WO2016113793A1

WO2016113793A1 - 防振装置

Info

Publication number: WO2016113793A1
Application number: PCT/JP2015/005991
Authority: WO
Inventors: 晃教金子
Original assignee: 株式会社ブリヂストン
Priority date: 2015-01-13
Filing date: 2015-12-02
Publication date: 2016-07-21
Also published as: JP2016130537A

Abstract

　防振装置１は、平板状部材を円筒状に巻いてなる外筒部材９と、外筒部材に弾性部材１４を介して連結される内側取付部材１１と、ロッド部３０と、を備え、外筒部材は、平板状部材における外筒部材の周方向両側の端面どうしが対向する、合わせ部６０を有しており、合わせ部のうちの少なくとも一部には、接合が施された接合部６１が形成されており、合わせ部を外筒部材の外周側から観たときに、合わせ部のうち接合部が形成された部分は、少なくとも一部で、外筒部材の軸線方向と交差する方向に延在している。

Description

防振装置

　この発明は、例えば自動車等に用いられる防振装置に関するものである。本願は、２０１５年１月１３日に、日本に出願された特願２０１５－００４２５５号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来の防振装置として、平板材に巻き加工を施して巻回することで巻きパイプとして形成された円筒状の外筒部材（第１円筒部材）と、外筒部材に連結されるロッド部（ブラケット部材）と、外筒部材に圧入保持される第１防振部材と、を備え、平板材における外筒部材の周方向両端の端面どうしが対向する、外筒部材の合わせ部（つなぎ部）が、外筒部材の軸線方向に沿って延在しており、ロッド部の、外筒部材に連結される端面（突き当て部）を、外筒部材の周方向に沿うように指向させた状態で、合わせ部に重なるように外筒部材の外周面に溶接させたものがある（例えば、特許文献１）。

日本国特開2005-299898号公報

　特許文献１に記載の防振装置では、ロッド部の軸線方向での荷重入力に対して、外筒部材の合わせ部近傍に応力が集中することとなるが、外筒部材の合わせ部近傍での耐久性について、改善の余地があった。

　この発明は、外筒部材の耐久性が向上された、防振装置を提供することを目的とするものである。

　この発明の防振装置は、平板状部材を円筒状に巻いてなる外筒部材と、前記外筒部材の内周側に配置され、前記外筒部材に弾性部材を介して連結されるとともに、振動発生部及び振動受け部のうちいずれか一方に連結される、内側取付部材と、前記外筒部材を振動発生部及び振動受け部のうち他方に連結するロッド部と、を備え、前記外筒部材は、前記平板状部材における前記外筒部材の周方向両側の端面どうしが対向する、合わせ部を有しており、前記合わせ部のうちの少なくとも一部には、接合が施された接合部が形成されており、前記合わせ部を前記外筒部材の外周側から観たときに、前記合わせ部のうち前記接合部が形成された部分は、少なくとも一部で、前記外筒部材の軸線方向と交差する方向に延在している。
　この発明の防振装置によれば、外筒部材の耐久性を向上できる。

　この発明の防振装置において、前記合わせ部を前記外筒部材の外周側から観たときに、前記合わせ部は、前記周方向に沿って延在する周方向合わせ部分と、前記周方向合わせ部の一端から前記軸線方向の一方側へ延在する第１軸線方向合わせ部分と、前記周方向合わせ部の他端から前記軸線方向の他方側へ延在する第２軸線方向合わせ部分と、を有しており、前記周方向合わせ部分、前記第１軸線方向合わせ部分、及び前記第２軸線方向合わせ部分には、それぞれ、少なくとも一部で前記接合部が形成されていると、好適である。
　この構成によれば、外筒部材の耐久性をさらに向上できる。

　この発明の防振装置において、前記ロッド部は、前記合わせ部に重なるように前記外筒部材の外周面に連結されており、前記合わせ部のうち前記接合部が形成された部分は、前記ロッド部の外周面よりも外側に配置されており、前記ロッド部における、前記外筒部材の外周面に連結された端部の外周面には、接合が施された他の接合部が形成されていると、好適である。
　この構成によれば、外筒部材の耐久性を向上できるとともに、合わせ部の接合とロッド部の外筒部材側の端部の接合とを一つの工程で行うことができる。

