WO2018012404A1

WO2018012404A1 - パレット搬送装置及びパレット搬送方法

Info

Publication number: WO2018012404A1
Application number: PCT/JP2017/024855
Authority: WO
Inventors: 晃二片平; 憲一武藤
Original assignee: 日特エンジニアリング株式会社
Priority date: 2016-07-13
Filing date: 2017-07-06
Publication date: 2018-01-18
Also published as: CN108698181B; JP6695091B2; JP2018008337A; CN108698181A; EP3412404A4; KR20180105221A; KR102131732B1; EP3412404A1; EP3412404B1

Abstract

パレット搬送装置（１０）は、ガイドレール（２１、３１）と、ガイドレール（２１、３１）に沿って設けられる無端状の第１ベルト（４２）と、第１ベルト（４２）に係止する係止手段を有しガイドレール（２１、３１）に移動可能に搭載された１又は２以上のパレット（１１）と、を備え、ガイドレール（２１、３１）に搭載されたパレット（１１）は、循環する第１ベルト（４２）に係止して搬送され、係止手段は、第１ベルト（４２）に外周が接触して転動するプーリ（９０）又は第１ベルト（４２）に一部が重合して循環する無端状の第２ベルト（１６）であって、プーリ（９０）を回転させ又は第２ベルト（１６）を循環させるモータ（１８）がパレット（１１）に設けられる。

Description

パレット搬送装置及びパレット搬送方法

　本発明は、パレット搬送装置及びパレット搬送方法に関する。

　従来から、製造ラインにおいてワークを搬送する搬送装置が知られている。ワークの搬送先においては、工作機が当該ワークに対して所定の加工を行う。

　そして、本出願人により、ワークを載せる複数のパレットが工作機に対して循環するように搬送されるパレット搬送装置が提案されている（ＪＰ２０１１－９３０３２Ａ参照）。

　上記の搬送装置は、ガイドレールと、ガイドレールに沿って設けられる無端状の循環ベルトと、ガイドレールに移動可能に搭載された１又は２以上のパレットと、を備えている。

　そして、パレットを循環ベルトに係止し、循環ベルトを循環させることにより、パレットがガイドレールに搭載された状態で搬送されるようになっている。

　しかしながら、循環ベルトに係止され、循環ベルトの循環によりガイドレール上を移動するパレットの移動速度は、循環ベルトの循環速度と同一となる。このため、循環ベルトの循環速度を超えた速度でパレットを搬送することができなかった。

　本発明は、循環ベルトの循環速度を超えてパレットの搬送速度を高め得るパレット搬送装置を提供することを目的とする。

　本発明のある態様によれば、パレット搬送装置であって、ガイドレールと、前記ガイドレールに沿って設けられる無端状の第１ベルトと、前記第１ベルトに係止する係止手段を有し前記ガイドレールに移動可能に搭載された１又は２以上のパレットと、を備え、前記ガイドレールに搭載された前記パレットは、循環する前記第１ベルトに係止して搬送され、前記係止手段は、前記第１ベルトに外周が接触して転動するプーリ又は前記第１ベルトに一部が重合して循環する無端状の第２ベルトであって、前記プーリを回転させ又は前記第２ベルトを循環させるモータが前記パレットに設けられる、パレット搬送装置が提供される。

　また、本発明の別の態様によれば、ガイドレールに搭載されたパレットを、前記ガイドレールに沿って設けられて循環する無端状の第１ベルトに係止して搬送するパレット搬送方法であって、前記パレットに設けられたプーリの外周を前記第１ベルトに接触させ又は前記パレットに設けられた無端状の第２ベルトの一部を前記第１ベルトに重合させて前記パレットを前記第１ベルトに係止し、前記第１ベルトの循環と共に又は前記第１ベルトの循環とは別に前記プーリを回転させ又は前記第２ベルトを循環させて前記パレットを自走させる、パレット搬送方法が提供される。

図１は、本発明の実施形態に係るパレット搬送装置の平面図である。図２は、パレット搬送装置の正面図である。図３は、図２のＩＩＩ部拡大図である。図４は、図２のＩＶ－ＩＶ断面図である。図５は、図２のＶ－Ｖ断面図である。図６は、パレットの移動途中を示す図１のＶＩ－ＶＩ断面図である。図７は、パレットを搬送して第１ガイドレールの端部から第１位置にある第１可動レールに搭載した状態を示す図である。図８は、搭載されたパレットとともに第１可動レールを第２ガイドレールに連続する第２位置まで移動させ、第２ガイドレールにパレットを移動させた状態を示す図である。図９は、パレットを搬送して第２ガイドレールの端部から第２位置にある第２可動レールに搭載する状態を示す図である。図１０は、搭載されたパレットとともに第２可動レールを第１ガイドレールに連続する第１位置まで移動させ、第１ガイドレールにパレットを移動させる状態を示す図である。図１１は、係止手段がプーリである場合のパレットを示す図である。

　以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係るパレット搬送装置１０について説明する。

　図１は、本発明の実施形態に係るパレット搬送装置の平面図である。なお、各図において、互いに直交するＸ、Ｙ、Ｚの３軸を設定している。Ｘ軸が略水平横方向、Ｙ軸が略水平前後方向、Ｚ軸が鉛直方向に延びるものとして、パレット搬送装置１０の構成について説明する。

　パレット搬送装置１０は、ワーク（図示せず）を搭載したパレット１１を第１及び第２ガイドレール２１、３１に移動可能に搭載し、パレット１１を第１及び第２ガイドレール２１、３１に沿って搬送する。

　本実施形態では、パレット搬送装置１０が、パレット１１を移動可能に搭載するガイドレールとして、水平方向（Ｙ軸方向）に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられた第１ガイドレール２１及び第２ガイドレール３１を備える場合について説明する。

　本実施形態では、第１ガイドレール２１に沿って３台の工作機１～３が設けられ、第２ガイドレール３１の周囲には工作機が設けられない場合について説明する。これは一例であって、工作機の台数は加工を必要とするワークにより異なり、第２ガイドレール３１の周囲に工作機を設けるようにしても良い。また、パレット１１の台数は、工作機の台数に応じて適宜増減される。

