JP5506606B2 - 電子写真機器用クリーニングブレード - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器における感光ドラム外周面に残留するトナーを除去するのに用いられるクリーニングブレードに関するものである。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器においては、一般に、感光ドラムの外周面を一様に帯電させ、その外周面に画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、トナー像を複写紙等に転写することにより複写を行っている。
この種の電子写真機器では、トナー像の転写後に、感光ドラムの外周面上にトナーが残留する。そのため、感光ドラムの外周面にクリーニングブレードを摺接して、感光ドラムの外周面から残留トナーを掻き取ることが行われている。
クリーニングブレードは感光ドラムに摺接するものであることから、感光ドラムに対して適度な圧接力を有するとともに、耐摩耗性にも優れることが求められる。そのため、クリーニングブレードの材料としては、ウレタンゴムが用いられることが多い。
近年、電子写真機器の普及に伴い、その使用環境が広がっている。例えば、低温側では、5℃付近で使用されることがある。また、高温側では、35℃付近で使用されることがある。これに対し、クリーニングブレードの材料として良く用いられるウレタンゴムは、一般に、−10℃付近の低温温度域から15℃付近の室温温度域にガラス転移点を有することが多い。そのため、各温度域でのクリーニング性能に大きな違いが生じていた。例えば、低温側では、ウレタンゴムのゴム弾性の低下によりトナーがクリーニングブレードからすり抜けてクリーニング不良が発生することがあった。また、高温側では、ウレタンゴムのゴム弾性が高くなりすぎて、トナーの融着やすり抜けによるクリーニング不良が発生することがあった。
このようなゴムの温度特性は、粘弾性曲線(tanδ曲線)を指標に用いて表わされることがある。そして、特許文献1では、ポリウレタンエラストマーのtanδの値を指標に用い、使用環境によるクリーニングブレードの特性変化の低減を抑える試みがなされている。
特開2006−301273号公報
しかしながら、従来においては、ポリウレタンエラストマーのtanδのピーク温度を電子写真機器の使用温度範囲以下にするなど、tanδのピーク温度を低温シフト化させる方向で検討されていた。この方向は、ゴムの強度を下げる方向であることから、クリーニングブレードの耐摩耗性を低下させる傾向にあり、クリーニングブレードを含むトナーカートリッジの高ライフ化には不利である。一方で、tanδのピーク温度を高温シフト化させると、低温側でのクリーニング性能が満足されないという問題がある。
したがって、クリーニングブレードの耐摩耗性を低下させることなく、さらに、使用環境によるクリーニングブレードの特性変化の低減を抑えることができる方策が求められていた。
本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性の向上と、環境による特性変化の低減とを両立できる電子写真機器用クリーニングブレードを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る電子写真機器用クリーニングブレードは、(a)イソシアネートとポリオールとを重合させて得られるウレタンゴム形成用プレポリマー、(b)硬化剤、(c)下記の式(1)および式(2)で表わされる少なくとも1種の第四級アンモニウム塩、を含有するゴム組成物の硬化体で形成されたゴム弾性層を有する電子写真機器用クリーニングブレードであって、前記ゴム組成物のNCOインデックスが130〜180の範囲内であり、前記(b)成分の水酸基価が110〜200KOHmg/gの範囲内であり、前記(b)成分100質量部に対し、前記(c)成分の配合量が0.002〜0.02質量部の範囲内にあることを要旨とするものである。
Figure 0005506606
Figure 0005506606
この際、ゴム弾性層は、ゴム硬度が70〜85IRHDの範囲内に設定され、tanδのピーク高さが0.75以下に設定されていることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用クリーニングブレードによれば、このクリーニングブレードのゴム弾性層を形成するウレタンゴム組成物のNCOインデックスを特定範囲に設定し、ウレタンゴム組成物中の(b)成分の水酸基価を特定範囲に設定し、ウレタンゴム組成物中の(c)特定の第四級アンモニウム塩の配合量を特定範囲に設定したことから、耐摩耗性の向上と、環境による特性変化の低減とを両立できる。
