WO2016047454A1 - 熱交換器 - Google Patents

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WO2016047454A1
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英司 安在
昭仁 青木
正憲 遠藤
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日本軽金属株式会社
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  • the above-mentioned method may cause the joints to become hot, and the aluminum may be softened and deformed. Therefore, it is necessary to select a heat-resistant aluminum alloy as a material, and the good thermal conductivity of aluminum must be sacrificed.
  • an oxygen-containing film containing oxygen formed by intentionally increasing the oxygen content is formed on the surface of the heat exchanger body member.
  • the heat exchanger body member and the resin member are preferably joined via the oxygen-containing film.
  • the oxygen content measured by EPMA is 0.1% by weight to 50% by weight, preferably 1.0% by weight to 30% by weight. If the oxygen content in the surface layer is lower than 0.1% by weight, the film may be too thin and it may be difficult to achieve sufficient aluminum-resin bonding strength with the resin member 4. On the other hand, if the oxygen content is higher than 50% by weight, the film is too thick, causing cohesive failure of the film, and sufficient aluminum-resin bonding strength cannot be obtained.
  • (meth) acrylic acid ester is also referred to as (meth) acrylate.
  • glycidyl (meth) acrylate is also referred to as glycidyl (meth) acrylate.
  • (meth) acrylic acid means both acrylic acid and methacrylic acid
  • (meth) acrylate” means both acrylate and methacrylate.

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Abstract

 熱交換の効率が良く、尚且つ変形や腐食の問題の懸念が無く、しかも軽量、低コストである熱交換器を提供する。 内部にリブを有して熱媒体が流通するための流通経路が形成されたアルミニウム製の熱交換器本体部材と、この熱交換器本体部材に接合され、熱交換器本体部材に熱媒体が流入するための流入部、及び/又は熱交換器本体部材から熱媒体が流出するための流出部を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材とを備えることを特徴とする熱交換器である。

Description

熱交換器
 この発明は、熱交換器に関し、詳しくは、パワーモジュールなどの電子機器等に用いられ、アルミニウム製の熱交換器本体部と、熱媒体の流入部及び/又は流出部を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材とを接合してなる熱交換器に関する。
 従来から、アルミニウム製の熱交換器は、熱伝導性がよい、軽い、毒性がない、加工性がよい、多様な表面処理が可能などの特徴から、自動車や鉄道などの乗り物用、重電機や半導体などの一般産業用、ルームエアコンや冷蔵庫などの家庭用の電化品用、パソコンのCPUを冷却するためのヒートシンクなどの電子機器用、及びその他様々な用途において使用されており、その用途により様々なものが知られており、また、その用途も機器の電子化、電子機器の高性能化とともに拡大している。
 そして、このような熱交換器については、通常、熱交換器の本体部(以下、「熱交換器本体部材」などという)の内部に液体や気体などの熱媒体を流す流路が形成されており、この熱媒体を熱交換器内部に流入するための流入部と、熱媒体を流出させるための流出部とを備えているが、この流入部及び流出部には金属が使用されており、熱交換器本体部材と流入部及び流出部とを接合するためには、ロウ付け、摩擦攪拌法など、接合部が高温となる方法が用いられることが多かった(例えば、特許文献1及び2を参照)。そのため、熱交換器本体部材と流入部及び流出部との材質としてアルミニウムを用いる場合には、前記のような方法では接合部が高温になり、アルミニウムが軟化して変形などの虞があることから、材質として耐熱性のあるアルミニウム合金を選択する必要があり、アルミニウムの良熱伝導性を犠牲にせざるを得なかった。
 更に、熱交換器本体部材を構成する金属と流入部及び/又は流出部を構成する金属とが異なる場合には、金属間のイオン化傾向の差から、いわゆる異種金属接触腐食により接合部が腐食する虞もあるといった、別の問題もある。
特開2007-232305号公報 特開2013-143415号公報
 そこで、本発明者らは、金属製の部材を用いる上記の問題を解決するために鋭意検討を進めたところ、熱媒体の流入部及び流出部には、接合部の腐食の問題が無く、成形性が良く、軽量であり、コストも低い熱可塑性樹脂の樹脂部材を用いることにより、熱交換器本体部材には熱伝導性や加工性などが良く軽量なアルミニウムを採用することができ、これらを互いに一体的に接合した熱交換器とすることにより、熱交換の効率が良く、尚且つ変形や腐食の問題の懸念が無く、しかも軽量であり、低コストである熱交換器を得ることを見出した。また、熱交換器本体部材の表面を、意図的に酸素含有量を増やす処理を施すことにより酸素含有皮膜で被覆した場合には、これに接合する前記樹脂部材を構成する熱可塑性組成物としてこの酸素含有皮膜と反応する特定の官能基を有する添加剤化合物を含有することにより、この酸素含有皮膜を介してアルミニウム製の熱交換器本体部材と樹脂部材とが強固に接合されるだけでなく、長期に亘って優れた接合強度を維持できることを見出し、本発明を完成した。
 従って、本発明の目的は、熱交換の効率が良く、尚且つ変形や腐食の問題の懸念が無く、形状の設計自由性も高く、しかも軽量であり、低コストであると共に、長期に亘って優れたアルミニウム製の熱交換器本体部材と樹脂部材との間の接合強度を維持できる熱交換器を提供することにある。
 すなわち、本発明は、内部にリブを有して熱媒体が流通するための流通経路が形成されたアルミニウム製の熱交換器本体部材と、この熱交換器本体部材に接合され、熱交換器本体部材に熱媒体が流入するための流入部、及び/又は熱交換器本体部材から熱媒体が流出するための流出部を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材とを備えることを特徴とする熱交換器である。
