WO2017170988A1 - クリーニングブレード - Google Patents
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Abstract
弾性体11からなるクリーニングブレード1であって、前記弾性体の少なくともエッジ部が、カーボネート系ポリオールとナフタレンジイソシアネート(NDI)と短鎖ジオールからなる鎖長延長剤と必要に応じて短鎖トリオールからなる架橋剤との組み合わせ(タイプA)、又はポリオールとo-トルイジンジイソシアネート(TODI)とジアミン化合物からなる鎖長延長剤と必要に応じてトリオールアミン化合物からなる架橋剤との組み合わせ(タイプB)の何れかの注型タイプのポリウレタン部材からなり、総量に対する前記鎖長延長剤の含有量が10質量%以下、総量に対する前記架橋剤の含有量が1質量%以下であり、JIS Aタイプのゴム硬度が80度以上、反発弾性が45%以上であるポリウレタン部材からなる。
Description
本発明は、電子写真式複写機及びプリンタ又はトナージェット式複写機及びプリンタ等の画像形成装置に用いられるクリーニングブレードに関する。
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体に対して、少なくともクリーニング、帯電、露光、現像及び転写の各プロセスが実行される。各プロセスでは、感光ドラム表面に残存するトナーを除去清掃するクリーニングブレードや、感光体に一様な帯電を付与する導電性ロールや、トナー像を転写する転写ベルト等が用いられている。そして、クリーニングブレードは、塑性変形や耐摩耗性の観点から、主に熱硬化性ポリウレタン樹脂により製造される。
そして、従来からポリウレタン製ブレードの当接部を高硬度、且つ低摩擦にする試みが行われてきた。例えば、ポリウレタン製ブレードにイソシアネート化合物を含浸させ、ポリウレタン樹脂とイソシアネート化合物とを反応させることにより、ポリウレタン樹脂ブレードの表面及び表面近傍のみを高硬度化させ、且つ表面の低摩擦化を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ブレード表面を高硬度化すると、カケが発生しやすくなるという問題がある。また、ブレード表面を低摩擦化すると、フィルミング(トナーが感光体ドラムに付着する現象)の発生を抑制することができるが、今度はトナーがすり抜けやすくなり、クリーニング不良が発生するという問題がある。
他方、ポリウレタン樹脂ブレードの表面のダイナミック硬度や摩擦係数等を規定したクリーニングブレードが提案されている(例えば、特許文献2~5参照)。しかしながら、ブレード表面のダイナミック硬度や摩擦係数等を規定しても、必ずしも満足できるブレードを実現できておらず、長期の使用によるカケの発生やフィルミングの発生は十分抑制できていない。
本発明は、このような事情に鑑み、高硬度で且つ耐カケ性に優れ、耐フィルミング性にも優れた長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができるクリーニングブレードを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、弾性体からなるクリーニングブレードであって、前記弾性体の少なくともエッジ部が、カーボネート系ポリオールとナフタレンジイソシアネート(NDI)と短鎖ジオールからなる鎖長延長剤と必要に応じて短鎖トリオールからなる架橋剤との組み合わせ(タイプA)、又はポリオールとo-トルイジンジイソシアネート(TODI)とジアミン化合物からなる鎖長延長剤と必要に応じてトリオールアミン化合物からなる架橋剤との組み合わせ(タイプB)の何れかの注型タイプのポリウレタン部材からなり、総量に対する前記鎖長延長剤の含有量が10質量%以下、総量に対する前記架橋剤の含有量が1質量%以下であり、JIS Aタイプのゴム硬度が80度以上、反発弾性が45%以上であるポリウレタン部材からなることを特徴とするクリーニングブレードにある。
本発明の第2の態様は、第1の態様のクリーニングブレードにおいて、前記ジアミン化合物が、ジメチルチオトルエンジアミンであり、前記トリオールアミン化合物が、トリイソプロパノールアミンであることを特徴とするクリーニングブレードにある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様のクリーニングブレードにおいて、前記ポリオールが、カプロラクトン系ポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選択される少なくとも1種であることを特徴とするクリーニングブレードにある。
本発明の第4の態様は、第1~3の態様のクリーニングブレードにおいて、前記弾性層の前記エッジ部の表面層は表面処理層を有し、前記表面処理層は、イソシアネート化合物と有機溶剤とを含有する表面処理液を前記弾性体の表層部に含浸し硬化したものであることを特徴とするクリーニングブレードにある。
本発明の第5の態様は、第1~4の態様のクリーニングブレードにおいて、前記弾性層は、前記エッジ部を含むエッジ層と、前記エッジ層の背面側に設けられた背面層とからなることを特徴とするクリーニングブレードにある。
かかる発明によれば、高硬度で且つ耐カケ性に優れ、耐フィルミング性にも優れた長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができるクリーニングブレードが実現される。