本発明の一実施形態に係る電子写真機器用クリーニングブレードを表した模式図である。 本発明のクリーニングブレードの粘弾性曲線(tanδ曲線)を模式的に表した図である。 従来のクリーニングブレードの粘弾性曲線(tanδ曲線)を模式的に表した図である。
本発明に係る電子写真機器用クリーニングブレード(以下、本クリーニングブレードということがある。)について詳細に説明する。
本クリーニングブレードは、電子写真機器の感光ドラムに摺接されて、感光ドラムの外周面から残留トナーを掻き取るために用いられる。図1に示すように、本クリーニングブレード1は、ゴム組成物の硬化体で形成されたゴム弾性層を有する。本クリーニングブレード1は、例えば、板状保持具2に支持されて形成される。
本クリーニングブレード1を形成するゴム組成物は、(a)ウレタンゴム形成用プレポリマー、(b)硬化剤、(c)特定の第四級アンモニウム塩、を含有する。ゴム組成物は、必要に応じて、上記各成分以外に、各種添加剤等を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、エステル系可塑剤、エーテル系可塑剤などを挙げることができる。
本クリーニングブレード1において、(a)ウレタンゴム形成用プレポリマー(以下、単にプレポリマーということがある)は、イソシアネートとポリオールとを予め重合させて得られるものである。
イソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルイソシアネート(PAPI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート(DDI)などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いて良い。このうち、MDI、TODIが特に好ましい。
イソシアネートとともに用いられるポリオールとしては、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどを好適なものとして挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いて良い。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基性有機酸とポリオールとから得られ、水酸基を末端基とするものを好適なものとして挙げることができる。このようなポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート、ポリカプロラクトン、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体などを挙げることができる。このうち、耐加水分解性に優れるなどの観点から、ポリブチレンアジペートがより好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、環状エーテルの開環重合または共重合などによって得られるものを好適なものとして挙げることができる。このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどを挙げることができる。
ポリオールの数平均分子量(Mn、以下単に「分子量」という)としては、特に限定されるわけではないが、1000〜3000の範囲内であることが好ましい。分子量が1000未満の場合、得られるウレタンゴムの物性が低下する傾向がみられる。一方、分子量が3000を超えると、プレポリマーの粘度が高くなり、成形性が悪化する傾向がみられる。
(a)プレポリマーは、上記イソシアネートとポリオールとの配合割合を調整することにより、下記の式で算出されるNCO%の値を所定の範囲に設定することができる。NCO%の値としては、5〜30質量%の範囲内とすることが好ましい。NCO%の値が5質量%未満では、プレポリマーの粘度が十分低下せず、成形が困難になる傾向がある。一方、NCO%の値が30質量%を超えると、硬化反応が不均一となり、ウレタンゴムの物性が低下する傾向がある。
Figure 0005506606
(b)硬化剤には、ポリオールを用いる。ポリオールとしては、上記(a)ウレタンゴム形成用プレポリマーに用いるポリオールとして例示したポリオールと同様のものを用いても良いし、例示されたポリオール以外の他のポリオールを用いても良いし、これらを組み合わせて用いても良い。