　第１及び第２のガイドレール２１、３１は、パレット１１を移動可能に搭載する。第１及び第２のガイドレール２１、３１は、それぞれが架台９上にＸ軸方向に真っ直ぐに延びて設けられ、それぞれに搭載されたパレット１１が移動する。すなわち、パレット１１が搬送される。

　第１及び第２のガイドレール２１、３１は同一構造であるので、第１ガイドレール２１を代表として説明する。

　第１ガイドレール２１は、パレット１１を水平状態で搭載する。第１ガイドレール２１は、図４に示すように、架台９上に直接固定して設けられた支持板２２と、支持板２２の上縁にねじ止めにより固定された市販の直線運動ガイドレール２３と、を備える。

　図１、図２に示すように、本実施形態のパレット搬送装置１０は、第１ガイドレール２１に搭載されたパレット１１を第１ガイドレール２１に沿って搬送する第１パレット送り手段４１と、第２ガイドレール３１に搭載されたパレット１１を第２ガイドレール３１に沿って搬送する第２パレット送り手段５１（図１参照）と、を備える。

　第１パレット送り手段４１及び第２パレット送り手段５１は同一構造であるで、第１パレット送り手段４１を代表として説明する。

　第１パレット送り手段４１は、パレット１１と係合可能に構成されて第１ガイドレール２１に沿って設けられる無端状の第１ベルトとしての循環ベルト４２と、循環ベルト４２を循環させる循環機構としてのサーボモータ４３（図２参照）と、を備える。

　図２に示すように、第１ガイドレール２１における支持板２２には、四隅に従動プーリ４４が設けられる。循環ベルト４２は、これら４つの従動プーリ４４を包囲するように掛け回される。

　また、支持板２２には、循環ベルト４２を循環させる循環機構であるサーボモータ４３が設けられ、サーボモータ４３の回転軸４３ａには、駆動プーリ４５が取付けられる。

　駆動プーリ４５は、４つの従動プーリ４４と同一面上に設けられる。また、駆動プーリ４５に循環ベルト４２を掛け回すように循環ベルト４２を転向させる一対の転向プーリ４６が、駆動プーリ４５の近傍において支持板２２に枢支される。

　制御装置（図示せず）からの指令によりサーボモータ４３が駆動すると、回転軸４３ａが駆動プーリ４５とともに回転し、駆動プーリ４５に掛け回された循環ベルト４２が４つの従動プーリ４４を包囲した状態で循環する。

　制御装置は、例えば、中央演算装置（ＣＰＵ）、読み出し専用メモリ（ＲＯＭ）、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、及び入出力インターフェース（Ｉ／Ｏインターフェース）を備えたマイクロコンピュータで構成される。制御装置を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。

　図１、図２、及び図４に示すように、第１及び第２ガイドレール２１、３１に搭載されるパレット１１は、直線運動ガイドレール２３を跨いで第１及び第２ガイドレール２１、３１上を移動可能に構成された直線運動ブロック１２と、直線運動ブロック１２が下部に設けられた基台１５と、基台１５の上部にねじ止めされた水平な台座１３と、基台１５に設けられて循環ベルト４２に係止する係止手段である第２ベルトとしての短ベルト１６と、を有する。

　直線運動ブロック１２は、直線運動ガイドレール２３と対に販売される市販のものであって、ローラリテーナ（図示せず）を備えるものが好ましい。

　ローラリテーナを備える直線運動ブロック１２を用いることにより、幅方向（Ｙ軸方向）への移動や第１及び第２ガイドレール２１、３１に対する傾動を規制できる。これにより、パレット１１が第１及び第２ガイドレール２１、３１上を移動する際の抵抗を著しく軽減することができる。

　このような直線運動ブロック１２を、第１及び第２ガイドレール２１、３１における直線運動ガイドレール２３に跨がせて移動可能に支持させることにより、パレット１１は、台座１３が水平な状態で、第１及び第２ガイドレール２１、３１に移動可能に搭載される。

　ここで、図１に示すように、パレット１１における台座１３は、Ｘ軸方向の長さＬが、各工作機１～３の間の最短のピッチＰ１と同一、又は最短のピッチＰ１よりも短く形成されることが好ましい。

　図２の拡大図に示すように、本実施形態の係止手段は、パレット送り手段４１、５１における循環ベルト４２に一部が重合して循環する無端状の短ベルト１６である。

　パレット１１における基台１５の搬送方向（Ｘ軸方向）の両側には補助プーリ１７がそれぞれ設けられ、短ベルト１６はこれら補助プーリ１７に掛け回される。

　本実施形態における循環ベルト４２は、幅方向に延びる凹凸４２ａ、４２ｂが長手方向に交互に連続して形成されたいわゆる歯付きベルトである。

　一方、循環ベルト４２に一部が重合する短ベルト１６も、循環ベルト４２と同様のいわゆる歯付きベルトである。短ベルト１６には、循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに噛み合う噛合歯として、幅方向に延びる凹凸１６ａ、１６ｂが長手方向に交互に連続して形成される（図２参照）。

　短ベルト１６が循環ベルト４２に重合すると、短ベルト１６に形成された凹凸１６ａ、１６ｂに循環ベルト４２に形成された凹凸４２ａ、４２ｂが係合し、両者の間に滑りが生じなくなる。

　即ち、循環ベルト４２に短ベルト１６が重合すると、短ベルト１６に形成された凹凸１６ａ、１６ｂが循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂと噛み合うことになる。これにより、パレット１１を循環ベルト４２に係止することが可能になる。

　また、パレット１１は、押さえ材１５ａを有する。押さえ材１５ａは、循環ベルト４２に重合する短ベルト１６の一部に重合するように基台１５に一体的に形成される。

　押さえ材１５ａは、循環ベルト４２に重合する短ベルト１６の一部が湾曲して、循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに係合する短ベルト１６における凹凸１６ａ、１６ｂが凹凸４２ａ、４２ｂから離脱して係合が解消されることを防止する。

