WO2015004919A1

WO2015004919A1 - 電子機器、電子機器を搭載した自動車、表示装置、表示装置を搭載した移動装置

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Publication number: WO2015004919A1
Application number: PCT/JP2014/003665
Authority: WO
Inventors: 知毅上山; 憲治高山; 勝彦佐久間; 雄士井関
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2013-07-11
Filing date: 2014-07-10
Publication date: 2015-01-15
Also published as: JP2015018936A; US20160295710A1

Abstract

そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケース（４）と、この本体ケース（４）内に配置された電気回路基板（１８）とを備え、前記本体ケース（４）は、炭素繊維のシート（１２）と、このシート（１２）を覆った樹脂層（１３）と、前記シート（１２）に、かしめ固定された導電性のナット（１４）とを有し、前記電気回路基板（１８）は、アースパターン（１９）と、このアースパターン（１９）、またはその近傍に設けた貫通孔（２０）とを有し、前記電気回路基板（１８）の貫通孔（２０）に、前記ナット（１４）とは反対側から導電性のボルト（２２）を、このナット（１４）に締め付け、前記電気回路基板（１８）のアースパターン（１９）を、ナット（１４）を介して本体ケース（４）のシート（１２）に電気的に接続した。

Description

電子機器、電子機器を搭載した自動車、表示装置、表示装置を搭載した移動装置

　本発明は、電子機器と、電子機器を搭載した自動車、表示装置と、表示装置を搭載した自動車、航空機等の移動装置に関するものである。

　炭素繊維を混入させた樹脂により形成した本体ケースを、用いた電子機器が提案されている（特許文献１、特許文献２、特許文献３参照）。

　特許文献１に記載の電子機器では、炭素繊維は、それ自体が導電性を有するので、例えばこれに電気回路基板のアースパターンを接続することで、アース接続が図れるものとなる。

　具体的には、炭素繊維を混入させた樹脂により本体ケースと、タップネジを一体に形成し、そのタップネジに電気回路基板を載せるとともに、この電気回路基板の貫通孔に、前記タップネジとは反対側から導電性のボルトを、前記タップネジに向けて締め付け、前記電気回路基板のアースパターンを、ボルト、タップネジを介して本体ケースに電気的に接続する構成としている。

　特許文献１に記載の電子機器は、炭素繊維を混入させた樹脂により本体ケースと、タップネジ用の突起部を一体に形成し、その突起部に電気回路基板、または電気回路部品を載せるとともに、この電気回路基板、または電気回路部品の貫通孔に、前記突起部とは反対側からタップネジを、前記突起部に向けて締め付け、前記電気回路基板、または電気回路部品を本体ケースの内面に固定する構成としている。

　特許文献２では、炭素繊維を混入させることにより、本体ケースの強度を高めた電子機器が提案されている。

　すなわち、炭素繊維を混入させた樹脂により本体ケースを形成することにより、強度の強いものとするが、その一部分には、電子部品との絶縁を図るために、表面には炭素繊維が表出しない領域をつくっている。

　特許文献３には、カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成した電子機器が開示されている。

　例えば、自動車や航空機などの移動装置においては、その前席の上部背面側に、後席者用の表示装置を埋め込んだものが見受けられるが、このように、前席の上部背面側に、後席者用の表示装置を埋め込むと、表示装置の向きを大きく変えることが出来ない。

　そこで考えられるのが、取付シャフトを用いて、前席の背面側に表示装置を露出した状態で取り付けることである。

　しかしながら、このように表示装置を露出した状態で取り付けると、露出した表示装置に、例えば、子供が悪戯で、ぶら下がったりする虞があるので、表示装置の強度を強くするために、表示部の外周や背面側を覆ったカバーを強固な金属ケースで作らなければならない。

　ところが、カバーを強固な金属ケースで構成すると、重量が重くなり、自動車や航空機などの移動装置においては、急停車時の安全性を考慮すると、好ましくないものとなる。

　そこで、考えられるのが、カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成することである。

特開２００２－１１８３７１号公報特開２００６－２７８５６８号公報特開２００５－１４９４６３号公報

　特許文献１に記載の電子機器においては、炭素繊維を混入させた樹脂により本体ケースと、タップネジを一体に形成するものであるので、そのタップネジ部分には十分な量の炭素繊維を混入させることが出来ず、その結果としてアース接続が不十分なものとなる。

　すなわち、樹脂中に炭素繊維を混入させる場合、その流動性を確保するためには、炭素繊維の量を少なくしなければならず、その結果として、このタップネジに電気回路基板のアースパターンを接続しても、アース接続が不十分なものとなってしまうのである。

　特許文献１に記載の電子機器は、炭素繊維を混入させた樹脂により本体ケースと、タップネジ用の突起部を一体に形成するものであるので、その突起部分にも、炭素繊維が混入した状態となっており、その結果として、この突起部にねじ込むタップネジが、炭素繊維によって損傷し、電気回路基板、または電気回路部品の固定が不十分なものとなってしまうことがある。

　すなわち、炭素繊維は極めて硬度の高いものであり、これにタップネジが擦れる状態になると、タップネジが、炭素繊維によって損傷し、電気回路基板、または電気回路部品の固定が不十分なものとなってしまうのである。

　特許文献２に記載の電子機器装置においては、本体ケースを、炭素繊維を混入させた樹脂により形成しているので、その強度は強いものとなる。

　また、表面の一部に炭素繊維が表出しない領域をつくっているので、その領域では電子部品との絶縁が図れるものともなる。

　しかしながら、本体ケースの表面にのみ、炭素繊維が存在しない領域を設けても、この領域の内方には炭素繊維が存在しているので、この本体ケースの内部に設けたアンテナ部と、外部機器との交信が出来なくなってしまうのである。

　すなわち、近年、例えば、Ｗｉ－Ｆｉなどの通信部を内蔵した電子機器が多く発売されているが、このような電子機器の本体ケースを上述のごとく炭素繊維を混入させた樹脂により形成すると、炭素繊維が導電性を有するので、そのアンテナ部分と、外部機器との交信が出来なくなってしまう。

　特許文献３に記載されたようにカバーを炭素繊維強化プラスチックにて形成すると、強度が強く、しかも軽量なので、前席から露出した表示装置であっても、安全性の問題は発生しないものとなる。

　しかしながら、炭素繊維強化プラスチックは硬く、脆いものであるので、カバーと取付シャフトとの接触部においては、取付シャフトに傷をつけたり、あるいは炭素繊維強化プラスチックの一部が欠けたりすることになる。

　また、炭素繊維強化プラスチックは導電性があるので、この欠片がカバー内に侵入すると電子回路の短絡を発生させることにもなる。

　本発明の電子機器は、本体ケースと、この本体ケース内に配置された電気回路基板とを備え、本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層と、シートに、かしめ固定された導電性のナットとを有し、電気回路基板は、アースパターンと、このアースパターン、またはその近傍に設けた第１の貫通孔とを有し、電気回路基板の第１の貫通孔に、ナットとは反対側から導電性のボルトが、このナットに向けて締め付けられ、電気回路基板のアースパターンを、ナットを介して本体ケースに電気的に接続している。

