JP2019043815A - 移送容器及び移送装置並びにガラス物品の製造方法 - Google Patents

移送容器及び移送装置並びにガラス物品の製造方法 Download PDF

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和幸 天山
Kazuyuki Amayama
和幸 天山
裕之 板津
Hiroyuki Itazu
裕之 板津
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Abstract

【課題】移送容器における熱膨張を好適に吸収する。【解決手段】移送容器11は、溶融ガラスGMが内部を流通する管状部14と、管状部14の端部に位置するフランジ部15と、管状部14とフランジ部15とを繋ぐ湾曲部16とを備える。フランジ部15は、湾曲部16よりも管状部14の中心からの距離が遠い第一傾斜部17と、第一傾斜部17よりも管状部14の中心からの距離が遠い第二傾斜部18と、第二傾斜部18よりも管状部14の中心からの距離が遠い突き合わせ部19とを備える。第一傾斜部17は、管状部14の中心から離れるに従って管状部14の軸方向中央部14a側に傾斜する。第二傾斜部18は、管状部14の中心に近づくに従って管状部14の軸方向中央部14a側に傾斜する。突き合わせ部19は、他の移送容器のフランジ部と向き合う。【選択図】図2

Description

本発明は、溶融ガラスを移送するための容器及び移送装置並びにガラス物品の製造方法に関する。
周知のように、ガラス物品を製造する際には、溶融ガラスが内部を流通する管状体が使用されるが、この管状体は、例えば、溶解室からガラス物品成形装置に溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給装置の供給経路途中に配設される。具体的には、この管状体は、溶解室からその下流側の攪拌槽に通じる供給経路や、攪拌槽からその下流側のポット(主として粘度調整を行う容積部)に通じる供給経路などに配設される。
この種の溶融ガラス供給装置は、立ち上げ時に温度上昇が生じることに起因して、管状体が流路方向(軸線方向)に対して熱による膨張を来たすことになる。そのため、この種の管状体は、熱による膨張の影響を排除し得る構造とされていることが好ましい。
特許文献1には、溶融ガラス供給経路を通じて溶融ガラスを移送する溶融ガラス供給装置が開示されている。溶融ガラス供給経路は、複数の管状体(以下「移送容器」という)を有する。移送容器は、管状部と、管状部の端部に形成されるフランジ部と、管状部とフランジ部との間に介在する湾曲部とを有する。この移送容器では、立ち上げ時の温度上昇によって生じる管状部の熱膨張を湾曲部によって吸収でき、移送容器の変形や割れを防止できる。
特開2013−245134号公報
しかしながら、移送容器における管状部の膨張量は、当該管状部の長さ寸法、内径寸法、或いは移送する溶融ガラスの温度によって大きく異なる。このため、管状部の膨張量をより一層吸収し易い移送容器の改良が強く望まれる。
本発明は、熱膨張を好適に吸収することが可能な移送容器、移送装置及びガラス物品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、溶融ガラスを移送する移送容器であって、前記溶融ガラスが内部を流通する管状部と、前記管状部の端部に位置するフランジ部と、前記管状部と前記フランジ部とを繋ぐ湾曲部とを備え、前記フランジ部は、前記湾曲部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い第一傾斜部と、前記第一傾斜部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い第二傾斜部と、前記第二傾斜部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い突き合わせ部と、を備え、前記第一傾斜部は、前記管状部の中心から離れるに従って前記管状部の軸方向中央部側に傾斜するように構成され、前記第二傾斜部は、前記管状部の中心に近づくに従って前記管状部の軸方向中央部側に傾斜するように構成され、前記突き合わせ部は、他の移送容器のフランジ部と向き合うように構成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、フランジ部は、第一傾斜部及び第二傾斜部を有することにより、平板状に構成される場合と比較して、管状部の熱膨張に追従して変形し易い構成となる。したがって、本発明では、湾曲 部、第一傾斜部及び第二傾斜部の変形により、管状部における熱膨張を、従来よりも効果的に吸収できる。
