JP2019082318A - 熱貯蔵システム - Google Patents

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卓哉 布施
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卓哉 布施
伸矢 笠松
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伸矢 笠松
裕太 才賀
Yuta Saiga
裕太 才賀
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Abstract

【課題】蓄熱材を封入するためのケースを不要とすることができる熱貯蔵システムを提供する。【解決手段】蓄熱部20は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する蓄熱材40を有して構成されている。蓄熱材40は、媒体と相互に熱交換可能であり、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、放熱モードにおいて貯蔵した熱を放出する。これにより、蓄熱部20の蓄熱材40が相変化を発生させても固体の状態が維持される。したがって、蓄熱材40の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱貯蔵システムに関する。
コージェネレーション等のエネルギー変換系においては、熱が余るとき(定常時)や熱が要るとき(始動時)のそれぞれの場面に対し、時空間的ギャップが発生する場合が多い。そのため、例えば、定常時にエネルギー変換部から放出される熱の一部を蓄えておき、始動時など上記のギャップが生じた場合にその蓄えから放熱する技術が知られている。
例えば、蓄熱材として固液相変化材を用いた蓄熱装置が特許文献1で提案されている。蓄熱材は凝固⇔融解間の相変化を利用している。具体的には、蓄熱材をケースに封入し、循環水と蓄熱材とをケースを介して熱を出し入れしている。ケースは、蓄熱時に蓄熱材が固相から液相に相変化するに際し、その液体が流出するのを規制する役割を果たす。
このような相変化材の蓄熱材を、例えば、コージェネレーションシステムの蓄熱器にも応用することが想定される。
特開2011−068190号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ケースが大きな熱抵抗となり、所定の熱出力を得るためには大きな伝熱面積を取る必要があった。その結果、蓄熱槽の体格が巨大化してしまうという問題があった。
本発明は上記点に鑑み、蓄熱材を封入するためのケースを不要とすることができる熱貯蔵システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、エネルギーの変換と同時に所定の媒体を介して熱を放出するエネルギー変換部(10)を備えている。また、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて貯蔵した熱を加熱対象に放出する蓄熱部(20)を備えている。
蓄熱部は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する蓄熱材(40)を有して構成されている。そして、蓄熱材は、媒体と相互に熱交換可能であり、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、放熱モードにおいて貯蔵した熱を放出するようになっている。
請求項1に記載の発明では、さらに、蓄熱材は、複数のパンチ穴(44)が形成されたプレート(43)を有して構成されていることを特徴とする。
これによると、蓄熱部の蓄熱材が相変化を起こしても固体の状態が維持される。したがって、蓄熱材の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る熱貯蔵システムの構成を示した図である。 蓄熱材の相図を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る熱貯蔵システムの構成を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。 本発明の第9実施形態に係る蓄熱材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る熱貯蔵システムは、熱を貯めてその熱を利用するコージェネレーションシステムに適用される。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、熱貯蔵システムは、エネルギー変換部10及び蓄熱部20を備えて構成されている。エネルギー変換部10は、エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、エネルギーの変換と同時に所定の媒体を介して熱を放出するものである。
例えば、車両の場合、エネルギー変換部10はフューエルセルやエンジン等である。エネルギー源は燃料であり、他の形態のエネルギーは駆動力や電力等である。所定の媒体は冷却水や排気ガス等である。
蓄熱部20は蓄熱材を有して構成されている。蓄熱材は、媒体と相互に熱交換可能である。蓄熱部20は、蓄熱モードにおいて媒体から蓄熱材に熱を貯蔵すると共に、蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて蓄熱材に貯蔵した熱を加熱対象に放出するものである。
図2に示されるように、蓄熱材は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相(s)を呈し、所定温度以下の場合に固体の第2相(s)を呈する材料である。所定温度よりも高い場合が蓄熱モードに対応し、所定温度以下の場合が放熱モードに対応する。そして、蓄熱材は、蓄熱モードにおいて媒体から熱を貯蔵すると共に、放熱モードにおいて貯蔵した熱を放出する。蓄熱材は、蓄熱モード及び放熱モードのサイクルを繰り返す際に固相−固相間相変化を起こし、固体の状態を維持する。
蓄熱材は、例えば、強相関材料である二酸化バナジウム(VO2)によって構成されている。所定温度すなわち相転移温度は、二酸化バナジウムに対する添加物のドープ量によって調整されている。例えば、添加物のドープ量が多い場合よりも少ない場合の方が所定温度は高く設定される。
上記の構成により、図1(a)では、媒体である冷却水の温度が所定温度よりも高い場合に蓄熱材に熱が貯蔵され、蓄熱材の温度が所定温度より低くなると蓄熱材から放熱される。一方、図1(b)では、媒体である排気ガスの温度が所定温度よりも高い場合に蓄熱材に熱が貯蔵され、蓄熱材の温度が所定温度より低くなると蓄熱材から放熱される。
以上説明したように、本実施形態では、固相−固相の相変化を起こす蓄熱材を用いて蓄熱部20を構成したことが特徴となっている。これにより、蓄熱材は固体の状態を維持して相変化を起こすので、蓄熱材の形状を維持するためのケースを不要にすることができる。したがって、ケースの熱抵抗の影響を低減することができ、ひいては蓄熱部20の巨大化を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、熱貯蔵システムとして蓄熱槽を例に説明する。
図3に示されるように、蓄熱槽30は、一方の配管31を介して本体32の下部に循環水が導入され、本体32の上部から他方の配管33を介して循環水が排出される構成になっている。また、利用水が本体32の下部を出入りする構成になっている。蓄熱槽30の場合、エネルギー変換部10は温水を作る温水器等である。エネルギー源は電気であり、他の形態のエネルギーは熱である。所定の媒体は循環水である。
そして、蓄熱材は、蓄熱槽30の本体32に収容されている。図4に示されるように、蓄熱材40は、ブロック状に構成されている。また、蓄熱材40は、一方向に沿って形成された複数の貫通孔41を有している。すなわち、蓄熱材40は、フロースルーハニカム構造を有して構成されている。複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えば正方配列されている。なお、貫通孔41の開口形状は四角形状に限られず、多角形、円形、楕円形でも構わない。
したがって、蓄熱材40は循環水が外壁面や複数の貫通孔41を通過する際に、循環水の熱を蓄熱したり循環水に放熱したりする。複数の貫通孔41が設けられていることで蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。このため、蓄熱材40の伝熱性を向上させることができる。また、循環水を整流することができるので、設計値通りの蓄熱量を得ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、図5に示されるように、蓄熱材40の複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えば六方格子状に配列されている。これにより、貫通孔41が設けられた蓄熱材40の強度を確保することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第2、第3実施形態と異なる部分について説明する。図6に示されるように、蓄熱材40の複数の貫通孔41は、開口部が蓄熱材40の端面に例えばフィボナッチ状に配列されている。これにより、蓄熱材40の強度と表面積の確保を両立することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第2〜第4実施形態と異なる部分について説明する。図7に示されるように、蓄熱材40は、複数のブロック42が所定の隙間を持って積層されたパックヘッド構造を有している。
ブロック42の形状は、例えば直方体である。なお、ブロック42の形状は、球状(ビーズ状)やレンズ状等でも良い。ブロック42が球状の場合、アスペクト比を調整することで隙間を制御することができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第5実施形態と異なる部分について説明する。図8に示されるように、蓄熱材40は、櫛形のブロック42が組み合わされて構成されている。これにより、蓄熱材40の表面積が大きくなるので、蓄熱材40の伝熱性を向上させることができる。なお、図7に示された一対の櫛形の蓄熱材40を複数並べても良い。
(第7実施形態)
本実施形態では、第2〜第6実施形態と異なる部分について説明する。図9に示されるように、蓄熱材40は、複数のプレート43が所定の隙間を持って配置されたプレート構造を有している。これにより、蓄熱材40を作りやすいというメリットがある。
(第8実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分について説明する。図10に示されるように、蓄熱材40を構成するプレート43は、波状に形成されていても良い。これにより、蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分について説明する。図11に示されるように、蓄熱材40を構成するプレート43は、複数のパンチ穴44が形成されていても良い。これにより、蓄熱材40の表面積を大きくすることができる。また、循環水を隣のプレート43側に移動させることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された熱貯蔵システムの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、熱貯蔵システムは、車両や温水器等に適用される場合に限られない。また、蓄熱材40の形状は上記以外の他の形状を採用しても構わない。
10 エネルギー変換部
20 蓄熱部
40 蓄熱材

