WO2017081880A1

WO2017081880A1 - パンツ型使い捨ておむつ

Info

Publication number: WO2017081880A1
Application number: PCT/JP2016/068798
Authority: WO
Inventors: 吉岡　稔泰; 潤深澤; 紀子長▲瀬▼
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2015-11-10
Filing date: 2016-06-24
Publication date: 2017-05-18
Also published as: EP3351226B1; JP2017086469A; TW201717867A; EP3351226A4; US20180325749A1; KR20180082506A; BR112018009201A2; BR112018009201B1; US10292876B2; BR112018009201A8; CN108348389A; TWI687213B; EP3351226A1; JP6373242B2

Abstract

互いに直交する縦方向と横方向とを有し、腹側部（３０）と背側部（４０）と股下部（２０）と胴回り開口ＢＨと一対の脚回り開口（ＬＨ，ＬＨ）とを有するパンツ型使い捨ておむつ（１）である。前記腹側部（３０）の前記胴回り開口（ＢＨ）の縁部（３１ＢＨ）は、前記背側部（４０）の前記胴回り開口（ＢＨ）の縁部（４１ＢＨ）よりも前記股下部（２０）の方へと前記縦方向にへこんだ凹部（３７）を有する。前記背側部（４０）の非肌側面には、当該おむつ（１）を廃棄する際に前記おむつ（１）を前記縦方向に小さくした状態に固定するためのテープ部材（４８）が、前記縦方向の前記胴回り開口（ＢＨ）の方へと延長可能に固定されている。前記凹部（３７）は、前記横方向において前記テープ部材（４８）と対応する位置に設けられている。

Description

パンツ型使い捨ておむつ

　本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。

　従来、パンツ型使い捨ておむつが使用されている。
　このパンツ型使い捨ておむつは、互いに直交する縦方向と横方向とを有する。また、同おむつは、着用者の腹側に位置する腹側部と、着用者の背側に位置する背側部と、着用者の股下に位置する股下部とを有する。そして、腹側部と背側部とは、横方向の両端の各位置で連続していて、これにより、縦方向の一方側には胴回り開口が形成されている。また、縦方向の他端側では、腹側部と背側部とが、股下部を介して連続していて、これにより、股下部の横方向の両側には、一対の脚回り開口が形成されている。

　図１Ａ及び図１Ｂは、このおむつ１’の使用後になされる廃棄処理の説明図である。　
　先ず、図１Ａに示すように、腹側部３０’が内側となるようにしながら縦方向の股下部２０’側からおむつ１’を縦方向に丸めて、これにより、図１Ｂのように、同おむつ１’を、縦方向の大きさが小さいコンパクト状態にする。次に、背側部４０’の非肌側面に設けられた後処理テープ４８’を胴回り開口ＢＨ’の方へ延長させて、これにより、同後処理テープ４８’が、胴回り開口ＢＨ’の縁部３０ＢＨ’,４０ＢＨ’を縦方向に越えた状態にするとともに、当該縁部３０ＢＨ’,４０ＢＨ’を越えた位置のおむつの部分１ｐ’に、後処理テープ４８’の縦方向の端部４８ｅ’を、同端部４８ｅ’の粘着層等で係止する。そして、これにより、当該おむつ１’を上記のコンパクト状態に固定して廃棄している（特許文献１）。

実公平８－１０３０５号

　しかしながら、おむつ１’を丸める際には、所謂自動車で言う内輪差と似た現象（以下、内輪差現象と言う）が起こり得る。すなわち、おむつ１’を股下部２０’側から丸める際に腹側部３０’を内側にすることから、腹側部３０’の胴回り開口ＢＨ’の縁部３０ＢＨ’が、背側部４０’の胴回り開口ＢＨ’の縁部４０ＢＨ’よりも縦方向に大きく突出してしまう。すると、前者の縁部３０ＢＨ’が縦方向に突出する分だけ、これら縁部３０ＢＨ’,４０ＢＨ’を縦方向に越えた位置のおむつの部分１ｐ’が、後処理テープ４８’から縦方向に遠くなってしまう。そして、その結果、当該部分１ｐ’に後処理テープ４８’をしっかりと係止することが困難となる。

　本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、おむつの廃棄に使用する後処理テープなどのテープ部材を、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分にしっかりと係止できるようにすることにある。

　上記目的を達成するための主たる発明は、
　互いに直交する縦方向と横方向とを有し、腹側部と背側部と股下部と胴回り開口と一対の脚回り開口とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部の前記胴回り開口の縁部は、前記背側部の前記胴回り開口の縁部よりも前記股下部の方へと前記縦方向にへこんだ凹部を有し、
　前記背側部の非肌側面には、当該おむつを廃棄する際に前記おむつを前記縦方向に小さくした状態に固定するためのテープ部材が、前記縦方向の前記胴回り開口の方へと延長可能に固定されており、
　前記凹部は、前記横方向において前記テープ部材と対応する位置に設けられていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつである。
　本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

　本発明によれば、おむつの廃棄に使用する後処理テープなどのテープ部材を、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分にしっかりと係止可能となる。