　短ベルト１６における凹凸１６ａ、１６ｂが循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに係合して短ベルト１６の循環が禁止されると、循環ベルト４２と独立したパレット１１のＸ軸方向の移動が禁止される。

　従って、短ベルト１６の循環が禁止された状態でサーボモータ４３を駆動させて循環ベルト４２を循環させると、パレット１１が循環ベルト４２とともに移動する。これにより、循環ベルト４２が沿う第１及び第２ガイドレール２１、３１に沿って、パレット１１が搬送されることになる。

　ここで、図２の符号４７は、従動プーリ４４間の循環ベルト４２が弛むことを防止して短ベルト１６から循環ベルト４２が離間することを防止する支持材４７である。また、符号４８は、支持材４７を支持板２２に取付ける取付具４８である。

　パレット１１には、短ベルト１６を循環させる自走用モータ１８が設けられる。自走用モータ１８は、一対の補助プーリ１７、１７の間において基台１５に設けられる。自走用モータ１８の回転軸１８ａには、短ベルト１６が掛け回される駆動プーリ５０が取付けられる。

　自走用モータ１８は、一対の補助プーリ１７、１７をつなぐ直線に直交する方向に移動可能に基台１５にネジ止めされる。自走用モータ１８を移動させて駆動プーリ５０の位置を変更することにより、短ベルト１６に加えられる張力を調整できる。

　制御装置からの指令により自走用モータ１８が駆動すると、回転軸１８ａが駆動プーリ５０とともに回転する。これにより、駆動プーリ５０に掛け回された短ベルト１６が一対の補助プーリ１７、１７に掛け回された状態で循環する。

　ここで、短ベルト１６における凹凸１６ａ、１６ｂが循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに係合した状態では、循環ベルト４２と独立したパレット１１のＸ軸方向の移動は禁止される。

　よって、自走用モータ１８を駆動させて短ベルト１６を循環させると、短ベルト１６は、循環ベルト４２に一部が重合しつつ循環ベルト４２上を転動して移動することになる。

　このため、短ベルト１６を循環させると、循環ベルト４２が循環していない状態であっても、循環ベルト４２が沿う第１及び第２ガイドレール２１、３１に沿ってパレット１１が自走して移動することになる。

　図１に示すように、第１及び第２ガイドレール２１、３１の両端部には、パレット移動手段６１が設けられる。

　パレット移動手段６１は、第１及び第２ガイドレール２１、３１のいずれか一方に搭載されたパレット１１を他方にまで移動させるものである。

　本実施形態では、第１ガイドレール２１に搭載されたパレット１１を第２ガイドレール３１にまで移動させる場合と、第２ガイドレール３１に搭載されたパレット１１を第１ガイドレール２１にまで移動させる場合について説明する。

　パレット移動手段６１は、パレット１１を搭載して第１ガイドレール２１の一方の端部に連続する第１位置と第２ガイドレール３１の一方の端部に連続する第２位置との間を往復移動可能に構成された第１可動レール６２と、パレット１１を搭載して第１ガイドレール２１の他方の端部に連続する第１位置と第２ガイドレール３１の他方の端部に連続する第２位置との間を往復移動可能に構成された第２可動レール６３と、を備える。

　第１及び第２可動レール６２、６３は同一構造である。第１及び第２可動レール６２、６３は、それぞれの第１位置で第１ガイドレール２１の支持板２２に連続し、それぞれの第２位置で第２ガイドレール３１の支持板２２に連続する可動台６２ａ、６３ａと、可動台６２ａ、６３ａの上縁に設けられた短レール６２ｂ、６３ｂと、可動台６２ａ、６３ａの下部に設けられた移動用ガイドレール６４上を移動する直線運動ブロック６２ｃ、６３ｃと、をそれぞれ備える。移動用ガイドレール６４については後述する。

　短レール６２ｂ、６３ｂは、第１及び第２ガイドレール２１、３１における直線運動ガイドレール２３と同一のものが用いられる。

　短レール６２ｂ、６３ｂの長さＷ（図１参照）は、パレット１１のＸ軸方向の長さＬと同一、又はそれよりも長く形成される。

　短レール６２ｂ、６３ｂは、第１位置で第１ガイドレール２１における直線運動ガイドレール２３に連続し、第２位置で第２ガイドレール３１における直線運動ガイドレール２３に連続するように、可動台６２ａ、６３ａの上縁に配置される。

　第１及び第２ガイドレール２１、３１の直線運動ガイドレール２３に短レール６２ｂ、６３ｂが連続した状態では、直線運動ガイドレール２３から移動したパレット１１を短レール６２ｂ、６３ｂに搭載可能となり、また、短レール６２ｂ、６３ｂに搭載されたパレット１１を直線運動ガイドレール２３に移動可能となる。

　架台９における第１及び第２ガイドレール２１、３１の両端部を超えた部分には、第１及び第２ガイドレール２１、３１に直交する様に、移動用ガイドレール６４がそれぞれ複数設けられる。また、各移動用ガイドレール６４上に、直線運動ブロック６２ｃ、６３ｃが搭載される。これにより、移動用ガイドレール６４上に第１及び第２可動レール６２、６３が移動可能に搭載される。

　また、架台９における第１及び第２ガイドレール２１、３１の両端部を超えた部分には、移動用ガイドレール６４に沿って、ボールネジ６６がそれぞれ設けられる。第１及び第２可動レール６２、６３におけるそれぞれの可動台６２ａ、６３ａには、ボールネジ６６が螺合する雌ねじ材６２ｄ、６３ｄがそれぞれ設けられる。

　更に、架台９には、ボールネジ６６を正回転させ、又は逆回転させる駆動モータ６７が設けられる。ボールネジ６６を回転させることで、ボールネジ６６が螺合する雌ねじ材６２ｄ、６３ｄを有する第１及び第２可動レール６２、６３を、第１ガイドレール２１に連続する第１位置と、第２ガイドレール３１に連続する第２位置と、の間で往復移動させることができる。