(b)硬化剤としては、例えば分子量が300以下の、比較的低分子量の他のポリオールを含んでいることが好ましい。このような低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、ヘキサンジオール(HD)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
低分子量ポリオールとしては、より好ましくは、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、あるいは、これらの混合物などである。低分子量ポリオールの(b)硬化剤中における含有量としては、特に限定されるものではないが、3〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
(c)特定の第四級アンモニウム塩は、硬化触媒として用いられる。(c)特定の第四級アンモニウム塩は、下記の式(1)および式(2)で表わされる少なくとも1種の第四級アンモニウム塩である。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いて良い。
Figure 0005506606
Figure 0005506606
特定の第四級アンモニウム塩としては、市販のものを用いることができる。式(1)で表わされる第四級アンモニウム塩としては、三共エアプロダクツ社製の「DABCO TAC」を挙げることができる。また、(1)で表わされる第四級アンモニウム塩としては、三共エアプロダクツ社製の「DABCO TMR」を挙げることができる。
本クリーニングブレードにおいては、(c)特定の第四級アンモニウム塩以外に、硬化触媒として他の触媒成分を含有していても良い。他の触媒成分は、例えば硬化反応の促進などで用いられる。他の触媒成分としては、例えば、トリエチレンジアミン(TEDA)、第三級アミン、ジアザビシクロアミン、ジアザビシクロアミンの塩などのアミン化合物や、有機金属化合物などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いて良い。
第三級アミンとしては、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンなどのテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミノアルコール、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペートなどのエステルアミン、モルホリン誘導体、ピペラジン誘導体などを挙げることができる。
ジアザビシクロアミンとしては、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5(DBN)を挙げることができる。
有機金属化合物としては、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫などの有機錫化合物などを挙げることができる。
他の触媒成分の配合量は、(b)硬化剤100質量部に対し、好ましくは0.002〜0.02質量部、より好ましくは0.005〜0.015質量部の範囲内である。
ここで、本クリーニングブレードにおいては、(a)プレポリマーと(b)硬化剤の配合割合は、ゴム組成物のNCOインデックスが130〜180の範囲内となるように設定する。そして、(b)硬化剤の水酸基価は、110〜200KOHmg/gの範囲内に設定する。さらに、(c)特定の第四級アンモニウム塩の配合量は、(b)硬化剤100質量部に対して0.002〜0.02質量部の範囲内に設定する。これにより、耐摩耗性の向上と、環境による特性変化の低減とを両立できる。この理由について、粘弾性曲線を用いて以下に説明する。
図2、3は、ウレタンゴムの粘弾性曲線を表した模式図である。図2の曲線1および図3の曲線1、4は、従来のクリーニングブレードに用いられるウレタンゴムの粘弾性曲線を模式的に表したものである。図2の曲線3は、本発明のクリーニングブレードに用いられるウレタンゴムの粘弾性曲線を模式的に表したものである。図2の曲線2は、ゴム組成物のNCOインデックスを特定範囲にしたときの曲線1からの変化を示すために表したものである。
従来では、曲線1あるいは曲線4に示すように、ウレタンゴムのゴム弾性を表す指標となるtanδのピーク温度は、電子写真機器の使用温度範囲内(例えば5〜35℃)、あるいは、使用温度範囲よりも低温側になるように設定されていた。これは、tanδのピーク温度が使用温度範囲よりも高温側にあると、低温側で、ゴム弾性の低下によりクリーニングブレードのクリーニング性能が低下してクリーニング不良が発生しやすいためである。