図１Ａ及び図１Ｂは、パンツ型使い捨ておむつ１’の使用後になされる廃棄処理の説明図である。本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ１の一例としての３ピースタイプのおむつ１を腹側から見た概略斜視図である。展開状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図である。図３Ａ中のＢ－Ｂ断面図である。図４Ａは、パンツ型状態のおむつ１を背側から見た概略斜視図であり、図４Ｂは、図４Ａ中のＢ－Ｂ矢視の概略拡大図である。図５Ａ及び図５Ｂは、本実施形態のおむつ１を廃棄処理すべく、同おむつ１を、股下部２０側から縦方向に丸める様子を示す概略斜視図である。パンツ型状態のおむつ１を腹側から見た概略平面図である。図７Ａ及び図７Ｂは、凹部３７の深さＬ３７ｄが深いおむつ１を二つ折りする場合の概略平面図である。図８Ａ及び図８Ｂは、凹部３７の深さＬ３７ｄが浅いおむつ１を二つ折りする場合の概略平面図である。図９Ａ及び図９Ｂは、それぞれ、パンツ型使い捨ておむつ１の変形例の説明図である。凹部３７のその他の実施形態の説明図である。図１１Ａ及び図１１Ｂは、それぞれ、後処理テープ４８が横方向の中央部ＣＬ４０以外の位置に位置する場合の凹部３７の位置の説明図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　互いに直交する縦方向と横方向とを有し、腹側部と背側部と股下部と胴回り開口と一対の脚回り開口とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部の前記胴回り開口の縁部は、前記背側部の前記胴回り開口の縁部よりも前記股下部の方へと前記縦方向にへこんだ凹部を有し、
　前記背側部の非肌側面には、当該おむつを廃棄する際に前記おむつを前記縦方向に小さくした状態に固定するためのテープ部材が、前記縦方向の前記胴回り開口の方へと延長可能に固定されており、
　前記凹部は、前記横方向において前記テープ部材と対応する位置に設けられていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつである。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、腹側部の胴回り開口の縁部には、背側部の胴回り開口の縁部よりも股下部の方へと縦方向にへこんだ凹部が形成されているが、かかる凹部は、横方向においてテープ部材と対応する位置に設けられている。よって、おむつを廃棄すべくおむつを前述のコンパクト状態にした際に、仮に前述の内輪差現象が生じた場合でも、この凹部の分だけ、テープ部材から、上記胴回り開口の縁部を縦方向に越えた位置のおむつの部分までの距離を短くすることができる。そして、これにより、テープ部材を縦方向の胴回り開口の方へと延長した際に、同凹部を介して、上記胴回り開口の縁部を越えたおむつの部分にテープ部材を到達させ易くなって、その結果、テープ部材を当該部分にしっかりと係止可能となる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記テープ部材における前記横方向の中央位置は、前記横方向において前記凹部に含まれているのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、テープ部材を縦方向の胴回り開口の方へと延長した際に、テープ部材におけるより多くの部分を上記凹部に入れることができる。よって、当該凹部を介して、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分に、テープ部材をより一層到達させ易くなる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記凹部の前記横方向の寸法の最大値の方が、前記テープ部材の前記横方向の寸法の最大値よりも大きいのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、テープ部材を縦方向の胴回り開口の方へと延長した際に、テープ部材の横方向の全長に亘って当該テープ部材を上記凹部に入れることができる。よって、当該凹部を介して、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分に、テープ部材をより一層到達させ易くなる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部が内側となるように前記おむつを前記縦方向に二つ折りすることによって、前記背側部の前記胴回り開口の縁部と、前記股下部の前記縦方向の端部とが、互いの前記横方向の中央の位置で重なった状態において、
　前記凹部における底部は、前記背側部の前記胴回り開口の縁部よりも前記縦方向に突出していないのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、腹側部の上記凹部における底部は、背側部の胴回り開口の縁部よりも縦方向に突出していない。よって、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分に、より一層テープ部材を到達させ易くなる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部が内側となるように前記おむつを前記縦方向に二つ折りすることによって、前記背側部の前記胴回り開口の縁部と、前記股下部の前記縦方向の端部とが、互いの前記横方向の中央の位置で重なった状態において、
　前記凹部における底部は、前記縁部よりも前記縦方向に突出しているのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、腹側部の上記凹部における底部は、背側部の胴回り開口の縁部よりも縦方向に突出している。よって、背側部の胴回り開口の縁部だけでなく、腹側部の上記凹部における底部にも、テープ部材を係止することができる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部において前記凹部の前記底部を有する底部含有部分は、前記股下部の前記端部の色と異なる色に肌側から視認可能な色違い領域を有しているのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、おむつを縦方向に小さくした状態で、凹部の底部を視認し易くなる。よって、おむつの廃棄作業者は、おむつにおけるテープ部材の係止対象部分を誤ること無く、当該凹部を介してテープ部材をおむつに係止することができる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記テープ部材は、前記背側部における前記横方向の中央部に設けられており、
　前記凹部は、前記腹側部における前記横方向の中央部に形成されているのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、凹部が、腹側部における横方向の中央部に形成されているので、着用者のお臍におむつを当てないようにすることができる。よって、着用者のお臍におむつを当てたくないような場合、例えば、新生児の臍が湿潤している場合や出血防止用のクリップが臍に取り付けられているような場合に好適なおむつとなる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　排泄物を吸収する吸収性コアを有し、
　前記おむつは、前記縦方向及び前記横方向に収縮力を付与する弾性部材を有し、
　前記収縮力が全く無いものと仮想した状態において、
　前記凹部の前記横方向の寸法の最大値の方が、前記吸収性コアの前記横方向の寸法の最大値よりも小さいのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、凹部の横方向の寸法の最大値の方が、吸収性コアの横方向の寸法の最大値よりも小さくなっている。よって、当該凹部の寸法を、着用者のお臍に当たらないようにするための必要最小限の大きさにすることができる。そして、これにより、おむつの胴回り開口において着用者の肌に当接する部分を大きく確保することができて、その結果、当該部分は、肌への良好なフィット性を奏することができる。

　かかるパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部において前記凹部を有する凹部含有部分のシートの積層枚数は、前記腹側部において前記凹部含有部分の前記横方向の両側に位置する部分のシートの積層枚数よりも多いのが望ましい。

　このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、腹側部における凹部含有部分の剛性は高くなっているので、凹部が変形してしまうことを防ぐことができる。そして、これにより、凹部を介して、胴回り開口の縁部を越えた位置のおむつの部分に、テープ部材をより到達させ易くなる。
　また、腹側部において凹部含有部分の横方向の両側に位置する部分の剛性は低くなっているので、当該部分は容易に変形することができる。よって、廃棄時におむつをコンパクトにすることができて、その結果、当該おむつは、廃棄し易いものとなる。

