WO2016063579A1

WO2016063579A1 - プレスブレーキの金型着脱交換方法及び金型収納装置

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Publication number: WO2016063579A1
Application number: PCT/JP2015/069235
Authority: WO
Inventors: 佐藤　正昭
Original assignee: 株式会社アマダホールディングス
Priority date: 2014-10-24
Filing date: 2015-07-03
Publication date: 2016-04-28
Also published as: US20170297073A1; EP3210683A1; EP3210683B1; JP2016083673A; JP5947861B2; EP3210683A4; US10556262B2

Abstract

　金型収納装置（１）は、プレスブレーキ（３）の側方に配置されている。金型収納装置（１）内で、下型ホルダ支持部材（３３Ｌ，３３Ｒ）より下型ホルダ（１０５）を持上げて前側又は後側へ移動させ、下型ホルダ（１０５）の左右方向の両端側を、下型ホルダ支持部材（３３Ｌ，３３Ｒ）に形成した凹部（１１７）を通過させて下降させる（工程（ａ））。下降させた下型ホルダ（１０５）を前方向へ搬送して、下部テーブル（１３）における下型装着部（１１）と同一高さに位置決めする（工程（ｂ））。下型ホルダ（１０５）に保持されている下型（１０３）を、金型交換装置（１９Ｌ）によって下型装着部（１１）へと移送して下部テーブル（１３）に装着する（工程（ｃ））。工程（ｃ）、工程（ｂ）、工程（ａ）の逆動作を行って、下部テーブル（１３）に装着されている下型（１０３）を金型収納装置（１）内に戻す（工程（ｄ））。

Description

プレスブレーキの金型着脱交換方法及び金型収納装置

　本開示は、プレスブレーキに対して金型の着脱交換を行う金型着脱交換方法及び金型収納装置に関する。

　プレスブレーキにおける上下のテーブルに対して、金型としての上型、下型の着脱交換を行う構成としては、交換すべき複数の金型を収納した金型収納装置をプレスブレーキの側方位置に配置する構成が一般的である。
　金型収納装置は、上型を保持する左右方向に長い複数の上型ホルダを前後方向に並列して備え、下型を保持する左右方向に長い複数の下型ホルダを前後方向に並列して備えている。
　金型収納装置は、所望の上型ホルダをプレスブレーキにおける上部テーブルの側方位置に位置決めし、所望の下型ホルダを、プレスブレーキにおける下部テーブルの側方位置に位置決めする（例えば特許文献１，２参照）。

特開２００３－７１５１９号公報特許第４６７２８６８号公報

　特許文献１に記載の構成は、プレスブレーキの側方に配置した金型収納装置が、複数の金型ホルダを支持した筐体を前後方向に移動させて、所望の金型ホルダをプレスブレーキにおける上下のテーブルの側方位置へ位置決めする構成である。したがって、筐体を前後方向に案内するガイドは、上下のテーブルから前方向に大きく突出する。

　特許文献２に記載の構成は、上型を保持する左右方向に長い複数の上型ホルダを前後方向に並列して支持した格納フレームを前後方向に不動状態に備えている。しかし、下型を保持する下型ホルダを前後方向に並列して支持したスライド枠は、ガイドレールに前後方向へ移動自在に支持されている。

　複数の金型ホルダを前後方向に並列して支持したスライド枠を前後方向に移動する構成においては、スライド枠を前後方向に案内するためのガイドレールが、プレスブレーキにおける上下のテーブルから前方向に大きく突出する。
　したがって、プレスブレーキの前側に左右方向に長いガイドレールを敷設して、プレスブレーキに対してワークの供給、折曲げ加工した製品を所望位置へ搬出する産業用ロボットを配置する構成においては、産業用ロボットが前後方向のガイドレールと干渉することがあり、産業用ロボットの動作範囲が制約を受けて自由度が制限されることがある。

　実施形態の第１の態様によれば、（ａ）プレスブレーキの側方に配置した金型収納装置内において所望の下型を保持する下型ホルダを、複数の下型ホルダを前後方向に並列して支持した下型ホルダ支持部材より持上げて前側又は後側へ移動させ、前記下型ホルダの左右方向の両端側を、前記下型ホルダ支持部材に形成した凹部を通過させて下降させる工程、（ｂ）下降させた前記下型ホルダを前方向へ搬送して、前記プレスブレーキにおける下部テーブルにおける下型装着部と同一高さに位置決めする工程、（ｃ）前記下型ホルダに保持されている下型を、金型交換装置によって前記下型装着部へと移送して前記下部テーブルに装着する工程、（ｄ）前記工程（ｃ）、前記工程（ｂ）、前記工程（ａ）の逆動作を行って、前記下部テーブルに装着されている下型を前記金型収納装置に戻す工程、を含むことを特徴とするプレスブレーキの金型着脱交換方法が提供される。

　上記のプレスブレーキの金型着脱交換方法において、前記複数の下型ホルダにおける前後に近接した２つの下型ホルダがグループ化されており、前記工程（ａ）で、グループ化された２つの下型ホルダにおける前側の下型ホルダを持上げたときには前側へ移動させ、後側の下型ホルダを持上げたときには後側へ移動させて、前記前側又は前記後側の下型ホルダを、前記凹部を通過させて下降させるように構成してもよい。

　実施形態の第２の態様によれば、プレスブレーキにおける上部テーブルに備えられた上型装着部へ装着する上型を着脱交換可能に保持する複数の上型ホルダを前後方向に並列して支持する上型ホルダ支持部材と、所望の上型ホルダを前記上型ホルダ支持部材から持上げて前方向へ搬送して、前記上型装着部の側方位置へ前記上型ホルダを位置決め自在な上型ホルダ搬送機構と、前記プレスブレーキにおける下部テーブルに備えられた下型装着部へ装着する下型を着脱交換可能に保持する複数の下型ホルダを前後方向に並列して支持する下型ホルダ支持部材と、所望の下型ホルダを前記下型ホルダ支持部材から持上げて前方向へ搬送して、前記下型装着部の側方位置へ前記下型ホルダを位置決め自在な下型ホルダ搬送機構とを備え、前記下型ホルダ支持部材は、前記下型ホルダにおける左右方向の両端側を支持する支持部の前側又は後側に、前記下型ホルダの左右方向の両端側が上下に通過自在な凹部を備えていることを特徴とする金型収納装置が提供される。

