WO2015046181A1

WO2015046181A1 - 歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービン

Info

Publication number: WO2015046181A1
Application number: PCT/JP2014/075147
Authority: WO
Inventors: 鈴木　弘典
Original assignee: 日本精工株式会社
Priority date: 2013-09-24
Filing date: 2014-09-22
Publication date: 2015-04-02
Also published as: JP2015087013A; EP3051154A4; JP6287323B2; CN105579719A; CN105579719B; EP3051154A1; US20160228210A1

Abstract

　歯科エアタービン（１０）は、タービンブレード（１２）と、タービンブレード（１２）が一体固定される回転軸（１１）と、ハウジング（１５）に対して回転軸（１１）を回転自在に支持する一対の転がり軸受（１３，１４）とを備え、一対の転がり軸受（１３，１４）は、予圧が付与されるように各内輪（２３，２４）を回転軸（１１）に嵌合して、背面組合せで配置される。これにより、転がり軸受（１３，１４）を小型化することができ、且つ回転軸（１１）のモーメント剛性を高くすることができる。

Description

歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービン

　本発明は、歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービンに関し、より詳細には、歯科ハンドピースの一形態としてエアを駆動源とする歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービンに関する。

　図３７に示すように、歯科エアタービンハンドピース１２０は、グリップ部１２１と、このグリップ部１２１の先端部に設けられたヘッド部１２２とを備え、術者はこのグリップ部１２１を持って例えば歯牙の切削加工を行う。

　従来、ヘッド部１２２を構成する歯科エアタービン１００としては、図３８に示すように、不図示の歯科処置工具が取り付けられる回転軸１０１と、圧縮空気によって回転軸１０１を回転駆動するためのタービンブレード１０２と、回転軸１０１を回転可能に支承する一対の玉軸受１０３，１０４とを備え、これらがヘッドハウジング１０５内に配設されている。一対の玉軸受１０３，１０４の外輪１０６，１０７は、ヘッドハウジング１０５の環状凹部１０９，１１０に装着されたゴム製リング１０８を介して支持されている。下方の玉軸受１０４の外輪１０７は、スプリングワッシャ１１１により上方に付勢されて一対の玉軸受１０３，１０４に予圧が付与されている。即ち、この回転軸１０１を支承する一対の玉軸受１０３，１０４は、正面組合せされると共に、スプリングワッシャ１１１の弾性力による定圧予圧が付与されている（例えば、特許文献１参照。）。

　また、歯科エアタービンに使用される軸受として、内輪にカウンターボアが形成されるアンギュラ玉軸受が知られている（例えば、特許文献２参照）。このアンギュラ玉軸受では、密封性能を高める為に、内輪カウンター側にシールド板が取り付けられている。

日本国特開平１１－３７１６２号公報日本国特開平０８－６６４１１号公報

　特許文献１に開示されている歯科エアタービン１００によると、一対の玉軸受１０３，１０４を正面組合せで配置し、ヘッドハウジング１０５にすきま嵌めで嵌合する外輪１０７の端面をスプリングワッシャ１１１で押圧して予圧を付与している。正面組合せされた一対の玉軸受１０３，１０４は、作用点間距離が短く、モーメント荷重に対する負荷能力が必ずしも高くないことから、歯科治療時などで回転軸１０１の先端にラジアル荷重が作用すると、回転軸１０１が傾きやすい。このため、正面組合せされた一対の玉軸受１０３，１０４を用いてモーメント荷重に対する負荷能力を確保するには、軸受サイズが大きくなるという課題があった。特許文献２に記載の歯科エアタービンにおいても、一対のアンギュラ玉軸受が正面組合せされており、同様の課題が存在する。

　本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、転がり軸受を小型化することができ、且つ回転軸のモーメント剛性が高い歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービンを提供することにある。

（１）　タービンブレードと、前記タービンブレードが一体固定され、一端に歯科処置工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、を備える歯科エアタービンであって、
　前記一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように前記一対の転がり軸受の各内輪を前記回転軸に嵌合して、背面組合せで配置されることを特徴とする歯科エアタービン。
（２）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記ハウジングに設けられた段部と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定位置予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする（１）に記載の歯科エアタービン。
（３）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、各内輪の軸方向外側面の少なくとも一か所には、前記一対の転がり軸受に定圧予圧が付与されるように、ばね部材が当接していることを特徴とする（１）に記載の歯科エアタービン。
（４）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、前記ハウジングに設けられた段部との間にばね部材がそれぞれ配置され、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする（３）に記載の歯科エアタービン。
（５）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記ハウジングに設けられた段部と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、該各内輪の軸方向外側面と、前記回転軸に固定される固定リングとの間にばね部材をそれぞれ配置した状態で前記回転軸に嵌合されることを特徴とする（３）に記載の歯科エアタービン。
（６）　前記一対の転がり軸受は、内周部に外輪軌道面が形成された外輪と、外周部に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面及び前記内輪軌道面との間に接触角を持って組み込まれた複数の玉と、を有するアンギュラ玉軸受であることを特徴とする（１）に記載の歯科エアタービン。
（７）　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と前記内輪の外周部の何れか一方は、その前記軌道面に対して軸方向一方側に形成された肩部と、軸方向他方側に形成されたカウンターボアと、を有し、
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と内輪の外周部の何れか他方は、その前記軌道面を挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部を有し、
　前記一対の転がり軸受は、少なくとも軸方向外側において、前記外輪に設けられて前記内輪の外周部と対向する密封手段と、前記内輪の外周部との間にラビリンス構造を有することを特徴とする（６）に記載の歯科エアタービン。
（８）　前記密封手段は、前記外輪と一体に形成され、前記外輪の前記肩部から前記内輪に向かって径方向へ延伸する密封部によって構成されることを特徴とする（７）に記載の歯科エアタービン。
（９）　タービンブレードと、前記タービンブレードが一体固定され、一端に歯科処置工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、を備える歯科エアタービン用軸受ユニットであって、
　前記一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように、前記一対の転がり軸受の各外輪間にスペース部材を配置し、各内輪を前記回転軸に嵌合して、背面組合せで配置されることを特徴とする歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１０）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記スペース部材の軸方向側面と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定位置予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする（９）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１１）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、各内輪の軸方向外側面の少なくとも一か所には、前記一対の転がり軸受に定圧予圧が付与されるように、ばね部材が当接していることを特徴とする（１０）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１２）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、前記スペース部材の軸方向側面との間にばね部材がそれぞれ配置され、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする（１１）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１３）　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記スペース部材の軸方向側面と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、該各内輪の軸方向外側面と、前記回転軸に固定される固定リングとの間にばね部材をそれぞれ配置した状態で前記回転軸に嵌合されることを特徴とする（１１）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１４）　少なくとも一方の前記外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より大きく、
　前記スペース部材は、前記ハウジングに固定され、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、内径側に前記外輪の側面に対向する段部とを有するスリーブであることを特徴とする（９）～（１３）のいずれかに記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１５）　前記タービンブレードは、前記一対の転がり軸受に対して軸方向外側に配置され、
　前記一対の転がり軸受の外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より小さく、
　前記スペース部材は、前記ハウジングに固定され、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、内径側に前記外輪の側面に対向する段部とを有するスリーブであることを特徴とする（９）～（１３）のいずれかに記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１６）　少なくとも一方の前記外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より大きく、
　前記スペース部材は、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、を有し、前記一対の外輪間に配置される外輪間座であることを特徴とする（９）～（１３）のいずれかに記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１７）　前記一対の転がり軸受は、内周部に外輪軌道面が形成された外輪と、外周部に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面及び前記内輪軌道面との間に接触角を持って組み込まれた複数の玉と、を有するアンギュラ玉軸受であることを特徴とする（９）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１８）　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と前記内輪の外周部の何れか一方は、その前記軌道面に対して軸方向一方側に形成された肩部と、軸方向他方側に形成されたカウンターボアと、を有し、
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と内輪の外周部の何れか他方は、その前記軌道面を挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部を有し、
　前記一対の転がり軸受は、少なくとも軸方向外側において、前記外輪に設けられて前記内輪の外周部と対向する密封手段と、前記内輪の外周部との間にラビリンス構造を有することを特徴とする（１７）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（１９）　前記密封手段は、前記外輪と一体に形成され、前記外輪の前記肩部から前記内輪に向かって径方向へ延伸する密封部によって構成されることを特徴とする（１８）に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
（２０）　（９）～（１９）のいずれかに記載の前記歯科エアタービン用軸受ユニットを備え、前記スペース部材の外周又は前記外輪の外周に配置された弾性部材を介して前記ハウジングに固定されることを特徴とする歯科エアタービン。

