WO2015098955A1

WO2015098955A1 - 蓄電装置

Info

Publication number: WO2015098955A1
Application number: PCT/JP2014/084129
Authority: WO
Inventors: 元章奥田; 厚志南形; 陽平濱口
Original assignee: 株式会社豊田自動織機
Priority date: 2013-12-25
Filing date: 2014-12-24
Publication date: 2015-07-02
Also published as: JP5850038B2; DE112014006014T5; JP2015122266A; US20160322626A1; US10026946B2

Abstract

　蓄電装置は、電極組立体とケースと電極端子と導電部材とを含んでいる。電極組立体は、正極の電極と負極の電極とセパレータとを含む。セパレータは、第１のセパレータ部及び第２のセパレータ部を含んでいる。セパレータは、タブを除いた正極の電極の部分を収納する収納部を有している。セパレータは、溶着部とタブ対向部とを有している。溶着部は、タブ対向部の両側に位置する対向部を有している。対向部は、導電部材を介して電極端子と対向している。対向部は、溶着部の他の部分よりも熱溶着に伴う収縮量が多くなる。

Description

蓄電装置

　本発明は、交互に積層された正極の電極と負極の電極と樹脂製のセパレータとを含む電極組立体と、電極組立体を収容するケースと、を備える蓄電装置に関する。

　ＥＶ（Electric Vehicle）やＰＨＶ（Plug in Hybrid Vehicle）などの車両には、走行用モータへの供給電力を蓄える蓄電装置としての二次電池が搭載されている。二次電池としては、電極組立体がケース内に収容されているものがある。また、電極組立体は、シート状の正極の電極とシート状の負極の電極とを絶縁した状態で積層して構成されている。正極の電極は、正極金属箔の両面に設けられる正極活物質層を有し、負極の電極は、負極金属箔の両面に設けられる負極活物質層を有する。

　また、ケース内では、正極の電極が有するタブに、正極の電極端子が導電部材を介して電気的に接続されるとともに、負極の電極が有するタブに、負極の電極端子が導電部材を介して電気的に接続されている。正極の電極端子の一部及び負極の電極端子の一部は、ケースの壁部を貫通してケースの外へ突出している。

　リチウムイオン電池のような二次電池では、充電時の電流の集中によって負極活物質層の表面への金属リチウムの析出を抑制するために、正極活物質層の面積に比べて負極活物質層の面積を大きくするとともに、正極活物質層の全面に、セパレータを介して負極活物質層を対向させている。

　このような二次電池では、電極組立体の積層方向において、正極のタブの基端部近傍に負極活物質層がセパレータを介して対向している。このため、電極組立体の面に沿う方向において正極の電極と負極の電極との間でずれが生じ、セパレータがずれると、正極のタブと負極活物質層とが短絡してしまう虞がある。よって、正極のタブと負極活物質層との短絡を抑制するため、セパレータの一辺の一部を突出させてタブの基端部近傍を覆う保護部を形成したものがある（例えば、特許文献１参照）。

特開２００２－２５２０２３号公報

　しかし、特許文献１のように、セパレータの一辺の一部だけを突出させて保護部を形成するには、例えば、矩形状のセパレータを保護部を有する形状に切断する必要がある。このような場合、セパレータを矩形状のまま使用する場合と比べると製造が面倒である。そこで、セパレータを矩形状のまま使用し、タブが配置される一辺の全体を保護部とすることが考えられる。しかし、セパレータの一辺全体を保護部とするとセパレータが大型化し、セパレータの一辺全体が電極端子に近付くことになり、導電部材を介して電極端子にセパレータが干渉してしまう虞が生じる。