　この発明によれば、外筒部材の耐久性が向上された、防振装置を提供できる。

この発明の防振装置の一実施形態を示す斜視図である。図１の防振装置のブラケットを示す斜視図である。ブラケットの変形例を示す斜視図である。

　以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る防振装置の実施形態を例示説明する。

　図１及び図２は、この発明の防振装置の一実施形態を示している。本実施形態の防振装置１は、車両用のトルクロッドとして構成されており、図１に示すように、第１ブッシュ３１と、第２ブッシュ３２と、第１ブッシュ３１及び第２ブッシュ３２どうしを連結するロッド部３０と、を備えている。

　第１ブッシュ３１は、第１外筒部材９（外筒部材）と、第１外筒部材９の内周面に圧入された中間筒部材１０と、第１外筒部材９及び中間筒部材１０よりも内周側に配置される第１内側取付部材１１（内側取付部材）と、中間筒部材１０の内周面と第１内側取付部材１１の外周面とに加硫接着等により固定された本体弾性体１４と、を備えている。
　本例では、第１内側取付部材１１を、本体弾性体１４及び中間筒部材１０を介して第１外筒部材９に連結しているが、中間筒部材１０を省略して、本体弾性体１４を、第１外筒部材９の内周面と第１内側取付部材１１の外周面とに加硫接着等により固定することで、第１内側取付部材１１を、本体弾性体１４のみを介して第１外筒部材９に連結してもよい。
　第１内側取付部材１１は、本例では円筒状に形成されているが、その他、任意の外周面形状をもつ筒状に形成されてもよいし、あるいは、任意の外周面形状をもって中実に形成されてもよい。

　第２ブッシュ３２は、本例では、第１ブッシュ３１よりも小径である。第２ブッシュ３２は、円筒状の第２外筒部材２２と、第２外筒部材２２の内周側に配置され、第２外筒部材２２に弾性部材２４を介して連結される、円筒状の第２内側取付部材２１と、を備えている。なお、第２ブッシュ３２も、第１ブッシュ３１と同様に、第２外筒部材２２と弾性部材２４との間に第２中間筒部材を備えてもよい。

　第１外筒部材９、ロッド部３０、及び第２外筒部材２２は、互いに溶接により固定されており、ブラケット４０を構成している。

　第１内側取付部材１１は、振動発生部（エンジン等）及び振動受け部（車体等）のうち一方に連結される。一方、第１外筒部材９は、ロッド部３０、第２外筒部材２２、及び第２内側取付部材２１等を介して、振動発生部及び振動受け部のうち他方に連結される。
　なお、本例において、ロッド部３０は、第１ブッシュ３１（より具体的には、第１外筒部材９の外周面）に連結された端部とは反対側の端部が、第２ブッシュ３２に連結されているが、ロッド部３０の、第１ブッシュ３１に連結された端部とは反対側の端部は、第２ブッシュ３２以外の、振動発生部及び振動受け部のうち他方に連結された、任意のものに連結されてもよい。
　ロッド部３０は、例えば車両の前後方向等、車両の任意の方向に延在させてよい。

　なお、以下では、説明の便宜上、第１外筒部材９の中心軸線Ｃ１に沿う方向（以下、「第１外筒部材９の軸線方向」ともいう。）をＺ軸方向とし、ロッド部３０の中心軸線Ｃ２に沿う方向（以下、「ロッド部３０の軸線方向」ともいう。）をＸ軸方向とし、Ｚ軸方向及びＹ軸方向の両方に垂直な方向をＹ軸方向とする。

