JP3715759B2 - クリーニングブレード及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の静電転写プロセスを利用した画像形成装置、及びこれに用いられるクリーニングブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やレーザービームプリンターは、感光ドラム上に形成された静電潜像上にトナーを付着させて、これを複写紙に転写させて複写を行うものである。この複写後に感光ドラム上に残ったトナーを除去する方法の一つにクリーニングブレード方式が実用化されている。
【0003】
従来、このクリーニングブレードに用いられる材料としては、耐摩耗性等の機械的強度に優れ、且つクリープ性(応力による変形)の少ないポリエステル系ウレタンエラストマーが用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、電子写真複写機やレーザービームプリンターのプロセスの高速化が進み、感光ドラムの周速が高速化している。それに伴い、クリーニングブレードが感光ドラムから受ける力が増大し、クリーニングブレードのバウンディング現象が起こりやすくなっている。このバウンディング現象は、クリーニングブレードの振動が大きくなると、クリーニングブレードが感光ドラム表面から瞬間的に離れたり接触したりするようになり、これを繰り返す現象である。このバウンディング現象が発生すると、安定的な摺刷ができにくくなる。その結果、トナーの除去が不完全なまま、次の帯電・現像・転写のサイクルに移行するので、出力画像に感光ドラムの軸方向に対して平行な横筋が発生しやすくなってくる。また、このようなバウンディング現象が発生すると、クリーニングブレードが感光ドラムを叩くときに騒音が発生するので、オフィスなどの環境を悪化させることにもなる。
【0005】
また、従来のポリエステル系ウレタンエラストマーは、比較的低温下では硬度が高まるため、ゴム弾性が低下し、その結果、ブレード先端の欠けが起こったり、騒音が発生したりしていた。
【0006】
従来、低温時のクリーニングを良好に保つには複写機やレーザービームプリンターが通常使用される最低温度である12℃以上の環境で充分なゴム弾性を有する材料を用いる必要があった。したがって、粘弾性特性を示すものの一つであるtanδピーク温度が12℃以下の場合、クリーニングに充分な弾性が保たれることが認識されていた。
【0007】
しかし、最近の電子写真プロセスの高速化に伴い、動的な特性を考慮した材料設計が必要となってきている。すなわち、プロセススピードを高速化すると、粘弾性特性の粘性項が大きく寄与するようになるため、従来には無かった低温域での振動、騒音が発生するようになる。さらにはクリーニングブレードの振動による欠けが生じ、クリーニング不良による画像不良が発生するに至っている。
【0008】
そこで本発明の目的は、プロセススピードの速い電子写真複写機やレーザービームプリンター等の画像形成装置に用いられる、クリーニング性に優れ、騒音の発生しにくいクリーニングブレードを提供することである。また、本発明の目的は、さらに比較的低温下においてもクリーニング性に優れ、騒音の発生しにくいクリーニングブレードを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0010】
本発明は、ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.167ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であることを特徴とするクリーニングブレードに関する。
また本発明は、感光ドラムと、該感光ドラムの回転に対してカウンター方向に設置されているクリーニングブレードと、を具備している画像形成装置において、
該クリーニングブレードが、ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.167ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であり、
該感光ドラムの画像形成の際の周速が、100mm/秒以上150mm/秒未満であることを特徴とする画像形成装置に関する。
また本発明は、感光ドラムと、該感光ドラムの回転に対してカウンター方向に設置されているクリーニングブレードと、を具備している画像形成装置において、
該クリーニングブレードが、ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.181ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であり、
該感光ドラムの画像形成の際の周速が、100mm/秒以上200mm/秒未満であることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0011】
上記本発明においては、トリメチロールプロパン分岐濃度が0.151ミリモル/g以上であることが必要であり、好ましくは0.151〜0.800ミリモル/gであり、より好ましくは0.160〜0.500ミリモル/gである。ウレタン結合基濃度は2.20ミリモル/g以下であることが必要であり、好ましくは1.60〜2.20ミリモル/g、より好ましくは1.85〜2.10ミリモル/gである。粘弾性のtanδピーク値は1.08以下であることが必要であり、好ましくは0.1〜1.08、より好ましくは0.7〜1.06である。また、tanδピーク温度は8℃以下であることが好ましく、より好ましくは−20〜8℃、さらに好ましくは−10〜8℃である。