　＝＝＝本実施形態＝＝＝
　図２は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ１の一例としての３ピースタイプのおむつ１を腹側から見た概略斜視図である。また、図３Ａは、展開状態のおむつ１を肌側から見た概略平面図であり、図３Ｂは、図３Ａ中のＢ－Ｂ断面図である。更に、図４Ａは、同おむつ１を背側から見た概略斜視図であり、図４Ｂは、図４Ａ中のＢ－Ｂ矢視の概略拡大図である。

　このおむつ１は、図２のパンツ型状態において、互いに直交する三方向として縦方向と横方向と厚さ方向とを有している。そして、以下では、このパンツ型状態において縦方向の一方側及び他方側のことを、それぞれ「胴回り開口側」及び「股下側」とも言い、また、厚さ方向の一方側及び他方側のことを、それぞれ「腹側」及び「背側」とも言う。
　一方、図３Ａ及び図３Ｂの展開状態においても、おむつ１は、互いに直交する三方向として縦方向と横方向と厚さ方向とを有している。そして、以下では、この展開状態において縦方向の一方側及び他方側のことをそれぞれ「腹側」及び「背側」とも言い、また、厚さ方向の一方側及び他方側のことをそれぞれ「肌側」及び「非肌側」とも言う。
　ちなみに、横方向については、パンツ型状態と展開状態とで互いに同義である。一方、展開状態の縦方向は、パンツ型状態の縦方向に沿っているとともに、展開状態の厚さ方向は、パンツ型状態の厚さ方向に沿っている。

　このおむつ１は所謂３ピースタイプであることから、図３Ａの展開状態において、第１部品として、排泄物を吸収する吸収性本体１０を有し、第２部品として腹側帯部材３１を有し、第３部品として背側帯部材４１を有している。詳しくは、腹側帯部材３１と背側帯部材４１とが縦方向に間隔をあけて平行に並んだ状態において、これら両者３１，４１同士の間に吸収性本体１０が掛け渡されつつ、同吸収性本体１０の縦方向の各端部１０ｅａ，１０ｅｂがそれぞれ最寄りの帯部材３１，４１に接合固定されていて、その外観形状は平面視略Ｈ形状をなしている。
　そして、この略Ｈ形状の展開状態から、吸収性本体１０の縦方向の所定位置ＣＬ１０（縦方向におけるおむつ１の中央位置ＣＬ１に相当する位置）を折り位置として同吸収性本体１０が二つ折りされるとともに、この二つ折りの状態において互いに対向する帯部材３１，４１同士が横方向の各端部３１ｅ，４１ｅにて溶着等で接合されると、これら帯部材３１，４１同士が環状に繋がって、これにより、図２に示すような胴回り開口ＢＨ及び一対の脚回り開口ＬＨ，ＬＨが形成されたパンツ型状態のおむつ１となる。

　なお、このパンツ型状態（図２）では、おむつ１を、上述とは異なる単位で三つの部分２０，３０，４０に区分して捉えることができる。すなわち、同おむつ１を、厚さ方向に関して着用者の腹側に位置する腹側部３０と、同着用者の背側に位置する背側部４０と、着用者の股下に位置する股下部２０との三つの部分に区分することができる。そして、この例では、図３Ａに示すように、前者の腹側部３０は、腹側帯部材３１と、吸収性本体１０のうちで腹側帯部材３１と重なる部分１０ｐ１とを有し、股下部２０は、吸収性本体１０のうちで腹側帯部材３１及び背側帯部材４１から縦方向に突出する部分１０ｐ３を有し、背側部４０は、背側帯部材４１と、吸収性本体１０のうちで背側帯部材４１と重なる部分１０ｐ２と、を有している。

　また、以下では、おむつ１に横方向及び縦方向の伸縮性を付与するための後述の弾性部材１６，１８，３５，４５による収縮力が全く無いものと仮想して広がった状態のことを「型紙状態」と言う。また、おむつ１に横方向及び縦方向の外力が作用しない状態、すなわち、同おむつ１が上記弾性部材１６，１８，３５，４５の収縮力によって横方向及び縦方向に収縮した状態のことを「自然状態」と言う。ちなみに、図３Ａ及び図３Ｂでは、展開状態のおむつ１を型紙状態で示している。

　図３Ａ及び図３Ｂの展開状態においては、吸収性本体１０は、平面視略長方形状をなしている。そして、吸収性本体１０の長手方向が、縦方向に沿うように配されている。また、吸収性本体１０は、吸収体１１と、同吸収体１１を肌側から覆って設けられたトップシート１３と、同吸収体１１を非肌側から覆って設けられたバックシート１５と、を備えている。

　吸収体１１は、液体吸収性の吸収性コア１１ｃと、同コア１１ｃの外周面を被覆する不図示のコアラップシートと、を有する。吸収性コア１１ｃは、所定の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。液体吸収性素材としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）等の液体吸収性粒状物を例示できる。また、コアラップシートには、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを使用可能であるが、コアラップシートについては無くても良い。また、吸収性コア１１ｃの形状は、何等上記の平面視略砂時計形状に限らず、他の形状でも良い。

　トップシート１３は、吸収体１１から縦方向及び横方向に突出するような平面サイズの不織布等の液透過性のシートである。また、バックシート１５も、吸収体１１から縦方向及び横方向に突出するような平面サイズのシートであり、その一例としては、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の液不透過性の防漏シート１５ａと、防漏シート１５ａの非肌側に貼り合わされた不織布製の外装シート１５ｂとを有した二層構造のラミネートシート１５が挙げられる（図３Ｂ）。そして、これらトップシート１３とバックシート１５との間に吸収体１１を挟んだ状態において、吸収体１１から縦方向及び横方向に突出した部分でこれら両シート１３，１５同士が例えば額縁状に接着や溶着等で接合されることにより、吸収性本体１０が形成されている。なお、バックシート１５は、外装シート１５ｂを有さずに、防漏シート１５ａだけを有していても良い。