　本発明の目的は、導電部材を介した電極端子とセパレータとの干渉を抑制することができる蓄電装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明の一態様にかかる蓄電装置は、電極組立体と、該電極組立体を収容するケースと、電極端子と、導電部材とを含んでいる。前記電極組立体は、一辺と該一辺から突出するタブとを有する正極の電極と、一辺と該一辺から突出するタブとを有する負極の電極と、一辺を有する樹脂製のセパレータであって、該セパレータは前記正極の電極と前記負極の電極との間を絶縁する、前記セパレータと、前記正極の電極と前記負極の電極と前記セパレータとを積層した状態で前記負極の電極の一辺と前記セパレータの一辺とによって形成されるタブ側端面と、を含む。前記ケースは前記タブ側端面に対向する壁部を有している。前記電極端子は前記ケースの壁部に固定される。前記導電部材は、前記正極の電極のタブと前記電極端子とを電気的に接続する。前記導電部材を介して前記ケース内において前記電極端子が前記タブ側端面に対向している。前記セパレータは、互いに対峙するとともに互いに熱溶着される第１のセパレータ部及び第２のセパレータ部を含んでいる。前記セパレータは、前記タブを除いた前記正極の電極の部分を収納する収納部を有している。前記第１のセパレータ部は、端縁と、前記収納部から前記端縁まで延びるはみ出し部と、を有している。前記第２のセパレータ部は、端縁と、前記収納部から前記端縁まで延びるはみ出し部とを有している。前記セパレータは、前記第１のセパレータ部のはみ出し部と前記第２のセパレータ部のはみ出し部とを熱溶着することによって形成される溶着部と、前記正極のタブの基端部を覆うタブ対向部とを有している。前記溶着部は、前記セパレータの一辺に沿う方向において前記タブ対向部の両側に位置する対向部を有している。該対向部の各々は、前記導電部材を介して前記電極端子と対向している。前記対向部の各々は、前記溶着部の他の部分よりも熱溶着に伴う収縮量が多くなるように構成されている。

　これによれば、正極のタブの基端部は、セパレータのタブ対向部によって覆われ、正極のタブと負極の電極とが短絡することが抑制されている。そして、セパレータは、その一辺において、タブ対向部の両側に位置する対向部を備えている。対向部において収納部からはみ出した溶着部の量は、その他の部分において収納部からはみ出した溶着部の量よりも少なくなっている。このため、セパレータの一辺では、タブ対向部よりも対向部の方が低く位置しており、タブ対向部よりも対向部の方が電極端子の固定された壁部から離れて位置している。したがって、タブ対向部で正極のタブの短絡を抑制しながら、電極端子が、導電部材を介してセパレータの一辺と干渉することを抑制することができる。正極のタブの短絡を抑制しつつ、導電部材を介した電極端子とセパレータとの干渉を回避可能なセパレータは、対向部を熱溶着で形成する際に、はみ出し部を収縮させる量をその他の部分より多くするだけで形成することができる。そのため、セパレータを切断等する場合と比べるとセパレータを簡単に製造することができる。

　好ましくは、蓄電装置は、前記対向部の各々に設けられ、前記正極の電極と前記負極の電極と前記セパレータとを一体に保持する保持テープをさらに備える。
　これによれば、対向部を保持テープで覆うことができ、対向部を導電部材から保護することができる。

　好ましくは、前記タブ対向部は未溶着である。
　これによれば、セパレータの製造時、タブ対向部には熱溶着に伴う収縮が生じない。そのため、タブ対向部が、正極のタブと負極の電極との間に介在した状態を維持することができる。

　好ましくは、前記セパレータは四角形状である。前記対向部は、前記セパレータの一辺と、該一辺に連続する別の辺とで形成された角部に位置している。前記対向部は、前記一辺と前記別の辺とに連続して延びている。

　溶着部を形成する際、セパレータの一辺を構成する辺、及び別の辺の両方に入熱がある。このため、例えば、セパレータの一辺に溶着部を形成した後、別の辺に溶着部を形成する際、その別の辺からの熱が角部にも加わり、角部付近での収縮量が大きくなる。したがって、セパレータに溶着部を形成するのと同時に対向部を形成することができる。

　好ましくは、前記蓄電装置は二次電池である。

本発明の実施形態の二次電池を示す分解斜視図。図１の二次電池を示す断面図。図１の電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。図１の電極組立体を示す正面図。溶着部の別例を示す正面図。

　以下、蓄電装置を二次電池に具体化した一実施形態を図１～図４にしたがって説明する。
　図１及び図２に示すように、二次電池１０は、外郭を構成する金属製のケース１１を備えている。ケース１１は、一面に開口部１２ａを備える有底直方体状のケース本体１２と、開口部１２ａを塞ぐ蓋体１３とを備えている。ケース１１には、電極組立体１４及び電解質としての電解液（図示略）が収容されている。二次電池１０はリチウムイオン電池である。

