WO2017179353A1 - マイクロリアクタ、化成品製造システム及びマイクロリアクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
流量比(体積比)の異なる(流量が異なる)原料の混合において、良好な混合を実現するため、異なる流量を有する原料のうち、高流量側の原料が流通する高流量側流路(102)と、低流量側の原料が流通する低流量側流路(103)と、高流量側流路が分岐した分岐流路(102a,102b)と、分岐流路(102a,102b)及び低流量側流路(103)が合流した後の流路である滞留用流路(104)とを有し、分岐流路(102a)及び分岐流路(102b)は、低流量側流路(103)を挟み込むように合流することを特徴とする。
Description
本発明は、原料を混合させるためのマイクロリアクタ、化成品製造システム及びマイクロリアクタの製造方法の技術に関する。
近年、マイクロ加工技術等により作製された微細流路内で流体を混合させる装置、いわゆるマイクロリアクタを、バイオ分野、医療分野、医薬品、化成品等の化学合成分野に応用しようとする取り組みが盛んに行われている。
マイクロリアクタにおける合成反応の特徴として、以下の点がある。すなわち、マイクロリアクタにおける反応場のサイズの低下に伴い、分子拡散により流体が迅速混合する。その結果、流体の体積に対する表面積の効果が相対的に大きくなるとともに、流体の体積に対する熱伝達の効果が相対的に大きくなる。従って、通常のバッチ反応に比べ、反応時間の短縮や収率の向上による製造効率の向上が期待されている。
マイクロリアクタにおける合成反応の特徴として、以下の点がある。すなわち、マイクロリアクタにおける反応場のサイズの低下に伴い、分子拡散により流体が迅速混合する。その結果、流体の体積に対する表面積の効果が相対的に大きくなるとともに、流体の体積に対する熱伝達の効果が相対的に大きくなる。従って、通常のバッチ反応に比べ、反応時間の短縮や収率の向上による製造効率の向上が期待されている。
また、マイクロリアクタは閉鎖系でかつ小さな反応場を提供することから、腐食性の高い物質や危険な合成反応を取り扱うのに適している。マイクロリアクタ1個あたりの生産量は少なくても、マイクロリアクタをN倍化、いわゆるナンバリングアップすることにより、同じ生成物を大量に生産することができる。
また、バイオ分野や医薬品の合成分野において、外部からの異物の混入によるクロスコンタミネーション(交差汚染)は、取り扱う物質の腐食性が比較的低いものの、好ましくないことが多い。
そして、材質としてPDMS(ポリジメチルシロキサン)、ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)等の樹脂を用いることにより、材料、成型加工も含めたコストが安くなるため、マイクロリアクタはシングルユース(使い捨て)として使われている。
そして、材質としてPDMS(ポリジメチルシロキサン)、ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)等の樹脂を用いることにより、材料、成型加工も含めたコストが安くなるため、マイクロリアクタはシングルユース(使い捨て)として使われている。
前記した各分野への適用に向けた、2種類の流体を迅速混合させるためのマイクロリアクタの流路構造に関しては、これまでいろいろな開発及び検討が行われている。
第1の手法として、2種類の原料をそれぞれ複数に分岐し、放射状に交互に導入できるようにし、中心に向かって多層流を形成して合流するものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
第1の手法として、2種類の原料をそれぞれ複数に分岐し、放射状に交互に導入できるようにし、中心に向かって多層流を形成して合流するものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、特許文献1には、「流入した2種以上の流体をそれぞれ独立して合流領域に供給し、合流領域からこれらの流体を排出するマイクロデバイスであって、マイクロデバイスに流入した各流体を合流領域に供給する供給チャンネル、および合流した流体を合流領域からマイクロデバイスの外部に排出する排出チャンネルを有して成り、少なくとも1種の流体を供給する供給チャンネルは複数のサブチャンネルを有して成り、これらのサブチャンネルは、同じ合流領域に合流し、複数のサブチャンネルの少なくとも1つの中心軸と、そのサブチャンネルが供給する流体以外の他の種類の流体の内の少なくとも1種の流体を供給する供給チャンネルまたはサブチャンネルの少なくとも1つの中心軸とが一点で交差するように、これらのサブチャンネルおよび供給チャンネルが形成されていることを特徴とする」マイクロデバイスおよび流体の合流方法が記載されている(請求項1参照)。
また、特許文献2には、「少なくとも1種類が有機顔料を溶解した有機顔料溶液であると共に、少なくとも1つがpH調整剤である2種類以上の溶液をマイクロ流路内にて非層流状態で流通させ、その流通過程で前記有機顔料溶液中から有機顔料微粒子を析出させる有機顔料微粒子の製造方法であって、前記有機顔料溶液はアルカリ性または酸性の水性媒体に溶解した溶液であり、前記マイクロ流路内の流通過程で前記有機顔料溶液の水素イオン指数(pH)を変化させることにより前記有機顔料微粒子を析出させると共に、前記有機顔料溶液と前記pH調整剤との溶液同士が合流するときの交差角度α、βを、前記合流された全ての溶液の厚み方向の断面積の総和をS1とし、前記マイクロ流路の径方向の断面積をS2としたときに、S1>S2を満足するように設定することを特徴とする」有機顔料微粒子の製造方法が記載されている(請求項1参照)。
また、第2の手法として、2種類の原料をそれぞれ複数に分岐し、分岐した一方の原料を、分岐したもう一方の原料で挟むようにして合流し、最終的に合流するものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、「導入部材と、該導入部材と連結する第1部材と、該第1部材と連結する第2部材と、該第2部材と連結する第3部材と、該第3部材と連結する導出部材と、を積層するように備えた乳化装置であって、前記導入部材と前記第1部材を積層方向に貫通し、第1の液体が通流する分散相流入流路と、前記第1部材と前記第2部材の間に設けられ、前記第1の液体と溶解することのない第2の液体が通流する連続相流入流路と、前記第2部材を積層方向に貫通し、前記分散相流入流路から流入する第1の液体を内側に、前記連続相流入流路から流入する第2の液体を外側とする混合液が流れるシースフローを形成する混合流路と、前記第3部材と前記導出部材を積層方向に貫通し、前記混合流路よりも流路幅の広い拡大混合流路と、の各流路のうち、前記分散相流入流路、前記混合流路、前記拡大混合流路が同軸上になるように設けられ、前記混合流路と前記拡大混合流路は、それぞれ別部材上に形成されており、前記混合液に含まれる前記第1の液体が、前記混合流路および前記拡大混合流路を流れる中で分断され、エマルション粒子となることにより乳化が行われることを特徴とする」乳化装置が記載されている。
ここで、特許文献1に記載された流路構造の技術では、2種類の原料をそれぞれ複数に分岐させ、放射状に交互に導入できるようにし、中心に向かって多層流を形成して合流させている。この技術は、分岐しても2種類の原料の流量比(体積比)は変わらないため、流量比(体積比)が大きく偏っていると、原料間の界面積が十分に得られないという課題が生じる。ここで、流量とは単位時間当たりに流れる流体の体積である。
また、特許文献2に記載された流路構造の技術では、2種類の原料をそれぞれ複数に分岐し、分岐した一方の原料を、分岐したもう一方の原料で挟むようにして合流し、最終的に合流している。この技術は、分岐する数に応じて微細流路が必要となるが、耐腐食性の高い材質は微細加工が難しいため、腐食性の高い物質や危険な合成反応への適用が難しくなるという課題が生じる。
さらに、特許文献3に記載された流路構造の技術では、2種類の原料が導入されてから合流するまでの、各原料の流路内体積(内容積)がほぼ同じである。このようにすると、2種類の原料の流量比(体積比)が大きく偏っている場合、高流量側の原料がより多く流れる。そのため、化成品の製造開始時に、高流量側の原料が低流量側の原料の流路に流れ込むという課題が生じる。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、流量が異なる原料の混合において、良好な混合を実現することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、流量が異なる複数の原料がそれぞれ通流する複数の流路を備え、前記流路は、高流量の原料の流路が複数に分岐した後、低流量の原料の流路に合流するように、分岐・合流されていることを特徴とする。
その他の解決手段については実施形態中において記載する。
その他の解決手段については実施形態中において記載する。
本発明によれば、流量が異なる原料の混合において、良好な混合を実現することができる。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
以下、図1~図5を用いて、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。
図1のマイクロリアクタ101は、高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106及び排出口107を有している。
以下、図1~図5を用いて、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。
図1のマイクロリアクタ101は、高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106及び排出口107を有している。
図1に示すように、高流量側の原料(高流量の原料)は、高流量側導入口105から導入されると、一点鎖線で示される高流量側流路102(高流量の原料の流路)を通流する。また、低流量側の原料(低流量の原料)は、低流量側導入口106から導入され、破線で示される低流量側流路103(低流量の原料の流路)を通流する。ここで、分岐点111aにおいて、高流量側流路102が一点鎖線で示される分岐流路102aと分岐流路102bの2つに分岐されるのに伴い、高流量側の原料も2つに分岐される。そして、合流点111bにおいて、高流量側の原料は、低流量側の原料を挟むようにして合流する。ここで、高流量の原料と、低流量側の原料とが混合する。以下、高流量側の原料と、低流量側の原料とが混合したものを混合物と称する。混合物は、最終的に、二点鎖線で示される滞留用流路104を通流し、排出口107から排出される。ここで、混合物の流量が小さい場合、滞留用流路104が反応場となる。しかし、混合物の流量が大きい場合、滞留用流路104では反応せず、混合物のまま、排出口107から排出される。この場合、滞留用流路104は混合場となる。
また、高流量側流路102が分岐流路102aと分岐流路102bとの2つに分岐されることにより、高流量側流路102の流路内体積(内容積)は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。
ここで、高流量側流路102の流路内体積と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いことが望ましいが、これに限らない。高流量側流路102の流路内体積と低流量側流路103の流路内体積は、2種類の原料が流れる際の圧力損失が等しい、又は、近い値となるようにすることが望ましい。
ここで、高流量側流路102の流路内体積と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いことが望ましいが、これに限らない。高流量側流路102の流路内体積と低流量側流路103の流路内体積は、2種類の原料が流れる際の圧力損失が等しい、又は、近い値となるようにすることが望ましい。
ここで、高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103及び滞留用流路104の断面積は、図5で後記するマイクロリアクタ101の作製方法の観点から同じであることが望ましい(高流量側流路102の断面積≒分岐流路102a,102bの断面積≒低流量側流路103の断面積≒滞留用流路104の断面積)。このようにすることで、滞留用流路104内での高流量側の原料の断面積は分岐流路102a,102bの断面積よりも小さくなり、また、滞留用流路104内での低流量側の原料の断面積は低流量側流路103の断面積よりも小さくなる。このため、高流量側流路102から流れてきた高流量側の原料と、低流量側流路103から流れてきた低流量側の原料とが、良好に混合する。なお、高流量側導入口105及び低流量側導入口106には、ポンプ204(図3参照)が接続されており、高流量側の原料及び低流量側の原料は、ポンプ204による吐出力で通流しているため、分岐流路102a,102b及び低流量側流路103の断面積が同じであっても、各原料は滞留用流路104に流れ込むことができる。
なお、図1に示すマイクロリアクタ101では、高流量側流路102、分岐流路102a,102bの長さが、低流量側流路103より長くなるように構成されることで、高流量側流路102の流路内体積を、低流量側流路103の流路内体積より大きくしているが、これに限らない。例えば、高流量側流路102の断面積を低流量側流路103より大きくすることで、高流量側流路102の流路内体積が、低流量側流路103の流路内体積より大きくなるようにしてもよい。高流量側流路102、分岐流路102a,102bの長さ及び断面積の両方によって、高流量側流路102の流路内体積が、低流量側流路103の流路内体積より大きくなるようにしてもよい。