　本発明の電子機器は、本体ケースと、この本体ケースの内面側に取り付けられた電気回路基板、あるいは電気回路部品とを備え、前記本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートの表裏面を覆った樹脂層と、前記シートに形成した第１の貫通孔部分において、この本体ケース内方に樹脂層の一部を立ち上げて形成した突起部とを有し、前記電気回路基板あるいは電気回路部品は、第２の貫通孔を有し、この第２の貫通孔に、前記突起部とは反対側からタップネジを、前記突起部に向けて締め付けている。

　本発明の電子機器は、本体ケースと、この本体ケース内に配置された電気回路基板とを備え、前記本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層とを有し、前記電気回路基板は、通信部と、この通信部に接続されたアンテナ部とを有し、前記シートのアンテナ部に対向する部分に開口部を設け、この開口部内には前記樹脂層を設けている。

　本発明の表示装置は、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入するものである。

　本発明によれば、電気回路基板のアースパターンは、ナットを介して炭素繊維のシートに電気的に接続されることになり、その結果として、電気回路基板のアースパターンに対するアース接続を強化する。

　本発明によれば、突起部には炭素繊維は存在せず、その結果として、タップネジが損傷せず、これにより本体ケース内面への電気回路基板、または電気回路部品の固定が不十分なものとなるのを防止する。

　本発明によれば、本体ケースを構成するシートの開口部においては、炭素繊維が存在しない領域となり、この領域にアンテナ部が対向しているので、本体ケース内に設けたアンテナ部と、本体ケース外の機器との交信が行える。

　本発明によれば、表示部の傾きを調整する、いわゆるチルト調整時でも、炭素繊維強化プラスチックにて形成したカバーの挿入孔と取付シャフトがこすれた状態となることは無く、その結果としてカバーや取付シャフトの損傷を防止することができる。

本発明の実施の形態１における電子機器を自動車の車内に設置した状態を示す斜視図同電子機器の正面図同電子機器の背面図同電子機器の制御ブロック図同電子機器の本体ケースの一部を内方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を外方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を内方からみた分解斜視図同電子機器の本体ケースの内部の一部を示す断面図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図ＦＩＧＳ.１４Ａと１４Ｂは同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図ＦＩＧＳ.１５Ａと１５Ｂは同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図ＦＩＧＳ.１６Ａと１６Ｂは同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図本発明の実施の形態２における電子機器の本体ケースの一部を内方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を外方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を内方からみた分解斜視図同電子機器の本体ケースの内部の一部を示す断面図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図同電子機器の本体ケースの一部を示す断面図実施の形態２の第１の変形例における電子機器の本体ケースの一部を示す断面図同断面図実施の形態２の第２の変形例における電子機器の本体ケースの一部を示す断面図同断面図実施の形態３における同電子機器の制御ブロック図同電子機器の本体ケースの一部を内方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を外方からみた斜視図同電子機器の本体ケースの一部を内方からみた分解斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す斜視図同電子機器の本体ケースの製造方法を示す断面図同電子機器の本体ケースの一部を示す断面図同電子機器の本体ケースの内部の一部を示す断面図同電子機器の本体ケースの断面図本発明の他の実施形態の電子機器の本体ケースの一部を示す断面図同電子機器の本体ケースの一部を示す断面図本発明の実施の形態４にかかる表示装置を搭載した自動車の室内の前席を示す斜視図同、斜視図同、前席の一部を切り欠いた斜視図同、前席の一部を切り欠いた斜視図同、表示装置の側面図同、表示装置の背面図同、表示装置の正面図同、表示装置の上面図同、表示装置の制御ブロック図同、表示装置のカバーの斜視図同、表示装置のカバーの側面図同、表示装置の取付シャフト部分の分解斜視図同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図同、表示装置のカバーの内面側の斜視図同、表示装置の取付シャフト間部分の縦断面図本発明の実施の形態５における表示装置のカバーの一部断面図同、カバーの一部断面図同、表示装置の分解斜視図本発明の実施の形態６における表示装置のカバーの一部断面図同、カバーの一部断面図同、カバー部分の分解斜視図本発明の実施の形態７における表示装置の取付シャフト部分の縦断面図同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図

（実施の形態１）
　実施の形態１に記載の発明は、電気回路基板のアースパターンに対するアース接続を強化することを目的とするものである。

　図１において、１は、自動車の車内に配置された例えば運転席で、この運転席１の背面側には電子機器２が設置されている。

　電子機器２は図１～図３に示すごとく、表面側の本体ケース３と背面側の本体ケース４を組み合わせて、筐体形状とし、その本体ケース３に設けた開口部５から表示部６を表出させている。

　つまり、この実施形態では、後席（図示せず）の同乗者が、表示部６の画像を楽しむ構成となっている。

　具体的には、本体ケース３、４内には図４に示す制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１が設けられ、これらの電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１は表示部６とともに、制御部７に接続されている。

　前記再生部１１は、よく知られているように、例えばＴＶの受信機、ラジオの受信機、音楽や映像の再生器などである。

　また、メモリ９には、動作プログラムなどが格納されている。

　このため、再生部１１の再生品を選択すれば、映像は表示部６に出力され、また音声は音声出力部１０を介してスピーカ（図示せず）へと出力されるようになっている。

　本実施形態の特徴は、図５～図８に示す、本体ケース４の構造にある。

　すなわち、前記本体ケース４は、炭素繊維のシート１２と、このシート１２の表裏面を覆った樹脂層１３と、前記シート１２に、かしめ固定された導電性のナット１４とを有する構成となっている。

　さらに、詳細に説明を続けると、本体ケース４の製造に際しては、先ず図９に示すように、長方形状となった炭素繊維のシート１２を用意し、次に図１０に示すように、このシート１２の四箇所に貫通孔１５を設け、その後、図１１に示すように、導電性のナット１４を貫通孔１５に装着する。

　導電性のナット１４は円筒状となっており、その一端側（図１１の下端側）の外周径を小さくし、この一端側を貫通孔１５に挿入し、貫通させた状態とする。

　そして、この状態で、シート１２の貫通孔１５を貫通したナット１４の一端側（図１１の下端側）を図１２、図１３のごとく、炭素繊維のシート１２の貫通孔１５外周方向へとかしめ、これによって、シート１２の貫通孔１５部分にナット１４をかしめ固定する。

　また、このかしめ固定が完了後には、シート１２の外周に丸みをつける切断作業も行う。

　次に、シート１２を図１４ＦＩＧ．１４Ａ、ＦＩＧ．１４Ｂのごとく、下金型１６内に設置する。

　このとき、図１４ＦＩＧ．１４Ｂ、図１５ＦＩＧ．１５Ｂのごとく、ナット１４の一端側（図１１の下端側）で、炭素繊維のシート１２の貫通孔１５外周方向へとかしめた部分が存在するので、その部分においてはシート１２が下金型１６の表面から持ち上げられた状態（隙間が存在する状態）となっている。

