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、比例負荷経路で得られた歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換するステップと、
前記サーバにより、前記ユーザ端末に前記第2の破断限界線のデータを提供するステップと
を含むことを特徴とする破断限界取得方法。 - 前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、塑性歪み増分方向が降伏曲面に対して垂直方向に規定される塑性ひずみ増分の垂直則を用いることを特徴とする請求項12に記載の破断限界取得方法。
- 前記比例負荷経路で前記第1の破断限界線を得る際に、前記薄板について複数の面内歪み比を比例負荷実験により求めた後、それぞれの歪み比における破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値を用いることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の破断限界取得方法。
- 1つ以上の破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値に基づいて、前記材料パラメータKCを同定することを特徴とする請求項17に記載の破断限界取得方法。
- 前記比例負荷経路で前記第1の破断限界線を得る際に、
前記ユーザ端末から入力された前記材料データに基づき、各種の特性データを記憶するデータベースを用いて、前記第1の破断限界線を推定し、
前記各特性データの所定規格内における品質ばらつき分布の上限値、下限値及び平均値をそれぞれ算出し、
前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、算出された前記各特性データの前記上限値、下限値及び平均値に基づき、前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の破断限界取得方法。 - 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項12〜20のいずれか1項に記載の破断限界取得方法。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されてなり、金属材料からなる薄板について、1つ以上の変形経路変化を含む過程における前記薄板の破断限界を判定するシステムを利用して、
前記サーバにおいて、
前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、比例負荷経路で得られた歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換するステップと、
前記ユーザ端末に前記応力空間の破断限界線のデータを提供するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、塑性歪み増分方向が降伏曲面に対して垂直方向に規定される塑性ひずみ増分の垂直則を用いることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
- 前記比例負荷経路で前記第1の破断限界線を得る際に、前記薄板について複数の面内歪み比を比例負荷実験により求めた後、それぞれの歪み比における破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値を用いることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載のプログラム。
- 1つ以上の破断限界最大主歪みε1及び破断限界最小主歪みε2の測定値に基づいて、前記材料パラメータKCを同定することを特徴とする請求項27に記載のプログラム。
- 前記比例負荷経路で前記第1の破断限界線を得る際に、
前記ユーザ端末から入力された前記材料データに基づき、各種の特性データを記憶するデータベースを用いて、前記第1の破断限界線を推定し、
前記各特性データの所定規格内における品質ばらつき分布の上限値、下限値及び平均値をそれぞれ算出し、
前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、算出された前記各特性データの前記上限値、下限値及び平均値に基づき、前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換することを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項22〜30のいずれか1項に記載のプログラム。
- 請求項22〜31のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されてなり、金属材料からなる薄板の破断限界を評価する破断予測システムであって、
1つ以上の変形経路変化に応じた塑性変形過程における前記薄板の破断発生を予測するに際して、
前記サーバは、
前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換する変換手段と、
得られた前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を予測する予測手段と
を含み、
前記ユーザ端末は、前記サーバに前記材料データを提供し、前記サーバから前記破断発生の有無に関する予測データを取得することを特徴とする破断予測システム。 - 前記予測手段は、前記薄板の変形状態を数値解析により評価し、得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項33に記載の破断予測システム。
- 複数の前記塑性変形過程の各々に対応して前記薄板の破断発生を予測するに際して、
前段階の前記塑性変形過程において前記数値解析により評価された前記薄板の変形状態を、後段階の前記塑性変形過程における前記数値解析の初期条件として引き継ぐことを特徴とする請求項34に記載の破断予測システム。 - 前記薄板の変形状態は、前記薄板の板厚及び相当塑性歪み、或いは前記板厚、相当塑性歪み、応力テンソル及び歪みテンソルであることを特徴とする請求項35に記載の破断予測システム。
- 前記前段階の前記塑性変形過程は前記薄板の成形過程であり、前記後段階の前記塑性変形過程は前記薄板の衝突過程であることを特徴とする請求項35又は36に記載の破断予測システム。
- 前記第1の破断限界線は、実験から得られるものであることを特徴とする請求項33〜37のいずれか1項に記載の破断予測システム。
- 前記サーバは、前記第1の破断限界線を、機械的特性値から理論的に推定する推定手段を更に含むことを特徴とする請求項33〜37のいずれか1項に記載の破断予測システム。
- 前記変換手段は、前記歪み空間におけるくびれ開始線を前記応力空間に変換し、前記第2の破断限界線を取得することを特徴とする請求項39に記載の破断予測システム。
- 前記予測手段は、実験により評価された前記薄板の変形状態から得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項33に記載の破断予測システム。
- 前記数値解析の手法として有限要素法を用いることを特徴とする請求項34〜40のいずれか1項に記載の破断予測システム。
- 前記数値解析の手法として前記有限要素法の1つである動的陽解法を用いる場合に、前記動的陽解法により得られる塑性歪みを応力に変換し、前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項42に記載の破断予測システム。
- 前記予測手段は、前記薄板の変形応力の速度依存性を考慮して前記数値解析を実行し、当該数値解析から得られた塑性歪みを変換して基準歪み速度における応力を算出し、前記基準歪み速度に対応した前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項33〜40,42,43のいずれか1項に記載の破断予測システム。
- 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項33〜44のいずれか1項に記載の破断予測システム。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されており、金属材料からなる薄板の破断限界を評価する破断予測方法であって、