　図１の例では、第１外筒部材９の軸線方向（Ｚ軸方向）と、第２外筒部材２２の軸線方向とが、互いに垂直であるが、両者は互いに対して任意の方向を向いてよい。

　図１の例において、第１ブッシュ３１は、第１内側取付部材１１を（中間筒部材１０を介して）第１外筒部材９に接続する、図の例ではＹ軸方向両側に一対の、本体弾性体１４に加えて、（中間筒部材１０を介して）第１外筒部材９に固定された、図の例ではＸ軸方向両側の、ストッパ弾性体１５、１６を、さらに備えている。ストッパ弾性体１５、１６は、それぞれ空洞部１７、１８を介して、第１外筒部材９の径方向に、第１内側取付部材１１と対向する。なお、本例において、一対の本体弾性体１４どうしは、互いに一体的に連結されている。
　図１の例では、本体弾性体１４とストッパ弾性体１５、１６とが、中間筒部材１０に固着された薄い弾性体部分を介して繋がって形成されているが、両者は互いに独立して変形可能であり、本体弾性体１４の防振機能は、ストッパ弾性体１５、１６に影響されない。
　ただし、本体弾性体１４は、第１内側取付部材１１を、中間筒部材１０を介して、あるいは中間筒部材１０を介さずに、第１外筒部材９に連結するものである限り、上述のような構成以外の任意の構成を有することができる。

　本例において、ロッド部３０は、円筒状に形成されており、これにより、例えば中実に構成される場合に比べて、コストを下げることができる。ただし、ロッド部３０は、円筒状以外にも、任意の外周面形状をもつ筒状に形成されてもよいし、あるいは、任意の外周面形状をもって中実に形成されてもよい。

　本実施形態において、第１外筒部材９は、鋼板等の平板状部材をロール成形により円筒状に巻いて形成されており、平板状部材における第１外筒部材９の周方向両側の端面どうしが対向（図の例では当接）する、合わせ部６０を有している。合わせ部６０は、第１外筒部材９における、第１外筒部材９の軸線方向の全長にわたって延在している。
　なお、「平板状部材における第１外筒部材９の周方向両側の端面」とは、平板状部材において、ロール成形により互いに対向（又は当接）されることとなる一対の端面を指しているにすぎず、これら一対の端面どうしが互いに対向する方向（合わせ部６０の延在方向にほぼ直交する方向）は、任意の方向でよい。

　本実施形態において、合わせ部６０は、合わせ部６０を第１外筒部材９の外周側から観たときに、合わせ部６０の全長にわたって、第１外筒部材９の軸線方向及び周方向の両方に対して傾斜する方向に、ほぼまっすぐ延在している。このため、本例では、平板状部材における第１外筒部材９の周方向両側の端面どうしが、第１外筒部材９の周方向及び軸線方向の両方に対して傾斜する方向（合わせ部６０の延在方向にほぼ直交する方向）に、互いに対向している。

　また、本例では、ロッド部３０の軸線方向一方側の端面が、合わせ部６０に重なるように、第１外筒部材９の外周面に連結されている。なお、図２の例では、ロッド部３０の中心軸線Ｃ２が、合わせ部６０における、第１外筒部材９の軸線方向及び周方向でのほぼ中心位置を通るように、配置されている。しかし、ロッド部３０の中心軸線Ｃ２は、合わせ部６０における任意の位置を通るように配置されてもよいし、合わせ部６０を通らない位置に配置されてもよい。
　そして、本例において、合わせ部６０のうち、ロッド部３０の外周面よりも外側に延在している部分には、その第１外筒部材９の外周面側に、溶接が施された接合部６１が形成されている。より具体的に、図２の例では、合わせ部６０のうち、接合部６１が形成された部分は、合わせ部６０の延在方向において、ロッド部３０の外周面に対する両側に配置されている。そして、合わせ部６０の延在方向において、ロッド部３０の外周面に対する両側にある接合部６１は、それぞれ、ロッド部３０の外周面から、第１外筒部材９の軸線方向及び周方向に対して傾斜する方向に延在して、第１外筒部材９の軸線方向のそれぞれ対応する端に至る手前で終端している。
　ただし、合わせ部６０のうち、全部又は任意の一部分に、接合部６１を形成してよい。

