WO2015050124A1 - 板ガラスの成形方法、及び成形型 - Google Patents

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Abstract

 平板状の板ガラスGを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する方法において、板ガラスGの下面側の相互に離間した二箇所A,Bと、この二箇所A,Bの間に位置する上面側の一箇所Cとで、板ガラスGを板厚方向に挟みこんで支持することにより、板ガラスGを湾曲した状態へと弾性変形させる挟持工程と、弾性変形した板ガラスGを加熱することにより、板ガラスGを湾曲板ガラスに成形する加熱工程とを含むようにした。

Description

板ガラスの成形方法、及び成形型
 本発明は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する板ガラスの成形方法、及び湾曲板ガラスを成形するための成形型に関する。
 近年、スマートフォンやタブレット型PC等のモバイル機器が急速に普及している。これらの機器のタッチパネル等に使用される板ガラスとしては、従来から採用されていた平板状の板ガラスの他、例えば、一定の曲率半径に形成された湾曲面を有するような湾曲板ガラスを採用する場合がある。
 このような湾曲板ガラスを成形するための方法の一例が、特許文献1に開示されている。同文献には、耐熱シートに保持された平板状の板ガラスを加熱して軟化させた後、成形型に形成された凸湾曲面に、耐熱シートを介して当該板ガラスの表面(一方面)全体をまとわり付かせることで、湾曲板ガラスを成形することが記載されている。
特開2012-116692号公報
 しかしながら、特許文献1に開示された方法によって、湾曲板ガラスを成形した場合には、以下のような解決すべき問題があった。すなわち、同文献に開示された成形方法において、凸湾曲面にまとわり付く板ガラスは、加熱によって軟化していることから、その表面が極めて変形しやすい状態下にある。
 このため、凸湾曲面に含まれた微小な凹凸等が耐熱シートを介して板ガラスの表面に転写されたり、まとわり付かせる際の動作に伴うズレ等によって板ガラスの表面が傷付いたりする不具合があった。その結果、成形後の湾曲板ガラスの表面に、ピットと呼ばれる点状且つ、凸状又は凹状の欠陥や傷が残留し、当該湾曲板ガラスの品質を大きく低下させる事態を招いていた。
 上記事情に鑑みなされた本発明は、平板状の板ガラスを湾曲板ガラスに成形する場合に、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を可及的に防止することを技術的課題とする。
 上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する方法において、板ガラスの一方面側の相互に離間した二箇所と、この二箇所の間に位置する他方面側の一箇所とで、板ガラスを板厚方向に挟みこんで支持することにより、板ガラスを湾曲した状態へと弾性変形させる挟持工程と、弾性変形した板ガラスを加熱することにより、板ガラスを湾曲板ガラスに成形する加熱工程とを含むことに特徴付けられる。
 このような方法によれば、一方面側の二箇所と他方面側の一箇所との三箇所で板ガラスを挟みこんで支持することから、板ガラスの表面(一方面、及び他方面)が外物と接触する部位の面積を小さく抑制した上で、湾曲板ガラスを成形することが可能となる。そして、板ガラスの表面のうち、外物と接触しない部位については、欠陥や傷の発生を略完全に回避することができる。その結果、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を可及的に防止することができる。
 上記の方法において、凹湾曲面と、凹湾曲面に対向する凸湾曲面とを有し、且つ両湾曲面の相互間に板ガラスの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間が形成される成形型を用い、挟持工程において、凹湾曲面の二箇所と凸湾曲面の一箇所とで、板ガラスを挟みこんで支持することが好ましい。
 このようにすれば、両湾曲面の相互間に、板ガラスの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間が形成されるため、成形型から板ガラスに過大な圧力が作用することを回避することが可能となる。また、この方法では、凹湾曲面の二箇所と凸湾曲面の一箇所との三箇所で板ガラスを挟みこんで支持することから、両湾曲面と板ガラスの表面とが接触する部位の面積が小さく抑制される。従って、板ガラスの表面が傷付くことを可及的に防止することができる。
 上記の方法では、挟持工程において、板ガラスを熱により軟化変形しない温度に維持することが好ましい。ここで、「熱により軟化変形しない温度」とは、具体的には板ガラスの粘度が1020dPa・sに相当する温度以下を意味する(以下、同じ)。なお、挟持工程における板ガラスの温度は、300℃以下に維持することがより好ましく、200℃以下に維持することがさらに好ましく、最も好ましくは常温(20±15℃の温度範囲)に維持する。