　次に、シート１２上には、図１５ＦＩＧ．１５Ａ、ＦＩＧ．１５Ｂに示すごとく、上金型１７が設置され、この状態で、下金型１６と上金型１７間に樹脂が注入され、その結果として、図１６ＦＩＧ．１６Ａ、ＦＩＧ．１６Ｂ、図１７のごとく、シート１２の表裏面（上下面）と、ナット１４の外周部分に樹脂層１３が形成され、それにより、本体ケース４は、図５～図７に示す最終形状となる。

　なお、この樹脂の注入時において、上述のごとく、ナット１４の一端側（図１１の下端側）で、炭素繊維のシート１２の貫通孔１５外周方向へとかしめた部分においては、シート１２が下金型１６の表面から持ち上げられた状態（隙間が存在する状態）となっているので、このかしめ部分外周への樹脂の回りはスムーズに行われる。

　次に、この本体ケース４の内面部分には、図７のごとく、電気回路基板１８が装着されることになる。

　この電気回路基板１８は上述した制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１等が実装されたもので、その外周部分には図８のごとく、アースパターン１９が設けられている。

　そして、このアースパターン１９部分に貫通孔２０が形成され、さらにこの貫通孔２０の外周部分は、レジスト膜２１が除去されている。

　この状態で、図７の電気回路基板１８は図８のごとくナット１４上に載せられ（当接させられ）、次に上方（ナット１４とは反対側）から導電性のボルト２２を、このナット１４に向けて締め付ける。

　このとき、ナット１４には、事前にネジ山のあるものとしても良いし、ボルト２２によってネジ山を切って形成するものでも良い。

　その結果、電気回路基板１８のアースパターン１９は、図８のごとく、導電性のボルト２２、導電性のナット１４を介して、炭素繊維のシート１２へと電気的に接続され、アース接続を強化することができる。

　なお、本実施形態においては、本体ケース４を図１のごとく運転席１に取り付けるために、本体ケース４には図２、図３のごとく、本体ケース取付具２３を設けている。

　具体的には、この本体ケース取付具２３は導電性の金属パイプによって形成され、その上端側を本体ケース４に形成した貫通孔（図示せず）から、この本体ケース４内に突入させ、この突入部分で、前記炭素繊維のシート１２へと電気的に接続している。

　また、本体ケース取付具２３の下端側は、運転席１内に突入され、内部で金属シャーシ（図示せず）に取り付けられている。

　つまり、運転席１内の金属シャーシ、導電性の金属パイプによって形成された本体ケース取付具２３、本体ケース４の炭素繊維のシート１２、導電性のナット１４、導電性のボルト２２、電気回路基板１８のアースパターン１９が電気的に接続され、その結果として電気回路基板１８のアースパターン１９に対するアースが強化された状態となっている。

　また、上記実施形態では、アースパターン１９部分に貫通孔２０を形成したが、アースパターン１９の近傍（アースパターン１９とボルト２２が接する距離）に貫通孔２０を設け、この貫通孔２０の外周部分は、レジスト膜２１を除去した状態としても良い。

　つまり、この状態でも、図７の電気回路基板１８は図８のごとくナット１４上に載せられ（当接させられ）、次に上方（ナット１４とは反対側）から導電性のボルト２２を、このナット１４に向けて締め付ける。

　以上のごとく実施の形態１においては、本体ケースを、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層と、前記シートに、かしめ固定された導電性のナットとを有するものとし、また電気回路基板は、アースパターンと、このアースパターン、またはその近傍に設けた第１の貫通孔とを有するものとし、電気回路基板の第１の貫通孔に、ナットとは反対側から導電性のボルトが、このナットに向けて締め付けられ、電気回路基板のアースパターンを、ナットを介して本体ケースに電気的に接続したものである。

　このため、電気回路基板のアースパターンは、ナットを介して炭素繊維のシートに電気的に接続されることになり、その結果として、電気回路基板のアースパターンに対するアース接続を強化することができるのである。
（実施の形態２）
実施の形態２に記載の発明は、本体ケース内面への電気回路基板、または電気回路部品の固定が不十分なものとなるのを防止することを目的とするものである。

　図１において、１は、自動車の車内に配置された例えば運転席で、この運転席１の背面側には電子機器２００が設置されている。

　電子機器２００は図１～図３に示すごとく、表面側の本体ケース３０と背面側の本体ケース４０を組み合わせて、筐体形状とし、その本体ケース３０に設けた開口部５から表示部６を表出させている。

　具体的には、本体ケース３０、４０内には図４に示す制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１が設けられ、これらの電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１は表示部６とともに、制御部７に接続されている。

　本実施形態の特徴は、図１８～図２１に示す、本体ケース４０の構造にある。

　すなわち、前記本体ケース４０は、炭素繊維のシート２１１２と、このシート２１１２の表裏面を覆った樹脂層２１１３と、前記シート２１１２に形成した貫通孔２１１４部分において、この本体ケース４０内方に樹脂層２１１３の一部を立ち上げて形成した突起部１８１５とを有する構成となっている。

　さらに、詳細に説明を続けると、本体ケース４０の製造に際しては、先ず図２２に示すように、長方形状となった炭素繊維のシート２１１２を用意し、次に図２３に示すように、このシート２１１２の四箇所に貫通孔２１１４を設け、さらにシート２１１２の外周に丸みをつける切断作業も行う。
その後、図２４に示すように、シート２１１２を下金型２４１６と上金型２４１７間に設置し、この状態で、下金型２４１６と上金型２４１７間に樹脂を注入する。

　このとき、シート２１１２の貫通孔２１１４に対向する上金型２４１７部分には、図２４に示すように上方（下金型２４１６とは反対方向）に向いた凹部２４１８と、この凹部２４１８の中心から下方（下金型２４１６とは反対方向）に向けて突出したピン２４１９を設けているので、出来上がった本体ケース４０は、図２５のごとく、シート２１１２の貫通孔２１１４部分において、この本体ケース４０内方に樹脂層２１１３の一部を立ち上げて形成した突起部１８１５が形成されることになる。

　本体ケース４０の内には、図２０のごとく、電気回路基板２０２０が装着されるが、この電気回路基板２０２０は、図２１のごとくタップネジ２０２１によって突起部１８１５に固定される。この電気回路基板２０２０は上述した制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１等が実装されたもので、その外周部分には図２０のごとく、貫通孔２０２２が設けられている。

　このため、先ずは、図２０のごとく電気回路基板２０２０が突起部１８１５上に置かれ、次に突起部１８１５とは反対側からタップネジ２０２１が電気回路基板２０２０の貫通孔２０２２を介して突起部１８１５にねじ込まれ、これによって電気回路基板２０２０は突起部１８１５部分に固定される。

　このとき、突起部１８１５には炭素繊維が混入していないので、タップネジ２０２１が炭素繊維で損傷されることは無く、その結果として、図２０の状態で、電気回路基板２０２０は本体ケース４０の内方に安定した状態で固定されるのである。