　図３に示すように、電極組立体１４は、正極の電極としての複数の正極電極２１と、負極の電極としての複数の負極電極２４と、正極電極２１と負極電極２４との間を絶縁する樹脂製のセパレータ２７とを含む。電極組立体１４は、セパレータ２７が介在する状態で正極電極２１と負極電極２４とが交互に積層された積層型の構成である。正極電極２１は、矩形状の正極金属箔（本実施形態ではアルミニウム箔）２２と、その正極金属箔２２の両面に設けられた矩形状の正極活物質層２３と、を有する。正極金属箔２２の両面の正極活物質層２３は、同じ平面形状及び同じ厚みであり、かつ正極金属箔２２を挟んで互いに対向している。正極電極２１は、その第１の辺２２ｃに沿って延びる正極未塗工部２２ｄを有している。正極未塗工部２２ｄにおいて、正極活物質層２３が設けられておらず、正極金属箔２２が露出している。

　そして、正極電極２１は、正極未塗工部２２ｄの第１の辺２２ｃの一部から突出する正極のタブとしての正極タブ３１を有している。なお、正極タブ３１は、正極未塗工部２２ｄの第１の辺２２ｃからの突出方向に沿って一定幅で延びている。正極電極２１において、正極タブ３１が設けられた第１の辺２２ｃの対辺を第２の辺２２ｅとし、第１の辺２２ｃと第２の辺２２ｅを繋ぐ一対の辺を第３の辺２２ｆとする。そして、正極タブ３１は、第１の辺２２ｃのうち、両第３の辺２２ｆよりも中央寄りに配置されている。すなわち、正極タブ３１は、第１の辺２２ｃと両第３の辺２２ｆとが交わって形成された角部よりも中央寄りに配置されている。

　負極電極２４は、矩形状の負極金属箔（本実施形態では銅箔）２５と、その負極金属箔２５の両面に設けられた矩形状の負極活物質層２６と、を有する。負極金属箔２５の両面の負極活物質層２６は、同じ平面形状及び同じ厚みである。負極電極２４は、その第１の辺２５ｃに沿って延びる負極未塗工部２５ｄを有している。負極未塗工部２５ｄにおいて、負極活物質層２６が設けられておらず、負極金属箔２５が露出している。

　そして、負極電極２４は、負極未塗工部２５ｄの第１の辺２５ｃの一部から突出する負極のタブとしての負極タブ３２を有している。なお、負極タブ３２は、負極未塗工部２５ｄの第１の辺２５ｃからの突出方向に沿って一定幅で延びている。負極電極２４において、負極タブ３２が設けられた第１の辺２５ｃの対辺を第２の辺２５ｅとし、第１の辺２５ｃと第２の辺２５ｅを繋ぐ一対の辺を第３の辺２５ｆとする。

　正極電極２１は、袋状のセパレータ２７に包まれている。セパレータ２７において、正極電極２１の第１の辺２２ｃに沿って延びる辺を、セパレータ２７の一辺としての第１の辺２７ｃとし、第１の辺２７ｃの対辺で、かつ正極電極２１の第２の辺２２ｅに沿って延びる辺を第２の辺２７ｅとする。また、セパレータ２７において、第１の辺２７ｃと第２の辺２７ｅを繋ぎ、かつ正極電極２１の第３の辺２２ｆに沿って延びる一対の辺を、一辺とは別の辺としての第３の辺２７ｆとする。また、セパレータ２７において、第１の辺２７ｃと一対の第３の辺２７ｆとが交わってできた直角の部分の各々を角部Ｃとする。

　図１に示すように、正極電極２１と、負極電極２４と、セパレータ２７は、正極タブ３１が積層方向に沿って列状に配置され、且つ正極タブ３１と重ならない位置にて負極タブ３２が積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。そして、電極組立体１４は、負極金属箔２５の第１の辺２５ｃ及びセパレータ２７の第１の辺２７ｃが寄せ集められて形成されたタブ側端面３６を備えている。このタブ側端面３６では、正極タブ３１及び負極タブ３２は、電極組立体１４における積層方向の一端から他端までの範囲内で集められた（束ねられた）状態で折り曲げられている。正極タブ３１が重なっている箇所を溶接することによって正極タブ３１同士が電気的に接続される。正極タブ３１には導電部材としての正極導電部材４１ａが接続されている。