 このようにすれば、挟持工程において、板ガラスが熱により軟化変形しない温度にあるため、板ガラスの表面を硬く傷付きにくい状態に保持することができる。これにより、弾性変形させる際の動作に伴うズレ等によって、板ガラスの表面が傷付くことを好適に回避することが可能となる。また、この方法によれば、成形型を用いて湾曲板ガラスを成形する場合、熱により軟化変形しない温度にある板ガラスを成形型へと載置することもできる。そのため、軟化した板ガラスを載置する場合と比較して、低温にある板ガラスが成形型へと載置されることになる。その結果、板ガラスを載置するための設備等が傷みにくくなり、これらの設備等について長寿命化を図ることが可能となる。さらに、板ガラスが常温にある場合には、人による手作業で板ガラスを成形型に載置することもできる。
 上記の方法において、凹湾曲面と凸湾曲面とが、同一の単一方向に沿って湾曲していてもよい。
 このようにすれば、単一方向にのみ湾曲した形状の湾曲板ガラスを成形することが可能となる。
 上記の方法において、湾曲成形空間の厚みを、板ガラスに対して0.2mm~1.0mm厚い一定の厚みとすることが好ましい。
 このようにすれば、凹湾曲面と凸湾曲面との両湾曲面が、板ガラスを安定した状態で挟みこんで支持することができる。そのため、湾曲板ガラスを量産するような場合に、複数枚の湾曲板ガラスの相互間に仕上がりのバラつきが生じるような事態の発生を抑制することが可能となる。
 上記の方法では、加熱工程において、板ガラスを、板ガラスの粘度が10dPa・s~1015dPa・sとなる温度範囲で湾曲板ガラスに成形することが好ましい。
 このようにすれば、板ガラスを湾曲板ガラスに成形するに際し、当該板ガラスの良好な成形性と、湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を防止する効果とを、好適に両立させることができる。
 上記の方法では、加熱工程において、板ガラスを、板ガラスの徐冷点を基準とした±50℃の温度範囲で湾曲板ガラスに成形することが好ましい。
 このようにすれば、成形に必要な最低限の加熱のみで湾曲板ガラスの成形が行われる。すなわち、板ガラスの軟化に起因した不具合の発生を可及的に抑制することができる。そのため、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を、より好適に防止することが可能となる。これにより、板ガラスの表面が傷付くことを防止する観点から、成形型の両湾曲面における表面の加工精度や、成形型の材質選択等についての制約を受けにくくなる。その結果、成形型の作製を低コストで行うことができるという利点もある。また、成形に必要な最低限の温度まで板ガラスを加熱できればよいため、加熱に伴って消費される電力が低減される。その結果、製造コストを低減させることができる。
 上記の方法において、挟持工程の前に、成形型を予め加熱する予熱工程を実施することが好ましい。
 このようにすれば、板ガラスを挟みこんで支持する成形型が予め加熱されるため、板ガラスを加熱して成形温度まで昇温させる時間を短縮することが可能となる。これにより、湾曲板ガラスの生産効率を向上させることができる。
 上記の方法において、凹湾曲面の曲率半径と、凸湾曲面の曲率半径と、両湾曲面の離間距離とのうち、少なくとも一つを調節することにより、湾曲板ガラスの曲率半径を調節してもよい。ここで、「湾曲板ガラスの曲率半径」とは、湾曲板ガラスが一定の曲率で湾曲している場合の曲率半径のみならず、曲率が連続的に変化する状態で湾曲している場合の曲率半径をも含むことを意味する(凹湾曲面の曲率半径、及び凸湾曲面の曲率半径においても同じ)。
 このようにすれば、例えば、略一定の曲率半径を有した湾曲板ガラスや、曲率半径が変化する湾曲板ガラス等、多様な湾曲板ガラスを製造することが可能となる。
 上記の方法において、成形型の熱膨張係数の値が、板ガラスの熱膨張係数の値の0.1倍~10倍の範囲内にあることが好ましい。
 このようにすれば、成形型と板ガラスとの熱膨張係数の値の差に起因して、加熱によって両者が膨張する際、その膨張の程度の差から両者間にズレが生じるような事態の発生を好適に回避することができる。その結果、両者が接触する部位において、板ガラスの表面がズレに起因して傷付くことを防止することが可能となる。
 上記の方法では、挟持工程において、凹湾曲面と板ガラスの一方面との間、及び凸湾曲面と板ガラスの他方面との間に、シート状耐熱部材を介在させることが好ましい。
 このようにすれば、シート状耐熱部材の介在により、板ガラスの表面と成形型とが直接に接触することが回避され、板ガラスの表面が欠陥や傷の発生からより安全に保護される。これにより、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を、さらに好適に防止することができる。
 上記の方法では、加熱工程において、成形型における凹湾曲面の二箇所、及び凸湾曲面の一箇所によって支持される板ガラスの各部位を、成形型を貫通する通路内を流れる冷媒によって冷却してもよい。
 このようにすれば、両湾曲面によって支持される板ガラスの各部位が、冷媒によって冷却されることから、これらの部位の熱による軟化を抑制することができ、硬く傷付きにくい状態に保持しやすくなる。その結果、成形後の湾曲板ガラスの表面に欠陥や傷が残留することを、より好適に防止することが可能となる。