　図２の例では、ロッド部３０の、第１外筒部材９側の端部の外周面にもまた溶接が施された接合部６２が形成され、当該外周面が、その全周にわたって、第１外筒部材９の外周面と、当該接合部６２により、接合されている。

　また、図２の例では、第２外筒部材２２が、鋼板等の平板状部材をロール成形により略円筒状に巻いて形成されており、合わせ部６３を有している。第２外筒部材２２の合わせ部６３は、その全長にわたって、第２外筒部材２２の軸線方向（Ｙ軸方向）に沿って延在している。ロッド部３０の第２外筒部材２２側の端面は、第２外筒部材２２の合わせ部６３に重なるように、第２外筒部材２２の外周面に連結されている。そして、第２外筒部材２２の合わせ部６３のうち、ロッド部３０の外周面よりも外側に延在している部分のみが、接合部（図示せず）により接合されるとともに、ロッド部３０の、第２外筒部材２２側の端部の外周面が、その全周にわたって、第２外筒部材２２の外周面と、接合部６５により接合されている。

　防振装置１を製造する際には、例えば、まず、平板状部材を略円筒状に巻いて第１外筒部材９を形成する。その後、ロッド部３０の軸線方向一方側の端面を第１外筒部材９の外周面に重ねて、合わせ部６０のうちの少なくとも一部（本例では、合わせ部６０のうち、ロッド部３０の外周面よりも外側に延在している部分のみ）に、溶接が施された接合部６１を形成するとともに、ロッド部３０の、第１外筒部材９側の端部の外周面を、第１外筒部材９の外周面と、溶接により接合して接合部６２を形成する。なお、合わせ部６０の溶接と、ロッド部３０の、第１外筒部材９側の端部の外周面の溶接とを、一つの工程で行うようにすると、好適である。また、第２外筒部材２２側についても、同様にして、平板状部材を略円筒状に巻いて第２外筒部材２２を形成し、その後、ロッド部３０の軸線方向他方側の端面を第２外筒部材２２の外周面に連結して、ブラケット４０を得る。その後、第１外筒部材９の内周面に、第１内側取付部材１１と中間筒部材１０とを本体弾性体１４により連結したものを圧入し、第１ブッシュ３１を得る。また、同様にして、第２外筒部材２２の内周面に、第２内側取付部材２１及び第２弾性部材２４を圧入して、第２ブッシュ３２を得て、防振装置１を得る。
　ただし、防振装置１をその他の方法により製造してもよい。

　本実施形態によれば、第１外筒部材９の合わせ部６０を第１外筒部材９の外周側から観たときに、合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、第１外筒部材９の軸線方向に対して傾斜した方向に延在しているので、例えば合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、第１外筒部材９の軸線方向に沿って延在している場合に比べて、接合部６１の延在長さをより長く確保することができる。これにより、合わせ部６０の接合強度を向上できるとともに、ロッド部３０の軸線方向の荷重入力に対する、合わせ部６０近傍での応力の集中を抑制できる。これにより、本実施形態によれば、第１外筒部材９の耐久性を向上できる。また、第１外筒部材９の耐久性を向上できることにより、第１外筒部材９やロッド部３０の板厚や材質の変更による、防振装置の軽量化及び低コスト化も可能になる。

　また、本例では、ロッド部３０が、合わせ部６０に重なるように、第１外筒部材９の外周面に連結されているとともに、合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、ロッド部３０の外周面よりも外側に配置されているので、ロッド部３０の第１外筒部材９側の端面を、第１外筒部材９の外周面上に盛り上がった接合部６１に重ねることなく、直接、第１外筒部材９の外周面に重ねることができ、これにより、ロッド部３０の第１外筒部材９側の端面を、より隙間無くしっかりと、第１外筒部材９の外周面に固定できる。
　また、本例では、合わせ部６０での接合部６１の形成と、ロッド部３０における、第１外筒部材９側の端部の外周面での接合部６２の形成とを、一工程で行うことができるので、溶接作業を簡易化することができる。

