WO2016092683A1 - 電力変換器 - Google Patents

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景山 寛
歩 畑中
徹 増田
大地 川村
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    • H02M7/48Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode

Abstract

より正確に損失が最小となるキャリア周波数でのPWM動作を可能にする。PWM信号(PLS)のキャリア周波数(FC)を、キャリア周波数上限(LimH)および下限(LimL)の間において、直流電力の電圧値(VDC)と交流電力の電流値(IAC)によって変化させる。X-Yグラフでキャリア周波数(FC)と直流電力の電圧値(VDC)をそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に上に凸のグラフとなり、X-Yグラフでキャリア周波数(FC)と交流電力の電流値(IAC)をそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に下に凸のグラフとなるように、キャリア周波数(FC)を制御する。

Description

電力変換器
 本発明は電力変換器に関するものである。
 直流電力と交流電力とを変換する電力変換器は多くのパワーエレクトロニクスの分野で使用されている。電力変換器は、一般的に、直流配線から入力される直流電力を交流電力に変換して交流配線に出力するため、または、交流配線から入力される交流電力を直流電力に変換して直流配線に出力するために、スイッチング回路を利用している。パルス信号によってスイッチング回路をスイッチング動作させることで電力変換を行う。パルス信号は、指令値と特定のキャリア周波数のキャリア信号を比較することで得られる。このようなスイッチング素子の動作周波数を一般的にスイッチング周波数と呼ばれる。
 一方、多くの電力変換器においては、交流側に例えばフィルタリング等のためにリアクトル又はトランスなどのインダクタンスを有する機器を設けている。このように、交流側に大きなインダクタンスが設けられていた場合、スイッチング素子のスイッチング損失に対して損失が無視できなくなり、一般の電力変換装置ではスイッチング周波数を低くすれば電力変換器全体の損失が低減されるのであるが、インダクタンスの影響を受けて単にスイッチング周波数を低くしても全体的な損失が低減されるとは限らない。
 そこで、例えば3つの異なるスイッチング周波数を用意しておき、電力変換装置の出力電力に基づいて、出力電力が高くなるにつれて、3つの異なるスイッチング周波数のうちの周波数の高いものから順に切替えて用いる技術が考えつかれた。このような技術は、例えば、WO2014/049779号公報に記載されている。
WO2014/049779号公報
 上記の従来技術は、電力変換装置の出力電力が高くなるにつれて3つの異なるスイッチング周波数のうちの周波数の高いものから低いものへ順に切替えて用いるのであるが、しかしながら、損失の中には、スイッチング素子のスイッチングに係る損失とインダクタンスを流れる電流に影響される損失等が複雑に影響し合って一義的には決められない。また、特に、近年の炭化ケイ素(SiC)半導体を代表とするスイッチング速度の速いデバイスが登場しており、スイッチング損失の影響度合いも変化していることも加わって、上記の従来技術では、十分に電力変換装置の損失の低減を実現できない。すなわち、直流電圧や交流電流が変化した場合に損失が少ない電力変換を行えないという問題があった。
 本発明の目的は、直流電圧や交流電流が変化した場合でも損失が少ない電力変換を行うことができる電力変換装置を提供することにある。
  上記目的を達成するために、本発明では、直流電力を交流電力にあるいは交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、スイッチング回路と、前記スイッチング回路の前記交流電力側に接続された交流リアクトルと、制御指令に基づいて前記スイッチング回路をキャリア周波数に応じて動作させるパルス発生回路とを有し、少なくとも所定の動作範囲で、前記キャリア周波数を、前記直流電力の電圧値が大きくなると大きくなり、前記交流電力の電流値が大きくなると小さくなるように制御するように構成した。
 具体的には、PWM信号のキャリア周波数fcを、キャリア周波数上限および下限の間において、前記直流電力の電圧値VDCと前記交流電力の電流値IACによって変化させ、X-YグラフでfcとVDCをそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に上に凸のグラフとなり、X-YグラフでfcとIACをそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に下に凸のグラフとなるようにキャリア周波数fcを制御するものである。