 また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する方法において、熱により軟化変形しない温度にある板ガラスを板厚方向に挟み込んで支持することにより、板ガラスを湾曲した状態へと弾性変形させる挟持工程と、弾性変形した板ガラスを加熱することにより、板ガラスを湾曲板ガラスに成形する加熱工程とを含むことに特徴付けられる。
 このような方法によれば、熱により軟化変形しない温度にあり、その表面が硬く傷付きにくい状態の板ガラスを、湾曲した状態へと弾性変形させた後で、加熱して湾曲板ガラスに成形する。このため、弾性変形させる際の動作に伴うズレ等によって、外物と接触する部位で板ガラスの表面が傷付くことを好適に回避することが可能となる。その結果、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を可及的に防止することができる。
 上記の各方法によって成形された湾曲板ガラスは、その表面に欠陥や傷が含まれにくいため、高品質なものとすることが可能となる。
 上記の湾曲板ガラスとタッチセンサーとを備えたタッチパネルは、高品質な湾曲板ガラスが用いられていることから、当該タッチパネルについても良好な品質を得ることができる。
 また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る成形型は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形するための成形型において、湾曲した状態の板ガラスにおける一方面側の相互に離間した二箇所を支持する凹湾曲面と、この二箇所の間に位置する他方面側の一箇所を支持すると共に凹湾曲面に対向する凸湾曲面とを有し、両湾曲面の相互間に板ガラスの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間が形成されることに特徴付けられる。
 このような成形型を用いて、平板状の板ガラスを湾曲板ガラスに成形すれば、上記の板ガラスの成形方法について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることが可能となる。
 以上のように、本発明によれば、平板状の板ガラスを湾曲板ガラスに成形する場合に、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を可及的に防止することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法に用いる成形型を示す縦断側面図である。 本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法における各工程を示す工程図である。 本発明の第二実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。
 以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。まず、本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法に用いる成形型について説明する。
 図1は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形するための成形型を示す縦断側面図である。同図に示すように、成形型1は、凹湾曲面11aを有した下型11と、凹湾曲面11aに対向する凸湾曲面12aを有した上型12とを備えている。
 凹湾曲面11a及び凸湾曲面12aは、図1における横方向に沿ってのみ(単一方向に沿って)一定の曲率で湾曲すると共に、両湾曲面11a,12aの曲率中心Oが互いに同一とされている。すなわち、両湾曲面11a,12aの各々は、曲率中心Oを紙面に垂直な方向に通過する軸を中心とした部分円筒面となっている。そして、両湾曲面11a,12aの曲率半径の大きさは、それぞれ凹湾曲面11aがR1、凸湾曲面12aがR2とされている(R1>R2)。
 両湾曲面11a,12aの相互間には、成形の対象となる板ガラスGを内包する下向きに凸な湾曲成形空間Sが形成される。この湾曲成形空間Sの厚みTは、板ガラスGの厚みよりも大きい一定の厚みとなっている。なお、「湾曲成形空間Sの厚みT」とは、凹湾曲面11aの法線に沿って、凹湾曲面11aと凸湾曲面12aとが離間した距離である(本実施形態においては、両湾曲面11a,12aが離間した距離は、湾曲成形空間Sの全域で一定)。
 ここで、成形の対象となる板ガラスGの厚みは、2.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm以下であり、最も好ましくは1.0mm以下である。そして、板ガラスGの厚みの下限値は、0.1mmである。また、板ガラスGは、ガラス組成として、質量%で、SiO:50~80%、Al:5~25%、B:0~15%、NaO:1~20%、KO:0~10%を含有するガラスを化学強化した強化ガラス板であることが好ましい。
 また、湾曲成形空間Sの厚みTと板ガラスGの厚みとの寸法差は、板ガラスGの厚みによらず、1.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下であり、最も好ましくは0.2mmである。