【0012】
一般に、クリーニングブレードは、感光ドラムの回転に対して、カウンター方向に設置されていることが多く、ドラムの回転によりクリーニングブレードの自由長が縮み、その応力で感光ドラムを強く摺擦して、残留トナーを掻き取る仕組みになっている。
【0013】
しかし、感光ドラムの周速が増加してくると、クリーニングブレードの自由長を縮ませる力が強まり、縮み幅も大きくなり、摺擦が不安定になる。この縮み幅を適度に保つためには、クリーニングブレード部材の粘弾性の損失正接を小さくする必要がある。すなわち、クリーニングブレードに与えられた縮みのエネルギーの保存率を高め、クリーニングブレードが元の長さに戻ろうとすることを促進する必要がある。それにより、感光ドラムの高速な周速に対して、クリーニングブレードの自由長の縮み幅を適度に保ち、バウンディングを防止できると考えられる。そのためには、クリーニングブレードに用いるエラストマー材料は、その弾性と粘性の割合を最適にする、分子構造を持つことが必要である。
【0014】
そこで本発明者は、特定のポリエステル系ウレタンエラストマー中のウレタン基濃度、及びトリメチロールプロパン分岐濃度をある範囲に限定して、成形物の弾性と粘性の割合を最適化することによって、高速なプロセススピードでも、バウンディングや騒音のないクリーニングブレードを製造することができることを見い出し、本発明を完成した。
【0015】
また、一般にウレタンエラストマーは、低温下でポリエステル分子鎖が結晶化し、硬度が高まるが、結晶性を阻むようにポリエステル鎖の配列や配向をランダム化することによって、結晶化温度を低下させ、低温域でも十分なゴム弾性を付与することができると考えられる。
【0016】
そこで本発明者は、tanδピーク温度の低温度域へのシフト及びtanδピーク値の低下を材料設計に盛り込んで検討を行った結果、ポリエステルポリオールの分子鎖の配列や配向をランダム化させて耐結晶性を向上させた材料で作製したクリーニングブレードは、低温下でも充分なゴム弾性を有し、高速プロセスによる欠けが低減し、騒音も著しく低下することを見い出し、本発明を完成した。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を挙げて詳細に説明する。
【0018】
本発明者は、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ウレタンエラストマーに、もしくはポリ(エチレンブチレンアジペート)系とポリ(ブチレンアジペート)系の共存するウレタンエラストマーに含まれるトリメチロールプロパン分岐濃度を0.151ミリモル/g以上で且つウレタン基濃度を2.2ミリモル/g以下にすることによって、損失正接であるtanδを小さくすることができ、高速なプロセススピードでも、騒音やスティックスリップ、バウンディングが無いことを見い出した。
【0019】
本発明のクリーニングブレードの製造方法は、ポリウレタン形成のためのポリオールとして、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを単独で用いるか、もしくはポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールとポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを併用する。本製造方法では、まず、これらのポリオールとジイソシアネートとを反応させてイソシアネートリッチなプレポリマーを作製する。次いでこのプレポリマーに硬化剤を撹拌混合し、予熱した金型内に注入して硬化処理を行なう。
【0020】
本発明では、ウレタンエラストマー形成のために用いるポリオールはポリエステルジオールであることが好ましい。また、ポリエステルポリオールの分子量は750〜5000が好ましく、より好ましくは1000〜3000である。
【0021】
ここで、ポリエステルジオールの分子量(M)は、次式で算出される。
【0022】
M=(56.11×1000×2)/水酸基価
ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールのエチレン単位/ブチレン単位のモル比は、5/95〜95/5が好ましく、より好ましくは30/70〜70/30である。
【0023】
ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールとポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを併用する場合は、両者の混合比を任意に設定して使用することができる。好ましくは、混合物中のポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを90wt%以内にする。この範囲内であれば、ポリマーの結晶性が著しく強くなることもなく、製造が容易で、適度なゴム弾性が得られる。
【0024】
本発明では、上記プレポリマーの調製において使用するジイソシアネート化合物は、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましいが、特に制限される物ではなく、以下の化合物も使用できる。
【0025】
例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニルジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート等のジイソシアネート等を用いることができる。
