WO2017221642A1 - 三塩化ホウ素の製造方法 - Google Patents
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Definitions
- one embodiment of the present invention is as follows [1] to [10].
- [1] A method for producing boron trichloride by reaction of boron carbide with chlorine gas, A chlorine-containing gas containing chlorine gas and having a water content of 1 ppm by volume or less is added to boron carbide at a temperature lower than the production start temperature at which the production of boron trichloride starts by the reaction between boron carbide and chlorine gas.
- a chlorine-containing gas can be used as in the dehydration step, and only chlorine gas may be used, or a mixed gas composed of chlorine gas and inert gas is used. Also good.
- the same type of chlorine-containing gas may be used, or another type of chlorine-containing gas may be used. That is, the ratio of the chlorine gas in the chlorine-containing gas may be the same or different between the generation process and the dehydration process.
- Example 2 The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that the following chlorine gas was used instead of the high-purity chlorine gas as the chlorine-containing gas used for the boron carbide dehydration treatment. That is, a commercial industrial chlorine gas having a purity of 99.9% by volume and a water content of 5 ppm by volume is passed through a SUS cylinder filled with 1 L of molecular sieves 3A to reduce the water content to 1 ppm by volume or less. This was used as a chlorine-containing gas. As a result, the reaction was completed in 6 hours, the amount of boron trichloride obtained was 167 g, and the yield was 99% by mass. The amount of by-produced hydrogen chloride was 1 mg.
- Example 4 In Example 1, the boron carbide was heated to 390 ° C. while flowing a chlorine-containing gas at room temperature into the tubular reaction vessel, and dehydration treatment was performed to remove the moisture contained in the boron carbide. Boron carbide was heated to 390 ° C. while flowing a chlorine-containing gas heated to 390 ° C. into the tubular reaction vessel, and a dehydration treatment was performed to remove moisture contained in the boron carbide. In Example 4, the dehydration time was 40 minutes. The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except for these points. As a result, the reaction was completed in 6 hours, the amount of boron trichloride obtained was 167 g, and the yield was 99% by mass. The amount of by-produced hydrogen chloride was 1 mg.
- the reaction was completed in 6 hours, the amount of boron trichloride obtained was 161 g, and the yield was 95% by mass.