また、高流量側流路102の流路内における圧力損失が、低流量側流路103の流路内における圧力損失とほぼ等しいことが望ましい。
高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107には、フィッティング接続用のネジ穴が形成されており(図示せず)、フィッティング(図示せず)を用いることにより、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107にチューブ213(図3参照)を接続することができる。
また、マイクロリアクタ101は、上側プレート108及び下側プレート109の2枚のプレートから構成されており、上側プレート108には、高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104が形成されている。そして、下側プレート109には、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107が形成されている。上側プレート108及び下側プレート109は溶着により一体化されている。溶着方法については後記する。
なお、良好な混合を得るためには、マイクロリアクタ101における高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104の流路の代表径は2mm以下にすることが望ましい。特に、合流点111b及び滞留用流路104においては、2種類の原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。また、マイクロリアクタ101において、2種類の原料は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
また、高流量側の原料を2つに分岐することにより、合流点111bにおいて、高流量側の原料が低流量側の原料に対して別の方向から合流するため、良好な混合を実現することができる。この結果、図2に示すように、2種類の原料(高流量側の原料603、低流量側の原料602)の界面積112は、流量比(体積比)で決まる界面積の2倍となり、それほど微細構造にしなくても混合効率を向上させることができる。
なお、特許文献1~3に記載の技術では、原料が異なる流量比(流量)を有することについては考慮していない。
なお、特許文献1~3に記載の技術では、原料が異なる流量比(流量)を有することについては考慮していない。
特に、図1に示すマイクロリアクタ101のように、合流点111bでは分岐流路102a及び分岐流路102bが、同時に低流量側流路103に合流することで、図2に示すように、高流量側の原料603が低流量側の原料602を挟み込むように合流する。この結果、2種類の原料の界面積112は、流量比(体積比)で決まる界面積の2倍となり、それほど微細構造にしなくても混合効率を向上させることができる。
なお、図2において、合流する様子をわかりやすくするために、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないようなイメージで記載している。実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合した状態となっている。
なお、図2において、合流する様子をわかりやすくするために、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないようなイメージで記載している。実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合した状態となっている。
また、本実施形態に係るマイクロリアクタ101において、高流量側の原料を2つに分岐することにより、高流量側流路102の流路内体積は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなる。これにより、化成品の製造開始時において、高流量側の原料が低流量側流路103に流れ込むことを防ぐことができる。
つまり、高流量側流路102の流路内体積と、低流量側流路103の流路内体積とを同じとすると、高流量側の原料の方が、流速が速いので、先に合流点111bに到達してしまう。すると、先に合流点111bに到達した高流量側の原料が低流量側流路103に流れ込む、すなわち、逆流をしてしまう。
つまり、高流量側流路102の流路内体積と、低流量側流路103の流路内体積とを同じとすると、高流量側の原料の方が、流速が速いので、先に合流点111bに到達してしまう。すると、先に合流点111bに到達した高流量側の原料が低流量側流路103に流れ込む、すなわち、逆流をしてしまう。
本実施形態では、高流量側流路102の流路内体積を、低流量側流路103の流路内体積より大きくすることで、高流量側の原料が合流点111bに到達する時間を長くする。これにより、高流量側の原料と、低流量側の原料とが、ほぼ同時に合流点111bに到達するようにすることができる。高流量側の原料が流れる流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b)の流路内体積を、低流量側の原料が流れる流路(低流量側流路103)の流路内体積より大きくするというのが、本実施形態の1つのポイントである。
図3は、第1実施形態に係る化成品製造システムの模式図である。
図3の化成品製造システム200は、高流量側原料容器201、第1低流量側原料容器202、第2低流量側原料容器203、ポンプ204(204a~204c)、生成物用容器205、廃棄物用容器206を有している。さらに、化成品製造システム200は、切り替え用バルブ207、逆止弁208、恒温槽209(209a,209b)、重量センサ210、圧力センサ211、温度センサ212、チューブ213(213a~213e)及びマイクロリアクタ101(101A,101B)を有している。ここで、マイクロリアクタ101A及びマイクロリアクタ101Bは、図1に示すマイクロリアクタ101と同じ構造を有している。
図3の化成品製造システム200は、高流量側原料容器201、第1低流量側原料容器202、第2低流量側原料容器203、ポンプ204(204a~204c)、生成物用容器205、廃棄物用容器206を有している。さらに、化成品製造システム200は、切り替え用バルブ207、逆止弁208、恒温槽209(209a,209b)、重量センサ210、圧力センサ211、温度センサ212、チューブ213(213a~213e)及びマイクロリアクタ101(101A,101B)を有している。ここで、マイクロリアクタ101A及びマイクロリアクタ101Bは、図1に示すマイクロリアクタ101と同じ構造を有している。
また、化成品製造システム200には、図示しないコンピュータが接続されている。コンピュータは、各重量センサ210、各圧力センサ211、各温度センサ212等から情報を取得する。そして、コンピュータは、取得した情報を基に、各ポンプ204(204a~204c)、切り替え用バルブ207、恒温槽209におけるヒータ等を制御する。
ここで、恒温槽209は、各原料及びマイクロリアクタ101で得られた混合物を反応に最適な温度に保つものであり、マイクロリアクタ101を保持している。なお、チューブ213はループ221(221a~221e)を有している。恒温槽209及びループ221については後記する。
図3に示すように、高流量側の原料及び第1の低流量側の原料は、高流量側原料容器201及び第1低流量側原料容器202から、それぞれポンプ204(204a,204b)によってそれぞれチューブ213a,213bを経て、1つめのマイクロリアクタ101Aに導入される。1つめのマイクロリアクタ101A内で高流量側の原料及び第1の低流量側の原料が混合することで、第1の混合物が得られる。
一方、第2の低流量側の原料は、第2低流量側原料容器203からポンプ204cによってチューブ213cを経て2つめのマイクロリアクタ101Bに導入される。また、1つめのマイクロリアクタ101Aで得られた第1の混合物はチューブ213dを経て、2つめのマイクロリアクタ101Bに導入される。2つめのマイクロリアクタ101B内で第1の混合物及び第2の低流量側の原料は混合し、得られた第2の混合物はチューブ213eを経て、切り替え用バルブ207を経由して生成物用容器205もしくは廃棄物用容器206で回収される。
化成品の製造開始時には、まず、高流量側の原料、第1の低流量側の原料が、それぞれ1つめのマイクロリアクタ101Aに導入される手前まで導入される。その後、第2の低流量側の原料が2つめのマイクロリアクタ101Bの手前まで導入される。そして、高流量側の原料及び第1の低流量側の原料のマイクロリアクタ101Aへの導入が開始される。
また、1つめのマイクロリアクタ101Aで得られた第1の混合物が、2つめのマイクロリアクタ101Bに導入される手前まで導入されたら、マイクロリアクタ101Bへの第2の低流量側の原料の導入が開始される。
なお、マイクロリアクタ101A,101Bの手前で、各原料及び混合物を止めることは、ポンプ204を停止することで行われる。
また、1つめのマイクロリアクタ101Aで得られた第1の混合物が、2つめのマイクロリアクタ101Bに導入される手前まで導入されたら、マイクロリアクタ101Bへの第2の低流量側の原料の導入が開始される。
なお、マイクロリアクタ101A,101Bの手前で、各原料及び混合物を止めることは、ポンプ204を停止することで行われる。
このようにすることで、各原料のマイクロリアクタ101A,101Bへの導入時間を短くすることができ、原料の導入を開始してから生成物が得られるまでの時間を短くすることができる。また、このようにすることで、各原料の無駄をなくすことができ、高価な原料の使用を最小限に留めることができる。
さらに、図3に示す化成品製造システム200では、第2の低流量側の原料側が2つめのマイクロリアクタ101Bに導入される直前に、逆止弁208を設置している。このようにすることで、高流量側の原料及び第1の低流量側の原料のみが導入されている間に、1つめのマイクロリアクタ101Aやチューブ213dの内部にある空気が、2つめのマイクロリアクタ101Bにおける第2の低流量側の原料の導入用流路(マイクロリアクタ101Bにおける低流量側流路103(図1))を介して、第2の低流量側の原料側に流れ込むことを防ぐことができる。
なお、高流量側の原料及び第1の低流量側の原料が1つめのマイクロリアクタ101Aに導入される直前にも、それぞれ逆止弁208を設置してもよい。このようにすることで、高流量側の原料が導入されていないときに、毛細管現象等により高流量側の原料側の導入用流路(マイクロリアクタ101Aにおける高流量側流路102、分岐流路102a、102b(図1))に第1の低流量側の原料が流れ込むことを防ぐことができる。また、第1の低流量側の原料が導入されていないときに、第1の低流量側の原料側の導入用流路(マイクロリアクタ101Aにおける低流量側流路103(図1))に高流量側の原料が流れ込むことを防ぐこともできる。
また、図3に示す化成品製造システム200では、高流量側原料容器201、第1低流量側原料容器202、第2低流量側原料容器203の重量を、それぞれ重量センサ210で測定している。また、図示しないコンピュータが、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料のそれぞれについて、ポンプ204(204a~204c)によって導入された量を把握している。コンピュータが、重量センサ210からの重量データの時系列を取得し、時刻データ(図示せず)と組み合わせることにより、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料のそれぞれの流量データを算出してもよい。また、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料が、ケミカルハザードの観点から接液した後に洗浄が可能な物質である場合、重量センサ210の代わりに流量センサ(図示せず)を設置して流量を測定し、予めわかっている高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料の密度と、流量の時系列データと、時刻データとを基に、コンピュータが、重量の変化分を算出することで、重量センサ210の代わりとすることも可能である。
また、図3に示す化成品製造システム200では、チューブ213における高流量側の原料、第1の低流量側の原料、第2の低流量側の原料の化成品製造システム200内での圧力(吐出圧)を、それぞれ圧力センサ211で測定している。これにより、マイクロリアクタ101における高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104(図1)、チューブ213における、原料に含まれる物質の析出や想定外の粘度増加による閉塞等を検知することができる。化成品製造システム200が許容する最大圧力を予め決めておき、コンピュータが、圧力センサ211からの圧力データの時系列データを取得し、最大圧力に達したときにポンプ204の動作を止めることも可能である。圧力センサ211として、ある圧力の値を検知して圧力を逃がすリリーフバルブ等で代用することもできる。
さらに、図3に示す化成品製造システム200では、2つのマイクロリアクタ101A,101Bを、それぞれ恒温槽209a,209bで温度調節し、その温度をそれぞれ温度センサ212で測定している。これにより、所定の温度でマイクロリアクタ101A,101Bのそれぞれに導入された原料を混合することができる。コンピュータは、例えば、温度センサ212から温度データの時系列データを取得して、設定温度を満たすように、図示しないヒータあるいは図示しないクーラのスイッチを入り切りして、恒温槽209内の温度調節を行う。