　また、この例にように、吸収性本体１０における吸収体１１よりも横方向の外側の各部分１０ＬＧに、それぞれ縦方向に伸縮するレッグギャザーＬＧを設けても良い。かかるレッグギャザーＬＧは、脚回り開口ＬＨの一部を構成する。また、レッグギャザーＬＧの伸縮性の付与は、上記の各部分１０ＬＧに、それぞれ縦方向に沿って糸ゴム等の弾性部材１６を縦方向に伸長した状態で固定することでなされる。すなわち、上記の各部分１０ＬＧには、弾性部材１６から縦方向の収縮力が付与されていて、これにより、外力の作用しない自然状態においては、当該各部分１０ＬＧが複数の襞を形成しながら縦方向に収縮している。よって、かかる襞が延びきるまでの伸縮性がレッグギャザーＬＧには付与されている。

　更に、この例のように、レッグギャザーＬＧよりも横方向の内側の位置に、一対のレッグサイドギャザーＬＳＧ，ＬＳＧが設けられていても良い。レッグサイドギャザーＬＳＧは、立体ギャザーとも呼ばれるものであり、排泄物の横方向の漏れを防止すべく、トップシート１３の肌側面から起立する。すなわち、トップシート１３の肌側面には、不織布製のレッグサイドギャザーシート１７が重ね合わせられているとともに、当該シート１７の一部（不図示）が、トップシート１３に固定されていて、これにより、同シート１７において当該一部よりも横方向の内側の部分１７ＬＳＧが、起立するようになっている。ちなみに、この内側の部分１７ＬＳＧの起立の実現は、同内側の部分１７ＬＳＧに、縦方向に沿って糸ゴム等の弾性部材１８が縦方向に伸長下で固定されることでなされている。すなわち、内側の部分１７ＬＳＧには、上記弾性部材１８から縦方向の収縮力が付与されていて、これにより、内側の部分１７ＬＳＧが複数の襞を形成しながら縦方向に収縮して、その結果、トップシート１３の肌側面から起立する。

　図３Ａに示すように、腹側帯部材３１は、不織布等の柔軟なシートを素材とした平面視略矩形形状のシート部材である。この例では、図３Ｂに示すように、不織布３２，３３を二枚重ねに接合することで腹側帯部材３１は形成されている。そして、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、腹側帯部材３１の横方向の中央部が、吸収性本体１０における縦方向の腹側の端部１０ｅａに非肌側から重ねられて接合されている。なお、かかる腹側帯部材３１のうちで吸収性本体１０から横方向に突出する部分における縦方向の端部３１ｅＬ（図３Ａ）は、脚回り開口ＬＨの一部を構成する。

　また、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、腹側帯部材３１に係る２枚の不織布３２，３３同士の間には、横方向に沿った糸ゴム等の複数本の弾性部材３５，３５…が縦方向に並んで介挿されつつ、横方向に伸長下で同不織布３２，３３に接合固定されている。そして、これにより、腹側帯部材３１には横方向の収縮力が付与されている。つまり、腹側帯部材３１には、横方向の伸縮性が付与されている。また、この例では、図３Ａに示すように、腹側帯部材３１において吸収体１１と重なる部分の一部（例えば、横方向の中央部）については、吸収体１１の皺の発生を防ぐ等の目的で、弾性部材３５が非連続とされていて、これにより、この部分については伸縮性が付与されていないが、何等これに限らない。また、この例では、後述する凹部３７と縦方向の位置が同位置の弾性部材３５についても、当該凹部３７の位置で非連続とされている。

　同図３Ａに示すように、背側帯部材４１は、不織布等の柔軟なシートを素材とした平面視略矩形形状のシート部材である。この例では、図３Ｂに示すように、不織布４２，４３を二枚重ねに接合することで背側帯部材４１は形成されている。そして、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、背側帯部材４１の横方向の中央部が、吸収性本体１０における縦方向の背側の端部１０ｅｂに非肌側から重ねられて接合されている。なお、かかる背側帯部材４１のうちで吸収性本体１０から横方向に突出する部分における縦方向の端部４１ｅＬ（図３Ａ）は、脚回り開口ＬＨの一部を構成する。

　また、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、背側帯部材４１に係る２枚の不織布４２，４３同士の間には、横方向に沿った糸ゴム等の複数本の弾性部材４５，４５…が縦方向に並んで介挿されつつ、横方向に伸長下で同不織布４２，４３に接合固定されている。そして、これにより、背側帯部材４１には横方向の収縮力が付与されている。つまり、背側帯部材４１には、横方向の伸縮性が付与されている。また、この例では、図３Ａに示すように、背側帯部材４１において吸収体１１と重なる部分の一部（例えば、横方向の中央部）については、吸収体１１の皺の発生を防ぐ等の目的で、弾性部材４５が非連続とされていて、これにより、この部分については伸縮性が付与されていないが、何等これに限らない。

　一方、図４Ａに示すように、背側帯部材４１の非肌側面には、後処理テープ４８（テープ部材に相当）が設けられている。後処理テープ４８は、使用後のおむつ１を廃棄する際に使用される。すなわち、廃棄の際には、図５Ａに示すように、おむつ１の腹側部３０が内側となるようにしながら、縦方向の股下部２０の方からおむつ１を縦方向に丸めることにより、図５Ｂのように、おむつ１を縦方向の大きさが小さいコンパクト状態にするが、後処理テープ４８は、おむつ１を、このコンパクト状態に固定するために使用される。

　図４Ａに示すように、かかる後処理テープ４８は、縦方向に沿って長い帯状部材を本体とする。そして、同後処理テープ４８の長手方向及び幅方向を、それぞれおむつ１の縦方向及び横方向に沿わせた状態で、後処理テープ４８の長手方向の一端部４８ｅ１が、背側帯部材４１の非肌側面に接着剤（不図示）等で剥離不能に固定されている。また、後処理テープ４８の他端部４８ｅ２は、同図５Ｂのようなコンパクト状態のおむつ１における胴回り開口ＢＨの方へと延長可能となっている。そして、これにより、同図５Ｂに示すように、同テープ４８の他端部４８ｅ２の粘着層４８Ａを、このコンパクト状態において胴回り開口ＢＨを越えたおむつの部分１ｐに係止することによって、おむつ１をコンパクト状態に固定可能となっている。