　上記の金型収納装置において、前記複数の下型ホルダにおける前後に近接した２つの下型ホルダがグループ化されており、前記下型ホルダ支持部材は、グループ化された２つの下型ホルダにおける左右方向の両端側を支持する支持部と、前記指示部の前側又は後側に、前記下型ホルダにおける左右方向の両端側が上下に通過自在な凹部を備えている構成としてもよい。

　上記の金型収納装置において、前記上型ホルダ支持部材の後側に配置され、前記上型ホルダに対して上型の着脱交換を行うための上型着脱ステーションと、前記下型ホルダ支持部材の後側に配置され、下型ホルダに対して下型の着脱交換を行うための下型着脱ステーションとをさらに備えていることが好ましい。

　上記の金型収納装置において、前記上型ホルダは前後指示具を有し、前記上型ホルダ搬送機構は、前記上型ホルダを保持する上型ホルダ保持部材と、前記上型ホルダの前後を反転するために前記上型ホルダ保持部材を水平に旋回させる旋回機構とを備え、前記上型ホルダ保持部材は、前記前後指示具を検出する前後検出機構を有することが好ましい。

　上記の金型収納装置において、前記上型ホルダは、左右方向の両端側に位置決めピンを有し、前記上型ホルダ保持部材は、左右方向の両端側に、前記位置決めピンに係合可能なセンタリング機構を有することが好ましい。

　実施形態によれば、プレスブレーキにおける側方に配置した金型収納装置が、プレスブレーキにおける上下のテーブルよりも前側に突出することなく、上下のテーブルの後側において金型の着脱交換を行うことができる。したがって、プレスブレーキの前側に左右方向へ移動自在な産業用ロボットを配置する場合、産業用ロボットの自由度を大きくすることができる。

図１は、第１の実施形態に係る金型収納装置をプレスブレーキの側部に配置した構成を示す斜視図である。図２は、金型収納装置の側断面図である。図３は、上型ホルダ搬送機構と上型ホルダとの関係を示す動作説明図である。図４は、上型ホルダ搬送機構と上型ホルダとの関係を示す動作説明図である。図５は、上型ホルダ搬送機構と上型ホルダとの関係を示す動作説明図である。図６は、上型を保持した上型ホルダの斜視図である。図７は、上型を保持した上型ホルダの正面図である。図８は、上型ホルダ保持部材の構成を示す底面図である。図９は、上型ホルダ保持部材の構成を示す底面図である。図１０は、上型ホルダにおける左側のセンタリング機構を示す斜視図である。図１１は、上型ホルダにおける右側のセンタリング機構を示す斜視図である。図１２Ａは、ガイドレール延伸部において上型ホルダの左端側を支持する構成を示す斜視図である。図１２Ｂは、ガイドレール延伸部において上型ホルダの右端側を支持する構成を示す斜視図である。図１３は、下型ホルダ支持部材の構成を示す斜視図である。図１４は、下型ホルダ搬送機構（上型ホルダ搬送手段）によって下型ホルダを搬送する動作を示す正面図である。図１５は、下型ホルダ搬送機構（下型ホルダ搬送手段）によって下型ホルダを搬送する動作を示す正面図である。図１６は、下型ホルダ支持部材から下型ホルダを持上げた状態を示す斜視図である。図１７は、下型ホルダをガイドレール延伸部の前側へ搬送した状態を示す斜視図である。図１８は、下型ホルダ支持部材の第２の実施形態を示す斜視図である。図１９は、下型ホルダ支持部材の第２の実施形態を示す斜視図である。図２０は、下型ホルダをグループ化して支持した状態を示す側面図である。

　図１，２を参照するに、第１の実施形態に係る金型収納装置１は、プレスブレーキ３の左右方向（Ｘ軸方向）の側方に配置してある。プレスブレーキ３は、特許文献２に記載のプレスブレーキと同様の構成である。金型収納装置１によって金型の着脱交換を行う構成の理解を容易にするために、プレスブレーキ３の主要な構成について概略的に説明する。

　プレスブレーキ３は、一般的なプレスブレーキと同様に、Ｃ形状の左右のサイドフレーム５Ｌ，５Ｒを備えており、このサイドフレーム５Ｌ，５Ｒの前側は、剛性の大きなタイロッドに相当する左右の主柱７Ｌ，７Ｒに配置してある。主柱７Ｌ，７Ｒは、サイドフレーム５Ｌ，５Ｒにおける撓みの影響の少ない部分に連結してある。
　主柱７Ｌ，７Ｒの上部には左右方向に長い上部ビーム部材９Ｕの左右両端部が一体的に連結してあり、主柱７Ｌ，７Ｒの下部には、左右方向に長い下部ビーム部材９Ｌの左右両端部が一体的に連結してある。すなわち、左右の主柱７Ｌ，７Ｒと上下のビーム部材９Ｕ，９Ｌは四角形状の枠体に組合せてある。

　サイドフレーム５Ｌ，５Ｒの前側下部には、下型を着脱交換自在な下型装着部１１を上部に備えた下部テーブル１３が一体的に備えられている。サイドフレーム５Ｌ，５Ｒの前側上部には、下部テーブル１３と上下に対向した上部テーブル１５が上下動可能に備えられている。上部テーブル１５には、下型と協働してワークの折曲げ加工を行う上型を着脱交換自在な上型装着部１７が備えられている。

　上部テーブル１５及び下部テーブル１３には、上型装着部１７、下型装着部１１に対して上型、下型の着脱交換を行うための上下の金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌ（図２参照）が左右方向へ移動位置決め自在に備えられている。
　すなわち、金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌは、特許文献２に記載の金型交換装置と同様の構成であって、上下のテーブル１５，１３に備えた左右方向のガイドレールに沿って移動自在なものである。
　上下の金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌが金型収納装置１の前側へ移動可能なように、上下のガイドレールには、金型収納装置１の前側に延伸したガイドレール延伸部２１Ｕ，２１Ｌが備えられている。

　したがって、上下の金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌは、上下のテーブル１５，１３の後側の位置から金型収納装置１の前側の位置に亘って左右方向に移動自在である。なお、上下の金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌは、特許文献２に記載されているように、既に公知であるから、上下の金型交換装置１９Ｕ，１９Ｌの詳細についての説明は省略する。