　本発明の歯科エアタービンによれば、一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように一対の転がり軸受の各内輪を回転軸に固定して、背面組合せで配置されるため、従来と同じサイズの軸受であれば、一対の転がり軸受に予圧を付与して回転軸のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。また、サイズの小さな転がり軸受により従来の軸受サイズと同じモーメント剛性が得ることが可能となることから、エアタービンの操作性や機能を現状維持したままタービンヘッドの小型化が可能となる。これにより、歯科エアタービンを扱う歯科医の操作力を正確に回転軸に伝達することができ、歯科エアタービンの操作性が向上する。

　また、本発明の歯科エアタービン及び歯科エアタービン用軸受ユニットによれば、一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように、一対の転がり軸受の各外輪間にスペース部材を配置し、各内輪を回転軸に固定して、背面組合せで配置されるため、サイズの小さな転がり軸受により従来の軸受サイズと同じモーメント剛性が得られることが可能となることから、エアタービンの操作性や機能を現状維持したままタービンヘッドの小型化が可能となる。また、従来と同様なサイズの軸受であっても、一対の転がり軸受に予圧を付与して回転軸のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。そして、従来と同様なサイズの軸受で、従来と同じモーメント剛性でエアタービンの操作性や機能を現状維持すれば、切削性が向上していることから、エアタービンの回転数を減少させることが可能となり、回転に必要なエアー量を低減可能となるため、エアタービンから発せられる騒音を低減することができる。さらに、一対の軸受に予圧を付与しながら、タービンブレードを有する回転軸と一対の転がり軸受とをユニット化しているので、歯科エアタービンのハウジングに容易に組み付けることができ、軸受交換の際に、軸受ユニットを交換すれば良いので、煩雑な予圧調整作業が不要となる。

本発明の第１実施形態に係る歯科エアタービンの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第１実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第１実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第１実施形態の第３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第１実施形態の第４変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第１実施形態の第５変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第２実施形態に係る歯科エアタービンの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第２実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第２実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第３実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第４実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第４実施形態の変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図、（ｂ）は歯科エアタービン用軸受ユニットがハウジングに組み込まれる状態を示す要部半断面図である。図１０のタービンブレードが位置する軸方向位置での概略断面図である。本発明の第５実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第５実施形態の第３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態の第４変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第５実施形態の第５変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態の第６変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第５実施形態の第７変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第５実施形態の第８変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態の第９変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第５実施形態の第１０変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第５実施形態の第１１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第５実施形態の第１２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第５実施形態の第１３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第６実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第６実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第６実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第６実施形態の第３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第６実施形態の第４変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第６実施形態の第５変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第６実施形態の第６変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第６実施形態の第７変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第６実施形態の第８変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第６実施形態の第９変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第６実施形態の第１０変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第６実施形態の第１１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第６実施形態の第１２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第７実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第７実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第７実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第７実施形態の第３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第７実施形態の第４変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第８実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第８実施形態の第１変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第８実施形態の第２変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第８実施形態の第３変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本発明の第８実施形態の第４変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第８実施形態の第５変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は第８実施形態の第６変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。（ａ）は本発明の第８実施形態の第７変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、（ｂ）は本発明の第８実施形態の第８変形例に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。一般的な歯科エアタービンハンドピースを示す概略側面図である。従来の歯科エアタービンの要部断面図である。

　以下、本発明に係る歯科エアタービン用軸受ユニット及び歯科エアタービンの各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図１～図３６は、歯科エアタービンの下部（工具側）が左方、上部（反工具側）が右方となるように示している。

（第１実施形態）
　図１は本実施形態の歯科エアタービンの要部半断面図である。歯科エアタービン１０は、一端に不図示の歯科処置工具を取り付け可能な回転軸１１と、回転軸１１の略中央に固定され、圧縮空気によって回転軸１１を回転駆動するタービンブレード１２と、回転軸１１を回転自在に支持する下部転がり軸受（深溝玉軸受）１３及び上部転がり軸受（深溝玉軸受）１４と、を備え、これらがハウジング１５内に収容されている。タービンブレード１２は、下部転がり軸受１３と上部転がり軸受１４との間に配置されて回転軸１１に固定されている。ハウジング１５は、下部側の第１ハウジング１６、及び中間の第２ハウジング１７が組み合わされた構成を有し、第２ハウジング１７には上方からキャップ１８が組み付けられる。なお、図１は、要部半断面図であるので、ハウジング１６は、ハンドピースのグリップ部に向けて延びる接続部側の部分を図示省略している。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、それぞれ外輪２１，２２と、内輪２３，２４と、外内輪２１，２２及び２３，２４間に転動自在に配設された複数の玉（転動体）２５，２６と、円環部が軸方向内側に位置するように配置されて、複数の玉２５，２６を保持する冠型保持器２７，２８と、外輪２１，２２の軸方向外側に配置されたシール部材２９，３０と、を備える。

　下部転がり軸受１３の外輪２１は、第１ハウジング１６の軸受孔３１に軽圧入や接着などにより内嵌され、外輪２１の内側面２１ａが、軸受孔３１から径方向内側に突出して形成されたリブ（段部）３２に当接している。また、内輪２３は、軸方向（図１において左方向）から予圧が付与された状態で、回転軸１１に軽圧入や接着などにより固定されている。

　上部転がり軸受１４の外輪２２は、第２ハウジング１７に軽圧入や接着などにより内嵌され、外輪２２の内側面２２ａが、第２ハウジング１７の軸受孔３３から径方向内側に突出して形成されたリブ（段部）３４に当接している。また、内輪２４は、軸方向（図１において右方向）から予圧が付与された状態で、回転軸１１に軽圧入や接着などにより固定されている。

