WO2015092830A1

WO2015092830A1 - コルゲートチューブの保持部材

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Publication number: WO2015092830A1
Application number: PCT/JP2013/007430
Authority: WO
Inventors: 井上　純一; 武史長岡
Original assignee: ボルボトラックコーポレーション
Priority date: 2013-12-18
Filing date: 2013-12-18
Publication date: 2015-06-25

Abstract

　円筒体の内周面と外周面に環状凹部と環状凸部が交互に連続して形成されたコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブの保持部材であって、コルゲートチューブの端部が圧入される円筒状の開口部を有し、コルゲートチューブの外周面の環状凹部と係合可能な爪部が前記開口部の内周面に形成された外側チューブ保持部と、前記外側チューブ保持部の前記開口部の内方に前記外側チューブ保持部と一体に形成され、外周面に前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部と係合可能な爪部が形成され、前記外側チューブ保持部とともに前記コルゲートチューブを挟み込んで保持する円筒状の内側チューブ保持部とを有している。

Description

コルゲートチューブの保持部材

　本発明は、コルゲートチューブの保持部材に関する。

　車両等にワイヤーハーネスを配索する際に、ワイヤーハーネスを外力から保護するため、可撓性を有する蛇腹状のコルゲートチューブ内にワイヤーハーネスを収容して配索する方法が採られている。

　そして、例えば特許文献１には、ワイヤーハーネスの端部に取り付くコネクタに、コルゲートチューブの保持機能を持たせた技術が開示されている。

特開２００８－２８２６３１号公報

　しかし、前記従来例では、何らかの原因でコネクタの近傍のコルゲートチューブに外力が作用すると、コルゲートチューブが軸方向へ移動してコネクタから脱落する場合がある。

　本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、コルゲートチューブに外力が作用した際に、コルゲートチューブの脱落防止を図ったコルゲートチューブの保持部材を提供することを目的とする。

　一つの観点によれば、本件開示は、円筒体の内周面と外周面に環状凹部と環状凸部が交互に連続して形成されたコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブの保持部材であって、前記コルゲートチューブの端部が圧入される円筒状の開口部を有し、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部と係合可能な爪部が前記開口部の内周面に形成された外側チューブ保持部と、前記外側チューブ保持部の前記開口部の内方に前記外側チューブ保持部と一体に形成され、外周面に前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部と係合可能な爪部が形成され、前記外側チューブ保持部とともに前記コルゲートチューブを挟み込んで保持する円筒状の内側チューブ保持部とを有し、前記内側チューブ保持部と外側チューブ保持部との間に圧入されたコルゲートチューブの内周面の環状凹部に前記内側チューブ保持部の爪部が係合し、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部に前記外側チューブ保持部の爪部が係合することを特徴とする。

　そして、更に他の観点によれば、本件開示は、円筒体の内周面と外周面に環状凹部と環状凸部が交互に連続して形成されたコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブの保持部材であって、前記コルゲートチューブ内に圧入され、前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部と係合可能な爪部が外周面に形成された円筒状の内側チューブ保持部材と、互いに組み付け可能な複数の分割体で構成され、前記各分割体を組み付けて形成される円筒状のチューブ保持部の内周面に、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部と係合可能な突部が形成され、前記内側チューブ保持部材とともに前記コルゲートチューブを挟み込んで保持する外側チューブ保持部材と、前記コルゲートチューブ内に圧入された内側チューブ保持部材と前記外側チューブ保持部材とを固定する固定手段とを有し、前記コルゲートチューブ内に圧入された前記内側チューブ保持部材の爪部が、前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部に係合し、前記分割体を組み付けて形成された外側チューブ保持部材の前記チューブ保持部の突部が前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部に係合することを特徴とする。

　本件開示のチューブ保持部材によれば、当該チューブ保持部材に保持されたコルゲートチューブに外力が作用しても、チューブ保持部材からのコルゲートチューブの脱落を防止することができる。