　金型収納装置１は、ベースフレーム２３に立設した複数の支柱２５の上部に、左右一対の前後方向のガイド部材２７Ｌ，２７Ｒを備えた構造であって、全体的構成を枠体２９に構成してある。
　枠体２９内におけるガイド部材２７Ｌ，２７Ｒの下方位置には前後方向に長い左右一対の上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒ（図２，３参照）が枠体２９に一体的にかつ水平に備えられている。
　上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒの下方位置には、前後方向に長い左右一対の下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒが水平にかつ一体的に備えられている。

　左右の上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒ上には、複数の位置決めピン３５（図３参照）が前後方向（図３において紙面に垂直な方向）に所定間隔を保持して立設してある。各位置決めピン３５には、上型ホルダ３７の左右両端側が係合支持されている。

　上型ホルダ３７は、例えば分割上型などの上型３９を着脱交換可能に保持するもので、上型ホルダ３７には、上型３９を上下方向及び左右方向（Ｘ軸方向）に着脱可能なように、下側に開口しかつ左右方向に長い金型装着溝４１が備えられている。なお、上型３９は、金型交換装置１９Ｕに備えられた金型保持部（図示省略）を挿通自在の挿通孔３９Ｈを備えた構成であって、特許文献２に記載の分割金型と同一構成である。
　また、上型ホルダ３７において上型３９を着脱交換自在に支持する金型装着溝４１の構成は、特許文献２に記載の交換上型支持部材の構成と同一である。したがって、上型ホルダ３７に対して上型３９を着脱する構成及び上型３９についての詳細な説明は省略する。

　上型ホルダ３７の左右両端側の上面には、位置決めピン３５が上下に挿通可能な位置決め孔４３Ｈ（図６参照）を備えた位置決め部材４３が一体的に固定してある。
　左右両端側の位置決め部材４３のうち、図６，７における右側の位置決め部材４３に形成した位置決め孔４３Ｈは左右方向に長い長孔に形成してある。左右両端側の位置決め部材４３のうち、左側の位置決め部材４３に形成した位置決め孔４３Ｈは、位置決めピン３５の径よりも僅かに大径の丸穴（位置決め穴）に形成してある。

　したがって、上型ホルダ３７における左右の位置決め部材４３に備えられた位置決め孔４３Ｈと位置決めピン３５とを係合すると、左右の上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒに対して、上型ホルダ３７は前後方向及び左右方向の移動を規制されて、正確な位置に位置決めされた状態に支持される。

　左右の位置決め部材４３上には、左右の位置決めブロック４５Ｌ，４５Ｒがそれぞれ一体的に固定してある。位置決めブロック４５Ｌ，４５Ｒの前後両面にはローラ４７が備えられている。
　また、位置決めブロック４５Ｌ，４５Ｒの上面で前後方向の中央位置には、左右の位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒが立設してある。左右の位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒは、高さ寸法が異なっており、後述する前後指示具を兼ねると共に、後述する上型ホルダ搬送機構によって上型ホルダ３７を搬送する際に、上型ホルダ搬送機構の前後方向の中心位置と上型ホルダ３７の前後方向の中心位置とを一致させるためのセンタリング機能とを兼ねている。

　左右の上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒに左右両端側を支持された所望の上型ホルダ３７を持上げて、上部テーブル１５に備えられたガイドレール延伸部２１Ｕの位置へ搬送するために、枠体２９の上部には、上型ホルダ搬送機構５１（図３参照）が前後方向へ移動自在に備えられている。

　より詳細には、ガイド部材２７Ｌ，２７Ｒの上面には前後方向のガイドレール５３Ｌ，５３Ｒが備えられており、ガイドレール５３Ｌ，５３Ｒには、左右のスライダ５５Ｌ，５５Ｒが移動自在に支持されている。左右のスライダ５５Ｌ，５５Ｒには左右方向に長いビーム部材５７の両端側が一体的に固定してある。
　一方のスライダ５５Ｒには、上型ホルダ搬送機構５１を前後方向へ移動位置決めするためのサーボモータ５９が装着してあり、サーボモータ５９によって回転されるピニオン（図示省略）は、ガイド部材２７Ｒに備えられた前後方向のラック６０に噛合している。

　したがって、制御装置（図示省略）の制御の下にサーボモータ５９の回転を制御することにより、上型ホルダ搬送機構５１を前後方向に移動位置決めすることができるものである。

　ビーム部材５７の左右方向の中央部には、上型ホルダ３７を保持自在な上型ホルダ保持部材６１が上下動自在に備えられている。すなわち、ビーム部材５７の中央部には、モータブラケット６３が備えられており、モータブラケット６３には、ボールネジ機構（図示省略）におけるボールナット（図示省略）を回転するためのサーボモータ６５が装着してある。
　モータブラケット６３に回転自在に備えられたボールナットには、ボールネジ６７が上下動自在に螺合貫通している。

　ボールネジ６７の下端部は、上型ホルダ保持部材６１の左右方向の中央部に一体的に連結してある。ボールネジ６７の回転を規制するために、ボールネジ６７には上下方向のキー溝６７Ｋが形成してある。
　ボールネジ６７には、モータブラケット６３の下部に回転自在に備えられたプーリ６９（図８参照）が上下動自在に貫通しており、プーリ６９の内周面に突出して備えたキー（図示省略）がキー溝６７Ｋに相対的に上下動自在に係合している。プーリ６９は、モータブラケット６３に装着したサーボモータ７１と連動連結している。

　上記構成により、サーボモータ７１を停止してボールネジ６７の回転を規制した状態にあるときに、サーボモータ６５を駆動してボールナットを回転することにより、上型ホルダ保持部材６１は上下動されることになる。また、サーボモータ７１を駆動することによりボールネジ６７を軸心回りに水平に回動することができ、上型ホルダ保持部材６１の前後を反転することができる。
　すなわち、サーボモータ６５，７１の回転を適宜に制御することにより、上型ホルダ保持部材６１を上下動することができ、上型ホルダ保持部材６１を水平に旋回して前後の反転を行うことができる。サーボモータ７１は、上型ホルダ保持部材６１を水平に旋回させる旋回機構として機能する。