　即ち、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、定位置予圧の方法で、背面組合せの方向に予圧が付与されている。下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４を背面組合せとすることにより、従来と同じ軸受サイズであれば作用点間距離Ｌを長くとることができ、これにより、回転軸１１のモーメント剛性が高くなる。なお、外輪２１，２２は、従来と同様に、すきま嵌めや、Ｏリングを介して軸受孔３１，３３に固定されてもよい。

　なお、ハウジング１５、即ち、第１ハウジング１６には、タービンブレード１２に圧縮空気を供給し、排出するための不図示の給気通路及び排気通路が設けられ、給気通路から供給される圧縮空気によりタービンブレード１２、即ち回転軸１１が３０万～５０万ｒｐｍで回転駆動される。

　このように構成された本実施形態の歯科エアタービン１０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、予圧が付与されるように下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置されるため、作用点間距離Ｌを長くとることができ、歯科処置工具が一端に取り付けられる回転軸１１のモーメント剛性を高めることができる。

　これにより、従来の正面組合せ軸受と比較して、各外輪２１，２２の外径を略３０％小さくしても従来と同等レベルのモーメント剛性を確保することができ、歯科エアタービン１０の小型化が可能となる。また、歯科医の操作力を回転軸１１に正確に伝達することができ、歯科エアタービン１０の操作性が向上する。

　また、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａは、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４と当接させ、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されるため、簡単な構成で、背面組合せされた一対の下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に定位置予圧を付与することができる。

　なお、上記実施形態では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定位置予圧が付与される場合について説明したが、背面組合せで配置されるものであれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、図２～図４に示すように、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材３５が当接している。

　即ち、図２（ａ）に示す第１変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間にばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）がそれぞれ配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。これにより、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　または、図２（ｂ）に示す第２変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、前記ハウジングに設けられたリブ３２，３４と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａをばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）を介して固定リング３６を回転軸１１にそれぞれ固定することで、回転軸１１に嵌合される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　また、図３（ａ）に示す第３変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　また、図３（ｂ）に示す第４変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　さらに、図４に示す第５変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

（第２実施形態）
　図５は第２実施形態の歯科エアタービンの要部断面図である。なお、本実施形態は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の構成において、第１実施形態のものと異なる。このため、第１実施形態と同一または同等部分については、同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。

　この実施形態では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、それぞれ内周部に外輪軌道面２１ｃ，２２ｃが形成された外輪２１，２２と、外周部に内輪軌道面２３ｃ，２４ｃが形成された内輪２３，２４と、外輪軌道面２１ｃ，２２ｃ及び内輪軌道面２３ｃ，２４ｃ間に転動自在に接触角を持って組み込まれた複数の玉（転動体）２５，２６と、複数の玉２５，２６を保持するもみ抜き保持器２７，２８と、を備えるアンギュラ玉軸受によって構成される。各転がり軸受１３、１４は、内輪２３，２４の内周面直径が１．５～５ｍｍで、外輪２１，２２の外周面直径が４～１０ｍｍのものである。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の内輪２３，２４の外周部は、内輪軌道面２３ｃ，２４ｃに対して軸方向一方側（軸方向外側）に形成された肩部２３ｄ，２４ｄと、軸方向他方側（軸方向内側）に形成されたカウンターボア２３ｆ，２４ｆと、を有する。
　一方、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の外輪２１，２２の内周部は、外輪軌道面２１ｃ，２２ｃを挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部２１ｄ，２１ｅ，２２ｄ，２２ｅを有する。
　なお、本実施形態の下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、後述する密封手段を有しないオープンタイプの構成としており、軸方向空間が制約される歯科エアタービン１０に好適に使用される。

　このように構成された本実施形態の歯科エアタービン１０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、アンギュラ玉軸受によって構成され、且つ、予圧が付与されるように下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置されるため、作用点間距離Ｌを長くとることができ、歯科処置工具が一端に取り付けられる回転軸１１のモーメント剛性を高めることができる。

　これにより、従来の正面組合せ軸受と比較して、各外輪２１，２２の外径を略３０％小さくしても従来と同等レベルのモーメント剛性を確保することができ、歯科エアタービン１０の小型化が可能となる。また、歯科医の操作力を回転軸１１に正確に伝達することができ、歯科エアタービン１０の操作性が向上する。
　その他の構成及び作用については、第１実施形態のものと同様である。

　なお、上記実施形態においても、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定位置予圧が付与される場合について説明したが、背面組合せで配置されるものであれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、図６に示すように、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材３５が当接している。

　即ち、図６（ａ）に示す第１変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間にばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）がそれぞれ配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。これにより、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　または、図６（ｂ）に示す第２変形例の歯科エアタービン１０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、前記ハウジングに設けられたリブ３２，３４と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａをばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）を介して固定リング３６を回転軸１１にそれぞれ固定することで、回転軸１１に嵌合される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　また、第１及び第２変形例の歯科エアタービン１０に限らず、第１実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

　或いは、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

　さらに、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、第１及び第２ハウジング１６，１７に設けられたリブ３２，３４との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

（第３実施形態）
　図７は、第３実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本実施形態の歯科エアタービン１０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、軸方向両側において、外輪２１，２２に設けられて内輪２３，２４の外周部と対向する密封手段８１，８２，８３，８４を備え、これら各密封手段８１，８２，８３，８４と内輪２３，２４の外周部との間にラビリンス構造を有する。

　具体的に、密封手段８１，８２，８３，８４は、軸方向外側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｄ，２２ｄから内輪２３，２４に向かって径方向内側へ延伸する密封部８１，８２と、軸方向内側において、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８３，８４と、を有する。

　密封部８１，８２及びシール部材８３，８４の軸方向厚さは、０．１ｍｍ以上にすることが好ましい。０．１ｍｍ以上とすると、異物が軸受内部に侵入する際に通過の必要がある通路の長さがより長い為、異物の進入がしにくい。また、密封部８１，８２及びシール部材８３，８４の軸方向厚さは、軸受のアキシアル隙間を考慮したうえ、玉や保持器と干渉しないようにその上限値を設定する。

　ラビリンス構造の径方向隙間、即ち、密封部８１，８２及びシール部材８３，８４の先端から内輪２３，２４の外周部との間の径方向隙間は０．１ｍｍ以下にすることが好ましい。径方向隙間は０．１ｍｍ以下となると、軸受の外部からの異物が侵入しにくくなり、０．０５ｍｍ～０．１ｍｍにすることがより好ましい。そして、従来の構造では、０．０５ｍｍ以下になると、内輪２３，２４の外周部と密封部８１，８２及びシール部材８３，８４が接触してしまう可能性があった。
　しかし、今回の構造では、モーメント剛性が高くなることから軸受の傾きが抑制され、内輪２３，２４の外周部と密封部８１，８２及びシール部材８３，８４の径方向隙間をさらに０．０５ｍｍ以下とすることも可能となった。

　また、密封部８１，８２及びシール部材８３，８４の先端の内周面と内輪２３，２４の肩部２３ｄ，２４ｄの外周面には、研磨がそれぞれ施されることで、精度良く非接触状態を維持することができる。