　図２６、図２７は実施の形態２の他の実施形態（変形例）を示し、この実施形態では、突起部１８１５における樹脂層２１１３は、シート２１１２部分よりも肉厚としたものである。

　具体的には、この図２６、図２７は、シート２１１２の貫通孔２１１４の開口縁から突起部１８１５に向けて徐々に樹脂層２１１３の肉厚を厚くしたものである。

　そして、このようにすれば、本体ケース４０のシート２１１２の貫通孔２１１４で、突起部１８１５とは反対側面（表面側）に、所謂樹脂のひけ１９２３が形成されにくく、また突起部１８１５としての強度も高くなる。

　図２８、図２９は実施の形態２のさらに他の実施形態（変形例）を示し、この実施形態でも、突起部１８１５における樹脂層２１１３は、シート２１１２部分よりも肉厚としたものである。

　具体的には、この図２８、図２９では、シート２１１２の貫通孔２１１４の開口縁よりも外方の樹脂層２１１３を、シート２１１２部分の樹脂層２１１３の肉厚を厚くしたものである。

　なお、この図２８では、貫通孔２１１４近傍のシート２１１２を構成する炭素繊維は、その編みこみ状態が捌けて広がった状態となっており、これにより突起部１８１５の土台部分が強くなる。

　なお、実施の形態２では、電気回路基板２０２０を突起部１８１５部分に固定したが、電気回路部品（図示せず）を突起部１８１５部分に固定しても良い。

　以上のごとく実施の形態２においては、本体ケースを、炭素繊維のシートと、このシートの表裏面を覆った樹脂層と、前記シートに形成した第１の貫通孔部分において、この本体ケース内方に樹脂層の一部を立ち上げて形成した突起部とを有する構成とし、前記電気回路基板あるいは電気回路部品は、第２の貫通孔を有し、この第２の貫通孔に、前記突起部とは反対側からタップネジを、前記突起部に向けて締め付けたので、突起部には炭素繊維は存在せず、その結果として、タップネジが損傷せず、これにより本体ケース内面への電気回路基板、または電気回路部品の固定が不十分なものとなるのを防止することができるのである。
（実施の形態３）
　実施の形態３に記載の発明は、本体ケース内に設けたアンテナ部と、本体ケース外の機器との交信が行えるようにすることを目的とするものである。

　図１において、１は、自動車の車内に配置された例えば運転席で、この運転席１の背面側には電子機器２０００が設置されている。

　電子機器２０００は図１～図３に示すごとく、表面側の本体ケース３００と背面側の本体ケース４００を組み合わせて、筐体形状とし、その本体ケース３００に設けた開口部５から表示部６を表出させている。

　具体的には、本体ケース３００、４００内には図３０に示す制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１、通信部３０１２、アンテナ部３０１３が設けられ、これらの電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１、通信部３０１２は表示部６とともに、制御部７に接続されている。

　また、通信部３０１２にはアンテナ部３０１３が接続されている。

　さらに、通信部３０１２は、例えばＷｉ－Ｆｉによって、アンテナ部３０１３を介して外部機器３０１４と交信し、その外部機器３０１４が保有する映像を表示部６に表示したり、音声を音声出力部１０を介してスピーカ（図示せず）へと出力したりする。

　本実施形態の特徴は、図３１～図３３、および図３７、図３８に示す、本体ケース４００の構造にある。

　すなわち、前記本体ケース３００、４００は、炭素繊維のシート３４１５と、このシート３４１５の表裏面を覆った樹脂層３７１６とを有する構成となっている。

　このうち、本体ケース４は、そのシート３４１５に開口部３１１７を設け、この開口部３１１７とアンテナ部３０１３を対向させた。

　さらに、詳細に説明を続けると、本体ケース４００の製造に際しては、先ず図３４に示すように、長方形状となった炭素繊維のシート３４１５を用意し、次に図３５に示すように、このシート３４１５に開口部３１１７を設け、また、シート３４１５の外周に丸みをつける切断作業も行う。

　次に、シート３４１５を図３６のごとく、下金型３６１８と上金型３６１９内に設置し、この状態で、下金型３６１８と上金型３６１９間に樹脂が注入され、その結果として、図３５、図３８のごとく、シート３４１５の表裏面（上下面）と、開口部３１１７内に樹脂層３７１６が形成され、それにより、本体ケース４００は、図３１～図３３に示す最終形状となる。

　なお、本体ケース３００については、表示部６のための開口部５を形成したシート３４１５の表裏面に樹脂層３７１６を設けるが、開口部５には樹脂層３７１６は設けないようにしている。

　次に、この本体ケース４００の内面部分には、図３３、図３８のごとく、電気回路基板３３２０が装着されることになる。

　この電気回路基板３３２０は上述した制御部７、電源部８、メモリ９、音声出力部１０、再生部１１、通信部３０１２、アンテナ部３０１３等が実装されたものであるが、このうちアンテナ部３０１３は図３８、図３９のごとく、シート３４１５の開口部３１１７に対向した状態で実装されている。

　つまり、外部機器３０１４との交信は、アンテナ部３０１３を介して行うのであるが、このアンテナ部３０１３に対向する本体ケース４部分は、それを構成する炭素繊維のシート３４１５が存在しない開口部３１１７となっているので、この開口部３１１７を介して電子機器２と外部機器３０１４との交信が行えるのである。

　また、開口部３１１７は樹脂層３７１６によって覆われているので、本体ケース４００内に埃などが侵入することも無い。

　さらに、この開口部３１１７以外の本体ケース４００、３００には、炭素繊維のシート３４１５が存在しているので、強度の強いものともなる。

　図４０、図４１は他の実施形態（変形例）を示したもので、この実施形態では、シート３４１５の開口部３１１７部分においては、本体ケース４の肉厚を、シート３４１５の開口部３１１７外周部分よりも薄くしたものである。

　具体的には、シート３４１５の開口部３１１７部分における樹脂層３７１６を薄くしたもので、樹脂層３７１６の種類によって、アンテナ部３０１３の受信感度が低くなるときには、樹脂層３７１６を薄くすれば、アンテナ部３０１３の受信感度を高くすることができる。

　以上のごとく実施の形態３においては、本体ケースを、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層とを有するものとし、また前記電気回路基板は、通信部と、この通信部に接続されたアンテナ部とを有するものとし、このような構成において、前記シートのアンテナ部に対向する部分に開口部を設け、この開口部内には前記樹脂層を設けた。

　このため、本体ケースを構成するシートの開口部においては、炭素繊維が存在しない領域となり、この領域にアンテナ部が対向しているので、本体ケース内に設けたアンテナ部と、本体ケース外の機器との交信が行えるようになるのである。
（実施の形態４）
　実施の形態４における表示装置と表示装置を搭載した移動装置について図面を用いて説明する。

　図４２、図４３において、４２１は自動車の前席で、運転席や助手席がその一例である。

　前席４２１は、図４４、図４５にその一部が記載されている金属製のシート構成体４４２と、このシート構成体４４２を覆ったカバー材４２３、およびカバー材４２３上に設けたヘッドレストレイント４２４により構成されている。