【0026】
本発明では、硬化剤として、トリメチロールプロパン単独、又はトリメチロールプロパンと他のポリオールを併用する。これらのポリオールは、例えば1,4−ブタンジオールと1,1,1,−トリメチロールプロパンを任意の割合で混合して、前記プレポリマーと混合・撹拌して用いる。
【0027】
このポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールキシレングリコール、トリエチレングリコールなどのジオール(2価のポリオール)が使用できる。3価以上のポリオールとしては、1,1,1,−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が用いられる。また、これらの混合物を用いることもできる。その混合割合はいかなる割合でもよい。
【0028】
以上のようにして作製するクリーニングブレードに用いられるポリウレタンエラストマーは、粘弾性特性のtanδのピーク温度を8℃以下に制御することが好ましい。より好ましくは−20〜8℃、さらに好ましくは−10〜8℃である。また、粘弾性特性のtanδのピーク値は1.08以下であることが必要であり、より好ましくは0.1〜1.08、さらに好ましくは0.7〜1.06である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
【0030】
<参考例>
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記する。)100重量部に、水酸基価56(mgKOH/g)(分子量2000)のポリ(エチレンブチレンアジペート)系のポリエステルジオール235重量部を窒素雰囲気下80℃で反応させ、イソシアネート濃度(以下「NCO%」と略記する。)7.0%のプレポリマーを得た。
【0031】
このプレポリマー100重量部に、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをそれぞれ4.4g、2.4g(65:35重量比)添加し、撹拌・脱泡の後140℃で1時間加熱処理を行ってウレタンエラストマーを得た。プレポリマー中のイソシアネートモル数に対する硬化剤の水酸基モル数は0.9である。
【0032】
<トリメチロールプロパン分岐濃度の決定>
トリメチロールプロパン分岐濃度は、ウレタン原料に用いたトリメチロールプロパンのミリモル数をウレタンの重量で除して得られる。トリメチロールプロパンの分子量は134.17であるので、トリメチロールプロパン分岐濃度は以下の式で表される。
【0033】
トリメチロールプロパン分岐濃度(ミリモル/g)=(トリメチロールプロパンの重量(g)÷134.17)×1000÷(プレポリマーの重量(g)+1,4−ブタンジオールの重量(g)+トリメチロールプロパンの重量(g))
例えば参考例では、トリメチロールプロパンの重量が2.4g、プレポリマーの重量が100g、1,4−ブタンジオールの重量が4.4gなので、トリメチロールプロパン分岐濃度(ミリモル/g)=2.4÷134.17×1000÷(100+4.4+2.4)=0.167(ミリモル/g)である。
【0034】
<ウレタン結合基濃度の決定>
(硬化剤の水酸基モル数/プレポリマー中のイソシアネートモル数)<1の場合、ウレタンエラストマー中に生じるウレタン結合の数は、ポリエステルジオール、1,4−ブタンジオール及びトリメチロールプロパンが持っていた水酸基の数に等しい。よって、ウレタン結合基濃度は、ウレタンエラストマー中のウレタン結合基のミリモル数をウレタンの重量で除して得られるので、次式で表される。
【0035】
ウレタン結合基濃度(ミリモル/g)={ポリエステルジオールの水酸基のモル数+(1,4−ブタンジオールの水酸基のモル数)+トリメチロールプロパンの水酸基のモル数}×1000÷{ポリエステルジオールの重量(g)+MDIの重量(g)+(1,4−ブタンジオールの重量(g))+トリメチロールプロパンの重量(g)}
上式において、ポリエステルジオールの水酸基のモル数=ポリエステルジオールの重量(g)×ポリエステルジオールの水酸基価(mgKOH/g)÷56.11(KOHの式量)÷1000、
1,4ブタンジオールの分子量は90.12なので、
1,4−ブタンジオールの水酸基のモル数=2×(1,4−ブタンジオールの重量(g))÷90.12、
トリメチロールプロパンの分子量は134.17なので、
トリメチロールプロパンの水酸基のモル数=3×(トリメチロールプロパンの重量(g))÷134.17
例えば、参考例については、プレポリマー100g中のポリエステルジオールは70.14gであり、その水酸基のモル数は、70.14g×56(mgKOH/g)÷56.11(KOHの式量)÷1000=0.07000モルである。
【0036】
1、4−ブタンジオールの水酸基のモル数は、
2×4.4g÷90.12=0.09765モルである。
【0037】
トリメチロールプロパンの水酸基のモル数は、
3×2.4g÷134.17=0.05366モルである。
【0038】
したがって、ウレタン結合基濃度は、
(0.07000+0.09765+0.05366)÷(100+4.4+2.4)=2.06(ミリモル/g)である。
【0039】
<クリーニング性の評価>
得られたウレタンエラストマーを所定の寸法に加工してクリーニングブレードを作製し室温で充分放置した後、直径30mmの感光ドラムに組み合わせた。感光ドラムの周速を周速50mm/秒未満、周速50mm/秒以上100mm/秒未満、周速100mm/秒以上150mm/秒未満、及び150mm/秒以上200mm/秒未満の4段階に変化させて、クリーニング性の試験を行った。