　なお、本実施形態では、軸方向内側に設けられたシール部材８３，８４を設けずに、軸方向外側に設けられた密封部８１，８２と内輪２３，２４の外周部とによって、軸方向外側にのみラビリンス構造を有する構成であってもよい。
　また、軸方向内側に設けられたシール部材８３，８４と、軸方向外側に設けられた密封部８１，８２は、それぞれ逆の構成であってもよい。
　その他の構成及び作用については、第２実施形態のものと同様である。

（第４実施形態）
　図８は、第３実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。本実施形態の歯科エアタービン１０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の外輪２１，２２の内周部は、外輪軌道面２１ｃ，２２ｃに対して軸方向一方側（軸方向内側）に形成された肩部２１ｅ，２２ｅと、軸方向他方側（軸方向外側）に形成されたカウンターボア２１ｆ，２２ｆと、を有する。
　一方、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の内輪２３，２４の外周部は、内輪軌道面２３ｃ，２４ｃを挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部２３ｄ，２３ｅ，２４ｄ，２４ｅを有する。

　なお、本実施形態においても、第１及び第２実施形態と同様の手法で、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、定位置予圧の方法で、背面組合せの方向に予圧が付与されている。下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４を背面組合せとすることにより、従来と同じ軸受サイズであれば作用点間距離Ｌを長くとることができ、これにより、回転軸１１のモーメント剛性が高くなる。
　その他の構成及び作用については、第２実施形態のものと同様である。

　また、図９に示す本実施形態の変形例では、第３実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、軸方向両側において、外輪２１，２２に設けられて内輪２３，２４の外周部と対向する密封手段８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａを備え、これら各密封手段８１，８２，８３，８４と内輪２３，２４の外周部との間にラビリンス構造を有する。

　具体的に、密封手段８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａは、軸方向外側において、外輪２１，２２のカウンターボア２１ｆ，２２ｆに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８１ａ，８２ａと、軸方向内側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅから内輪２３，２４に向かって径方向内側へ延伸する密封部８３ａ，８４ａと、を有する。

　なお、当該変形例においても、軸方向内側に設けられた密封部８３ａ，８４ａを設けずに、軸方向外側に設けられたシール部材８１ａ，８２ａと内輪２３，２４の外周部とによって、軸方向外側にのみラビリンス構造を有する構成であってもよい。

（第５実施形態）
　図１０は、第５実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、図１１は、図１０のタービンブレードが位置する軸方向位置での概略断面図である。本実施形態の歯科エアタービン１０は、回転軸１１、タービンブレード１２、一対の転がり軸受１３，１４、及びスリーブ（スペース部材）４１が、歯科エアタービン用軸受ユニット２０としてユニット化されてハウジング１５に配設されている。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、各外輪２１，２２の外径Ｄ１が、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく設定され、回転軸１１の中央に固定されたタービンブレード１２の両側に、背面組合せで配置されて回転軸１１を回転自在に支承する。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２が内嵌するスリーブ４１は、軸方向中央に内径側に突出する段部４２を有し、各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａが当接している。また、図１０及び図１１に示すように、スリーブ４１には、タービンブレード１２に対向する位置に、圧縮空気をタービンブレード１２に供給するための給気孔部４３と、排気のための排気孔部４４とが設けられている。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４では、各外輪２１，２２は、これらの内側面２１ａ，２２ａがスリーブ４１の段部４２に当接した状態でスリーブ４１に嵌合し、さらに予圧が付与されるように内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合固定することで、背面組合せで配置された歯科エアタービン用軸受ユニット２０が構成される。この歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、図１０（ｂ）に示すように、ハウジング１５に組み込まれる。なお、外輪２１，２２は、従来と同様に、すきま嵌めや、Ｏリング７２を介してスリーブ４１に固定されてもよい（図１２に示す第１変形例参照）。

　以上説明したように、本実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、各外輪２１，２２をスリーブ４１に嵌合させ、予圧が付与されるように、各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置される。したがって、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に予圧を付与して回転軸１１のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。また、タービンブレード１２を有する回転軸１１と、下部及び上部転がり軸受１３，１４とをユニット化することができ、歯科エアタービン１０のハウジング１５への組み付けが容易となる。

　また、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａは、スリーブ４１の軸方向側面と当接させ、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されるため、簡単な構成で、背面組合せされた一対の下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に定位置予圧を付与することができる。

　また、各外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく、スリーブ４１は、ハウジング１５に固定され、タービンブレード１２にエアを供給する給気孔部４３と、エアを排出する排気孔部４４と、内径側に外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａに当接する段部４２とを有する。このため、一対の外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａをスリーブ４１に当接して位置を規制して、簡単な構造で背面組合せされた一対の転がり軸受１３，１４に予圧を付与することができ、精度の高い軸受ユニット２０を構成することができ、装置としてのコストが抑制される。

　なお、図１０では、タービンブレード１２は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の間に配置されているが、図１３（ａ）に示す第２変形例のように、下部転がり軸受１３よりも下方で回転軸１１に固定されてもよいし、上部転がり軸受１４よりも上方で回転軸１１に固定されてもよい。或いは、図１３（ｂ）に示す第３変形例のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の軸方向両外側に、一対のタービンブレード１２ａ，１２ｂが回転軸１１に固定されてもよい。

　即ち、図１３（ａ）に示す第２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａが、スリーブ５１の内径側に突出する段部５２に当接され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。また、スリーブ５１には、タービンブレード１２に対向して、圧縮空気をタービンブレード１２に供給するための給気孔部５３と、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　また、図１３（ｂ）に示す第３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａが、スリーブ５５の中央から内径側に突出する段部５６に当接され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。また、スリーブ５５には、タービンブレード１２ａ，１２ｂに対向して、圧縮空気をタービンブレード１２ａ，１２ｂに供給するための給気孔部５７ａ，５７ｂと、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　また、図１０では、各外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きくしているが、少なくとも一方の外輪２１，２２の外径Ｄ１が、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きくすればよい。例えば、図１４（ａ）に示す第４変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３と上部転がり軸受１４との間にタービンブレード１２が配置されおり、下部転がり軸受１３の外輪２１の外径Ｄ３は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より小さく、且つ上部転がり軸受１４の外輪２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく設定されている。

　また、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の外輪２１，２２が内嵌するスリーブ６１には、下部転がり軸受１３、タービンブレード１２、及び上部転がり軸受１４にそれぞれ対応して、小径穴部６２、中径穴部６３、及び大径穴部６４が形成されている。下部転がり軸受１３の外輪２１は、小径穴部６２に嵌合し、外輪２１の内側面２１ａが小径穴部６２から内径側に突出する段部６５に当接している。また、上部転がり軸受１４の外輪２２は、大径穴部６４に嵌合し、外輪２２の内側面２２ａが中径穴部６３と大径穴部６４との段部６６に当接して、内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合固定することで、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に予圧が付与されている。また、スリーブ６１には、タービンブレード１２に対向して、圧縮空気をタービンブレード１２に供給するための給気孔部６７と、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　なお、第４変形例の構成は、図１０の第５実施形態や、図１３（ａ）、（ｂ）の第２、第３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することもできる。