　本実施形態で特徴的なのは、金属製のシート構成体４４２を利用して、前席４２１の上部背面側に表示装置４２５を取り付けたことである。

　表示装置４２５は、図４６～図４９から理解されるように、前席４２１の上部背面側から後方に向けて配置される表示部４２６と、この表示部４２６の外周側を覆ったカバー４２７と、この表示部４２６の背面側（前席４２１側）を覆ったカバー４２８と、このカバー４２８をシート構成体４４２に取り付ける図５３に示す筒状（または棒状）の２本の取付シャフト４２９と、これら２本の取付シャフト４２９をカバー４２８で覆ったカバー４２１０とを備えている。

　前記カバー４２７、４２８、４２１０はいずれも、炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成したものである。

　このうち、カバー４２８の背面側（前席４２１側）には、図５１、図５２に示すように背面側に突出した突出部４２１１が設けられ、またこの突出部４２１１の対向部分には、取付シャフト４２９の一部である上端部分を挿入するための挿入孔４２１２が設けられている。

　さらに、この挿入孔４２１２には、図５３、図５５に示す筒状の軸受４２１３が装着されている。

　そして、この軸受４２１３の貫通孔を介して、前記２本の取付シャフト４２９の上端が、前記カバー４２８内に挿入されている。

　また、２本の取付シャフト４２９の上端は、図５３から理解されるように、前記カバー４２８内において、筒状の連結具４２１４内に挿入され、その後、ピン４２１５を取付シャフト４２９の貫通孔４２１６と連結具４２１４の貫通孔４２１７に挿入することで、２本の取付シャフト４２９の上端は、連結具４２１４によって連結されるようになっている。

　なお、このような組み立てを行う時には、カバー４２８からカバー４２７を取り外した状態で行うようにしている。

　一方、この２本の取付シャフト４２９の下端は、図４４、図４５から理解されるように、前記カバー材４２３に設けた開口部４４１８から、このカバー材４２３内に挿入され、このカバー材４２３内で、シート構成体４４２と取付ネジ４４１９などを用いて固定されている。

　以上の構成とすれば、表示装置４２５は、図４２～図４５のごとく、前席４２１の背面側において、この前席４２１を構成する金属製のシート構成体４４２に、２本の取付シャフト４２９を介して強固に取り付けられることになる。

　そして、この状態では、その表示部４２６が後席側に向けられているので、後席側から表示部４２６を見ることができる。

　つまり、この表示装置４２５は、図５０に示すように制御部５０２０に表示部４２６、メモリ部５０２１、電源部５０２２、音声出力部５０２３を接続した構成となっているので、例えばメモリ部５０２１に記録された映像や音声を後席側から視聴することができるようになっているのである。

　さて、このような視聴時において、表示部４２６の傾き調整、いわゆるチルト調整を行う時には、表示部４２６を持って簡単に行うことが出来る。

　つまり、本実施形態においては、２本の取付シャフト４２９の上端が軸受４２１３の貫通孔に挿入された構造となっているので、表示部４２６のチルト調整は、軸受４２１３の周りに簡単に行うことが出来るのである。

　また、この表示部４２６の回動に対する適度のテンションをかけるために、本実施形態では、図５３、図５６、図５７から理解されるように、連結具４２１４の外周に、弾性部材よりなるＣ字状のテンション部材４２２４を当接させ、このテンション部材４２２４の端部はカバー４２８の取り付け部４２２５に挿入して取り付けている。

　なお、図５３のリング４２２６は、テンション部材４２２４が、連結具４２１４の外周を左右に大きく移動するのを防止する移動防止リングで、それぞれ左右の軸受４２１３に固定されている。

　また、これらの図５１、図５６、図５７から理解されるように、カバー４２８の突出部４２１１下部には、各種配線を引き出すための開口部４２２７が設けられている。

　なお、本実施形態における金属製のシート構成体４４２は、自動車のアースとなっているので、これに固定した金属製の取付シャフト４２９、取付シャフト４２９に連結した金属製の連結具４２１４、連結具４２１４に当接させた金属製のテンション部材４２２４を介してカバー４２８、４２７はアースされた状態となるので、カバー４２７、４２８内の電子部品に対するノイズによる影響を大幅に向上させることができる。

　つまり、炭素繊維強化プラスチックで形成したカバー４２７、４２８は導電性を有するものであるので、これを上述した経路でアース接続すれば、カバー４２７、４２８内の電子部品に対するノイズによる影響を大幅に向上させることができるのである。

　また、カバー４２７、４２８を炭素繊維強化プラスチックで形成すれば、強度が極めて高く、しかも軽量となるので、図４２、図４３に示したように前席４２１に上部背面側に取り付けても、違和感の少ないものとなる。

　さらに、強度が極めて高く、しかも軽量となるので、その分、表示部４２６を大きくすることも出来るようになる。

　なお、カバー４２１０には、図５４に示すように、取付シャフト４２９の位置決めを行うためのリブ４２２８が形成されているので、取付シャフト４２９の位置決めも適切に行える。

　以上のように実施の形態４における表示装置は、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチックにて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入したものであるので、カバーや取付シャフトの損傷を防止することができる。

　すなわち、実施の形態４における表示装置においては、カバーに、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入したものであるので、表示部の傾きを調整する、いわゆるチルト調整時でも、炭素繊維強化プラスチックにて形成したカバーの挿入孔と取付シャフトがこすれた状態となることは無く、その結果としてカバーや取付シャフトの損傷を防止することができるのである。
（実施の形態５）
　実施の形態５における表示装置と表示装置を搭載した移動装置について図面を用いて説明する。実施の形態４と共通する図４２～図５７に関する説明については省略する。

　実施の形態５では図５８に示すように、カバー５２８の内面を削ることによって、炭素繊維の露出部５２８ａを設け、この露出部５２８ａを図５９のごとく、導電性テープ５２８ｂで覆う（露出部５２８ａの面積よりも、導電性テープ５２８ｂの面積の方が大）。

　さらに、この導電性テープ５２８ｂは、前記表示部４２６のアースライン（図示せず）、または制御基板（図５０の表示部４２６以外の回路を構成）５２８ｃのアースライン（図示せず）に、導電性発泡体よりなる導電体５２８ｄにて、電気的に接続される。

　よって、カバー５２８を介して、表示部４２６のアースライン、または制御基板５２８ｃのアースラインは、導電体５２８ｄ、導電性テープ５２８ｂ、炭素繊維の露出部５２８ａ、カバー５２８、テンション部材４２２４、連結具４２１４、取付シャフト４２９、金属製のシート構成体４４２へとアース接続可能となる。

　なお、このようなアース接続を行うためには、テンション部材４２２４の端部をカバー５２８の取り付け部５２２５に挿入する際に、テンション部材４２２４の端部を、カバー５２８を構成する炭素繊維に動通させる必要がある（カバー５２８の外部において、別の露出部５２８ａを設け、ここを利用して金属製のシート構成体４４２との接続をすることも可能である）。