 本発明の熱交換器においては、前記樹脂部材は、前記流入部及び/又は流出部を有した本体部材と、前記熱交換器本体部材に直接接合され、前記本体部材を嵌合するための嵌合部材とからなり、前記嵌合部材を介して、前記熱交換器本体部材と前記流入部及び/又は流出部の本体部材とが接合していることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記熱交換器本体部材と前記樹脂部材との接合方法、及び/又は前記熱交換器本体部材と前記嵌合部材との接合方法が、射出成形、熱圧着、熱融着から選ばれたいずれか1種又は2種以上の方法によることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記熱交換器本体部材は、押出加工、切削加工、プレス加工、鍛造加工、ダイカスト法から選ばれたいずれか1種又は2種以上を用いて成形されたものであることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記熱交換器本体部材の表面には、意図的に酸素含有量を増やす処理を施すことにより形成された酸素を含有する酸素含有皮膜が形成されており、この酸素含有皮膜を介して、前記熱交換器本体部材と前記樹脂部材とが接合されていることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記酸素含有皮膜は、厚さが0.06μm以上2μm以下の酸化物皮膜であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記酸素含有皮膜が、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた皮膜形成処理で得られた亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記酸素含有皮膜が、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下であって91℃以上100℃以下の熱水を用いた皮膜形成処理で形成され、厚さが0.1μm以上1μm以下の水和酸化物皮膜であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記酸素含有皮膜が、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下であって60℃以上90℃以下の温水を用いた皮膜形成処理で形成され、厚さが0.1μm以上1μm以下の水和酸化物皮膜であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記酸素含有皮膜が、前記熱交換器本体部材の表面にレーザー処理を施す皮膜形成処理で得られた酸化物皮膜であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記樹脂部材が接合される前の表面に酸素含有皮膜を有する前記熱交換器本体部材は、その最表面から3μmの深さまでの表層においてEPMAで測定された酸素含有率が0.1~50重量%の範囲内であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記熱可塑性樹脂を形成する熱可塑性樹脂組成物には、前記酸素含有皮膜と反応する官能基を有する添加剤化合物が含有され、この添加剤化合物が、カルボキシル基及びその塩及びそのエステル、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アミノ基及びその塩、並びに、酸無水物基及びそのエステルからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記添加剤化合物の官能基が、前記熱可塑性樹脂組成物中に0.5~150μmol/gの割合で含有されていることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記添加剤化合物が、α-オレフィン由来の構成単位とα,β-不飽和酸のグリシジルエステル由来の構成単位とを含むオレフィン系共重合体であることが好ましい。
 また、本発明の熱交換器においては、前記添加剤化合物が、更に(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含むオレフィン系共重合体であることが好ましい。
 更に、本発明の熱交換器においては、前記熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、液晶ポリマー、サルフォン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の樹脂であることが好ましい。
 本発明の熱交換器においては、熱媒体の流入部及び流出部には熱可塑性樹脂の樹脂部材が用いられることから、接合部が高温となるロウ付けや摩擦攪拌法などを使用することがなく、熱交換器本体部には耐熱性が比較的低いアルミニウムを採用することができ、それにより、接合部の変形や腐食の問題の懸念が無い。また、熱交換器本体部には熱伝導性が良いアルミニウムを用いることができるので、熱交換効率が良く、設計の自由度も高く、しかも軽量、低コストである熱交換器を得ることができる。更に、熱交換器本体部材の表面を、意図的に酸素含有量を増やす処理を施すことにより酸素含有皮膜で被覆した場合には、これに接合する前記樹脂部材を構成する熱可塑性組成物としてこの酸素含有皮膜と反応する特定の官能基を有する添加剤化合物を含有することにより、この酸素含有皮膜を介して熱交換器本体部材と樹脂部材とが強固に接合されるだけでなく、長期に亘って優れた接合強度を維持できる。
図1は、本発明の熱交換器の一例の全体を示す平面図である。 図2は、図1におけるX-X'断面を示す断面図である。 図3は、図2における断面図の点線囲み部分を拡大した断面拡大図である。 図4は、図1のY-Y'断面を示す断面図である。 図5は、本発明の試験例において作成された金属樹脂接合体(アルミ-樹脂接合体)を説明するための説明図である。 図6は、本発明において実施された金属-樹脂間の接合強度の評価試験の方法を説明するための説明図である。 図7は、本発明における気密試験で使用されたアルミ樹脂接合体を示す説明図(写真)である。
 本発明に係る熱交換器の一例は、図1に示すように、アルミニウム製の熱交換器本体部材1と、この熱交換器本体部材1に熱媒体を流入するための流入部2を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材4と、熱交換器本体部材1から熱媒体を流出するための流出部3を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材4とを有し、熱交換器本体部材1に樹脂部材4を接合して得られるものであるが、これらの部材の形状、大きさ、取り付ける数などについては、熱交換器を使用する目的や用途等に応じて変わるものであるため、適宜変更することができ、特に限定されるものではない。例えば、流入部2と流出部3とが1つの樹脂部材4に形成されていてもよく、また、流入部2及び流出部3の位置関係についても、熱交換器の使用の目的や用途等に応じて、適宜変更することができる。
 本発明において、熱媒体とは、熱源の冷却を主とする冷媒(例えば、グリコーゲン系不凍液、など)のような当業界で一般的に使用される熱媒体のことを示し、熱交換器を使用する目的や用途等に応じて適宜使用することができる。
 前記熱交換器本体部材1と樹脂部材4とを接合するためには、樹脂部材4を構成する熱可塑性樹脂組成物の射出成形により樹脂部材4を一体的に接合するか、或いは、熱可塑性樹脂組成物の射出成形により樹脂部材4を形成し、これを熱交換器本体部材1の所定の箇所にレーザー溶着、振動溶着、超音波溶着、ホットプレス溶着、熱板溶着、非接触熱板溶着、又は高周波溶着等の手段を用いた熱圧着により一体的に接合するか、或いは、その他熱融着、接着剤を用いた接着等の方法により、これらのうちから選ばれたいずれか1種又は2種以上の方法を採用し、この樹脂成形工程を経て接合することができる。なお、このような接合工程においては、射出成形、熱圧着、熱融着の方法においても接合部の温度が瞬間的に高くなる場合があるが、速やかに冷却されるため、アルミニウム製の熱交換器本体部材1の軟化や変形などは起こらない。
 また、例えば図3に示すように、樹脂部材4は、前記流入部2及び/又は流出部3を有した本体部材4aと、熱交換器本体部材1に直接接合され、本体部材4aを嵌合するための嵌合部材4bとからなる形態とすることも可能であり、この場合は嵌合部材4bを熱交換器本体部材1に前記の方法で直接接合し、嵌合部材4bに本体部材4aを嵌合させることにより、熱交換器本体部材1と樹脂部材4とを接合することが可能である。なお、嵌合部材4bは、前記本体部材4aを構成する熱可塑性樹脂組成物と同じか、或いは異なるものでも良い。