　上型ホルダ保持部材６１で上型ホルダ３７を保持するために、上型ホルダ保持部材６１は次のように構成してある。
　すなわち、図８，９に底面図で示すように、上型ホルダ保持部材６１に備えた左右方向に長い天板７３の前後両側には、左右方向に長い側板７５Ａ，７５Ｂが垂直に一体的に取付けてある。一方の側板７５Ｂの内側面には、例えば流体圧シリンダなどのごとき往復動アクチュエータ７７が左右方向へ移動可能に備えられている。

　往復動アクチュエータ７７に往復動自在に備えられたピストンロッドなどのごとき往復作動杆７９には、天板７３の下面の一端側に長手方向（図８，９において左右方向）へ移動自在に支持されたスライド板８１Ａが一体的に連結してある。往復動アクチュエータ７７には、天板７３の下面の他端側に長手方向へ移動自在に備えられたスライド板８１Ｂが一体的に備えられている。
　スライド板８１Ａ，８１Ｂの先端側には、上型ホルダ３７の両端側に備えられたローラ４７の下側へ入り込み自在な一対のローラ係合ブラケット８３（図８～図１１参照）が備えられている。
　スライド板８１Ａ，８１Ｂの先端には、上型ホルダ３７の両端側に備えられた位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒと係合自在なＶ形状の係合凹部８５Ｃを備えたセンタリングブロック８５が一体的に備えられている。
　センタリングブロック８５に立設したガイドピン８６（図１０参照）を、天板７３に備えた長手方向のガイド孔７３Ｈに移動自在に挿通することにより、センタリングブロック８５は左右方向に案内されている。

　また、側板７５Ａの両端部には、センサブラケット８７Ａ，８７Ｂが取付けてある。センサブラケット８７Ａ，８７Ｂには、位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒを検出する近接センサなどのごときセンサ８９Ａ，８９Ｂが備えられている。位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒは、高さ寸法を異にしてあることによって、前後指示具を兼ねる。センサ８９Ａ，８９Ｂは、位置決めピン（前後指示具）４９Ｌ，４９Ｒを検出する前後検出機構を兼ねる。

　すなわち、位置決めピン４９Ｌ，４９Ｒの突出高さ寸法が異なることにより、例えば一方のセンサ８９Ａが高い位置決めピン４９Ｌを検出すると、他方のセンサ８９Ｂには低い位置決めピン４９Ｒが対応することとなり、位置決めピン４９Ｒを検出できないこととなる。

　したがって、上昇位置から上型ホルダ保持部材６１を下降させて上型ホルダ３７を保持するとき、例えば一方のセンサ８９Ａが位置決めピン４９Ｌを検出したときには、上型ホルダ３７は前向きであると検出することができる。上型ホルダ保持部材６１が上型ホルダ３７を保持するとき、他方のセンサ８９Ｂが位置決めピン４９Ｌを検出したときには、上型ホルダ３７は後向きであると検出することができる。

　上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒに支持された所望の上型ホルダ３７を上型ホルダ保持部材６１によって保持するには、ビーム部材５７を前後方向に移動させ、所望の上型ホルダ３７の上方位置に上型ホルダ保持部材６１を位置決めする（図３参照）。その後、上型ホルダ保持部材６１を下降させると、上型ホルダ３７上に上型ホルダ保持部材６１が重なり、スライド板８１Ａ，８１Ｂが上型ホルダ３７上に乗る形態となる（図４参照）。

　上型ホルダ３７上に上型ホルダ保持部材６１のスライド板８１Ａ，８１Ｂが乗った状態にあるときに、往復動アクチュエータ７７から往復作動杆７９を突出するように作動させると、例えば一方のスライド板８１Ａが移動して、スライド板８１Ａに備えられたローラ係合ブラケット８３が位置決めブロック４５Ｌに備えられたローラ４７の下側に入り込む。これに併せて、センタリングブロック８５に形成した係合凹部８５Ｃが上型ホルダ３７に備えられた一方の位置決めピン４９Ｌに係合して、上型ホルダ保持部材６１に対して上型ホルダ３７がセンタリングされる（図１０参照）。
　この際、上型ホルダ保持部材６１の一端側に備えられたセンサ８９Ａは一方の位置決めピン４９Ｌに対向して、一方の位置決めピン４９Ｌを検出する。

　そして、一方のスライド板８１Ａに備えられたセンタリングブロック８５の係合凹部８５Ｃが一方の位置決めピン４９Ｌに係合すると、他方のスライド板８１Ｂが反対方向へ移動し、スライド板８１Ｂに備えられたローラ係合ブラケット８３が位置決めブロック４５Ｒに備えられたローラ４７の下側に入り込む（図１１参照）。
　また、スライド板８１Ｂに備えられたセンタリングブロック８５に形成した係合凹部８５Ｃが位置決めピン４９Ｒに係合して、上型ホルダ保持部材６１に対して上型ホルダ３７がセンタリングされる。他方端側に備えられたセンサ８９Ｂが位置決めピン４９Ｒに対応する。この際、位置決めピン４９Ｒは一方の位置決めピン４９Ｌよりも短いので、センサ４９Ｂによって検出されることはない。

　既に理解されるように、上型ホルダ保持部材６１で上型ホルダ３７を保持するとき、前述したようにセンタリング機構によってセンタリングを行うものであるから、上型ホルダ保持部材６１の長手方向と上型ホルダ３７の長手方向及び前後方向の中心位置は一致した状態となる。センサ８９Ａ又はセンサ８９Ｂが位置決めピン４９Ｌを検出することにより、上型ホルダ３７が前向きであるか、後向きであるかを検出することができる。
　なお、上型ホルダ３７の前後を検出する構成として、上型ホルダ３７の適宜一端側に、例えばマグネットなどのごとき被検知部材を備え、上型ホルダ保持部材６１に、被検知体を検出するセンサを備えた構成とすることも可能である。

　そして、上型ホルダ３７の前後を反転するときには、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒから上型ホルダ３７を持上げて、ガイドレール延伸部２１Ｕの位置へ搬送するとき（図５参照）、サーボモータ７１を駆動して上型ホルダ保持部材６１を水平に旋回することにより、上型ホルダ３７の前後を反転することができる。