ワイヤーハーネスの端部に取り付くコネクタの一実施形態とコルゲートチューブの全体斜視図である。コネクタとコネクタへの取付け前のコルゲートチューブの断面図である。コネクタとコネクタに取り付くコルゲートチューブの断面図である。ワイヤーハーネスの端部に取り付くコネクタの他の実施形態とコルゲートチューブの全体斜視図である。コネクタとコネクタへの取付け前のコルゲートチューブの断面図である。コネクタとコネクタに取り付くコルゲートチューブの断面図である。

　以下、図面を用いて実施形態を説明する。

　図１はワイヤーハーネスの端部に取り付くコネクタの一実施形態とコルゲートチューブの全体斜視図、図２はコネクタとコネクタへの取付け前のコルゲートチューブの断面図、図３はコネクタとコネクタに取り付くコルゲートチューブの断面図を示している。コネクタはコルゲートチューブの保持部材の一例である。

　コネクタ１は、一例として樹脂材料で形成された第１の円筒部（以下「小径部」という）３と、小径部３よりも大径な円筒状の大径部５とを有している。コネクタ１の大径部５は、小径部３と軸心を同じくして小径部３の後端側（図１の右側）に一体に形成されている。

　そして、図２に示すように小径部３の先端（図１の左側）の内部にワイヤーハーネス７の取付部９が設けられている。大径部５の内部には、コルゲートチューブ１１のチューブ保持部１３が設けられている。尚、図１ではワイヤーハーネス７の取付部９の図示は省略している。

　図２に示すように取付部９は、小径部３の先端の内部を塞ぐように所定の肉厚Ｌで形成された蓋体形状をなし、小径部３と一体に形成されている。そして、取付部９に、複数の端子取付孔１５がコネクタ１の軸方向に沿って設けられ、コネクタ１の後端側（図１の右側）から大径部５内に挿入された複数のワイヤーハーネス７の接続端子１７が、各端子取付孔１５に挿着されている。そして、図２に示すように各接続端子１７は小径部３の先端からコネクタ１の前方へ突出し、コネクタ１は雄型コネクタとして構成されている。

　コルゲートチューブ１１は一例として合成樹脂製の可撓性を有する円筒体からなり、図２に示すように軸方向に環状の大径部と小径部とが交互に連続する蛇腹状に形成されている。そして、コルゲートチューブ１１の外周面に形成された大径部が環状凸部２５をなし、コルゲートチューブ１１の外周面に形成された小径部が環状凹部２１をなしている。また、コルゲートチューブ１１の内周面に形成された大径部が環状凸部２３をなし、コルゲートチューブ１１の内周面に形成された小径部が環状凹部１９をなしている。尚、コルゲートチューブ１１には、ワイヤーハーネス７を挿入するためのスリットは設けられていない。

　そして、既述したようにコネクタ１の大径部５の内部にチューブ保持部１３が設けられている。

　図２に示すように大径部５は、小径部３よりも大径に形成された大径円筒体５ａと、小径部３よりも小径で、大径円筒体５ａと軸心を同じくして大径円筒体５ａの内方に設けられた小径円筒体５ｂとの二重管構造となっている。大径円筒体５ａと小径円筒体５ｂは小径部３との連設部分で分岐している。そして、大径円筒体５ａと小径円筒体５ｂとの間の間隙２７に、コルゲートチューブ１１の端部が、図２中、矢印Ａ方向へ圧入できるように、間隙２７はコネクタ１の後端側が開口している。

　図２に示すように大径円筒体５ａの内周面には、コルゲートチューブ１１の外周面の環状凹部２１と係合可能な複数の爪部２９が、大径円筒体５ａの周方向に沿って周設されている。爪部２９と大径円筒体５ａとで外側チューブ保持部３１が構成される。各爪部２９は、各環状凹部２１と確実に係合できるように、爪部２９とこれに隣接する爪部２９のピッチ幅が、環状凹部２１とこれに隣接する環状凹部２１とのピッチ幅と同一に設定されている。