Claims (1)

  1. エネルギー源を他の形態のエネルギーに変換し、前記エネルギーの変換と同時に所定の媒体を介して熱を放出するエネルギー変換部(10)と、
    蓄熱モードにおいて前記媒体から熱を貯蔵すると共に、前記蓄熱モードとは異なる放熱モードにおいて前記貯蔵した熱を加熱対象に放出する蓄熱部(20)と、
    を備え、
    前記蓄熱部(20)は、所定温度よりも高い場合に固体の第1相を呈し、前記所定温度以下の場合に固体の第2相を呈する蓄熱材(40)を有して構成されており、
    前記蓄熱材は、前記媒体と相互に熱交換可能であり、前記蓄熱モードにおいて前記媒体から熱を貯蔵すると共に、前記放熱モードにおいて前記貯蔵した熱を放出するようになっており、
    さらに、前記蓄熱材は、複数のパンチ穴(44)が形成されたプレート(43)を有して構成されていることを特徴とする熱貯蔵システム。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007057230A (ja) * 1996-10-30 2007-03-08 Toshiba Corp 極低温用蓄冷材の製造方法,およびそれを用いた熱シールド材の製造方法
JP2015029036A (ja) * 2013-06-27 2015-02-12 ソニー株式会社 電子機器および電子機器の制御方法

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