1つ以上の変形経路変化に応じた塑性変形過程における前記薄板の破断発生を予測するに際して、
前記ユーザ端末により、前記サーバに前記材料データを提供するステップと、
前記サーバにより、前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換するステップと、
前記サーバにより、得られた前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を予測するステップと、
前記ユーザ端末により、前記サーバから前記破断発生の有無に関する予測データを取得するステップと
を含むことを特徴とする破断予測方法。 - 前記破断発生の有無を予測するステップにおいて、
前記薄板の変形状態を数値解析により評価し、得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項46に記載の破断予測方法。 - 複数の前記塑性変形過程の各々に対応して前記薄板の破断発生を予測するに際して、
前段階の前記塑性変形過程において前記数値解析により評価された前記薄板の変形状態を、後段階の前記塑性変形過程における前記数値解析の初期条件として引き継がせることを特徴とする請求項47に記載の破断予測方法。 - 前記薄板の変形状態は、前記薄板の板厚及び相当塑性歪み、或いは前記板厚、相当塑性歪み、応力テンソル及び歪みテンソルであることを特徴とする請求項48に記載の破断予測方法。
- 前記前段階の前記塑性変形過程は前記薄板の成形過程であり、前記後段階の前記塑性変形過程は前記薄板の衝突過程であることを特徴とする請求項48又は49に記載の破断予測方法。
- 前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、
前記第1の破断限界線は、実験から得られるものであることを特徴とする請求項46〜50のいずれか1項に記載の破断予測方法。 - 前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、
前記第1の破断限界線を、機械的特性値から理論的に推定することを特徴とする請求項46〜50のいずれか1項に記載の破断予測方法。 - 前記歪み空間におけるくびれ開始線を前記応力空間に変換し、前記第2の破断限界線を取得することを特徴とする請求項52に記載の破断予測方法。
- 前記破断発生を予測するステップにおいて、
実験により評価された前記薄板の変形状態から得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項46に記載の破断予測方法。 - 前記数値解析の手法として有限要素法を用いることを特徴とする請求項47〜53のいずれか1項に記載の破断予測方法。
- 前記数値解析の手法として前記有限要素法の1つである動的陽解法を用いる場合に、前記動的陽解法により得られる塑性歪みを応力に変換し、前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項55に記載の破断予測方法。
- 前記破断発生を予測するステップにおいて、
前記薄板の変形応力の速度依存性を考慮して前記数値解析を実行し、当該数値解析から得られた塑性歪みを変換して基準歪み速度における応力を算出し、前記基準歪み速度に対応した前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項46〜53,55,56のいずれか1項に記載の破断予測方法。 - 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項46〜57のいずれか1項に記載の破断予測方法。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されてなり、金属材料からなる薄板について、1つ以上の変形経路変化に応じた塑性変形過程における前記薄板の破断発生を予測するシステムを利用して、
前記サーバにおいて、
前記ユーザ端末から入力された材料データに応じて、歪み空間の第1の破断限界線を応力空間の第2の破断限界線に変換するステップと、
前記サーバにより、得られた前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を予測するステップと、
前記ユーザ端末により、前記サーバから前記破断発生の有無に関する予測データを取得するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記破断発生の有無を予測するステップにおいて、
前記薄板の変形状態を数値解析により評価し、得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項59に記載のプログラム。 - 複数の前記塑性変形過程の各々に対応して前記薄板の破断発生を予測するに際して、
前段階の前記塑性変形過程において前記数値解析により評価された前記薄板の変形状態を、後段階の前記塑性変形過程における前記数値解析の初期条件として引き継がせることを特徴とする請求項60に記載のプログラム。 - 前記薄板の変形状態は、前記薄板の板厚及び相当塑性歪み、或いは前記板厚、相当塑性歪み、応力テンソル及び歪みテンソルであることを特徴とする請求項61に記載のプログラム。
- 前記前段階の前記塑性変形過程は前記薄板の成形過程であり、前記後段階の前記塑性変形過程は前記薄板の衝突過程であることを特徴とする請求項61又は62に記載のプログラム。
- 前記第1の破断限界線を前記第2の破断限界線に変換するステップにおいて、
前記第1の破断限界線は、実験から得られるものであることを特徴とする請求項59〜63のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記第1の破断限界線を前記応力空間の破断限界線に変換するステップにおいて、
前記第1の破断限界線を、機械的特性値から理論的に推定することを特徴とする請求項59〜63のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記歪み空間におけるくびれ開始線を前記応力空間に変換し、前記第2の破断限界線を取得することを特徴とする請求項65に記載のプログラム。
- 前記破断発生を予測するステップにおいて、
実験により評価された前記薄板の変形状態から得られた歪みを応力に換算し、前記第2の破断限界線を用いて前記破断発生の有無を定量的に評価することを特徴とする請求項59に記載のプログラム。 - 前記数値解析の手法として有限要素法を用いることを特徴とする請求項60〜66のいずれか1項に記載のプログラム。
- 前記数値解析の手法として前記有限要素法の1つである動的陽解法を用いる場合に、前記動的陽解法により得られる塑性歪みを応力に変換し、前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項68に記載のプログラム。
- 前記破断発生を予測するステップにおいて、
前記薄板の変形応力の速度依存性を考慮して前記数値解析を実行し、当該数値解析から得られた塑性歪みを変換して基準歪み速度における応力を算出し、前記基準歪み速度に対応した前記第2の破断限界線と比較することを特徴とする請求項59〜66,68,69のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記薄板は、引張り強さが440MPa級以上の高強度材料からなるものであることを特徴とする請求項59〜70のいずれか1項に記載のプログラム。
- 請求項59〜71のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて所期のデータを当該ユーザ端末に提供するサーバとがネットワークを介して接続されてなり、金属材料からなる薄板の破断限界を評価する破断予測方法であって、
1つ以上の変形経路変化に応じた塑性変形過程における前記薄板の破断発生を予測するに際して、
請求項12〜21のいずれか1項に記載の破断限界取得方法の各ステップを実行した後、前記サーバにより、取得された前記第2の破断限界線のデータを用いて、前記破断発生の有無を予測することを特徴とする破断予測方法。
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