<熱交換器本体部材>
 本発明における熱交換器本体部材1には、例えば、図4に示されるように内部にリブ5を有して、熱媒体が流通するための流通経路6が形成されている。本発明においては、この流通経路6に流れる熱媒体が、熱源体より、熱を受領し、一般的な放熱器(例えば空冷放熱器、図示せず)等により、熱を放熱して、熱の交換が行なわれる。なお、リブ5及びそれにより形成される流通経路6の形状や構造については、熱交換器の使用する目的や用途等に応じて適宜変更可能であり、特に限定されるものではない。
 本発明における熱交換器本体部材1の材質については、耐食性、加工性、溶接性、電気・熱伝導性に優れる純アルミニウム(1000系)が使用されるが、加工性を重視する場合は6000系合金、強度を重視する場合は3000系合金でもよい。このアルミニウム製の熱交換器本体部材1は、押出加工法、切削加工、プレス加工、鍛造加工、ダイカスト法から選ばれたいずれか1種又は2種以上を用いて製造することができる。なお、本発明において、「アルミニウム製」とは、1000系の純アルミニウム製だけでなく、アルミニウム合金製をも含むこととする。
 本発明の熱交換器本体部材1は、樹脂部材4との接合をより強固なものとするために、その表面には、意図的に酸素含有量を増やす処理を施すことにより酸素を含有する酸素含有皮膜を形成することにより(皮膜形成工程)、この酸素含有皮膜を介して、熱交換器本体部材1と樹脂部材4とを接合することが好ましい。このような皮膜形成工程により熱交換器本体部材1の表面に形成される酸素含有皮膜については、熱交換器本体部材1との密着性が良好であれば特に限定されるものではないが、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた皮膜形成処理で得られた亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜や、91℃以上100℃以下の熱水を用いた皮膜形成処理で、又は、60℃以上90℃以下の温水を用いた皮膜形成処理で得られた水和酸化物皮膜や、熱交換器本体部材1の表面にレーザー処理を施す皮膜形成処理で得られた酸化物皮膜等を例示することができる。
 ここで、熱交換器本体部材1の表面に酸素含有皮膜として亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜を形成するための皮膜形成処理については、亜鉛元素と共に酸素を酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛鉄(ZnFeO)、酸化亜鉛アルミ(ZnAlO)等の形で含有する皮膜を形成することができればよく、射出成形等による樹脂部材4を形成する際に、この酸素含有皮膜を介して形成される樹脂部材4との間に強固なアルミ-樹脂間の接合強度が達成される。
 そして、この亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いる皮膜形成処理については、好ましくは、水酸化アルカリ(MOH)と亜鉛イオン(Zn2+)とを重量比(MOH/Zn2+)1以上100以下の割合、好ましくは2以上20以下の割合、より好ましくは3以上10以下の割合で含む亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用い、この亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を常温で熱交換器本体部材1の表面に接触させることにより、酸素を含む亜鉛含有皮膜を形成するのがよい。この水酸化アルカリ(MOH)と亜鉛イオン(Zn2+)との重量比(MOH/Zn2+)が1より小さい(MOH<Zn2+)と、亜鉛が十分に溶解しないのでその効果が十分に発揮されず、反対に、100より大きい(MOH>100 Zn2+)と、亜鉛の置換析出よりもアルミニウム製の熱交換器本体部材1の溶解が速くなり、この熱交換器本体部材1の表面に亜鉛が析出し難くなる。
 ここで、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中のアルカリ源については、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムから選ばれたいずれか1種以上が用いられ、また、この亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中の亜鉛イオン源としては、好ましくは酸化亜鉛、水酸化亜鉛、過酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、及び硝酸亜鉛から選ばれたいずれか1種以上が用いられる。
 そして、この亜鉛イオン含有アルカリ水溶液において、水酸化アルカリ濃度については、10g/L以上1000g/L以下、好ましくは50g/L以上300g/L以下であるのがよく、また、亜鉛イオン濃度については、1g/L以上200g/L以下、好ましくは10g/L以上100g/L以下であるのがよい。亜鉛イオン含有アルカリ水溶液の組成を上記の範囲内にすることにより、熱交換器本体部材1の表面ではアルミニウムと亜鉛イオンとが置換反応を起こし、アルミニウムは溶解し、また、亜鉛イオンは微細粒として析出し、その結果として熱交換器本体部材1の表面に酸素元素と亜鉛元素を含有する酸素含有皮膜(亜鉛含有皮膜)が形成される。すなわち、アルミニウムは凹部を形成しながら溶解し、この凹部内に亜鉛が析出し、亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜が形成される。ここで、水酸化アルカリ濃度が10g/L未満では亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜の形成が不十分になるという問題があり、反対に、1000g/Lを超えるとアルカリによるアルミの溶解速度が速く亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜が形成されないという問題が生じる。また、亜鉛イオン濃度が1g/L未満では亜鉛含有皮膜の形成に時間がかかるという問題があり、反対に、200g/Lを超えると亜鉛析出速度が制御できず不均一な表面になるという問題が生じる。
 また、熱交換器本体部材1の表面に酸素含有皮膜として水和酸化物皮膜を形成するための皮膜形成処理については、先ず、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下、好ましくは0.01mS/m以上10mS/m以下であって91℃以上100℃以下の熱水を用い、この熱水中に熱交換器本体部材1を通常0.5分以上30分以下、好ましくは1分以上10分以下浸漬して水和酸化物皮膜を形成するか、あるいは、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下、好ましくは0.01mS/m以上10mS/m以下であって60℃以上90℃以下の温水を用い、この熱水中に熱交換器本体部材1を通常0.5分以上30分以下、好ましくは1分以上10分以下浸漬して水和酸化物皮膜を形成する。この水和酸化物皮膜を形成するための皮膜形成処理に使用する熱水や温水は純水であるのが好ましい。この水和酸化物皮膜を形成するための皮膜形成処理に使用する熱水や温水の導電率が0.01mS/m未満であると、超純水の領域になるため,純水製造コストが高くなり過ぎて実用化や工業化が困難になり、反対に、20mS/mを超えると、水和酸化物皮膜が形成されないことがあるほか、皮膜形成速度が極端に遅くなり、また、不純物の存在により水和皮膜の皮膜欠陥が生じ易くなるという問題もある。
 この熱交換器本体部材1の表面に形成される水和酸化物皮膜について、X線回折により確認したところ、91℃以上100℃以下の熱水を用いた皮膜形成処理では、ベーマイト(boehmite)又は擬ベーマイト(pseudoboehmite)を主体としたブロードのピークが認められる皮膜であり、また、60℃以上90℃以下の温水を用いた皮膜形成処理では、結晶性成分に由来するピークが認められない主に非晶質(amorphous)を主体とした皮膜である。
