WO2018016032A1

WO2018016032A1 - エレベータ

Info

Publication number: WO2018016032A1
Application number: PCT/JP2016/071280
Authority: WO
Inventors: 英樹入山
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2016-07-20
Filing date: 2016-07-20
Publication date: 2018-01-25

Abstract

この発明は、制御盤の高さの制約をなくし、乗りかご内の意匠の制約や損傷の発生をなくし、工具などの昇降路内への落下事故の発生を抑制できるとともに、保守点検作業性を向上できるエレベータを得る。　この発明のエレベータは、乗りかごは、前記乗りかごの上部の一辺に沿って立設する作動位置と前記乗りかごの上部に沿った退避位置との間を遷移可能に構成された可動安全柵を備え、昇降路内機器は、鉛直上方から見て、前記乗りかごの側が前記一辺から前記乗りかごの上部に入り込む保守点検位置と、鉛直上方から見て、前記乗りかごから離れた通常位置と、の間を移動可能に構成され、安全手摺が、前記昇降路内機器の幅方向の両側に前記昇降路内機器に沿って配置された格納位置と、長さ方向を水平方向として、前記昇降路内機器の幅方向の両側に延びる展開位置と、の間を遷移可能に構成されている。

Description

エレベータ

　この発明は、エレベータに関し、特に、昇降路壁に取り付けられた制御盤などの昇降路内機器の保守点検作業性を高めることができるエレベータの構造に関するものである。

　機械室を有しない従来のエレベータでは、昇降路壁に設置されて、乗りかごの昇降を制御する制御盤と、制御盤と対向する乗りかごの側面壁に設けられた点検口と、制御盤を点検口から乗りかご内に移動させるためのスライド移動機構と、を備えていた（例えば、特許文献１参照）。この従来のエレベータでは、保守点検時に、点検口が制御盤と相対するように乗りかごを移動させ、点検口を解錠し、点検口から制御盤を乗りかご内にスライド移動させ、乗りかご内で制御盤内の保守対象機器の保守点検を行っていた。

　また、機械室を有しない従来の他のエレベータでは、昇降路壁に設置されて、乗りかごの昇降を制御する制御盤が、制御盤本体と、軸方向を鉛直方向とする軸周りに回動可能に制御盤本体に取り付けられて、制御盤本体の前面の上半分を覆う上部扉と、軸方向を鉛直方向とする軸周りに回動可能に、かつ鉛直方向にスライド移動可能に制御盤本体に取り付けられて、制御盤本体の前面の下半分を覆う下部扉と、を備えていた（例えば、特許文献２参照）。この従来の他のエレベータでは、保守点検時には、乗りかごを制御盤の下方位置に移動させ、作業員が乗りかごの上に乗り込み、上部扉を回動して制御盤本体の前面の上半分を開放し、下部扉を回動して、あるいは鉛直方向の下方にスライド移動して制御盤本体の前面の下半分を開放し、制御盤本体内の保守対象機器の保守点検を行っていた。

特開２００７－３１１０９号公報特開２００７－１０６５１２号公報

　特許文献１による従来のエレベータでは、点検口から制御盤を乗りかご内に移動していたので、制御盤の鉛直方向長さ、すなわち高さが必然的に制約されるという課題があった。また、乗りかごの側面壁に点検口を設けていたので、乗りかご内の意匠が制約されるという課題もあった。さらに、乗りかご内で保守点検していたので、乗りかご内の意匠を傷つける恐れがあった。

　特許文献２による従来の他のエレベータでは、制御盤本体の下部扉の回動動作が乗りかごの上部の安全柵と干渉するような場合には、下部扉を下方にスライド移動させ、安全柵の隙間から保守点検することになり、保守点検作業性が低下するという課題があった。また、保守点検作業中に、工具、電気部品などの昇降路内への落下を引き起こすという課題もあった。