　図２に示すように、第１及び第２可動レール６２、６３には、第１及び第２可動レール６２、６３に搭載されたパレット１１の短ベルト１６が接触する接触部材６８がそれぞれ設けられる。

　本実施形態における接触部材６８は棒状部材であって、短レール６２ｂ、６３ｂと平行に、可動台６２ａ、６３ａに取付材６８ｃを介して取付けられる。接触部材６８は、第１及び第２可動レール６２、６３が第１及び第２位置にある状態において、循環ベルト４２に連続するように設けられる。

　本実施形態では、幅方向に延びる凹凸１６ａ、１６ｂが長手方向に交互に連続して形成された短ベルト１６を用いている。このため、図３に示すように、接触部材６８にも、パレット１１が短レール６２ｂ、６３ｂに搭載された状態で短ベルト１６の凹凸１６ａ、１６ｂに噛み合う凹凸６８ａ、６８ｂが形成される。

　従って、短ベルト１６における凹凸１６ａ、１６ｂが接触部材６８の凹凸６８ａ、６８ｂに係合した状態で短ベルト１６の循環を停止させると、接触部材６８と独立したパレット１１のＸ軸方向の移動は禁止されることになる。

　よって、搭載されたパレット１１とともに第１及び第２可動レール６２、６３を移動させても、短ベルト１６の循環を停止させることで、移動の間にパレット１１の第１及び第２可動レール６２、６３に対する位置がずれることを防止できる。

　第１位置及び第２位置では、短ベルト１６を循環させると、パレット１１が第１及び第２可動レール６２、６３上で移動することになる。

　つまり、第１及び第２ガイドレール２１、３１から第１及び第２可動レール６２、６３へパレット１１を移動させ、又は第１及び第２可動レール６２、６３から連続する第１及び第２ガイドレール２１、３１へパレット１１を移動させることになる。

　ここで、短ベルト１６の循環は、自走用モータ１８を電力により駆動させることにより行われる。

　図４、図６に示すように、パレット１１には、自走用モータ１８に給電する摺動接触端子１９が設けられる。また、第１及び第２ガイドレール２１、３１の双方に、パレット１１の移動方向に延びて形成され、摺動接触端子１９と接触して通電する電極帯２４が設けられる。

　即ち、パレット１１の基台１５には、絶縁性基板２０の上部が取付けられ、絶縁性基板２０の下部は、第１及び第２ガイドレール２１、３１における支持板２２の側面に所定の隙間を空けて重合する。また、絶縁性基板２０における支持板２２に臨む面に、摺動接触端子１９が設けられる。

　本実施形態では、単一の絶縁性基板２０に４個の摺動接触端子１９が鉛直方向（Ｚ軸方向）に所定の間隔を開けて設けられる場合を示す。

　絶縁性基板２０の下部によって覆われる第１及び第２ガイドレール２１、３１における支持板２２の側面には、絶縁板２６が長手方向に延びて貼り付けられる。そして、絶縁板２６に、電極帯２４が形成される。

　本実施形態では、パレット１１に設けられた単一の絶縁性基板２０に４個の摺動接触端子１９が設けられる。よって、摺動接触端子１９と同様に、鉛直方向（Ｚ軸方向）に所定の間隔を開けて、４本の電極帯２４がパレット１１の移動方向に延びて形成される。

　図示しないが、４本の電極帯２４には、自走用モータ１８を制御する制御信号や自走用モータ１８を駆動させるための電力を供給する制御装置が接続される。電極帯２４及び摺動接触端子１９を介して自走用モータ１８に供給される電力によって自走用モータ１８を駆動させると、短ベルト１６が循環し、パレット１１を自走させることができる。

　自走用モータ１８を駆動してパレット１１を第１又は第２ガイドレール２１、３１に沿って自走させると、当該パレット１１は、第１又は第２ガイドレール２１、３１から、第１又は第２ガイドレール２１、３１に連続する第１位置又は第２位置にある第１又は第２可動レール６２、６３に移動する。

　図６に示すように、パレット１１が移動して第１又は第２可動レール６２、６３に搭載された状態でも、第１又は第２可動レール６２、６３上において、パレット１１を自走させる。よって、第１及び第２ガイドレール２１、３１に形成された電極帯２４に連続する通電帯６９が、第１及び第２可動レール６２、６３にそれぞれ設けられる。

　通電帯６９の構造は、電極帯２４と同様である。図５、図６に示すように、第１及び第２可動レール６２、６３の可動台６２ａ、６３ａに絶縁板７０が長手方向に延びて貼り付けられる。そして、絶縁板７０に、摺動接触端子１９が接触する通電帯６９が設けられる。

　図示しないが、通電帯６９にも、自走用モータ１８を制御する制御信号や自走用モータ１８を駆動させるための電力を供給する制御装置が接続される。そして、通電帯６９及び摺動接触端子１９を介して自走用モータ１８に供給される電力により、自走用モータ１８が駆動される。

　図６に示すように、パレット１１は、第１又は第２ガイドレール２１、３１と第１又は第２可動レール６２、６３とを往復移動する。よって、自走用モータ１８への給電が途切れないように、摺動接触端子１９は、パレット１１の移動方向の両側に設けられる。

　即ち、基台１５におけるパレット１１の移動方向の両側に絶縁性基板２０の上部がそれぞれ取付けられ、絶縁性基板２０に摺動接触端子１９がそれぞれ設けられる。

　そして、第１又は第２ガイドレール２１、３１と第１又は第２可動レール６２、６３との間にパレット１１が位置しても、いずれかの摺動接触端子１９が通電帯６９又は電極帯２４に必ず接触する様に構成される。

