WO2014192365A1

WO2014192365A1 - 浴槽

Info

Publication number: WO2014192365A1
Application number: PCT/JP2014/056772
Authority: WO
Inventors: 亮工藤; まゆみ井戸田; 昌子永柳
Original assignee: 株式会社Ｌｉｘｉｌ
Priority date: 2013-05-27
Filing date: 2014-03-13
Publication date: 2014-12-04
Also published as: JP2014226467A

Abstract

　入浴者から見て前側に位置する前側面部を有する貯湯部と、水平面に対して４０度以上に傾斜し、入浴者の背中が当接する背もたれ面を有した背もたれ部と、背もたれ面を上方へ延長した仮想延長面から離れる方向かつ前側面部に向かって仮想延長面に対して傾斜し、水平面に対する傾斜が背もたれ面よりも急であり、入浴者の後頭部が当接する枕面を有した枕部と、を備える浴槽を提供する。

Description

浴槽

　本発明は、浴槽に関する。
　本願は、２０１３年５月２７日に、日本に出願された特願２０１３－１１０８１４号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　特許文献１は従来の浴槽を開示している。開示された浴槽は、背もたれ部、及び枕部を備えている。背もたれ部は、水平面に対して約２０度に傾斜し、入浴者の背中が当接する背もたれ面を有している。枕部は、背もたれ面を上方へ延長した仮想延長面よりも上方に位置し、入浴者の後頭部が当接する枕面を有している。枕面は水平面に対する傾斜が背もたれ部よりも急である。入浴者は、後頭部を枕面に当接し、仰向け状態で浴槽に入浴する。このため、入浴者は、身体が浮力によって浮遊状態になり、リラックスして入浴することができる。

日本国特開２０００－２０１８４８号公報

　しかし、上記浴槽は、入浴者の身体が浮力によって浮遊状態になるため、入浴姿勢が安定しない。特に、身体の小さい入浴者は、後頭部を枕面に当接させた入浴姿勢をとると、両足を着くべき所定の場所に着くことができず、想定した入浴姿勢をとることができない。このため、身体の小さい入浴者は、浮力によって浮遊状態になると、後頭部が枕面に当接するのみとなり、入浴姿勢がより安定しない。

　本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる浴槽を提供する。

　本発明の第１の態様は、浴槽であって、入浴者から見て前側に位置する前側面部を有する貯湯部と、水平面に対して４０度以上に傾斜し、入浴者の背中が当接する背もたれ面を有した背もたれ部と、背もたれ面を上方へ延長した仮想延長面から離れる方向かつ前側面部に向かって仮想延長面に対して傾斜し、水平面に対する傾斜が背もたれ面よりも急であり、入浴者の後頭部が当接する枕面を有した枕部と、を備えている。

　上記第１の態様によれば、入浴者の後頭部が当接する枕面が、背もたれ面を上方へ延長した仮想延長面から離れる方向かつ前側面部に向かって仮想延長面に対して傾斜し、水平面に対する傾斜が背もたれ面よりも急である。このため、入浴者が後頭部を枕面に当接させ、背中を背もたれ面に当接させた入浴姿勢をとると、浮力を受けない入浴者の頭部の荷重を水平方向で入浴者の身体の重心（腰のあたり）に近づけることができる。よって、入浴者の頭部の荷重が身体に受けた浮力を打消すように働き、入浴姿勢を安定させることができる。また、入浴者の身体の大小にかかわらず、後頭部を枕面に当接させ、背中を背もたれ面に当接させた入浴姿勢をとることができるため、入浴姿勢を安定させることができる。なお、背もたれ面及び枕面が湾曲する湾曲面である場合、水平面に対する傾斜とは、湾曲面の接線が水平面に対して形成する傾斜に相当する。

　本発明の第２の態様は、上記第１の態様の浴槽において、　仮想延長面が、背もたれ面の上端部における接線に沿って上方へ延長した仮想延長面であり、接線の水平面に対する傾斜が背もたれ面よりも急であり、枕面が前記貯湯部の上端よりも高い位置に配置されている。