　正極導電部材４１ａは、一枚の金属板、例えばアルミニウム板を屈曲させたものであり、クランク形状である。正極導電部材４１ａは、屈曲部分に対して長手方向一方側に位置する正極タブ側溶接片４１ｂを有している。この正極タブ側溶接片４１ｂに、積層方向一端に位置する正極タブ３１が溶接によって接合されている。また、正極導電部材４１ａは、屈曲部分に対して長手方向他方側に位置する端子側溶接片４１ｃを有している。この端子側溶接片４１ｃに電極端子としての正極端子４３が溶接されている。正極端子４３は、板状の基部４３ａと、基部４３ａから突出した柱部４３ｂとを備える。正極端子４３は、蓋体１３に固定されるとともに、柱部４３ｂは蓋体１３を貫通してケース１１の外側に突出している。

　また、ケース１１内において正極端子４３の基部４３ａが正極タブ３１と蓋体１３との間の隙間に配置されることを避けるため、端子側溶接片４１ｃは、タブ側端面３６での各第１の辺２２ｃ，２５ｃ，２７ｃの延びる方向に沿って、正極タブ３１よりもセパレータ２７の角部Ｃ寄りに配置されている。また、基部４３ａが、蓋体１３に干渉することを避けるため、端子側溶接片４１ｃは、正極タブ側溶接片４１ｂよりも電極組立体１４のタブ側端面３６に近い位置に配置されている。

　同様に、負極タブ３２が重なっている箇所を溶接することによって負極タブ３２同士が電気的に接続される。負極タブ３２には、電極組立体１４から電気を取り出すための導電部材としての負極導電部材４２ａが接続されている。負極導電部材４２ａは、一枚の金属板、例えば銅板を屈曲させたものであり、クランク形状である。負極導電部材４２ａは、屈曲部分に対して長手方向一方側に位置する負極タブ側溶接片４２ｂを有している。この負極タブ側溶接片４２ｂに、積層方向一端に位置する負極タブ３２が溶接によって接合されている。

　また、負極導電部材４２ａは、屈曲部分に対して長手方向他方側に位置する端子側溶接片４２ｃを有している。この端子側溶接片４２ｃに電極端子としての負極端子４６が溶接されている。負極端子４６は、板状の基部４６ａと、基部４６ａから突出した柱部４６ｂとを備える。負極端子４６は、蓋体１３に固定されるとともに、柱部４６ｂは蓋体１３を貫通してケース１１の外側に突出している。

　負極端子４６の基部４６ａが負極タブ３２と蓋体１３との間の隙間に配置されることを避けるため、端子側溶接片４２ｃは、タブ側端面３６での各第１の辺２２ｃ，２５ｃ，２７ｃの延びる方向に沿って、負極タブ３２よりもセパレータ２７の角部Ｃ寄りに配置されている。また、基部４６ａが、蓋体１３に干渉することを避けるため、端子側溶接片４２ｃは、負極タブ側溶接片４２ｂよりも電極組立体１４のタブ側端面３６に近い位置に配置されている。正極端子４３及び負極端子４６の各々は絶縁リング１３ｂによって蓋体１３から絶縁されている。

　電極組立体１４の積層方向に沿った長さを、電極組立体１４の厚みとする。電極組立体１４は、ケース１１の内寸より僅かに小さい厚みを有するように調整される。また、電極組立体１４は、負極金属箔２５の第２の辺２５ｅ及びセパレータ２７の第２の辺２７ｅが寄せ集められて形成された底面３７を備えている。底面３７は電極組立体１４を挟んでタブ側端面３６の反対側に位置している。さらに、電極組立体１４は、負極金属箔２５の第３の辺２５ｆ及びセパレータ２７の第３の辺２７ｆを寄せ集めて形成された一対の側面３８を備える。一対の側面３８は、電極組立体１４において、底面３７に繋がる面のうち、積層方向の両方の偏平面４４を除く２つの面である。

　ここで、正極電極２１及び負極電極２４は、負極活物質層２６の隣り合う２辺の長さ（長手方向の長さ及び短手方向の長さ）が正極活物質層２３の隣り合う２辺の長さ（長手方向の長さ及び短手方向の長さ）よりも長くなるように構成されている。つまり、負極活物質層２６は、正極活物質層２３の全面を覆うことが可能な大きさを有している。