以下に、本発明に係るクリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、クリーニングブレード1は、ブレード本体10と支持部材20とを備えており、ブレード本体(これ自体をクリーニングブレードともいう)10と支持部材20とは図示されない接着剤を介して接合されている。ブレード本体10は、ゴム基材の成形体である弾性体11で構成される。
図1に示すように、クリーニングブレード1は、ブレード本体10と支持部材20とを備えており、ブレード本体(これ自体をクリーニングブレードともいう)10と支持部材20とは図示されない接着剤を介して接合されている。ブレード本体10は、ゴム基材の成形体である弾性体11で構成される。
弾性体11は、カーボネート系ポリオールとナフタレンジイソシアネート(NDI)と短鎖ジオールからなる鎖長延長剤と必要に応じて短鎖トリオールからなる架橋剤との組み合わせ(タイプA)、又はポリオールとo-トルイジンジイソシアネート(TODI)とジメチルチオトルエンジアミンからなる鎖長延長剤と必要に応じてトリイソプロパノールアミンからなる架橋剤との組み合わせ(タイプB)の何れかの注型タイプのポリウレタン部材からなる。
本発明の弾性体11は、熱硬化性ポリウレタンであるが、高硬度、高反発弾性の熱可塑性ポリウレタンの特性を併せ持つように設計されたものであり、ポリオールに剛直なカーボネート系ポリオールを採用するか、イソシアネートに剛直なo-トルイジンジイソシアネート(TODI)を採用することにより、高硬度、高反発弾性を実現している。
タイプAのポリウレタン部材は、分子鎖が剛直なポリオールであるカーボネート系ポリオールと同じく分子鎖が剛直なナフタレンジイソシアネート(NDI)とを組み合わせたものとする。これにより、後述するように、高硬度、高反発弾性を実現している。
カーボネート系ポリオールは、ジオール成分とジアルキルカーボネートとを反応させることによって得られる。ポリカーボネートジオールやポリエステルポリオールの原料であるジオール成分(ベースジオール)は特に限定されないが、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール(HD)、メチルペンタンジオール、ノナンジオール(ND)、メチルオクタンジオール(MOD)等を挙げることができ、また、二種以上を混合して用いてもよい。カーボネート系ポリオールは、数平均分子量が1000~3000のものを用いるのが好ましい。
カーボネート系ジオールとしては、好適には、ジフェニルメチルカーボネートと1,6-ヘキサンジオール(HD)とを反応させることによって得られる数平均分子量2000のポリカーボネートジオールを用いることができる。
このようなカーボネート系ポリオールとナフタレンジイソシアネート(NDI)とを用いた場合、反応は比較的速いので、鎖長延長剤及び架橋剤としては、反応性が比較的低いものを用いる必要がある。
ここで用いられる鎖長延長剤は、短鎖ジオールである。短鎖ジオールは特に限定はないが、プロパンジオール(PD)及びブタンジオール(BD)の少なくとも一方を有することが好ましい。ここで、プロパンジオールとしては1,3-プロパンジオールが、ブタンジオールとしては1,4-ブタンジオールが代表的なものであり、1,3-プロパンジオール及び1,4-ブタンジオールは性能およびコスト面で好適であるが、これに限定されるものではない。
また、ここで用いられる架橋剤は、120~1000の短鎖トリオールであり、トリメチロールエタン(TME)、トリメチロールプロパン(TMP)等を挙げることができる。なお、架橋剤は、少なくなればなるほど反発弾性が向上するので、必ず用いる必要はなく、必要に応じて配合すればよい。
タイプAのポリウレタン部材では、分子鎖が剛直なポリオールであるカーボネート系ポリオールと同じく分子鎖が剛直なナフタレンジイソシアネート(NDI)とを組み合わせ、且つ鎖長延長剤を相対的に増やす一方架橋剤を相対的に減らすことにより、高硬度化と高反発弾性化との両立を実現している。
タイプAのポリウレタン部材では、総量、すなわち、総配合量に対する鎖長延長剤の含有量は、10質量%以下、好ましくは、2質量%以上9質量%以下、さらに好ましくは、2質量%以上5質量%以下とする。また、架橋剤の含有量は、総量に対して、1質量%以下、好ましくは、0.3質量%以上0.6質量%以下とする。これにより、JIS Aタイプのゴム硬度が80度以上、好ましくは、85度以上、さらに好ましくは、87度以上であり、反発弾性が45%以上、好ましくは、47%以上、さらに好ましくは、50%以上であるポリウレタン部材となる。
ここで、JIS Aタイプのゴム硬度は、旧JIS K6301に準拠したものであり、反発弾性は、JIS K6255に基づく25℃測定のものである。
タイプBのポリウレタン部材は、分子鎖が剛直なo-トルイジンジイソシアネート(TODI)を用いるもので、ポリオールとしては比較的広い範囲のものを用いることができる。TODIは、反応性が低いので、後述するような反応性の高い鎖長延長剤及び架橋剤を用いる必要があるが、この場合、反応性が高くなりすぎるので、反応温度を比較的低温、例えば、65℃~85℃とする必要があるので、反応温度で粘度が比較的低く、遠心成形型などに注入できる程度の粘度を有しているものを用いる必要がある。具体的には、例えば、70℃での粘度が10dPa・s以下、好ましくは、8dPa・s以下のものを用いるのが好ましい。