 湾曲成形空間S内にある板ガラスGは、凹湾曲面11aの相互に離間した二箇所(図1に示すA点、B点)と、この二箇所の間に位置する凸湾曲面12aの一箇所(図1に示すC点)とで板厚方向に挟みこまれ、湾曲した状態で支持される。なお、本実施形態においては、両湾曲面11a,12aが共に横方向に沿ってのみ湾曲しているため、A点及びB点において、凹湾曲面11aと板ガラスGとが線接触すると共に、C点において、凸湾曲面12aと板ガラスGとが線接触している。また、C点は、横方向においてA点とB点の中間に位置している。
 本実施形態では、成形型1(下型11、上型12)の材質としてムライトを採用している。ムライトは、その熱膨張係数の値が、55×10-7/Kとなっている。また、本実施形態において、成形の対象となる板ガラスGは、日本電気硝子社製のT2X-1である。T2X-1は、その熱膨張係数の値が、91×10-7/Kとなっている。ここで、成形型1の材質としては、ムライトの他、アルミナ、ジルコンや、これらの混合物(例えば、アルミナジルコン、ジルコンムライト)等を採用することができる。なお、成形型1として、いずれの材質を採用した場合であっても、成形型1の熱膨張係数の値は、板ガラスGの熱膨張係数の値の0.1倍~10倍の範囲内にあることが好ましい。
 次に、上記の成形型1を用いた本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法について説明する。
 図2は、平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形するための各工程を示した工程図である。同図に示すように、湾曲板ガラスを成形するための工程には、成形型1を予熱する予熱工程と、成形型1内に板ガラスGを内包する挟持工程と、成形型1内の板ガラスGを加熱して湾曲板ガラスに成形する加熱工程と、成形型1内で湾曲板ガラスを冷却する冷却工程と、成形型1から湾曲板ガラスを取り出す取出工程とが含まれる。なお、本実施形態において、一部の工程間での成形型1の移動、あるいは、工程内での成形型1の移動はコンベアによる搬送で行われる。
 予熱工程では、板ガラスGを内包していない空の状態の成形型1を、コンベアで搬送しながら予熱炉の内部を通過させ、当該成形型1を予熱する。このとき、成形型1の予熱温度としては、200℃~300℃の温度範囲であることが好ましい。
 挟持工程では、常温(20±15℃の温度範囲)にある平板状の板ガラスGを、上記の成形型1の説明で既に述べた態様でもって、予熱された成形型1内に内包させる。このとき、図1で既に示したように、成形型1における凹湾曲面11aの二箇所(A点、B点)と、凸湾曲面12aの一箇所(C点)とで、板ガラスGが板厚方向に挟みこまれ、支持される。これにより、常温にある平板状の板ガラスGを湾曲(図1における横方向に沿ってのみ湾曲)した状態へと弾性変形させる。
 より詳しくは、成形型1(湾曲成形空間S)内に内包された板ガラスGは、図1の横方向(単一方向)において、その中央部における上面が、相対的に曲率半径(=R2)の小さい凸湾曲面12aに倣うように湾曲する。また、板ガラスGの両端部における下面が相対的に曲率半径(=R1)の大きい凹湾曲面11aに倣うように湾曲する。従って、曲率半径が中央部で小さく、両端部で大きくなるように、当該板ガラスGが弾性変形する。
 なお、本実施形態においては、常温にある板ガラスGを湾曲した状態へと弾性変形させる態様となっているが、これに限られるものではなく、他の温度範囲で板ガラスGを湾曲した状態へと弾性変形させてもよい。しかしながら、挟持工程における板ガラスGの温度は、当該板ガラスGが熱により軟化変形しない温度に維持することが好ましく、具体的には425℃以下(板ガラスGの粘度が1020dPa・sに相当する温度以下)に維持することが好ましい。そして、300℃以下に維持することがより好ましく、200℃以下に維持することがさらに好ましく、本実施形態のように常温に維持することが最も好ましい。
 加熱工程では、弾性変形した板ガラスGを内包した成形型1を、コンベアで搬送しながら加熱炉の内部を通過させ、成形型1を介して板ガラスGを加熱する。これにより、弾性変形した板ガラスGを湾曲板ガラスに成形する。このとき、板ガラスG(T2X-1)の粘度が10dPa・s~1015dPa・sとなる温度範囲で湾曲板ガラスを成形する。なお、より好ましい温度範囲としては、板ガラスGの粘度が1011dPa・s~1014dPa・sとなる温度範囲であり、最も好ましい温度範囲としては、板ガラスGの粘度が1012.5dPa・s~1013.5dPa・sとなる温度範囲である。このような温度範囲において、さらに板ガラスGの徐冷点613℃を基準とした±50℃の温度範囲で湾曲板ガラスを成形することが好ましい。なお、より好ましくは徐冷点613℃を基準とした±20℃の温度範囲で成形し、最も好ましくは徐冷点613℃を基準とした±10℃の温度範囲で成形する。また、この加熱工程は、バッチ炉内に成形型1を並べて加熱するような態様で実施してもよい。
 冷却工程では、湾曲板ガラスを成形型1に内包させたまま、当該湾曲板ガラスの冷却を行う。このとき、湾曲板ガラスの温度は、成形温度から歪点までの温度範囲では、ガラスの内部歪を低減させるために、ゆっくりと温度低下させる。
 取出工程では、成形型1に内包された湾曲板ガラスを当該成形型1から取り出す。以上の工程を経ることで、湾曲板ガラスが得られる。この湾曲板ガラスは、単一方向に沿ってのみ湾曲すると共に、中央部で曲率半径が大きく、両端部で曲率半径が小さくなるように曲率半径が変化する湾曲板ガラスとなる。ここで、曲率半径が変化する湾曲板ガラスとは、当該湾曲板ガラスの曲率半径の最大値をGRmaxとし、曲率半径の最小値をGRminとしたとき、GRmin<(GRmax×0.9)の関係を満たす湾曲板ガラスを意味する。