 さらに、本発明の電力変換器は、PWM信号のキャリア周波数fcを、キャリア周波数fcは、キャリア周波数上限と下限の間において、直流電圧のn/n+1乗に比例し、かつ交流電流の-1/n+1乗に比例するように制御し、nは0より大きく1以下であることとするものである。
 さらに、本発明の電力変換器は、交流リアクトルの鉄損はヒステリシス損失が支配的である交流リアクトルである場合には、キャリア周波数を直流電圧の1/2乗に比例し、かつIACの-1/2乗に比例するように制御するものである。
 さらに、スイッチング回路内部に温度センサを具備しており、前記キャリア周波数上限は前記温度センサが計測するインバータ温度で規定されているものである。
 さらに、本発明の電力変換器は、スイッチング回路が具備するトランジスタおよび還流ダイオードがワイドギャップ半導体であるものである。
 さらに、本発明の電力変換器は、前記スイッチング回路が具備するトランジスタおよび還流ダイオードが炭化ケイ素半導体であるものである。
 さらに、本発明の電力変換器は、太陽電池アレイの直流電力を交流電力に変換する電力変換器であるものである。
 さらに、キャリア周波数fcは、キャリア周波数上限および下限の間において、前記太陽電池アレイの温度と日射量のよって変化され、直流電力の電圧値と交流電力の電流値の値を、太陽電池アレイの温度と日射量から推定するための電圧値および電流値推定回路を具備するものである。
 本発明の電力変換器は、直流電圧や交流電流が変化した場合でも損失が少ない電力変換を行うことができる。
本発明の第一の実施例の構成を表した図である。 本発明の電力変換器のキャリア周波数、VDCおよびIACとの関係を表したグラフである。 本発明が具備する制御装置のもう一つの構成図である。 本発明が具備するルックアップテーブルを表した図である。 本発明が具備するパルス信号発生器の構成図である。 本発明が具備するスイッチング回路、交流リアクトル、フィルタコンデンサの構成図である。 本発明の第二の実施例の構成を表した図である。 太陽電池アレイの電流-電圧特性のグラフである。 概念的な電力変換器の構成を表した図である。
 図1に本発明の電力変換器の第一の実施例を示す。この実施例では、本発明の電力変換器は太陽電池が発生した直流電力を交流電力に変換する電力変換器として使用されている例である。電力変換器1は太陽電池アレイ2が発生する直流電力を入力して交流電力に変換し、交流変圧器3で昇圧して電力系統4へ電力供給している。
 電力変換器1は、電力変換器内部にあるスイッチング回路11と交流リアクトル12、フィルタコンデンサ13がPWM制御されることによって、直流電力配線14を通して入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力配線15を通して出力する。PWM制御のために、制御装置16はキャリア周波数fcを持ったPWMパルス信号PLSを発生してスイッチング回路11に供給している。
 制御装置16には各種センサの情報が入力されている。直流電力配線14には直流電圧センサ17が、交流電力配線15には交流電流センサ18が取り付けられており、それぞれ直流電圧値VDCと交流電流値IACを制御装置16へ供給する。また、スイッチング回路11の内部には、温度センサ19が取り付けられており、スイッチング回路11の内部温度の情報を制御装置16へ供給する。なお、不図示ではあるが、各所の電圧、電流および温度を観測する同様のセンサが複数取り付けられており、その情報は制御装置16へ送られて、本明細書で主題としない各種制御や保護に用いられている。
 ここで、本実施例の考え方を図9の概念図を用いて説明する。電力変換器の性能のひとつに損失がある。損失は損失=入力電力-出力電力で定義され、損失が少ないほど無駄なく入力電力を出力電力に伝えており(高い変換効率)、また、電力変換器での発熱が少なく済んでいる。
 PWMパルス発生器21が発生するパルス信号PLSの周波数はキャリア周波数と呼ばれ、通常、1秒当たりキャリア周波数と同じ回数だけスイッチング回路11内のトランジスタがON/OFFされる。このキャリア周波数は、交流リアクトルに流れるリプル電流量と、スイッチング回路11のスイッチング損失を考慮して適当な値に設定されている場合が多い。リプル電流は、PWM制御によって発生し、交流電流に重畳される不必要な高周波電流(周波数はkHz~MHz程度)電流であり、キャリア周波数を高くすることで、交流リアクトルとフィルタコンデンサによってその電流量が抑制される。一方、スイッチング損失はキャリア周波数と交流電流量に比例して発生する損失であり、キャリア周波数を下げることで抑制される。