上記構成の移送容器において、第一傾斜部の長さと第二傾斜部の長さとが等しく設定され、かつ第一傾斜部の傾斜角度と第二傾斜部の傾斜角度とが等しく設定されることが望ましい。これにより、管状部の熱変形に対応して、第一傾斜部と第二傾斜部とをバランス良く変形させることができる。
また、前記第一傾斜部の一端部は、第二傾斜部の一端部と繋がることが望ましい。これにより、フランジ部を小型化することができ、移送容器の製造コストを低減できる。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、溶融ガラスを移送する移送装置であって、前記移送装置は、上記構成の移送容器を複数備え、前記複数の移送容器は、前記フランジ部の前記突き合わせ部同士が対向した状態で連結されてなることを特徴とする。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、溶融ガラスを移送する工程を含むガラス物品の製造方法であって、前記溶融ガラスを移送する工程では、上記構成の移送装置により前記溶融ガラスを移送することを特徴とする。
本発明によれば、移送容器における熱膨張を好適に吸収できる。
ガラス物品の製造装置を示す側面図である。 移送装置の分解断面図である。 移送装置の部分断面図である。 移送容器の断面図である。 移送容器の正面図である。 ガラス物品の製造方法を示すフローチャートである。 ガラス物品の製造方法に係る一工程を示す部分断面図である。 移送容器の他の例を示す断面図である。 移送容器の他の例を示す断面図である。 移送容器の他の例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図7は、ガラス物品の製造方法及び製造装置の一実施形態を示す。
図1に示すように、ガラス物品の製造装置1は、上流端に配備された溶解室(溶融窯)2及びその下流側に連通する清澄室3から、下流端に配備された板ガラスGRの成形装置4に溶融ガラスGMを供給する溶融ガラス供給経路5を備えている。
成形装置4は、オーバーフローダウンドロー法によって溶融ガラスGMから帯状の板ガラスGRを成形する。詳細には、成形装置4における成形体4aは、断面形状(図1の紙面と直交する断面形状)が略楔形状を成しており、この成形体4aの上部には、オーバーフロー溝(図示せず)が形成されている。成形体4aは、溶融ガラスGMをオーバーフロー溝から溢れ出させて、当該成形体4aの両側の側壁面(紙面の表裏面側に位置する側面)に沿って流下させる。成形体4aは、流下させた溶融ガラスGMを側壁面の下頂部で融合させ、板状に成形する。
成形された帯状の板ガラスGRは、後述の徐冷工程及び切断工程に供給され、所望寸法の板ガラスが切り出される。このようにして得られたガラス物品としての板ガラスは、例えば、厚みが0.01〜10mmであって、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、有機EL照明、太陽電池などの基板や保護カバーに利用される。なお、成形装置4は、スロットダウンドロー法などの他のダウンドロー法を実行するものであってもよく、ダウンドロー法以外の方法、例えばダンナー法を実行するものであってもよい。
板ガラスGRの材質としては、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、化学強化ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
溶融ガラス供給経路5には、一個または複数個(図例では二個)の攪拌槽6と、その下流側のポット7(主として溶融ガラスGMの粘度調整のための容積部)とが配備され、ポット7の下流側は、小径パイプ8及び大径パイプ9を介して成形装置4の成形体4aに通じている。溶融ガラス供給経路5における清澄室3と攪拌槽6との間は、移送装置10によって連通されると共に、攪拌槽6とポット7との間も、移送装置10によって連通されている。