　この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、乗りかごの上部に昇降路内機器を入り込ませて保守点検できるようにし、昇降路内機器の高さの制約をなくし、乗りかご内の意匠の制約や損傷の発生をなくし、工具、電気部品などの昇降路内への落下事故の発生を抑制できるとともに、保守点検作業性を向上させることができるエレベータを得ることを目的とする。

　この発明のエレベータは、昇降路内に配設された昇降路内機器と、前記昇降路内に昇降可能に配設された乗りかごと、を備え、前記乗りかごは、前記乗りかごの上部の一辺に沿って立設する作動位置と前記乗りかごの上部に沿った退避位置との間を遷移可能に前記乗りかごに取り付けられた可動安全柵、および前記乗りかごの上部の、前記可動安全柵が取り付けられていない辺に沿って立設するように前記乗りかごに取り付けられた固定安全柵と、を備え、前記昇降路内機器は、鉛直上方から見て、前記乗りかごの側が前記一辺から前記乗りかごの上部に入り込む保守点検位置と、鉛直上方から見て、前記乗りかごから離れた通常位置と、の間を移動可能に、前記乗りかごの前記一辺と相対する昇降路壁に取り付けられ、安全手摺が、前記昇降路内機器の幅方向の両側に前記昇降路内機器に沿って配置された格納位置と、長さ方向を水平方向として、前記昇降路内機器の幅方向の両側に延びる展開位置と、の間を遷移可能に前記昇降路内機器に取り付けられている。

　この発明によれば、昇降路内機器が乗りかごの上部に入り込んだ状態で、昇降路内機器を保守点検できるので、昇降路内機器の高さの制約がなくなり、乗りかご内の意匠の制約や損傷の発生がなくなるとともに、工具、電気部品などの昇降路内への落下事故の発生を抑制できる。
　また、可動安全柵が作動位置と退避位置との間を遷移可能に構成されている。そこで、昇降路内機器が乗りかごの上部に入り込む保守点検位置に位置した後に、可動安全柵を退避位置に位置させることで、昇降路内機器の前面扉を可動安全柵に干渉されることなく、開けることができる。さらに、可動安全柵に邪魔されることなく、昇降路内機器を保守点検できる。これにより、昇降路内機器の保守点検作業性を向上させることができる。

この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する上面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する側面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける安全手摺の展開状態を示す正面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける可動安全柵の固定機構周りを示す要部上面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける可動安全柵の固定機構周りを示す要部側面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける安全手摺を乗りかごに設置した状態を示す正面図である。この発明の実施の形態１に係るエレベータにおける制御盤の固定機構周りを示す要部側面図である。この発明の実施の形態２に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する側面図である。

　実施の形態１．
　図１はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する上面図、図２はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する側面図、図３はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける安全手摺の展開状態を示す正面図、図４はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける可動安全柵の固定機構周りを示す要部上面図、図５はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける可動安全柵の固定機構周りを示す要部側面図、図６はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける安全手摺を乗りかごに設置した状態を示す正面図、図７はこの発明の実施の形態１に係るエレベータにおける制御盤の固定機構周りを示す要部側面図である。

　図１から図７において、エレベータは、昇降路１内に昇降可能に配設された乗りかご３と、昇降路壁２に取り付けられて、乗りかご３の昇降を制御する昇降路内機器としての制御盤１２と、を備える。ここで、乗りかご３の出入り口の幅方向を間口方向とし、間口方向と直交する水平方向を奥行き方向とする。図１中、間口方向が左右方向であり、奥行き方向が上下方向である。また、奥行き方向の奥側は、乗りかご３の出入り口と反対側である。