- the amount of by-produced hydrogen chloride was 2.6 g. Since white crystals were attached to the outlet of the tubular reaction vessel after completion of the reaction, the white crystals were a mixture of boric acid and boron oxide when analyzed by powder X-ray diffraction measurement and differential thermal / thermogravimetry. .
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Abstract
Description
[1] 炭化ホウ素と塩素ガスとの反応により三塩化ホウ素を製造する方法であって、
炭化ホウ素と塩素ガスとの反応により三塩化ホウ素の生成が開始する生成開始温度よりも低い温度で、塩素ガスを含有し且つ水分含有量が1体積ppm以下である塩素含有ガスを、炭化ホウ素に接触させ、前記炭化ホウ素に含有される水分と前記塩素含有ガス中の塩素ガスとを反応させて前記炭化ホウ素に含有される水分を除去する脱水工程と、
前記脱水工程で脱水した前記炭化ホウ素に塩素ガスを反応させて三塩化ホウ素を生成する生成工程と、
を備える三塩化ホウ素の製造方法。
[3] 前記脱水工程で前記塩素含有ガスを前記炭化ホウ素に接触させる温度が300℃以上である[1]又は[2]に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
[4] 前記脱水工程で前記塩素含有ガスを前記炭化ホウ素に接触させる温度が400℃以下である[1]又は[2]に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
[6] 前記塩素含有ガスは、20体積%以上60体積%以下の塩素ガスと、残部の不活性ガスとからなる[1]~[5]のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
[8] 前記炭化ホウ素は、目開き5.60mmの乾式篩を通過する篩下が100質量%であり、目開き1mmの乾式篩を通過しない篩上が65質量%以上である粉体である[1]~[7]のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
[10] 前記脱水工程を反応容器内で行い、前記反応容器から前記脱水工程中に排出される排出ガス中の水及び塩化水素の少なくとも一方の量を測定して、前記反応容器内の水分量を評価する水分量評価工程をさらに備える[1]~[9]のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
なお、三塩化ホウ素が加水分解してホウ酸が生成する反応は、以下の式で示される。
BCl3 + 3H2O → B(OH)3 + 3HCl
また、塩素ガスにより水分を除去する場合等に生じる塩素ガスと水の反応は、以下の式で示される。
Cl2+ H2O → HClO + HCl
塩素含有ガスの水分含有量は、例えばフーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)を用いて測定した塩化水素の吸光度から算出することができる。フーリエ変換赤外分光装置としては、例えばサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のNicolet iS10 FT-IRを用いることができる。
さらに、本実施形態の三塩化ホウ素の製造方法は、脱水工程、生成工程に加えて、脱水工程を行う反応容器内の水分量を評価する水分量評価工程をさらに備えていてもよい。すなわち、脱水工程を反応容器内で行い、反応容器から脱水工程中に排出される排出ガス中の水及び塩化水素の少なくとも一方の量を測定して、脱水工程を行う反応容器内の水分量を評価してもよい。
〔実施例1〕
図1の三塩化ホウ素製造装置と同様の三塩化ホウ素製造装置を用い、上記実施形態と同様の操作を行って炭化ホウ素と塩素ガスを反応させ、三塩化ホウ素を製造した。塩素含有ガスは、純度99.999体積%、水分含有量0.9体積ppmの市販の高純度塩素ガスを用いた。炭化ホウ素は、乾式篩で粒径を測定した場合に、目開き5.60mmの乾式篩を通過する篩下が100質量%、目開き1mmの乾式篩を通過しない篩上が65質量%以上となる粉体を用いた。
炭化ホウ素の脱水処理に用いる塩素含有ガスとして高純度塩素ガスに代えて以下の塩素ガスを用いた点以外は、実施例1と同様に反応を行った。すなわち、純度99.9体積%、水分含有量5体積ppmの市販の工業用塩素ガスを、1Lのモレキュラーシーブス3Aを充填したSUS製シリンダーを通過させて、水分含有量を1体積ppm以下に低減したものを、塩素含有ガスとして用いた。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は167gであり、収率は99質量%であった。また、副生した塩化水素の量は1mgであった。
炭化ホウ素の脱水処理に用いる塩素含有ガスとして高純度塩素ガスに代えて以下のガスを用いた点以外は、実施例1と同様に反応を行った。すなわち、市販の高純度塩素ガスと窒素ガスとを等量混合し水分含有量を1体積ppm以下とした混合ガスを、塩素含有ガスとして用いた。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は167gであり、収率は99質量%であった。また、副生した塩化水素の量は1mgであった。