 なお、湾曲板ガラスを取り出された空の状態の成形型1は、新たに平板状の板ガラスGを内包して湾曲板ガラスに成形するために、コンベアで搬送されて予熱工程へと戻される。
 以下、本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法の作用・効果について説明する。
 この板ガラスの成形方法によれば、凹湾曲面11aの二箇所(A点,B点)と、凸湾曲面12aの一箇所(C点)との三箇所で板ガラスGを挟みこんで支持することから、板ガラスGの表面が、両湾曲面11a,12aと接触する部位の面積を小さく抑制した上で、湾曲板ガラスを成形することが可能となる。そして、板ガラスGの表面のうち、両湾曲面11a,12aと接触しない部位については、欠陥や傷の発生を略完全に回避することができる。
 また、この方法では、熱により軟化変形しない温度よりも低温の常温にあり、その表面が硬く傷付きにくい状態の板ガラスGを、湾曲した状態へと弾性変形させた後で、加熱して湾曲板ガラスに成形する。このため、弾性変形させる際の動作に伴うズレ等によって、両湾曲面11a,12aと接触する部位で板ガラスGの表面が傷付くことも好適に回避することが可能となる。
 さらに、両湾曲面11a,12aの相互間に、板ガラスGの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間Sが形成されるため、成形型1から板ガラスGに過大な圧力が作用することを回避することが可能となる。また、板ガラスGの粘度が10dPa・s~1015dPa・sとなる温度範囲で湾曲板ガラスを成形するため、成形に必要な最低限の加熱のみで湾曲板ガラスの成形が行われる。すなわち、板ガラスGの軟化に起因した不具合の発生を可及的に抑制することができる。
 加えて、成形型1の熱膨張係数の値が、板ガラスGの熱膨張係数の値の0.1倍~10倍の範囲内である場合には、成形型1と板ガラスGとの熱膨張係数の値の差に起因して、加熱によって両者が膨張する際、その膨張の程度の差から両湾曲面11a,12aと板ガラスGとの間にズレが生じるような事態の発生を好適に回避することができる。従って、両湾曲面11a,12aと板ガラスGとが接触する部位において、板ガラスGの表面がズレに起因して傷付くことを防止することが可能となる。
 以上のことから、この板ガラスの成形方法によれば、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を可及的に防止することができる。これに加えて、この板ガラスの成形方法によれば、以下のような作用・効果をも得ることが可能である。
 すなわち、この方法では、成形に必要な最低限の温度まで板ガラスGを加熱できればよいため、加熱に伴って消費される電力が低減される。また、この方法では、上述のように板ガラスGの軟化に起因した不具合の発生を可及的に抑制することができ、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を好適に防止することが可能となる。このため、板ガラスGの表面が傷付くことを防止する観点から、成形型1の両湾曲面11a,12aにおける表面の加工精度や、成形型1の材質選択等についての制約を受けにくくなる。その結果、成形型1の作製を低コストで行うことができる。これらのことから、湾曲板ガラスの製造コストを低減させることができる。
 また、予熱工程において、板ガラスGを挟みこんで支持する成形型1(下型11、上型12)が予め加熱されているため、板ガラスGを加熱して成形温度まで昇温させる時間を短縮することも可能となる。その結果、湾曲板ガラスの生産効率を向上させることができる。また、本実施形態のような態様で加熱工程を実施する場合に、加熱炉の長さを短縮化することが可能となる。
 また、この方法では、挟持工程において、常温にある板ガラスGを成形型1(下型11、上型12)へと載置することもできる。この場合、軟化した板ガラスを載置する場合と比較して低温にある板ガラスGが成形型1へと載置されることになる。これにより、板ガラスGを載置するための設備等が傷みにくくなり、これらの設備等について長寿命化を図ることが可能となる。また、板ガラスGが常温にあるため、設備等を用いずに人による手作業で板ガラスGを成形型1に載置することもできる。
 さらに、湾曲成形空間Sの厚みTと板ガラスGの厚みとの寸法差を、0.2mm~1.0mmとした場合には、凹湾曲面11aと凸湾曲面12aとの両湾曲面11a,12aが、板ガラスGを安定した状態で挟みこんで支持することができる。そのため、湾曲板ガラスを量産するような場合に、複数枚の湾曲板ガラスの相互間に仕上がりのバラつきが生じるような事態の発生を抑制することも可能となる。
 なお、この板ガラスの成形方法によって成形された湾曲板ガラスは、その表面に欠陥や傷が含まれにくいため、高品質なものとすることが可能である。また、板ガラスGが上記のような好ましい組成を有する場合には、高い強度を有した湾曲板ガラスを製造することも可能である。そして、この湾曲板ガラスと、タッチセンサーとを備えたタッチパネルを製造するような場合、高品質な湾曲板ガラスが用いられていることから、当該タッチパネルについても良好な品質を得ることができる。