 近年、炭化ケイ素(SiC)半導体を代表とする新型スイッチングデバイスの登場により、前述のスイッチング損失が少なくなり、電力変換器の高効率化が進んできている。すると、以前はあまり問題とならなかったスイッチング回路11以外での損失が顕在化してきており、その代表が交流リアクトル12での損失である。交流リアクトル12での損失には、コイルの抵抗に電流が流れることで発生する銅損とよばれる損失や、コアとそのギャップの磁束密度の変化で発生する鉄損とよばれる損失などがある。後者の鉄損は、リプル電流量に比例し、リプル電流量は直流電圧とキャリア周波数に依存する。
 すると、キャリア周波数によって、スイッチング回路11のスイッチング損失と、交流リアクトル12の鉄損の割合が変化することになり、交流電流と直流電圧の状況に応じてキャリア周波数を変更することで、スイッチング回路11のスイッチング損失と交流リアクトル12の鉄損のトータルの損失を最小にすることができる。そのため、キャリア周波数を直流電圧値と交流電流値に従って変更する。
 ここで、直流電圧と交流電流に対して、損失が最小になるキャリア周波数を探すためには、損失=入力電力-出力電力の定義に従い、直流側電力と交流側電力をそれぞれ測定してその差分から求める必要がある。しかしながら、例えば98%以上の高い変換効率になってくると、差分は100%-98%=2%程度しかなくなるために、大きな測定誤差を含みやすく、正確に損失を最小とするキャリア周波数を求めることが難しくなる。
 そこで、スイッチング回路のスイッチング損失特性と、交流リアクトルの鉄損特性とを反映したキャリア周波数を決定することにより、より正確に損失が最小となるキャリア周波数でのPWM動作を可能にしている
 図1において、制御装置16は、PWMパルス発生器21、電圧指令発生器22、演算回路23、24、乗算器25、ゲイン26、リミッタ27を備えている。PWMパルス発生器21は電圧指令発生器22の電圧指令値と、キャリア周波数指令値FCを入力し、キャリア周波数fcのパルス信号PLSを発生する。電圧指令発生器22は、太陽電池アレイ2の電力を最大に取り出すための電力最大点追従(MPPT)制御や、系統の電力安定制御をスイッチング回路11に行わせるために、適切な電圧指令値をPWMパルス発生器に供給する。
 演算回路23、24には、それぞれ直流電圧値VDCと交流電流値IACが入力され、それぞれ、VDCのn/(n+1)乗の値が、IACの-n/(n+1)乗の値がそれぞれ計算される。それらの値を乗算器25で掛け算し、ゲイン26によって定数KでK倍した値がリミッタ27に入力される。
 ところで、スイッチング回路のスイッチング損失は、一般にキャリア周波数fc、交流電流値IAC、直流電圧値VDCに比例し、一方、交流リアクトルの鉄損は、一般にキャリア周波数の-n乗に比例し、直流電圧値VDCの(n+1)乗に比例する。ここでnは交流リアクトルの鉄心材料特性に依存する値であり、0<n≦1の範囲を取り得る。例えば鉄心の損失成分はヒステリシス損失が主である場合にはnは1に近い値であり、渦電流損失が主な場合にはnは0に近い値となる。nの値はあらかじめ交流リアクトルの鉄損特性から取得しておく必要がある。
 電力変換器1のトータルの損失は式1のELossで表すことができる。係数A、Bは比例係数であり、第一項はスイッチング回路11のスイッチング損失、第二項は交流リアクトル12の鉄損を表している。第三項のCはスイッチング回路11と交流リアクトル12のその他の損失であって、キャリア周波数fcに依存しない損失を表している。例えば、スイッチング回路11やリアクトル12の銅通損失などである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 係数Aおよび係数Bは、最低ある一条件での個別のスイッチ回路の損失と、個別の交流リアクトル損失から、取得しておく必要がある。式1において、キャリア周波数fcの増加に対して式1の第一項は増加、一方、第二項は減少することから、式1のfcによる微分式が0となるfcでトータル損失が最小になることになる。式2は式1のfcによる微分式である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
 式2=0となるキャリア周波数fc=fc_OPTとするとfc_OPTは式3で表され、fc=fc_OPTとなるときにトータル損失ELossが最小となる。式3より、トータル損失を最小とするキャリア周波数fc_OPTは、IACの-n/(n+1)乗と、VDCのn/(n+1)乗の積に、定数Kを掛けた値にすればよいことが分かる。ここで、Kは式4で示すとおり前述のA、B、nの値より求まる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