また、各爪部２９は、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入方向（図２の矢印Ａ方向）、即ち、小径部３の先端側方向（図２の左側方向）へ鋭角に傾斜して設けられている。更に各爪部２９は、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入時に、コルゲートチューブ１１の環状凸部２５の押圧力で、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入方向（矢印Ａ方向）へ弾性変形可能な肉厚で形成されている。

　そして、図３に示すように間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入が完了すると、環状凸部２５の押圧力で変形していた爪部２９は、環状凸部２５の押圧力が解除されて復元力で元の形状に復帰し、環状凹部２１に係合する。

　このように、爪部２９が元の形状、即ち、コネクタ１へのコルゲートチューブ１１の圧入方向へ傾斜して環状凹部２１に係合すると、コルゲートチューブ１１がコネクタ１からの脱落方向（図３中、矢印Ｂ方向）へ引っ張られても、爪部２９は環状凸部２５によって矢印Ｂ方向へ変形し難いため、爪部２９がスパイクとなってコルゲートチューブ１１の外側から矢印Ｂ方向への移動を規制する。

　一方、図２に示すように小径円筒体５ｂの外周面に、コルゲートチューブ１１の内周面の環状凹部１９と係合可能な複数の爪部３３が、小径円筒体５ｂの周方向に沿って周設されている。爪部３３と小径円筒体５ｂとで内側チューブ保持部３５が構成される。そして、内側チューブ保持部３５と外側チューブ保持部３１とで、チューブ保持部１３が構成される。

　また、各爪部３３は、各環状凹部１９と確実に係合できるように、爪部３３とこれに隣接する爪部３３のピッチ幅が、環状凹部１９とこれに隣接する環状凹部１９とのピッチ幅と同一に設定されている。そして、爪部２９と同様、爪部３３も、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入方向、即ち、小径部３の先端側方向へ鋭角に傾斜して設けられている。更に、爪部３３も、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入時に、コルゲートチューブ１１の環状凸部２３の押圧力で、コルゲートチューブ１１の圧入方向へ弾性変形可能な肉厚で形成されている。

　そして、図３の如く間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入が完了すると、環状凸部２３の押圧力で変形していた爪部３３は、環状凸部２３の押圧力が解除されて復元力で元の形状に復帰し、環状凹部１９に係合する。

　このように、爪部３３が元の形状、即ち、コネクタ１へのコルゲートチューブ１１の圧入方向へ傾斜してコルゲートチューブ１１の環状凹部１９に係合すると、コルゲートチューブ１１がコネクタ１からの脱落方向へ引っ張られても、爪部３３は環状凸部２３によって矢印Ｂ方向へ変形し難いため、爪部３３がスパイクとなってコルゲートチューブ１１の矢印Ｂ方向への移動を規制する。

　そして、内側チューブ保持部３５の小径円筒体５ｂが、コルゲートチューブ１１の内側からコルゲートチューブ１１の形状を維持する。

　本件開示のコネクタ１はこのように構成されており、図２に示すように、例えばコルゲートチューブ１１内にワイヤーハーネス７を挿通し、コネクタ１の後端側から大径部５内にワイヤーハーネス７を挿入して接続端子１７を取付部９の端子取付孔１５に挿着すれば、ワイヤーハーネス７の端部にコネクタ１が取り付けられる。

そして、車両側の図示しない雌型コネクタにコネクタ１を機械的、電気的に接続した後、配索経路に合わせてワイヤーハーネス７が配索される。そして、ワイヤーハーネス７を外力から保護するため、コネクタ１にコルゲートチューブ１１の端部が取り付けられる。

　コネクタ１へのコルゲートチューブ１１の取付けは、図２に示すようにコネクタ１の後端側から間隙２７内にコルゲートチューブ１１の端部を圧入させればよい。

　斯様に間隙２７内にコルゲートチューブ１１の端部が圧入されると、コルゲートチューブ１１の環状凸部２５の押圧力で、外側チューブ保持部３１の爪部２９がコルゲートチューブ１１の圧入方向へ変形する。また、これと同時に、コルゲートチューブ１１の環状凸部２３の押圧力で、内側チューブ保持部３５の爪部３３がコルゲートチューブ１１の圧入方向へ変形する。