　固定安全柵４が、乗りかご３の上部の奥行き方向の奥側の一辺と間口方向の一側の一辺とに沿って立設されている。可動安全柵５が、乗りかご３の上部に軸方向を水平とする軸６周りに回動可能に取り付けられ、乗りかご３の上部の間口方向の他側の一辺に沿って立設する作動位置と、乗りかご３の上面に沿った退避位置と、の間を遷移可能に構成されている。安全柵固定具８が、図３に示されるように、乗りかご３の上部に立設された支持柱７に取り付けられている。安全柵固定具８は、図４および図５に示されるように、可動安全柵５を係止する係止部９と、係止部９による係止を解除する係止解除部１０と、を備える。可動安全柵５は、係止部９により係止されて、作動位置に保持される。また、可動安全柵５は、係止解除部１０により係止解除されて、軸６周りに回動し、退避位置に遷移可能となっている。係止部９は、例えば、筐体に出没自在に配設されたピンと、ピンを筐体から突出するように付勢するばねと、により構成される。この場合、係止解除部１０は、筐体の上部に設置されたボタンと、ボタンを押圧することでばねの付勢力に抗してピンを筐体内に移動させ、ボタンの押圧をやめることでばねの付勢力によりピンを筐体から突出させる機構と、により構成される。

　一対のブラケット１１が、奥行き方向に離間して、相対して上下方向に延びるように、間口方向の他側の昇降路壁２に固定されている。制御盤１２は、スライドレール機構１３により間口方向にスライド移動可能に一対のブラケット１１に取り付けられている。これにより、制御盤１２は、昇降路壁２に沿って一対のブラケット１１間に配置される通常位置と、昇降路壁２から離間して、制御盤１２の前面側が乗りかご３の上部に入り込む保守点検位置と、の間をスライド移動可能となっている。制御盤１２は、固定装置１４によりブラケット１１に固定され、通常位置に保持される。安全装置１５が、昇降路壁２に取り付けられ、制御盤１２が通常位置から離れたことを検知可能となっている。そして、安全装置１５の検知信号に基づいて、制御盤１２が通常位置に位置していないときの乗りかご３の自動運転が防止される。制御盤１２の前面には、制御盤１２のスライド移動を補助する取っ手１６が設けられている。

　安全手摺２０は、一端が軸方向を間口方向とする軸２１により制御盤１２に連結され、制御盤１２の両側面に、軸２１周りに回動可能に取り付けられている。安全手摺２０は、軸２１周りに回動したときに、長さ方向が水平で奥行き方向となるように、その回動動作範囲がステー２２により制限される。これにより、安全手摺２０は、制御盤１２の両側面に沿って上下方向に延びる格納位置と、制御盤１２の両側面から奥行き方向に延びる展開位置と、の間を遷移可能に構成されている。

　支え部材２３が、図６に示されるように、安全手摺２０の他端に軸方向を間口方向とする軸２４周りに回動可能に取り付けられている。支え部材２３は、安全手摺２０内に納められており、安全手摺２０が展開位置に展開された後、軸２４周りに回動して垂下され、乗りかご３の上部に取り付けられた固定金具２５に締着固定される。これにより、安全手摺２０が展開位置に強固に保持される。なお、支え部材２３は、支持柱７と安全柵固定具８と干渉しない位置で、安全手摺２０に取り付けられている。

　制御盤固定装置２６が、図７に示されるように、乗りかご３の上部に設置されている。保守点検位置までスライド移動された制御盤１２が、制御盤固定装置２６の係止部２７に係止され、制御盤１２が保守点検位置に保持される。また、可動安全柵５が軸６周りに退避位置から作動位置まで回動すると、可動安全柵５が係止解除部２８を押圧し、係止部２７による制御盤１２の係止が解除される。ここで、係止部２７は、例えば、筐体に出没自在に配設されたピンと、ピンを筐体から突出するように付勢するばねと、により構成される。この場合、係止解除部２８は、筐体の側部に設置されたボタンと、ボタンを押圧することでばねの付勢力に抗してピンを筐体内に移動させ、ボタンの押圧をやめることでばねの付勢力によりピンを筐体から突出させる機構と、により構成される。