このとき、高流量側の原料、第1の低流量側の原料、第2の低流量側の原料の流量と熱伝導率、チューブ213の肉厚や、熱伝導率に応じて、マイクロリアクタ101の上流側のチューブ213のうち、ループ221a,221b,221cにおいて、必要な長さを恒温槽209で温度調節するようにしてもよい。このようにすることにより、より正確に所定の温度でマイクロリアクタ101に導入される原料を混合することができる。また、マイクロリアクタ101に導入される原料が混合して反応する場合、滞留用流路104(図1参照)に滞留する時間が反応時間に対して短いと、マイクロリアクタ101の下流側で反応が進行することになる。その場合、適切な滞留時間を確保できるようにチューブ213d,213eの長さを調節するようにしてもよい。そして、混合液の流量、熱伝導率、反応熱、チューブ213の肉厚と熱伝導率に応じて、マイクロリアクタ101の下流側のチューブ213d,213eのうち、ループ221d,221eにおいて、必要な長さを恒温槽209a,209bで温度調節することにより、より正確に所定の温度で反応を進行させることが可能である。
なお、良好に反応を行うために、マイクロリアクタ101内の流路だけでなく、マイクロリアクタ101の下流側のチューブ213(213d,213e)の流路の代表径も2mm以下にすることが望ましい。
また、図3の化成品製造システム200では、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料は、それぞれポンプ204によって導入されている。ここで、ポンプ204として、例えばチューブポンプ、シリンジポンプ、手動によるシリンジ、プランジャポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクリューポンプ等を用いることができる。また、ポンプ204の代わりに、水頭差を用いる送液手段が用いられてもよい。
恒温槽209の温度調節手段は、水、水-エタノール混合溶媒、エチレングリコール等の流体を用いたり、ペルチェ、マントルヒータ等を用いたりすることができる。なお、反応温度が室温である場合には、反応熱とマイクロリアクタ101との熱制御性によっては、必ずしも恒温槽209は必要ない。
また、マイクロリアクタ101、高流量側原料容器201、第1低流量側原料容器202、第2低流量側原料容器203等における接液部の材質は、混合やその後の反応に悪い影響を与えないものであればよい。そして、この接液部の材質は、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料の種類に応じて適宜変更することができる。
同様に、ポンプ204、チューブ213、マイクロリアクタ101とチューブ213を接続するフィッティング(不図示)や、チューブ213等における接液部の材質は、混合やその後の反応に悪い影響を与えないものであればよい。そして、この接液部の材質は、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料の種類に応じて適宜変更することができる。例えば、耐薬品性の高い、ステンレス、シリコン、金、ガラス、ハステロイ、シリコーン樹脂、PP(ポリプロピレン)、TPX(メチルテンペンポリマ)、PE(ポリエチレン)、フッ素系樹脂等を用いることができる。また、グラスライニングや、金属の表面にニッケルや金等のコーティングをしたものや、シリコンの表面を酸化させたもの等、耐食性を向上させたものが用いられてもよい。
同様に、ポンプ204、チューブ213、マイクロリアクタ101とチューブ213を接続するフィッティング(不図示)や、チューブ213等における接液部の材質は、混合やその後の反応に悪い影響を与えないものであればよい。そして、この接液部の材質は、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料の種類に応じて適宜変更することができる。例えば、耐薬品性の高い、ステンレス、シリコン、金、ガラス、ハステロイ、シリコーン樹脂、PP(ポリプロピレン)、TPX(メチルテンペンポリマ)、PE(ポリエチレン)、フッ素系樹脂等を用いることができる。また、グラスライニングや、金属の表面にニッケルや金等のコーティングをしたものや、シリコンの表面を酸化させたもの等、耐食性を向上させたものが用いられてもよい。
また、ポンプ204として、チューブポンプや、シリンジポンプを用いる場合、ポンプ204において接液部となるチューブ213やシリンジの材質として、シリコーン樹脂、PP(ポリプロピレン)、フッ素系樹脂等の各種樹脂を用いることができる。さらに、高流量側原料容器201、第1低流量側原料容器202、第2低流量側原料容器203、チューブ213、マイクロリアクタ101とチューブ213を接続するフィッティング(不図示)に対しても各種樹脂を用いるようにしてもよい。このようにすることにより、化成品製造システム200の接液部のみをシングルユース(使い捨て)とすることが可能である。なお、接液部の材質をすべて同一にする必要はなく、マイクロリアクタ101の加工性やチューブ213の柔軟性等に応じて適宜変更することができる。
なお、図3に示す化成品製造システム200は、高流量側の原料、第1の低流量側の原料及び第2の低流量側の原料の3種類の原料を2段階で混合するための、マイクロリアクタ101を2つ搭載している。しかし、2種類の流量比の原料を混合する場合には、1段階で混合すればよい。この場合、化成品製造システム200から第2の低流量側の原料に関係する構成を省けばよい。
また、3種類の原料を2段階で混合するが、低流量側の原料が1種類のみであり、本実施形態のマイクロリアクタ101が1つあればよい場合がある。例えば、3種類のうち、2種類は流量比に差があるが、流量比に差がある原料の混合物の流量と、残り1種類の原料の流量とがほぼ同じである場合である。このような場合、2つのマイクロリアクタ101のうち、異なる流量比を混合するマイクロリアクタは本実施形態に係るマイクロリアクタ101とし、混合物と、残り1種類の原料を混合するマイクロリアクタを、一般的な(本実施形態のものではない)マイクロリアクタとすることができる。このとき、一般的なマイクロリアクタにおける流路形状は、2種類の原料が迅速に混合するのであれば、Y字型やT字型、多層流を形成する形状でもよい。
また、3種類の原料を2段階で混合するが、低流量側の原料が1種類のみであり、本実施形態のマイクロリアクタ101が1つあればよい場合がある。例えば、3種類のうち、2種類は流量比に差があるが、流量比に差がある原料の混合物の流量と、残り1種類の原料の流量とがほぼ同じである場合である。このような場合、2つのマイクロリアクタ101のうち、異なる流量比を混合するマイクロリアクタは本実施形態に係るマイクロリアクタ101とし、混合物と、残り1種類の原料を混合するマイクロリアクタを、一般的な(本実施形態のものではない)マイクロリアクタとすることができる。このとき、一般的なマイクロリアクタにおける流路形状は、2種類の原料が迅速に混合するのであれば、Y字型やT字型、多層流を形成する形状でもよい。
なお、ここでは、最初に流量比の異なる原料を混合し、その後、混合物の流量と、ほぼ同じ流量の原料を混合することを想定しているが、この逆でもよい。つまり、ほぼ同じ流量の原料を混合したのち、この混合物と異なる流量の原料を混合するようにしてもよい。この場合、前段に一般的な(本実施形態のものではない)マイクロリアクタを配置し、後段に本実施形態に係るマイクロリアクタ101を配置することになる。
さらに、高流量側の原料に対し、低流量側の原料が複数(n)種類(nは3以上)あり、n+1種類の原料をn段階で混合する場合には、図3の化成品製造システム200を拡張し、本実施形態のマイクロリアクタ101をn個搭載した化成品製造システム200とすればよい。n+1種類の原料をn段階で混合するが、低流量側の原料がm種類(mは2以下)であり、本実施形態のマイクロリアクタ101をm個搭載すればよい場合には、残りのn-m個の、一般的な(本実施形態のものではない)マイクロリアクタの流路形状は、2種類の原料が迅速に混合するのであれば、Y字型やT字型、多層流を形成する形状でもよい。また、マイクロリアクタ101以外の、一般的なマイクロリアクタについて、3種類以上の原料を混合させる流路を有するマイクロリアクタを用いてもよい。さらに、原料同士は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
図3に示す化成品製造システム200によれば、マイクロリアクタ101の効果を有する化成品製造システム200を実現することができる。また、複数のマイクロリアクタ101を接続することにより、1つのマイクロリアクタ101が混合可能な種類以上の原料を混合し、反応させることが可能となる。
図4は、調整用マイクロリアクタが接続されたマイクロリアクタを示す外観図である。
前記したように、マイクロリアクタ101に導入された原料が混合して反応する場合、滞留用流路104に滞留する時間が反応時間に対して短いと、マイクロリアクタ101の下流側(マイクロリアクタ101から出た後)で反応が進行することになる。反応時間が長い場合、マイクロリアクタ101の流路内で滞留時間を確保しようとすると、滞留用流路104を長くする必要がある。そのため、マイクロリアクタ101が巨大化してしまう。そこで、反応時間を確保するために、図4に示すような調整用マイクロリアクタ301が用意される。
前記したように、マイクロリアクタ101に導入された原料が混合して反応する場合、滞留用流路104に滞留する時間が反応時間に対して短いと、マイクロリアクタ101の下流側(マイクロリアクタ101から出た後)で反応が進行することになる。反応時間が長い場合、マイクロリアクタ101の流路内で滞留時間を確保しようとすると、滞留用流路104を長くする必要がある。そのため、マイクロリアクタ101が巨大化してしまう。そこで、反応時間を確保するために、図4に示すような調整用マイクロリアクタ301が用意される。
図4の調整用マイクロリアクタ301は、滞留用流路304、混合物導入口302、反応物排出口303で構成されている。そして、マイクロリアクタ101の排出口107と、調整用マイクロリアクタ301の混合物導入口302とが、チューブ213により互いに接続される。
図4に示すように、マイクロリアクタ101で得られた混合物は、排出口107とチューブ213を経由する。そして、混合物は、混合物導入口302を経て調整用マイクロリアクタ301の滞留用流路304に導入される。マイクロリアクタ101の滞留用流路104に加えて、調整用マイクロリアクタ301の滞留用流路304においても混合物の反応が行われる。この結果得られた反応物は反応物排出口303から排出される。
ここで、ポンプ204(図3参照)を稼働し続け、滞留用流路104,304内を混合物が流動している時間を反応時間として、混合物の反応時間を調整することができる。一方、混合物が滞留用流路104,304及びチューブ213を満たした後にいったんポンプ204を停止させてもよい。そして、ポンプ204の停止後、所定の時間が経過したら、再度ポンプ204が稼働されることにより、混合物が反応物排出口303から回収されるようにしてもよい。そして、ポンプ204が停止されていた時間と混合物が滞留用流路104,304、チューブ213内を流動する時間を足し合わせた時間を混合物の反応時間とすることも可能である。
また、調整用マイクロリアクタ301は、上側プレート308及び下側プレート309の2枚のプレートで構成されている。上側プレート308には滞留用流路304が形成されており、下側プレート309には、混合物導入口302、反応物排出口303が形成されている。上側プレート308及び下側プレート309は、図5で後記する手法による溶着により一体化されている。このように、調整用マイクロリアクタ301を一体化することで、滞留用流路304からの漏れや外部からの混入を防止することができるため、腐食性の高い物質や、取り扱いに注意を要する合成反応を取り扱う場合や、クロスコンタミネーション(交差汚染)が生じるおそれのある場合においても、安全性や、安定性の高い化合物の製造を行うことができる。
なお、滞留用流路304が下側プレート309に形成されていてもよい。
なお、滞留用流路304が下側プレート309に形成されていてもよい。
なお、良好に反応を行うためには、調整用マイクロリアクタ301における滞留用流路304の流路の代表径を2mm以下にすることが望ましい。また、調整用マイクロリアクタ301において、滞留用流路304を流動する混合物は、均一に混ざり合っていても、混ざり合わずに不均一(いわゆる乳化状態)になっていてもよい。
調整用マイクロリアクタ301の材質は、マイクロリアクタ101と同様に、混合やその後の反応に悪い影響を与えないものであれば、混合物の種類に応じて適宜変更することができる。例えば、ステンレス、シリコン、金、ガラス、ハステロイ、シリコーン樹脂、PP(ポリプロピレン)、TPX(メチルテンペンポリマ)、PE(ポリエチレン)、フッ素系樹脂等を用いることができる。また、調整用マイクロリアクタ301の材質として、グラスライニング、金属の表面にニッケルや金等のコーティングをしたものや、シリコンの表面を酸化させたもの等、耐食性を向上させたものが用いられてもよい。
なお、調整用マイクロリアクタ301における滞留用流路304は、滞留用流路104より流路内体積を大きくすることで、混合物の滞留時間を長くしている。
図5は、第1実施形態に係るマイクロリアクタの作製方法を示すための側面図である。
図5では、マイクロリアクタ101の材質がメチルテンペンポリマもしくはポリエチレンであるものとする。