　図４、図６の符号７１は、絶縁性基板２０が進入可能な隙間を空けて電極帯２４を覆うように支持板２２に取付けられた保護カバー７１である。また、図５、図６の符号７２は、絶縁性基板２０が進入可能な隙間を空けて通電帯６９を覆うように可動台６２ａに取付けられた絶縁カバー７２である。

　次に、パレット搬送装置１０を用いたパレット搬送方法を説明する。

　パレット搬送装置１０を用いると、パレット１１を循環させる様に搬送することになる。パレット搬送方法は、第１ガイドレール２１に搭載されたパレット１１を第１ガイドレール２１に沿って搬送する第１パレット搬送工程と、第１ガイドレール２１の端部に達したパレット１１を第２ガイドレール３１に移動させる第１パレット移動工程と、第２ガイドレール３１に搭載されたパレット１１を第２ガイドレール３１に沿って搬送する第２パレット搬送工程と、第２ガイドレール３１の端部に達したパレット１１を第１ガイドレール２１に移動させる第２パレット移動工程と、を有する。

　本実施形態では、図１における上面視において、パレット１１が反時計回りの軌道で循環するものとして、以下に各工程を説明する。

　＜第１パレット搬送工程＞
　第１パレット搬送工程では、第１ガイドレール２１に搭載されたパレット１１を搬送する。

　本実施形態のパレット１１は、所定の加工が行われるワークを搭載するものであり、第１ガイドレール２１に搭載されたパレット１１にワークが搭載される。パレット１１には、ワークを搭載する搭載具が設けられ、ワークは、搭載具を介してパレット１１に搭載される。

　パレット１１の第１ガイドレール２１への搭載は、パレット１１の直線運動ブロック１２を、直線運動ガイドレール２３の端部から搭載することにより行われる。

　このようにパレット１１を第１ガイドレール２１に搭載すると、パレット１１に設けられた短ベルト１６の凹凸１６ａ、１６ｂが、第１ガイドレール２１に沿って設けられた循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに係合する。

　そして、短ベルト１６の循環を禁止し、駆動機構であるサーボモータ４３を駆動して循環ベルト４２を循環させると、循環ベルト４２に係止されたパレット１１が、第１ガイドレール２１に沿って移動する。これにより、パレット１１は、第１ガイドレール２１に沿って搬送されることになる。

　図１に示す様に、第１ガイドレール２１に沿ったパレット１１の搬送は、搬送されるパレット１１が第１ガイドレール２１に沿って設けられた各工作機１～３に対峙するまで行われる。パレット１１が各工作機１～３に対峙した状態でサーボモータ４３を停止させることにより、パレット１１に搭載されたワークに、各工作機１～３で加工を施すことが可能になる。

　ここで、各工作機１～３のピッチＰと同一のピッチで複数のパレット１１を搬送させることにより、複数の工作機１～３による加工を同時に行うことが可能となる。

　一方、各工作機１～３のピッチＰ１、Ｐ２が異なる場合であって、第１ガイドレール２１に搭載されている複数のパレット１１の全てを各工作機１～３に対峙させるためには、その複数のパレット１１間の間隔を変更する必要がある。

　ここで、従来の搬送装置であっても、複数のパレットをガイドレールに搭載して搬送させる場合において、複数のパレット間の間隔は、循環ベルトにパレットを係止させる際に、循環ベルトとの係止位置を変更することにより調整可能であった。

　しかしながら、従来の搬送装置では、複数のパレットを循環ベルトにそれぞれ係止させて搬送を開始すると、搬送途中において複数のパレット間の間隔を変化させることができなかった。

　特に、近年では、搬送途中において、複数のパレット間の間隔を変化させたいという要望がある。しかしながら、循環ベルトを循環させることによりパレットを搬送する従来の搬送装置では、そのような要望に応えることはできなかった。

　これに対して、本実施形態のパレット搬送装置１０は、例えば、複数のパレット１１のうちの１つのパレット１１における短ベルト１６を循環させて当該パレット１１を他のパレット１１と別に独立して自走させれば、複数のパレット１１の搬送途中であるか否かにかかわらず、複数のパレット１１間の間隔を変更することが可能となる。

　短ベルト１６の循環は、自走用モータ１８を電力により駆動させることにより行われる。具体的には、図４、図６に示すように、第１ガイドレール２１にパレット１１の移動方向に延びて形成された電極帯２４に、制御装置が自走用モータ１８を制御する制御信号や自走用モータ１８を駆動させるための電力を供給することにより行われる。

　電極帯２４及び摺動接触端子１９を介して自走用モータ１８に制御信号や電力が供給されると、供給される電力によりいずれかのパレット１１の自走用モータ１８が駆動し、短ベルト１６が循環して当該パレット１１を自走させる。

　これにより、自走しない他のパレット１１との間隔が広がり又は縮まるので、第１ガイドレール２１に搭載されている複数のパレット１１間の間隔を変更することができる。

　例えば、比較的広い間隔Ｐ２（図１参照）を開けて設けられた工作機２、３に、間隔が調整されたパレット１１をそれぞれ対峙させることも可能となる。

　＜第１パレット移動工程＞
　第１パレット移動工程では、第１ガイドレール２１の端部に達したパレット１１を、第２ガイドレール３１に移動させる。パレット１１の移動は、第１及び第２ガイドレール２１、３１の一方の端部に設けられたパレット移動手段６１により行われる。

　このため、図７に示すように、第１ガイドレール２１の一方の端部に第１可動レール６２が連続するように、第１可動レール６２を移動させる。第１可動レール６２の移動は、駆動モータ６７を駆動させてボールネジ６６を回転させることにより行われる。

　第１ガイドレール２１における循環ベルト４２を循環させることにより搬送されたパレット１１が、図７に一点鎖線で示すように、第１ガイドレール２１の端部に達した段階で、循環ベルト４２の循環を停止する。

　この時、循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂを、第１可動レール６２の接触部材６８における凹凸６８ａ、６８ｂに連続させた状態で、循環ベルト４２の循環を停止させる（図６参照）。