 なお、水和酸化物皮膜についてのX線回折の測定は、皮膜形成処理により熱交換器本体部材1の表面に酸素含有皮膜として水和酸化物皮膜を形成した後の表面処理済み熱交換器本体部材から、30mm×30mmにして測定用試料を作製し、この試料をX線回析装置〔(株)リガク社製:RAD-rR〕のガラス試料板(試料部24mm角・貫通)に固定し、X線源:Cu回転対陰極ターゲット(使用X線及び波長:CuKα 1.5418Å)、X線出力:50kV、200mA、検出器:シンチレーション検出器、光学系属性:Bragg-Brentano光学系(集中法)、発散スリット1°、散乱スリット1°、及び受光スリット0.3mmの条件で測定し、含有成分を同定し、次に、検出された各相を代表するピークのうち、強度が高くて他成分に由来するピークと重複しない1ピークについて、積分回析強度を算出して求めた。
 更に、熱交換器本体部材1の表面に酸素含有皮膜として酸化物皮膜を形成するためのレーザー処理については、熱交換器本体部材1の表面付近を、好ましくは表面付近のみを部分的に、熱交換器本体部材1の溶融温度以上まで加熱して酸化し、アルミ基材の表面付近に酸化アルミニウム(Al2O3)を析出させてこの酸化アルミニウム(Al2O3)を含む酸素含有皮膜を形成することができればよく、例えばレーザーエッチング装置等を用いて行うことができる。
 このような皮膜形成工程で熱交換器本体部材1の表面に酸素含有皮膜を形成して得られた表面処理済の熱交換器本体部材については、その最表面から3μmの深さまでの表層において、EPMAで測定される酸素含有率が0.1重量%以上50重量%以下、好ましくは1.0重量%以上30重量%以下であるのがよい。この表層における酸素含有率が0.1重量%より低いと、皮膜が薄過ぎて樹脂部材4との間の十分なアルミ-樹脂間の接合強度を達成するのが困難になる場合があり、反対に、酸素含有率を、50重量%を超えて高くすると、皮膜が厚過ぎて皮膜凝集破壊が生じ、充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない。
 また、この皮膜形成工程で形成された酸素含有皮膜の厚さについては、通常0.06μm以上2μm以下であるのがよく、好ましくは0.1μm以上1μm以下であるのがよい。この酸素含有皮膜の皮膜厚さが0.06μm未満であると、皮膜が薄すぎて充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合があり、反対に、2μmを超えると、皮膜が厚過ぎて皮膜凝集破壊が生じ、充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合がある。
 そして、91℃以上100℃以下の熱水を用いた皮膜形成処理で熱交換器本体部材1の表面に形成された水和酸化物皮膜の厚さについては、通常0.1μm以上1μm以下であるのがよく、好ましくは0.2μm以上0.5μm以下であるのがよい。この酸素含有皮膜の皮膜厚さが0.1μm未満であると、皮膜が薄すぎて充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合があり、反対に、1μmを超えると、皮膜が厚過ぎて皮膜凝集破壊が生じ、充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合がある。
 また、60℃以上90℃以下の温水を用いた皮膜形成処理で熱交換器本体部材1の表面に形成された水和酸化物皮膜の厚さについては、通常0.1μm以上1μm以下であるのがよく、好ましくは0.2μm以上0.5μm以下であるのがよい。この酸素含有皮膜の皮膜厚さが0.1μm未満であると、皮膜が薄すぎて充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合があり、反対に、1μmを超えると、皮膜が厚過ぎて皮膜凝集破壊が生じ、充分なアルミ-樹脂間の接合強度が得られない場合がある。
<樹脂部材>
 本発明における樹脂部材4は、前述の通り、熱交換器本体部材に接合され、熱交換器本体部材1に熱媒体が流入するための流入部2、及び/又は熱交換器本体部材から熱媒体が流出するための流出部3を有したものであるが、その形状、大きさ、取り付ける数など、また、流入部2及び流出部3の位置関係などについては、熱交換器を使用する目的や用途等に応じて変わるものであるため、適宜変更することができ、特に限定されるものではない。また、この樹脂部材4は、好ましくは、前述の通り、熱媒体の流入部2及び/又は流出部3を有した本体部材4aと嵌合部材4bとからなるものなどでもよい。
 そして、本発明においては、上記の樹脂部材4を形成する樹脂成形工程で用いる熱可塑性樹脂組成物としては、具体的には、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレンスルフィド系樹脂やサルフォン系樹脂等の硫黄元素を含有する樹脂、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂や、液晶ポリマー、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等の酸素原子を含有する樹脂、例えばポリアミド(PA)、ABS、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の窒素原子を含有する熱可塑性樹脂等からなる樹脂組成物が挙げられ、中でも、パワーモジュール等の電子機器用の熱交換器としては、接着性、耐熱性及び成形性の観点で、ポリフェニレンスルフィドが特に好ましい。
 また、上記の樹脂成形工程で用いる熱可塑性樹脂組成物としては、酸素含有皮膜と反応する特定の官能基を有する添加剤化合物を含有する樹脂組成物が用いられる。ここで、前記添加剤化合物とは、熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂以外の物質をいい、また、熱可塑性樹脂組成物中に添加して用いられるものであれば、特に制限されるものではなく、熱可塑性樹脂組成物の製造、熱可塑性樹脂組成物の成形性及び加工性、熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体の特性等を考慮して様々な目的で添加される、例えば、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、滑剤、シランカップリング剤、フィラー、エラストマー等の種々の添加剤を例示することができ、中でも、線膨張差に起因して発生する金属・樹脂間の歪みを緩和する観点から、添加剤としては特にエラストマーが好ましい。
 ここで、前記添加剤化合物としては、カルボキシル基及びその塩及びそのエステル、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アミノ基及びその塩、並びに、酸無水物基及びそのエステルからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物であるのがよく、中でも、グリシジル基を有する化合物であることが特に好ましい。前記添加剤化合物としては、α-オレフィン由来の構成単位とα,β-不飽和酸のグリシジルエステル由来の構成単位とを含むオレフィン系共重合体であることが好ましく、また、更に(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含むオレフィン系共重合体であることがより好ましい。なお、以下、(メタ)アクリル酸エステルを(メタ)アクリレートともいう。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルをグリシジル(メタ)アクリレートともいう。また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸との両方を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとの両方を意味する。
 α-オレフィンとしては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられ、特にエチレンが好ましい。α-オレフィンは、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。
 前記添加剤化合物がα-オレフィン由来の構成単位を含むことで、樹脂部材4には可撓性が付与され易い。この可撓性の付与により、樹脂部材4が軟らかくなり、優れたアルミ-樹脂間の接合強度が発現すると共に耐久試験後の強度低下が防止され、長期に亘る優れたアルミ-樹脂間の接合強度が維持され易い。