 図1の電力変換器においては、前述のトータル損失を最小にするキャリア周波数fc_OPTを算出し、キャリア周波数指令値FCに出力する機能が図1の演算回路23、24、乗算器25、ゲイン26により実現されている。
 一方、損失の以外の要因のためにキャリア周波数指令値FCにはリミッタが必要である。キャリア周波数を増加させることによってスイッチング回路11のスイッチング損失が増大し、スイッチング回路11の温度が上昇する。スイッチング回路11の温度が限界を超えないようにするため、キャリア周波数指令値FCに上限LimHを設けてキャリア周波数の増加を制限する。また、キャリア周波数を低下させることによってリプル電流が増加するため、キャリア周波数指令値FCに下限LimLを設けてリミッタ27によってリプル電流が規定内に収まるようにキャリア周波数の低下を制限する。
 また、スイッチング回路11の温度は、キャリア周波数だけでなく、外気温度など別の要因でも変化するため、スイッチング回路11の内部に温度センサ19設け、その温度情報に応じてLimHの値を更新している。
 リミッタ27から出力されたキャリア周波数指令値FCは、PWMパルス発生器21に供給され、PWMパルス発生器21はキャリア周波数指令値FCに従って、キャリア周波数fcを持ったパルス信号PLSを発生する。
 パルス信号PLSのキャリア周波数fcの値と、直流電圧値VDCおよび交流電流値IACとの関係を表したグラフを図2(a)および(b)に示す。キャリア周波数fcは直流電圧値VDCと交流電流値IACの2元の関数であるため、VDCに対する関係を図2(a)に、 IACに対する関係を図2(b)に分けて表している。図2(a)において、キャリア周波数fcは直流電圧値VDCに対して、リミット値LimHとLimLの間において、上に凸のカーブの特性となる。一方、図2(b)において、キャリア周波数fcは交流電流値IACに対して、リミット値LimHとLimLの間において、下に凸のカーブの特性となる。これは0<n≦1である交流リアクトルにおいて実現される。例えば、n=1の条件では、図2(a)の特性カーブは、fc=VDC^(1/2)となるため、上に凸のカーブとなり、図2(b)の特性カーブは、fc=VDC^(-1/2)となるため、下に凸のカーブとなる。図2(a)および(b)の特性カーブに従って、パルス信号PLSのキャリア周波数fcを変えたPWM制御を行うことで、式1に示したトータル損失が最小となる電力変換を行うことができる。
 図3に制御装置16の別の構成例を示す。制御装置はPWMパルス発生器31、電圧指令発生器32、テーブル33、リミッタ34を備えている。PWMパルス発生器21は電圧指令発生器22の電圧指令値と、キャリア周波数指令値FCを入力し、キャリア周波数fcのパルス信号PLSを発生する。電圧指令発生器23およびリミッタ34は、図1に示した電圧指令発生器22とリミッタ27とそれぞれ同じ機能を持っている。
 テーブル33は、図4に示すように、あらかじめ式3に基づいて、直流電圧VDCと交流電流IACに対するfc_OPTの値が2次元配列として設定されているルックアップテーブルである。テーブル33は入力された直流電圧VDCと交流電流IACの値に対応するfc_OPTの値を読み出して出力する。図3のように制御装置16にテーブルを使用することで、図2の特性カーブは量子化誤差によって階段状になるが、図4のテーブルを十分大きなサイズとすることで、特性カーブはなめらかなで連続的なカーブととみなすことができる。
 図5にPWMパルス発生器21の構成を示す。PWMパルス発生器21は3つの比較ブロック51、52、53と、アップダウンカウンタ54を備えている。制御装置16の内部クロックφを同期クロックとして、キャリア周波数指令値FCに従って、アップダウンカウンタ54はキャリア周波数fcの三角波信号を発生させる。比較ブロック51~53はコンパレータ55、56を備えており、電圧指令発生器22が供給するU相、V相、W相の電圧指令値U*、V*、W*と三角波信号を比較する。その結果、電圧指令値に比例したパルス幅をもつパルス信号PLSが生成される。パルス信号PLSは2値の論理信号であり、Hレベルの時にスイッチ素子をONにし、Lレベルの時にOFFするという指令である。また、コンパレータ55と56は同タイミングでH/Lレベル切り替わるが、その際にON状態がオーバーラップすることを回避するために、切り替わりタイミングで一定時間、コンパレータ55と56の両方の出力をLレベルとするためのデッドタイム生成回路57、58が設けられている。