このような温度範囲にtanδのピーク温度を設定するには、通常であれば、NCOインデックスが例えば125以下となるように、プレポリマーと硬化剤との配合割合が設定される。すなわち、NCOインデックスは、比較的低く設定される。そのため、従来においては、tanδのピーク高さが高くなり、使用環境(温度環境)の変動によるゴム弾性特性の変動が大きかった。
また、従来では、ウレタンゴムのtanδのピーク温度を電子写真機器の使用温度範囲以下にする(図3に示すように、曲線1から曲線4に変化させる)など、tanδのピーク温度を低温シフト化させる方向で検討されていたが、この方向は、ゴムの強度を下げる方向であることから、クリーニングブレードの耐摩耗性を低下させる傾向にあり、クリーニングブレードを含むトナーカートリッジの高ライフ化には不利である。
そのため、本クリーニングブレードでは、まず、NCOインデックスを通常よりも高く設定している。具体的には、NCOインデックスが130〜180の範囲内となるように設定している。これにより、ウレタンゴムのゴム硬度を高くして耐摩耗性を向上させている。このとき、ウレタンゴムの粘弾性曲線は、図2の曲線2に示すように、従来の曲線1よりもtanδのピーク高さが低下(ブロード化)する(曲線1から曲線2に変化する)。これにより、使用環境(温度環境)の変動によるゴム弾性特性の変動が小さくなる。
NCOインデックスが130未満では、tanδのピーク高さを十分に下げることができない。そのため、使用環境(温度環境)の変動によるゴム弾性特性の変動を十分に小さくできない。一方、NCOインデックスが180超では、ウレタンゴムのゴム硬度が高くなりすぎる。また、tanδのピーク温度が高温側にシフトしすぎる。これにより、低温側で、ゴム弾性の低下によりクリーニングブレードのクリーニング性能が低下する。
NCOインデックスは、より好ましくは135〜175の範囲内、さらに好ましくは140〜170の範囲内にすると良い。なお、NCOインデックスとは、イソシアネート基と反応する水酸基を持つ成分の合計当量100に対するイソシアネート基の当量を意味する。
このときのウレタンゴムのゴム硬度としては、70〜85IRHDの範囲内にあることが好ましい。この範囲内であれば、得られるクリーニングブレードは十分な耐摩耗性を有する。より好ましくは73〜80IRHDの範囲内、さらに好ましくは73〜78IRHDの範囲内である。ここでいうゴム硬度は、JIS K 6253に準拠して測定されるゴム硬度である。なお、ウレタンゴムのゴム硬度は、上述するように、(a)プレポリマーと(b)硬化剤の配合割合(NCOインデックス)などにより調整できる。
また、このときのtanδのピーク高さとしては0.75以下であることが好ましい。この範囲内であれば、使用環境(温度環境)の変動によるゴム弾性特性の変動を十分に小さくできる。tanδのピーク高さとしては、より好ましくは0.70以下、さらに好ましくは0.65以下である。なお、tanδのピーク高さは、上述するように、(a)プレポリマーと(b)硬化剤の配合割合(NCOインデックス)などにより調整できる。
そして、このように、NCOインデックスを高く設定したことにより、曲線2におけるtanδのピーク温度は、従来の曲線1よりも高温側にシフトしている。このままでは、低温側で、ゴム弾性の低下によりクリーニングブレードのクリーニング性能が低下してクリーニング不良が発生するおそれがある。そこで、本クリーニングブレードでは、(b)硬化剤の水酸基価を低く設定することにより、tanδのピーク温度の低温シフト化を図っている。具体的には、(b)硬化剤の水酸基価を110〜200KOHmg/gの範囲内に設定することにより、tanδのピーク温度を低温シフト化している(曲線2から曲線3に変化させている)。これにより、優れた耐摩耗性を維持しつつ、低温から高温までの使用温度範囲内でのクリーニング性能を良好にする。
この際、(b)硬化剤の水酸基価が110KOHmg/g未満では、tanδのピーク温度が低温シフトしすぎる。そのため、高温側でのクリーニング性能が低下する。一方、(b)硬化剤の水酸基価が200KOHmg/g超では、tanδのピーク温度が十分に低温シフトできない。そのため、低温でのクリーニング性能が低下する。(b)硬化剤の水酸基価としては、より好ましくは120〜190KOHmg/gの範囲内、さらに好ましくは130〜180KOHmg/gの範囲内である。
また、NCOインデックスを高く設定したことにより、ゴム組成物は、例えば汎用の硬化触媒である第三級アミンでは十分に硬化せず、成形金型から脱型し難くなるが、本クリーニングブレードでは、(c)特定の第四級アンモニウム塩を、硬化触媒として、特定割合で用いている。これにより、NCOインデックスを高く設定しても脱型が容易になる。すなわち、成形性の悪化を抑えることができる。