前記したように、マイクロリアクタ101は、上側プレート108及び下側プレート109の2枚のプレートから構成されている。各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)は、上側プレート108に形成されているが、下側プレート109に形成されてもよい。上側プレート108は白色のTPX(メチルテンペンポリマ)もしくはPE(ポリエチレン)で作製されることが望ましい。また、下側プレート109が有色(例えば黒色)のTPX(メチルテンペンポリマ)もしくはPE(ポリエチレン)で作製されることが望ましい。このように、上側プレート108及び下側プレート109をTPXや、PEのような樹脂製とすることで、安価かつ焼却可能なマイクロリアクタ101を作製することができる。つまり、シングルユースで使用可能なマイクロリアクタ101を作成することができる。上側プレート108及び下側プレート109は、内側に流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)を形成するように重ね合わせられる。そして、上側プレート108の上方(上側プレート108側)からレーザ光401が、上側プレート108の全面に照射されることにより、流路以外の部分が溶着し、マイクロリアクタ101が形成される。
ここで、高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103及び滞留用流路104の断面積は同じとすることが望ましい。特に各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)での流路幅を同じとし、各流路での流路深さを同じとすることにより、溶着する際に流路が埋まってしまう可能性を低くすることができる。
図5では、マイクロリアクタ101の材質がメチルテンペンポリマもしくはポリエチレンであるものとする。
前記したように、マイクロリアクタ101は、上側プレート108及び下側プレート109の2枚のプレートから構成されている。各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)は、上側プレート108に形成されているが、下側プレート109に形成されてもよい。上側プレート108は白色のTPX(メチルテンペンポリマ)もしくはPE(ポリエチレン)で作製されることが望ましい。また、下側プレート109が有色(例えば黒色)のTPX(メチルテンペンポリマ)もしくはPE(ポリエチレン)で作製されることが望ましい。このように、上側プレート108及び下側プレート109をTPXや、PEのような樹脂製とすることで、安価かつ焼却可能なマイクロリアクタ101を作製することができる。つまり、シングルユースで使用可能なマイクロリアクタ101を作成することができる。上側プレート108及び下側プレート109は、内側に流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)を形成するように重ね合わせられる。そして、上側プレート108の上方(上側プレート108側)からレーザ光401が、上側プレート108の全面に照射されることにより、流路以外の部分が溶着し、マイクロリアクタ101が形成される。
ここで、高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103及び滞留用流路104の断面積は同じとすることが望ましい。特に各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)での流路幅を同じとし、各流路での流路深さを同じとすることにより、溶着する際に流路が埋まってしまう可能性を低くすることができる。
以上説明したように、第1実施形態において、2種類以上の原料を高流量比(高体積比)で混合する場合に、製造効率ならびに安全性の高いマイクロリアクタ101及び化成品製造システム200を提供できる。
また、図5に示す製造方法により、第1実施形態における効果を有するマイクロリアクタ101を容易に製造することができる。
また、このような製造方法により、上側プレート108及び下側プレート109を一体化することができる。これにより、各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)からの漏れや、外部からの異物の混入を防止することができ、腐食性の高い物質や、取扱いに注意を要する合成反応を取り扱う場合や、クロスコンタミネーション(交差汚染)が生じるおそれのある場合においても、安全性や、安定性の高い化成品の製造を行うことができる。
また、図5に示す製造方法により、第1実施形態における効果を有するマイクロリアクタ101を容易に製造することができる。
また、このような製造方法により、上側プレート108及び下側プレート109を一体化することができる。これにより、各流路(高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104)からの漏れや、外部からの異物の混入を防止することができ、腐食性の高い物質や、取扱いに注意を要する合成反応を取り扱う場合や、クロスコンタミネーション(交差汚染)が生じるおそれのある場合においても、安全性や、安定性の高い化成品の製造を行うことができる。
<第2実施形態>
以下、図6を用いて、第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図6において、図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図6のマイクロリアクタ101aは、図1のマイクロリアクタ101に、2つのオリフィス502(502a,502b)、及び、2つの急拡大部503(503a,503b)を有している。
以下、図6を用いて、第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図6において、図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図6のマイクロリアクタ101aは、図1のマイクロリアクタ101に、2つのオリフィス502(502a,502b)、及び、2つの急拡大部503(503a,503b)を有している。
図6に示すように、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。また、低流量側の原料は、低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。高流量側の原料は、分岐点111aにおいて、高流量側流路102が分岐流路102aと分岐流路102bの2つに分岐されるのに伴い2つに分岐され、その後、第1実施形態と同様に、合流点111b(図7参照)において低流量側の原料を挟むようにして合流し、混合物となる。この混合物は、1つめのオリフィス502aに導入された後、1つめの急拡大部503a、2つめのオリフィス502b、2つめの急拡大部503bを経て、最終的に、滞留用流路104に導入される。その結果、得られた混合物は排出口107から排出される。
なお、マイクロリアクタ101aは、上側プレート108及び下側プレート109から構成されている。上側プレート108には、高流量側流路102、分岐流路102a,102b、低流量側流路103、滞留用流路104、オリフィス502(502a,502b)及び急拡大部503(503a,503b)が形成されている。また、下側プレート109には、高流量側導入口105、低流量側導入口106及び排出口107が形成されている。
図7は、オリフィスの詳細な構造を示す図である。
図7では、図6のオリフィス502aの構成を示しているが、オリフィス502bの構成も同様である。図7において、図6と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、オリフィス502aでは、その上流の流路より狭い流路となっている。そして、オリフィス502aの下流では、急拡大部503aが配置されている。
図7では、図6のオリフィス502aの構成を示しているが、オリフィス502bの構成も同様である。図7において、図6と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、オリフィス502aでは、その上流の流路より狭い流路となっている。そして、オリフィス502aの下流では、急拡大部503aが配置されている。
なお、良好に混合又は反応を行うためには、高流量側流路102(分岐流路102a,102b)、低流量側流路103、滞留用流路104、オリフィス502a,502b、急拡大部503a,503bの流路の代表径を2mm以下にすることが望ましい。特に、合流点111b、滞留用流路104及びオリフィス502a,502bにおいては、原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。マイクロリアクタ101aにおいては、オリフィス502後の急拡大部503において原料が微粒化するため、2種類の原料は、均一に混ざり合うより、混ざり合わずに不均一になる組み合わせのほうが望ましい。不均一になる組み合わせの場合、オリフィス502によって、量の多い高流量側の原料中に量の少ない低流量側の原料が微粒化して存在することになり、いわゆる乳化状態となる。この結果、低流量側の原料が、高流量側の原料に接する面積が増え、良好な反応が促される。
第2実施形態に係るマイクロリアクタ101aによれば、第1実施形態に係るマイクロリアクタ101と同様の効果に加え、混合性の低い原料同士を乳化状態とすることにより、反応を促進させることができる。
<第3実施形態>
以下、図8及び図9を参照して、第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図8において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8のマイクロリアクタ101bは、高流量側流路102、分岐流路102Z1、分岐流路102A1~102D1、流路A1~D1、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
図8に示すように、マイクロリアクタ101bにおいて、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。また、低流量側原料は、低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。そして、高流量側流路102は分岐流路102A1~102D1の4つに分岐する。これに伴い、高流量側の原料は4つに分岐され、合流点701~704において、低流量側の原料もしくは混合物と段階的に合流することで、最終的な混合物となる。その後、混合物は、滞留用流路104に導入され、得られた混合物は排出口107から排出される。
以下、図8及び図9を参照して、第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図8において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8のマイクロリアクタ101bは、高流量側流路102、分岐流路102Z1、分岐流路102A1~102D1、流路A1~D1、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
図8に示すように、マイクロリアクタ101bにおいて、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。また、低流量側原料は、低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。そして、高流量側流路102は分岐流路102A1~102D1の4つに分岐する。これに伴い、高流量側の原料は4つに分岐され、合流点701~704において、低流量側の原料もしくは混合物と段階的に合流することで、最終的な混合物となる。その後、混合物は、滞留用流路104に導入され、得られた混合物は排出口107から排出される。
ここで、図8に示すように、高流量側導入口105から分岐点700までの流路を高流量側流路102とする。そして、屈曲点700aから合流点701までの流路を分岐流路102A1とする。また、分岐点700bから合流点702までの流路を分岐流路102B1とする。さらに、分岐点700cから合流点703までの流路を分岐流路102C1とする。そして、屈曲点700dから合流点704までの流路を分岐流路102D1とする。なお、屈曲点700aから屈曲点700dまでの流路を分岐流路102Z1とする。
また、合流点701から合流点702までの流路を流路A1とし、合流点702から合流点703までの流路を流路B1とする。また、合流点703から合流点704までの流路を流路C1とし、合流点704から排出口107までの流路を流路D1とする。なお、流路D1は滞留用流路104である。
また、マイクロリアクタ101bは、上側プレート108及び下側プレート109の2枚のプレートから構成されている。上側プレート108には、高流量側流路102、分岐流路102Z1、分岐流路102A1~102D1、流路A1~D1、低流量側流路103、滞留用流路104が形成されている。また、下側プレート109には、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107が形成されている。図5に示す製造方法によって、上側プレート108及び下側プレート109は溶着され、一体化されている。
マイクロリアクタ101bにおいて、分岐した高流量側の原料の各合流点701~704では、断面積が等しい流路どうしが合流し、合流後も流路の断面積は変わらない。高流量側流路102は分岐流路102Z1を経由して分岐流路102A1~102D1の4つに分岐されているが、合流する毎に、各分岐流路102A1~102D1の断面積が半分になる。