 以下、本発明の他の実施形態に係る板ガラスの成形方法について説明する。なお、以降の各実施形態に係る板ガラスの成形方法の説明において、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法で既に説明した要素と同一の機能、又は形状を有する要素については、各実施形態について説明するための図面に同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略している。また、以降の各実施形態においては、第一実施形態と相違している点についてのみ説明する。
 図3は、本発明の第二実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。同図に示すように、この第二実施形態に係る板ガラスの成形方法が、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と相違している点は、挟持工程において、凹湾曲面11aと板ガラスGの下面との間、及び凸湾曲面12aと板ガラスGの上面との間に、それぞれシート状耐熱部材としての耐熱クロス21,22を介在させる点である。
 本実施形態において、耐熱クロス21,22の各々は、ガラス繊維を編んだものである。ここで、耐熱クロス21,22としては、ガラス繊維を編んだものの他、アルミナ繊維や金属繊維、炭素繊維を編んだものや、ガラス繊維やアルミナ繊維、炭素繊維をシート状に圧着成形したもの等を使用することが可能である。この耐熱クロス21,22のそれぞれが、弾性変形した板ガラスGの下面、上面の全域を覆っている。これにより、板ガラスGは、耐熱クロス21,22を介して凹湾曲面11aの二箇所(A点、B点)と、凸湾曲面12aの一箇所(C点)とで、板厚方向に挟みこまれて支持される。
 なお、湾曲成形空間Sの厚みTと、板ガラスGと両耐熱クロス21,22とからなる三層の全厚みとの寸法差は、三層の全厚みによらず、1.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下であり、最も好ましくは0.2mmである。
 この第二実施形態に係る板ガラスの成形方法によっても、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と同一の作用・効果を得ることが可能である。
 さらに、この第二実施形態に係る板ガラスの成形方法では、耐熱クロス21,22の介在によって、板ガラスGの表面と両湾曲面11a,12aとが直接に接触することが回避され、板ガラスGの表面が欠陥や傷の発生からより安全に保護される。そのため、成形後の湾曲板ガラスの表面における欠陥や傷の残留を、さらに好適に防止することができる。
 図4は、本発明の第三実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。同図に示すように、この第三実施形態に係る板ガラスの成形方法が、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と相違している点は、板ガラスGの成形に用いる成形型1(下型11、上型12)において、凹湾曲面11aの曲率半径R1と、凸湾曲面12aの曲率半径R2とが一定ではない(一定の曲率で湾曲していない)点である。
 両湾曲面11a,12aは、横方向において、その中央部で曲率が最小となると共に、中央部から端部側に移行するに連れて、曲率が漸次に大きくなっている。すなわち、両湾曲面11a,12aの曲率半径R1,R2は、中央部で最大となると共に、両端部で最小となる。このため、中央部から端部側に移行する程、図4に示すように、曲率中心O’が湾曲成形空間Sに接近する。
 また、凹湾曲面11aのA点、B点における曲率半径R1は、A点、B点に支持された板ガラスGの下面と対向する上面の曲率半径が、凸湾曲面12aのC点における曲率半径R2(R2の最大値)と等しくなるように調節されている。ここで、A点、B点における凹湾曲面11aの曲率半径R1の大きさ、及びC点における凸湾曲面12aの曲率半径R2は、板ガラスGの上下面の寸法や、板ガラスGの厚み寸法等、種々の条件によって異なってくるものである。従って、A点、B点での曲率半径R1の大きさ、及びC点での曲率半径R2の大きさは、試験の実施や、シミュレーション等により予め適切な大きさを割り出しておくことが好ましい。
 この第三実施形態に係る板ガラスの成形方法によっても、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と同一の作用・効果を得ることが可能である。また、この板ガラスの成形方法によって成形された湾曲板ガラスは、単一方向に沿ってのみ湾曲すると共に、略一定の曲率半径(略一定の曲率)で湾曲した湾曲板ガラスとなる。なお、「略一定の曲率半径で湾曲した湾曲板ガラス」とは、当該湾曲板ガラスの曲率半径の最大値をGRmaxとし、曲率半径の最小値をGRminとしたとき、GRmin≧(GRmax×0.9)の関係を満たす湾曲板ガラスを意味する。