この爪部２９、３３の変形によって、間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入がスムーズに行われる。

　そして、図３に示すように間隙２７内へのコルゲートチューブ１１の圧入が完了すると、環状凸部２３、２５の押圧力が解除されて、変形していた爪部３３、２９が復元力で元の形状に復帰して環状凹部１９、２１のそれぞれに係合する。そして、内側チューブ保持部３５の小径円筒体５ｂが、コルゲートチューブ１１の内側からコルゲートチューブ１１の形状を維持する。

　このため、何らかの原因で、例えば図３のＣで示すコネクタ１の近傍のコルゲートチューブ１１に外力が作用しても、図３に示すように小径円筒体５ｂが、コルゲートチューブ１１の形状をコルゲートチューブ１１の内側から維持して、コルゲートチューブ１１の縮径方向の変形を防止する。

　そして、既述したように、爪部２９がコルゲートチューブ１１の外側から環状凹部１９に係合し、爪部３３がコルゲートチューブ１１の内側から環状凹部１９に係合するため、コルゲートチューブ１１がコネクタ１からの脱落方向（図３中、矢印Ｂ方向）へ引っ張られても、爪部２９，３３のスパイク作用によってコルゲートチューブ１１の矢印Ｂ方向への移動が規制される。

　従って、本実施形態のコネクタ１によれば、何らかの原因でコルゲートチューブ１１に外方が作用しても、コネクタ１からのコルゲートチューブ１１の確実な脱落防止が図れる利点を有する。

　また、図３に示すようにコルゲートチューブ１１の端部が間隙２７内に収容されてワイヤーハーネス７と離間しているため、コルゲートチューブ１１の端部によってワイヤーハーネス７の外皮が損傷する虞もない。

　尚、図１乃至図３の実施形態では、小径部３の先端に取付部９を設けてコネクタ１を雄型コネクタとして構成したが、取付部９を小径円筒体５ｂの内部に設けてコネクタを雌型コネクタとしてもよい。

　図４はワイヤーハーネスの端部に取り付くコネクタの他の実施形態とコルゲートチューブの全体斜視図、図５はコネクタとコネクタへの取付け前のコルゲートチューブの断面図、図６はコネクタとコネクタに取り付くコルゲートチューブの断面図を示している。

　以下、図面を用いて実施形態を説明するが、図１乃至図３の実施形態と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。

図４及び図５に示すように本実施形態のコネクタ４１は、コルゲートチューブ１１の端部に圧入可能な円筒状の樹脂製の内側コネクタ４３と、互いに組み付け可能な一対の樹脂製のコネクタ分割体４５ａ、４５ｂで形成された外側コネクタ４５とを有している。尚、コネクタ４１、内側コネクタ４３、コネクタ分割体４５ａ、４５ｂ、外側コネクタ４５は、それぞれチューブ保持部材、内側チューブ保持部材、分割体、外側チューブ保持部材の一例である。

　そして、内側コネクタ４３の先端（図５の左側）の内部に取付部９が一体に形成され、外側コネクタ４５内に、後述する図６のチューブ保持部４６が形成されている。

　図５に示すように内側コネクタ４３に形成された取付部９の端子取付孔１５には、内側コネクタ４３の後端側（図５の右側）から内側コネクタ４３内に挿入された複数のワイヤーハーネス７の接続端子１７が挿着されている。そして、内側コネクタ４３の外周面に、コルゲートチューブ１１の内周面の環状凹部１９と係合可能な複数の爪部４７が、内側コネクタ４３の周方向に沿って周設されている。

　各爪部４７は、各環状凹部１９と確実に係合できるように、爪部４７とこれに隣接する爪部４７のピッチ幅が、環状凹部１９とこれに隣接する環状凹部１９とのピッチ幅と同一に設定されている。