以下、このことを詳細に説明する。
なお、ここでは、高流量側の原料と、低流量側の原料との混合体積比が15:1である場合を例として示しているが、これ以外の混合体積比でもよい。第4~第6実施形態においても同様である。
以下、このことを詳細に説明する。
なお、ここでは、高流量側の原料と、低流量側の原料との混合体積比が15:1である場合を例として示しているが、これ以外の混合体積比でもよい。第4~第6実施形態においても同様である。
ここで、図8に示すように、分岐点700から最初の合流点701までを区間801とし、合流点701から次の合流点702までを区間802とする。そして、合流点702から次の合流点703までを区間803とし、合流点703から次の合流点704までを区間804とする。
そして、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間801における分岐流路102D1の断面積は8であることが望ましい。また、区間802における分岐流路102D1の断面積は4であることが望ましい。そして、区間803における分岐流路102D1の断面積は2であることが望ましく、区間804における分岐流路102D1の断面積は1であることが望ましい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間801における分岐流路102C1の断面積は4であることが望ましい。そして、区間802における分岐流路102C1の断面積は2であることが望ましく、区間803における分岐流路102C1の断面積は1であることが望ましい。
そして、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間801における分岐流路102B1の断面積は2であることが望ましく、区間802における分岐流路102B1の断面積は1であることが望ましい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間801における分岐流路102A1の断面積は1であることが望ましい。
このように、第3実施形態では、各分岐流路102B1~102D1の断面積を区間801~804ごとに半分にしていくことが望ましい。ただし、断面積を厳密に前記した値とする必要はない。なお、高流量側導入口105から分岐点700までの流路(高流量側流路102)及び分岐流路102Z1の断面積はどのような値でもよい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間801における分岐流路102A1の断面積は1であることが望ましい。
このように、第3実施形態では、各分岐流路102B1~102D1の断面積を区間801~804ごとに半分にしていくことが望ましい。ただし、断面積を厳密に前記した値とする必要はない。なお、高流量側導入口105から分岐点700までの流路(高流量側流路102)及び分岐流路102Z1の断面積はどのような値でもよい。
このようにすることで、各合流点701~704における合流対象の流路の断面積をそれぞれ同じとすることができる。マイクロリアクタ101bにおいて、流量比が近い方が混合しやすいため、各合流点701~704における合流対象の流路の断面積をそれぞれ同じとし、かつ各分岐流路102B1~102D1の断面積を区間801~804ごとに半分にすることで、各合流点701~704における流路での圧力損失を揃えることができる。
以下、このことを、合流点704に注目して説明する。
例えば、各分岐流路102A1~102D1の流量は、区間801における断面積に比例するものと仮定すると、流路C1は、低流量側流路103と同じ断面積を有し、そこを通流する混合物の流量は、低流量側流路103を通流する流量を1とすると、低流量側流路103+分岐流路102A1+分岐流路102B1+分岐流路102C1の合計流量である8となる。一方、分岐流路102D1に流れる流量は8であり、区間804において、その断面積は低流量側流路103と同じ断面積となっている。従って、区間804における分岐流路102D1と、流路C1とでは、同じ流量、同じ断面積となるため、圧力損失が同じとなる。その他の合流点701~703も同様である。
例えば、各分岐流路102A1~102D1の流量は、区間801における断面積に比例するものと仮定すると、流路C1は、低流量側流路103と同じ断面積を有し、そこを通流する混合物の流量は、低流量側流路103を通流する流量を1とすると、低流量側流路103+分岐流路102A1+分岐流路102B1+分岐流路102C1の合計流量である8となる。一方、分岐流路102D1に流れる流量は8であり、区間804において、その断面積は低流量側流路103と同じ断面積となっている。従って、区間804における分岐流路102D1と、流路C1とでは、同じ流量、同じ断面積となるため、圧力損失が同じとなる。その他の合流点701~703も同様である。
また、例えば、区間803に注目すると、流路B1の断面積は、低流量側流路103と同じ断面積であり、その流量は低流量側流路103+分岐流路102A1+分岐流路102B1の合計流量の4である。また、区間803における分岐流路102C1の流量は4であり、分岐流路102C1の断面積は低流量側流路103と同じである。従って、区間803において、流路B1と、分岐流路102C1とにおける圧力損失は同じものとなる。そして、分岐流路102D1の流量は8であり、区間803における断面積は低流量側流路103の2倍である。このことから、区間803において、分岐流路102D1における圧力損失は、流路B1と、分岐流路102C1とにおける圧力損失と同じとなる。他の区間801,802,804も同様である。
このように、マイクロリアクタ101bは、各流路A1~D1及び各分岐流路102A1~102D1における圧力損失を、各区間801~804毎に揃えることができる。これにより、各分岐点701~704において、ほぼ同時に低流量側の原料や、高流量側の原料や、混合物が合流することができる。
これにより、良好な混合を実現することができる。
これにより、良好な混合を実現することができる。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。これにより、マイクロリアクタ101bは、第1実施形態に係るマイクロリアクタ101と同様の効果を有する。
次に、図8及び図9を参照して、上側プレート108の上方(上側プレート108側)から見たときの2種類の原料が合流する様子の詳細を説明する。なお、合流する様子をわかりやすくするために、図9では、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合した状態となっている。
図8に示すように、流路A1では、分岐流路102A1からの高流量側の原料603と低流量側の原料602が隣り合って合流する。この結果、図9に示すように、流路A1では、低流量側の原料602と高流量側の原料603とが隣り合っている状態となる。
そして、流路B1では、流路A1に対し、紙面右側から分岐流路102B1からの高流量側の原料603が合流する。この結果、図9に示すように、流路B1では、流路A1の状態に対し、紙面右側に高流量側の原料603が合流する。
次に、流路C1では、流路B1に対し、紙面右側から分岐流路102C1からの高流量側の原料が合流する。この結果、図9に示すように、流路C1では、流路B1の状態に対し、紙面右側に高流量側の原料603が合流する。
そして、流路D1では、流路C1に対し、紙面右側から分岐流路102D1からの高流量側の原料が合流する。この結果、図9に示すように、流路D1では、流路C1の状態に対し、紙面右側に高流量側の原料603が合流する。
前記したように、図9では、合流する様子をわかりやすくするために、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合した状態となっている。もし高流量側の原料603と低流量側の原料602が混ざり合わなければ、低流量側の原料602の紙面右側から高流量側の原料603が合流していくといえる。
高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A1~102D1の流路内体積、及び流路A1~D1の流路内体積の合計と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いことが望ましい。さらに、高流量側流路102、分岐流路102A1~102D1、流路A1~D1の流路内における圧力損失の合計が、低流量側流路103の流路内における圧力損失とほぼ等しいことが望ましい。
このように、マイクロリアクタ101bにおいて、高流量側流路102を4つに分岐することにより、高流量側の原料の流路内体積の合計は低流量側流路103の流路内体積より大きくなる。このため、第1実施形態と同様、化合物の製造開始時に、高流量側の原料が低流量側流路103に流れ込むことを防ぐことができる。
全体流量が大きい場合、マイクロリアクタ101(図1参照)及びマイクロリアクタ101a(図6参照)では、流路の代表径を小さくすると圧力損失が大きくなって使用が困難となり、逆に、流路の代表径を大きくすると混合効率が悪くなってしまうおそれがある。
第3実施形態に係るマイクロリアクタ101bによれば、段階的に高流量側の原料603を合流させることで、低流量側の原料と、高流量側の原料における流量比が大きく異なる場合でも良好な混合が可能となる。
なお、マイクロリアクタ101bにおいて、目的とする混合物は、流路D1で得られるが、流路D1は長さが短いため、マイクロリアクタ101bでは原料の混合のみを行い、反応は、マイクロリアクタ101bの排出口107に接続されている調整用マイクロリアクタ301(図4)等で行われることが望ましい。
なお、マイクロリアクタ101bにおいて、目的とする混合物は、流路D1で得られるが、流路D1は長さが短いため、マイクロリアクタ101bでは原料の混合のみを行い、反応は、マイクロリアクタ101bの排出口107に接続されている調整用マイクロリアクタ301(図4)等で行われることが望ましい。
なお、良好に混合を行うためには、マイクロリアクタ101bにおける高流量側流路102、分岐流路102A1~102D1、流路A1~D1、低流量側流路103、滞留用流路104の流路の代表径は2mm以下にすることが望ましい。特に、各合流点701~704、及び滞留用流路104においては、原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。また、マイクロリアクタ101bにおいて、2種類の原料は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
なお、マイクロリアクタ101bにおいて、高流量側流路102を4つに分岐したが、2種類の原料の流量比(体積比)に応じて、3つに分岐してもよく、また5つ以上に分岐してもよい。一般的には、2種類の原料の流量比(体積比)が増えるのに従い、高流量側流路102の分岐数を増やすのが好ましい。
<第4実施形態>
以下、図10及び図11を参照して、第4実施形態について説明する。
図10は、第4実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図10において図1と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
図10のマイクロリアクタ101cは、図6のマイクロリアクタ101bに対し、高流量側流路102の分岐流路の並びが異なるものである。
図10のマイクロリアクタ101cは、高流量側流路102、分岐流路102Z2、分岐流路102A2~102D2、流路A2~D2、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
以下、図10及び図11を参照して、第4実施形態について説明する。
図10は、第4実施形態に係るマイクロリアクタの外観図である。なお、図10において図1と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
図10のマイクロリアクタ101cは、図6のマイクロリアクタ101bに対し、高流量側流路102の分岐流路の並びが異なるものである。
図10のマイクロリアクタ101cは、高流量側流路102、分岐流路102Z2、分岐流路102A2~102D2、流路A2~D2、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
図10に示すように、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。また、低流量側原料は、低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。ここで、高流量側流路102は、分岐流路102A2~102D2の4つに分岐される。これに伴い、高流量側の原料は4つに分岐され、高流量側の原料が、低流量側の原料もしくは混合物と段階的に合流することで、最終的な混合物が生成される。その後、混合物は、最終的に滞留用流路104に導入され、得られた混合物は排出口107から排出される。
ここで、図10に示すように、高流量側導入口105から分岐点710までの流路を高流量側流路102とする。屈曲点710aから合流点714までの流路を分岐流路102A2とする。また、分岐点710bから合流点712までの流路を分岐流路102B2とする。そして、分岐点710cから合流点711までの流路を分岐流路102C2とする。さらに、屈曲点710dから合流点713までの流路を分岐流路102D2とする。なお、屈曲点710aから屈曲点710dまでの流路を分岐流路102Z2とする。