　また、図１４（ｂ）に示す第５変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、スリーブ６１の小径穴部６２の外周面が段付き形状に形成され、中径穴部６３及び大径穴部６４の外周面よりも小径とされてもよい。

　また、図１３（ａ）、（ｂ）の第２、第３変形例のような歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、各外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より小さくしてもよく、例えば、通常使用される軸受より小型の転がり軸受が適用されてもよい。具体的に、図１５（ａ）に示す第６変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、図１３（ａ）に示すタービンブレード１２と同じ大きさのタービンブレード１２が使用される一方、小型の転がり軸受１３、１４が使用されている。これにより、図１３（ａ）の第２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０と比較して、回転軸１１、タービンブレード１２、及びスリーブ５１の外径は同じであるが、スリーブ５１や回転軸１１の軸方向長さを短縮することができ、回転性能を向上することができる。

　また、図１５（ｂ）に示す第７変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、回転軸１１の外径は、図１３（ａ）に示す回転軸１１と同じ大きさであるが、小型の転がり軸受１３、１４が使用されることで、タービンブレード１２が外径及び長さにおいて小さくされ、スリーブ５１の外径及び長さや回転軸１１の長さも小さくなり、全体として小型化されている。これにより、タービンブレード１２を小さくしても、軸受サイズが小さくなったので、回転性能や機能を維持することができる。

　さらに、本実施形態のスリーブを有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、弾性部材を介してハウジング１５に組み込まれてもよい。例えば、図１６に示す第８変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、図１０の歯科エアタービン用軸受ユニット２０に適用された例であり、外輪２２に対応する側のスリーブ４１の外周面４１ａにＯリング溝４１ｂが設けられ、また、外輪２１に対応する側のハウジング１５の内周面１５ａにＯリング溝１５ｂが設けられている。Ｏリング溝１５ｂ，４１ｂには、それぞれＯリング７０が装着されてスリーブ４１とハウジング１５とが嵌合している。また、スリーブ４１の軸方向外端面とハウジング１５の軸方向内端面との間にも、Ｏリング７１が装着されてもよい。これにより、高速回転する回転軸１１の振動がハウジング１５に伝達されることを抑制することができる。

　なお、Ｏリング溝１５ｂ，４１ｂは、ハウジング１５の内周面１５ａ及びスリーブ４１の外周面４１ａに１つずつ形成されているとして説明したが、ハウジング１５の内周面１５ａ、又はスリーブ４１の外周面４１ａのいずれか一方に２つ設けられていてもよい。

　なお、第８変形例の構成は、第１～第７変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することができる。

　また、本実施形態においても、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置されるものであれば、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材３５が当接している。

　即ち、図１７（ａ）に示す第９変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間にばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）がそれぞれ配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。これにより、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　または、図１７（ｂ）に示す第１０変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａをばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）を介して固定リング３６を回転軸１１にそれぞれ固定することで、回転軸１１に嵌合される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　また、図１８（ａ）に示す第１１変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　または、図１８（ｂ）に示す第１２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　さらに、図１９に示す第１３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　なお、第９～第１３変形例の構成は、第１～第８変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することができる。

（第６実施形態）
　図２０は、第６実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。なお、本実施形態は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の構成において、第５実施形態のものと異なる。このため、第５実施形態と同一または同等部分については、同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。

　即ち、本実施形態では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、アンギュラ玉軸受であり、内輪２３，２４の外周部は、内輪軌道面２３ｃ，２４ｃに対して軸方向一方側（軸方向外側）に形成された肩部２３ｄ，２４ｄと、軸方向他方側（軸方向内側）に形成されたカウンターボア２３ｆ，２４ｆと、を有する。また、外輪２１，２２の内周部は、外輪軌道面２１ｃ，２２ｃを挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部２１ｄ，２１ｅ，２２ｄ，２２ｅを有する。

　つまり、本実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、アンギュラ玉軸受によって構成され、且つ、各外輪２１，２２をスリーブ４１に嵌合させ、予圧が付与されるように、各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置される。したがって、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に予圧を付与して回転軸１１のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。また、タービンブレード１２を有する回転軸１１と、下部及び上部転がり軸受１３，１４とをユニット化することができ、歯科エアタービン１０のハウジング１５への組み付けが容易となる。
　その他の構成及び作用については、第５実施形態のものと同様である。

　なお、本実施形態においても、図２１に示す第１変形例のように、外輪２１，２２は、従来と同様に、すきま嵌めや、Ｏリング７２を介してスリーブ４１に固定されてもよい。

　また、図２０では、タービンブレード１２は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４との間に配置されているが、図２２（ａ）に示す第２変形例のように、下部転がり軸受１３よりも下方で回転軸１１に固定されてもよいし、上部転がり軸受１４よりも上方で回転軸１１に固定されてもよい。或いは、図２２（ｂ）に示す第３変形例のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の軸方向両外側に、一対のタービンブレード１２ａ，１２ｂが回転軸１１に固定されてもよい。

　即ち、図２２（ａ）に示す第２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａが、スリーブ５１の内径側に突出する段部５２に当接され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。また、スリーブ５１には、タービンブレード１２に対向して、圧縮空気をタービンブレード１２に供給するための給気孔部５３と、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　また、図２２（ｂ）に示す第３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａが、スリーブ５５の中央から内径側に突出する段部５６に当接され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。また、スリーブ５５には、タービンブレード１２ａ，１２ｂに対向して、圧縮空気をタービンブレード１２ａ，１２ｂに供給するための給気孔部５７ａ，５７ｂと、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　また、図２０では、各外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きくしているが、少なくとも一方の外輪２１，２２の外径Ｄ１が、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きくすればよい。例えば、図２３に示す第４変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、下部転がり軸受１３と上部転がり軸受１４との間にタービンブレード１２が配置されおり、下部転がり軸受１３の外輪２１の外径Ｄ３は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より小さく、且つ上部転がり軸受１４の外輪２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく設定されている。

　なお、第４変形例の構成は、図２０の第４実施形態や、図２１（ａ）、（ｂ）の第２、第３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することもできる。

　また、図２２（ａ）、（ｂ）の第２、第３変形例のような歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、各外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より小さくしてもよく、例えば、通常使用される軸受より小型の転がり軸受が適用されてもよい。具体的に、図２４（ａ）に示す第５変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、図２２（ａ）に示すタービンブレード１２と同じ大きさのタービンブレード１２が使用される一方、小型の転がり軸受１３、１４が使用されている。これにより、図２２（ａ）の第２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０と比較して、回転軸１１、タービンブレード１２、及びスリーブ５１の外径は同じであるが、スリーブ５１や回転軸１１の軸方向長さを短縮することができ、回転性能を向上することができる。

　また、図２４（ｂ）に示す第６変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、回転軸１１の外径は、図２２（ａ）に示す回転軸１１と同じ大きさであるが、小型の転がり軸受１３、１４が使用されることで、タービンブレード１２が外径及び長さにおいて小さくされ、スリーブ５１の外径及び長さや回転軸１１の長さも小さくなり、全体として小型化されている。これにより、タービンブレード１２を小さくしても、軸受サイズが小さくなったので、回転性能や機能を維持することができる。