　また、爪部４７は、コルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入方向（図５中、矢印Ｄ方向）と反対の方向（図中、矢印Ｅ方向）、即ち、内側コネクタ４３の先端側方向（図５の左側方向）へ鋭角に傾斜して設けられている。更に、爪部４７は、コルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入時に、コルゲートチューブ１１の環状凸部２３の押圧力で、矢印Ｅ方向へ弾性変形可能な肉厚で形成されている。

　そして、図６に示すようにコルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入が完了すると、環状凸部２３の押圧力で変形していた爪部４７は、環状凸部２３の押圧力が解除されて復元力で元の形状に復帰し、環状凹部１９に係合するようになっている。

更に、内側コネクタ４３の先端の外周には、環状フランジ４９が内側コネクタ４３の周方向に沿って一体に周設されている。

　一方、図４及び図５に示すように外側コネクタ４５を構成する一対のコネクタ分割体４５ａ、４５ｂは、半割小径部５１ａと半割大径部５３ａとが軸方向に連設された形状をなしている。そして、図４の如く両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂを上下から最中合わせして組み付けると、半割小径部５１ａによってコネクタ４１の円筒状の小径部５１が形成され、半割大径部半割大径部５３ａによってコネクタ４１の円筒状の大径部５３が、小径部５１と軸心を同じくして小径部５１の後端側（図４の右側）に形成される。

　そして、図６に示すように大径部５３の内部に、コルゲートチューブ１１の外形形状に合わせた円筒状のチューブ保持部４６が形成され、更に、このチューブ保持部４６（大径部５３）内に、コルゲートチューブ１１内に圧入された内側コネクタ４３が配置されるようになっている。尚、図６に示すように内側コネクタ４３は、チューブ保持部４６（大径部５３）よりもやや長尺とされている。

　図５及び図６に示すように、大径部５３を構成する半割大径部５３ａの内周面、即ち、チューブ保持部４６の内周面には、コルゲートチューブ１１の外周面の環状凹部２１と係合可能な複数の半環状の突部５５が、各コネクタ分割体４５ａ、４５ｂの周方向に沿って周設されている。

　突部５５は、上下のコネクタ分割体４５ａ、４５ｂの組付け方向へ突出した板状をなし、突部５５間のピッチ幅は、環状凹部２１間のピッチ幅と同一に設定されている。尚、コネクタ分割体４５ａ、４５ｂを上下方向から組付けて、突部５５をコルゲートチューブ１１の環状凹部２１に係合させる構造上、突部５５は必ずしも弾性変形可能である必要はない。

更に、図５に示すように小径部５１を形成するコネクタ分割体４５ａ、４５ｂの内周面、及び小径部５１と大径部５３との境目に当たるコネクタ分割体４５ａ、４５ｂの内周面には、それぞれの内周面に沿って半環状の位置決め突片５７、５９が、コネクタ分割体４５ａ、４５ｂの組付け方向へ突設されている。位置決め突片５７、５９の軸方向の間隔は、内側コネクタ４３の環状フランジ４９の軸方向の厚さに合わせて設定されている。

　そして、図５及び図６に示すようにコルゲートチューブ１１の端部内に内側コネクタ４３を圧入した後、コルゲートチューブ１１の端部を挟み付けるように両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂを上下から組み付けると、位置決め突片５７、５９が環状フランジ４９を挟み込むようになっている。尚、環状フランジ４９と位置決め突片５７、５９は固定手段の一例である。

　このように環状フランジ４９を両位置決め突片５７、５９が挟持することで、内側コネクタ４３と外側コネクタ４５とが一体的に固定され、内側コネクタ４３の図６中、矢印Ｆ方向のズレが規制される。

　更に、図５に示すように環状フランジ４９を挟み込む位置決め突片５９の挟持面側（図５の左側）には、半環状のシール部材６１が貼着されている。このため、図６の如く両位置決め突片５７、５９で環状フランジ４９を挟持すると、シール部材６１によって外側コネクタ４５と内側コネクタ４３との接合部の水密性が確保されるようになっている。