　つぎに、制御盤１２の保守点検作業について説明する。

　まず、制御盤１２は、一対のブラケット１１間に昇降路壁２に沿って配置され、固定装置１４によりブラケット１１に固定されて、通常位置に保持されている。そこで、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置に位置していることを検知し、乗りかご３の自動運転が可能な状態となっている。乗りかご３の上部では、可動安全柵５が、安全柵固定具８の係止部９に係止されて、作動位置に保持されている。

　ついで、作業員４０が、乗りかご３を昇降運転し、制御盤１２が乗りかご３の上部に位置するように乗りかご３を停止させる。そこで、作業員４０は、乗りかご３の上部にあがり、固定装置１４による制御盤１２の固定を解除する。ついで、取っ手１６を持って制御盤１２を乗りかご３側にスライド移動させ、制御盤１２の前面側を乗りかご３の上部に引き入れる。これにより、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置から離れたことを検知し、乗りかご３の自動運転が停止状態となる。

　ついで、安全手摺２０の固定を解除し、安全手摺２０を軸２１周りに回動させる。これにより、安全手摺２０は、図３に示されるように、ステー２２により水平状態に保持され、展開位置に保持される。そして、安全手摺２０が、安全柵固定具８の係止解除部１０を押圧し、係止部９による可動安全柵５の係止が解除される。そこで、可動安全柵５は、軸６間周りに回動し、乗りかご３の上部に沿った退避位置に移動する。ついで、支え部材２３を安全手摺２０から引き出し、軸２４周りに回動させ、安全手摺２０の他端から垂下させる。ついで、支え部材２３を固定金具２５に締着固定する。これにより、安全手摺２０が、図６に示されるように、展開位置に強固に保持される。

　また、可動安全柵５は、作動位置から退避位置に遷移することで、制御盤固定装置２６の係止解除部２８から離れる。そこで、制御盤１２は、制御盤固定装置２６の係止部２７により係止され、保守点検位置に保持される。

　作業員４０は、制御盤１２の前面扉（図示せず）を開け、制御盤１２内の保守点検機器の保守点検を行う。このとき、可動安全柵５が乗りかご３の上部に沿った退避位置に位置しているので、可動安全柵５と干渉することなく、制御盤１２の前面扉を開けることができる。また、可動安全柵５に邪魔されることなく、保守点検機器を保守点検することができる。

　保守点検が終了すれば、支え部材２３と固定金具２５との締着固定を解除し、支え部材２３を軸２４回りに回動して安全手摺２０内に収納する。ついで、ステー２２を折り畳んで、安全手摺２０を軸２１周りに回動させて、制御盤１２の両側面に沿った格納位置に保持する。

　ついで、可動安全柵５を軸６周りに回動させて作動位置に位置させる。これにより、可動安全柵５は、安全柵固定具８に係止部９により係止され、作動位置に保持される。同時に、制御盤固定装置２６の係止解除部２８が可動安全柵５に押圧され、係止部２７による制御盤１２の係止が解除される。そこで、作業員４０は、取っ手１６を持って制御盤１２を昇降路壁２側にスライド移動させる。制御盤１２は、昇降路壁２に沿った位置までスライド移動した後、固定装置１４によりブラケット１１に固定され、通常位置に保持される。そこで、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置に位置していることを検知し、乗りかご３の自動運転が可能な状態となる。

　このように、実施の形態１によれば、制御盤１２をスライド移動させて、制御盤１２の前面側を乗りかご３の上部に引き入れて、制御盤１２内の保守点検機器を保守点検している。そこで、制御盤１２の高さの制約がなり、乗りかご３の意匠の制約がなくなるとともに、乗りかご３の意匠を傷つけることもなくなる。さらに、工具や電気部品が昇降路１内に落下するような事態の発生が抑制される。

　可動安全柵５が、乗りかご３の上部に立設する作動位置から乗りかご３の上部に沿った退避位置に遷移可能に構成されている。そこで、保守点検時に、可動安全柵５を退避位置に移動させることにより、可動安全柵５と干渉することなく制御盤１２の前面扉を開けることができるとともに、可動安全柵５に邪魔されることなく、保守点検できるので、保守点検作業性が高められる。