　ガイドレール延伸部２１Ｕの位置へ搬送された上型ホルダ３７は、ガイドレール延伸部２１Ｕの前側に備えられた端部支持部９１Ｌ，９１Ｒ（図１２Ａ，図１２Ｂ参照）に支持される。すなわち、ガイドレール延伸部２１Ｕの前側には、上型ホルダ３７に備えられた一方の位置決め部材４３を支持する端部支持部９１Ｌ（図１２Ａ参照）と、他方の位置決め部材４３を支持する端部支持部９１Ｒ（図１２Ｂ参照）とが備えられている。

　一方の端部支持部９１Ｌには、図１２Ａに示すように、上型ホルダ３７の一端側を前後方向から挟持して上下方向に案内するガイドローラ９３が備えられている。また、端部支持部９１Ｌには、上型ホルダ３７の一端側に備えられた一方の位置決め部材４３を下側から支持する複数の支持ピン（支持部材）９５が備えられている。
　他方の端部支持部９１Ｒには、図１２Ｂに示すように、上型ホルダ３７の他端側を前後方向から挟持して上下方向に案内するガイドローラ９７が備えられている。また、他方の端部支持部９１Ｒには、上型ホルダ３７の他端側に備えられた他方の位置決め部材４３を支持する複数の支持ピン（支持部材）９９が備えられている。

　上型ホルダ３７の両端側を端部支持部９１Ｌ，９１Ｒによって支持すると、上型ホルダ３７は、プレスブレーキ３における上部テーブル１５に備えられた上型装着部１７と左右方向に直線的に整列する。したがって、左右方向へ移動自在に備えられた金型交換装置１９Ｕによって、上型ホルダ３７と上型装着部１７との間において上型３９の着脱交換を容易に行い得る。

　前述のごとく、上型ホルダ３７の左右両端側を、ガイドレール延伸部２１Ｕの前側に備えられた左右の端部支持部９１Ｌ，９１Ｒに支持させた後、上型ホルダ保持部材６１に備えられた往復動アクチュエータ７７に往復作動杆７９を引き込む動作を行うと、スライド板８１Ａ，８１Ｂは互に接近する方向に移動することとなり、ローラ係合ブラケット８３はローラ４７から離脱する。したがって、上型ホルダ保持部材６１を持上げて初期の位置に戻すことができる。

　すなわち、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒに支持された別個の上型ホルダ３７を上型ホルダ保持部材６１によって新たに保持できることになる。したがって、別個の上型ホルダ３７を、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒの後側に配置された上型着脱ステーション１０１Ｕ（図２参照）へ搬送し支持することができる。よって、上型着脱ステーション１０１Ｕに搬送され支持された別個の上型ホルダ３７に対して、手作業によって後側から上型３９の着脱交換を行うことができる。

　すなわち、プレスブレーキ３においてワークの折曲げ加工の最中においても、上型ホルダ３７に対して上型３９の着脱交換を容易に行い得る。したがって、プレスブレーキ３に対して金型の着脱交換時、プレスブレーキ３によるワークの折曲げ加工最中に、上型ホルダ３７に対して上型３９の着脱交換を行うことにより、金型の段取り作業の能率向上を図ることができる。

　図２に示すように、金型収納装置１内において上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒの下方位置に備えられた下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒには、上型３９と協働して板状のワークの折曲げ加工を行う下型１０３を着脱可能に保持する複数の下型ホルダ１０５（図１３参照）が前後方向に並列して支持されている。
　なお、下型１０３の構成は、特許文献２に記載の下型の構成と同一であり、また、下型ホルダ１０５が下型１０３を保持する構成は、特許文献２に記載の構成と同一であって、既知の構成である。したがって、下型１０３及び下型ホルダ１０５が下型１０３を保持する構成についての詳細な説明は省略する。

　左右の下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒは、図１３，１４に示すように、前後方向に長い支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒ上に前後方向に長いホルダバー１０９Ｌ，１０９Ｒを一体的に備えた構成である。支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒとホルダバー１０９Ｌ，１０９Ｒとの間には、下型ホルダ１０５の左右両端側を支持する段差部が形成してある。

　より詳細には、左右の支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒの対向した内側部分は、図１４に示すように、下型ホルダ１０５の左右両端側を上面で支持すべく、ホルダバー１０９Ｌ，１０９Ｒの内面よりも内側へ突出している。左右のホルダバー１０９Ｌ，１０９Ｒには、下型ホルダ１０５の前後方向への移動を規制するために、前後一対の規制ピン１１１が内方向へ水平に突出して備えられている。一対の規制ピン１１１は、所定間隔でもって前後方向に複数備えられている。
　したがって、支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒに支持された下型ホルダ１０５の左右両端側は、前後一対の規制ピン１１１の間に位置する。

　一対の規制ピン１１１の間の領域は、下型ホルダ１０５の端部側を保持する端部保持領域を構成する。複数の端部保持領域は前後方向に適宜の間隔に備えられているものであって、各端部保持領域の間には、下型ホルダ１０５の左右両端側が上下方向に通過自在な通過領域が構成されている。すなわち、端部保持領域と通過領域は前後方向に交互に備えられている。

　支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒが下型ホルダ１０５の左右両端側を支持する部分は、一対の規制ピン１１１の間の端部保持領域に対応して内方向へ突出している。右側の支持プレート１０７Ｒにおける内方向への突出部（支持部）１１３（図１６参照）には、下型ホルダ１０５の右側端部に下方向へ突出して備えられた位置決めピン１１５が係合自在の位置決め孔１１３Ｈが備えられている。

　したがって、下型ホルダ１０５の右端側は、位置決めピン１１５を位置決め孔１１３Ｈに係合して位置決めされ、一対の規制ピン１１１によって前後動を規制されている。

　なお、左側の支持プレート１０７Ｌによって下型ホルダ１０５の左端側を支持する構成は、下型ホルダ１０５の左端側の位置決め機能があれば、右端側を支持する構成と同一構成であっても、異なる所望の構成であってもよいものであるから、下型ホルダ１０５の左端側を支持する構成についての詳細な説明は省略する。