　なお、本例では、合わせ部６０のうち、ロッド部３０よりもロッド部３０の内周側の部分には接合部６１を形成していないが、ロッド部３０よりもロッド部３０の内周側の部分にも接合部６１を形成してもよい。

　本実施形態による上記の効果を確認するために、図２の例のブラケット４０と、比較例のブラケット（図示せず）とについて、解析により性能を評価した。比較例のブラケットは、合わせ部６０を、その全長にわたって、第１外筒部材９の軸線方向に沿って延在させるとともに、合わせ部６０のうち、ロッド部３０の外周面よりも外側に延在している部分に、その第１外筒部材９の外周面側で、接合部６１を形成した点のみ、図２の例のブラケット４０と異なるものとした。そして、図２の例及び比較例の各ブラケットに、それぞれ、同じ大きさの荷重をロッド部３０の軸線方向に入力し、そのときに合わせ部６０近傍に生じた応力を比較した。その結果、図２の例のブラケット４０の合わせ部６０近傍に生じた応力は、比較例のブラケットの合わせ部６０近傍に生じた応力の０．７７倍であった。また、図２の例のブラケット４０の合わせ部６０のほうが、比較例のブラケットの合わせ部６０よりも、接合部６１の延在長さがより長いので、より高い合わせ部６０の接合強度を得ることができた。これにより、図２の例のブラケット４０のほうが、比較例のブラケットよりも、より高い第１外筒部材９の耐久性を得ることができた。

　なお、本実施形態の防振装置１は、上述したものに限られず、様々な変形例も可能である。
　図３は、ブラケット４０の変形例を示しており、図２に対応する図である。図３の例について、図２の例と異なる部分について説明する。図３の例では、第１外筒部材９の合わせ部６０を第１外筒部材９の外周側から観たときに、合わせ部６０が、周方向に沿って延在する周方向合わせ部分６０ａと、周方向合わせ部分６０ａの一端（図３の右側の端）から第１外筒部材９の軸線方向の一方側（図３の上側）へ延在する第１軸線方向合わせ部分６０ｂと、周方向合わせ部分６０ａの他端（図３の左側の端）から第１外筒部材９の軸線方向の他方側（図３の下側）へ延在する第２軸線方向合わせ部分６０ｃと、を有しており、すなわち、略クランク状に延在している。なお、「第１外筒部材９の軸線方向の一方側へ延在する」、「第１外筒部材９の軸線方向の他方側へ延在する」とは、それぞれ、その延在方向が第１外筒部材９の軸線方向と平行である場合に限られず、例えばその延在方向が第１外筒部材９の軸線方向に対して傾斜している場合や、湾曲しながら延在する場合等も含まれる。そして、周方向合わせ部分６０ａ、第１軸線方向合わせ部分６０ｂ、及び第２軸線方向合わせ部分６０ｃには、それぞれ、少なくとも一部（図３の例では、それぞれ一部のみ）で、接合部６１が形成されている。ロッド部３０の軸線方向一方側の端面は、周方向合わせ部分６０ａに重なるように、第１外筒部材９の外周面に連結されている。図３の例では、第１軸線方向合わせ部分６０ｂと第２軸線方向合わせ部分６０ｃとが、それぞれ第１外筒部材９の軸線方向に沿って延在しており、その第１外筒部材９の軸線方向の延在長さがほぼ同じである。ロッド部３０の中心軸線Ｃ２は、周方向合わせ部分６０ａにおける、第１外筒部材９の周方向でのほぼ中心位置を通るように、配置されている。周方向合わせ部分６０ａのうち、接合部６１が形成された部分は、ロッド部３０の外周面よりも外側に配置されている。図３の例によれば、合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、周方向合わせ部分６０ａに沿う部分で、第１外筒部材９の周方向に延在していることから、例えば合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、その全部にわたって、第１外筒部材９の軸線方向に沿って延在している場合に比べて、接合部６１の延在長さをより長く確保することができる。これにより、合わせ部６０の接合強度を向上できるとともに、ロッド部３０の軸線方向の荷重入力に対する、合わせ部６０近傍での応力の集中を抑制でき、第１外筒部材９の耐久性を向上できる。
　なお、周方向合わせ部分６０ａは、その延在方向が第１外筒部材９の周方向に沿う場合に限られず、例えばその延在方向が第１外筒部材９の周方向に対して鋭角をなすように傾斜している場合や、湾曲しながら延在する場合等も含まれる。