図1乃至図3に示すように、移送装置10は、複数の移送容器11と、各移送容器11の間に介在する絶縁層12と、移送容器11を被覆する耐火物13を備える。
移送容器11は、白金又は白金合金により構成される中空状の構造体である。移送容器11は、図2に示すように、溶融ガラスGMが内部を流通する管状部14と、フランジ部15と、管状部14の軸方向の端部とフランジ部15の内周側端部とを繋ぐ湾曲部16と、を備える。なお、上記の移送装置10のドレン経路10aや、攪拌槽6のドレン経路6aなどにも、同様の構成を備えた移送容器11が配設される。
図4及び図5に示すように、管状部14は、円管状に構成されるが、この形状に限定されるものではない。管状部14の内径は、10mm以上300mm以下とされ、その肉厚は、0.3mm以上3mm以下とされ、その長さは50mm以上10000mm以下とされることが望ましい。管状部14の寸法は、上記の範囲に限定されず、移送する溶融ガラスGMの温度や製造装置1の規模に応じて適宜設定され得る。
図4及び図5に示すように、フランジ部15は、円板状に構成されるとともに、管状部14と同心状に構成される。フランジ部15は、第一傾斜部17と、第二傾斜部18と、突き合わせ部19とを備える。フランジ部15は、深絞り加工により管状部14、湾曲部16と一体に形成される。これに限らず、移送容器11は、プレス加工又は鋳造その他の製法により、管状部14、フランジ部15、及び湾曲部16が一体に形成されてもよい。
第一傾斜部17は、湾曲部16よりも管状部14の中心からの半径方向(軸方向に直交する方向)の距離が遠い。本実施形態の第一傾斜部17の一端部は、湾曲部16と繋がる。第一傾斜部17は、管状部14の中心(中心軸線X1)から離れるに従って、当該管状部14の軸方向中央部14a側に向かって傾斜するように構成される。すなわち、第一傾斜部17は、管状部14の軸方向中央部14aに向かって拡径するテーパ状の部分である。管状部14の半径方向に対する第一傾斜部17の傾斜角度θ1(図4参照)は、5°以上20°以下とされるが、この範囲に限定されず、移送容器11の大きさや加熱温度に応じて適宜設定される。
第二傾斜部18は、第一傾斜部17よりも管状部14の中心からの半径方向の距離が遠い。本実施形態の第二傾斜部18の一端部は、第一傾斜部17と繋がる。第二傾斜部18は、管状部14の中心に近づくに従って、管状部14の軸方向中央部14a側に向かって傾斜するように構成される。すなわち、第二傾斜部18は、軸方向中央部14aに向かって縮径するテーパ状の部分である。管状部14の半径方向に対する第二傾斜部18の傾斜角度θ2(図4参照)は、5°以上20°以下とされるが、この範囲に限定されず、移送容器11の大きさや加熱温度に応じて適宜設定される。
突き合わせ部19は、第二傾斜部18よりも管状部14の中心からの半径方向の距離が遠い。本実施形態の突き合わせ部19の一端部は、第二傾斜部18と繋がる。突き合わせ部19は、管状部14の半径方向に対して平行に構成される平板部である。突き合わせ部19は、他の移送容器11の突き合わせ部19と対向する突き合わせ面19aを有する。
本実施形態において、第二傾斜部18の傾斜角度θ2は、第一傾斜部17の傾斜角度θ1と等しくされることが望ましい。また、第二傾斜部18の長さL2は、第一傾斜部17の長さL1と等しくされることが望ましい。この構成に限らず、第一傾斜部17の長さL1及び傾斜角度θ1と、第二傾斜部18の長さL2及び傾斜角度θ2とは異なっていてもよい。
第一傾斜部17と第二傾斜部18とによって凹部が形成され、その凹部は、フランジ部15の突き合せ面19aよりも管状部14の軸方向中央部14a側に凹む。
第一傾斜部17及び第二傾斜部18は、中心線X2に対して線対称となるように構成される。中心線X2は、第一傾斜部17と第二傾斜部18の接続部を通る直線であり、管状部14の中心軸線X1と平行である。第一傾斜部17と第二傾斜部18とが為す交差角度θ3(図4参照)は、140°以上170°以下に設定されることが望ましいが、この範囲に限定されるものではない。