実施例1では、常温の塩素含有ガスを管状反応容器に流しながら炭化ホウ素を390℃に加熱して、炭化ホウ素に含有される水分を除去する脱水処理を行ったが、実施例4では、予め390℃に加熱した塩素含有ガスを管状反応容器に流しながら炭化ホウ素を390℃に加熱して、炭化ホウ素に含有される水分を除去する脱水処理を行った。また、実施例4では、脱水処理の時間は40分間とした。これら以外の点は実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は167gであり、収率は99質量%であった。また、副生した塩化水素の量は1mgであった。
実施例1では大気圧下で脱水処理を行ったが、実施例5では-0.015MPaGの減圧下で脱水処理を行った。また、実施例5では、脱水処理での塩素含有ガスの流量は150ccmとした。これら以外の点は実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は167gであり、収率は99質量%であった。また、副生した塩化水素の量は1mgであった。
脱水処理時の炭化ホウ素の温度を390℃から290℃に変更した点以外は、実施例1と同様に反応を行った。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は166gであり、収率は98質量%であった。また、副生した塩化水素の量は1.1gであった。反応終了後の管状反応容器の出口部分には白色結晶が付着していたため、粉末X線回折測定と示差熱・熱重量測定により分析したところ、白色結晶はホウ酸と酸化ホウ素の混合物であった。
脱水処理時に流すガスを塩素含有ガスから、水分含有量が1体積ppm以下の窒素ガスに変更した点以外は、実施例1と同様に反応を行った。すなわち、比較例1では、塩素含有ガスを用いた脱水処理は行わなかった。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は161gであり、収率は95質量%であった。また、副生した塩化水素の量は2.6gであった。反応終了後の管状反応容器の出口部分には白色結晶が付着していたため、粉末X線回折測定と示差熱・熱重量測定により分析したところ、白色結晶はホウ酸と酸化ホウ素の混合物であった。
脱水処理時に流す塩素含有ガスを高純度塩素ガスから水分含有量5体積ppmの市販の工業用塩素ガスに変更した点以外は、実施例1と同様に反応を行った。
その結果、6時間で反応が終了し、得られた三塩化ホウ素の量は161gであり、収率は95質量%であった。また、副生した塩化水素の量は2.6gであった。反応終了後の管状反応容器の出口部分には白色結晶が付着していたため、粉末X線回折測定と示差熱・熱重量測定により分析したところ、白色結晶はホウ酸と酸化ホウ素の混合物であった。
図1の三塩化ホウ素製造装置と同様の三塩化ホウ素製造装置を用い、上記実施形態と同様の操作を行って三塩化ホウ素を製造した。ただし、炭化ホウ素の代わりにホウ酸と活性炭の混合物を用い、ホウ酸と塩素ガスを反応させて三塩化ホウ素を製造した。塩素含有ガスとしては、純度99.999体積%、水分含有量0.9体積ppmの市販の高純度塩素ガスを用いた。
2 窒素ガス容器
3 乾燥塔
4 炭化ホウ素の粉末
5 管状反応容器
6 真空ポンプ
7 フーリエ変換赤外分光装置
Claims (10)
- 炭化ホウ素と塩素ガスとの反応により三塩化ホウ素を製造する方法であって、
炭化ホウ素と塩素ガスとの反応により三塩化ホウ素の生成が開始する生成開始温度よりも低い温度で、塩素ガスを含有し且つ水分含有量が1体積ppm以下である塩素含有ガスを、炭化ホウ素に接触させ、前記炭化ホウ素に含有される水分と前記塩素含有ガス中の塩素ガスとを反応させて前記炭化ホウ素に含有される水分を除去する脱水工程と、
前記脱水工程で脱水した前記炭化ホウ素に塩素ガスを反応させて三塩化ホウ素を生成する生成工程と、
を備える三塩化ホウ素の製造方法。 - 前記塩素含有ガスは、ゼオライトを含有する乾燥剤に接触させたものである請求項1に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記脱水工程で前記塩素含有ガスを前記炭化ホウ素に接触させる温度が300℃以上である請求項1又は請求項2に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記脱水工程で前記塩素含有ガスを前記炭化ホウ素に接触させる温度が400℃以下である請求項1又は請求項2に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記脱水工程を大気圧よりも低圧下で行う請求項1~4のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記塩素含有ガスは、20体積%以上60体積%以下の塩素ガスと、残部の不活性ガスとからなる請求項1~5のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記不活性ガスが窒素ガス、アルゴン、及びヘリウムのうちの少なくとも一つである請求項6に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記炭化ホウ素は、目開き5.60mmの乾式篩を通過する篩下が100質量%であり、目開き1mmの乾式篩を通過しない篩上が65質量%以上である粉体である請求項1~7のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記生成工程における炭化ホウ素と塩素ガスとの反応温度が800℃以上1100℃以下である請求項1~8のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
- 前記脱水工程を反応容器内で行い、前記反応容器から前記脱水工程中に排出される排出ガス中の水及び塩化水素の少なくとも一方の量を測定して、前記反応容器内の水分量を評価する水分量評価工程をさらに備える請求項1~9のいずれか一項に記載の三塩化ホウ素の製造方法。
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