JP5352097B2 - 電子写真装置用ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有する電子写真装置用ブレードに関する。
一般に、電子写真装置では、感光体の外周面を一様に帯電させ、被複写体の被複写画像を介してその外周面を露光することにより上記外周面上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、これを複写紙などに転写することにより複写が行われる。上記複写後、感光体の外周面上にトナーが残留するため、この残留トナーを除去する必要が生じ、通常、この除去をクリーニングブレードによって行っている。
クリーニングブレードは、装置等にブレードを取り付ける金属製のホルダーと、そのホルダーの片端部に弾性体からなるブレード部材とが一体化して形成されており、ブレード部材は、耐摩耗性や永久歪みの程度等に優れていることから、ポリウレタンエラストマーが通常使用される。
ところで、このような電子写真装置が設置されているオフィスは、昼間は空調されているが、夜間又は早朝は空調されていないケースが多い。このため、翌朝の早い時間などを考慮すると、電子写真装置は5℃乃至40℃の環境下での使用が要求される。しかしながら、ポリウレタンエラストマーは、一般的に優れた力学特性を有する反面、粘弾性の温度依存性があることが知られており、その指標として、tanδのピーク温度、各温度でのtanδ値が用いられている。ポリウレタンエラストマーは低温側ではtanδ値が高くなっており、弾性が低い。このため、ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有するクリーニングブレードは低温環境下で、クリーニング性が悪くなる傾向がある。一方ポリウレタンエラストマーは、高温側では、tanδ値が小さくなっており、粘性が低い。このためポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有するクリーニングブレードは高温環境下で、ビビリ音が発生しやすく、最悪の場合、めくれてしまうこともあった。
このため、低温環境下でのクリーニング性や、高温環境下でのビビリ、めくれを改良するため、様々な検討がされている。通常ブレード部を構成するブレード部材に用いられるウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート、高分子量ポリオール、二官能、三官能などの低分子量ポリオールである鎖延長剤等からなる原料を反応して製造される。イソシアネートやポリオールの種類により、ウレタンエラストマーのtanδのピーク温度を変えることができる。また、鎖延長剤の二官能、三官能低分子量ポリオールの使用割合を変えると、イソシアネートとの反応により形成されるウレタン結合の直鎖、分岐の割合が変わるため、ウレタンエラストマーのtanδのピーク温度が変わることが知られている。
例えば、原料として用いる高分子量ポリエステルポリオールのエステル基濃度を低くすることにより、エラストマーの低温特性を向上させるという提案がされている(特許文献1参照)。しかしながら、低温特性は改良されるものの、反発弾性が非常に高く、高温でめくれやすくなるという問題があった。
また、鎖延長剤では、二官能のものを増やすと、得られるエラストマーのtanδのピーク温度を低温側に、三官能のものを増やすと、tanδのピーク温度を高温側に移動させることができる。このため、二官能の鎖延長剤を増やすことにより、低温でのクリーニング性を良くすることができるが、架橋構造が減少するので、圧縮永久歪が大きく、高温でのtanδ値が小さくなるので、めくれやすいという問題があった。
そこで、圧縮永久歪を改善するために、三官能の鎖延長剤を増やすと、架橋構造の割合が増えるので圧縮永久歪は小さくなるが、tanδのピーク温度は高温側に移動してしまうため、低温でのクリーニング性が悪くなってしまうという問題があった。
従って、鎖延長剤の官能基の割合や、高分子量ポリオールの種類を変えても、tanδのピーク温度が低温側、高温側にシフトするだけであり、低温環境下でのクリーニング性と高温環境下でのビビリ、めくれ防止を両立させ、圧縮永久歪を小さくすることは困難であった。これは、イソシアネート基と水酸基の反応により形成される結合が、配合比により一部アロファネート結合になる場合もあるが、ほとんどウレタン結合であり、tanδのピーク位置は変えられるが、tanδのピークの形自体が変化しないためである。
ところで、このようなポリウレタンエラストマーのブレード部材は、ポリイソシアネートとポリオールを用いてプレポリマーを調製し、このプレポリマーに触媒及び鎖延長剤を含む硬化剤を添加して混合物を調製する。あるいは、ポリイソシアネートとポリオールとから調製したプレポリマーと、ポリオールと、触媒及び鎖延長剤を含む硬化剤とを混合して混合物を調製する。得られた混合物を成形用の金型に注入して硬化させ、硬化物を脱型し、二次硬化、更に、常温で行うエージングを経て硬化を終了することにより製造されている。
ポリウレタンエラストマーは金型内での硬化だけでは、反応は完結しておらず、未反応のイソシアネート基が存在した状態となっており、硬度、物性などの特性も、最終に到達していない。この状態で力が加わると変形してしまうので、電子写真装置に組みこんで、感光ドラムに当接した状態にすると、変形して本来の性能を発揮できなくなる。また、所定寸法にカットする場合、カット時の負荷により変形してしまい寸法精度が悪くなるという問題がある。