湾曲部16は、例えば一又は複数の円弧形状又は二次曲線に倣う形状を有する。湾曲部16は、管状部14の端部と、フランジ部15(第一傾斜部17)の端部とを連結する。湾曲部16は、図2乃至図4に示すように、断面視において、突き合わせ部19の突き合わせ面19aから突出しないように、管状部14の軸方向(中心軸線X1に沿う方向)において、当該突き合せ面19aと一致するように形成される。湾曲部16による熱膨張の吸収を増加させる観点から、湾曲部16の曲率半径は、5mm以上であることが望ましく、10mm以上であることがより望ましい。複数の移送容器11を連結した際のフランジ部15同士の密着性を確保する観点から、湾曲部16の曲率半径は、30mm以下とすることが望ましい。
絶縁層12は、アルミナやシリカ等の耐火性材料からなるシート状の繊維集合体により構成される。具体的には、絶縁層12としては、繊維状耐火物を編み込んだクロス状部材や、繊維状耐火物を抄造したペーパー状部材、繊維状耐火物を圧縮成形したブランケット状部材等を用いることができる。図2及び図3に示すように、絶縁層12は、その中央部に溶融ガラスGMが通過可能な貫通孔12aを有する。この絶縁層12の厚みは、1mm以上100mm以下に設定されることが好ましく、5mm以上10mm以下に設定されることがより好ましいが、この範囲に限定されない。
耐火物13は、高温環境でも移送容器を侵食しない材質であればよい。例えばアルミナ系またはジルコニア系の電鋳耐火物、アルミナ系またはシリカ系の焼成耐火物、アルミナ系、シリカ系またはジルコニア系の不定形耐火物により構成されるが、この材質に限定されない。耐火物13は複数の構造体(耐火レンガ)により、管状部14の外周面を支持するように構成される。
なお、上記移送装置10では、各移送容器11に電流を流すことで生じる抵抗加熱(ジュール熱)によって、当該移送容器11の内部を流れる溶融ガラスGMの温度調節(流量調節)を行う。各移送容器11は、各フランジ部15の一部に電極(図示せず)を有している。
以下、上記構成の製造装置1によってガラス物品(板ガラスGR)を製造する方法について説明する。図6に示すように、本方法は、予熱工程S1、組立工程S2、溶解工程S3、清澄工程S4、溶融ガラス供給工程S5、成形工程S6、徐冷工程S7、及び切断工程S8を備える。
予熱工程S1では、溶融ガラス供給経路5をその構成要素(攪拌槽6、ポット7、移送容器11)毎に分離させた状態で、各構成要素6,7,11を加熱装置(図示せず)により加熱する。以下では、複数の移送容器11を分離した状態で予熱工程S1を行う場合について説明する。
複数の移送容器11は、各々分離した状態(図2参照)で加熱装置により加熱される。すなわち、予熱工程S1において、フランジ部15に設けられる電極を介して移送容器11に通電する。その際、移送容器11の内部に溶融ガラスGMを流通させることなく、例えば空気を充満させる。管状部14が所定の予熱温度(例えば1200〜1400℃)にまで到達すると、次の組立工程S2が実行される。
組立工程S2では、図3に示すように、一方の移送容器11のフランジ部15と他方の移送容器11のフランジ部15とによって絶縁層12を挟み込む(挟み込み工程)。挟み込み工程では、各フランジ部15の突き合わせ部19(突き合わせ面19a)と絶縁層12とは隙間無く当接される。なお、この挟み込み工程の前に、絶縁層12をフランジ部15の突き合わせ部19に仮固定することが好ましい。次に、ボルト、クランプ等の固定手段によってフランジ部15同士を固定する工程(固定工程)を実行する。これにより、複数の移送容器11が互いに連結固定される。
複数の移送容器11が連結されることで、移送装置10が組み立てられる。さらに、移送装置10、攪拌槽6、ポット7が相互に接続されることで、溶融ガラス供給経路5が組み立てられる。その後、溶解室2、清澄室3、成形装置4、溶融ガラス供給経路5、小径パイプ8、大径パイプ9等を接続することで、製造装置1が組み立てられる。以上により、組立工程S2が終了する。
溶解工程S3では、溶解室2内に供給されたガラス原料が加熱され、溶融ガラスGMが生成される。この溶融ガラスGMは、清澄室3へと順次移送される。ガラス原料には清澄剤が配合されており、溶融ガラスGMには、この清澄剤の作用によりガス(泡)が発生する。清澄工程S4では、清澄室3に溶融ガラスGMを流通させることで、このガスを除去する。