このような条件を満足するポリオールとしては、カプロラクトン系ジオール、ポリエーテル系ポリオール又はこれらを組み合わせて用いるのが好ましい。また、主成分としなければ、エステル系ポリオールをカプロラクトン系ジオール、ポリエーテル系ポリオールと共に用いてもよい。
ここで、カプロラクトン系ジオールは、ε-カプロラクトンから合成されるジオールであり、数平均分子量が1000~4000のものを用いることができる。また、エーテル系ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)が好ましく、数平均分子量が1000~3000、好ましくは、1000~2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)が好ましい。
タイプBのポリウレタン部材では、ジアミン系の鎖長延長剤と、トリオールアミン系の架橋剤を用いる。ジアミン系の鎖長延長剤としては、ジメチルチオトルエンジアミン、MOCA(4,4′-メチレンビス(2-クロロアニリン))が挙げられ、ジメチルチオトルエンジアミンが好ましい。また、アミン系の架橋剤としては、トリアミン化合物を用いると反応が速すぎるので、トリイソプロパノールアミンを用いるのが好ましい。なお、架橋剤は、少なくなるほど反発弾性が向上するので、必ずしも用いる必要はなく、鎖長延長剤のみの配合でもよい。
タイプBのポリウレタン部材では、分子鎖が剛直なナフタレンジイソシアネート(TODI)とポリオールと反応性の高い鎖長延長剤と架橋剤とを組み合わせ、且つ鎖長延長剤を相対的に増やす一方架橋剤を相対的に減らすことにより、高硬度化と高反発弾性化との両立を実現している。
タイプBのポリウレタン部材では、総量、すなわち、総配合量に対する鎖長延長剤の含有量は、10質量%以下、好ましくは、2質量%以上9質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以上9質量%以下とする。また、架橋剤の含有量は、総量に対して、1質量%以下、好ましくは、0.6質量%以下、さらに好ましくは、0.2質量%以上0.6質量%以下とする。これにより、JIS Aタイプのゴム硬度が80度以上、好ましくは、85度以上、さらに好ましくは、87度以上であり、反発弾性が45%以上、好ましくは、47%以上、さらに好ましくは、50%以上であるポリウレタン部材となる。
本発明のポリウレタン部材は、タイプA、タイプB何れも、α値が0.7~1.0であることが好ましく、特に0.90~0.98であることが好ましい。α値とは、下記式で表される値である。α値が、1.0より大きいと架橋剤の官能基(水酸基やアミノ基等)が残存するため当接する感光体等を汚染してしまう場合があり、0.7未満では、ハードセグメントの量が不十分で強度不足となり摩擦係数が高くなってしまう場合がある。
また、K値(ポリウレタン配合材料中のNCO基数/長鎖ポリオールのOH基数)は、2.0~6.0であるのが好ましく、より好ましくは2.0~3.9であるのが好ましい。K値が2.0未満となるとハードセグメントの量が少なすぎるために柔軟性が高くなりすぎてポリウレタンの強度が低下し、摩擦係数が高くなってしまうことがあり、6.0より大きくなるとハードセグメントの量が多すぎるために柔軟性が得られなくなり摩擦係数が低くなってしまうことがあるためである。
本発明のポリウレタン部材は、単層でクリーニングブレードとすることができる。すなわち、クリーニングブレードのエッジ層として用いた場合に優れた高硬度、高反発弾性を有しているので、長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができ、耐カケ性に優れ、耐フィルミング性にも優れたものとなる。
このようなクリーニングブレードのエッジ層として用いたときの優れていることの指標となる特性としては、ユニバーサル硬さ及び弾性仕事率を挙げることができる。ユニバーサル硬さは、ダイナミック超微小硬度計を用いて、ISO14577に準じて測定される、エッジ層表面近傍の硬さを表す指標である。また、弾性仕事率は、ダイナミック超微小硬度計を用いて、ISO14577に準じ測定される、負荷-除荷曲線の弾性仕事量と塑性仕事量との関係を示した値であり、下記式で表される。材料の弾性・塑性特性を表す指標であり、値が大きいほど、変形が元に戻る弾性の性質を示す。
弾性仕事率=[弾性仕事量/(弾性仕事量+塑性仕事量)]×100
弾性仕事率=[弾性仕事量/(弾性仕事量+塑性仕事量)]×100
ここで、ユニバーサル硬さは、3.0N/mm2以上、好ましくは、3.1N/mm2以上、さらに好ましくは、3.3N/mm2以上がよく、本発明のポリウレタン部材は、これを満足する。また、弾性仕事率は、54%以上、好ましくは、55%以上、さらに好ましくは、57%以上がよく、本発明のポリウレタン部材は、これを満足する。
しかしながら、本発明のポリウレタン部材は、100%永久伸びが比較的大きく、いわゆるへたり性は特に優れたものではない。よって、二層ブレード構造として、本発明のポリウレタン部材をエッジ層とし、耐へたり性の優れたポリウレタン部材を背面層としてもよい。
このような耐へたり性の優れたポリウレタン部材としては、一般的なポリオール、ポリイソシアネート、短鎖ジオール、及び短鎖トリオールを含むポリウレタン組成物を硬化・成形してなる注型タイプのポリウレタン部材を挙げることができ、分子構造に塩素原子を含まないが芳香環を有し、且つジアミノ化合物である2,2’,3,3’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを同一の硬化・成形条件で用いた場合と比較して、反応速度が遅いジアミノ化合物を含んでいてもよい。