このような現象を避けるため、硬化、脱型した後、反応を完結させ、最終物性に到達するように、残存する末端イソシアネート基のウレタン化反応や、架橋反応を促進する、二次硬化やエージングが行われている。例えば、脱型後、110℃で12時間加熱し、さらに低湿で3か月放置してエージングさせる方法が取られている(特許文献2参照)。
しかしながら、脱型後の二次硬化やエージング時間が長いと、製造効率に大きく影響するだけでなく、スペースを必要とし、加熱が必要な場合には、そのための設備が必要となり、装置コストも高くなってしまうという問題がある。
二次硬化及びエージングは、上記のように残存するイソシアネート基のウレタン化反応や、架橋を形成するために行っているので、金型内での硬化後脱型直後の未反応イソシアネート基残量が少なければ、時間を短縮することができる。
金型内での硬化脱型後のイソシアネート基残量を少なくするためには、金型内における硬化反応を、イソシアネート基と水酸基の反応が完結するまで長時間に亘って行う方法もある。しかしながら、金型を使用した硬化時間が長くなると、金型数を増やさなければならなくなり、設備に膨大な投資が必要となる。
また、触媒の増量により反応を完結させようとする場合、汎用されているトリエチレンジアミンやジメチルイミダゾール等のウレタン化触媒では増量につれて、混合直後から硬化反応が進行し混合液が高粘度となる。このため、金型内へ混合液を行き亘らせるのが困難となり、金型への注入が困難になる。また、注型機のミキシングチャンバー内でウレタンの硬化が進行し、混合液に硬化物が混入した状態で注型されるため、均一な成型品が得られないこともある。
また、このようなポリウレタンエラストマーをクリーニングブレードに用いた場合、長時間使用するとクリーニングブレードのエッジ部に欠損部が発生し、耐久性に乏しくなる場合がある。耐久性を向上させる試みとして、例えば、官能基数が2.02乃至2.50のプレポリマーを用いて引裂強度を大きくすることが報告されている(特許文献3参照)。
上記方法によって得られるクリーニングブレードは、耐久性に関してある程度の向上効果はみられるものの、使用時間が長くなるにつれてブレード部材のエッジ部に欠けが生じ、感光体の残留トナーの除去が不充分になる等画像が不鮮明になることがある。充分な耐久性を有する電子写真装置用ブレードが求められている。
特開2003−119239号公報 特許第3443721号公報 特開平2−203372号公報
本発明の目的は、低温環境下でのクリーニング性と高温環境下でのビビリ、めくれ防止を両立した、圧縮永久歪が小さい電子写真装置用ブレード及び金型内への注入を容易とする流動性を有する混合物を用い、金型内の硬化時間を延長することなく、脱型後のエージング時間の短縮を図り、効率よく製造することができ、耐久性に優れた電子写真装置用ブレードを提供することにある。
本発明は、以下の手段により、其の目的を達成する。
本願にかかる第1の発明は、ポリウレタンエラストマーからなるブレード部材を有する電子写真装置用ブレードにおいて、該ポリウレタンエラストマーが少なくともイソシアヌレート結合を含有するものであり、該ポリウレタンエラストマーのウレタン結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(U)に対する、イソシアヌレート結合による赤外線吸光度IRCN(I)の比(IRCN(I)/IRCN(U))が0.30以上0.90以下であることを特徴とする電子写真装置用ブレードである。
本願にかかる第2の発明は、前記ポリウレタンエラストマーが、ポリイソシアネート及びポリオールを反応させて得られるプレポリマーと、ポリオールと、触媒とを含む混合物を、金型に注入、硬化して得られるものであり、上記金型内での硬化を、ポリウレタンエラストマー中のCH基による赤外線吸光度IRCHに対する、未反応のNCO基による赤外線吸光度IRNCOの比(IRNCO/IRCH)が、脱型後5分以内に0.35以下になるように行うことを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
本願に掛かる第3の発明は、前記ポリウレタンエラストマーの下記式(1)により求めたイソシアネート基濃度Cyが、1.80mmol/g以上、2.70mmol/g以下であることを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
Cy=1000×Fn×Wiso/(Mniso×Wall) (1)
(式中、Cyはイソシアネート基濃度(mmol/g)を、Fnはポリイソシアネート一分子当たりのイソシアネート基数を、Wisoはポリイソシアネートの仕込み量(g)を、Mnisoはポリイソシアネートの数平均分子量を、Wallはポリウレタンエラストマー原料の合計質量(g)を表す。)
本願にかかる第4の発明は、前記触媒が、イソシアヌレート化触媒を含有することを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
本願にかかる第5の発明は、前記イソシアヌレート化触媒が、飽和脂肪酸のカリウム塩を含有することを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