　その後、パレット１１に設けられた自走用モータ１８を駆動して短ベルト１６を循環させ、第１ガイドレール２１の端部に達したパレット１１を自走させる。パレット１１の自走は、第１ガイドレール２１の電極帯２４に、制御装置が制御信号や電力を供給することにより行われる。

　パレット１１が自走すると、循環する短ベルト１６は、循環ベルト４２から循環ベルト４２に連続する接触部材６８にかけて係合する。そして、パレット１１は、図７に実線の矢印で示すように、第１ガイドレール２１から第１可動レール６２に移動する。

　図６に示すように、循環ベルト４２と接触部材６８との間には隙間が生じる。しかしながら、短ベルト１６が掛け回される補助プーリ１７の間隔を循環ベルト４２と接触部材６８との間の隙間より大きくすることで、短ベルト１６は、循環ベルト４２と接触部材６８の双方と噛み合う。よって、循環ベルト４２と接触部材６８との間に短ベルト１６が入り込んでパレット１１の自走が困難となる事態は回避される。

　また、第１ガイドレール２１と第１可動レール６２との間に隙間が生じることから、電極帯２４と通電帯６９との間にも隙間が生じる。

　これに対して、本実施形態では、基台１５におけるパレット１１の移動方向の両側に絶縁性基板２０の上部をそれぞれ取付け、絶縁性基板２０に摺動接触端子１９をそれぞれ設けている。よって、第１ガイドレール２１と第１可動レール６２の間にパレット１１が位置しても、摺動接触端子１９は、通電帯６９及び電極帯２４のいずれかに必ず接触する。

　このため、パレット１１の自走が第１ガイドレール２１と第１可動レール６２との間で途切れるようなことはなく、パレット１１を確実に第１可動レール６２にまで移動させることができる。

　そして、パレット１１全体が第１可動レール６２に搭載された段階で、自走用モータ１８の駆動を停止し、短ベルト１６の循環を停止させる。これにより、第１可動レール６２にパレット１１が搭載された状態が維持される。

　その後、図８に示すように、駆動モータ６７を再び駆動させてボールネジ６６を回転させ、パレット１１が搭載された第１可動レール６２を第１ガイドレール２１の端部から離脱させる。そして、破線の矢印で示すように、第２ガイドレール３１の一方の端部にまで移動させ、第２ガイドレール３１に連続する第２位置に第１可動レール６２が達した段階で、ボールネジ６６の回転を停止させる。

　第１可動レール６２の移動の際、パレット１１における短ベルト１６の凹凸１６ａ、１６ｂは、接触部材６８における凹凸６８ａ、６８ｂに係合している。よって、短ベルト１６の循環を停止させることにより、第１可動レール６２に搭載されたパレット１１の自由な移動は防止されることになる。

　これにより、パレット１１を第１可動レール６２とともに移動させる途中において、第１可動レール６２に搭載されたパレット１１の第１可動レール６２に対する移動を禁止することができる。

　第１可動レール６２が第２位置に達し、第１可動レール６２の短レール６２ｂが第２ガイドレール３１の直線運動ガイドレール２３に連続する位置になった後に、第２ガイドレール３１における循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂを、第１可動レール６２における接触部材６８の凹凸６８ａ、６８ｂに連続させる。そして、実線の矢印で示すように、パレット１１を第２ガイドレール３１に向かって自走させる。

　即ち、パレット１１に設けられた自走用モータ１８を再び駆動して、短ベルト１６を循環させる。第１可動レール６２における接触部材６８の凹凸６８ａ、６８ｂは、第２ガイドレール３１における循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに連続するので、循環する短ベルト１６は、第１可動レール６２における接触部材６８から第２ガイドレール３１における循環ベルト４２にかけて係合する。これにより、パレット１１は、第１可動レール６２から第２ガイドレール３１に移動する。

　このようにして、パレット１１を第１ガイドレール２１の端部から第２ガイドレール３１に移動させる。

　＜第２パレット搬送工程＞
　第２パレット搬送工程では、第２ガイドレール３１に搭載されたパレット１１を第２ガイドレール３１に沿って搬送する。

　第２ガイドレール３１に搭載された状態では、パレット１１における短ベルト１６の凹凸１６ａ、１６ｂは、第２ガイドレール３１における循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに係合する。よって、第２ガイドレール３１における循環ベルト４２を循環させることにより、パレット１１を第２ガイドレール３１に沿って搬送することができる。

　本実施形態では、第２ガイドレール３１に沿って工作機を設けていない。よって、第２パレット搬送工程では、パレット１１を第２ガイドレール３１の一端から他端にまで戻すように搬送する。

　ここで、短ベルト１６の循環を停止して短ベルト１６が係止する循環ベルト４２を循環させた場合のパレット１１の搬送速度は、循環ベルト４２の循環速度と同一となる。このため、短ベルト１６の循環を停止した状態におけるパレット１１の搬送速度は、循環ベルト４２の循環速度を超えることはない。

　しかしながら、本実施形態のパレット搬送装置１０では、循環ベルト４２に一部が重合して循環する無端状の短ベルト１６をパレット１１に設け、短ベルト１６を循環させる自走用モータ１８をパレット１１に設けている。よって、自走用モータ１８を駆動して短ベルト１６を循環させると、循環ベルト４２上を短ベルト１６が転動して移動する。つまり、パレット１１を自走させることができる。

　従って、第２ガイドレール３１において、循環ベルト４２の循環と共にパレット１１における短ベルト１６を循環させて、循環ベルト４２がパレット１１を搬送する方向にパレット１１を自走させることで、循環ベルト４２の循環速度を超えてパレット１１を搬送することが可能になる。これにより、パレット１１の搬送速度を著しく高めることができる。

　＜第２パレット移動工程＞
　第２パレット移動工程では、第２ガイドレール３１の端部に達したパレット１１を第１ガイドレール２１に移動させる。パレット１１の移動は、第１及び第２ガイドレール２１、３１の他方の端部に設けられたパレット移動手段６１により行われる。具体的な移動の手順は、第１パレット移動工程と同一である。