 図5は、本発明の第四実施形態に係る板ガラスの成形方法を示す図である。同図に示すように、この第四実施形態に係る板ガラスの成形方法が、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と相違している点は、成形型1に当該成形型1を貫通する三本の冷媒の通路3が形成されている点と、加熱工程の実施時に、成形型1の凹湾曲面11aにおけるA点、B点、及び凸湾曲面12aにおけるC点によって支持される板ガラスGの各部位を、通路3内を流れる冷媒によって冷却している点である。また、上述の第一実施形態においては、成形型1をコンベアで搬送しながら加熱炉の内部を通過させることで加熱工程を実施していたが、本実施形態においては、成形型1を単に加熱炉内に載置した状態で加熱工程を実施している。
 三本の通路3の各々は、成形型1を貫通し、且つ、その両端が加熱炉外まで延びたパイプ4の内部に形成されている。各通路3を形成する三本のパイプ4の各々について、成形型1を貫通する部位は、図5における紙面に垂直な方向に沿って延びると共に、凹湾曲面11aにおけるA点、若しくはB点、又は凸湾曲面12aにおけるC点の近傍を通過している。また、各パイプ4は、加熱炉外に設置された冷媒の供給装置(例えば、ポンプ等)と接続されており、加熱工程の実施時に当該装置から供給された冷媒が通路3内を流れる構成とされている。
 ここで、冷媒としては、空気、水蒸気、水、液化窒素等を使用することができる。また、パイプ4の材質としては、ステンレス等の金属や、アルミナ等のセラミックスを使用することが可能であるが、冷却効率の観点から熱伝導性の高い金属を使用することが好ましい。さらに、上記のA点、B点、C点の各々から、これらの各々に最も近接した通路3までの距離は、成形型1の機械的強度が許される範囲で短くすることが好ましく、例えば、3mm~15mmである。
 この第三実施形態に係る板ガラスの成形方法によっても、上述した第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と同一の作用・効果を得ることが可能である。また、この板ガラスの成形方法によれば、A点、B点、C点によって支持される板ガラスGの各部位が、冷媒によって冷却されることから、これらの部位の熱による軟化を抑制することができ、硬く傷付きにくい状態に保持しやすくなる。その結果、成形後の湾曲板ガラスの表面に欠陥や傷が残留することを、より好適に防止することが可能となる。
 なお、上述の第三、及び第四実施形態に係る板ガラスの成形方法では、上述した第二実施形態に係る板ガラスの成形方法と同様にして、挟持工程において、板ガラスGの下面と凹湾曲面11aとの間、及び板ガラスGの上面と凸湾曲面12aとの間に、耐熱クロスを介在させる態様としてもよい。
 ここで、本発明に係る板ガラスの成形方法や成形型は、上述の各実施形態で説明した態様や構成に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態で用いた成形型においては、下向きに凸な湾曲成形空間が形成される構成となっているが、上に凸な湾曲形成空間を形成する構成としてもよい。また、上記の各実施形態で用いた成形型においては、凹湾曲面と凸湾曲面との間に形成される湾曲成形空間の厚みがいずれも一定となっているが、この厚みが連続的に変化するような構成であってもよい。
 また、上記の第一、第二、及び第四実施形態と、第三実施形態との間では、凹湾曲面及び凸湾曲面の曲率半径を実施形態間で相互に異ならせることで、曲率半径が相互に異なった湾曲板ガラスを成形する態様となっている。しかしながら、成形される湾曲板ガラスの曲率半径は、凹湾曲面及び凸湾曲面の曲率半径を調節する以外の態様によっても調節することができる。すなわち、凹湾曲面の曲率半径と、凸湾曲面の曲率半径と、両湾曲面の離間距離とのうち、少なくとも一つを調節することで、成形される湾曲板ガラスの曲率半径を調節することが可能である。例えば、両湾曲面の離間距離を調節するような場合には、成形型の下型と上型との間にスペーサーを介在させること等によって簡便に離間距離を調節することができる。これにより、成形される湾曲板ガラスの曲率半径を調節することが可能である。
 また、上記の第四実施形態では、成形型を貫通するパイプによって冷媒を流すための通路が形成されているが、この限りではない。例えば、成形型に当該成形型を貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔の中に冷媒を流す態様としてもよい。すなわち、貫通孔によって通路を形成してもよい。また、成形型を貫通するパイプによって通路を形成する場合において、パイプが成形型を貫通する方向は任意の方向としてよいし、パイプの本数についても任意の数としてよい。
 さらに、上記の各実施形態においては、成形型を用いることで湾曲板ガラスを成形しているが、この限りではない。例えば、三本の耐火性の棒材を用い、このうちの二本を平行に並べ、板ガラスの一方面側における相互に離間した二箇所を線接触で支持すると共に、上記の二本と平行に並べた他の一本で、この二箇所の間に位置する他方面側の一箇所を線接触で支持する。そして、これら三箇所で板ガラスを板厚方向に挟みこんで、板ガラスを湾曲した状態に弾性変形させる。そして、この弾性変形した板ガラスを加熱することで、湾曲板ガラスを成形することが可能である。
 1     成形型
 11    下型
 11a   凹湾曲面
 R1    凹湾曲面の曲率半径
 12    上型
 12a   凸湾曲面
 R2    凸湾曲面の曲率半径
 21,22 耐熱クロス