　上述した各例に限られず、合わせ部６０を第１外筒部材９の外周側から観たときに、合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分は、少なくとも一部で、第１外筒部材９の軸線方向と交差する方向に延在していればよい。これにより、例えば合わせ部６０のうち接合部６１の形成された部分が、その全部にわたって、第１外筒部材９の軸線方向に沿って延在している場合に比べて、接合部６１の延在長さをより長く確保することができる。これにより、第１外筒部材９の耐久性を向上できる。

　また、ロッド部３０は、合わせ部６０に重ならないように、第１外筒部材９の外周面に連結されてもよい。

　合わせ部６０は、第１外筒部材９の周方向に沿って１０～１６０度の範囲にわたって延在していることが、第１外筒部材９の耐久性向上の観点から好ましい。

　なお、第１外筒部材９の合わせ部６０及び接合部６１と同様の構成を、第２外筒部材２２に適用してもよく、その場合、ロッド部３０の軸線方向での荷重入力に対する、第２外筒部材２２の耐久性の向上も可能となる。

　また、接合部６１、６２、６５は、溶接以外の接合が施されることにより形成されてもよい。

　１：防振装置、　９：第１外筒部材（外筒部材）、　１０：中間筒部材、　１１：第１内側取付部材（内側取付部材）、　１４：本体弾性体（弾性部材）、　１５、１６：ストッパ弾性体、　１７、１８：空洞部、　２１：第２内側取付部材、　２２：第２外筒部材、　２４：第２弾性部材、　３０：ロッド部、　３１：第１ブッシュ、　３２：第２ブッシュ、　４０：ブラケット、　６０、６３：合わせ部、　６０ａ：周方向合わせ部分、　６０ｂ：第１軸線方向合わせ部分、　６０ｃ：第２軸線方向合わせ部分、　６１、６２、６５：接合部

Claims

　平板状部材を円筒状に巻いてなる外筒部材と、
　前記外筒部材の内周側に配置され、前記外筒部材に弾性部材を介して連結されるとともに、振動発生部及び振動受け部のうちいずれか一方に連結される、内側取付部材と、
　前記外筒部材を振動発生部及び振動受け部のうち他方に連結するロッド部と、
を備え、
　前記外筒部材は、前記平板状部材における前記外筒部材の周方向両側の端面どうしが対向する、合わせ部を有しており、
　前記合わせ部のうちの少なくとも一部には、接合が施された接合部が形成されており、
　前記合わせ部を前記外筒部材の外周側から観たときに、前記合わせ部のうち前記接合部が形成された部分は、少なくとも一部で、前記外筒部材の軸線方向と交差する方向に延在している、防振装置。
　前記合わせ部を前記外筒部材の外周側から観たときに、前記合わせ部は、
　前記周方向に沿って延在する周方向合わせ部分と、
　前記周方向合わせ部分の一端から前記軸線方向の一方側へ延在する第１軸線方向合わせ部分と、
　前記周方向合わせ部分の他端から前記軸線方向の他方側へ延在する第２軸線方向合わせ部分と、
を有しており、
　前記周方向合わせ部分、前記第１軸線方向合わせ部分、及び前記第２軸線方向合わせ部分には、それぞれ、少なくとも一部で前記接合部が形成されている、請求項１に記載の防振装置。
　前記ロッド部は、前記合わせ部に重なるように前記外筒部材の外周面に連結されており、
　前記合わせ部のうち前記接合部が形成された部分は、前記ロッド部の外周面よりも外側に配置されており、
　前記ロッド部における、前記外筒部材の外周面に連結された端部の外周面には、接合が施された他の接合部が形成されている、請求項１又は２に記載の防振装置。