　即ち、図９に示すように、第２ガイドレール３１の他方の端部に第２可動レール６３が連続するように、第２可動レール６３を移動させる。第２可動レール６３の移動は、駆動モータ６７を駆動させてボールネジ６６を回転させることにより行われる。

　第２ガイドレール３１の循環ベルト４２を循環させ、搬送されたパレット１１が第２ガイドレール３１の端部に達した段階で循環ベルト４２の循環を停止させる。このとき、循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂを第２可動レール６３における接触部材６８の凹凸６８ａ、６８ｂに連続させた状態とする。

　その後、自走用モータ１８を駆動して短ベルト１６を循環させることで第２ガイドレール３１の端部に達したパレット１１を自走させ、実線の矢印で示すように、第２ガイドレール３１から第２可動レール６３に移動させる。

　そして、パレット１１全体が第２可動レール６３に搭載された段階で、自走用モータ１８の駆動を停止し、第２可動レール６３にパレット１１が搭載された状態を維持させる。

　その後、図１０に示すように、駆動モータ６７を再び駆動させてボールネジ６６を回転させ、パレット１１が搭載された第２可動レール６３を第２ガイドレール３１の端部から離脱させる。そして、破線の矢印で示すように、第１ガイドレール２１の他方の端部にまで移動させ、第１ガイドレール２１に連続する第１位置に第２可動レール６３が達した段階で、ボールネジ６６の回転を停止させる。

　第２可動レール６３の移動の際、短ベルト１６の循環を停止させることにより、第２可動レール６３に搭載されたパレット１１の第２可動レール６３に対する移動を禁止することができる。

　第２可動レール６３が第１位置に達し、第２可動レール６３の短レール６３ｂが第１ガイドレール２１の直線運動ガイドレール２３に連続する位置になった後に、第１ガイドレール２１における循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂを、第２可動レール６３における接触部材６８の凹凸６８ａ、６８ｂに連続させる。そして、実線の矢印で示すように、パレット１１を第１ガイドレール２１に向かって自走させ、第２可動レール６３から第１ガイドレール２１に移動させる。

　このようにして、パレット１１を第２ガイドレール３１の端部から第１ガイドレール２１に移動させる。

　このように、上述した各工程が１回行われることにより、各パレット１１をそれぞれ１個分づつ反時計方向に搬送することができる。

　そして、各工程が１回行われる毎に各工作機１～３を作動させることで、各パレット１１に載った各ワークに対して所定の各種加工が並行して行われる。各工作機１～３の作動時、いずれかのパレット１１に対してワークの搬入出が行われることになる。

　本実施形態では、自走用モータ１８を駆動して短ベルト１６を循環させることで、パレット１１を自走させている。そして、自走用モータ１８に給電する摺動接触端子１９は、パレット１１に設けられる。また、摺動接触端子１９と通電する電極帯２４は、第１及び第２ガイドレール２１、３１の双方に形成されている。

　このため、パレット１１には、自走用モータ１８を制御するための制御機器を搭載する必要がない。よって、制御機器を搭載することに起因するパレット１１の重量増加や、パレット１１の構造が複雑になることを回避できる。

　なお、上述した実施形態では、第１及び第２ガイドレール２１、３１が水平方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられる場合を説明した。しかしながら、パレット搬送装置１０は、単一のガイドレールを備える構成であってもよいし、３本以上のガイドレールを水平方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けるようにしても良い。

　３本以上のガイドレールを水平方向に所定の間隔を設ける場合、パレット１１を搭載して各ガイドレールの端部に移動可能な可動レールを設けることにより、複数のガイドレールのいずれにもパレット１１を移動させて搬送し得るパレット搬送装置１０となる。

　また、上述した実施形態では、循環ベルト４２が歯付きベルトである場合を説明した。しかしながら、循環ベルト４２は、パレット１１が係止し得るものであれば、歯付きベルトに限るものではない。

　また、上述した実施形態では、係止手段が、循環ベルト４２に一部が重合して循環する無端状の短ベルト１６である場合を説明した。しかしながら、図１１に示すように、係止手段は、循環ベルト４２に外周が接触して転動するプーリ９０であっても良い。

　係止手段がプーリ９０であっても、循環ベルト４２に外周が接触して転動しうる限り、自走用モータ１８がプーリ９０を回転させることにより、パレット１１を自走させることができる。

　そして、循環ベルト４２が歯付きベルトである場合、プーリ９０の外周に循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂに噛み合う噛合歯として凹凸９０ａ、９０ｂを形成することにより、循環ベルト４２と噛み合うプーリ９０とすることができる。

　これによれば、循環ベルト４２に対してプーリ９０が滑ることが防止できるので、パレット１１を確実に自走させることが可能となる。

　また、上述した実施形態では、第１及び第２可動レール６２、６３に設けられた接触部材６８に、短ベルト１６の凹凸１６ａ、１６ｂが噛み合う凹凸６８ａ、６８ｂを形成する場合を説明した。

　しかしながら、第１及び第２可動レール６２、６３に搭載されたパレット１１のプーリ９０又は短ベルト１６が接触して、それらが回転又は循環することによりパレット１１を自走させ得る限り、接触部材６８に凹凸６８ａ、６８ｂを形成しなくてもよい。

　接触部材６８に凹凸６８ａ、６８ｂを形成しない場合は、第１及び第２可動レール６２、６３にパレット１１を搭載する際に、第１ガイドレール２１又は第２ガイドレール３１における循環ベルト４２の凹凸４２ａ、４２ｂを、接触部材６８における凹凸６８ａ、６８ｂに連続させる必要が無い。よって、第１及び第２可動レール６２、６３にパレット１１を搭載する制御が容易になる。

　また、上述した実施形態では、架台９にボールネジ６６を設け、駆動モータ６７によりボールネジ６６を正回転又は逆回転させることにより、第１及び第２可動レール６２、６３を第１位置と第２位置との間で往復移動させる場合を説明した。しかしながら、第１及び第２可動レール６２、６３の往復移動は、他の手段によって行うようにしてもよい。