　なお、図４Ａ及び図４Ｂに示すように、未使用の後処理テープ４８は、例えば、長手方向にＺ字状に折り畳まれた状態となっている。すなわち、Ｚ字状に折り畳まれた状態の後処理テープ４８において、互いに対向する面における少なくとも一部には、剥離可能な粘着強度の粘着層（不図示）が設けられていて、これにより、後処理テープ４８は、Ｚ字状の折り畳み状態に仮固定されている。そして、他端部４８ｅ２の先端部が折り返されて形成された摘まみ部４８ｅ２ｔ（図４Ｂ）を、図４Ａの２点鎖線のように長手方向（縦方向）に引っ張ることにより、上記の粘着層による面同士の密着状態が解除されて、これにより、同テープ４８を、図５Ｂのように縦方向の胴回り開口ＢＨの方へと速やかに延長することができる。

　かかるテープ４８の素材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂素材を例示できるが、何等これに限らない。例えば、紙等のパルプ素材でも良い。また、テープ４８の形態は、何等上述のような両面に平滑面を有した形態に限らない。例えば、不織布や織布等の繊維集合体でも良い。また、他端部４８ｅ２の粘着層４８Ａの代わりに、面ファスナーのフック材を設けても良い。

　また、この例では、このテープ４８自身は、長手方向にほぼ非伸縮となっているが、何等これに限らない。すなわち、このテープ４８自身が、ゴム等の弾性素材で形成されることにより、長手方向に伸縮性を有していても良い。そして、伸縮性を有している場合には、当該テープ４８は、自身が長手方向に収縮することにより、未使用時において、長手方向の長さが短いコンパクトな状態になることができる。そのため、この場合には、上述のテープ４８の例のようなＺ字状に折り畳まなくても良い。なお、折り畳み方についても、何等上述のＺ字状に限らない。例えば二つ折りのＶ字状でも良いし四つ折りのＷ字状でも良いし、或いはＷ字状よりも多い折り曲げ回数で折り畳んでも良い。

　以上、おむつ１の主な構成部品１０，３１，４１について説明したが、本実施形態では、おむつ１を廃棄する際に前述の内輪差現象起因の問題を解決可能なように工夫されている。すなわち、図５Ｂのコンパクト状態のおむつ１において、後処理テープ４８を、胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを越えた位置のおむつの部分１ｐにしっかりと係止できるように工夫されている。以下、この工夫について説明する。
　図６は、本実施形態のパンツ型状態のおむつ１を腹側から見た概略平面図である。
　本実施形態では、先ず、このパンツ型状態且つ自然状態（又は型紙状態）のおむつ１において、腹側部３０に属する腹側帯部材３１の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、背側部４０に属する背側帯部材４１の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨよりも股下部２０の方へと縦方向にへこんだ凹部３７を有している。すなわち、後者の縁部４１ＢＨは横方向に沿っていて、また、前者の縁部３１ＢＨも基本的には横方向に沿っているが、当該前者の縁部３１ＢＨは、横方向の所定位置に凹部３７を有している。なお、かかる凹部３７の有無の確認は、腹側部３０と背側部４０とが厚さ方向に重ねられたおむつ１を机等の平面上に置くとともに同おむつ１を平坦にした状態において、同おむつ１を厚さ方向の腹側から見ることで行うことができる。また、この図６の例では、同凹部３７は、型紙状態においては円弧状に湾曲した形状をなしている。そして、同型紙状態において凹部３７の縦方向の寸法の最大値Ｌ３７ｄは、例えば１０ｍｍ～３０ｍｍの範囲から選択され、この例では１５ｍｍであり、同凹部３７の横方向の寸法の最大値Ｌ３７ｗは、例えば５０ｍｍ～１００ｍｍの範囲から選択され、この例では８５ｍｍである。
　また、同図６中には、仮想的に後処理テープ４８を２点鎖線で示しているが、かかる凹部３７は、横方向において当該後処理テープ４８と対応する位置に設けられている。例えば、凹部３７は、背側部４０に属する背側帯部材４１の非肌側面のうちで後処理テープ４８が固定される部分と横方向の位置を対応させて設けられていて、これにより、凹部３７は、当該後処理テープ４８と横方向にオーバーラップしている。

　よって、図５Ｂのようにおむつ１を丸めてコンパクト状態にした際に、仮に前述の内輪差現象が生じた場合でも、この凹部３７の分だけ、後処理テープ４８から、上記縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを縦方向に越えた位置のおむつの部分１ｐまでの距離を短くすることができる。すなわち、後処理テープ４８を縦方向の胴回り開口ＢＨの方へと延長した際に、上記凹部３７に少なくとも後処理テープ４８の一部を入れることによって、当該凹部３７を介して、上記縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを越えたおむつの部分１ｐに後処理テープ４８を到達させることができる。そして、その結果、後処理テープ４８を当該おむつの部分１ｐにしっかりと係止可能となる。

　また、図６に示すように、この例では、自然状態（又は型紙状態）において、後処理テープ４８における横方向の中央位置ＣＬ４８は、横方向において凹部３７に含まれている。
　よって、後処理テープ４８を縦方向の胴回り開口ＢＨの方へと延長した際に、当該後処理テープ４８におけるより多くの部分を上記凹部３７に入れることができる。そして、これにより、当該凹部３７を介して、胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを越えた位置のおむつの部分１ｐに、後処理テープ４８をより一層到達させ易くなる。
　但し、何等これに限らない。すなわち、後処理テープ４８の上記中央位置ＣＬ４８が、横方向において凹部３７に含まれていなくても良い。