そして、図10に示すように、合流点711から合流点712までの流路を流路A2とし、合流点712から合流点713までの流路を流路B2とする。また、合流点713から合流点714までの流路を流路C2とし、合流点714から排出口107までの流路を流路D2とする。なお、流路D2は滞留用流路104である。
また、マイクロリアクタ101cは、上側プレート108及び下側プレート109の2枚のプレートから構成されている。上側プレート108には、高流量側流路102、分岐流路102Z2、分岐流路102A2~102D2、流路A2~D2、低流量側流路103、滞留用流路104が形成されている。また、下側プレート109には、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107が形成されている。図5に示す製造方法によって、上側プレート108及び下側プレート109は溶着され、一体化されている。
マイクロリアクタ101cにおいて、分岐した高流量側の原料の各合流点711~714では、断面積が等しい流路どうしが合流し、合流後も流路の断面積は変わらない。高流量側流路102は分岐流路102Z2を経由して分岐流路102A2~102D2の4つに分岐されているが、合流する毎に、各分岐流路102A2~102D2の断面積が半分になる。
以下、このことを詳細に説明する。
以下、このことを詳細に説明する。
ここで、図10に示すように、分岐点710から最初の合流点711までを区間811とし、合流点711から次の合流点712までを区間812とする。そして、合流点712から次の合流点713までを区間813とし、合流点713から次の合流点714までを区間814とする。
そして、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間811における分岐流路102A2の断面積は8であることが望ましい。また、区間812における分岐流路102A2の断面積は4であることが望ましい。さらに、区間813における分岐流路102A2の断面積は2であることが望ましく、区間814における分岐流路102A2の断面積は1であることが望ましい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間811における分岐流路102D2の断面積は4であることが望ましい。そして、区間812において、分岐流路102D2の断面積は2であることが望ましく、区間813における分岐流路102D2の断面積は1であることが望ましい。
さらに、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間811における分岐流路102B2の断面積は2であることが望ましく、区間812における分岐流路102B2の断面積は1であることが望ましい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間811における分岐流路102C2の断面積は1であることが望ましい。
このように、第4実施形態では、各分岐流路102A2、102B2,102D2の断面積を区間811~814ごとに半分にしていくことが望ましい。ただし、断面積を厳密に前記した値とする必要はない。なお、高流量側導入口105から分岐点710までの流路(高流量側流路102)及び分岐流路102Z2の断面積はどのような値でもよい。
また、低流量側流路103の断面積を1とした場合、区間811における分岐流路102C2の断面積は1であることが望ましい。
このように、第4実施形態では、各分岐流路102A2、102B2,102D2の断面積を区間811~814ごとに半分にしていくことが望ましい。ただし、断面積を厳密に前記した値とする必要はない。なお、高流量側導入口105から分岐点710までの流路(高流量側流路102)及び分岐流路102Z2の断面積はどのような値でもよい。
このようにすることで、各合流点711~714における合流対象の流路の断面積をそれぞれ同じとすることができる。マイクロリアクタ101cにおいて、流量比が近い方が混合しやすいため、各合流点711~714における合流対象の流路の断面積をそれぞれ同じとすることで、各合流点711~714における流路における圧力損失を揃えることができる。各合流点711~714における流路における圧力損失を揃えることができる理由は、第3実施形態において説明済みであるため、ここでの説明を省略する。これにより、良好な混合を実現することができる。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。これにより、マイクロリアクタ101cは、図1に示すマイクロリアクタ101と同様の効果を得ることができる。
次に、図10及び図11を参照して、上側プレート108の上方(上側プレート108側)から見たときの2種類の原料が合流する様子の詳細を説明する。なお、合流する様子をわかりやすくするために、図11では、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合した状態となっている。
図10に示すように、流路A2では、分岐流路102C2からの高流量側の原料603と低流量側の原料602が隣り合って合流する。この結果、図11に示すように、流路A2では、低流量側の原料602と高流量側の原料603とが隣り合っている状態となる。
また、流路B2では、流路A2に対し、紙面左側から分岐流路102B2の高流量側の原料603が合流する。この結果、図11に示すように、流路B2では、流路A2の状態に対し、紙面左側に高流量側の原料603が合流する。
そして、流路C2では、流路B2に対し、紙面右側から分岐流路102D2の高流量側の原料が合流する。この結果、図11に示すように、流路C2では、流路B2の状態に対し、紙面右側に高流量側の原料603が合流する。
さらに、流路D2では、流路C2に対して、紙面左側から分岐流路102A2の高流量側の原料が合流する。この結果、図11に示すように、流路D2(滞留用流路104)では、流路C2の状態に対し、紙面左側に高流量側の原料603が合流する。
前記したように、実際には高流量側の原料603と低流量側の原料602は分離しない(混合している)が、図11では、合流する様子をわかりやすくするために、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。もし高流量側の原料603と低流量側の原料602が混ざり合わなければ、低流量側の原料602に対して紙面左右方向から交互に高流量側の原料603が合流すると言える。
高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A2~102D2の流路内体積、及び流路A2~D2の流路内体積の合計と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いのが望ましい。さらに、高流量側流路102、分岐流路102A2~102D2、流路A2~D2の流路内における圧力損失の合計が、低流量側流路103の流路内における圧力損失とほぼ等しいことが望ましい。
高流量側の原料の全体流量が大きい場合、マイクロリアクタ101(図1参照)及びマイクロリアクタ101a(図6参照)では、流路の代表径を小さくすると圧力損失が大きくなって使用が困難となり、逆に、流路の代表径を大きくすると混合効率が悪くなってしまうおそれがある。
第4実施形態に係るマイクロリアクタ101cによれば、段階的に高流量側の原料603を合流させることで、低流量側の原料と、高流量側の原料における流量比が大きく異なる場合でも良好な混合が可能となる。
なお、マイクロリアクタ101cにおいて、目的とする混合物は、流路D2で得られるが、流路D2は長さが短いため、マイクロリアクタ101cでは原料の混合のみを行い、反応は、マイクロリアクタ101cの排出口107に接続されている調整用マイクロリアクタ301(図4)等で行われることが望ましい。
なお、マイクロリアクタ101cにおいて、目的とする混合物は、流路D2で得られるが、流路D2は長さが短いため、マイクロリアクタ101cでは原料の混合のみを行い、反応は、マイクロリアクタ101cの排出口107に接続されている調整用マイクロリアクタ301(図4)等で行われることが望ましい。
なお、良好に混合を行うためには、マイクロリアクタ101cにおける高流量側流路102、分岐流路102A2~102D2、流路A2~D2、低流量側流路103、滞留用流路104の流路の代表径は2mm以下にすることが望ましい。特に、各合流点711~714、及び滞留用流路104においては、原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。また、マイクロリアクタ101cにおいて、2種類の原料は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
このように、マイクロリアクタ101cにおいて、高流量側流路102を4つに分岐することにより、高流量側の原料の流路内体積の合計は低流量側流路103の流路内体積より大きくなる。このため、第1実施形態と同様、化合物の製造開始時に、高流量側の原料が低流量側流路103に流れ込むことを防ぐことができる。
また、高流量側流路102を4つに分岐することにより、低流量側の原料に対し、紙面左右方向から段階的に合流するため、2種類の原料の界面積は、これまでのマイクロリアクタ(本実施形態のものではないマイクロリアクタ)と比べて増え、それほど微細構造にしなくても混合効率を向上させることができる。
さらに、マイクロリアクタ101cでは、図11に示すように、紙面左右方向から交互に高流量側の原料603が合流するため、マイクロリアクタ101b(図8参照)よりも混合効率を向上させることができる。
さらに、マイクロリアクタ101cでは、図11に示すように、紙面左右方向から交互に高流量側の原料603が合流するため、マイクロリアクタ101b(図8参照)よりも混合効率を向上させることができる。
なお、マイクロリアクタ101cにおいて、高流量側流路102を4つに分岐したが、2種類の原料の流量比(体積比)に応じて、3つに分岐してもよく、また5つ以上に分岐してもよい。一般的には、2種類の原料の流量比(体積比)が増えるのに従い、高流量側流路102の分岐数を増やすのが望ましい。
<第5実施形態>
以下、図12~図15を参照して、第5実施形態について説明する。
図12は、第5実施形態に係るマイクロリアクタの外観図であり、図13は、第5実施形態に係るマイクロリアクタの分解図である。なお、図12、図13において、図1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、図12~図15を参照して、第5実施形態について説明する。
図12は、第5実施形態に係るマイクロリアクタの外観図であり、図13は、第5実施形態に係るマイクロリアクタの分解図である。なお、図12、図13において、図1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、マイクロリアクタ101dにおいて、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。また、低流量側原料は、低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。ここで、高流量側流路102が分岐流路102A3~102D3の4つに分岐されるのに伴い、高流量側の原料は4つに分岐される。そして、高流量側の原料は、流路A3~D3において、低流量側の原料もしくは混合物と段階的に合流し、最終的な混合物となる。混合物は、最終的に滞留用流路104に導入され、排出口107から排出される。
また、高流量側流路102は、分岐する毎にその断面積が小さくなっている。
また、高流量側流路102は、分岐する毎にその断面積が小さくなっている。
ここで、高流量側導入口105から屈曲点734までを高流量側流路102とする。また、分岐点731から合流点741までを分岐流路102A3とし、分岐点732から合流点742までを分岐流路102B3とする。また、分岐点733から合流点743までを分岐流路102C3とし、屈曲点734から合流点744までを分岐流路102D3とする。
さらに、合流点741から合流点742までを流路A3とし、合流点742から合流点743までを流路B3とする。そして、合流点743から合流点744までを流路C3とし、合流点744から排出口107までを流路D3とする。なお、流路D3は滞留用流路104でもある。
また、図12及び図13に示されるように、マイクロリアクタ101dは、上側プレート108d及び下側プレート109dの2枚のプレートで構成されている。上側プレート108dには、高流量側流路102、分岐流路102A3,102C3、流路A3,C3が形成されている。また、下側プレート109dには、低流量側流路103、分岐流路102B3,102D3、流路B3,D3(滞留用流路104)が形成されている。また、下側プレート109dには、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107が形成されている
そして、上側プレート108d及び下側プレート109dは、図5に示す製造方法によって、溶着により一体化されている。
そして、上側プレート108d及び下側プレート109dは、図5に示す製造方法によって、溶着により一体化されている。