本願にかかる第6の発明は、前記ポリウレタンエラストマーを形成するポリオールが、数平均分子量が500以上3000以下のブチレンアジペートポリエステルポリオールと、数平均分子量が500以上3000以下のヘキシレンアジペートポリエステルポリオールとを含み、前記ポリオール全体の数平均分子量が1500以上3000以下であることを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
本願に掛かる第7の発明は、前記ポリウレタンエラストマーが、国際ゴム硬度(IRHD)が65°以上85°以下、100%伸張時の引張り応力が2.5MPa以上6.0MPa以下、伸び率が250%以下、30%以下の圧縮永久歪を有するものであって、10Hzの周波数で測定したtanδが10℃以下の温度域にピーク値を有し該ピーク値は1.10以下であり、かつ、40℃におけるtanδ値は0.04以上であることを特徴とする上記の電子写真装置用ブレードである。
本発明により、低温環境下でのクリーニング性と高温環境下でのビビリ、めくれ防止を両立した、圧縮永久歪が小さい電子写真装置用ブレード、及び金型内への注入を容易とする流動性を有する混合物を用い、金型内の硬化時間を延長することなく、脱型後のエージング時間の短縮を図り、効率よく製造することができ、耐久性に優れた電子写真装置用ブレードを得ることができる。
以下に本発明の実施形態を詳述する。
本発明は、ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有する電子写真装置用ブレードに関するものであり、前記ポリウレタンエラストマーが少なくともイソシアヌレート結合を含有すること特徴とする。
前記イソシアヌレート結合は、3個のイソシアネート基から形成される結合であり、ウレタン結合とは構造が大きく異なる。このため、主にウレタン結合のみを含有する場合に比べて、ポリウレタンエラストマーの温度特性を大きく変えることができる。すなわち、本発明においては、ポリウレタンエラストマーのtanδのピークを、ブロード化することにより、ピーク温度を大きく変化させることなく、ピーク値を下げ、該ピーク温度よりも高温側でのtanδ値を上昇させることが可能となる。つまり、該ピーク温度よりも低温側と高温側の温度域でのtanδ値の差が小さくなるので、本発明の電子写真装置用ブレードにおいては低温環境下でのクリーニング性を良くするとともに、高温環境下でのビビリ、めくれの防止を両立することが可能となる。
また、イソシアヌレート結合は、架橋として作用する。このため、本発明の電子写真装置用ブレードにおいてはイソシアヌレート結合を導入することにより、圧縮永久歪を改善することが可能となる。
本発明における、ポリウレタンエラストマーのウレタン結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(U)に対する、イソシアヌレート結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(I)の比(IRCN(I)/IRCN(U))は、ブレード部を構成するポリウレタンエラストマーの赤外線吸収スペクトル(IR吸収スペクトルと表すことがある)を測定することにより求めることができる。すなわち、1415cm−1付近のイソシアヌレート結合のν(C−N)の吸光度IRCN(I)と、1530cm−1付近のウレタン結合のν(C−N)の吸光度IRCN(U)から求めることができる。
本発明における、ポリウレタンエラストマーのウレタン結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(U)に対する、イソシアヌレート結合による赤外線吸光度IRCN(I)の比(IRCN(I)/IRCN(U))は0.30以上0.90以下であることが好ましい。IRCN(I)/IRCN(U)を0.30以上とすると、本発明の電子写真装置用ブレードのブレード部の圧縮永久歪を小さくするとともに、tanδピークをブロード化させて、低温環境下でのクリーニング性と高温環境下でのビビリ、めくれ防止効果が得られる。また、IRCN(I)/IRCN(U)を0.90以下とすると、電子写真装置用ブレードのブレード部がもろくなり過ぎて、当接部の欠けが発生することもない。
本発明の電子写真装置用ブレードのブレード部材は、上記混合物を金型に注入し、硬化して成形される。金型としては、ブレード部材を成形するキャビティを有するものであれば、材質などいずれであってもよい。例えば、一つのブレード部材を成形するもの、支持部材と一体成形可能なように支持部材が配置可能なもの、また、複数のブレード部材を切り出すシートを成形するためのシート状キャビティを備えたものであってもよい。
金型内での硬化は、脱型後5分以内のポリウレタンエラストマー中のCH基による赤外線吸光度IRCHに対する、未反応NCO基による赤外線吸光度IRNCOの比(IRNCO/IRCH)が、0.35以下になるように行う。ポリウレタンエラストマー中のCH基による赤外線吸光は波数2260cm−1近傍に生じる。また、ポリウレタンエラストマー中の未反応NCO基による赤外線吸光は波数2950cm−1近傍に生じる。金型内での硬化後脱型後5分以内のIRNCO/IRCHが、0.35以下であれば、その後の二次硬化を行う必要がなく、更に、ポリウレタンエラストマー硬化反応を完了させるエージングを、6時間以内で行うことができる。また、エージングは、室温で放置することにより行い、脱型後、一定時間で測定を行い、前回との硬度差が0.5°以内になった時点を終了時点とすることができる。