(c)特定の第四級アンモニウム塩の配合量が特定量よりも少ない(0.002質量部未満である)と、ゴム組成物が十分に硬化しないため、成形困難となる。一方、その配合量が特定量よりも多い(0.02質量部超である)と、ゴム組成物の硬化速度が速くなりすぎて成形困難となる。(c)特定の第四級アンモニウム塩の配合量としては、より好ましくは(b)硬化剤100質量部に対して0.005〜0.015質量部の範囲内である。
本クリーニングブレード1は、上記各材料を用い、常法に準じて製造することができる。例えば、まず、上記ジイソシアネートおよびポリオールを準備し、両者を所定の配合割合で配合し、両者を反応させて、(a)プレポリマーを調製する。次いで、(a)プレポリマーと、(b)硬化剤と、(c)成分を含む硬化触媒と、必要に応じて添加される各種添加剤と、を特定割合で混合し、この混合液を、板状保持具2が保持されたクリーニングブレード成形用金型内に注入して硬化させる。得られた硬化体を成形金型から脱型することにより、板状保持具2と一体成形されたゴム弾性層を有する本クリーニングブレード1を得ることができる。
以上の構成の本クリーニングブレード1によれば、低温(0℃)から高温(35℃)におけるクリーニング性を確保できる。また、耐摩耗性向上に伴う高ライフ化を図ることができる。
また、従来よりも高硬度化できるため、摩擦係数を低減できる。これにより、例えば、本クリーニングブレード1のエッジ部(感光ドラムと摺接する部分)への潤滑剤の使用量を低減できる。あるいは、潤滑剤の使用を省略できる。また、感光ドラムを回転させるためのモータトルクの低減を図ることができる。
また、(c)特定の第四級アンモニウム塩を硬化触媒として用いたことにより、脱型時のウレタンゴムが十分に硬くなる。そのため、成形金型に塗布する離型剤のウレタンゴムへの転写が少なくなる。これにより、離型剤の長寿命化を図ることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜7)
<プレポリマーの調製>
表1に示す配合割合(質量部)で、イソシアネート(MDI、日本ポリウレタン工業社製、「ミリオネートMT」)とポリオール(PBA、日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン4010」)とを混合し、Nパージ下で80℃で180分間反応させることにより、ウレタンゴム形成用プレポリマーを調製した。このプレポリマーのNCO%の値は、表1に示すとおりである。
<硬化剤の調製>
表1に示す配合割合(質量部)で、ポリオール(PBA、日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン4010」)と、低分子量ポリオール(1,4−ブタンジオール(A)とトリメチロールプロパン(B)との混合物、混合モル比:A/B=60/40)とを混合することにより、硬化剤を調製した。この硬化剤中の水酸基価(OH値)は、表1に示すとおりである。
<クリーニングブレードの作製>
表1に示すNCOインデックスとなるように、プレポリマーと硬化剤とを配合し、さらに、プレポリマー100質量部に対して表1に記載の配合割合(質量部)となるように、特定の第四級アンモニウム塩としての上記式(1)に示す第四級アンモニウム塩(三共エアプロダクツ社製「DABCO TAC」)、トリエチレンジアミン(TEDA、東ソー社製)、あるいは第3級アミンを含む硬化触媒を配合して、ウレタンゴム組成物を調製した。クリーニングブレード用成形型内に板状保持具を配置し、このウレタンゴム組成物を成形型内に注入し、成形型を130℃に加熱してウレタンゴム組成物を硬化させ、脱型することによりクリーニングブレードを作製した。
調製したウレタンゴム組成物を用いてゴム特性を測定した。また、作製したクリーニングブレードを用いて実機評価を行った。測定方法および評価方法は以下の通りである。これらの結果を表1に示した。
(ゴム硬度)
JIS K 6253に準拠して、ウォーレス社製ウォーレス測微硬度計を用いて測定した。
(tanδ)
レオロジ社のDVEレオスペクトラーを用いて次のようにして測定した。まず、短冊状の試験片(1.6mm×1.6mm×30.0mm)を準備した。次いで、この試験片を測定長さが20.0mmとなるように固定した後、この試験片に振幅±10μm、周波数10Hzで歪みをかけ、昇温スピード3℃/minにて1℃毎にtanδ(損失正接)を測定した。このtanδの最大値をtanδピーク高さとし、tanδが最大となる温度をtanδピーク温度とした。