　このように形成された正極電極２１と負極電極２４は、二次電池１０におけるエネルギー密度の低下を抑える観点から、正極活物質層２３と負極活物質層２６がセパレータ２７を介して全面が対向し、かつセパレータ２７の縁を越えて対向しないように積層されている。このように精度良く製造された電極組立体１４に積層方向や偏平面４４に沿う方向へのずれが生じないようにするために、電極組立体１４は第１保持テープ４５及び第２保持テープ４７で保持されている。

　タブ側端面３６には２つの第１保持テープ４５が取り付けられている。底面３７には、２つの第１保持テープ４５が取り付けられている。第１保持テープ４５の各々は帯状で、かつ断面Ｕ字型をなすように貼着されている。タブ側端面３６において、第１保持テープ４５の各々は、長手方向の各端部が電極組立体１４の各偏平面４４に貼着されるとともに、長手方向の中間部がタブ側端面３６の一部を覆うように延びている。底面３７において、第１保持テープ４５の各々は、長手方向の各端部が電極組立体１４の各偏平面４４に貼着されるとともに、長手方向の中間部が底面３７の一部を覆うように延びている。電極組立体１４の幅方向の両側である一対の側面３８には、それぞれ１つの第２保持テープ４７が各側面３８を覆うように貼着されている。各第２保持テープ４７は帯状で、かつ断面Ｕ字型をなすように貼付されている。第２保持テープ４７は、長手方向の各端部が電極組立体１４の各偏平面４４に貼着されるとともに、長手方向の中間部が側面３８の一部を覆うように延びている。

　次に、セパレータ２７について詳細に説明する。
　図３に示すように、セパレータ２７は、互いに対峙し、互いに同一の大きさからなる四角形状の第１のセパレータ部２８と第２のセパレータ部２９とを有する。第１のセパレータ部２８及び第２のセパレータ部２９の各々は、正極電極２１の側面を覆う大きさを有している。セパレータ２７は、正極タブ３１を除いた正極電極２１の部分を収納する収納部を有している。第１のセパレータ部２８及び第２のセパレータ部２９の各々は、４つの端縁と、はみ出し部３０とを有している。各はみ出し部３０は、第１のセパレータ部２８及び第２のセパレータ部２９を重ねた状態において正極電極２１の第１の辺２２ｃ、第２の辺２２ｅ及び第３の辺２２ｆからはみ出す。すなわち、第１のセパレータ部２８及び第２のセパレータ部２９の各々のはみ出し部３０は、収納部２７ａから４つの端縁まで延びている。そして、セパレータ２７は、第１のセパレータ部２８のはみ出し部３０と第２のセパレータ部２９のはみ出し部３０とのうち、正極タブ３１と対峙する部分によって構成されたタブ対向部２７ｇを備える。

　セパレータ２７は、タブ対向部２７ｇを除いた第１のセパレータ部２８のはみ出し部３０とタブ対向部２７ｇを除いた第２のセパレータ部２９のはみ出し部３０とを熱溶着して形成される溶着部３９を備える。溶着部３９は、セパレータ２７の第１の辺２７ｃ、第２の辺２７ｅ、及び第３の辺２７ｆに沿って設けられ、セパレータ２７の四つの側縁に沿って設けられている。溶着部３９は、セパレータ２７の第１の辺２７ｃに沿う部分において、両角部Ｃ近傍にそれぞれ位置する二つの対向部３９ａを有する。すなわち、溶着部３９は、第１の辺２７ｃに沿う方向においてタブ対向部２７ｇの両側に位置する対向部３９ａを有している。

　対向部３９ａは、セパレータ２７の第１の辺２７ｃと、第１の辺２７ｃに連続する両第３の辺２７ｆとが交わって形成された角部Ｃにそれぞれ位置している。対向部３９ａは、第１の辺２７ｃと第３の辺２７ｆとに連続して延びている。すなわち、対向部３９ａは、正極タブ３１より第３の辺２７ｆ寄りに設けられている。溶着部３９の形成時、第１の辺２７ｃに連続した角部Ｃには、第３の辺２７ｆを溶着するための熱が加わる。そのため、角部Ｃに入熱される熱量がその他の部分に入熱される熱量よりも多くなり、角部Ｃの収縮量がその他の部分の収縮量よりも多くなる。その結果、第１の辺２７ｃ上において、両角部Ｃに連続し、かつ第３の辺２７ｆへの入熱に伴い収縮した部分に対向部３９ａが形成されている。