本発明におけるポリウレタンエラストマーは、例えば、主にポリイソシアネート、高分子量ポリオール、二官能、三官能などの低分子量ポリオールである鎖延長剤を用いて調製することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(1,5−NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート(PAPI)等があげられる。これらの中でも、MDIを用いることが好ましい。
また、本発明におけるポリウレタンエラストマーの下記式(1)により求めたイソシアネート基濃度Cyは1.80mmol/g以上、2.70mmol/g以下であることが好ましい。
Cy=1000×Fn×Wiso/(Mniso×Wall) (1)
(式中、Cyはイソシアネート基濃度(mmol/g)を、Fnはポリイソシアネート一分子当たりのイソシアネート基数を、Wisoはポリイソシアネートの仕込み量(g)を、Mnisoはポリイソシアネートの数平均分子量を、Wallはポリウレタンエラストマー原料の合計質量(g)を表す。)
上記式(1)で求めたイソシアネート基濃度Cyが1.80mmol/g以上であれば、該ポリウレタンエラストマーを電子写真装置用ブレードのブレード部を構成するブレード部材として使用したときに当接部が欠けることなく、十分な耐磨耗性が得られる。また、上記式(1)で求めたイソシアネート基濃度Cyが2.70mmol/g以下であれば、ポリウレタンエラストマーの硬度が高くなりすぎて、電子写真装置用ブレードのブレード部を構成するブレード部材として使用したときに感光体を傷つけることはない。
上記プレポリマーに用いるポリオールとしては、ブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオールを好ましいものとして挙げることができる。これら両者を用いることがより好ましいが、いずれか一方をプレポリマーに、他方をプレポリマーと反応するポリオールとして用いることもできる。ブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオールは結晶性が高く、高結晶性の化合物を用いることにより、硬度、100%伸張時の引張り応力が高くなり、電子写真装置用ブレードとした場合の耐久性を高めることができる。
これらブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオールは数平均分子量が500以上3000以下であることが好ましい。更に、ポリオール全体の数平均分子量が1500以上3000以下であることが好ましい。ポリオール全体の数平均分子量が1500以上であれば、得られるポリウレタンエラストマーの高硬度、高弾性率、引っ張り強度が高くなる。また3000以下であれば、プレポリマーの粘度が適当でハンドリングが容易であり好ましい。
上記鎖延長剤としては、例えば、グリコールが使用される。このようなグリコールとしては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコール等が挙げられる。また、上記グリコールの他に、多価アルコールを使用することができる。このような多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記プレポリマーとポリオールとの反応に使用する触媒は、イソシアヌレート化触媒を含有する。イソシアヌレート化触媒は、イソシアネート基1個により形成される通常のウレタン結合に対し、イソシアネート基3個が結合したイソシアヌレート結合を形成する。このため、イソシアヌレート化触媒を含有しないウレタン化触媒を用いて同時間硬化を行った場合と比較して、未反応イソシアネート基の残留量を減少させることができる。しかも、イソシアヌレート化結合を有するポリウレタンエラストマーは架橋構造の導入が促進され、通常のウレタン結合のみを有するものと比較して、同程度の国際ゴム硬度を有する場合でも、100%伸張時の引張り応力が高くなり、伸びを小さくできる。
このようなイソシアヌレート化触媒としては、遅効性及び硬化反応促進効果の観点から飽和脂肪酸のカリウム塩が好ましく、式(1)で示される塩を具体的に挙げることができる。
RCOOK (1)
(式中、RはCn2n+1で表される直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、nは0以上15以下の整数を表す。)