　更に、同図６に示すように、この例では、自然状態（又は型紙状態）において、凹部３７の横方向の寸法の最大値Ｌ３７ｗの方が、後処理テープ４８の横方向の寸法の最大値Ｌ４８ｗよりも大きくなっている。
　よって、後処理テープ４８を縦方向の胴回り開口ＢＨの方へと延長した際に、後処理テープ４８の横方向の全長に亘って当該後処理テープ４８を上記凹部３７に入れることができる。よって、当該凹部３７を介して、胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを越えた位置のおむつの部分１ｐに、後処理テープ４８をより一層到達させ易くなる。
　但し、何等これに限らない。すなわち、後処理テープ４８の横方向の寸法の最大値Ｌ４８ｗの方が、凹部３７の横方向の寸法の最大値Ｌ３７ｗより大きくなっていても良い。

　また、この例では、同図６に示すように、後処理テープ４８が、背側帯部材４１における横方向の中央部に固定されていることに対応させて、上記の凹部３７は、腹側帯部材３１の上記縁部３１ＢＨにおける横方向の中央部に設けられている。

　よって、着用者のお臍におむつ１を当てないようにすることができる。そして、これにより、着用者のお臍におむつ１を当てたくないような場合、例えば、新生児の臍が湿潤している場合や出血防止用のクリップが臍に取り付けられているような場合に、当該おむつ１を好適に使用可能である。

　更に、図３Ａの展開状態においては、前述のように吸収性コア１１ｃは略砂時計形状をなしている。つまり、横方向の寸法を、同コア１１ｃにおける縦方向の両端部と中央部とで比べた場合に、前者の横方向の寸法の方が大きくなっている。そして、これにより、当該横方向の寸法は、当該両端部において最大値Ｌ１１ｃｗとなっているが、ここで、上述の型紙状態においては、凹部３７の横方向の寸法の最大値Ｌ３７ｗの方が、吸収性コア１１ｃの横方向の寸法の最大値Ｌ１１ｃｗよりも小さくなっている。

　よって、当該凹部３７の横方向の寸法を、着用者のお臍に当たらないようにするための必要最小限の大きさにすることができる。そして、これにより、おむつ１の胴回り開口ＢＨにおいて着用者の肌に当接する部分を大きく確保することができて、その結果、当該部分は、肌への良好なフィット性を奏することができる。

　また、図７Ａ及び図７Ｂに示すように、腹側部３０が内側となるようにパンツ型状態のおむつ１を縦方向に二つ折りすることにより、背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨと、股下部２０の縦方向の端部２０ｅとが、互いの横方向の中央の位置で重なった状態にした際に、全体として腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、内輪差現象に基づいて背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨよりも縦方向に突出するが、その場合にも、この例では、凹部３７における底部３７ｂについては、背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨよりも縦方向に突出しないようにされている。すなわち、凹部３７の縦方向の深さＬ３７ｄ（図６）は、背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨから縦方向に突出しないような深さに設定されている。
　よって、おむつ１を丸める等して縦方向に小さいコンパクト状態にした際に、胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨ，４１ＢＨを越えた位置のおむつの部分１ｐに、より一層後処理テープ４８を到達させ易くなる。

　但し、何等これに限らず、場合によっては、逆にしても良い。すなわち、凹部３７の縦方向の深さＬ３７ｄの設定によって、図８Ｂに示すように、凹部３７における底部３７ｂが、背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨよりも縦方向に突出するようにしても良い。
　そして、この場合には、後処理テープ４８を、背側部４０の縁部４１ＢＨだけでなく、腹側部３０の上記凹部３７における底部３７ｂにも係止することができて、これにより、背側部４０の縁部４１ＢＨだけでなく腹側部３０の縁部３１ＢＨも後処理テープ４８で直接固定可能となる。

　ちなみに、この場合、望ましくは、同図８Ｂに示すように、腹側帯部材３１において凹部３７の上記底部３７ｂを有する底部含有部分３７ｂｐは、股下部２０の端部２０ｅの色とは異なる色に肌側から視認可能な色違い領域Ａ３７ｂｐ（図８Ｂ中においてドット模様の領域を参照）を有していると良い。例えば、図８Ｂの例では、底部含有部分３７ｂｐは、縦方向に所定の幅をもって所定色に肌側から着色された領域Ａ３７ｂｐを有していて、これにより、当該領域Ａ３７ｂｐは、上記股下部２０の端部２０ｅの色とは異なる色に視認可能な色違い領域Ａ３７ｂｐとなっている。
　よって、おむつ１を廃棄すべく、おむつ交換の作業者が、例えば上述のようにおむつ１を二つ折りすることで同おむつ１を縦方向に小さなコンパクト状態にした際に、同作業者は、底部含有部分３７ｂｐの着色領域Ａ３７ｂｐとは異なる色の上記股下部２０の端部２０ｅを背景として当該底部含有部分３７ｂｐを見ることになって、これにより、凹部３７の底部３７ｂを視認し易くなる。そして、その結果、同作業者は、当該凹部３７を介して、おむつ１における後処理テープ４８の係止対象部分に後処理テープ４８を係止することができる。

　ちなみに、この図８Ｂの例では、底部含有部分３７ｂｐは肌側から着色されていたが、底部含有部分３７ｂｐの着色領域Ａ３７ｂｐを肌側から視認可能であれば、何等これに限らない。例えば、本実施形態の腹側部３０の腹側帯部材３１は、不織布３２,３３で形成されていることから、当該腹側帯部材３１を透かす形で、非肌側に存在するものを肌側からも視認可能である。よって、底部含有部分３７ｂｐを非肌側から着色しても良い。更には、腹側帯部材３１を構成する二枚の不織布３２，３３を着色する代わりに、底部含有部分３７ｂｐに重なるように別シート（不図示）を設けることによって、底部含有部分３７ｂｐに上述の色違い領域Ａ３７ｂｐを形成しても良い。なお、その場合には、別シートは、腹側帯部材３１の肌側又は非肌側に配置しても良いし、或いは、腹側帯部材３１の二枚の不織布３２，３３同士の間に介在させても良い。