　また、溶着部３９は、第１の辺２７ｃに沿う部分において、二つの対向部３９ａに挟まれた部分のうちタブ対向部２７ｇを除いた部分に位置する、蓋対向部３９ｂを備える。したがって、セパレータ２７の第１の辺２７ｃに沿って、対向部３９ａ、タブ対向部２７ｇ、蓋対向部３９ｂ、及び対向部３９ａが並設されている。

　対向部３９ａにおける収納部２７ａからのはみ出し量は、蓋対向部３９ｂ及びその他の部分における収納部２７ａからのはみ出し量よりも少なくなっている。このため、第１の辺２７ｃに沿うはみ出し部３０の部分では、対向部３９ａの高さは、蓋対向部３９ｂの高さよりも低い。すなわち、対向部３９ａは、蓋対向部３９ｂよりも蓋体１３から離れた位置にある。

　図４に示すように、電極組立体１４では、セパレータ２７の収納部２７ａに収納された正極電極２１と、負極電極２４とは、正極活物質層２３の全面がセパレータ２７を介して負極活物質層２６に対向するように配置されている。また、セパレータ２７の溶着部３９が、正極タブ３１を除いた正極電極２１の四辺を囲んでいる。その溶着部３９に負極活物質層２６の４つの外縁部が対峙している。さらに、正極タブ３１の基端部がタブ対向部２７ｇに挟まれている。

　図２に示すように、端子側溶接片４１ｃは、正極タブ３１よりもセパレータ２７の角部Ｃ寄りに配置されている。端子側溶接片４２ｃは、負極タブ３２よりもセパレータ２７の角部Ｃ寄りに配置されている。そのため、各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃは対向部３９ａに対向するように配置されている。そして、端子側溶接片４１ｃに正極端子４３が接続されるとともに端子側溶接片４２ｃに負極端子４６が接続されている。そのため、正極端子４３が端子側溶接片４１ｃを介して対向部３９ａに対向しているとともに負極端子４６が端子側溶接片４２ｃを介して対向部３９ａに対向している。すなわち、各対向部３９ａは、タブ側端面３６に対向した壁部としての蓋体１３に対向している。

　正極端子４３及び負極端子４６は、柱部４３ｂ，４６ｂが蓋体１３を貫通するとともに、基部４３ａ，４６ａがケース１１内に位置した状態で蓋体１３に固定されている。また、各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃに対向する部位である対向部３９ａに第１保持テープ４５が貼着されている。よって、正極端子４３が端子側溶接片４１ｃを介して第１保持テープ４５に対向しており、負極端子４６が端子側溶接片４２ｃを介して第１保持テープ４５に対向している。換言すると、電極組立体１４と正極端子４３との間及び電極組立体１４と負極端子４６との間に第１保持テープ４５がそれぞれ位置している。したがって、正極タブ側溶接片４１ｂ及び負極タブ側溶接片４２ｂは、第１の辺２７ｃに沿って、正極端子４３及び負極端子４６よりも中央寄りに配置されている。

　次に、二次電池１０の作用を記載する。
　二次電池１０において、正極と負極の端子側溶接片４１ｃ，４２ｃは、セパレータ２７の溶着部３９のうち、対向部３９ａに対向配置される。各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃは対向部３９ａから離間している。

　上記実施形態によれば、以下のような利点を得ることができる。
　（１）第１のセパレータ部２８と第２のセパレータ部２９とを溶着してセパレータ２７を形成する際、第１の辺２７ｃの角部Ｃ付近には、第１の辺２７ｃからの熱に加えて第３の辺２７ｆからの熱も加わる。そのため、角部Ｃ近くに形成された対向部３９ａの収縮量は、蓋対向部３９ｂの収縮量よりも多くなる。このため、対向部３９ａは蓋対向部３９ｂよりも蓋体１３から離れた位置にある。言い換えると、対向部３９ａと蓋体１３との間の距離は、蓋対向部３９ｂと蓋体１３との間の距離よりも大きい。よって、ケース１１内では、蓋体１３に固定された正極端子４３及び負極端子４６の基部４３ａ，４６ａと対向部３９ａとが端子側溶接片４１ｃ，４２ｃを介して干渉することを抑制することができる。よって、二次電池１０の製造時、ケース本体１２に電極組立体１４が収容された状態で、蓋体１３を電極組立体１４に接合する際、端子側溶接片４１ｃ，４２ｃを介した正極端子４３及び負極端子４６とセパレータ２７との干渉が抑制され、蓋体１３をケース本体１２の開口端に載せることができ、その後の溶接作業を簡単に行うことができる。セパレータ２７によって正極端子４３及び負極端子４６が蓋体１３に向けて押し返されることもないため、蓋体１３とケース本体１２の接合箇所には負荷がかからず、溶接不良を無くすことができる。