　左右の支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒが下型ホルダ１０５の左右両端側を支持する部分には、一対の規制ピン１１１の間の端部保持領域に対応して突出部１１３が備えられている。通過領域に対応した位置には、下型ホルダ１０５が上下に通過自在であるように凹部１１７（図１６参照）が形成してある。すなわち、左右の支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒの対向面（内側面）は、突出部１１３と凹部１１７とを前後方向に交互に備えた櫛歯状に形成してある。

　したがって、左右の支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒに左右両端側を支持された下型ホルダ１０５は、一対の規制ピン１１１よりも高く持上げた後、前方向又は後方向へ移動して、通過領域に対応した位置に位置決めすることにより、下型ホルダ１０５を、支持プレート１０７Ｌ，１０７Ｒよりも下側へ下降させることができる。

　下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに支持されている下型ホルダ１０５を、ガイドレール延伸部２１Ｌの位置へ搬送するために、下型ホルダ搬送機構１１９（図１４参照）が前後方向へ移動自在に備えられている。すなわち、ベースフレーム２３の左右方向の中央部には、図１４に示すように、前後方向（図１４において紙面に垂直な方向）に長いガイドレール１２１が備えられている。
　ガイドレール１２１には、スライドベース１２３が前後動自在に支持されている。スライドベース１２３を前後方向に移動位置決めするために、スライドベース１２３にはサーボモータ１２５が装着してある。サーボモータ１２５によって回転駆動されるピニオン（図示省略）は、ガイドレール１２１と平行な前後方向のラック１２７に噛合している。

　したがって、制御装置の制御の下にサーボモータ１２５を回転駆動することにより、スライドベース１２３を前後方向に移動位置決めすることができる。

　スライドベース１２３上には、モータフレーム１２９が備えられており、モータフレーム１２９の上部に備えられた水平な天板１２９Ｐには、サーボモータ１３１によって回転されるボールナット（図示省略）が回転自在に備えられている。ボールナットにはボールネジ１３３が上下動自在に螺入（貫通）している。
　また、天板１２９Ｐには複数のガイドブッシュ１３５が備えられており、ガイドブッシュ１３５には、ガイドバー１３７が上下動自在に案内支持されている。ボールネジ１３３及び各ガイドバー１３７の下端部は連結部材１３９によって一体的に連結されている。

　ボールネジ１３３及び各ガイドバー１３７の上端部には、下型ホルダ１０５を下側から持上げ自在な下型ホルダ保持部材１４１が一体的に備えられている。下型ホルダ保持部材１４１は、図１４に示すように、左右方向に長く構成してあり、下型ホルダ保持部材１４１の左右両端側には、下型ホルダ１０５の下部に下方向へ突出して備えられた係合ピン１４３が嵌入（挿入）自在な挿入孔１４５が形成してある。
　さらに、下型ホルダ保持部材１４１の左右両端側には、下型ホルダ１０５の前後両面に形成した係合凹部１４７に係合自在な前後の保持爪部材１４９が備えられている。

　以上の構成により、制御装置の制御の下にサーボモータ１２５を回転駆動し、スライドベース１２３を前後方向に移動位置決めすることにより、下型ホルダ搬送機構１１９における下型ホルダ保持部材１４１を、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに支持された所望の下型ホルダ１０５の下方位置に位置決めすることができる。
　上述のように、下型ホルダ搬送機構１１９を前後方向へ移動し位置決めした後、サーボモータ１３１を回転駆動することにより、下型ホルダ保持部材１４１を上昇させることができる（図１５参照）。

　下型ホルダ保持部材１４１が上昇すると、下型ホルダ保持部材１４１で下型ホルダ１０５を下側から支持することになる。下型ホルダ保持部材１４１に備えられた前後の保持爪部材１４９が下型ホルダ１０５の前後両面に備えられた係合凹部１４７に係合する。
　また、下型ホルダ保持部材１４１に備えられた挿入孔１４５に、下型ホルダ１０５の下面に備えられた係合ピン１４３が挿入する。その後、下型ホルダ保持部材１４１がさらに上昇すると、図１５，１６に示すように、下型ホルダ１０５の左右両端側が下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒから持上げられる。

　そして、図１６に示すように、下型ホルダ１０５に備えられた位置決めピン１１５が、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒにおけるホルダバー１０９Ｌ，１０９Ｒよりも高く持上げられた後、前側又は後側における凹部１１７へ移動する。その後、下型ホルダ保持部材１４１を下降させることにより、下型ホルダ１０５を、左右の下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒから下側へ取り出すことができる。
　上述のように、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒから下型ホルダ１０５を下側へ取り出した後、スライドベース１２３を前側へ移動することにより、下型ホルダ１０５を、ガイドレール延伸部２１Ｌの前側へ移動位置決めすることができる（図１７参照）。

　ガイドレール延伸部２１Ｌの前側の一端側には、下型ホルダ１０５の一端側に備えられた位置決めピン１１５を係合自在な位置決め孔１５１Ｈを備えた位置決め部材１５１が備えられている。
　また、ガイドレール延伸部２１Ｌの前側には、下型ホルダ１０５の他端側を支持する端部支持部材１５３が備えられている。位置決め部材１５１及び端部支持部材１５３は、下型ホルダ１０５の一端側及び他端側を着脱可能に支持する機能を有すればよいものであるから、位置決め部材１５１、端部支持部材１５３のより詳細な構成については説明を省略する。

　前述のごとく、下型ホルダ１０５をガイドレール延伸部２１Ｌの前側に位置決めした後、下型ホルダ１０５を位置決め部材１５１、端部支持部材１５３よりも高く持上げる。そして、下型ホルダ１０５の両端側を、位置決め部材１５１、端部支持部材１５３の上方に位置決めすべく、下型ホルダ１０５を僅かに後側へ移動させる。
　その後、下型ホルダ１０５を下降させることにより、下型ホルダ１０５の両端側は位置決め部材１５１、端部支持部材１５３に支持される。そして、下型ホルダ保持部材１４１は、下型ホルダ１０５を開放して下降する。

　上述のように、下型ホルダ１０５の両端側をガイドレール延伸部２１Ｌに備えられた位置決め部材１５１、端部支持部材１５３に支持させると、下型ホルダ１０５は、プレスブレーキ３における下部テーブル１３の下型装着部１１に左右方向に直線的に整列する。したがって、左右方向へ移動自在な金型交換装置１９Ｌによって、下型ホルダ１０５と下型装着部１１との間において下型１０３の着脱交換を行うことができる。