　さらに、本実施形態のスリーブを有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、弾性部材を介してハウジング１５に組み込まれてもよい。例えば、図２５に示す第７変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、図２０の歯科エアタービン用軸受ユニット２０に適用された例であり、外輪２２に対応する側のスリーブ４１の外周面４１ａにＯリング溝４１ｂが設けられ、また、外輪２１に対応する側のハウジング１５の内周面１５ａにＯリング溝１５ｂが設けられている。Ｏリング溝１５ｂ，４１ｂには、それぞれＯリング７０が装着されてスリーブ４１とハウジング１５とが嵌合している。また、スリーブ４１の軸方向外端面とハウジング１５の軸方向内端面との間にも、Ｏリング７１が装着されてもよい。これにより、高速回転する回転軸１１の振動がハウジング１５に伝達されることを抑制することができる。

　なお、第７変形例の構成は、第１～第６変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することができる。

　なお、本実施形態においても、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置されるものであれば、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材３５が当接している。

　即ち、図２６（ａ）に示す第８変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間にばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）がそれぞれ配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定される。これにより、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　または、図２６（ｂ）に示す第９変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａをばね部材３５（板バネ、スプリングワッシャ）を介して固定リング３６を回転軸１１にそれぞれ固定することで、回転軸１１に嵌合される。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置され、定圧予圧が付与されている。

　また、第８及び第９変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０に限らず、第５実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

　或いは、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面は、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面と当接し、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

　さらに、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する側面と、スリーブ４１の段部４２の軸方向側面との間のいずれか一方にのみばね部材３５が配置され、各内輪２３，２４は、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａのいずれか一方のみをばね部材３５を介して固定リング３６を回転軸１１に固定して回転軸１１に嵌合し、他方の内輪２３，２４は、回転軸１１に嵌合固定されてもよい。

　また、図２７に示す第１０変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、第４実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、外輪２１，２２にカウンターボア２１ｆ，２２ｆを有するアンギュラ玉軸受によって構成されてもよい。

　即ち、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の外輪２１，２２の内周部は、外輪軌道面２１ｃ，２２ｃに対して軸方向一方側（軸方向内側）に形成された肩部２１ｅ，２２ｅと、軸方向他方側（軸方向外側）に形成されたカウンターボア２１ｆ，２２ｆと、を有する。また、内輪２３，２４の外周部は、内輪軌道面２３ｃ，２４ｃを挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部２３ｄ，２３ｅ，２４ｄ，２４ｅを有する。

　加えて、図２８（ａ）及び（ｂ）に示す第１１及び第１２変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、第３実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、軸方向両側において、外輪２１，２２に設けられて内輪２３，２４の外周部と対向する密封手段８１，８２，８３，８４（８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａ）を備え、これら各密封手段８１，８２，８３，８４（８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａ）と内輪２３，２４の外周部との間にラビリンス構造を有する。

　具体的に、図２８（ａ）に示す第１１変形例では、密封手段８１，８２，８３，８４は、軸方向外側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｄ，２２ｄから内輪２３，２４に向かって径方向へ延伸する密封部８１，８２と、軸方向内側において、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８３，８４と、を有する。
　なお、軸方向内側に設けられたシール部材８３，８４と、軸方向外側に設けられた密封部８１，８２は、それぞれ逆の構成であってもよい。

　また、図２８（ｂ）に示す第１２変形例では、密封手段８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａは、軸方向外側において、外輪２１，２２のカウンターボア２１ｆ，２２ｆに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８１ａ，８２ａと、軸方向内側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅから内輪２３，２４に向かって径方向へ延伸する密封部８３ａ，８４ａと、を有する。

　なお、第１１及び第１２変形例においても、軸方向内側に設けられた密封手段８３，８４，（８３ａ，８４ａ）を設けずに、軸方向外側に設けられた密封手段８１，８２（８１ａ，８２ａ）と内輪２３，２４の外周部とによって、軸方向外側にのみラビリンス構造を有する構成であってもよい。

（第７実施形態）
　図２９は、第７実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図であり、本実施形態の歯科エアタービン１０は、回転軸１１、タービンブレード１２、一対の転がり軸受１３，１４、及び外輪間座（スペース部材）４５が、歯科エアタービン用軸受ユニット２０としてユニット化されてハウジング１５に配設されている。

　外輪間座４５は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２との間に配置され、外輪間座４５の軸方向側面に各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａがそれぞれ当接している。また、外輪間座４５には、タービンブレード１２に対向する位置に、圧縮空気をタービンブレード１２に供給するための給気孔部４６と、エア排出のための排気孔部（図示せず）とが設けられている。

　下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４では、各外輪２１，２２が外輪間座４５を挟持した状態で、予圧が付与されるように内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合固定することで、背面組合せで配置された歯科エアタービン用軸受ユニット２０が構成される。

　以上説明したように、本実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、各外輪２１，２２が外輪間座４５を挟持し、予圧が付与されるように、各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置される。したがって、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に予圧を付与して回転軸１１のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。また、タービンブレード１２を有する回転軸１１と、下部及び上部転がり軸受１３，１４とをユニット化することができ、歯科エアタービン１０のハウジング１５への組み付けが容易となる。

　また、外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく、一対の外輪２１，２２間に外輪間座４７が配置されるため、歯科エアタービン用軸受ユニット２０の構成を簡素化することができる。
　その他の構成及び作用は、第５実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０と同様であるので説明を省略する。

　なお、図２９（ａ）では、下部及び上部転がり軸受１３，１４の外輪２１，２２の外径Ｄ１は、互いに等しい大きさに設定されていたが、図２９（ｂ）に示す第１変形例のように、外輪間座４５を断面略Ｌ字形に形成することで、下部転がり軸受１３は、外輪２１の外径Ｄ３が上側転がり軸受１４の外輪２２の外径Ｄ１よりも小さいものを適用することができる。即ち、外輪間座４５の下部転がり軸受１３側端部には、内向きフランジ部４８が設けられる。これにより、外輪間座４５は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２との間に配置され、各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａとそれぞれ当接する。
　また、外輪間座４５の内向きフランジ部４８の内端部には、円筒部４９が形成されており、下部転がり軸受１３の外輪２１の嵌合溝２１ｇと嵌合する。

　また、図２９（ａ）では、タービンブレード１２は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４との間に配置されているが、図３０（ａ）に示す第２変形例のように、下部転がり軸受１３よりも下方で回転軸１１に固定されてもよいし、上部転がり軸受１４よりも上方で回転軸１１に固定されてもよい。或いは、図３０（ｂ）に示す第３変形例のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の軸方向両外側に、一対のタービンブレード１２ａ，１２ｂが回転軸１１に固定されてもよい。

　即ち、図３０（ａ）に示す第２変形例、及び図３０（ｂ）に示す第３変形例のいずれの歯科エアタービン用軸受ユニット２０においても、外輪間座４７が各外輪２１，２２に挟持されて、内輪２３，２４を回転軸１１に固定することで、予圧が付与され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。