　（２）セパレータ２７は、矩形状の第１のセパレータ部２８のはみ出し部３０と矩形状の第２のセパレータ部２９のはみ出し部３０とを熱溶着して製造される。そして、セパレータ２７の第１の辺２７ｃでは、対向部３９ａの高さだけがタブ対向部２７ｇの高さ及び蓋対向部３９ｂの高さより低い。このため、セパレータ２７に対向部３９ａを形成しても、タブ対向部２７ｇによって正極タブ３１の基端部近傍を覆うことができるため、正極タブ３１と負極活物質層２６とが短絡してしまうことを抑制できる。

　したがって、正極タブ３１と対峙するタブ対向部２７ｇを第１のセパレータ部２８及び第２のセパレータ部２９を切断する等して製造する必要が無い。また、セパレータ２７を熱溶着によって製造するのと同時に対向部３９ａ及びタブ対向部２７ｇも形成することができる。よって、セパレータ２７を簡単に製造することができる。

　また、セパレータ２７の第１の辺２７ｃの全体をタブ対向部２７ｇと同じ高さとする場合のように、第１の辺２７ｃが端子側溶接片４１ｃ，４２ｃを介して正極端子４３及び負極端子４６に干渉することもない。

　（３）対向部３９ａには第１保持テープ４５が貼着され、第１保持テープ４５によって電極組立体１４が保持されている。第１保持テープ４５には各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃが対向している。よって、第１保持テープ４５により、セパレータ２７の対向部３９ａを各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃから保護することができる。

　（４）セパレータ２７のタブ対向部２７ｇは、熱溶着されない未溶着部である。このため、溶着部３９を形成する際に、タブ対向部２７ｇは収縮せず、正極タブ３１と負極活物質層２６とが短絡することを抑制することができる。

　（５）対向部３９ａは、セパレータ２７の角部Ｃに溶着部３９を形成する際、第１の辺２７ｃに第３の辺２７ｆからの熱が加わって形成される。このため、溶着部３９の形成過程で対向部３９ａを作ることができ、セパレータ２７を簡単に形成しつつ、正極タブ３１と負極活物質層２６との短絡を抑制することができる。

　（６）正極導電部材４１ａ及び負極導電部材４２ａはクランク形状である。各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃは、正極タブ側溶接片４１ｂ及び負極タブ側溶接片４２ｂよりもタブ側端面３６に近い位置にある。しかし、対向部３９ａを形成することで、各端子側溶接片４１ｃ，４２ｃとセパレータ２７との干渉を抑制することができる。そのため、対向部３９ａを備えるセパレータ２７は、クランク形状の正極導電部材４１ａ及び負極導電部材４２ａを採用した二次電池１０に好適である。

　（７）タブ対向部２７ｇの高さは、対向部３９ａの高さよりも高い。このため、万一、偏平面４４の面に沿って、負極電極２４が正極タブ３１の先端に向かって位置ずれしても、タブ対向部２７ｇによって正極タブ３１と負極電極２４の負極活物質層２６が短絡することを抑制することができる。

　なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
　○　図５に示すように、セパレータ２７の第１の辺２７ｃにおいて、タブ対向部２７ｇ以外のすべての部位の熱収縮量がタブ対向部２７ｇの熱収縮量より多くなるようにセパレータ２７を構成してもよい。これにより、タブ対向部２７ｇ以外のすべての部位の高さをタブ対向部２７ｇの高さよりも低くすることができる。この場合、溶着部３９における他の部分は、セパレータ２７の第２の辺２７ｅや第３の辺２７ｆでの溶着部３９となる。