 3     通路
 4     パイプ
 G     板ガラス
 A,B   凹湾曲面と板ガラス(耐熱クロス)との接触箇所
 C     凸湾曲面と板ガラス(耐熱クロス)との接触箇所
 S     湾曲成形空間
 T     湾曲成形空間の厚み
 O     曲率中心
 O’    曲率中心

Claims (16)

  1.  平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する方法において、
     前記板ガラスの一方面側の相互に離間した二箇所と、この二箇所の間に位置する他方面側の一箇所とで、前記板ガラスを板厚方向に挟みこんで支持することにより、該板ガラスを湾曲した状態へと弾性変形させる挟持工程と、
     弾性変形した前記板ガラスを加熱することにより、該板ガラスを前記湾曲板ガラスに成形する加熱工程とを含むことを特徴とする板ガラスの成形方法。
  2.  凹湾曲面と、該凹湾曲面に対向する凸湾曲面とを有し、且つ両湾曲面の相互間に前記板ガラスの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間が形成される成形型を用い、
     前記挟持工程において、前記凹湾曲面の二箇所と前記凸湾曲面の一箇所とで、前記板ガラスを挟みこんで支持することを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの成形方法。
  3.  前記挟持工程において、前記板ガラスを熱により軟化変形しない温度に維持することを特徴とする請求項1又は2に記載の板ガラスの成形方法。
  4.  前記凹湾曲面と前記凸湾曲面とが、同一の単一方向に沿って湾曲していることを特徴とする請求項2又は3に記載の板ガラスの成形方法。
  5.  前記湾曲成形空間の厚みを、前記板ガラスに対して0.2mm~1.0mm厚い一定の厚みとしたことを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  6.  前記加熱工程において、前記板ガラスを、該板ガラスの粘度が10dPa・s~1015dPa・sとなる温度範囲で前記湾曲板ガラスに成形することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  7.  前記加熱工程において、前記板ガラスを、該板ガラスの徐冷点を基準とした±50℃の温度範囲で前記湾曲板ガラスに成形することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  8.  前記挟持工程の前に、前記成形型を予め加熱する予熱工程を実施することを特徴とする請求項2~7のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  9.  前記凹湾曲面の曲率半径と、前記凸湾曲面の曲率半径と、両湾曲面の離間距離とのうち、少なくとも一つを調節することにより、前記湾曲板ガラスの曲率半径を調節することを特徴とする請求項2~8のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  10.  前記成形型の熱膨張係数の値が、前記板ガラスの熱膨張係数の値の0.1倍~10倍の範囲内にあることを特徴とする請求項2~9のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  11.  前記挟持工程において、前記凹湾曲面と前記板ガラスの一方面との間、及び前記凸湾曲面と前記板ガラスの他方面との間に、シート状耐熱部材を介在させることを特徴とする請求項2~10のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  12.  前記加熱工程において、前記成形型における前記凹湾曲面の二箇所、及び前記凸湾曲面の一箇所によって支持される前記板ガラスの各部位を、前記成形型を貫通する通路内を流れる冷媒によって冷却することを特徴とする請求項2~11のいずれかに記載の板ガラスの成形方法。
  13.  平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形する方法において、
     熱により軟化変形しない温度にある前記板ガラスを板厚方向に挟み込んで支持することにより、該板ガラスを湾曲した状態へと弾性変形させる挟持工程と、
     弾性変形した前記板ガラスを加熱することにより、該板ガラスを前記湾曲板ガラスに成形する加熱工程とを含むことを特徴とする板ガラスの成形方法。
  14.  請求項1~13のいずれかに記載の板ガラスの成形方法により成形された湾曲板ガラス。
  15.  請求項14に記載の湾曲板ガラスと、タッチセンサーとを備えたタッチパネル。
  16.  平板状の板ガラスを湾曲した形状の湾曲板ガラスに成形するための成形型において、
     湾曲した状態の前記板ガラスにおける一方面側の相互に離間した二箇所を支持する凹湾曲面と、この二箇所の間に位置する他方面側の一箇所を支持すると共に前記凹湾曲面に対向する凸湾曲面とを有し、
     両湾曲面の相互間に前記板ガラスの板厚に対して厚みの大きい湾曲成形空間が形成されることを特徴とする成形型。
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