　制御盤１２を保守点検位置に位置させた後、安全手摺２０を展開位置に位置させることで、係止部９による可動安全柵５の係止が解除されるので、作動位置の可動安全柵５と展開位置の安全手摺２０とが共に存在しない状態を回避することができる。
　制御盤１２を保守点検位置に位置させた後、可動安全柵５を作動位置から退避位置に遷移させることで、制御盤１２が係止部２７により係止されるので、制御盤１２が保守点検位置に保持されていない状態での保守点検作業を回避できる。

　実施の形態２．
　図８はこの発明の実施の形態２に係るエレベータにおける保守点検作業を説明する側面図である。

　図８において、制御盤１２は、その乗りかご３側の下端部が、一対のブラケット１１のそれぞれから乗りかご３側に突出する一対の支持腕３０に、軸方向を奥行き方向とする軸３１により連結されて、軸３１周りに回動可能に支持腕３０に取り付けられている。伸縮棒３２が、ブラケット１１と制御盤１２の側面の上部側とを連結するように設けられ、乗りかご３側への制御盤１２の傾倒角度を制限している。

　このように構成された制御盤１２は、軸３１回りに回動して、昇降路壁２に沿った通常位置と、乗りかご３側に傾倒して、乗りかご３の前面の上部側が乗りかご３の上部に入り込む保守点検位置と、の間を移動可能となっている。制御盤１２は、固定装置１４によりブラケット１１に固定されて、通常位置に保持される。また、制御盤１２は、伸縮棒３２により傾倒角度が制限されて、保守点検位置に保持される。

　ステー３３は、一端が、軸方向を奥行き方向とする軸３４により制御盤１２の両側面に連結されて、軸３４周りに回動可能に制御盤１２に取り付けられている。安全手摺３５は、一端が、ステー３３の長さ方向と軸３４の軸方向の両方向に直交する軸方向の軸周りに回動可能にステー３３のそれぞれの他端に取り付けられている。ステー３３は、他端を上方に向けて、制御盤１２の両側面に沿って上下方向に延びる格納位置と、格納位置から軸３４周りに９０°回動して制御盤１２の前面側に突出する作動位置と、の間を遷移可能に構成されている。安全手摺３５は、ステー３３に重なってステー３３の長さ方向に延びる格納位置と、ステー３３の他端からステー３３の長さ方向と直交する方向に延びる展開位置と、の間を遷移可能に構成されている。
　なお、他の構成は、上記実施の形態１と同様に構成されている。

　つぎに、制御盤１２の保守点検作業について説明する。

　まず、制御盤１２は、一対のブラケット１１間に昇降路壁２に沿って配置され、固定装置１４によりブラケット１１に固定されて、通常位置に保持されている。また、上記実施の形態１と同様に、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置に位置していることを検知し、乗りかご３の自動運転が可能な状態となっている。乗りかご３の上部では、可動安全柵５が、安全柵固定具８の係止部９に係止されて、作動位置に保持されている。

　ついで、作業員４０が、乗りかご３を昇降運転し、制御盤１２が乗りかご３の上部に位置するように乗りかご３を停止させる。そこで、作業員４０は、乗りかご３の上部にあがり、固定装置１４による制御盤１２の固定を解除する。ついで、取っ手１６を持って制御盤１２を軸３１周りに回動させ、制御盤１２の上部側を乗りかご３側に傾倒させ、制御盤１２の下端部側をのぞく前面側を乗りかご３の上部に引き入れる。これにより、上記実施の形態１と同様に、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置から離れたことを検知し、乗りかご３の自動運転が停止状態となる。