　○　実施形態では、対向部３９ａは、第３の辺２７ｆと第１の辺２７ｃの溶着に伴って形成された。これに代えて、第１の辺２７ｃに溶着部３９を形成する際に、対向部３９ａとなる位置に入熱される熱量をその他の部分に入熱される熱量より多くして対向部３９ａを形成してもよい。

　○　セパレータ２７の第１の辺２７ｃにおいて、タブ対向部２７ｇを熱収縮させてもよい。
　○　対向部３９ａに第１保持テープ４５が貼着されていなくてもよい。また、電極組立体１４を一体に保持するため、対向部３９ａ以外の位置に第１保持テープ４５が貼着されていてもよい。

　○　正極導電部材４１ａ及び負極導電部材４２ａはクランク形状でなく、平板状であってもよい。端子側溶接片４１ｃ，４２ｃは、正極タブ側溶接片４１ｂ及び負極タブ側溶接片４２ｂと同じ高さにあってもよい。

　○　実施形態では、正極電極２１は、正極金属箔２２の両面に正極活物質層２３を有している。これに代えて、正極電極２１は、正極金属箔２２の片面のみに正極活物質層２３を有していてもよい。同様に、実施形態では、負極電極２４は、負極金属箔２５の両面に負極活物質層２６を有している。これに代えて、負極電極２４は、負極金属箔２５の片面のみに負極活物質層２６を有していてもよい。

　○　蓄電装置は、二次電池１０でなくてもよい。すなわち、電気二重層キャパシタ等の他の蓄電装置に本発明を適用してもよい。
　○　二次電池１０は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要するに、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受が行われる二次電池に本発明を適用することができる。

Claims

　電極組立体であって、該電極組立体は、
　　一辺と、該一辺から突出するタブと、を有する正極の電極と、
　　一辺と、該一辺から突出するタブと、を有する負極の電極と、
　　一辺を有する樹脂製のセパレータであって、該セパレータは前記正極の電極と前記負極の電極との間を絶縁する、前記セパレータと、
　　前記正極の電極と前記負極の電極と前記セパレータとを積層した状態で前記負極の電極の一辺と前記セパレータの一辺とによって形成されるタブ側端面と、を含む、前記電極組立体と、
　前記電極組立体を収容するケースであって、該ケースは前記タブ側端面に対向する壁部を有している、前記ケースと、
　前記ケースの壁部に固定される電極端子と、
　前記正極の電極のタブと前記電極端子とを電気的に接続する導電部材であって、該導電部材を介して前記ケース内において前記電極端子が前記タブ側端面に対向している、前記導電部材と、を備え、
　前記セパレータは、互いに対峙するとともに互いに熱溶着される第１のセパレータ部及び第２のセパレータ部を含んでおり、
　前記セパレータは、前記タブを除いた前記正極の電極の部分を収納する収納部を有しており、
　前記第１のセパレータ部は、端縁と、前記収納部から前記端縁まで延びるはみ出し部と、を有しており、
　前記第２のセパレータ部は、端縁と、前記収納部から前記端縁まで延びるはみ出し部とを有しており、
　前記セパレータは、前記第１のセパレータ部のはみ出し部と前記第２のセパレータ部のはみ出し部とを熱溶着することによって形成される溶着部と、前記正極のタブの基端部を覆うタブ対向部とを有しており、
　前記溶着部は、前記セパレータの一辺に沿う方向において前記タブ対向部の両側に位置する対向部を有しており、
　該対向部の各々は、前記導電部材を介して前記電極端子と対向しており、
　前記対向部の各々は、前記溶着部の他の部分よりも熱溶着に伴う収縮量が多くなるように構成されている蓄電装置。
　前記対向部の各々に設けられ、前記正極の電極と前記負極の電極と前記セパレータとを一体に保持する保持テープをさらに備える請求項１に記載の蓄電装置。
　前記タブ対向部は未溶着である請求項１又は請求項２に記載の蓄電装置。
　前記セパレータは四角形状であり、
　前記対向部は、前記セパレータの一辺と、該一辺に連続する別の辺とで形成された角部に位置しており、
　前記対向部は、前記一辺と前記別の辺とに連続して延びている請求項１～請求項３のうちいずれか一項に記載の蓄電装置。
　前記蓄電装置は二次電池である請求項１～請求項４のうちいずれか一項に記載の蓄電装置。