　また、ここで言う「異なる色」とは、２つの領域の色の色差を肉眼で視認できる二つの色のことである。「色差」については、測定対象となる２点（２つの領域）について市販の測色器を用いて測色を行い、ＪＩＳＺ８７２９等に規定されるＣＩＥ１９７６（L*a*b*）色空間に基づいて数値化した値を比較することによって求めることができる。具体的には、測定対象たる２点間のL*値の差がΔL*、a*値の差がΔa*、b*値の差がΔb*であるときに、色差は、数式ΔE*ab＝[(ΔL*)²＋(Δa*)²＋(Δb*)²]^1/2で求められる。そして、ここでは、この色差ΔE*abが１．５以上、望ましくは３．０以上である場合に、「互いに異なる色」であるものとする。ΔE*ab値が１．５以上であれば、人間が肉眼で感知し得る程度に色が異なると言えるため、おむつ交換の作業者は、股下部２０の端部２０ｅを背景として、当該凹部３７の底部３７ｂに係る色違い領域Ａ３７ｂｐを認識することができる。

　図９Ａは、パンツ型使い捨ておむつ１の変形例の説明図である。上述の実施形態では、図６に示すように、腹側部３０において凹部３７を有する凹部含有部分３０ｐのシートの積層枚数と、同腹側部３０において凹部含有部分３０ｐの横方向の両側に位置するサイド部分３０ｓ，３０ｓのシートの積層枚数とは、互いに同数とされていた。すなわち、前者の部分３０ｐ及び後者の部分３０ｓのどちらも、腹側帯部材３１を構成する２枚の不織布３２，３３で形成されていて、これにより、各部分３０ｐ，３０ｓの積層枚数は、それぞれ２枚であった。

　一方、この変形例では、前者の部分たる凹部含有部分３０ｐには別体シート３８が重ねられていて、これにより、当該凹部含有部分３０ｐのシートの積層枚数の方が、後者のサイド部分３０ｓ，３０ｓのシートの積層枚数よりも多くなっている。そして、この点で主に上述の実施形態と相違し、これ以外の点は、概ね前述の実施形態と同じである。よって、以下では、この相違点について主に説明する。

　図９Ａに示すように、この変形例では、別体シート３８は、吸収性本体１０において吸収性コア１１ｃから縦方向の胴回り開口ＢＨ側に突出するシート状部分１０ｆで構成されている。すなわち、当該シート状部分１０ｆをなすトップシート１３とバックシート１５とは、それぞれ、縦方向の胴回り開口ＢＨ側に延在していて、これにより、腹側帯部材３１における胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨの凹部３７まで到達している。少なくとも凹部３７の底部３７ｂまでは到達している。そして、これにより、腹側部３０における凹部含有部分３０ｐは、腹側帯部材３１を構成する二枚の不織布３２，３３に加えてトップシート１３及びバックシート１５の２枚分だけ積層枚数が増えた４枚構成となっている。そのため、当該凹部含有部分３０ｐの剛性は高くなっていて、これにより、自然状態において凹部３７が変形してしまうことを防ぐことができる。そして、その結果、凹部３７を介して、胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨを越えた位置のおむつの部分１ｐに、後処理テープ４８をより到達させ易くなる。

　一方、吸収性本体１０の横方向の寸法は、腹側帯部材３１の横方向の寸法よりも小さいので、腹側部３０において凹部含有部分３０ｐの横方向の両側に位置するサイド部分３０ｓ，３０ｓには、吸収性本体１０のトップシート１３及びバックシート１５が位置していない。そのため、当該サイド部分３０ｓのシートの積層枚数は、上記の凹部含有部分３０ｐの積層枚数よりも２枚少なくなっている。そして、これにより、当該サイド部分３０ｓ，３０ｓの剛性は低くなっているので、当該サイド部分３０ｓは容易に変形することができる。よって、廃棄時におむつ１をコンパクトにすることができて、その結果、当該おむつ１は、廃棄し易いものとなる。

　なお、かかる別体シート３８として使用可能なシートは、何等上述の吸収性本体１０のトップシート１３及びバックシート１５に限らない。例えば、図９Ｂのようにイラスト等の図柄が描かれたデザインシート３８ｄを上記の別体シート３８として使用しても良い。詳しくは次の通りである。
　先ず、この図９Ｂの例では、腹側部３０の腹側帯部材３１における横方向の中央部にデザインシート３８ｄが重ねられている。また、当該デザインシート３８ｄは、縦方向の胴回り開口ＢＨ側に延在していて、これにより、腹側帯部材３１における胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨの凹部３７まで到達している。少なくとも凹部３７の底部３７ｂまでは到達している。よって、凹部含有部分３０ｐの剛性は高められている。

　一方、デザインシート３８ｄの横方向の寸法は、腹側帯部材３１の横方向の寸法よりも小さくなっている。そのため、腹側部３０において凹部含有部分３０ｐの横方向の両側に位置するサイド部分３０ｓ，３０ｓには、デザインシート３８ｄが位置しておらず、故に、サイド部分３０ｓ，３０ｓのシートの積層枚数は、上記の凹部含有部分３０ｐの積層枚数よりも１枚少なくなっている。そして、これにより、当該サイド部分３０ｓ，３０ｓの剛性を低くすることができる。

　＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝
　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。

　上述の実施形態では、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨが有する凹部３７の一例として円弧形状の凹部３７を示したが、何等これに限らない。すなわち、凹部３７は、矩形状であっても良いし、三角形状であっても良いし、これら以外の多角形形状であっても良い。また、曲線と直線とを組み合わせた複合形状であっても良い。更に、この例では、かかる凹部３７は、例えば腹側部３０を切り欠いて形成されているが、切り欠き以外の方法で形成されても良い。例えば、腹側帯部材３１を構成する繊維を堆積して不織布３２，３３を生成する際に、凹部３７を有するように繊維を堆積しても良い。