　前述のごとく、下型ホルダ１０５の両端側を位置決め部材１５１、端部支持部材１５３によって支持した後に下降した下型ホルダ保持部材１４１は、後方向へ移動位置決めすることにより、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに両端部を支持された別個の所望の下型ホルダ１０５の下側へ位置決めすることができる。
　そして、前述したごとき動作に準じて、別個の下型ホルダ１０５を下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒから新たに取り外して、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒの後側に配置された下型着脱ステーション１０１Ｌ（図２参照）へ搬送し支持させることができる。

　したがって、下型着脱ステーション１０１Ｌに搬送されて支持された別個の下型ホルダ１０５に対して、手作業によって下型１０３の着脱交換を行うことができる。すなわち、プレスブレーキ３においてワークの折曲げ加工の最中であっても、下型ホルダ１０５に対して下型１０３の着脱交換を行い得る。よって、金型の段取り作業を能率よく行うことができる。

　以上のごとき説明より理解されるように、金型収納装置１は、プレスブレーキ３に備えられた上下のガイドレール延伸部２１Ｕ，２１Ｌの後側に配置してある。したがって、金型収納装置１からプレスブレーキ３の前側に亘って左右方向に移動自在の産業用ロボットを配置した場合であっても、金型収納装置１と産業用ロボットとの干渉を回避することができる。すなわち、産業用ロボットの動作範囲を大きくすることができると共に自由度を大きくすることができる。

　また、第１の実施形態においては、プレスブレーキ３の側方に配置した金型収納装置１内において所望の下型１０３を保持する下型ホルダ１０５を、複数の下型ホルダ１０５を前後方向に並列して支持した下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒより持上げて前側又は後側へ移動させる。第１の実施形態においては、下型ホルダ１０５の左右方向の両端側を、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに形成した凹部１１７を通過させて下降させる。これらを金型着脱交換方法の工程（ａ）とする。

　そして、第１の実施形態においては、下降した下型ホルダ１０５を前方向へ搬送して、プレスブレーキ３における下部テーブル１３における下型装着部１１と同一高さに位置決めする。これを金型着脱交換方法の工程（ｂ）とする。
　第１の実施形態においては、下型ホルダ１０５に保持されている下型１０３を、金型交換装置１９Ｌによって下部テーブル１３の下型装着部１１へ移送して下部テーブル１３に装着する。これを金型着脱交換方法の工程（ｃ）とする。
　工程（ｃ）、工程（ｂ）、工程（ａ）の逆動作を行うと、下部テーブル１３に装着されている下型１０３を金型収納装置１に戻すことができる。これを金型着脱交換方法の工程（ｄ）とする。

　したがって、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒに支持されている上型３９と、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに支持されている下型１０３とを、金型収納装置１内において上下に近接することができる。よって、上下の金型３９，１０３の収納部のコンパクト化を図ることができるものである。

　また、金型収納装置１は次の構成を備える。金型収納装置１は、左右方向に長い複数の上型ホルダ３７を前後方向に並列して支持する上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒを備える。上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒは、プレスブレーキ３における上部テーブル１５に備えられた上型装着部１７へ装着する上型３９を着脱交換可能に保持する。
　金型収納装置１は、所望の上型ホルダ３７を上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒから持上げて前方向へ搬送して、上型装着部１７の側方位置へ上型ホルダ３７を位置決め自在な上型ホルダ搬送機構５１を備える。
　金型収納装置１は、左右方向に長い複数の下型ホルダ１０５を前後方向に並列して支持する下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒを備える。下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒは、プレスブレーキ３における下部テーブル１３に備えられた下型装着部１１へ装着する下型１０３を着脱交換可能に保持する。
　金型収納装置１は、所望の下型ホルダ１０５を下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒから持上げて前方向へ搬送して、下型装着部１１の側方位置へ下型ホルダ１０５を位置決め自在な下型ホルダ搬送機構１１９を備える。
　金型収納装置１における下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒは、下型ホルダ１０５における左右方向の両端側を支持する突出部１１３の前側又は後側に、下型ホルダ１０５の両端側が上下に通過自在な凹部１１７を備える。

　金型収納装置１は、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒの後側に、上型ホルダ３７に対して上型３９の着脱交換を行うための上型着脱ステーション１０１Ｕを備える。金型収納装置１は、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒの後側に、下型ホルダ１０５に対して下型１０３の着脱交換を行うための下型着脱ステーション１０１Ｌを備える。

　したがって、金型収納装置１から前側に突出することなく、プレスブレーキ３に対して上下の金型３９，１０３の着脱交換を行うことができる。また、プレスブレーキ３においてワークの折曲げ加工を行っている最中であっても、上型ホルダ３７、下型ホルダ１０５に対して上下の金型３９，１０３の着脱交換を行うことができる。よって、金型の段取り作業を能率よく行うことができる。

　なお、本発明は前述したごとき第１の実施形態のみに限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他の形態でもって実施可能なものである。例えば、下型ホルダ搬送機構１１９を、上型ホルダ支持部材３１Ｌ，３１Ｒと下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒとの間の中間高さ位置に前後方向へ移動位置決め自在に配置してもよい。
　そして、下型ホルダ１０５を下側から支持する下型ホルダ保持部材１４１を、前後に並列された下型ホルダ１０５の間を下降自在に構成し、下降した下型ホルダ保持部材１４１で下型ホルダ１０５を掬い上げる（引っ掛け上げる）形態とすることも可能である。

　図１８～２０は、ベースフレーム２３において下型ホルダ１０５の左右両端側を支持する下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒの第２の実施形態を示すものである。第１の実施形態においては、下型ホルダ１０５の両端側を支持する支持部（端部保持領域）としての内方向への突出部１１３と、下型ホルダ１０５の両端側が上下に通過自在な凹部１１７とを前後方向に交互に備えた構成である。