式(1)で示される飽和脂肪酸のカリウム塩として、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、酪酸カリウム、イソ酪酸カリウム、吉草酸カリウム、イソ吉草酸カリウム、ピバル酸カリウムや、直鎖状又は分枝状構造を有する飽和脂肪酸のカリウム塩として、カプロン酸カリウム、エナント酸カリウム、カプリル酸カリウム、ペラルゴン酸カリウム、カプリン酸カリウム、ウンデカン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、トリデカン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ペンタデカン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ヘプタデカン酸カリウム、ステアリン酸カリウム等が好ましい。中でも、酢酸カリウム、アルキル基が枝別れ状のカプリル酸カリウム等を好ましいものとして挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち好適に使用できる市販品としては、商品名DABCO P15(三共エアプロダクツ社製)(酢酸カリウム38.4質量%含有)、商品名DABCO K15(三共エアプロダクツ社製)(C49CH(C25)COOK:2−エチルヘキサン酸カリウム75質量%含有)等を例示することができる。
飽和脂肪酸のカリウム塩の配合量は、混合物中10ppm乃至500ppmであることが好ましい。飽和脂肪酸のカリウム塩の配合量が10ppm以上であれば、反応を促進させることができ未反応のイソシアネート基の残量の減少を図ることができる。また、500ppm以下であれば、金型への注入前の混合物中における反応の進行を抑制し高粘度になるのを防止して金型への注入をスムーズに行うことができ、しかも金型内の硬化反応を促進させ、未反応イソシアネート基量の減少を図ることができる。
また、上記イソシアヌレート化触媒の他、ウレタン化触媒を併用してもよい。ウレタン化触媒としては、一般に用いられるポリウレタン硬化用触媒を使用することができる。具体的には、ジメチルエタノールアミンなどのアミノアルコール、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミンなどの第三級アミンや、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンなどのテトラアルキルジアミン、トリエチレンジアミン、ピペラジン系、トリアジン系や、ジブチル錫ジラウレート等の金属触媒などを例示することができる。
上記ウレタン化触媒の配合量は、混合物中10ppm乃至500ppmである。ウレタン化触媒の配合量が10ppm以上であれば、反応を促進させることができ未反応のイソシアネートの残量の減少を図ることができる。また、500ppm以下であれば、金型への注入前の混合物中における反応の進行を抑制し高粘度になるのを防止して金型への注入をスムーズに行うことができ、しかも金型内の硬化反応を促進させ、未反応イソシアネート量の減少を図ることができる。
さらに、本発明におけるポリウレタンエラストマーは、IRHD65°以上85°以下の硬さを有することが好ましい。ポリウレタンエラストマーの硬さがIRHD65°以上であると、本発明の電子写真装置用ブレードを、例えば、クリーニングブレードとして用いたときに、当接したときの圧力が不足することがない。またポリウレタンエラストマーの硬さがIRHD85°以下であれば、本発明の電子写真装置用ブレードを、例えば、クリーニングブレードとして用いたときに、当接している部材、例えば、感光体を傷つけることなく、安定したクリーニング性が得られる。なお、本発明においては、ポリウレタンエラストマーの硬さは、JIS K6253−1997に規定されている国際ゴム硬さ試験M法によって測定した。
また、ブレード部材は、100%伸張時の引張り応力(100%モジュラス)が2.5MPa以上6.0MPa以下である。ブレード部材の100%伸張時の引張り強度が2.5MPa以上であれば、当接したときの圧力が不足することがなく、6.0MPa以下であれば、めくれの発生を抑制することができる。
また、ブレード部材は、伸びが250%以下である。ブレード部材の伸びが250%以下であれば、10μm以上の欠損部が生じるのを抑制することができ、粒子径が10μm以下のトナーに対して好適に使用することができる。
イソシアヌレート化触媒を用いて、金型内での硬化を特定の赤外線吸光度比を有するまで行うことにより、得られるポリウレタンエラストマーは感光体や現像ローラーを損傷させない硬度であり、100%モジュラスが上昇し、耐久性の向上を図るブレード部材として好適なものとできる。
さらに、本発明におけるポリウレタンエラストマーは、10Hzの周波数で測定したtanδが10℃以下の温度域にピーク値を有し、該ピーク値は1.10以下であり、かつ、40℃におけるtanδ値が0.04以上であるものが好ましい。このようなポリウレタンエラストマーであれば、該ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有する電子写真装置用ブレードは低温環境下での弾性が低くなりすぎて、低温のクリーニング性が悪くなることがない。また、粘性が低くなりすぎることがないため、該ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有する電子写真装置用ブレードは高温環境下でのビビリ、めくれが防止でき好ましい。なお、本発明におけるポリウレタンエラストマーのtanδは、市販の粘弾性測定装置を用いて測定すればよい。本発明において使用することのできる市販の粘弾性測定装置としては、例えば、動的粘弾性測定装置Exstra6100 DMS(商品名、セイコーインスツルメンツ社製)を挙げあることができる。