　例えば、移動用ガイドレール６４に沿って設けられた流体圧シリンダ（図示せず）の出没ロッドを第１及び第２可動レール６２、６３に取付け、出没ロッドを流体圧シリンダの本体部から突出させ又は本体部に没入させることで、第１及び第２可動レール６２、６３を第１位置と第２位置との間で往復移動させるようにしてもよい。

　また、上述した実施形態では、パレット１１が反時計回り方向の軌道で循環する場合を説明した。しかしながら、パレット搬送装置１０が並んで設けられた第１及び第２ガイドレール２１、３１を有する場合、反時計回り方向に限らず、各パレット１１を時計回り方向に搬送することも可能である。

　以上述べたように、本実施形態のパレット搬送装置１０では、循環ベルト４２に外周が接触して転動するプーリ９０又は循環ベルト４２に一部が重合して循環する無端状の短ベルト１６をパレット１１に設け、プーリ９０を回転させ又は短ベルト１６を循環させる自走用モータ１８をパレット１１に設けた。よって、自走用モータ１８を駆動してプーリ９０を回転させ又は短ベルト１６を循環させると、循環ベルト４２上をプーリ９０又は短ベルト１６が転動移動する。これにより、パレット１１はガイドレール２１、３１上を自走することになる。

　従って、循環ベルト４２の循環と共にプーリ９０を回転させ又は短ベルト１６を循環させてパレット１１を自走させれば、循環ベルト４２の循環速度を超えてパレット１１を搬送することが可能になり、パレット１１の搬送速度を著しく高めることができる。

　また、複数のパレット１１が第１及び第２ガイドレール２１、３１に搭載されている場合、その内の１つのパレット１１におけるプーリ９０を回転させ又は短ベルト１６を循環させて当該パレット１１を自走させれば、パレット１１の搬送途中であるか否かにかかわらず、複数のパレット１１間の間隔を変更することが可能となる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体例に限定する趣旨ではない。

本願は、２０１６年７月１３日に日本国特許庁に出願された特願２０１６
－１３８２１９号に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照に
より本明細書に組み込まれる。

Claims

　パレット搬送装置（１０）であって、
　ガイドレール（２１、３１）と、
　前記ガイドレール（２１、３１）に沿って設けられる無端状の第１ベルト（４２）と、
　前記第１ベルト（４２）に係止する係止手段を有し前記ガイドレール（２１、３１）に移動可能に搭載された１又は２以上のパレット（１１）と、
を備え、
　前記ガイドレール（２１、３１）に搭載された前記パレット（１１）は、循環する前記第１ベルト（４２）に係止して搬送され、
　前記係止手段は、前記第１ベルト（４２）に外周が接触して転動するプーリ（９０）又は前記第１ベルト（４２）に一部が重合して循環する無端状の第２ベルト（１６）であって、
　前記プーリ（９０）を回転させ又は前記第２ベルト（１６）を循環させるモータ（１８）が前記パレット（１１）に設けられる、
パレット搬送装置（１０）。
　請求項１に記載のパレット搬送装置（１０）であって、
　前記第１ベルト（４２）は、幅方向に延びる凹凸（４２ａ、４２ｂ）が長手方向に交互に連続する歯付きベルトであって、
　前記プーリ（９０）の前記外周又は前記第２ベルト（１６）の外面に、前記第１ベルト（４２）の前記凹凸（４２ａ、４２ｂ）と噛み合う噛合歯（１６ａ、１６ｂ、９０ａ、９０ｂ）が形成される、
パレット搬送装置（１０）。
　請求項１又は２に記載のパレット搬送装置（１０）であって、
　前記パレット（１１）に、前記モータ（１８）に給電する摺動接触端子（１９）が設けられ、
　前記ガイドレール（２１、３１）に、前記パレット（１１）の移動方向に延びて形成され、接触する前記摺動接触端子（１９）と通電する電極帯（２４）が設けられる、
パレット搬送装置（１０）。
　請求項３に記載のパレット搬送装置（１０）であって、
　並んで設けられた第１及び第２の前記ガイドレール（２１、３１）と、
　前記パレット（１１）を搭載して前記第１ガイドレール（２１）の一方の端部に連続する第１位置と前記第２ガイドレール（３１）の一方の端部に連続する第２位置との間を移動する第１可動レール（６２）と、
　前記パレット（１１）を搭載して前記第１ガイドレール（２１）の他方の端部に連続する第１位置と前記第２ガイドレール（３１）の他方の端部に連続する第２位置との間を移動する第２可動レール（６３）と、
を備え、
　前記第１ガイドレール（２１）及び前記第２ガイドレール（３１）にそれぞれ設けられた前記電極帯（２４）に連続する通電帯（６９）が、前記第１可動レール（６２）及び前記第２可動レール（６３）にそれぞれ設けられ、
　前記第１可動レール（６２）及び前記第２可動レール（６３）にそれぞれ搭載された前記パレット（１１）の前記プーリ（９０）又は前記第２ベルト（１６）が接触する接触部材（６８）が、前記第１可動レール（６２）及び前記第２可動レール（６３）にそれぞれ設けられる、
パレット搬送装置（１０）。
　ガイドレール（２１、３１）に搭載されたパレット（１１）を、前記ガイドレール（２１、３１）に沿って設けられて循環する無端状の第１ベルト（４２）に係止して搬送するパレット搬送方法であって、
　前記パレット（１１）に設けられたプーリ（９０）の外周を前記第１ベルト（４２）に接触させ又は前記パレット（１１）に設けられた無端状の第２ベルト（１６）の一部を前記第１ベルト（４２）に重合させて前記パレット（１１）を前記第１ベルト（４２）に係止し、
　前記第１ベルト（４２）の循環と共に又は前記第１ベルト（４２）の循環とは別に前記プーリ（９０）を回転させ又は前記第２ベルト（１６）を循環させて前記パレット（１１）を自走させる、
パレット搬送方法。