　その他、図４中、６３はコネクタ分割体４５ａの外周面の前後二箇所に設けられたロック部、６５はロック部６３に対応してコネクタ分割体４５ｂ側の外周面の前後に設けられたロック部である。ロック部６３側に、他方のロック部６５側に設けられた係合孔（図示せず）に係合可能な係合突起（図示せず）が設けられている。そして、両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂの上下方向からの組付け時に、ロック部６３側の係合突起がロック部６５側の係合孔に係合して、両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂが一体的に固定されるようになっている。

　本件開示のコネクタ４１はこのように構成されており、コネクタ４１の組立ては、先ず、図５に示すようにコルゲートチューブ１１の端部の内部に、内側コネクタ４３が矢印Ｄ方向へ圧入される。

　斯様にコルゲートチューブ１１内へ内側コネクタ４３が圧入されると、コルゲートチューブ１１の内周面の環状凸部２３の押圧力で、内側コネクタ４３の爪部４７が矢印Ｅ方向へ変形する。これにより、コルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入がスムーズに行われる。そして、図６に示すようにコルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入が完了すると、環状凸部２３の押圧力で変形していた爪部４７は復元力で元の形状に復帰し、環状凹部１９に係合する。

　これにより、内側コネクタ４３は、コルゲートチューブ１１の内側からコルゲートチューブ１１の形状を維持する。

　次に、図５に示すように、コルゲートチューブ１１の端部を挟み付けるように両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂを上下から組み付ける。すると、両コネクタ分割体４５ａ、４５ｂの突部５５がコルゲートチューブ１１の外周面の環状凹部２１に係合し、位置決め突片５７、５９が内側コネクタ４３の環状フランジ４９を前後から挟持する。そして、ロック部６３の係合突起がロック部６５の係合孔に係合して、コネクタ分割体４５ａ、４５ｂが一体的に固定される。

　これにより、コルゲートチューブ１１の端部が、外側コネクタ４５のチューブ保持部４６と内側コネクタ４３とによって、コルゲートチューブ１１の外側と内側の両方から保持される。尚、図６に示すように本実施形態のコネクタ４７は、各接続端子１７が小径部５１内に配置された雌型コネクタとして構成されている。

　そして、車両側の図示しない雄型コネクタにコネクタ４１が機械的、電気的に接続され、配索経路に合わせて、コルゲートチューブ１１で保護されたワイヤーハーネス７が配索される。そして、何らかの原因で、例えば図６のＧで示すコネクタ４１の近傍のコルゲートチューブ１１に外力が作用しても、内側コネクタ４３がコルゲートチューブ１１の形状を維持して、コルゲートチューブ１１の縮径方向の変形を防止する。

　また、図６に示すように、コネクタ４１からのコルゲートチューブ１１の脱落方向（図中、矢印Ｆ方向）へコルゲートチューブ１１が引っ張られても、位置決め突片５７、５９が内側コネクタ４３の環状フランジ４９を挟持して、内側コネクタ４３の矢印Ｆ方向のズレを規制する。また、同時に、コルゲートチューブ１１内への内側コネクタ４３の圧入方向と反対の方向へ傾斜する爪部４７が、既述した爪部２９，３３と同様、矢印Ｆ方向へ変形し難く、コルゲートチューブ１１に対するスパイクとなって、突部５５とともにコルゲートチューブ１１の矢印Ｆ方向への移動を規制する。

　更に、シール部材６１が、外側コネクタ４５と内側コネクタ４３との接合部の水密性を確保し、外部からの接続端子１７の接続部への水の浸入を防止する。

　このように、本実施形態のコネクタ４１によれば、何らかの原因でコルゲートチューブ１１に外方が作用しても、コネクタ４１からのコルゲートチューブ１１の確実な脱落防止が図れる。そして、シール部材６１によって、外部からの接続端子１７の接続部への水の浸入を防ぐことができる。