さらに、本発明におけるポリウレタンエラストマーは、30%以下の圧縮永久歪を有するものが好ましい。圧縮永久歪を30%以下にすることにより、該ポリウレタンエラストマーからなるブレード部を有する電子写真装置用ブレードを、長期間にわたって感光ドラム等に当接した状態で放置しても、当接圧が低下することがないため、クリーニング性が悪化することがない。
本発明におけるポリウレタンエラストマーは、上記原材料を含むポリウレタンエラストマー原料を用い、プレポリマー法、セミワンショット法等の方法により製造することができる。また、必要に応じて、顔料、可塑剤、防水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
本発明に係る電子写真装置用ブレードは、複写機、レーザービームプリンタ、エルイーディープリンタ(LEDプリンタ)、電子写真製版システムなどの電子写真技術を応用した電子写真装置のクリーニングブレード、現像ブレード等として用いられる。本発明に係る電子写真装置用ブレードは、上記ポリウレタンエラストマー原料を用いて製造されたポリウレタンエラストマーから形成されたブレード部材と、支持部材とが接合された構成を有している。支持部材及びブレード部材等の形状は、特に限定されず、使用目的に適した形状とすればよい。
また、本発明の電子写真装置用ブレードの製造方法は、特に限定されるものではないが、一般には、金型を用いる製造方法が好ましい。例えば、本発明の電子写真装置用ブレードがクリーニングブレードとして用いるものである場合には、クリーニングブレード用の金型を準備する。該金型内に支持部材を配置した後、上記ポリウレタンエラストマー原料をキャビティ内に注入し、加熱して硬化させることにより、板状のブレード部材と支持部材とが一体化したクリーニングブレードを得ることができる。また、上記ポリウレタンエラストマー原料からポリウレタンエラストマーシートを別途成型し、これから短冊状にカットしてブレード部材とし、接着剤を塗布又は貼着した支持部材の上にブレード部材の接着部を重ね合わせ加熱加圧して接着する方法を取ることもできる。
また、支持部材を構成する材料についても、特に限定されず、金属、樹脂、より具体的には、鋼板、ステンレス鋼板、亜鉛メッキクロメート皮膜鋼板、クロムフリー鋼板等の金属材料、6−ナイロン、6,6−ナイロン等の樹脂材料から作製することができる。支持部材とブレード部材との接合方法は、特に限定されず、公知の方法のなかから適したものを選択すればよい。具体的には、例えば、フェノール樹脂等の接着剤を用いて接着する方法等を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例においては、特にことわらないかぎり、「部」は「質量部」を示す。
本実施例におけるイソシアネート基濃度Cyは、下記式(1)により求めた。
Cy=1000×Fn×Wiso/(Mniso×Wall) (1)
(式中、Cyはイソシアネート基濃度(mmol/g)を、Fnはポリイソシアネート一分子当たりのイソシアネート基数を、Wisoはポリイソシアネートの仕込み量(g)を、Mnisoはポリイソシアネートの数平均分子量を、Wallはポリウレタンエラストマー原料の合計質量(g)を表す。)
本実施例の電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部の分析及び物性の測定は下記の方法によった。
(IRCN(I)/IRCN(U)の測定方法)
高性能・フーリェ変換赤外分光装置(商品名、NEXUS470、サーモエレクトロン社製)を用いて、電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部のIR吸収スペクトルを測定した。
ウレタン結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(U)に対する、イソシアヌレート結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(I)の比(IRCN(I)/IRCN(U))は、赤外線吸収スペクトル(IR吸収スペクトルと表すことがある)の1415cm−1付近のイソシアヌレート結合のν(C−N)の吸光度IRCN(I)と、1530cm−1付近のウレタン結合のν(C−N)の吸光度IRCN(U)から求めた。
(吸光度比IRNCO/IRCH
赤外線分光測定装置(NEXUS470:サーモエレクトロン(株)社製)を用いて、脱型して2分後のポリウレタンエラストマーのIRスペクトルを測定した。2950cm−1波数(CH)における吸光度(IRCH)と2260cm−1波数(NCO)における吸光度(IRNCO)を得て、吸光度比IRNCO/IRCHを算出した。
(型への流れ性)
クリーニングブレードの成形を10本行い、成形後クリーニングブレードを、目視で観察し、注入時の混合物の流れ不良による未充填部位の有無を検査し、次の基準で型への流れ性を評価した。
○:10本全て未充填部位が見られなかった
△:10本中2本に未充填部位が見られた
×:10本中5本に未充填部位が認められた
(エージング時間)
成型したクリーニングブレードのブレード部材の硬さ(IRHD)をウォーレス微小硬度計(ウォーレス(H.W.WALLACE)社製)を用い、JIS K6253に準じた方法により測定した。測定は硬化、脱型後、一定時間おきに経時で測定し、前回との硬度差が0.5°以内になるまでの時間をエージング時間とし、次の基準で評価した。
◎:3時間以内
〇:3時間超6時間以内