上述した条件を満たすジアミノ化合物としては、例えばジアミノジフェニルメタン系、フェニレンジアミン系が挙げられ、具体的には、4,4’-メチレンジアニリン(DDM)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン(DMTDA)、2,4-トルエンジアミン(2,4-TDA)、2,6-トルエンジアミン(2,6-TDA)、メチレンビス(2-エチル-6-メチルアミン)、1,4-ジ-sec-ブチルアミノベンゼン、4,4-ジ-sec-ブチルアミンジフェニルメタン、1,4-ビス(2-アミノフェニル)チオメタン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4-アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシドジ-p-アミノベンゾエート等を挙げることができる。
背面層のポリウレタン組成物は、ポリオール100質量部に対してポリイソシアネートが20~45質量部であり、短鎖トリオールと短鎖ジオールとの総モル数に対する短鎖トリオールのモル比が0.4以上となるように配合したものであることが好ましい。この条件を満たすことで、耐ヘタリ性に優れた背面層を成形することができるからである。具体的には、ポリオール100質量部に対してポリイソシアネートが20~45質量部であることにより、耐ヘタリ性の優れた背面層となる。
また、本発明のポリウレタン部材は、単層で用いる場合も、二層ブレードのエッジ層に用いる場合も、エッジ部に表面処理を施す必要はない。ポリウレタン部材自体で高強度、高反発弾性を実現しているからである。しかしながら、表面処理層を設けてもよい。表面処理層を設けると、ユニバーサル硬度は向上するが、弾性仕事率が低下するので、この点では設けないのが好ましい。しかしながら、表面処理層を設けることにより、低摩擦係数とすることができるので、この目的で表面処理層を設けてもよく、また、低摩擦係数化を目的とし、ユニバーサル硬度や弾性仕事率に大きな影響を与えない程度で表面処理層を設けるのが好ましい。
ポリウレタン部材からなる弾性体11の表層部に表面処理層12を設けた例を図2に示す。表面処理層12は、弾性体11の表層部に表面処理液を含浸させ硬化することにより形成したものである。表面処理層12は、弾性体11のクリーニング対象と当接する部分に少なくとも形成すればよいが、図2の例では、弾性体11の表面全体の表層部に表面処理層12を形成してある。
このような表面処理層12を形成するために用いられる表面処理液は、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤との混合溶液、又は2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとを反応させることにより得られるイソシアネート基を末端に有するイソシアネート基含有化合物であるプレポリマーと有機溶剤との混合溶液である。これらの表面処理液は、弾性体11への濡れ性、浸漬程度や表面処理液の有効期間を考慮して適宜調製される。
表面処理剤中2官能イソシアネート化合物に含有されるイソシアネート基と、3官能ポリオールに含有される水酸基との比率(NCO基/OH基)は、1.0以上1.5以下である。イソシアネート基と、水酸基との比率(NCO基/OH基)が、1.0よりも小さいと、未反応のポリオールが残留し白化、軟化を引き起こす。また、1.5よりも大きいと未反応のイソシアネートが残留し、褐色変化を引き起こす。よって、イソシアネート基と、水酸基との比率(NCO基/OH基)が、1.0よりも小さい、又は1.5よりも大きいと、高硬度で低摩擦の表面処理層が得られず、クリーニング性や耐摩耗性が発現されなくなる。
また、表面処理層12は、弾性体11の表層部に、厚さ10μm~100μm、好ましくは10μm~50μmで形成される。この厚さは、従来の表面処理層12の厚さの約1/10と極めて薄いものであるが、高硬度で低摩擦であり、且つ耐摩耗性に優れたものとなる。これは、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤とを含有する表面処理液、又はこれらを反応させて得られるプレポリマーを用いることで、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとの反応や、プレポリマーと弾性体11との反応が効率よく進行し、弾性体11の表層部に高架橋密度の表面処理層12が形成されるからである。このような表面処理層12は、高濃度の表面処理液を用いなくても、弾性体11の表層部に形成することができるため、弾性体の表面に余剰量のイソシアネート化合物が塗布されることがなく、従来のような余剰量のイソシアネート化合物を除去する除去工程が不要となる。
ここで、まず、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤との混合溶液からなる表面処理液について説明する。