 図6にスイッチング回路11、交流リアクトル12、フィルタコンデンサ13の構成を示す。スイッチング回路11は、トランジスタ61a~f、還流ダイオード62a~f、ゲートドライバ63a~f、DCコンデンサ64を備えている。また、交流リアクトル12はU相、V相、W相の各相に3つのリアクトル65を、フィルタコンデンサはU-V相、V-W相、W-U相間に3つの相間コンデンサを備えている。ゲートドライバ63a~fは、パルス信号PLSを入力して、その論理状態に従ってトランジスタ61a~fのON/OFF制御を行う。トランジスタ61a~fのON/OFF比率を変えることでPWM制御を行う。すると、直流電力配線14のP、N配線に供給される直流電力は、リアクトル65、コンデンサ66によって、交流電力に変換され、交流電力配線15のU、V、W配線に交流電力として出力される。
 トランジスタ61a~fと、還流ダイオード62a~fにはシリコン半導体の他に、炭化ケイ素(SiC)半導体を代表とするワイドギャップ半導体を使用することができる。ワイドギャップ半導体を用いることで、スイッチング損失および導通損失を低減することが可能となり、スイッチング回路11の損失を低減し、電力変換器1の変換効率を向上する。
 本発明の第一の実施例は、太陽電池アレイの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を例としているが、直流電圧が変化する場合の用途で有れば太陽電池アレイ以外の直流電力源に接続してもかまわない。
 また、本発明の第一の実施例は、直流電力が入力電力、交流電力が出力電圧としたインバータを例としているが、電流方向を逆向きにすることで交流電力が入力電力、直流電力が出力電圧としたコンバータであっても適用可能である。
 また、本発明の第一の実施例では、直流電圧値VDCおよび交流電圧値IACによってのみキャリア周波数を変更しているが、それ以外の要素によってキャリア周波数を有る程度変更してもかまわない。例えば、キャリア周波数のスペクトル分散のために、ランダムにキャリア周波数を揺らぐように制御することが考えられる。
 図7に本発明の電力変換器の第二の実施例を示す。電力変換器71は太陽電池アレイ72が発生する直流電力を入力して交流電力に変換し、交流変圧器73で昇圧して電力系統74へ電力供給している。
 電力変換器71は、電力変換器内部にあるスイッチング回路81と交流リアクトル82、フィルタコンデンサ83がPWM制御されることによって、直流電力配線84を通して入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力配線85を通して出力する。PWM制御のために、制御装置86はキャリア周波数fcを持ったPWMパルス信号PLSを発生してスイッチング回路81に供給している。
 電力変換器71は直流電力配線84の直流電圧値VDCと、交流電力配線85の交流電流値IACを推定するためのVDC・IAC推定回路87が備えられている。VDC・IAC推定回路87には、太陽電池アレイ71に取り付けられた温度計88が測定した温度情報TEMPと、屋外に設置された日射計89が測定した日射情報IRADが入力されている。VDC・IAC推定回路87は温度情報TEMPと日射情報IRADを基に入力電流IACを推定して制御装置86に供給する。制御装置86は、実施例1の制御装置16と同様に太陽電池アレイの最大電力点追従(MPPT)制御を行うとともに、VDC、IAC情報に基づいて、スイッチング回路81と交流リアクトル82のトータル損失を最小にするためのキャリア周波数fcの決定を行っている。
 図8は太陽電池アレイ72の直流電圧値VDCと直流電流値IDCの関係を表したグラフの例である。この例は最も一般的な太陽電池であるシリコン結晶型太陽電池に該当する例である。図8(a)は太陽電池アレイ72の温度が変化した場合の特性カーブの変化を表している。温度が変化すると、MPPT制御によって動作点は高温時にはPmax1、低温時にはPmax2へと変化する。このとき、直流電圧値VDCがそれぞれVDC1、VDC2と変化するため、温度情報TEMPから直流電圧値VDCを推定することができる。また、図8(b)は日射量が変化した場合の特性カーブの変化を表している。日射量が変化すると、MPPT制御によって動作点は日射が強い時にはPmax3、日射が弱い時にはPmax4へと変化する。このとき、直流電流値IDCがそれぞれIDC1、IDC2と変化するため、日射情報IRADから直流電流値IDCを推定することができる。電力変換器71の変換効率が高い場合、直流電力≒交流電力となるため、交流電流値IAC=IDC×{VDC/(√3×VAC×cosθ)}で求めることができる。ここでVACは交流電圧値、θは力率である。
 以上の推定された直流電圧値VDCおよび交流電流値IACに従ってパルス信号PLSのキャリア周波数fcを変えたPWM制御を行うことで、式1に示したトータル損失が最小となる電力変換を行うことができる。
 また、図7に示した温度センサ88および日射系89は複数の電力変換器71に対して共通に使用することができる。