 α,β-不飽和酸のグリシジルエステルとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステル等が挙げられ、特にメタクリル酸グリシジルエステルが好ましい。α,β-不飽和酸のグリシジルエステルは、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。前記添加剤化合物がα,β-不飽和酸のグリシジルエステルを含むことで、アルミ-樹脂間の接合強度が向上する効果が得られる。
 (メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-n-ヘキシル、アクリル酸-n-オクチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸-n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-アミル、メタクリル酸-n-オクチル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。中でも、特にアクリル酸メチルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位は、アルミ-樹脂間の接合強度の向上に寄与する。
 α-オレフィン由来の構成単位とα,β-不飽和酸のグリシジルエステル由来の構成単位とを含むオレフィン系共重合体、及び、更に(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含むオレフィン系共重合体は、従来公知の方法で重合することにより製造することができる。例えば、通常よく知られたラジカル重合反応により共重合を行うことによって、上記共重合体を得ることが出来る。共重合体の種類は特に問われず、例えば、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。また、このオレフィン系共重合体に、例えばポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸-2エチルヘキシル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリル酸ブチル・スチレン共重合体等が、分岐状に又は架橋構造的に化学結合したオレフィン系グラフト共重合体であってもよい。
 本発明に用いるオレフィン系共重合体は、本発明の効果を害さない範囲で、他の共重合成分由来の構成単位を含有することができる。
 また、前記添加剤化合物の官能基については、熱可塑性樹脂組成物中に0.5~150μmol/g、好ましくは0.5~50μmol/g、更に好ましくは2~25μmol/gの割合で含有される。この熱可塑性樹脂組成物中における官能基の割合が0.5μmol/gより低いとアルミ-樹脂間の接合強度が低下し易く、反対に150μmol/gより高くなると樹脂材料としての特性、特に流動性、引張強度や曲げ強度等の機械的強度、及び剛性に悪影響を与え易いという点で好ましくない。
 ここで、熱可塑性樹脂組成物中における官能基の割合は、この熱可塑性樹脂組成物中に添加する添加剤化合物における“官能基1個当りの分子量”をMとした場合、この添加剤化合物中の官能基の量は1/M(mol/g)となるので、この添加剤化合物を熱可塑性樹脂組成物中に例えば1質量%の割合で添加すると、(1/M)×(1/100)=1/100M(mol/g)と計算される。なお、前記“官能基1個当りの分子量”Mは、もし添加剤化合物が複数、例えば2個の官能基を有する場合には、添加剤化合物それ自体の分子量Mwの1/2になる。
 また、本発明においては、素地となる熱交換器本体部材1の表面全体に酸素含有皮膜を形成し、得られた表面処理済の熱交換器本体部材の必要な個所にのみ射出成形により、又は、熱圧着などにより樹脂部材4を接合してもよく、あるいは、コスト性を考慮して、熱交換器本体部材1の表面の一部又は必要な個所のみに酸素含有皮膜を形成し、得られた表面処理済の熱交換器本体部材の必要な個所に射出成形により、又は、熱圧着などにより樹脂部材4を接合してもよい。そして、熱交換器本体部材1の表面の一部又は必要な個所のみに酸素含有皮膜を形成する際には、酸素含有皮膜を形成する部分以外の部分を、例えばマスキングテープ等でマスキングした後に酸素含有皮膜を形成するための処理を行い、次いでこのマスキングした部分のマスキングテープ等を除去すればよい。
 本発明においては、必要により上記酸素含有皮膜を形成する皮膜形成工程に先駆けて、熱交換器本体部材1の表面の前処理として、脱脂処理、エッチング処理、デスマット処理、粗面化処理、化学研磨処理、及び電解研磨処理から選ばれたいずれか1種又は2種以上の処理を行ってもよい。
 上記前処理として行う脱脂処理については、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、界面活性剤等からなる通常の脱脂浴を用いて行うことができ、処理条件としては、通常、浸漬温度が15℃以上55℃以下、好ましくは25℃以上40℃以下であって、浸漬時間が1分以上10分以下、好ましくは3分以上6分以下である。
 また、上記前処理として行うエッチング処理については、通常、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液、又は、硫酸-リン酸混合水溶液等の酸水溶液が用いられる。そして、アルカリ水溶液を用いる場合には、濃度20g/L以上200g/L以下、好ましくは50g/L以上150g/L以下のものを用い、浸漬温度30℃以上70℃以下、好ましくは40℃以上60℃以下、及び処理時間0.5分以上5分以下、好ましくは1分以上3分以下の処理条件で浸漬処理を行うのがよい。また、酸水溶液である硫酸-リン酸混合水溶液を用いる場合には、硫酸濃度10g/L以上500g/L以下、好ましくは30g/L以上300g/L以下、及びリン酸濃が10g/L以上1200g/L以下、好ましくは30g/L以上500g/Lのものを用い、浸漬温度30℃以上110℃以下、好ましくは55℃以上75℃以下、及び浸漬時間0.5分以上15分以下、好ましくは1分以上6分以下の処理条件で浸漬処理を行うのがよい。
 更に、上記前処理として行うデスマット処理については、例えば1~30%濃度の硝酸水溶液からなるデスマット浴を用い、浸漬温度15℃以上55℃以下、好ましくは25℃以上40℃以下、及び浸漬時間1分以上10分以下、好ましくは3分以上6分以下の処理条件で浸漬処理を行うのがよい。
 更にまた、上記前処理として行う粗面化処理については、例えば、熱交換器本体部材1の前処理後に、酸性フッ化アンモニウムを主成分とする処理液(日本シーヒーケミカル製商品名:JCB-3712)中に浸漬する方法等を例示することができる。この処理により,Siを合金中に含むAl材についてもSiを残存させずに溶解除去することが可能となるため、その後に酸素含有皮膜を付けても欠陥等の問題が生じることがなく、良好な接合強度を得ることが可能となる。
 なお、上記前処理として行う化学研磨処理や電解研磨処理については、従来公知の方法を採用することができる。
 本発明において、酸素含有皮膜を形成した熱交換器本体部材1と樹脂部材4との間の接合が強固になる原理については、未だ不明な点も多いが、熱交換器本体部材1と樹脂部材4との接合後に熱交換器本体部材1の表面に形成した酸素含有皮膜が破壊されずに残存しており、また、次のような検証結果から、概ね以下のように考えている。
 例えば、アルミニウム基材の表面に酸素含有皮膜を有する複数の表面処理済のアルミニウム基材を形成し、一部の表面処理済のアルミニウム基材については、その表面にグリシジル基を有するポリフェニレンスルフィド(PPS)の射出成形によりPPS成形体を接合してアルミPPS接合体とした。また、残りの表面処理済のアルミニウム基材については、先ず、100℃に保持した電気炉中でステアリン酸を揮発させ、その中に表面処理済のアルミニウム基材を24時間暴露し、酸素含有皮膜の上にステアリン酸の単分子膜を有するステアリン酸処理済のアルミニウム基材とし、このステアリン処理済のアルミニウム基材の表面にグリシジル基を有するPPSの射出成形によりPPS成形体を接合してステアリン酸処理アルミPPS接合体とした。
 そして、これらアルミPPS接合体とステアリン酸処理アルミPPS接合体との間における接合強度の違いを測定したところ、結果は、ステアリン処理有アルミPPS接合体における接合強度は、アルミPPS接合体の接合強度に比べて、明確に低下していた。