表面処理液に用いられる2官能イソシアネート化合物としては、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H-MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、3,3-ジメチルジフェニル-4,4′-ジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート及びこれらの多量体および変性体等が挙げられる。2官能イソシアネート化合物の中でも、分子量が200以上300以下のものを用いることが好ましい。上記の中では、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3-ジメチルジフェニル-4,4′-ジイソシアネート(TODI)が挙げられる。分子量が200以上300以下の2官能イソシアネート化合物を用いることにより、3官能ポリオールとの反応が安定して進行し、弾性体11の表層部に短時間で表面処理液が含浸し、表面処理層が薄くても高硬度で低摩擦となる。
特に弾性体11としてポリウレタンを用いた場合、2官能イソシアネート化合物とポリウレタンとの親和性が高く、表面処理層12と弾性体11との結合による一体化をより高めることができ、表面処理層12をより高硬度で低摩擦とすることができる。一方、3官能イソシアネート化合物を用いた場合、3官能ポリオールとポリウレタンとの反応性は高くなりすぎてしまい、表面処理液のゲル化が生じてしまう。このため、イソシアネート化合物としては、安定的に3官能ポリオールと反応することができる2官能イソシアネート化合物を用いる必要がある。
3官能ポリオールとしては、グリセリン、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン(TME)、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール等の3官能脂肪族ポリオール、3官能脂肪族ポリオールにエチレンオキシド、ブチレンオキシド等を付加したポリエーテルトリオール、3官能脂肪族ポリオールにラクトン等を付加したポリエステルトリオール等が挙げられる。3官能ポリオールの中でも、分子量が150以下のものを用いることが好ましい。上記の中では、トリメチロールプロパン(TMP)が挙げられる。分子量が150以下の3官能ポリオールを用いることにより、2官能イソシアネートとの反応が速く、高硬度の表面処理層を得ることができる。
3官能ポリオールを表面処理液に含有すると、3官能の水酸基がイソシアネート基と反応し、3次元構造を持つ高架橋密度の表面処理層12を得ることができる。これにより、低濃度の表面処理液を用いて厚さが薄い表面処理層12を形成しても、高硬度で低摩擦とすることができる。さらに、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとを含有する表面処理液は、後述する実施例に示すように、有効期間が長く、保管性に優れたものとなる。
有機溶剤は、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールを溶解するものであれば特に限定されないが、イソシアネート化合物と反応し得る活性水素を持たないものが好適に用いられる。例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。有機溶剤は、低沸点である程、溶解性が高く、含浸後の乾燥を速くすることができ、均一に処理することができる。なお、これらの有機溶剤は、弾性体11の膨潤程度により適宜選択され、好ましくはメチルエチルケトン(MEK)、アセトン、酢酸エチルが用いられる。
2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤との混合溶液からなる表面処理液を用いた場合、弾性体11の表層部への表面処理液を含浸させ、硬化処理を行うと、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールが反応してプレポリマー化すると共に硬化し、末端に残ったイソシアネート基が弾性体11と反応することで表面処理層12が形成される。
一方、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとの反応生成物であるイソシアネート基を有するイソシアネート基含有化合物を含有する表面処理液は、上述した2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとを予め反応させて、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有化合物であるプレポリマーを合成し、これと有機溶剤とを混合して表面処理液とする。この場合、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとを反応させる際の2官能イソシアネート化合物に含有されるイソシアネート基と、3官能ポリオールに含有される水酸基との比率(NCO基/OH基)は、上述した場合と同様に、1.0以上1.5以下とする。
このような2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールとのプレポリマー化は、上述したように原料を含む表面処理液を弾性体11の表層部に含浸させる間に起こるように設定してもよいが、どの程度の反応を行わせるかは、反応温度、反応時間、放置環境を調節することによって制御することができる。プレポリマー化の条件は、一般的には、表面処理液の温度5℃~35℃、湿度20%~70%下で行われる。
なお、何れの場合においても、表面処理液には、必要に応じて架橋剤、触媒、硬化剤等が添加される。