△:6時間超9時間以内
×:9時間超
(硬度、引張り強度)
エージング終了後、硬度、引張り特性を測定した。脱型後、3時間でエージングが終了したので、室温で6時間放置したクリーニングブレードのブレード部材を測定した。
硬さ(IRHD)はウォーレス微小硬度計(ウォーレス(H.W.WALLACE)社製)を用い、JIS K6253に準じた方法により測定した。
クリーニングブレードを打抜いてJIS−3号ダンベルを作製し、引張速度500mm/minで引張り100%伸張時の応力(100%モジュラス)を測定した。
最大伸びを測定し、最大伸び率を算出した。
(tanδ)
電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部のtanδは動的粘弾性測定装置(Exstra6100 DMS、商品名、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、10Hzの周波数で−50℃乃至+130℃の温度域における値を測定した。
(圧縮永久歪)
電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部の圧縮永久歪は、JIS K6262−1997に基づいて測定し、下記基準に基づき評価した。
◎:圧縮永久歪が10%未満であった
○:圧縮永久歪が10%以上20%未満であった
△:圧縮永久歪が20%以上30%未満であった
×:圧縮永久歪が30%以上であった
また、本実施例における電子写真用ブレードを、クリーニングブレードとして実機に使用したときのクリーニング性及びビビリ、めくれは次のようにして評価した。
(実機評価)
(1)低温環境下(15℃)におけるクリーニング性評価
本実施例にて得られた電子写真装置用ブレードをレーザービームプリンタ(商品名:キヤノンLBP2510、キヤノン(株)製)にクリーニングブレードとして組み込み、15℃の環境下で、クリーニング性の実機評価を行った。1万枚の画出しを行い、得られた画像を目視で観察し、下記基準に基づきクリーニング性の評価を行った。得られた結果を表1に示した。
○:クリーニング不良がなく、良好な画像が得られた
×:クリーニング性が悪く、画像上にスジが発生した
(2)高温環境下(40℃)におけるビビリ、めくれの評価
40℃の高温環境とした以外は上記低温環境下におけると同様にして画出しを行い、ビビリ音が出るかどうかで判断した。ブレードめくれは目視で観察し、下記基準に基づきビビリ、ブレードめくれを評価した。得られた結果を表1に示した。
○:ビビリ音が発生せず、ブレードめくれも発生しない
×:ビビリ音が発生し、又は、ブレードめくれが発生した
実施例1
(電子写真装置用ブレードの成型)
あらかじめホルダーの一端側片端部にフェノール系接着剤を塗布したものを準備した。次に、電子写真装置用ブレードの成形型を準備し、前記ホルダーのフェノール系接着剤を塗布した一端側片端部が該金型のブレード部形成用キャビティ内に突出した状態となるよう配置した。
次に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDIと表すことがある)307.6部、数平均分子量2500のブチレンアジペートポリエステルポリオール(PBA2500と表すことがある)553.9部、数平均分子量2500のヘキシレンアジペートポリエステルポリオール(PHA2500と表すことがある)138.5部を80℃で3時間反応させ、NCO%が8.00質量%のプレポリマーを得た。これに1,4−ブタンジオール(1,4−BDと表すことがある)44.6部、トリメチロールプロパン(TMPと表すことがある)24.0部、DABCO P15(酢酸カリウムのEG溶液、エアープロダクツジャパン社製)(P15と表すことがある)0.08部、トリエチレンジアミン(TEDAと表すことがある)0.21部を加えた硬化剤を混合し、これを上記金型のブレード部形成用キャビティ内に注入した。130℃で2分間加熱し硬化反応させた後に、脱型し、電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例2
DABCO P15の量を0.05部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例3
DABCO P15の量を0.10部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例4
DABCO P15の量を0.03部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例5
TEDAの量を0.03部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例6
4,4’−MDIの量を294.1部、PBA2500の量を564.7部、PHA2500の量を141.2部とし、NCO%が7.50質量%のプレポリマーを得たこと、及び、これに1,4−BDを41.8部、TMPを22.5部とした硬化剤を添加したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
実施例7
4,4’−MDIの量を321.2部、PBA2500の量を543.0部、PHA2500の量を135.8部とし、NCO%が8.50質量%のプレポリマーを得たこと、及び、1,4−BDを47.4部、TMPを25.5部とした硬化剤を添加したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