溶融ガラス供給工程S5では、清澄室3からの溶融ガラスGMを、移送装置10、攪拌槽6、ポット7を通じて成形装置4に移送する。具体的には、溶融ガラスGMは、清澄室3の下流側の移送装置10を通じて攪拌槽6へと移送される。溶融ガラスGMは、攪拌槽6において攪拌されて均質化される。その後、溶融ガラスGMは、攪拌槽6の下流側の移送装置10を通じてポット7へと移送される。溶融ガラスGMは、ポット7、小径パイプ8、大径パイプ9通過することにより、その状態(例えば粘度や流量)が調整される。
組立工程S2の直後の溶融ガラス供給工程S5(製造装置1の立ち上げ時)では、溶融ガラスGMの供給開始に伴って移送容器11の温度が上昇し、例えば1500〜1650℃となる。このため、移送容器11は、他の移送容器11と連結された状態で熱膨張する。図7に示すように、熱膨張に伴って移送容器11の管状部14が軸方向に伸長すると(二点鎖線参照)、湾曲部16がその曲率半径が小さくなるように変形しようとする。この変形に対応して、第一傾斜部17及び第二傾斜部18がその交差角度θ3が小さくなるように変形する(二点鎖線参照)。このように、管状部14が熱膨張した場合、移送容器11は、湾曲部16、第一傾斜部17及び第二傾斜部18が変形することで、各部14〜16が破損しないにように、当該管状部14の膨張を好適に吸収する。なお、絶縁層12は、移送容器11よりも変形しやすいことから、上述の移送容器11の変形を支障なく吸収できる。
溶融ガラス供給工程S5を経た溶融ガラスGMは、成形装置4における成形体4aのオーバーフロー溝に流入する。成形工程S6では、溶融ガラスGMをオーバーフロー溝から溢れ出させ、成形体4aの側壁面に沿って流下させる。成形体4aは、流下させた溶融ガラスGMを下頂部で融合させることで、板ガラスGRを成形する。
その後、帯状の板ガラスGRは、徐冷炉による徐冷工程S7、切断装置による切断工程S8を経て、所望寸法の板ガラスに切り出される。或いは、切断工程S8で板ガラスGRの幅方向の両端を除去した後、帯状の板ガラスGRをロール状に巻き取ってもよい(巻取工程)。以上により、ガラス物品(板ガラスGR)が完成する。
以上説明した本実施形態によれば、移送容器11のフランジ部15は、第一傾斜部17及び第二傾斜部18を有することにより、平板状に構成される場合と比較して、管状部14の熱膨張に追従して変形し易い構成となる。したがって、移送容器11は、湾曲部16、第一傾斜部17、及び第二傾斜部18の変形により、管状部14の熱膨張を従来よりも一層効果的に吸収できる。このため、熱膨張による移送容器11の破損を防止できる。また、移送容器11に発生する熱応力を低減することができ、熱応力による移送容器11の寿命低下を抑制できる。
図8乃至図10は、移送容器の他の例を示す。図8に示す移送容器11では、第一傾斜部17が、第二傾斜部18と直接繋がることなく、第一傾斜部17と第二傾斜部18の間に連結部20が介在する。連結部20は、断面視直線状の平板部によって構成される。直線状の連結部20は、突き合わせ部19と平行に構成される。図9に示す移送容器11では、フランジ部15の第一傾斜部17が、湾曲部16と直接繋がることなく、第一傾斜部17と湾曲部16の間に連結部21が介在する。連結部21は、突き合わせ部19と平行となる直線状の平板部によって構成される。
図10に示す移送容器11では、管状部14の一端部に、上記の実施形態と同様に第一傾斜部17及び第二傾斜部18を有するフランジ部15が形成されており、管状部14の他端部に、第一傾斜部17及び第二傾斜部18を有してないフランジ部15が形成されている。すなわち、管状部14の少なくとも一端部に、第一傾斜部17及び第二傾斜部18が形成されることが望ましい。
図1に示すガラス物品の製造装置1では、溶融ガラス供給経路5における清澄室3と攪拌槽6との間、及び、攪拌槽6とポット7との間に移送装置10を配置するが、清澄室3を移送装置10によって構成してもよい。溶融ガラスGMは、清澄室3で最高温度となるので、清澄室3を構成する移送装置10(管状部14)の熱膨張も増加する。つまり、湾曲部16、第一傾斜部17、及び第二傾斜部18の変形により、移送容器11が管状部14の熱膨張を吸収する効果が顕著となる。このため、本実施形態の移送装置10(移送容器11)によって清澄室3を構成することが望ましい。