VDC…直流電圧値、IAC…交流電流値、PLS…パルス信号、FC…キャリア周波数指令値、LimH…キャリア周波数上限値、LimL…キャリア周波数下限、1…電力変換器、2…太陽電池アレイ、3…交流変圧器、4…系統、11…スイッチング回路、12…交流リアクトル、13…フィルタコンデンサ、14…直流電力配線、15…交流電力配線、16…制御装置、17…直流電圧センサ、18…交流電流センサ、19…温度センサ、21…PWMパルス発生器、22…電圧指令発生器、23、24…演算回路、25…乗算器、26…ゲイン、27…リミッタ、28…リミッタ上限、31…PWMパルス発生器、32…電圧指令発生器、33…テーブル、34…リミッタ、51~53…比較ブロック、54…アップダウンカウンタ、55、56…コンパレータ、57、58…デッドタイム生成回路、61a~f…トランジスタ、62a~f…還流ダイオード、63a~f…ゲートドライバ、64…直流コンデンサ、65…リアクトル、66…相間コンデンサ、71…電力変換器、72…太陽電池アレイ、73…交流変圧器、74…系統、81…スイッチング回路、82…交流リアクトル、83…フィルタコンデンサ、84…直流電力配線、85…交流電力配線、86…制御装置、87…VDC・IAC推定回路、88…温度計、89…日射計、111…スイッチング回路、112…交流リアクトル、113…フィルタコンデンサ、114…PWMパルス発生器、115…パルス信号、116…直流電力配線、117…交流電力配線

Claims (11)

  1.  直流電力を交流電力にあるいは交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、スイッチング回路と、前記スイッチング回路の前記交流電力側に接続された交流リアクトルと、制御指令に基づいて前記スイッチング回路をキャリア周波数に応じて動作させるパルス発生回路とを有し、少なくとも所定の動作範囲で、前記キャリア周波数を、前記直流電力の電圧値が大きくなると大きくなり、前記交流電力の電流値が大きくなると小さくなるように制御することを特徴とする電力変換装置。
  2.  請求項1において、キャリア周波数上限および下限の間において動作することを特徴とする電力変換装置。
  3.  請求項1において、X-Yグラフで前記キャリア周波数と前記直流電力の電圧値をそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に上に凸のグラフとなり、X-Yグラフで前記キャリア周波数と前記交流電力の電流値をそれぞれY軸、X軸として関係を表した時に下に凸のグラフとなるようにキャリア周波数を制御することを特徴とする電力変換器。
  4.  請求項1において、前記キャリア周波数は、前記直流電力の電圧値のn/n+1乗に比例し、かつ、前記交流電力の電流値の-1/n+1乗に比例するように制御され、nは0より大きく1以下であることを特徴とする電力変換装置。
  5.  請求項1において、前記交流リアクトルの鉄損はヒステリシス損失が支配的である交流リアクトルであって、前記キャリア周波数は、前記直流電力の電圧値の1/2乗に比例し、かつ、前記交流電力の電流値の-1/2乗に比例するように制御されることを特徴とする電力変換装置
  6.  請求項2において、前記スイッチング回路内部に温度センサを具備しており、前記キャリア周波数上限は前記温度センサが計測する温度情報で規定されていることを特徴とする電力変換装置
  7.  請求項1において、前記スイッチング回路が具備するトランジスタおよび還流ダイオードがワイドギャップ半導体であることを特徴とする電力変換装置。
  8.  請求項2において、前記スイッチング回路が具備するトランジスタおよび還流ダイオードが炭化ケイ素半導体であることを特徴とする電力変換装置。
  9.  請求項1において、太陽電池アレイの直流電力を交流電力に変換する電力変換器であることを特徴とする電力変換装置。
  10.  請求項1において、前記直流電力の電圧値VDCと前記交流電力の電流値IACの値を、太陽電池アレイの温度と日射量から推定するための電圧値および電流値推定回路を具備することを特徴とする電力変換装置。
  11.  前記スイッチング回路の交流電力側に交流リアクトルが接続された電力変換装置の制御方法であって、少なくとも所定の動作範囲でキャリア周波数を、前記電力変換装置の直流電力の電圧値が大きくなると大きくなり、前記電力変換装置の交流電力の電流値が大きくなると小さくなるように制御し、前記キャリア周波数に応じて制御指令に基づいてスイッチング回路を動作させ、直流電力を交流電力にあるいは交流電力を直流電力に変換する電力変換装置の制御方法。
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