マイクロリアクタ101dにおいて、各流路A3~D3では断面積が等しい流路どうしが合流し、合流後の流路の断面積は変わらない。また、高流量側流路102は、分岐される毎に断面積が半分となることが望ましい。つまり、低流量側流路103の断面積を1とした場合、高流量側流路102の断面積は、分岐流路102A3への分岐前が8、分岐流路102B3への分岐前が4、分岐流路102C3への分岐前が2、分岐流路102D3が1となることが望ましい。なお、分岐流路102A3~102D3及び流路A3~D3の断面積は、低流量側流路103と同じであることが望ましい。このようにすることで、分岐流路102A3~102D3における流量と、低流量側流路103における流量とを同じとすることができ、分岐流路102A3~102D3及び低流量側流路103における圧力損失を揃えることができる。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A3~102D3の流路内体積、及び流路A3~D3の流路内体積の合計は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。なお、断面積は、厳密に分岐される毎に半分としなくてもよい。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A3~102D3の流路内体積、及び流路A3~D3の流路内体積の合計は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。なお、断面積は、厳密に分岐される毎に半分としなくてもよい。
なお、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A3~102D3の流路内体積、及び流路A3~D3の流路内体積の合計と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いことが望ましい。さらに、高流量側の原料の流路(高流量側流路102、分岐流路102A3~102D3、流路A3~D3)内における圧力損失が低流量側流路103の流路内における圧力損失とほぼ等しいことが望ましい。これは、後記する第6実施形態でも同様である。
次に、図14及び図15を参照して、2種類の原料が合流する様子を説明する。
図14は、マイクロリアクタ101dにおける各流路の模式図であり、図15は、流路の上流側から見たときの流路A3~D3における混合の様子を示す図である。なお、図14において、上側プレート108dに形成されている流路を実線で示し、下側プレート109dに形成されている流路を破線で示す。なお、図14において、図12と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図14において、高流量側流路102の断面積の変化を明示していない。
また、実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合するが、これまでと同様、合流する様子をわかりやすくするために、図15において、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。
図14は、マイクロリアクタ101dにおける各流路の模式図であり、図15は、流路の上流側から見たときの流路A3~D3における混合の様子を示す図である。なお、図14において、上側プレート108dに形成されている流路を実線で示し、下側プレート109dに形成されている流路を破線で示す。なお、図14において、図12と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図14において、高流量側流路102の断面積の変化を明示していない。
また、実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合するが、これまでと同様、合流する様子をわかりやすくするために、図15において、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。
図14に示すように、上側プレート108dに形成されている流路A3では、上側プレート108dに形成されている分岐流路102A3からの高流量側の原料603と、下側プレート109dに形成されている低流量側流流路103からの低流量側の原料602が合流する。このため、図15に示すように、流路A3では、紙面上側に高流量側の原料603、紙面下側に低流量側の原料602が隣り合った状態で上側プレート108dを通流する。
その後、図14に示すように、下側プレート109dに形成されている流路B3では、下側プレート109dに形成されている分岐流路102B3からの高流量側の原料603が、上側プレート108dに形成されている流路A3からの混合物に合流する。これにより、図15に示すように、流路B3では、上側の流路A3内の混合物に対して、紙面下方から高流量側の原料603が隣り合った状態で下側プレート109dを通流する。
そして、図14に示すように、上側プレート108dに形成されている流路C3では、上側プレート108dに形成されている分岐流路102C3からの高流量側の原料が、下側プレート109dに形成されている流路B3内の混合物に合流する。これにより、図15に示すように、流路C3では、下側の流路B3内の混合物に対して、紙面上方から高流量側の原料603が隣り合った状態で上側プレート108dを通流する。
さらに、図14に示すように、下側プレート109dに形成されている流路D3では、下側プレート109dに形成されている分岐流路103D3からの高流量側の原料が、上側プレート108dに形成されている流路C3からの混合物に合流する。これにより、図15に示すように、流路D3(滞留用流路104)では、上側の流路C3の状態に対して、紙面下方から高流量側の原料603が隣り合った状態で下側プレート109dを通流する。
なお、前記したように、実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合するが、これまでと同様、合流する様子をわかりやすくするために、図15では、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。もし高流量側の原料603と低流量側の原料602が混ざり合わなければ、低流量側の原料602を紙面上下方向から挟むように高流量側の原料603が合流すると言える。
第5実施形態に係るマイクロリアクタ101dによれば、マイクロリアクタ101b(図8)、マイクロリアクタ101c(図10)と合流方向は異なるが、紙面上下方向から段階的に、かつ、交互に高流量側の原料603が合流するため、マイクロリアクタ101b、マイクロリアクタ101cよりも効率的な混合が可能となる。
なお、良好な混合を得るためには、マイクロリアクタ101dにおける流路A3~C3,D3(滞留用流路104)の代表径は2mm以下にすることが望ましい。特に、合流点741~744、及び滞留用流路104においては、原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。また、マイクロリアクタ101dにおいて、2種類の原料は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
なお、第5実施形態に係るマイクロリアクタ101dにおいて、高流量側流路102を4つに分岐したが、2種類の原料の流量比(体積比)に応じて、3つに分岐してもよく、また5つ以上に分岐してもよい。一般的には、2種類の原料の流量比(体積比)が増えるのに従い、高流量側流路102の分岐数を増やすのが望ましい。
<第6実施形態>
以下、図16~図19を参照して、第6実施形態について説明する。
図16は、第6実施形態に係るマイクロリアクタの外観図であり、図17は、第6実施形態に係るマイクロリアクタの分解図である。なお、図16、図17において、図1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すマイクロリアクタ101eは、図12に示すマイクロリアクタ101dと比較し、各合流点761~764後の流路の方向が異なるものである。
そして、図16に示すように、マイクロリアクタ101eは、高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
以下、図16~図19を参照して、第6実施形態について説明する。
図16は、第6実施形態に係るマイクロリアクタの外観図であり、図17は、第6実施形態に係るマイクロリアクタの分解図である。なお、図16、図17において、図1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すマイクロリアクタ101eは、図12に示すマイクロリアクタ101dと比較し、各合流点761~764後の流路の方向が異なるものである。
そして、図16に示すように、マイクロリアクタ101eは、高流量側流路102、低流量側流路103、滞留用流路104、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107から構成されている。
図16に示すように、高流量側の原料は、高流量側導入口105から高流量側流路102に導入される。低流量側原料の低流量側導入口106から低流量側流路103に導入される。また、高流量側流路102は分岐流路102A4~102D4の4つに分岐される。そして、高流量側の原料は、流路A4~D4において、低流量側の原料もしくは混合物と段階的に合流し、最終的な混合物となる。混合物は、最終的に滞留用流路104に導入され、排出口107から排出される。
また、高流量側流路102は、分岐する毎にその断面積が小さくなっている。
また、高流量側流路102は、分岐する毎にその断面積が小さくなっている。
ここで、高流量側導入口105から屈曲点754までを高流量側流路102とする。また、分岐点751から合流点761までを分岐流路102A4とし、分岐点752から合流点762までを分岐流路102B4とする。また、分岐点753から合流点763までを分岐流路102C4とし、屈曲点754から合流点764までを分岐流路102D4とする。
さらに、合流点761から合流点762までを流路A4とし、合流点762から合流点763までを流路B4とする。そして、合流点763から合流点764までを流路C4とし、合流点764から排出口107までを流路D4とする。なお、流路D4は滞留用流路104でもある。
また、図16及び図17に示されるように、マイクロリアクタ101eは、上側プレート108e及び下側プレート109eの2枚のプレートで構成されている。上側プレート108eには、高流量側流路102、分岐流路102A4,102C4、流路A4,C4が形成されている。また、下側プレート109eには、低流量側流路103、分岐流路102B4,102D4、流路B4,D4(滞留用流路104)が形成されている。また、下側プレート109eには、高流量側導入口105、低流量側導入口106、排出口107が形成されている
そして、上側プレート108e及び下側プレート109eは、図5に示す製造方法によって、溶着され、一体化されている。
そして、上側プレート108e及び下側プレート109eは、図5に示す製造方法によって、溶着され、一体化されている。
マイクロリアクタ101eにおいて、各流路A4~D4では断面積が等しい流路どうしが合流し、合流後の流路の断面積は変わらない。高流量側流路102は、分岐される毎に断面積が半分となる。つまり、低流量側流路103の断面積を1とした場合、高流量側流路102の断面積は、分岐流路102A4への分岐前が8、分岐流路102B4への分岐前が4、分岐流路102C4への分岐前が2、分岐流路102D4が1となることが望ましい。なお、分岐流路102A4~102D4及び流路A4~D4の断面積は、低流量側流路103と同じであることが望ましい。このようにすることで、分岐流路102A4~102D4における流量と、低流量側流路103における流量とを同じとすることができ、分岐流路102A4~102D4及び低流量側流路103における圧力損失を揃えることができる。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A4~102D4の流路内体積、及び流路A4~D4の流路内体積の合計は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。なお、断面積は、厳密に分岐される毎に半分としなくてもよい。
また、このような高流量側流路102の分岐により、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A4~102D4の流路内体積、及び流路A4~D4の流路内体積の合計は、低流量側流路103の流路内体積より大きくなっている。なお、断面積は、厳密に分岐される毎に半分としなくてもよい。
なお、高流量側流路102の流路内体積、分岐流路102A4~102D4の流路内体積、及び流路A4~D4の流路内体積の合計と低流量側流路103の流路内体積の比は、2種類の原料の流量比(体積比)に近いことが望ましい。さらに、高流量側の原料の流路(高流量側流路102、分岐流路102A4~102D4、流路A4~D4)内における圧力損失が低流量側流路103の流路内における圧力損失とほぼ等しいことが望ましい。
なお、流路A4~D4は、合流後、所定距離だけ分岐流路102A4~102D4の延長線方向へ移動した後、排出口107の方向へ移動している。このような構成とすることで、マイクロリアクタ101eは、図12に示すマイクロリアクタ101dより、各合流後における混合物の通流がスムーズになる。
次に、図18及び図19を参照して、2種類の原料が合流する様子を説明する。
図18は、マイクロリアクタ101eにおける各流路の模式図であり、図19は、流路の上流側から見たときの流路A4~D4における混合の様子を示す図である。なお、図18において、上側プレート108eに形成されている流路を実線で示し、下側プレート109eに形成されている流路を破線で示す。また、図18において、図16と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図18において、各流路の断面積は明示していない。