比較例1
DABCO P15を使用せず、1,4−BDの量を50.2部、TMPの量を27.0部、TEDAの量を0.31部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真装置用ブレードを得た。得られた電子写真装置用ブレードのポリウレタンエラストマーからなるブレード部について上記分析測定、物性評価を行い、電子写真装置用ブレードについて上記実機評価を行った。得られた結果を表1に示した。また、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート基濃度を上記式(1)により求めた。得られた結果を表1に示した。
Figure 0005352097
イソシアヌレート化触媒を用いた実施例1乃至7の電子写真装置用ブレードでは、脱型2分後の吸光度比IRNCO/IRCHは0.35以下であり、6時間以内のエージングで最終物性に到達した。また、IRCN(I)/IRCN(U)は0.49以上、0.86以下であり、レードとしての上記実機評価における15℃におけるクリーニング性は問題なく、40℃におけるビビリ、めくれも発生していない。これに対し、比較例1の電子写真装置用ブレードでは、IRCN(I)/IRCN(U)は0.00であり、圧縮永久歪が43%と悪くなっている。また、40℃でのtanδ値が0.02と低いため、高温環境下においてはビビリ及びめくれが発生した。さらに、tanδピーク温度が低温側に移動しているため、低温特性としては問題ないが、イソシアヌレート結合がないため、伸びが290%と大きく、画像上にスジとして現れるような欠損部が発生したと考えられる。また、吸光度比IRNCO/IRCHは0.43と高く、エージング時間は19.0時間と非常に長かった。このため、製造の効率が非常に悪い。

Claims (7)

  1. ポリウレタンエラストマーからなるブレード部材を有する電子写真装置用ブレードにおいて、該ポリウレタンエラストマーが少なくともイソシアヌレート結合を含有するものであり、
    ポリウレタンエラストマーのウレタン結合のC−N結合による赤外線吸光度IRCN(U)に対する、イソシアヌレート結合による赤外線吸光度IRCN(I)の比(IRCN(I)/IRCN(U))が0.30以上0.90以下であることを特徴とする電子写真装置用ブレード。
  2. 前記ポリウレタンエラストマーが、ポリイソシアネート及びポリオールを反応させて得られるプレポリマーと、ポリオールと、触媒とを含む混合物を、金型に注入、硬化して得られるものであり、上記金型内での硬化を、ポリウレタンエラストマー中のCH基による赤外線吸光度IRCHに対する、未反応のNCO基による赤外線吸光度IRNCOの比(IRNCO/IRCH)が、脱型後5分以内に0.35以下になるように行うことを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置用ブレード
  3. 前記ポリウレタンエラストマーの下記式(1)により求めたイソシアネート基濃度Cyが、1.80mmol/g以上、2.70mmol/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置用ブレード。
    Cy=1000×Fn×Wiso/(Mniso×Wall) (1)
    (式中、Cyはイソシアネート基濃度(mmol/g)を、Fnはポリイソシアネート一分子当たりのイソシアネート基数を、Wisoはポリイソシアネートの仕込み量(g)を、Mnisoはポリイソシアネートの数平均分子量を、Wallはポリウレタンエラストマー原料の合計質量(g)を表す。)
  4. 前記触媒が、イソシアヌレート化触媒を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真装置用ブレード
  5. 前記イソシアヌレート化触媒が、飽和脂肪酸のカリウム塩を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置用ブレード。
  6. 前記ポリウレタンエラストマーを形成するポリオールが、数平均分子量が500以上3000以下のブチレンアジペートポリエステルポリオールと、数平均分子量が500以上3000以下のヘキシレンアジペートポリエステルポリオールとを含み、前記ポリオール全体の数平均分子量が1500以上3000以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子写真装置用ブレード。
  7. 前記ポリウレタンエラストマーが、国際ゴム硬度(IRHD)が65°以上85°以下、100%伸張時の引張り応力が2.5MPa以上6.0MPa以下、伸び率が250%以下、30%以下の圧縮永久歪を有するものであって、10Hzの周波数で測定したtanδが10℃以下の温度域にピーク値を有し該ピーク値は1.10以下であり、かつ、40℃におけるtanδ値は0.04以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真装置用ブレード。
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