WO2017029942A1 - 熱貯蔵システム - Google Patents

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  • This disclosure relates to a heat storage system.
  • phase change material heat storage material is also applied to a heat storage device of a cogeneration system, for example.

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Abstract

熱貯蔵システムは、エネルギー変換部(10)と、蓄熱材(40)を有する蓄熱部(20)とを備える。エネルギー変換部は、エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、エネルギーの変換と同時に媒体を介して熱を放出する。蓄熱材は、媒体と相互に熱交換可能であり、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて貯蔵した熱を加熱対象に放出する。蓄熱材は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する。この熱貯蔵システムによると、蓄熱部の蓄熱材が相変化を起こしても固体の状態が維持される。したがって、蓄熱材の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。

Description

熱貯蔵システム 関連出願の相互参照
 本出願は、当該開示内容が参照によって本出願に組み込まれた、2015年8月19日に出願された日本特許出願2015-161617を基にしている。
 本開示は、熱貯蔵システムに関する。
 コージェネレーション等のエネルギー変換系においては、熱が余るとき(定常時)と熱が要るとき(始動時)との間に、時空間的ギャップが発生する場合が多い。そのため、例えば、定常時にエネルギー変換部から放出される熱の一部を蓄えておき、始動時などにその蓄えから放熱する技術が知られている。
 例えば、蓄熱材として固液相変化材を用いた蓄熱装置が特許文献1で提案されている。蓄熱材は凝固、または融解時の相変化を利用して蓄熱している。具体的には、蓄熱材をケースに封入し、循環水と蓄熱材との間でケースを介して熱交換している。ケースは、蓄熱時に蓄熱材が固相から液相に相変化するに際し、その液体が流出するのを規制する役割を果たす。
 このような相変化材の蓄熱材を、例えば、コージェネレーションシステムの蓄熱器にも応用することが想定される。
特開2011-068190号公報
 しかしながら、上記従来の技術では、ケースが大きな熱抵抗となり、所定の熱出力を得るためには大きな伝熱面積を取る必要があった。その結果、蓄熱槽の体格が巨大化してしまう場合があった。
 本開示は上記点に鑑み、蓄熱材を封入するためのケースを不要とすることができる熱貯蔵システムを提供することを目的とする。
 本開示の一態様による熱貯蔵システムは、エネルギー変換部と、蓄熱材を有する蓄熱部と、を備える。エネルギー変換部は、エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、エネルギーの変換と同時に媒体を介して熱を放出する。蓄熱材は、媒体と相互に熱交換可能であり、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて貯蔵した熱を加熱対象に放出する。蓄熱材は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する。
 これによると、蓄熱部の蓄熱材が相変化を起こしても固体の状態が維持される。したがって、蓄熱材の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。
本開示の第1実施形態に係る熱貯蔵システムの構成を示した図である。 第1実施形態に係る熱貯蔵システムの構成を示した図である。 蓄熱材の相図である。 本開示の第2実施形態に係る熱貯蔵システムの構成を示した図である。 本開示の第2実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第3実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第4実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第5実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第6実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第7実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第8実施形態に係る蓄熱材の図である。 本開示の第9実施形態に係る蓄熱材の図である。
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
 (第1実施形態)
 以下、本開示の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る熱貯蔵システムは、熱を貯めてその熱を利用するコージェネレーションシステムに適用される。
 図1A及び図1Bに示されるように、熱貯蔵システムは、エネルギー変換部10及び蓄熱部20を備えて構成されている。エネルギー変換部10は、エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、エネルギーの変換と同時に所定の媒体を介して熱を放出するものである。
 例えば、車両の場合、エネルギー変換部10はフューエルセルやエンジン等である。エネルギー源は燃料であり、他の形態のエネルギーは駆動力や電力等である。所定の媒体は冷却水や排気ガス等である。
 蓄熱部20は蓄熱材を有して構成されている。蓄熱材は、媒体と相互に熱交換可能である。蓄熱部20は、蓄熱モードにおいて媒体から蓄熱材に熱を貯蔵すると共に、蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて蓄熱材に貯蔵した熱を加熱対象に放出するものである。
 図2に示されるように、蓄熱材は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する材料である。所定温度よりも高い場合が蓄熱モードに対応し、所定温度以下の場合が放熱モードに対応する。そして、蓄熱材は、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、放熱モードにおいて貯蔵した熱を放出する。蓄熱材は、蓄熱モード及び放熱モードのサイクルを繰り返す際に固相-固相間相変化を起こし、固体の状態を維持する。
 蓄熱材は、例えば、強相関材料である二酸化バナジウム(VO2)によって構成されている。所定温度すなわち相転移温度は、二酸化バナジウムに対する添加物のドープ量によって調整されている。例えば、添加物のドープ量が多い場合よりも少ない場合の方が所定温度は高く設定される。
 上記の構成により、図1Aでは、媒体である冷却水の温度が所定温度よりも高い場合に蓄熱材に熱が貯蔵され、蓄熱材の温度が所定温度より低くなると蓄熱材から放熱される。一方、図1Bでは、媒体である排気ガスの温度が所定温度よりも高い場合に蓄熱材に熱が貯蔵され、蓄熱材の温度が所定温度より低くなると蓄熱材から放熱される。
 以上説明したように、本実施形態では、固相-固相の相変化を起こす蓄熱材を用いて蓄熱部20を構成したことが特徴となっている。これにより、蓄熱材は固体の状態を維持して相変化を起こすので、蓄熱材の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。したがって、ケースの熱抵抗の影響を低減することができ、ひいては蓄熱部20の巨大化を抑制することができる。
 (第2実施形態)
 本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、熱貯蔵システムとして蓄熱槽を例に説明する。
 図3に示されるように、蓄熱槽30は、一方の配管31を介して本体32の下部に循環水が導入され、本体32の上部から他方の配管33を介して循環水が排出される構成になっている。また、利用水が本体32の下部を出入りする構成になっている。蓄熱槽30を用いる場合、エネルギー変換部10は温水を作る温水器等である。エネルギー源は電気であり、他の形態のエネルギーは熱である。所定の媒体は循環水である。
 そして、蓄熱材は、蓄熱槽30の本体32に収容されている。図4に示されるように、蓄熱材40は、ブロック状に構成されている。また、蓄熱材40は、一方向に沿って形成された複数の貫通孔41を有している。すなわち、蓄熱材40は、フロースルーハニカム構造を有して構成されている。複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えば正方配列されている。なお、貫通孔41の開口形状は四角形状に限られず、多角形、円形、楕円形でも構わない。
 したがって、蓄熱材40は循環水が外壁面や複数の貫通孔41を通過する際に、循環水の熱を蓄熱したり循環水に放熱したりする。複数の貫通孔41が設けられていることで蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。このため、蓄熱材40の伝熱性を向上させることができる。また、循環水を整流することができるので、設計値通りの蓄熱量を得ることができる。
 (第3実施形態)
 本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、図5に示されるように、蓄熱材40の複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えば六方格子状に配列されている。これにより、貫通孔41が設けられた蓄熱材40の強度を確保することができる。
 (第4実施形態)
 本実施形態では、第2、第3実施形態と異なる部分について説明する。図6に示されるように、蓄熱材40の複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えばフィボナッチ状に配列されている。これにより、蓄熱材40の強度と表面積の確保を両立することができる。
 (第5実施形態)
 本実施形態では、第2~第4実施形態と異なる部分について説明する。図7に示されるように、蓄熱材40は、複数のブロック42が所定の隙間を持って積層されたパックヘッド構造を有している。
 ブロック42の形状は、例えば直方体である。なお、ブロック42の形状は、球状(ビーズ状)やレンズ状等でも良い。ブロック42が球状の場合、アスペクト比を調整することで隙間を制御することができる。
 (第6実施形態)
 本実施形態では、第5実施形態と異なる部分について説明する。図8に示されるように、蓄熱材40は、櫛形のブロック42が組み合わされて構成されている。これにより、蓄熱材40の表面積が大きくなるので、蓄熱材40の伝熱性を向上させることができる。なお、図7に示された一対の櫛形の蓄熱材40を複数並べても良い。
 (第7実施形態)
 本実施形態では、第2~第6実施形態と異なる部分について説明する。図9に示されるように、蓄熱材40は、複数のプレート43が所定の隙間を持って配置されたプレート構造を有している。これにより、蓄熱材40を作りやすいというメリットがある。
 (第8実施形態)
 本実施形態では、第7実施形態と異なる部分について説明する。図10に示されるように、蓄熱材40を構成するプレート43は、波状に形成されていても良い。これにより、蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。
 (第9実施形態)
 本実施形態では、第7実施形態と異なる部分について説明する。図11に示されるように、蓄熱材40を構成するプレート43は、複数のパンチ穴44が形成されていても良い。これにより、蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。また、循環水を隣のプレート43側に移動させることができる。
 上記各実施形態で示された熱貯蔵システムの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本開示を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、熱貯蔵システムは、車両や温水器等に適用される場合に限られない。また、蓄熱材40の形状は上記以外の他の形状を採用しても構わない。
 本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims (7)