　上述の実施形態では、図６に示すように、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、中央位置等の横方向の所定位置に選択的に凹部３７を有していたが、凹部３７の形態は何等これに限らない。例えば、図１０のように、横方向の両端部３１ｅ，３１ｅよりも横方向の内側の部分の全域に亘る大きさの凹部３７を腹側部３０が有していても良い。すなわち、横方向の両端部３１ｅ，３１ｅよりも横方向の内側の全ての位置に亘って、背側部４０の胴回り開口ＢＨの縁部４１ＢＨよりも股下部２０の方へと縦方向にへこんだ凹部３７を、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨが有していても良い。

　上述の実施形態では、パンツ型使い捨ておむつの一例として３ピースタイプのおむつ１を例示したが、何等これに限らない。例えば、おむつの外装をなす外装シートを第１部品として有し、外装シートの肌側面に固定される吸収性本体を第２部品として有した２ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつに、本発明の構成を適用しても良い。また、略砂時計形状のトップシートと略砂時計形状のバックシートとの間に吸収体が介挿された形態のパンツ型使い捨ておむつに、本発明の構成を適用しても良い。

　上述の実施形態では、図６に示すように、後処理テープ４８を背側部４０における横方向の中央部ＣＬ４０に設けていたことから、これに対応させて、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、横方向の中央部に凹部３７を有していたが、何等これに限らない。例えば、図１１Ａのように、後処理テープ４８を、背側部４０において横方向の中央部ＣＬ４０から横方向にずれた部分に設けている場合には、これに対応させて、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、凹部３７を、横方向の中央部ＣＬ４０から横方向にずれた部分に有していても良い。また、図１１Ｂに示すように、複数の一例として２つの後処理テープ４８，４８を、上記の中央部ＣＬ４０を挟む横方向の各部分にそれぞれ設けている場合には、これに対応させて、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨは、２つの凹部３７，３７を、腹側部３０の胴回り開口ＢＨの縁部３１ＢＨにおける上記の中央部ＣＬ４０を挟む横方向の各部分にそれぞれ有していても良い。

１　パンツ型使い捨ておむつ、１ｐ　部分、
１０　吸収性本体、１０ｐ１　部分、１０ｐ２　部分、１０ｐ３　部分、
１０ＬＧ　部分、１０ｅａ　端部、１０ｅｂ　端部、
１０ｆ　シート状部分、
１１　吸収体、１１ｃ　吸収性コア、
１３　トップシート、１５　バックシート、
１５ａ　防漏シート、１５ｂ　外装シート、１６　弾性部材、
１７　レッグサイドギャザーシート、１７ＬＳＧ　部分、１８　弾性部材、
２０　股下部、２０ｅ　端部、
３０　腹側部、３１　腹側帯部材、３１ＢＨ　縁部、
３１ｅ　端部、３１ｅＬ　端部、３０ｐ　凹部含有部分、３０ｓ　サイド部分、
３２　不織布、３３　不織布、３５　弾性部材、
３７　凹部、３７ｂ　底部、３７ｂｐ　底部含有部分、
３８　別体シート、３８ｄ　デザインシート、
４０　背側部、４１　背側帯部材、４１ＢＨ　縁部、４１ｅＬ　端部、
４２　不織布、４３　不織布、４５　弾性部材、
４８　後処理テープ（テープ部材）、
４８Ａ　粘着層、４８ｅ　端部、
４８ｅ１　一端部、４８ｅ２　他端部、４８ｅ２ｔ　摘まみ部、
ＢＨ　胴回り開口、ＬＨ　脚回り開口、ＣＬ１　中央位置、ＣＬ１０、所定位置、
ＣＬ４０　中央部、ＣＬ４８　中央位置、
ＬＧ　レッグギャザー、ＬＳＧ　レッグサイドギャザー、
Ａ３７ｂｐ　領域（色違い領域）、

Claims

　互いに直交する縦方向と横方向とを有し、腹側部と背側部と股下部と胴回り開口と一対の脚回り開口とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部の前記胴回り開口の縁部は、前記背側部の前記胴回り開口の縁部よりも前記股下部の方へと前記縦方向にへこんだ凹部を有し、
　前記背側部の非肌側面には、当該おむつを廃棄する際に前記おむつを前記縦方向に小さくした状態に固定するためのテープ部材が、前記縦方向の前記胴回り開口の方へと延長可能に固定されており、
　前記凹部は、前記横方向において前記テープ部材と対応する位置に設けられていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記テープ部材における前記横方向の中央位置は、前記横方向において前記凹部に含まれていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１又は２に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記凹部の前記横方向の寸法の最大値の方が、前記テープ部材の前記横方向の寸法の最大値よりも大きいことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１乃至３の何れかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部が内側となるように前記おむつを前記縦方向に二つ折りすることによって、前記背側部の前記胴回り開口の縁部と、前記股下部の前記縦方向の端部とが、互いの前記横方向の中央の位置で重なった状態において、
　前記凹部における底部は、前記背側部の前記胴回り開口の縁部よりも前記縦方向に突出していないことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１乃至３の何れかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部が内側となるように前記おむつを前記縦方向に二つ折りすることによって、前記背側部の前記胴回り開口の縁部と、前記股下部の前記縦方向の端部とが、互いの前記横方向の中央の位置で重なった状態において、
　前記凹部における底部は、前記縁部よりも前記縦方向に突出していることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項５に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部において前記凹部の前記底部を有する底部含有部分は、前記股下部の前記端部の色と異なる色に肌側から視認可能な色違い領域を有していることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１乃至６の何れかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記テープ部材は、前記背側部における前記横方向の中央部に設けられており、
　前記凹部は、前記腹側部における前記横方向の中央部に形成されていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項７に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　排泄物を吸収する吸収性コアを有し、
　前記おむつは、前記縦方向及び前記横方向に収縮力を付与する弾性部材を有し、
　前記収縮力が全く無いものと仮想した状態において、
　前記凹部の前記横方向の寸法の最大値の方が、前記吸収性コアの前記横方向の寸法の最大値よりも小さいことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
　請求項１乃至８の何れかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記腹側部において前記凹部を有する凹部含有部分のシートの積層枚数は、前記腹側部において前記凹部含有部分の前記横方向の両側に位置する部分のシートの積層枚数よりも多いことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。