　ついで、ステー３３の固定を解除し、ステー３３を軸３４周りに回動させ、作動位置に位置させる。ついで、安全手摺３５の固定を解除し、安全手摺３５を軸周りに回動させ、展開位置に位置させる。これにより、安全手摺３５は、長さ方向を水平として、制御盤１２の幅方向の両側に延びる展開位置に保持される。このとき、上記実施の形態１と同様に、安全手摺３５が、安全柵固定具８の係止解除部１０を押圧し、係止部９による可動安全柵５の係止が解除される。そこで、可動安全柵５は、軸６間周りに回動し、乗りかご３の上部に沿った退避位置に移動する。

　保守点検が終了すれば、安全手摺３５をステー３３に重ねて格納位置に位置させ、さらにステー３３を軸３４周りに回動させて、制御盤１２の両側面に沿った格納位置に保持する。

　ついで、可動安全柵５を軸６周りに回動させて作動位置に位置させる。さらに、作業員４０は、取っ手１６を持って、昇降路壁２に沿った位置まで、制御盤１２を軸３１周りに回動させた後、固定装置１４によりブラケット１１に固定して、制御盤１２を通常位置に保持する。そこで、安全装置１５が、制御盤１２が通常位置に位置していることを検知し、乗りかご３の自動運転が可能な状態となる。

　したがって、実施の形態２においても、実施の形態１と同様の効果が得られる。

　なお、上記各実施の形態では、昇降路内機器として、乗りかごの昇降を制御する制御盤を用いて説明しているが、昇降路内機器は、制御盤に限定されず、例えばオプション機器などが収納された増設盤などでもよい。
　また、上記各実施の形態では、制御盤が間口方向の他側の昇降路壁に設置されているが、制御盤は奥行き方向の奥側の昇降路壁に設置されてもよい。この場合、可動安全柵は、乗りかごの上部の奥行き方向の奥側の一辺に沿って設置される。

Claims

　昇降路内に配設された昇降路内機器と、
　前記昇降路内に昇降可能に配設された乗りかごと、を備えるエレベータにおいて、
　前記乗りかごは、前記乗りかごの上部の一辺に沿って立設する作動位置と前記乗りかごの上部に沿った退避位置との間を遷移可能に前記乗りかごに取り付けられた可動安全柵、および前記乗りかごの上部の、前記可動安全柵が取り付けられていない辺に沿って立設するように前記乗りかごに取り付けられた固定安全柵と、を備え、
　前記昇降路内機器は、鉛直上方から見て、前記乗りかごの側が前記一辺から前記乗りかごの上部に入り込む保守点検位置と、鉛直上方から見て、前記乗りかごから離れた通常位置と、の間を移動可能に、前記乗りかごの前記一辺と相対する昇降路壁に取り付けられ、
　安全手摺が、前記昇降路内機器の幅方向の両側に前記昇降路内機器に沿って配置された格納位置と、長さ方向を水平方向として、前記昇降路内機器の幅方向の両側に延びる展開位置と、の間を遷移可能に前記昇降路内機器に取り付けられているエレベータ。
　前記可動安全柵は、前記展開位置に遷移した前記安全手摺により、前記作動位置から前記退避位置に遷移可能となるように構成されている請求項１記載のエレベータ。
　前記昇降路内機器は、前記昇降路壁に、前記昇降路壁から離れる方向にスライド移動可能に取り付けられ、前記昇降路壁の側にスライド移動させて前記通常位置となり、前記乗りかごの側にスライド移動させて前記保守点検位置となる請求項１又は請求項２記載のエレベータ。
　前記昇降路内機器は、前記昇降路内機器の前記乗りかごの側の下端部を、前記乗りかごの前記一辺の長さ方向と平行な軸方向とする軸周りに回動可能に前記昇降路壁に取り付けられ、前記昇降路内機器を前記昇降路壁に沿わせて前記通常位置となり、前記昇降路内機器の上部側を前記乗りかごの側に傾倒させて前記保守点検位置となる請求項１又は請求項２記載のエレベータ。
　前記昇降路内機器の前記通常位置から前記保守点検位置への移動を検知する安全装置を備える請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のエレベータ。