  1.  エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、前記エネルギーの変換と同時に媒体を介して熱を放出するエネルギー変換部(10)と、
     前記媒体と相互に熱交換可能であり、蓄熱モードにおいて前記媒体から熱を貯蔵すると共に、前記蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて前記貯蔵した熱を加熱対象に放出する蓄熱材(40)を有する蓄熱部(20)と、
     を備え、
     前記蓄熱材は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、前記所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する熱貯蔵システム。
  2.  前記蓄熱材は、一方向に沿って形成された複数の貫通孔(41)が設けられたフロースルーハニカム構造を有している請求項1に記載の熱貯蔵システム。
  3.  前記蓄熱材は、複数のブロック(42)が互いに所定の隙間を持って積層されたパックヘッド構造を有している請求項1に記載の熱貯蔵システム。
  4.  前記蓄熱材は、複数のプレート(43)が所定の隙間を持って配置されたプレート構造を有している請求項1に記載の熱貯蔵システム。
  5.  前記蓄熱材は、主に二酸化バナジウムから成る、請求項1に記載の熱貯蔵システム。
  6.  前記蓄熱材は、さらに添加物を含み、
     前記所定温度は、前記二酸化バナジウムへの前記添加物のドープ量によって変化する、請求項5に記載の熱貯蔵システム。
  7.  前記蓄熱モードは、前記蓄熱材が前記所定温度よりも高い場合に対応し、前記放熱モードは、前記蓄熱材が前記所定温度よりも低い場合に対応する、請求項1に記載の熱貯蔵システム。
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