【0040】
結果を表1に示す。出力画像に感光ドラムの軸方向に対して平行な横筋が発生する場合を「×」、発生しない場合を「○」で示す。そのときの騒音を官能評価し、「有り」・「無し」で示す。
【0041】
<tanδのピーク値およびピーク温度の測定>
tanδのピーク値およびピーク温度の測定は、レオメトリックファーイースト社製のRSAIIを使用し、測定周波数10Hz、低温側から1℃/分で昇温させて行った。
【0042】
<実施例1>
MDI100重量部に、水酸基価56(mgKOH/g)(分子量2000)のポリ(エチレンブチレンアジペート)系のポリエステルジオール139重量部を窒素雰囲気下80℃で反応させ、次いで、水酸基価43.16(mgKOH/g)(分子量2600)のポリ(ブチレンアジペート)系のポリエステルジオール91重量部を反応させ、NCO%が7.2%のプレポリマーを得た。
【0043】
このプレポリマー100重量部に、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロバンをそれぞれ4.5g、2.4g(65:35重量比)添加し、撹拌・脱泡の後140℃で1時問加熱処理を行ってウレタンエラストマーを得た。プレポリマー中のイソシアネートモル数に対する硬化剤の水酸基モル数は0.9である。評価は参考例と同様に行った。結果を表1に示す。
【0044】
<実施例2>
MDI100重量部に、水酸基価56(mgKOH/g)(分子量2000)のポリ(エチレンブチレンアジペート)系のポリエステルジオール121重量部を窒素雰画気下80℃で反応させ、次いで、水酸基価43.16(mgKOH/g)(分子量2600)のポリ(ブチレンアジペート)系のポリエステルジオール109重量部を反応させ、NCO%が7.2%のプレポリマーを得た。
【0045】
このプレポリマー100重量部に、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをそれぞれ4.4g、2.6g(63:37重量比)添加し、撹拌・脱泡の後140℃で1時間加熱処理を行ってウレタンエラストマーを得た。プレポリマー中のイソシアネートモル数に対する硬化剤の水酸基モル数は0.9である。評価は参考例と同様に行った。結果を表1に示す。
【0046】
<比較例>
MDI100重量部に水酸基価83.1(mgKOH/g)(分子量1350)のポリ(エチレンブチレンアジペート)系のポリエステルジオール213重量部を窒素雰囲気下80℃で反応させ、NCO%が6.4%のプレポリマーを得た。
【0047】
このプレポリマー100重量部に1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをそれぞれ3.9g、2.1g(65:35重量比)添加し、撹拌・脱泡の後140℃で1時間加熱処理を行ってウレタンエラストマーを得た。プレポリマー中のイソシアネートモル数に対する硬化剤の水酸基モル数は0.9である。評価は参考例と同様に行った。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、高速プロセスにおいても、クリーニング性がよく騒音も無いクリーニングブレードを得ることができる。
【0050】
また、比較的低温下の高速プロセスにおいても、硬度が高くならず、ゴム弾性が低下しないため、ブレードの欠けが生じにくく、クリーニング性に優れ、騒音の発生も抑制されたクリーニングブレードを得ることができる。
Claims (4)
- ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.167ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であることを特徴とするクリーニングブレード。 - 前記トリメチロールプロパン分岐濃度が0.181ミリモル/g以上である請求項1記載のクリーニングブレード。
- 感光ドラムと、該感光ドラムの回転に対してカウンター方向に設置されているクリーニングブレードと、を具備している画像形成装置において、
該クリーニングブレードが、ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.167ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であり、
該感光ドラムの画像形成の際の周速が、100mm/秒以上150mm/秒未満であることを特徴とする画像形成装置。 - 感光ドラムと、該感光ドラムの回転に対してカウンター方向に設置されているクリーニングブレードと、を具備している画像形成装置において、
該クリーニングブレードが、ジイソシアネートに、ポリ(エチレンブチレンアジペート)系ポリオールを反応させ、次いでポリ(ブチレンアジペート)系ポリオールを反応させて得られるプレポリマーを、トリメチロールプロパン、又はトリメチロールプロパンとポリオールの混合物で硬化させて得られたエラストマーからなり、
該エラストマーのトリメチロールプロパン分岐濃度が0.181ミリモル/g以上で、かつウレタン結合基濃度が1.85〜2.03ミリモル/gで、粘弾性のtanδピーク値が1.08以下であり、
該感光ドラムの画像形成の際の周速が、100mm/秒以上200mm/秒未満であることを特徴とする画像形成装置。
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