 ステアリン酸は親水基であるカルボキシル基(COOH)と疎水基であるアルキル基(C17H35)とを併せ持ち、1分子の厚みをもつ単分子膜を形成する性質がある。ステアリン酸処理アルミPPS接合体においては、そのアルミニウム基材の酸素含有皮膜とステアリン酸のカルボキシル基側が化学結合してしまい、アルキル基側がPPS成形体と接触するかたちとなるため、その結果として、アルミニウム基材とPPS成形体の化学結合が阻害され、アルミPPS接合体の接合強度に比べて接合強度が低下したものと考えられる。
 また、ステアリン酸処理前後の表面処理済アルミニウム基材について、その表面を観察して比較検討したが、ステアリン酸単分子膜の有無により表面の構造に違いは見られなかった。一方、ステアリン酸処理後の表面処理済アルミニウム基材について、液滴を垂らし、その接触角を測定すると、接触角は180°に近くなり、液滴はほぼ球形になった。このことは、ステアリン酸のアルキル基側がアルミニウム基材の最表層側に偏在していることを裏付ける結果である。
 以上から、本発明の熱交換器における表面処理済の熱交換器本体部材とグリシジル基を有する樹脂部材との間において、酸素含有皮膜の酸素と樹脂中のグリシジル基との間に化学的な結合が生じ、この化学的な結合による作用が接合強度を高くする効果を発現しているものと考えられる。
 以下、実施例及び比較例、並びに試験例に基づいて、本発明の熱交換器を具体的に説明する。
1.アルミ樹脂接合特性の評価
 熱交換器本体部材1に用いるための金属材料として、純アルミニウム(A1050 調質O)又はAl-Mg-Si系アルミニウム合金(A6063 調質T5)を用いたアルミ基材を準備し、一方、樹脂部材4に用いるための樹脂材料として、金属密着性が良好な以下の表1に示す物性の樹脂(PPS)を使用して、これらを接合してアルミ樹脂接合体の試験片を製造し、以下のように引張試験、せん断試験、4点曲げ試験、気密試験により接合状態を評価した。試験は接着剤の接着強度を試験する規格ISO19095に準じて行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(1)引張試験
 上記のアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ基材(50mm×10mm×2mm)を射出成形機の金型内にセットし、上記の樹脂組成物を射出成形機に導入後、金型温度140、160及び180℃(3種類)、シリンダー温度290℃、射出速度100mm/s、保圧100MPa、保圧時間10秒の射出成形条件で樹脂の射出成形を行い、アルミ基材の一端に樹脂部材が接合された試験用のアルミ樹脂接合体を作製した(50mm×10mm×2mm)。
 次いで、得られたアルミ樹脂接合体を引張圧縮試験機〔(株)東洋精機製作所製、商品名:ストログラフT20D〕にセットして両端部をチャックで把持し、雰囲気温度23℃、引張速度1mm/min、チャック深さ15mmの条件で引張試験を行った。アルミ基材と樹脂部材との接合部が剥がれた際の強度(単位:MPa)を測定した。なお、測定はアルミ基材毎に行い、各金型温度でn=3で行いその平均値を求めた。結果を以下の表2に示す。
(2)4点曲げ試験
 上記の引張試験と同様に、試験用のアルミ樹脂接合体を作製した。
 次いで、得られたアルミ樹脂接合体を引張圧縮試験機〔(株)東洋精機製作所製、商品名:ストログラフT20D〕にセットし、雰囲気温度23℃、引張速度1mm/min、圧子間距離27mm、支点間距離81mm、圧子のR2mm、支点のRを各2mmの条件で試験を行った。破断の際の強度(単位:MPa)を測定した。なお、測定はアルミ基材毎に行い、各金型温度でn=3で行いその平均値を求めた。結果を以下の表2に示す。
(3)せん断試験
 上記の引張試験と同様に試験用のアルミ樹脂接合体を作製した。このせん断試験用のアルミ樹脂接合体は、アルミ基材と樹脂部材とが一部で面接合しているものである(接合部面積50mm2)。
 次いで、得られたアルミ樹脂接合体を引張圧縮試験機〔(株)東洋精機製作所製、商品名:ストログラフT20D〕にセットして、雰囲気温度23℃、引張速度1mm/min、チャック深さ15mmの条件で、図6に示すように試験を行った。アルミ基材と樹脂部材との接合部が剥がれた際の強度(単位:MPa)を測定した。なお、測定はアルミ基材毎に行い、各金型温度でn=3で行いその平均値を求めた。結果を以下の表2に示す。
(4)気密試験
 気密試験用のアルミ樹脂接合体として、図7に示すような円形のアルミ樹脂接合体を上記と同様の条件で作製した(樹脂部材:φ20mm、アルミ基材:φ55mm)。
 次いで、得られた円形のアルミ樹脂接合体を気密試験機に取り付け、蓋をして真空ポンプで脱気した。その後、5分間保持後、脱気開始時と終了時の圧力差を比較して、リークの有無を測定した。圧力差がない場合をリーク無しとした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
2.熱交換器の製造
[実施例1]
(1)熱交換器本体部材の製造
 Al-Mg-Si系アルミニウム合金(A6063)鋳塊を、所定の成形孔を有する押出ダイスから押し出し、所定の長さに切断して、内部にリブ5を有して熱媒体が流通するための流通経路6が形成された熱交換器本体部材1(長さ150mm×幅100mm×厚さ10mm)として得た。
(2)樹脂部材の製造
 熱可塑性樹脂組成物として、グルシジル基(GMA)を含むポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂組成物(ポリプラスチックス(株)製商品名:ジュラファイド(登録商標)RSF―10719)を用いた。このポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂組成物は溶融粘度が230Pa・sの樹脂組成物である。
(3)熱交換器の製造
 上記で得られた樹脂組成物を射出成形機に導入後、熱交換器本体部材1の両端に本体部材4aを突き合わせた状態で、射出成形機の金型内にセットし、金型温度170℃、シリンダー温度300℃、射出速度100mm/s、保圧50MPa、保圧時間10秒の射出成形条件で樹脂組成物の射出成形を行い、4bを形成した。これらを繰り返して、図1~5に示すような嵌合部材4bを介し、熱交換器本体部材1の両端部に4aを接合した。本発明に係る熱交換器Aを得た(なお、本体部材4aは、熱交換器本体部材1に接触しているだけである)。
3.酸素含有皮膜の皮膜形成処理を行ったアルミ基材によるアルミ樹脂接合特性の評価
[1]以下の試験例及び比較試験例において、前処理として行われた粗面化処理及び酸素含有皮膜を形成する皮膜形成処理は以下の通りである。
〔粗面化処理〕
 先ず、前処理として、アルミ基材を、30質量%に調整した硝酸水溶液中に室温、0.5分間の条件で浸漬し、その後、5質量%に調整した水酸化ナトリウム水溶液中に50℃、0.5分間の条件で浸漬し、更に、30質量%に調整した硝酸水溶液中に室温、0.5分間の条件で浸漬した後、次いで、前処理後のアルミ基材を濃度20質量%に調整した酸性フッ化アンモニウムを主成分とする処理液(日本シービーケミカル製:JCB-3712)中に温度40℃、10分間の条件で浸漬し、粗面化処理済のアルミ基材を作製した。
〔酸素含有皮膜の皮膜形成処理〕
 (1)  処理法A(亜鉛含有皮膜の形成)
 皮膜形成処理剤として水酸化ナトリウム濃度100g/L及び酸化亜鉛濃度25g/L(Zn+として20g/L)の亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液(NaOH-Zn+溶液)を調製した。次に、この亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液中にアルミ基材を室温下に1分間浸漬し(注:比較試験例1の場合のみ5分間の浸漬を行った。)、その後水洗し、表面に酸素含有皮膜として亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜が形成された試験用の表面処理済アルミ基材を作製した。
 (2)  処理法B(熱水による水和酸化物皮膜の形成)
 アルミ基材を91~100℃の熱水(純水)中に0.5~30分間浸漬し、表面に酸素含有皮膜としてベーマイトあるいは擬ベーマイトを主体とする水和酸化物皮膜が形成された試験用の表面処理済アルミ基材を作製した。
 (3)  処理法C(温水による水和酸化物皮膜の形成)
 温度60~80℃の温水(純水)を用い、浸漬時間を1~5分間に変更した以外は、処理法B(熱水による水和酸化物皮膜の形成)と同様にして、アルミ基材の表面に酸素含有皮膜として非晶質成分を主体とする水和酸化物皮膜が形成された試験用の表面処理済アルミ基材を作製した。
 (4)  処理法D(レーザー処理による酸化物皮膜の形成)