　また、本実施形態の外輪間座を有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、弾性部材を介してハウジングに組み込まれてもよい。例えば、図３１に示す第４変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、図３０（ａ）の歯科エアタービン用軸受ユニット２０に適用された例であり、外輪２２の外周面２２ｂに、Ｏリング溝２２ｃが設けられ、また、外輪２１に対応するハウジング１５の内周面１５ａにＯリング溝１５ｂが設けられている。Ｏリング溝２２ｃ，１５ｂには、それぞれＯリング７０が装着されて外輪２１，２２がハウジング１５に嵌合している。

　なお、Ｏリング溝１５ｂ，２２ｃは、ハウジング１５の内周面１５ａ及び外輪２２の外周面２２ｂに１つずつ形成されているとして説明したが、ハウジング１５の内周面１５ａに２つ設けてもよく、また、外輪２１，２２の外周面にそれぞれ設けてもよい。

　なお、第４変形例の構成は、第１～第３変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０にも適用することもできる。

　また、本実施形態の外輪間座を有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０においても、第５実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置されるものであれば、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材が当接される。

（第８実施形態）
　図３２は、第８実施形態に係る歯科エアタービン用軸受ユニットの要部半断面図である。なお、本実施形態は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の構成において、第７実施形態のものと異なる。このため、第７実施形態と同一または同等部分については、同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。

　つまり、本実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０によれば、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、アンギュラ玉軸受によって構成され、且つ、各外輪２１，２２が外輪間座４５を挟持し、予圧が付与されるように、各内輪２３，２４を回転軸１１に嵌合して、背面組合せで配置される。したがって、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４に予圧を付与して回転軸１１のモーメント荷重に対する負荷能力を向上させることができる。また、タービンブレード１２を有する回転軸１１と、下部及び上部転がり軸受１３，１４とをユニット化することができ、歯科エアタービン１０のハウジング１５への組み付けが容易となる。

　また、外輪２１，２２の外径Ｄ１は、タービンブレード１２の外径Ｄ２より大きく、一対の外輪２１，２２間に外輪間座４７が配置されるため、歯科エアタービン用軸受ユニット２０の構成を簡素化することができる。
　その他の構成及び作用は、第７実施形態の歯科エアタービン用軸受ユニット２０と同様であるので説明を省略する。

　なお、図３２（ａ）では、下部及び上部転がり軸受１３，１４の外輪２１，２２の外径Ｄ１は、互いに等しい大きさに設定されていたが、図３２（ｂ）に示す第１変形例のように、外輪間座４５を断面略Ｌ字形に形成することで、下部転がり軸受１３は、外輪２１の外径Ｄ３が上側転がり軸受１４の外輪２２の外径Ｄ１よりも小さいものを適用することができる。即ち、外輪間座４５の下部転がり軸受１３側端部には、内向きフランジ部４８が設けられる。これにより、外輪間座４５は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２との間に配置され、各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａとそれぞれ当接する。
　また、外輪間座４５の内向きフランジ部４８の内端部には、円筒部４９が形成されており、下部転がり軸受１３の外輪２１の嵌合溝２１ｇと嵌合する。

　また、図３２（ａ）では、タービンブレード１２は、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４との間に配置されているが、図３３（ａ）に示す第２変形例のように、下部転がり軸受１３よりも下方で回転軸１１に固定されてもよいし、上部転がり軸受１４よりも上方で回転軸１１に固定されてもよい。或いは、図３３（ｂ）に示す第３変形例のように、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の軸方向両外側に、一対のタービンブレード１２ａ，１２ｂが回転軸１１に固定されてもよい。

　即ち、図３３（ａ）に示す第２変形例、及び図３３（ｂ）に示す第３変形例のいずれの歯科エアタービン用軸受ユニット２０においても、外輪間座４７が各外輪２１，２２に挟持されて、内輪２３，２４を回転軸１１に固定することで、予圧が付与され、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４が背面組合せで隣接配置される。

　また、本実施形態の外輪間座を有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、弾性部材を介してハウジングに組み込まれてもよい。例えば、図３４に示す第４変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０は、図３３（ａ）の歯科エアタービン用軸受ユニット２０に適用された例であり、外輪２２の外周面２２ｂに、Ｏリング溝２２ｃが設けられ、また、外輪２１に対応するハウジング１５の内周面１５ａにＯリング溝１５ｂが設けられている。Ｏリング溝２２ｃ，１５ｂには、それぞれＯリング７０が装着されて外輪２１，２２がハウジング１５に嵌合している。

　また、本実施形態の外輪間座を有する歯科エアタービン用軸受ユニット２０においても、第７実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、背面組合せで配置されるものであれば、定圧予圧が付与される構成であってもよい。この場合にも、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２の対向する内側面２１ａ，２２ａと、各内輪２３，２４の軸方向外側面２３ａ，２４ａの少なくとも一か所には、ばね部材が当接される。

　また、図３５（ａ）に示す第５変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、第４実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、外輪２１，２２にカウンターボア２１ｆ，２２ｆを有するアンギュラ玉軸受によって構成されてもよい。

　また、図３５（ｂ）に示す第６変形例のように、外輪間座４５を断面略Ｌ字形に形成することで、下部転がり軸受１３は、外輪２１の外径Ｄ３が上側転がり軸受１４の外輪２２の外径Ｄ１よりも小さいものを適用することができる。即ち、外輪間座４５の下部転がり軸受１３側端部には、内向きフランジ部４８が設けられる。これにより、外輪間座４５が、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４の各外輪２１，２２との間に配置され、各外輪２１，２２の内側面２１ａ，２２ａとそれぞれ当接する。
　また、外輪間座４５の内向きフランジ部４８の内端部には、円筒部４９が形成されており、下部転がり軸受１３の外輪２１の嵌合溝２１ｇと嵌合する。

　加えて、図３６（ａ）及び（ｂ）に示す第７及び第８変形例の歯科エアタービン用軸受ユニット２０では、第３実施形態と同様に、下部転がり軸受１３及び上部転がり軸受１４は、軸方向両側において、外輪２１，２２に設けられて内輪２３，２４の外周部と対向する密封手段８１，８２，８３，８４（８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａ）を備え、これら密封手段８１，８２，８３，８４（８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａ）と内輪２３，２４の外周部との間にラビリンス構造を有する。

　具体的に、図３６（ａ）に示す第７変形例では、密封手段８１，８２，８３，８４は、軸方向外側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｄ，２２ｄから内輪２３，２４に向かって径方向へ延伸する密封部８１，８２と、軸方向内側において、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８３，８４と、を有する。
　なお、軸方向内側に設けられたシール部材８３，８４と、軸方向外側に設けられた密封部８１，８２は、それぞれ逆の構成であってもよい。

　また、図３６（ｂ）に示す第８変形例では、密封手段８１ａ，８２ａ，８３ａ，８４ａは、軸方向外側において、外輪２１，２２のカウンターボア２１ｆ，２２ｆに形成されたシール溝に、止め輪８５を用いて配置されたシール部材８１ａ，８２ａと、軸方向内側において、外輪２１，２２と一体に形成され、外輪２１，２２の肩部２１ｅ，２２ｅから内輪２３，２４に向かって径方向へ延伸する密封部８３ａ，８４ａと、を有する。