図18は、マイクロリアクタ101eにおける各流路の模式図であり、図19は、流路の上流側から見たときの流路A4~D4における混合の様子を示す図である。なお、図18において、上側プレート108eに形成されている流路を実線で示し、下側プレート109eに形成されている流路を破線で示す。また、図18において、図16と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図18において、各流路の断面積は明示していない。
図18に示すように、上側プレート108eに形成されている流路A4では、上側プレート108eに形成されている分岐流路102A4からの高流量側の原料603と、下側プレート109eに形成されている低流量側流路103の低流量側の原料602が隣り合って合流する。このため、図19に示すように、上側プレート108eに形成されている流路A4では、紙面上側に高流量側の原料603、紙面下側に低流量側の原料602が隣り合った状態で上側プレート108eを通流する。
その後、図18に示すように、下側プレート109eに形成されている流路B4では、下側プレート109eに形成されている分岐流路102B4からの高流量側の原料603が、上側プレート108eに形成されている流路A4からの混合物に合流する。
これにより、図19に示すように、流路B4では、上側の流路A4内の混合物に対して、紙面下方から高流量側の原料603が隣り合った状態で下側プレート109eを通流する。
これにより、図19に示すように、流路B4では、上側の流路A4内の混合物に対して、紙面下方から高流量側の原料603が隣り合った状態で下側プレート109eを通流する。
次に、図18に示すように、上側プレート108eに形成されている流路C4では、上側プレート108eに形成されている分岐流路102C4からの高流量側の原料が、下側プレート109eに形成されている流路B4内の混合物に合流する。これにより、図19に示すように、流路C4では、下側の流路B4内の混合物に対して、紙面上方から高流量側の原料603が隣り合った状態で上側プレート108eを通流する。
続いて、図18に示すように、下側プレート109eに形成されている流路D4では、下側プレート109eに形成されている分岐流路102D4からの高流量側の原料が、上側プレート108eに形成されている流路C4の混合物に合流する。これにより、図19に示すように、流路D4(滞留用流路104)では上側の流路C4の状態に対して、紙面下方から高流量側の原料603が隣り合った状態で下側プレート109eを通流する。
なお、前記したように、実際には、高流量側の原料603と低流量側の原料602とは混合するが、これまでと同様、合流する様子をわかりやすくするために、図19では、高流量側の原料603と低流量側の原料602は混合していないように記載している。もし高流量側の原料603と低流量側の原料602が混ざり合わなければ、低流量側の原料602を紙面上下方向から挟むように高流量側の原料603が合流すると言える。
なお、良好に混合を行うためには、マイクロリアクタ101eにおける流路A4~C4、D4(滞留用流路104)の代表径は2mm以下にすることが望ましい。特に、合流点761~764、及び滞留用流路104においては、原料を分子拡散により迅速に混合させるために、流路の代表径は数十μm~1mmの範囲が望ましい。また、マイクロリアクタ101eにおいて、2種類の原料は、均一に混ざり合っても、混ざり合わずに不均一になっても(いわゆる乳化状態になっても)よい。
なお、第6実施形態に係るマイクロリアクタ101eにおいて、高流量側流路102を4つに分岐したが、2種類の原料の流量比(体積比)に応じて、3つに分岐してもよく、また5つ以上に分岐してもよい。一般的には、2種類の原料の流量比(体積比)が増えるのに従い、高流量側流路102の分岐数を増やすのが望ましい。
前記したように、第6実施形態に係るマイクロリアクタ101eによれば、流路A4~D4は、合流後、所定距離だけ分岐流路102A4~102D4の延長線方向へ移動した後、排出口107へ移動している。このような構成とすることで、マイクロリアクタ101eは、図12に示すマイクロリアクタ101dより、各合流後の混合物の通流がスムーズになる。
なお、第1実施形態~第4実施形態において、各流路は上側プレート108に形成されているものとしているが、下側プレート109dに形成されてもよい。
また、第5実施形態において、高流量側流路102、分岐流路102A3,102C3、流路A3,C3が上側プレート108dに形成され、低流量側流路103、分岐流路102B3,102D3、流路B3,D3(滞留用流路104)が、下側プレート109dに形成されているが、逆でもよい。第6実施形態も同様である。
また、第5実施形態において、高流量側流路102、分岐流路102A3,102C3、流路A3,C3が上側プレート108dに形成され、低流量側流路103、分岐流路102B3,102D3、流路B3,D3(滞留用流路104)が、下側プレート109dに形成されているが、逆でもよい。第6実施形態も同様である。
さらに、図3に示すマイクロリアクタ101A,101Bは、図1に示すマイクロリアクタ101と同じ構造を有するものとしたが、図6に示すマイクロリアクタ101a、図8に示すマイクロリアクタ101b、図10に示すマイクロリアクタ101c、図12に示すマイクロリアクタ101d、図16に示すマイクロリアクタ101eが用いられてもよい。また、図3に示すマイクロリアクタ101A,101Bとして、図4に示す調整用マイクロリアクタ301が接続されたものが用いられてもよい。
また、本実施形態では、2種類の流量を有する原料が用いられているが、3種類以上の原料が用いられてもよい。この場合、例えば、最も低流量の原料を挟むように順次高流量側の原料が合流するようにしてもよい。そして、この場合、高流量になればなるほど、流路の流路内体積が大きくなるようにしてもよい。
第1実施形態~第6実施形態に係るマイクロリアクタ101,101a~101eは、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)医薬品の製造に使用されたり、オンデマンド式医薬品製造装置に使用されたりする。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換をすることが可能である。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
101,101A,101B,101a~101e マイクロリアクタ
102 高流量側流路(高流量の原料の流路)
102a,102b,102A1~102A4,102B1~102B4,102C1~102C4,102D1~102D4 分岐流路
103 低流量側流路(低流量の原料の流路)
104 滞留用流路
105 高流量側導入口
106 低流量側導入口
107 排出口
108,108d,108e 上側プレート
109,109d,109e 下側プレート
111b,701~704,711~714,741~744,761~764 合流点
111a,700,700b,700c,710,710b,710c,731~733,751~753 分岐点
200 化成品製造システム
201 高流量側原料容器
202 第1低流量側原料容器
203 第2低流量側原料容器
204,204a~204c ポンプ
205 生成物用容器
206 廃棄物用容器
207 切り替え用バルブ
208 逆止弁
209,209a,209b 恒温槽
210 重量センサ
211 圧力センサ
212 温度センサ
213,213a~213e チューブ
221,221a~221e ループ
603 高流量側の原料
602 低流量側の原料
700a,700d,710a,710d 屈曲点
801~804,811~814 区間
A1~A4,B1~B4,C1~C4,D1~D4 流路
102 高流量側流路(高流量の原料の流路)
102a,102b,102A1~102A4,102B1~102B4,102C1~102C4,102D1~102D4 分岐流路
103 低流量側流路(低流量の原料の流路)
104 滞留用流路
105 高流量側導入口
106 低流量側導入口
107 排出口
108,108d,108e 上側プレート
109,109d,109e 下側プレート
111b,701~704,711~714,741~744,761~764 合流点
111a,700,700b,700c,710,710b,710c,731~733,751~753 分岐点
200 化成品製造システム
201 高流量側原料容器
202 第1低流量側原料容器
203 第2低流量側原料容器
204,204a~204c ポンプ
205 生成物用容器
206 廃棄物用容器
207 切り替え用バルブ
208 逆止弁
209,209a,209b 恒温槽
210 重量センサ
211 圧力センサ
212 温度センサ
213,213a~213e チューブ
221,221a~221e ループ
603 高流量側の原料
602 低流量側の原料
700a,700d,710a,710d 屈曲点
801~804,811~814 区間
A1~A4,B1~B4,C1~C4,D1~D4 流路
Claims (15)
- 流量が異なる複数の原料がそれぞれ通流する複数の流路を備え、
前記流路は、高流量の原料の流路が複数に分岐した後、低流量の原料の流路に合流するように、分岐・合流されている
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
各原料が最終的に合流するまでの各原料の流路の内容積について、前記高流量の原料の流路の内容積が、前記低流量の原料の流路の内容積より大きい
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
複数に分岐した高流量の原料と、低流量の原料とが同時に合流する
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項3に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記高流量の原料と、前記低流量の原料とが合流する際、前記低流量の原料の両側から前記高流量の原料が合流する
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記高流量の原料の流路と、前記低流量の原料の流路との合流点の後段に、少なくとも1つのオリフィスを有する
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
複数に分岐した高流量の原料が、段階的に、低流量の原料に合流するよう前記流路が形成されている
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項6に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記高流量の原料は、前記低流量の原料に対して、異なる方向から交互に合流するよう前記流路が形成されている
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項7に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記マイクロリアクタは、2枚のプレートから構成され、
それぞれのプレートに前記流路が形成されており、
前記高流量の原料は、前記低流量の原料に対して、前記2枚のプレートそれぞれの方向から、交互に合流するよう前記流路が形成されている
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
各原料が最後に合流した後の下流側に滞留用流路が設けられる
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項9に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記マイクロリアクタの下流側に、前記滞留用流路のみを有するマイクロリアクタが接続される
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記マイクロリアクタの材質がメチルテンペンポリマもしくはポリエチレンである
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 請求項1に記載のマイクロリアクタにおいて、
前記流路の代表径が2mm以下である
ことを特徴とするマイクロリアクタ。 - 流量が異なる複数の原料がそれぞれ通流する複数の流路を備え、
前記流路は、高流量の原料の流路が複数に分岐した後、低流量の原料の流路に合流するように、分岐・合流されているマイクロリアクタを少なくとも1つ有するとともに、
それぞれの前記マイクロリアクタに原料を送るためのポンプを有する
ことを特徴とする化成品製造システム。 - 流量が異なる複数の原料がそれぞれ通流する複数の流路を備え、
前記流路は、高流量の原料の流路が複数に分岐した後、低流量の原料の流路に合流するように、分岐・合流されているマイクロリアクタが、2枚のプレートから構成され、前記2枚のプレートのうち、少なくとも一方に前記流路が形成されているマイクロリアクタの製造方法において、
前記流路が前記2枚のプレートにおける対合面に位置するよう、前記2枚のプレートが溶着される
ことを特徴とするマイクロリアクタの製造方法。 - 請求項14に記載のマイクロリアクタの製造方法において、
前記2枚のプレートそれぞれの材質は、メチルテンペンポリマもしくはポリエチレンで構成されており
互いに一方の面が接するように対置されている前記2枚のプレートに対して、レーザが照射されることにより、前記2枚のプレートが溶着する
ことを特徴とするマイクロリアクタの製造方法。
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