　上記構成に対して、第２の実施形態は、前後の下型ホルダ１０５を近接させてグループ化し、このグループ化した２つの下型ホルダ１０５の左右両端側を支持する支持部としての突出部１１３Ａを、左右の下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒに備え、突出部１１３Ａと凹部１１７とを前後方向に交互に備えた構成である。
　上述のように、突出部１１３Ａは、グループ化した２つの下型ホルダ１０５を支持するものであるから、突出部１１３Ａの前後方向の幅は、第１の実施形態における突出部１１３の前後方向の幅よりも大きく形成してある。突出部１１３Ａには、２つの下型ホルダ１０５を支持するために２つの位置決め孔１１３Ｈが前後方向に離隔して備えられている。

　なお、左側の下型ホルダ支持部材３３Ｌにおける突出部は、第１の実施形態における突出部材と同様の構成であって、前後方向の幅寸法は突出部１１３Ａの幅寸法と等しく構成してある。

　上記説明より理解されるように、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒにおける突出部１１３Ａは２つの近接した前後の下型ホルダ１０５を支持するものである。したがって、突出部１１３Ａに支持されている前側の下型ホルダ１０５を下型ホルダ搬送機構１１９における下型ホルダ保持部材１４１によって持上げた場合には、図２０の矢印Ａで示すように、前側へ移動し、前側の凹部１１７を通過して下降する。また、後側の下型ホルダ１０５を下型ホルダ保持部材１４１によって持上げた場合には、図２０の矢印Ｂで示すように、後側へ移動し、後側の凹部１１７を通過して下降する。

　上記説明より理解されるように、第２の実施形態の構成によれば、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒにおける突出部１１３Ａにはグループ化した前後の２つの下型ホルダ１０５が支持されている。上記グループにおいて前側の下型ホルダ１０５は前側の凹部１１７を通過して下降し、後側の下型ホルダ１０５は後側の凹部１１７を通過して下降する。

　したがって、前後に隣接した突出部１１３Ａの前側に支持された下型ホルダ１０５と後側に支持された下型ホルダ１０５は共通の凹部１１７を通過して下降する。すなわち１つの凹部１１７を共通に使用するものであるから、下型ホルダ支持部材３３Ｌ，３３Ｒにより多くの下型ホルダ１０５を支持させることができる。

　本発明のプレスブレーキの金型着脱交換方法は、プレスブレーキによってワークを折曲げ加工するための金型を交換する際に利用できる。本発明の金型収納装置は、プレスブレーキによってワークを折曲げ加工するための金型を収納する際に利用できる。

Claims

（ａ）プレスブレーキの側方に配置した金型収納装置内において所望の下型を保持する下型ホルダを、複数の下型ホルダを前後方向に並列して支持した下型ホルダ支持部材より持上げて前側又は後側へ移動させ、前記下型ホルダの左右方向の両端側を、前記下型ホルダ支持部材に形成した凹部を通過させて下降させる工程、
（ｂ）下降させた前記下型ホルダを前方向へ搬送して、前記プレスブレーキにおける下部テーブルにおける下型装着部と同一高さに位置決めする工程、
（ｃ）前記下型ホルダに保持されている下型を、金型交換装置によって前記下型装着部へと移送して前記下部テーブルに装着する工程、
（ｄ）前記工程（ｃ）、前記工程（ｂ）、前記工程（ａ）の逆動作を行って、前記下部テーブルに装着されている下型を前記金型収納装置に戻す工程、
　を含むことを特徴とするプレスブレーキの金型着脱交換方法。
　前記複数の下型ホルダにおける前後に近接した２つの下型ホルダがグループ化されており、
　前記工程（ａ）で、グループ化された２つの下型ホルダにおける前側の下型ホルダを持上げたときには前側へ移動させ、後側の下型ホルダを持上げたときには後側へ移動させて、前記前側又は前記後側の下型ホルダを、前記凹部を通過させて下降させる
　ことを特徴とする請求項１に記載のプレスブレーキの金型着脱交換方法。
　プレスブレーキにおける上部テーブルに備えられた上型装着部へ装着する上型を着脱交換可能に保持する複数の上型ホルダを前後方向に並列して支持する上型ホルダ支持部材と、
　所望の上型ホルダを前記上型ホルダ支持部材から持上げて前方向へ搬送して、前記上型装着部の側方位置へ前記上型ホルダを位置決め自在な上型ホルダ搬送機構と、
　前記プレスブレーキにおける下部テーブルに備えられた下型装着部へ装着する下型を着脱交換可能に保持する複数の下型ホルダを前後方向に並列して支持する下型ホルダ支持部材と、
　所望の下型ホルダを前記下型ホルダ支持部材から持上げて前方向へ搬送して、前記下型装着部の側方位置へ前記下型ホルダを位置決め自在な下型ホルダ搬送機構と、
　を備え、
　前記下型ホルダ支持部材は、前記下型ホルダにおける左右方向の両端側を支持する支持部の前側又は後側に、前記下型ホルダの左右方向の両端側が上下に通過自在な凹部を備えている
　ことを特徴とする金型収納装置。
　前記複数の下型ホルダにおける前後に近接した２つの下型ホルダがグループ化されており、
　前記下型ホルダ支持部材は、グループ化された２つの下型ホルダにおける左右方向の両端側を支持する支持部と、前記支持部の前側又は後側に、前記下型ホルダにおける左右方向の両端側が上下に通過自在な凹部を備えている
　ことを特徴とする請求項３に記載の金型収納装置。
　前記上型ホルダ支持部材の後側に配置され、前記上型ホルダに対して上型の着脱交換を行うための上型着脱ステーションと、
　前記下型ホルダ支持部材の後側に配置され、下型ホルダに対して下型の着脱交換を行うための下型着脱ステーションと、
　をさらに備えていることを特徴とする請求項３又は４に記載の金型収納装置。
　前記上型ホルダは前後指示具を有し、
　前記上型ホルダ搬送機構は、
　前記上型ホルダを保持する上型ホルダ保持部材と、
　前記上型ホルダの前後を反転するために前記上型ホルダ保持部材を水平に旋回させる旋回機構と、
　を備え、
　前記上型ホルダ保持部材は、前記前後指示具を検出する前後検出機構を有する
　ことを特徴とする請求項３～５のいずれか１項に記載の金型収納装置。
　前記上型ホルダは、左右方向の両端側に位置決めピンを有し、
　前記上型ホルダ保持部材は、左右方向の両端側に、前記位置決めピンに係合可能なセンタリング機構を有する
　ことを特徴とする請求項６に記載の金型収納装置。