　すなわち、カバー５２８は炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成されたものであり、その内部の炭素繊維は導電性を有するものであるので、前記カバー５２８の内面には、炭素繊維の露出部５２８ａを設け、この露出部５２８ａを導電性テープ５２８ｂで覆うとともに、この導電性テープ５２８ｂを前記表示部４２６のアースライン、または制御基板５２８ｃのアースラインに、導電体５２８ｄにて、電気的に接続すれば、このカバー５２８を介して、表示部４２６のアースライン、または制御基板５２８ｃのアースラインを、金属製のシート構成体４４２へとアース接続が可能となるのである。

　また、炭素繊維強化プラスチックは、高強度で高弾性の特性をもつ。つまり、力が加わった状態での変形量が大きくても、その加重が無くなれば元の状態に戻る。そのような場合でも、カバー５２８における炭素繊維の露出部５２８ａは導電性テープ５２８ｂ（通常、炭素繊維強化プラスチックよりも高弾性である）で覆っているので、この炭素繊維の露出部５２８ａから、炭素繊維の導電粉がカバー５２８内に飛散することも無く、その結果として、導電粉による電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。

　以上のように実施の形態５における表示装置は、実施の形態４に記載した効果に加え、下記の効果を有する。

　実施の形態５における表示装置は、前記カバーの内面には、炭素繊維の露出部を設け、この露出部を導電性テープで覆うとともに、この導電性テープを前記表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方に、導電体にて、電気的に接続したものであるので、カバーを介して、表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方のアース接続が可能となる。

　さらに、実施の形態５における表示装置は、カバーにおける炭素繊維の露出部は導電性テープで覆っているので、この炭素繊維の露出部から、炭素繊維の導電粉がカバー内に拡散することも無く、その結果として、導電粉による電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。
（実施の形態６）
　実施の形態６における表示装置と表示装置を搭載した移動装置について図面を用いて説明する。実施の形態４と共通する図４２～図５７に関する説明については省略する。

　実施の形態６においては、図６１に示すように、カバー６２８の内面を削ることによって、炭素繊維の露出部６２８ａを設ける。この露出部６２８ａは、図６２、図６３のごとく、前記表示部４２６のアースライン（図示せず）、または制御基板（図５０の表示部４２６以外の回路を構成）６２８ｂのアースライン（図示せず）を、導電性発泡体よりなる導電体６２８ｃにて、電気的に接続されている。

　よって、カバー６２８を介して、表示部４２６のアースライン、または制御基板６２８ｂのアースラインは、導電体６２８ｃ、炭素繊維の露出部６２８ａ、カバー６２８、テンション部材４２２４、連結具４２１４、取付シャフト４２９、金属製のシート構成体４４２へとアース接続可能となっている。

　なお、このようなアース接続を行うためには、テンション部材４２２４の端部をカバー６２８の取り付け部６２２５に挿入する際に、テンション部材４２２４の端部を、カバー６２８を構成する炭素繊維に動通させる必要がある（カバー６２８の外部において、別の露出部６２８ａを設け、ここを利用して金属製のシート構成体４４２との接続をすることも可能である）。

　すなわち、カバー６２８は炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成されたものであり、その内部の炭素繊維は導電性を有するものである。よって、前記カバー６２８の内面に、炭素繊維の露出部６２８ａを設け、この露出部６２８ａに、前記表示部４２６のアースライン、または制御基板６２８ｂのアースラインを、導電体６２８ｃを介して、電気的に接続すれば、このカバー６２８を介して、表示部４２６のアースライン、または制御基板６２８ｂのアースラインを、金属製のシート構成体４４２へとアース接続が可能となるのである。

　また、炭素繊維強化プラスチックは、高強度で高弾性の特性をもつ。つまり、力が加わった状態での変形量が大きくても、その加重が無くなれば元の状態に戻る。そのような場合でも、カバー６２８における炭素繊維の露出部６２８ａは、その外周に設けた筒状のパッキン６２８ｄ（通常、炭素繊維強化プラスチックよりも高弾性である）にて覆っているので、この炭素繊維の露出部６２８ａから、炭素繊維の導電粉がカバー６２８内に飛散することも無く、その結果として、導電粉による電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。

　なお、実施の形態６においては、導電体６２８ｃは、導電性発泡体によって構成したものであり、露出部６２８ａ表面と、表示部４２６、または制御基板６２８ｂとの間で圧縮状態することにより、導電性に対する信頼性を高めている。

　つまり、この導電体６２８ｃは、柔軟性のあるものであり、それを露出部６２８ａの外周に適切に装着するために、本実施形態では、カバー６２８の炭素繊維の露出部６２８ａ外周には、パッキン６２８ｄの一端側を装着するための枠６２８ｅを設けている。

　以上のように実施の形態６における表示装置は、実施の形態４に記載した効果に加え、下記の効果を有する。

　実施の形態６における表示装置は、前記カバーの内面には、炭素繊維の露出部を設け、この露出部を前記表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方に、導電体にて、電気的に接続するとともに、前記カバーにおける炭素繊維の露出部の外周をパッキンにて覆ったものであるので、カバーを介して、表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方のアース接続が可能となる。

　また、カバーにおける炭素繊維の露出部外周をパッキンにて覆ったものであるので、この炭素繊維の露出部から、炭素繊維の導電粉がカバー内に飛散することも無く、その結果として、導電粉による電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。
（実施の形態７）
　実施の形態７における表示装置と表示装置を搭載した移動装置について図面を用いて説明する。実施の形態４と共通する図４２～図５７に関する説明については省略する。

　実施の形態７においては、図５３、図６４に示すごとく、筒状の軸受４２１３のカバー７２８内側部分に、カバー７２８の挿入口７２１２の外周方向に延長されたフランジ４２１３ａを設け、このフランジ４２１３ａのカバー７２８側面と、カバー７２８の内面との間に環状のパッキン４２１３ｂを設けた構成としている。そのためカバー７２８の挿入口７２１２部分において、例えば、図６５のごとく、挿入口７２１２形成加工時にバリ７２８ａが発生し、その後の組み立て作業時にバリ７２８ａなどに加工粉が発生したとしても、それがカバー７２８内に侵入し、電気的な問題を発生させることはなく、信頼性の高いものとなる。

　すなわち、カバーは炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成されたもので、導電性を有するので、その加工粉がカバー７２８内に侵入すると電気的な問題を発生させることになる。しかし、本実施形態では、筒状の軸受４２１３のカバー７２８内側部分には、カバー７２８の挿入口７２１２の外周方向に延長されたフランジ４２１３ａを設け、このフランジ４２１３ａのカバー７２８側面と、カバー７２８の内面との間にパッキン４２１３ｂを設けたものであるので、加工粉がカバー７２８内に侵入するのをパッキン４２１３ｂ部分で阻止し、それによって上述した電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。

　また、そのようにするためには、図６４のごとく、パッキン４２１３ｂをフランジ４２１３ａのカバー７２８側面と、カバー７２８の内面との間で圧縮させた状態とすることが好ましい。