(永久変形率)
JIS 1号ダンベル試験片を作製し、試験片を1.7mm変形させた状態で40℃×95%RH環境下で5日間放置した後の変形率を測定した。
(低温での画像評価)
作製したクリーニングブレードを市販のレーザープリンター(HP社製、Laser Jet P3015d)に組み込み、低温環境下(0℃)にてA4サイズで1万5千枚画像出しを行った後の画像の画質を目視評価した。この際、トナーすり抜けによるすじが認められなかった場合を「○」、すじが認められたが極めて軽微な場合を「△」、明らかにすじが認められた場合を「×」とした。
(高温での画像評価)
低温での画像評価方法と同様にして、高温環境下(35℃×85%RH)での画質を目視評価した。
(融着)
上記高温での画像評価において、目視にて、クリーニングブレードへのトナーの融着の有無を調べた。この際、トナーの融着が認められなかった場合を「○」、トナーの融着が認められたが極めて軽微な場合を「△」、明らかにトナーの融着が認められた場合を「×」とした。
(摩耗深さ)
低温での画像評価方法と同様にして、常温環境下にてA4サイズで1万5千枚画像出しを行った後におけるエッジ部(感光ドラムに摺接する部分)の摩耗深さを、顕微鏡(キーエンス社製、「VK−9500」)を用いて測定した。
Figure 0005506606
比較例1では、NCOインデックスが特定範囲を超えている。また、(b)成分のポリオールの水酸基価が特定範囲を超えている。そのため、ゴム硬度が高すぎる。また、tanδピーク温度が高すぎる。これにより、低温でのクリーニング性能が悪化している。
比較例2では、NCOインデックスが特定範囲に足りていない。また、(b)成分のポリオールの水酸基価が特定範囲を超えている。そのため、ゴム硬度が低い。また、tanδピーク高さが高すぎる。これにより、耐摩耗性に劣っている。また、低温でのクリーニング性能がやや悪化している。
比較例3では、特定の第四級アンモニウム塩の配合量が特定範囲を超えている。そのため、材料の硬化反応が速すぎて成形が困難であった。一方、比較例4では、特定の第四級アンモニウム塩を配合していない。そのため、ゴムが硬化せず、成形が困難であった。また、比較例7では、特定の第四級アンモニウム塩を配合しない代わりに第三級アミンを配合している。そのため、ゴムが十分に硬化せず、成形金型から脱型し難くなって、成形が困難であった。
比較例5では、NCOインデックスが特定範囲を超えている。また、(b)成分のポリオールの水酸基価が特定範囲に足りていない。そのため、架橋密度が低く、永久変形率が大きくなっている。これにより、低温および高温でのクリーニング性能が悪化している。また、耐摩耗性に劣っている。
比較例6では、NCOインデックスが特定範囲に足りていない。また、(b)成分のポリオールの水酸基価が特定範囲に足りていない。そのため、ゴム硬度が低すぎる。また、tanδピーク温度が低温シフトしすぎている。これにより、低温および高温でのクリーニング性能が悪化している。また、特に耐摩耗性に劣っている。
これらに対し、実施例によれば、低温および高温でのクリーニング性能に優れるとともに、耐摩耗性にも優れ、耐摩耗性の向上と、環境による特性変化の低減とを両立できることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 クリーニングブレード
2 板状保持具

Claims (2)

  1. (a)イソシアネートとポリオールとを重合させて得られるウレタンゴム形成用プレポリマー、
    (b)硬化剤、
    (c)下記の式(1)および式(2)で表わされる少なくとも1種の第四級アンモニウム塩、
    を含有するゴム組成物の硬化体で形成されたゴム弾性層を有する電子写真機器用クリーニングブレードであって、
    前記ゴム組成物のNCOインデックスが130〜180の範囲内であり、
    前記(b)成分の水酸基価が110〜200KOHmg/gの範囲内であり、
    前記(b)成分100質量部に対し、前記(c)成分の配合量が0.002〜0.02質量部の範囲内にあることを特徴とする電子写真機器用クリーニングブレード。
    Figure 0005506606
    Figure 0005506606
  2. 前記ゴム弾性層は、ゴム硬度が70〜85IRHDの範囲内に設定され、tanδのピーク高さが0.75以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
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