弾性体11の表層部に表面処理液を含浸させ硬化することにより、弾性体11の表層部に表面処理層12が形成されるが、弾性体11の表層部に表面処理液を含浸させ硬化する方法は特に限定されない。例えば、弾性体11を表面処理液に浸漬し、次いで加熱する方法、又は表面処理液をスプレー塗布等により弾性体11表面に塗布して含浸させ、次いで加熱する方法が挙げられる。また、加熱する方法は限定されず、例えば加熱処理、強制乾燥及び自然乾燥等が挙げられる。
具体的に、表面処理液として、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤との混合溶液を用いる場合、表面処理層12の形成は、弾性体11の表層部への表面処理液の含浸中に、2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールが反応してプレポリマー化すると共に硬化し、且つイソシアネート基が弾性体11と反応することで進行する。
表面処理液として、プレポリマーを用いる場合、表面処理層12の形成は、弾性体11の表層部に表面処理液を含浸し、その後硬化すると共にイソシアネート基が弾性体11と反応することで進行する。
弾性体11の表面処理層の形成部位は、少なくとも被接触体と当接する部位を含めばよい。例えば、弾性体11の先端部のみに形成してもよいし、弾性体11の全体に形成してもよい。また、弾性体11に支持部材20を接着してクリーニングブレードとした状態で、先端部のみ、又は弾性体全体の表層部に形成してもよい。また、弾性体11をブレード形状に切断する前のゴム成形体の一面、両面又は全面に表面処理層を形成した後、切断するようにしてもよい。
本発明によれば、イソシアネート基と水酸基との比率(NCO基/OH基)が1.0以上1.5以下である2官能イソシアネート化合物と3官能ポリオールと有機溶剤とを含有する表面処理液、又はこれらを反応させて得られるプレポリマーを、弾性体11の表層部に含浸させ硬化することにより、弾性体11の表層部に厚さが10μm~100μm、好ましくは10μm~50μmと極めて薄いが高硬度で低摩擦の表面処理層を形成することができる。このような表面処理層を有するクリーニングブレードは耐摩耗性に優れ、長期にわたり良好なクリーニング性やフィルミング抑制性等を維持することができる。また、表面処理層の厚さが薄いため、弾性体の表面に余剰量のイソシアネート化合物が塗布されることを防止することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
(実施例1~2)
表1に示す配合で、カーボネート系ポリオール(分子量2000)と、ナフタレンジイソシアネート(NDI)とを130℃×10分間反応させた後、架橋剤として1,4-ブタンジオールおよび鎖長延長剤のトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
表1に示す配合で、カーボネート系ポリオール(分子量2000)と、ナフタレンジイソシアネート(NDI)とを130℃×10分間反応させた後、架橋剤として1,4-ブタンジオールおよび鎖長延長剤のトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
(実施例3~5)
表1に示す配合で、カプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミン及び架橋剤としてのトリイソプロパノールアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)の70℃での粘度は、約10dPa・sであった。
表1に示す配合で、カプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミン及び架橋剤としてのトリイソプロパノールアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)の70℃での粘度は、約10dPa・sであった。
(実施例6)
表1に示す配合で、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG:分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミン及び架橋剤としてのトリイソプロパノールアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG:分子量2000)の70℃での粘度は、約8dPa・sであった。
表1に示す配合で、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG:分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミン及び架橋剤としてのトリイソプロパノールアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG:分子量2000)の70℃での粘度は、約8dPa・sであった。
(実施例7)
表1に示す配合で、カプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)の70℃での粘度は、約10dPa・sであった。
表1に示す配合で、カプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、o-トルイジンジイソシアネート(TODI)とを70℃×30分間反応させた後、鎖長延長剤としてのジメチルチオトルエンジアミンを混合し、110℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。なお、実施例で用いたカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)の70℃での粘度は、約10dPa・sであった。