　また、そのようにパッキン４２１３ｂをフランジ４２１３ａのカバー７２８側面と、カバー７２８の内面との間で圧縮させるために、軸受４２１３のカバー外側部分の外周に雄ネジ（図示せず）を設け、この雄ネジ部分に、ナット４２１３ｃを螺合させ、このナット４２１３ｃを締め付けることで、パッキン４２１３ｂを圧縮させる構成とした。

　さらに、パッキン４２１３ｂの過度の圧縮を防ぐために、図６４にしめすごとく、フランジ４２１３ａの外周端を、カバー７２８内側に向けて折り曲げ、この折り曲げ部分がカバー７２８の内側に当接すれば、それ以上、ナット４２１３ｃを締め付けることが出来ない構成とした。

　以上のように実施の形態７における表示装置は、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ_　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入するとともに、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、前記カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーや取付シャフトの損傷を防止することができる。

　また、実施の形態７においては、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーの挿入口部分において、例えば、挿入口形成加工時などに加工粉が発生したとしても、それがカバー内に侵入し、電気的な問題を発生させることはなく、信頼性の高いものとなる。

　本発明の電子機器は、家庭用や車載用の電子機器として、本発明の表示装置は車両や飛行機等の移動装置用の表示装置としての活用が期待される。

　１　運転席
　２　電子機器
　３　本体ケース
　４　本体ケース
　５　開口部
　６　表示部
　７　制御部
　８　電源部
　９　メモリ
　１０　音声出力部
　１１　再生部
　１２　シート
　１３　樹脂層
　１４　ナット
　１５　貫通孔
　１６　下金型
　１７　上金型
　１８　電気回路基板
　１９　アースパターン
　２０　貫通孔
　２１　レジスト膜
　２２　ボルト
　２３　本体ケース取付具
　３０　本体ケース
　４０　本体ケース
　２００　電子機器
　４００　本体ケース
　４２１　前席
　４２３　カバー材
　４２５　表示装置
　４２６　表示部
　４２７　カバー
　４２８　カバー
　４２９　取付シャフト
　４４２　シート構成体
　４２１０　カバー
　４２１１　突出部
　４２１３　軸受
　１８１５　突起部
　１９２３　ひけ
　２０００　電子機器
　２０２０　電気回路基板
　２０２１　タップネジ
　２０２２　貫通孔
　２１１２　シート
　２１１３　樹脂層
　２１１４　貫通孔
　２４１６　下金型
　２４１７　上金型
　２４１８　凹部
　２４１９　ピン
　３００　本体ケース
　３０１２　通信部
　３０１３　アンテナ部
　３０１４　外部機器
　３１１７　開口部
　３３２０　電気回路基板
　３４１５　シート
　３６１８　下金型
　３６１９　上金型
　３７１６　樹脂層
　４２１２　挿入孔
　４２１３ａ　フランジ
　４２１３ｂ　パッキン
　４２１３ｃ　ナット
　４２１４　連結具
　４２１５　ピン
　４２１６　貫通孔
　４２１７　貫通孔
　４２１９　取付ネジ
　４２２４　テンション部材
　４２２５　取り付け部
　４２２６　リング
　４２２７　開口部
　４２２８　リブ
　４２４　ヘッドレストレイント
　４４１９　取付ネジ
　４４１８　開口部
　５０２０　制御部
　５０２１　メモリ部
　５０２２　電源部
　５０２３　音声出力部
　５２２５　取り付け部
　５２８　カバー
　５２８ａ　露出部
　５２８ｂ　導電性テープ
　５２８ｃ　制御基板
　５２８ｄ　導電体
　６２８　カバー
　６２２５　取り付け部
　６２８ａ　露出部
　６２８ｂ　制御基板
　６２８ｃ　導電体
　６２８ｄ　パッキン
　６２８ｅ　枠
　７２１７　貫通孔
　７２８　カバー
　７２８ａ　バリ