 レーザーエッチング処理(装置名:ミヤチテクノス/ML-7112A;レーザー光波長:1064nm、スポット径:50~60μm、発振方式:Qスイッチパルス、周波数:10kHz)において、アルミ基材の表面にピッチ幅50μm間隔で同一方向にレーザー照射を行い、アルミ基材の表層に酸素含有皮膜として酸化物皮膜(Al2O3)が形成された試験用の表面処理済アルミ基材を作製した。
[2]以下の試験例及び比較試験例において、使用された樹脂組成物中の樹脂種及び添加剤化合物は以下の通りである。
〔樹脂組成物中の樹脂種〕
 PPS(1):PPS系樹脂組成物〔ポリプラスチックス(株)製商品名:ジュラファイド(登録商標)RSF-10719;後述する添加剤化合物a及びbと、無機系充填材料50%を含む。〕
 PPS(2):PPS樹脂〔(株)クレハ製商品名:フォートロンKPS W203A[溶融粘度:30Pa・s(せん断速度:1216sec-1、310℃)]〕
 PBT:PBT樹脂〔ウィンテックポリマー(株)製商品名:TRB-CP〕
 PP:PP系樹脂組成物〔(株)プライムポリマー製商品名:R-350G〕
 POM:POM樹脂〔トリオキサン96.7質量%と1,3-ジオキソラン3.3質量%とを共重合させて得られたポリアセタール共重合体であり、メルトインデックス(190℃、荷重2160gで測定):9g/10min〕
 LCP:芳香族ポリエステル液晶樹脂〔融点:280℃、溶融粘度(300℃):50.1Pa・s〕
 なお、上記の芳香族ポリエステル液晶樹脂(LCP)は、次のようにして製造されたものである。
 攪拌機、留出管、ガス導入管、排出孔等を備えた反応器を用い、p-ヒドロキシ安息香酸345重量部(73mol%)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸175重量部(27mol%)、酢酸カリウム0.02重量部、及び無水酢酸350重量部を反応器内に仕込み、この反応器内を十分に窒素で置換した後、常圧下で150℃まで温度を上げ、攪拌を開始した。150℃で30分攪拌し、更に徐々に温度を上昇させ、副生する酢酸を留去した。温度が300℃に達したところで徐々に反応器内を減圧し、5Torr(即ち、665Pa)の圧力で1時間攪拌を続け、目標の攪拌トルクに達した時点で、反応器下部の排出孔を開け、窒素圧を使って生成した樹脂をストランド状に押し出して取り出した。取り出されたストランドをペレタイザーで粒子状に成形した。
〔樹脂組成物中の添加剤化合物〕
 添加剤化合物a:グリシジル基含有エラストマー〔日油(株)製商品名:モディパーA4300〕
 添加剤化合物b:官能基を含有しないエラストマー〔ダウ・ケミカル日本(株)製商品名:Engage 8440〕
 添加剤化合物c:グリシジル基を含有するエラストマー〔住友化学(株)製商品名:ボンドファースト7L〕
 添加剤化合物d:イソシアネート化合物〔デグサジャパン(株)製商品名:Vestanat T1890/100〕
 添加剤化合物e:エポキシ系化合物〔三菱化学(株)製商品名:エピコート JER1004K〕
 添加剤化合物f:エステル系エラストマー〔日本ユニカー(株)製商品名:NUC-6570〕
 添加剤化合物g:ジシアンジアミド〔日本カーバイド工業(株)製商品名:ジシアンジアミドG〕
 添加剤化合物h:カルボジイミド化合物〔ラインケミージャパン(株)製商品名:スタバックゾールP400〕
 添加剤化合物i:グリシジル基含有エラストマー〔住友化学(株)製商品名:ボンドファーストE〕
[3]以下の試験例及び比較試験例において、アルミ基材の表面に形成された酸素含有皮膜の「酸素含有率」及び「皮膜厚さ」と、「アルミ樹脂接合体の皮膜厚さ」は、以下のようにして測定した。
〔酸素含有皮膜の酸素含有率の測定〕
 アルミ樹脂接合体の製造過程で得られた表面処理済アルミ基材について、EPMA(島津製:EPMA 1610)を用い、照射径が40μm/stepで縦横方向にそれぞれ512step測定するマッピング分析を実施した。ここで、測定面積は20.48mm×20.48mmであり、1stepのサンプリングタイムは20msであって、加速電圧は15kVであり、酸素の深さ方向の分解能は3μm以下である。次に、検出された酸素強度を事前に作成した検量線から重量百分率(wt%)として算出した。なお、検量線は、Al2O3標準試料(酸素含有率:48wt%)の酸素強度と高純度Al箔の酸素強度の2点から算出し作成したものを使用した。
〔酸素含有皮膜の皮膜厚さの測定〕
 アルミ樹脂接合体と、このアルミ樹脂接合体の製造過程で得られた表面処理済アルミ基材とについて、それぞれ、型集束イオンビーム加工装置(FEI社製:Quanta3D型)を用い、試料表面に集束イオンビームを当てて表面の原子をはじきとばすことにより観察部位を摘出すると共に、厚さ約100nmの薄膜状に加工して観察試料を作製した。観察は、透過電子顕微鏡(TEM)(FEI製:Tecnai G2 F20 S-TWIN)を用い、加速電圧200kVの条件で実施した。
〔試験例1〕
 (1)  表面処理済アルミ基材の作製
 市販のアルミニウム板材(A5052;板厚2.0mm)から50mm×25mmの大きさのアルミ基材を切り出した。次に、上記の処理法A(亜鉛含有皮膜の形成)により、表面に亜鉛元素を含有する酸素含有皮膜が形成された試験用の表面処理済アルミ基材を作製した。
 得られた表面処理済アルミ基材について、その酸素含有皮膜における酸素含有量測定、酸素強度測定、及び皮膜厚測定を行った。
 結果を表1に示す。
 (2)  樹脂組成物
 熱可塑性樹脂組成物として、表3に示す添加剤化合物a及び添加剤化合物bと、無機系充填材料50%を含むPPS系樹脂組成物〔PPS(1)〕を用いた。このPPS系樹脂組成物〔PPS(1)〕は溶融粘度が230Pa・s(310℃、1000s-1)の樹脂組成物である。
 (3)  アルミ樹脂接合体の作製
 上で得られた樹脂組成物を射出成形機に導入後、試験用表面処理済アルミ基材射出成形機の金型内にセットし、金型温度160℃、シリンダー温度320℃、射出速度70mm/s、保圧80MPa、保圧時間5秒の射出成形条件で樹脂の射出成形を行い、図5に示す試験用のアルミ樹脂接合体7を作製した。
 このアルミ樹脂接合体7は、厚さ2mmの表面処理済アルミ基材8と、先端に5mm×5mm×10mmの大きさの先端接合部10を有すると共にこの先端接合部10以外の厚さが4mmのアルミ樹脂接合体7とが前記先端接合部10で接合されたもので、50mm2の接合部面積を有し、また、先端接合部10の部分には1.5mmφのピンゲート11が形成されている。
〔アルミ樹脂接合体の接合強度の評価試験〕
 このアルミ樹脂接合体7について、下記の方法でそのアルミ-樹脂間の接合強度の評価試験を行った。
 図6に示すように、アルミ樹脂接合体7の表面処理済アルミ基材8を冶具12に固定し、PPS成形体9の上端にその上方から1mm/minの速度で荷重13を印加し、表面処理済アルミ基材8と樹脂成形体9との間の接合部分を破壊する試験を実施した。その後、破断面のアルミ側について目視判断により樹脂凝集破壊率を判定した。
 結果を表3に示す。
〔試験例2~47〕
 アルミ基材、酸素含有皮膜の皮膜形成処理、酸素含有皮膜、樹脂組成物、及び樹脂成形条件についてはそれぞれ表3~表10に示す通りであり、試験例1と同様にして接合強度の評価試験を行った。
 また、試験例29は30wt%HNO3溶液を用い、試験例30においては、0.1MのNaOH水を用いて熱水の導電率を表7に示す数値に調整した。
 なお、試験例3、4、12~14、18、23、24、29~34、42、43、45、及び46においては、試験例1と同じPPS系樹脂組成物〔PPS(1)〕を用いた。また、PPS樹脂〔PPS(2)〕を用いた試験例2においては、樹脂組成物中に40質量%のガラス系充填材料が添加されており、また、PBTを用いた試験例5~9、15~17、19~22、25~28、35、36、44、及び47、並びに、PPを用いた試験例10及び11においては、樹脂組成物中に30質量%のガラス系充填材料が添加されており、更に、POMを用いた試験例37~40においては、25質量%のガラス系充填材料が添加されており、更にまた、LCPを用いた試験例41においては、50質量%のガラス系充填材料が添加されている。
 また、試験例3及び27においては、耐久性評価試験として、接合強度の評価試験に用いたアルミ-樹脂接合体と同様の試験片を用い、下記の冷熱衝撃試験を実施し、この冷熱衝撃試験後の接合強度を評価した。
〔冷熱衝撃試験〕