　上記第２の態様によれば、入浴者の後頭部が当接する枕面が、背もたれ面の上端部における接線に沿って上方へ延長した仮想延長面であり、接線の水平面に対する傾斜が背もたれ面よりも急である。つまり、背もたれ面及び枕面が後方に凹むように湾曲している浴槽であっても、入浴者が後頭部を枕面に当接させ、背中を背もたれ面に当接させた入浴姿勢をとると、浮力を受けない入浴者の頭部の荷重を水平方向で入浴者の身体の重心（腰のあたり）に近づけることができる。よって、入浴者の頭部の荷重が身体に受けた浮力を打消すように働き、入浴姿勢を安定させることができる。また、入浴者の身体の大小にかかわらず、この浴槽は後頭部を枕面に当接させ、背中を背もたれ面に当接させた入浴姿勢をとることができるため、入浴姿勢を安定させることができる。
　本発明の第３の態様は、上記第１又は第２の態様の浴槽において、背もたれ部の下端部に連続し、前側面部に向かって昇り傾斜しており、入浴者の臀部が当接する座面を有する座部を備えている。
　本発明の第４の態様は、上記第１～第３の態様の浴槽において、背もたれ部及び枕部が着脱自在である。

　上記本発明の態様によれば、安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる浴槽を提供することができる。

本発明の第１実施形態に係る浴槽を示す断面図である。本発明の第１実施形態に係る浴槽を示す斜視図である。本発明の第２実施形態に係る浴槽を示す断面図である。本発明の第２実施形態に係る浴槽を示す斜視図である。本発明の第３実施形態に係る浴槽を示す断面図である。

　以下、好ましい実施形態を説明する。

　本発明の浴槽は、背もたれ部の下端部に連続し、入浴者から見て前方に向かって昇り傾斜しており、入浴者の臀部が当接する座面を有する座部を備え得る。言い換えれば、本浴槽は、座面が背もたれ部の下端部に向けて下り傾斜しているため、入浴者は臀部が背もたれ面の下部に当接した正しい入浴姿勢を容易にとることができる。このため、入浴者は安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　上記背もたれ部、及び枕部が着脱自在であり得る。この場合、入浴者は背もたれ部及び枕部の有無を選択することができる。また、既設の浴槽等に背もたれ部、及び枕部を取り付けることによって、入浴者は安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　さらに、本発明の浴槽の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

　第１実施形態
　本実施形態の浴槽１は、図１及び図２に示すように、上から見た外形状が前後方向（すなわち、図１に示す入浴姿勢で入浴した入浴者Ｈから見た前後方向であり、図１においてｘ軸方向）に長い長方形状である。また、浴槽１は、温水を貯湯する貯湯部１０の上から見た内形状も前後方向に長い略長方形状である。浴槽１では、入浴者Ｈが図１に示す入浴姿勢で入浴した際に入浴者Ｈの背後に位置する後フランジ部２１が幅広に形成されている。後フランジ部２１の前縁は後方に凹むようにｘ軸方向に湾曲している。また、浴槽１は、後フランジ部２１のｙ軸方向（図２参照）における両端部の夫々からｘ軸方向に延びる左右フランジ部２２、及び左右フランジ部２２の前方の端部同士を連結する前フランジ部２３が狭小に形成されている。後フランジ部２１、左右フランジ部２２、及び前フランジ部２３が浴槽の上面を形成している。浴槽１はフランジ部の外縁に沿って下方に延びたエプロン部材２４が取り付けられている（図２参照）。

　浴槽１は、背もたれ部３１、枕部３２、座部３３、底部３４、左右側面部３５、及び前側面部３６を備えている。背もたれ部３１は後フランジ部２１の前縁に沿って下方に延びている。背もたれ部３１は水平面に対する傾斜角αが約５０度の背もたれ面３１Ｓを有している。背もたれ面３１Ｓは後フランジ部２１の前縁の湾曲形状に連続して後方に凹むように湾曲している。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、背もたれ面３１Ｓの下部に入浴者Ｈの臀部が当接し、上部に背中が当接する。