本発明者等は、本発明の効果を確認するための試験を行った。この試験では、実施例1として、管状部と、湾曲部と、第一傾斜部、第二傾斜部及び突き合わせ部を有するフランジ部とを備えた移送容器を用意した。実施例1の移送容器において、管状部の内径は、250mmであり、フランジ部の外径は450mmである。また、実施例1における湾曲部の曲率半径は10mmである。
比較例1として、第一傾斜部及び第二傾斜部を有していない平板状のフランジ部を、湾曲部を介して管状部に一体に形成した移送容器を用意した。比較例1における湾曲部の曲率半径は2mmである。また、比較例2として、比較例1と同様な構成を有するとともに、湾曲部の曲率半径を20mmとした移送容器を用意した。各比較例1,2の寸法としては、実施例1と同様に、管状部の内径が250mm、フランジ部の外径が450mmである。
この試験では、フランジ部を支持台に支持させた状態で、管状部に、その軸方向に沿った荷重(200kgf、1961N)を加え、管状部の軸方向に対する、フランジ部及び湾曲部の変形量(mm)を測定した。この変形量は、フランジ部及び湾曲部において、変形前と比較して最も変形が大きい位置で測定したものである。また、荷重は、管状部の熱応力を模擬したものである。試験結果を表1に示す。
Figure 2019043815
表1に示すように、実施例1では、比較例1,2と比較して、フランジ部及び湾曲部が大きく変形することが判る。したがって、実施例1に係る移送容器は、加熱によって管状部が軸方向に膨張した場合に、比較例1,2よりも大きく変形することで管状部の膨張を好適に吸収可能なことが確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 移送装置
11 移送容器
14 管状部
15 フランジ部
16 湾曲部
17 第一傾斜部
18 第二傾斜部
19 突き合わせ部
20 連結部
GM 溶融ガラス
GR ガラス物品(板ガラス)

Claims (5)

  1. 溶融ガラスを移送する移送容器であって、
    前記溶融ガラスが内部を流通する管状部と、前記管状部の端部に位置するフランジ部と、前記管状部と前記フランジ部とを繋ぐ湾曲部とを備え、
    前記フランジ部は、前記湾曲部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い第一傾斜部と、前記第一傾斜部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い第二傾斜部と、前記第二傾斜部よりも前記管状部の中心からの距離が遠い突き合わせ部と、を備え、
    前記第一傾斜部は、前記管状部の中心から離れるに従って前記管状部の軸方向中央部側に傾斜するように構成され、
    前記第二傾斜部は、前記管状部の中心に近づくに従って前記管状部の軸方向中央部側に傾斜するように構成され、
    前記突き合わせ部は、他の移送容器のフランジ部と向き合うように構成されることを特徴とする移送容器。
  2. 第一傾斜部の長さと第二傾斜部の長さとが等しく設定され、かつ第一傾斜部の傾斜角度と第二傾斜部の傾斜角度とが等しく設定される請求項1に記載の移送容器。
  3. 前記第一傾斜部の一端部は、第二傾斜部の一端部と繋がる請求項1又は2に記載の移送容器。
  4. 溶融ガラスを移送する移送装置であって、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の移送容器を複数備え、
    前記複数の移送容器は、前記フランジ部の前記突き合わせ部同士が対向した状態で連結されてなることを特徴とする移送装置。
  5. 溶融ガラスを移送する工程を含むガラス物品の製造方法であって、
    前記溶融ガラスを移送する工程では、請求項4に記載の移送装置により前記溶融ガラスを移送することを特徴とするガラス物品の製造方法。
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WO2022270555A1 (ja) * 2021-06-25 2022-12-29 日本電気硝子株式会社 ガラス物品の製造装置及び製造方法

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