 冷熱衝撃試験機(エスペック(株)製)を用い、所定のサイクル条件で冷熱衝撃試験を行い、100サイクル後に取り出して、試験例1と同様にして接合強度の評価試験を行い、耐久性を評価した。
 上記のサイクル条件は、試験例3では、160℃、1.5時間の加熱後に、-40℃に降温して1.5時間冷却し、その後再び160℃に昇温する加熱-冷却過程を1サイクルとし、また、試験例27では、140℃、1.5時間の加熱後に、-40℃に降温して1.5時間冷却し、その後再び140℃に昇温する加熱-冷却過程を1サイクルとした。
 結果を表3~表10に示す。
〔比較試験例1~18〕
 アルミ基材、酸素含有皮膜の皮膜形成処理、酸素含有皮膜、樹脂組成物、及び樹脂成形条件についてはそれぞれ表11~表13に示す通りであり、試験例1と同様にして接合強度の評価試験を行った。
 なお、比較試験例4及び7~10においては、試験例1と同じPPS系樹脂組成物〔PPS(1)〕を用いた。また、PPS樹脂〔PPS(2)〕を用いた比較試験例1、11、17及び18においては、樹脂組成物中に40質量%のガラス系充填材料が添加されており、また、PBTを用いた比較試験例2、5、12及び16、並びに、PPを用いた比較試験例3、6及び15においては、樹脂組成物中に30質量%のガラス系充填材料が添加されており、また、POMを用いた比較試験例13においては、25質量%のガラス系充填材料が添加されており、更にまた、LCPを用いた比較試験例14においては、30質量%のガラス系充填材料が添加されている。
 また、比較試験例4~6においては前処理としての粗面化処理と酸素含有皮膜を形成する皮膜形成処理(表面処理)を行わずに、また、比較試験例9及び10については酸素含有皮膜を形成する皮膜形成処理(表面処理)を行わずに、それぞれアルミ基材を用いた以外は、上記の試験例と同様にしてアルミ樹脂接合体を作製し、試験例1と同様にして接合強度の評価試験を行った。
 また、比較試験例7、8においては、0.1MのNaOH水を用いて熱水の導電率を表12に示す数値に調整した。
 結果を表11~表13に示す。
〔酸素含有皮膜の皮膜形成処理の参考例〕
 試験例1と同じアルミ基材に対して、導電率25mS/mの水道水を用い、95℃で1分間の条件で熱水による皮膜形成処理を行った。
 結果は、アルミ基材の表面に形成された酸素含有皮膜はその厚さがバラついているが0.02~0.05μmに過ぎなかった。
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 本発明の熱交換器は、熱交換器本体部が良熱伝導性のアルミニウム製であるため熱交換の効率が良く、尚且つ熱媒体の流入部及び流出部には樹脂製の部材を用いているため、これらの接合部の腐食や変形の問題の懸念が無いことから、パワーモジュールなどの電子機器等の用途の熱交換器として好適に利用可能である。
 A…熱交換器、1…熱交換器本体部材、2…流入部、3…流出部、4(4'、4'')…樹脂部材、4a…本体部材、4b…嵌合部材、5…リブ、6…流通経路、7…アルミ樹脂接合体、8…表面処理済アルミニウム基材、9…PPS成形体(樹脂成形体)、10…先端接合部、11…ピンゲート、12…冶具、13…荷重、14…アルミ基材、15…樹脂成形体

Claims (16)

  1.  内部にリブを有して熱媒体が流通するための流通経路が形成されたアルミニウム製の熱交換器本体部材と、この熱交換器本体部材に接合され、熱交換器本体部材に熱媒体が流入するための流入部、及び/又は熱交換器本体部材から熱媒体が流出するための流出部を有した熱可塑性樹脂製の樹脂部材とを備えることを特徴とする熱交換器。
  2.  前記樹脂部材は、前記流入部及び/又は流出部を有した本体部材と、前記熱交換器本体部材に直接接合され、前記本体部材を嵌合するための嵌合部材とからなり、前記嵌合部材を介して、前記熱交換器本体部材と前記流入部及び/又は流出部の本体部材とが接合していることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3.  前記熱交換器本体部材と前記樹脂部材との接合方法、及び/又は前記熱交換器本体部材と前記嵌合部材との接合方法が、射出成形、熱圧着、熱融着から選ばれたいずれか1種又は2種以上の方法によることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4.  前記熱交換器本体部材は、押出加工、切削加工、プレス加工、鍛造加工、ダイカスト法から選ばれたいずれか1種又は2種以上を用いて成形されたものであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の熱交換器。
  5.  前記熱交換器本体部材の表面には、意図的に酸素含有量を増やす処理を施すことにより形成された酸素を含有する酸素含有皮膜が形成されており、この酸素含有皮膜を介して、前記熱交換器本体部材と前記樹脂部材とが接合されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の熱交換器。
  6.  前記酸素含有皮膜は、厚さが0.06μm以上2μm以下の酸化物皮膜であることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  7.  前記酸素含有皮膜が、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた皮膜形成処理で得られた亜鉛元素を含有する亜鉛含有皮膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の熱交換器。
  8.  前記酸素含有皮膜が、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下であって91℃以上100℃以下の熱水を用いた皮膜形成処理で形成され、厚さが0.1μm以上1μm以下の水和酸化物皮膜であることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  9.  前記酸素含有皮膜が、導電率が0.01mS/m以上20mS/m以下であって60℃以上90℃以下の温水を用いた皮膜形成処理で形成され、厚さが0.1μm以上1μm以下の水和酸化物皮膜であることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  10.  前記酸素含有皮膜が、前記熱交換器本体部材の表面にレーザー処理を施す皮膜形成処理で得られた酸化物皮膜であることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  11.  前記樹脂部材が接合される前の表面に酸素含有皮膜を有する前記熱交換器本体部材は、その最表面から3μmの深さまでの表層においてEPMAで測定された酸素含有率が0.1~50重量%の範囲内であることを特徴とする請求項5~10のいずれかに記載の熱交換器。
  12.  前記熱可塑性樹脂を形成する熱可塑性樹脂組成物には、前記酸素含有皮膜と反応する官能基を有する添加剤化合物が含有され、この添加剤化合物が、カルボキシル基及びその塩及びそのエステル、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アミノ基及びその塩、並びに、酸無水物基及びそのエステルからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項5~11のいずれかに記載の熱交換器。
  13.  前記添加剤化合物の官能基が、前記熱可塑性樹脂組成物中に0.5~150μmol/gの割合で含有されていることを特徴とする請求項12に記載の熱交換器。
  14.  前記添加剤化合物が、α-オレフィン由来の構成単位とα,β-不飽和酸のグリシジルエステル由来の構成単位とを含むオレフィン系共重合体である請求項12又は13に記載の熱交換器。
  15.  前記添加剤化合物が、更に(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含むオレフィン系共重合体である請求項12~14のいずれかに記載の熱交換器。
  16.  前記熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、液晶ポリマー、サルフォン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1~15のいずれかに記載の熱交換器。
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