(比較例1)
表1に示す配合で、エステル系ポリオール(分子量2000)と、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを115℃×20分間反応させた後、鎖長延長剤としての1,4-ブタンジオール及び架橋剤としてのトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
表1に示す配合で、エステル系ポリオール(分子量2000)と、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを115℃×20分間反応させた後、鎖長延長剤としての1,4-ブタンジオール及び架橋剤としてのトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
(比較例2)
ポリオールとしてエステル系ポリオール(分子量2000)と、及びカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、イソシアネート化合物として4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを115℃×20分間反応させた後、鎖長延長剤としての1,4-ブタンジオール及び架橋剤としてのトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
ポリオールとしてエステル系ポリオール(分子量2000)と、及びカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)と、イソシアネート化合物として4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを115℃×20分間反応させた後、鎖長延長剤としての1,4-ブタンジオール及び架橋剤としてのトリメチロールプロパンを混合し、140℃に保った金型で30分間加熱硬化させた。成形後、幅12.3mm、厚さ2.0mm、長さ324mmに切断加工したゴム弾性体とした。
(試験例1)
<硬度、反発弾性の測定>
JIS K6301に準じてゴム硬度を測定した。また、JIS K6255に準じて反発弾性(25℃)を測定した。
結果を表1に示す。
<硬度、反発弾性の測定>
JIS K6301に準じてゴム硬度を測定した。また、JIS K6255に準じて反発弾性(25℃)を測定した。
結果を表1に示す。
(試験例2)
<表面硬度の測定>
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計を用いて、JIS Z2255、ISO14577に準じ、圧子押込み試験により負荷速度0.15mN/s、最大試験荷重0.98mN、保持時間5sの条件下で表面硬度を測定した。
結果を表1に示す。
<表面硬度の測定>
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計を用いて、JIS Z2255、ISO14577に準じ、圧子押込み試験により負荷速度0.15mN/s、最大試験荷重0.98mN、保持時間5sの条件下で表面硬度を測定した。
結果を表1に示す。
(試験例3)
<弾性仕事率の測定>
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計を用いて、ISO14577に準じ、負荷-除荷試験により保持時間5s、最大試験荷重0.98mN、負荷速度0.15mN/sの条件下で弾性仕事率を測定した。
結果を表1に示す。
<弾性仕事率の測定>
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計を用いて、ISO14577に準じ、負荷-除荷試験により保持時間5s、最大試験荷重0.98mN、負荷速度0.15mN/sの条件下で弾性仕事率を測定した。
結果を表1に示す。
(試験例4)
<クリーニング性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、トナーのすり抜けがなかった場合を○、トナーの多少のすり抜けはあったが許容範囲であった場合を△、トナーのすり抜けがあった場合を×としてクリーニング性を評価した。
結果を表1に示す。
<クリーニング性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、トナーのすり抜けがなかった場合を○、トナーの多少のすり抜けはあったが許容範囲であった場合を△、トナーのすり抜けがあった場合を×としてクリーニング性を評価した。
結果を表1に示す。
(試験例5)
<フィルミング抑制性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、トナーの固着がなかった場合を○、トナーの固着が多少あったが、許容範囲であった場合を△、トナーの固着があった場合を×としてフィルミング抑制性を評価した。
結果を表1に示す。
<フィルミング抑制性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、トナーの固着がなかった場合を○、トナーの固着が多少あったが、許容範囲であった場合を△、トナーの固着があった場合を×としてフィルミング抑制性を評価した。