　また、図６に示すようにコルゲートチューブ１１の端部が内側コネクタ４３と外側コネクタ４５との間に収容されてワイヤーハーネス７と離間するため、コルゲートチューブ１１の端部によってワイヤーハーネス７の外皮が損傷する虞もない。

　尚、図１乃至図３の実施形態及び図４乃至図６の実施形態は、チューブ保持部材の一例としてコネクタを用いたが、例えば車体に固定されたプロテクタやボックス等、周知のその他のチューブ保持部材に本発明を適用できることは勿論である。

１、４１・・・コネクタ；３、５１・・・小径部；５、５３・・・大径部；５ａ・・・大径円筒体；５ｂ・・・小径円筒体；７・・・ワイヤーハーネス；１１・・・コルゲートチューブ；１３、４６・・・チューブ保持部；１７・・・接続端子；１９、２１・・・環状凹部；２３、２５・・・環状凸部；２７・・・間隙；２９、３３、４７・・・爪部；３１・・・外側チューブ保持部；３５・・・内側チューブ保持部；４３・・・内側コネクタ；４５・・・外側コネクタ；４５ａ、４５・・・コネクタ分割体４５ａ、４５ｂ；４９・・・環状フランジ；５５・・・突部；５７、５９・・・位置決め突片；６１・・・シール部材；６３、６５・・・ロック部

Claims

　円筒体の内周面と外周面に環状凹部と環状凸部が交互に連続して形成されたコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブの保持部材であって、
　前記コルゲートチューブの端部が圧入される円筒状の開口部を有し、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部と係合可能な爪部が前記開口部の内周面に形成された外側チューブ保持部と、
　前記外側チューブ保持部の前記開口部の内方に前記外側チューブ保持部と一体に形成され、外周面に前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部と係合可能な爪部が形成され、前記外側チューブ保持部とともに前記コルゲートチューブを挟み込んで保持する円筒状の内側チューブ保持部とを有し、
　前記内側チューブ保持部と外側チューブ保持部との間に圧入されたコルゲートチューブの内周面の環状凹部に前記内側チューブ保持部の爪部が係合し、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部に前記外側チューブ保持部の爪部が係合することを特徴とするコルゲートチューブの保持部材。
前記内側チューブ保持部の爪部と前記外側チューブ保持部の爪部は弾性変形可能に形成され、前記爪部は、前記内側チューブ保持部および前記外側チューブ保持部へのコルゲートチューブの圧入方向へ傾斜して設けられていることを特徴とする請求項１に記載のコルゲートチューブの保持部材。
　円筒体の内周面と外周面に環状凹部と環状凸部が交互に連続して形成されたコルゲートチューブを保持するコルゲートチューブの保持部材であって、
　前記コルゲートチューブ内に圧入され、前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部と係合可能な爪部が外周面に形成された円筒状の内側チューブ保持部材と、
互いに組み付け可能な複数の分割体で構成され、前記各分割体を組み付けて形成される円筒状のチューブ保持部の内周面に、前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部と係合可能な突部が形成され、前記内側チューブ保持部材とともに前記コルゲートチューブを挟み込んで保持する外側チューブ保持部材と、
　前記コルゲートチューブ内に圧入された内側チューブ保持部材と前記外側チューブ保持部材とを固定する固定手段とを有し、
　前記コルゲートチューブ内に圧入された前記内側チューブ保持部材の爪部が、前記コルゲートチューブの内周面の環状凹部に係合し、
　前記分割体を組み付けて形成された外側チューブ保持部材の前記チューブ保持部の突部が前記コルゲートチューブの外周面の環状凹部に係合することを特徴とするコルゲートチューブの保持部材。
前記内側チューブ保持部材の爪部は弾性変形可能に形成され、前記爪部は、前記コルゲートチューブ内への前記内側チューブ保持部材の圧入方向と反対方向へ傾斜して設けられていることを特徴とする請求項３に記載のコルゲートチューブの保持部材。
　前記内側チューブ保持部材と前記外側チューブ保持部材との接合部に、シール部材が装着されていることを特徴とする請求項３に記載のコルゲートチューブの保持部材。