Claims

　本体ケースと、この本体ケース内に配置された電気回路基板とを備え、前記本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層と、前記シートに、かしめ固定された導電性のナットとを有し、前記電気回路基板は、アースパターンと、このアースパターン、またはその近傍に設けた第１の貫通孔とを有し、前記電気回路基板の第１の貫通孔に、前記ナットとは反対側から導電性のボルトが、前記ナットに締め付けられ、前記電気回路基板のアースパターンを、前記ナットを介して前記シートに電気的に接続した電子機器。
　前記シートに第２の貫通孔を設け、この第２の貫通孔に前記ナットの一端側を貫通させた状態で、前記ナットの一端側を前記シートにかしめた請求項１に記載の電子機器。
　前記ナットの他端側に、前記電気回路基板を当接させた請求項２に記載の電子機器。
　前記本体ケースに第３の貫通孔を設け、この第３の貫通孔には、前記本体ケース外から、本体ケース取付具を突入させ、この本体ケース取付具を、前記本体ケースに電気的に動通させた請求項１から３のいずれか一つに記載の電子機器。
　本体ケースと、この本体ケースの内面側に取り付けられた電気回路基板、あるいは電気回路部品とを備え、前記本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートの表裏面を覆った樹脂層と、前記シートに形成した第１の貫通孔部分において、この本体ケース内方に樹脂層の一部を立ち上げて形成した突起部とを有し、前記電気回路基板あるいは電気回路部品は、第２の貫通孔を有し、この第２の貫通孔に、前記突起部とは反対側からタップネジを、前記突起部に向けて締め付けた電子機器。
　突起部における樹脂層は、シート部分よりも肉厚とした請求項５に記載の電子機器。
　本体ケースと、この本体ケース内に配置された電気回路基板とを備え、前記本体ケースは、炭素繊維のシートと、このシートを覆った樹脂層とを有し、前記電気回路基板は、通信部と、この通信部に接続されたアンテナ部とを有し、前記シートのアンテナ部に対向する部分に開口部を設け、この開口部内には前記樹脂層を設けた電子機器。
　シートの開口部部分においては、本体ケースの肉厚を、シートの開口部外周部分よりも薄くした請求項７に記載の電子機器。
　請求項１から８のいずれか一つに記載の電子機器を、車内に配置した自動車。
　表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、前記カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、前記カバーには、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入した表示装置。
　前記取付シャフトを、金属製とし、この取付シャフトと前記カバーを電気的に導通させた請求項１０に記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、第１、第２の取付シャフトにより構成し、前記カバーの対向部分には、第１、第２の挿入孔を設け、前記第１の挿入孔には、第１の軸受を装着し、前記第２の挿入孔には、第２の軸受を装着し、前記第１、第２の取付シャフトの一端側を、それぞれ前記シート構成体への取付部とするとともに、前記第１の取付シャフトの他端側を前記第１の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、前記第２の取付シャフトの他端側を前記第２の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、このカバー内において、前記第１の取付シャフトの他端側と第２の取付シャフトの他端側を連結具で連結した請求項１０に記載の表示装置。
　前記第１、第２の取付シャフトと連結具を金属製とし、これらの第１、第２の取付シャフトと前記連結具の少なくとも一つを、前記カバーと電気的に導通させた請求項１２に記載の表示装置。
　前記連結具の外周にはテンション部材を当接させ、このテンション部材は前記カバーに取り付けた請求項１３に記載の表示装置。
　前席は、金属製のシート構成体と、このシート構成体を覆ったカバー材とにより構成され、前記カバー材に設けた開口部から、このカバー材内に、請求項１０から１４のいずれか一つに記載の表示装置の取付シャフトを挿入し、このカバー材内で、前記シート構成体と前記取付シャフトを連結した移動装置。
　表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバー内に設けられるとともに、前記表示部に電気的に接続された制御基板と、前記カバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、前記カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、このカバーには、前記取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入するとともに、前記カバーの内面には、炭素繊維の露出部を設け、この露出部を導電性テープで覆うとともに、この導電性テープを前記表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方に、導電体にて、電気的に接続した表示装置。
　前記導電体は、導電性発泡体によって構成した請求項１６に記載の表示装置。
　前記導電性発泡体は、前記導電性テープ表面と、前記表示部、または前記制御基板との間で圧縮状態とした請求項１７に記載の表示装置。
　前記導電体は、弾性導電体によって構成した請求項１６に記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、金属製とし、この取付シャフトと前記カバーを電気的に導通させた請求項１６に記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、第１、第２の取付シャフトにより構成し、カバーの対向部分には、第１、第２の挿入孔を設け、前記第１の挿入孔には、第１の軸受を装着し、前記第２の挿入孔には、第２の軸受を装着し、前記第１、第２の取付シャフトの一端側を、それぞれシート構成体への取付部とするとともに、前記第１の取付シャフトの他端側を前記第１の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、前記第２の取付シャフトの他端側を前記第２の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、このカバー内において、前記第１の取付シャフトの他端側と第２の取付シャフトの他端側を連結具で連結した請求項１６に記載の表示装置。
　前記第１、第２の取付シャフトと前記連結具を金属製とし、これらの前記第１、第２の取付シャフトと前記連結具の少なくとも一つを、前記カバーと電気的に導通させた請求項２１に記載の表示装置。
　前記連結具の外周にはテンション部材を当接させ、このテンション部材が前記カバーに取り付けられた請求項２２に記載の表示装置。
　前席は、金属製のシート構成体と、このシート構成体を覆ったカバー材とにより構成され、前記カバー材に設けた開口部から、このカバー材内に、請求項１６に記載の表示装置の取付シャフトを挿入し、このカバー材内で、前記シート構成体と前記取付シャフトを連結した移動装置。
　表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバー内に設けられるとともに、前記表示部に電気的に接続された制御基板と、前記カバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、前記カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、このカバーには、前記取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入するとともに、前記カバーの内面には、炭素繊維の露出部を設け、この露出部を前記表示部のアースライン、または制御基板のアースラインの少なくとも一方に、導電体にて、電気的に接続するとともに、前記カバーにおける炭素繊維の露出部の外周をパッキンにて覆った表示装置。
　前記導電体は、導電性発泡体によって構成した請求項２５に記載の表示装置。
　前記導電性発泡体は、前記カバーの炭素繊維の露出部と、表示部、または制御基板との間で圧縮状態とした請求項２６に記載の表示装置。
　前記カバーの炭素繊維の露出部外周には、前記パッキンの一端側を装着するための枠を設けた請求項２５に記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、金属製とし、この取付シャフトと前記カバーを電気的に導通させた請求項２５に記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、第１、第２の取付シャフトにより構成し、前記カバーの対向部分には、第１、第２の挿入孔を設け、前記第１の挿入孔には、第１の軸受を装着し、前記第２の挿入孔には、第２の軸受を装着し、前記第１、第２の取付シャフトの一端側を、それぞれ前記シート構成体への取付部とするとともに、前記第１の取付シャフトの他端側を前記第１の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、前記第２の取付シャフトの他端側を前記第２の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、このカバー内において、前記第１の取付シャフトの他端側と前記第２の取付シャフトの他端側を連結具で連結した請求項２５に記載の表示装置。
　前記第１、第２の取付シャフトと前記連結具を金属製とし、これらの第１、第２の取付シャフトと連結具の少なくとも一つを、前記カバーと電気的に導通させた請求項３０に記載の表示装置。
　前記連結具の外周にはテンション部材を当接させ、このテンション部材は前記カバーに取り付けた請求項３１に記載の表示装置。
　前席は、金属製のシート構成体と、このシート構成体を覆ったカバー材とにより構成され、前記カバー材に設けた開口部から、このカバー材内に、請求項２５に記載の表示装置の取付シャフトを挿入し、このカバー材内で、前記シート構成体と前記取付シャフトを連結した移動装置。
　表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、前記カバーを炭素繊維強化プラスチック（Ｃａｒｂｏｎ　Ｆｉｂｅｒ　Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ　Ｐｌａｓｔｉｃｓ）にて形成するとともに、このカバーには、前記取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入するとともに、前記筒状の軸受のカバー内側部分には、前記カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、前記カバーの内面との間にパッキンを設けた表示装置。
　前記フランジの外周端を、前記カバー内側に向けて折り曲げた請求項３４に記載の表示装置。
　前記軸受の前記カバー外側部分の外周に雄ネジを設け、この雄ネジ部分に、ナットを螺合させた請求項３４または３５に記載の表示装置。
　前記パッキンは、前記フランジのカバー側面と、前記カバーの内面で圧縮した請求項３４から３６のいずれか一つに記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、金属製とし、この取付シャフトと前記カバーを電気的に導通させた請求項３４から３７のいずれか一つに記載の表示装置。
　前記取付シャフトを、第１、第２の取付シャフトにより構成し、前記カバーの対向部分には、第１、第２の挿入孔を設け、前記第１の挿入孔には、前記第１の軸受を装着し、前記第２の挿入孔には、前記第２の軸受を装着し、前記第１、第２の取付シャフトの一端側を、それぞれ前記シート構成体への取付部とするとともに、前記第１の取付シャフトの他端側を前記第１の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、前記第２の取付シャフトの他端側を前記第２の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、このカバー内において、前記第１の取付シャフトの他端側と前記第２の取付シャフトの他端側を連結具で連結した請求項３４から３８のいずれか一つに記載の表示装置。
　前記第１、第２の取付シャフトと前記連結具を金属製とし、これらの第１、第２の取付シャフトと前記連結具の少なくとも一つを、前記カバーと電気的に導通させた請求項３９に記載の表示装置。
　前記連結具の外周にはテンション部材を当接させ、このテンション部材は前記カバーに取り付けた請求項４０に記載の表示装置。
　前席は、金属製のシート構成体と、このシート構成体を覆ったカバー材とにより構成され、前記カバー材に設けた開口部から、このカバー材内に、請求項３４から４１のいずれか一つに記載の表示装置の取付シャフトを挿入し、このカバー材内で、シート構成体と取付シャフトを連結した移動装置。
　前記前席の上部に開口部を設け、前記表示装置の表示部を、この前席の背面側に向けて取り付けた請求項１５、請求項２４、請求項３３、請求項４２のいずれか１項に記載の移動装置。