結果を表1に示す。
(試験例6)
<耐カケ性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、カケや摩耗がなかった場合を○、極微小なカケがあったが、許容範囲であった場合を△、カケや摩耗があった場合を×として耐カケ性を評価した。
結果を表1に示す。
<耐カケ性の評価>
A3サイズ カラーMFP 55枚/分機を用いて、カートリッジにブレードを組み込み100万枚印刷した後、カケや摩耗がなかった場合を○、極微小なカケがあったが、許容範囲であった場合を△、カケや摩耗があった場合を×として耐カケ性を評価した。
結果を表1に示す。
(試験結果)
実施例1~7のゴム弾性体では、JIS Aゴム硬度が86度以上の高硬度で且つ反発弾性が45%以上の高反発弾性を実現できた。また、ユニバーサル硬さで3.1N/mm2以上且つ弾性仕事率で56.0%以上が実現でき、従来には実現できなかった高硬度・高反発弾性のゴム弾性体が実現できた。この結果、フィルミング抑制性、耐カケ性、クリーニング性の全ての機能で満足な結果が得られた。なお、実施例1~7の中でユニバーサル硬さが比較的低い実施例1、3、5では、フィルミング抑制性が多少劣るものであった。
実施例1~7のゴム弾性体では、JIS Aゴム硬度が86度以上の高硬度で且つ反発弾性が45%以上の高反発弾性を実現できた。また、ユニバーサル硬さで3.1N/mm2以上且つ弾性仕事率で56.0%以上が実現でき、従来には実現できなかった高硬度・高反発弾性のゴム弾性体が実現できた。この結果、フィルミング抑制性、耐カケ性、クリーニング性の全ての機能で満足な結果が得られた。なお、実施例1~7の中でユニバーサル硬さが比較的低い実施例1、3、5では、フィルミング抑制性が多少劣るものであった。
これに対し、従来の高硬度処方の比較例1、2では、JIS Aゴム硬度がある程度高い水準となっても、反発弾性が不足し、また、ユニバーサル硬さが劣るものであり、フィルミング抑制性、クリーニング性が劣るものであった。
本発明に係るクリーニングブレードは、電子写真式複写機及びプリンタ、又はトナージェット式複写機及びプリンタ等の画像形成装置に用いられるクリーニングブレード、導電性ロール及び転写ベルト等に用いて好適であるが、その他の用途で用いることもできる。その他の用途としては、例えば、シール部品、工業用ゴムホース、工業用ゴムベルト、ワイパー、自動車用ウエザーストリップ、ガラスラン等のゴム部品が挙げられる。
1 クリーニングブレード
10 ブレード本体
11 弾性体
12 表面処理層
20 支持部材
10 ブレード本体
11 弾性体
12 表面処理層
20 支持部材
Claims (5)
- 弾性体からなるクリーニングブレードであって、前記弾性体の少なくともエッジ部が、カーボネート系ポリオールとナフタレンジイソシアネート(NDI)と短鎖ジオールからなる鎖長延長剤と必要に応じて短鎖トリオールからなる架橋剤との組み合わせ(タイプA)、又はポリオールとo-トルイジンジイソシアネート(TODI)とジアミン化合物からなる鎖長延長剤と必要に応じてトリオールアミン化合物からなる架橋剤との組み合わせ(タイプB)の何れかの注型タイプのポリウレタン部材からなり、総量に対する前記鎖長延長剤の含有量が10質量%以下、総量に対する前記架橋剤の含有量が1質量%以下であり、JIS Aタイプのゴム硬度が80度以上、反発弾性が45%以上であるポリウレタン部材からなることを特徴とするクリーニングブレード。
- 請求項1に記載のクリーニングブレードにおいて、
前記ジアミン化合物が、ジメチルチオトルエンジアミンであり、前記トリオールアミン化合物が、トリイソプロパノールアミンであることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1又は2に記載のクリーニングブレードにおいて、
前記ポリオールが、カプロラクトン系ポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選択される少なくとも1種であることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1~3の何れかのクリーニングブレードにおいて、
前記弾性層の前記エッジ部の表面層は表面処理層を有し、前記表面処理層は、イソシアネート化合物と有機溶剤とを含有する表面処理液を前記弾性体の表層部に含浸し硬化したものであることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1~4の何れかのクリーニングブレードにおいて、
前記弾性層は、前記エッジ部を含むエッジ層と、前記エッジ層の背面側に設けられた背面層とからなることを特徴とするクリーニングブレード。
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EP4127009A4 (en) * | 2020-03-30 | 2024-01-10 | Dow Global Technologies Llc | POLYURETHANE COMPOSITIONS, PRODUCTS PREPARED THEREWITH AND ASSOCIATED PREPARATION PROCESSES |
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-
2017
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