　なお、第７及び第８変形例においても、軸方向内側に設けられた密封手段８３，８４，（８３ａ，８４ａ）を設けずに、軸方向外側に設けられた密封手段８１，８２（８１ａ，８２ａ）と内輪２３，２４の外周部とによって、軸方向外側にのみラビリンス構造を有する構成であってもよい。

　尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
　たとえば、転がり軸受では、保持器やシール部材の種類や配置を適宜変更してもよい。

　尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
　すなわち、転がり軸受を構成する玉軸受としては、上述したように、外輪または内輪にカウンターボアを有するアンギュラ玉軸受であってもよいし、カウンターボアを有しない深溝玉軸受であってもよい。また、保持器やシール部材の種類や配置も適宜変更してもよい。

　本出願は、２０１３年９月２４日出願の日本特許出願２０１３－１９６８７５号、２０１４年２月２５日出願の日本特許出願２０１４－０３４５４２、及び２０１４年９月８日出願の日本特許出願２０１４－１８２１２２に基づき、その内容は参照としてここに取り込まれる。

１０   　歯科エアタービン
１１   　回転軸
１２，１２ａ，１２ｂ　タービンブレード
１３   　下部転がり軸受（転がり軸受）
１４   　上部転がり軸受（転がり軸受）
１５   　ハウジング
２０   　歯科エアタービン用軸受ユニット
２１，２２    　外輪
２１ａ，２２ａ       　内側面
２１ｂ，２２ｂ       　外周面
２３，２４    　内輪
２１ｆ，２２ｆ，２３ｆ，２４ｆ   　カウンターボア
３２，３４    　リブ（段部）
３５   　ばね部材
４１，５１，５５，６１      　スリーブ（スペース部材）
４１ａ　外周面
４２，５２，５６，６５，６６       　段部
４３，４６，５３，５７ａ，５７ｂ，６７    　給気孔部
４４   　排気孔部
４５，４７    　外輪間座（スペース部材）
７０   　Ｏリング（弾性部材）
８１，８２，８１ａ，８２ａ   　密封部（密封手段）
８３，８４，８３ａ，８４ａ   　シール部材（密封手段）
Ｄ１，Ｄ３    　外輪の外径
Ｄ２   　タービンブレードの外径

Claims

　タービンブレードと、前記タービンブレードが一体固定され、一端に歯科処置工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、を備える歯科エアタービンであって、
　前記一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように前記一対の転がり軸受の各内輪を前記回転軸に嵌合して、背面組合せで配置されることを特徴とする歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記ハウジングに設けられた段部と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定位置予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする請求項１に記載の歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、各内輪の軸方向外側面の少なくとも一か所には、前記一対の転がり軸受に定圧予圧が付与されるように、ばね部材が当接していることを特徴とする請求項１に記載の歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、前記ハウジングに設けられた段部との間にばね部材がそれぞれ配置され、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする請求項３に記載の歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記ハウジングに設けられた段部と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、該各内輪の軸方向外側面と、前記回転軸に固定される固定リングとの間にばね部材をそれぞれ配置した状態で前記回転軸に嵌合されることを特徴とする請求項３に記載の歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受は、内周部に外輪軌道面が形成された外輪と、外周部に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面及び前記内輪軌道面との間に接触角を持って組み込まれた複数の玉と、を有するアンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項１に記載の歯科エアタービン。
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と前記内輪の外周部の何れか一方は、その前記軌道面に対して軸方向一方側に形成された肩部と、軸方向他方側に形成されたカウンターボアと、を有し、
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と内輪の外周部の何れか他方は、その前記軌道面を挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部を有し、
　前記一対の転がり軸受は、少なくとも軸方向外側において、前記外輪に設けられて前記内輪の外周部と対向する密封手段と、前記内輪の外周部との間にラビリンス構造を有することを特徴とする請求項６に記載の歯科エアタービン。
　前記密封手段は、前記外輪と一体に形成され、前記外輪の前記肩部から前記内輪に向かって径方向へ延伸する密封部によって構成されることを特徴とする請求項７に記載の歯科エアタービン。
　タービンブレードと、前記タービンブレードが一体固定され、一端に歯科処置工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、を備える歯科エアタービン用軸受ユニットであって、
　前記一対の転がり軸受は、予圧が付与されるように、前記一対の転がり軸受の各外輪間にスペース部材を配置し、各内輪を前記回転軸に嵌合して、背面組合せで配置されることを特徴とする歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記スペース部材の軸方向側面と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定位置予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする請求項９に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、各内輪の軸方向外側面の少なくとも一か所には、前記一対の転がり軸受に定圧予圧が付与されるように、ばね部材が当接していることを特徴とする請求項１０に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面と、前記スペース部材の軸方向側面との間にばね部材がそれぞれ配置され、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、前記回転軸に嵌合固定されることを特徴とする請求項１１に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受の各外輪の対向する側面は、前記スペース部材の軸方向側面と当接し、
　前記一対の転がり軸受の各内輪は、定圧予圧が付与されるように、該各内輪の軸方向外側面と、前記回転軸に固定される固定リングとの間にばね部材をそれぞれ配置した状態で前記回転軸に嵌合されることを特徴とする請求項１１に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　少なくとも一方の前記外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より大きく、
　前記スペース部材は、前記ハウジングに固定され、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、内径側に前記外輪の側面に対向する段部とを有するスリーブであることを特徴とする請求項９～１３のいずれか１項に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記タービンブレードは、前記一対の転がり軸受に対して軸方向外側に配置され、
　前記一対の転がり軸受の外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より小さく、
　前記スペース部材は、前記ハウジングに固定され、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、内径側に前記外輪の側面に対向する段部とを有するスリーブであることを特徴とする請求項９～１３のいずれか１項に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　少なくとも一方の前記外輪の外径は、前記タービンブレードの外径より大きく、
　前記スペース部材は、前記タービンブレードにエアを供給する給気孔部と、前記エアを排出する排気孔部と、を有し、前記一対の外輪間に配置される外輪間座であることを特徴とする請求項９～１３のいずれか１項に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受は、内周部に外輪軌道面が形成された外輪と、外周部に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面及び前記内輪軌道面との間に接触角を持って組み込まれた複数の玉と、を有するアンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項９に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と前記内輪の外周部の何れか一方は、その前記軌道面に対して軸方向一方側に形成された肩部と、軸方向他方側に形成されたカウンターボアと、を有し、
　前記一対の転がり軸受の前記外輪の内周部と内輪の外周部の何れか他方は、その前記軌道面を挟んだ軸方向両側に形成された一対の肩部を有し、
　前記一対の転がり軸受は、少なくとも軸方向外側において、前記外輪に設けられて前記内輪の外周部と対向する密封手段と、前記内輪の外周部との間にラビリンス構造を有することを特徴とする請求項１７に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　前記密封手段は、前記外輪と一体に形成され、前記外輪の前記肩部から前記内輪に向かって径方向へ延伸する密封部によって構成されることを特徴とする請求項１８に記載の歯科エアタービン用軸受ユニット。
　請求項９～１９のいずれか１項に記載の前記歯科エアタービン用軸受ユニットを備え、前記スペース部材の外周又は前記外輪の外周に配置された弾性部材を介して前記ハウジングに固定されることを特徴とする歯科エアタービン。