　枕部３２は、背もたれ部３１の上端部に連続し、後フランジ部２１よりも上方に突出している。後フランジ部２１より上方に突出した枕部３２は、ｙ軸方向に長く延びた略長方形状であり、背もたれ面３１Ｓの湾曲形状に連続して後方に凹むように湾曲した枕面３２Ｓを有する板状である。枕面３２Ｓは背もたれ面３１Ｓに対する傾斜角βが約１５度である。つまり、枕面３２Ｓは、背もたれ面３１Ｓを上方へ延長した仮想延長面Ｘから離れる方向かつ前側面部３６に向かって仮想延長面Ｘに対して傾斜している。従って、枕面３２Ｓは、前側面部３６寄りに位置し、水平面に対する傾斜が背もたれ面３１Ｓよりも急である。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、枕面３２Ｓに入浴者Ｈの後頭部が当接する。枕面３２Ｓは、入浴者Ｈの後頭部を安定して支持できるように縦方向が１５０ｍｍ以上の長さであるとよい。

　座部３３は、背もたれ部３１の下端部に連続している。座部３３は、入浴者Ｈから見て前方に向かって昇り傾斜し、水平面に対する傾斜角が約１５度の座面３３Ｓを有している。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、座面３３Ｓに入浴者Ｈの臀部が当接する。

　底部３４は、座部３３の前端部から下方に向かって延びた垂下部３７の下端に連続している。つまり、底部３４は座部３３より一段低く、入浴者Ｈから見て座部３３の前方で上面３４Ｓが水平に拡がっている。底部３４は左右側面部３５及び前側面部３６の下端部に連続している。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、底部３４の上面３４Ｓに入浴者Ｈの足が着く。

　左右側面部３５は、左右フランジ部２２の内縁から下方に延びており、背もたれ部３１、座部３３、垂下部３７、及び底部３４のｙ軸方向における両端部に連続している。左右フランジ部２２の夫々は、入浴者Ｈが入浴姿勢をとった際に肘をかけることができるように、入浴者Ｈから見て前方に向かって上昇し、上方（図１におけるｚ軸方向）に僅かに膨らむように湾曲した板状の肘掛部３８を取り付けている。

　前側面部３６は、前フランジ部２３の内縁から下方に延びており、左右側面部３５、及び底部３４の前端部に連続している。このように、浴槽１は、背もたれ部３１、座部３３、底部３４、左右側面部３５、及び前側面部３６によって貯湯部１０を形成している。

　浴槽１は、枕部３２の下部に開口した吐水口４１と、背もたれ部３１の下端部に開口した流入口４２と、吐水口４１と流入口４２とを連通し、途中にポンプ４３を配した循環路４４とを有している。吐水口４１はｙ軸方向に横長のスリット形状である。ポンプ４３を駆動すると、流入口４２から貯湯部１０内の温水が流入し、循環路４４を経て吐水口４１から入浴姿勢の入浴者Ｈの肩に向かって温水を吐水することができる。

　上記構成を有する浴槽１は、入浴者Ｈの後頭部が当接する枕面３２Ｓが、背もたれ面３１Ｓを上方へ延長した仮想延長面Ｘから前側面部３６寄りに位置し、水平面に対する傾斜が背もたれ面３１Ｓよりも急である。このため、入浴者Ｈが後頭部を枕面３２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面３１Ｓに当接させた入浴姿勢をとると、浮力を受けない入浴者Ｈの頭部の荷重をｘ軸方向で入浴者Ｈの身体の重心（腰のあたり）に近づけることができる。よって、入浴者Ｈの頭部の荷重が身体に受けた浮力を打消すように働き、入浴姿勢を安定させることができる。また、入浴者Ｈの身体の大小にかかわらず、浴槽１は後頭部を枕面３２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面３１Ｓに当接させた入浴姿勢をとることができるため、入浴姿勢を安定させることができる。

　したがって、本実施形態の浴槽１によれば安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　また、浴槽１は、座面３３Ｓが背もたれ部３１の下端部に向けて下り傾斜しているため、入浴者Ｈの臀部が背もたれ面３１Ｓの下部に当接した正しい入浴姿勢を入浴者Ｈは容易にとることができる。このため、入浴者Ｈは安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　第２実施形態
　本実施形態の浴槽２は、図３及び図４に示すように、形状が第１実施形態と相違し、さらに、背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３が貯湯部１０内から着脱自在である点が第１実施形態と相違する。

　浴槽２は、上から見た外形状が前後方向（すなわち、図３に示す入浴姿勢で入浴した入浴者Ｈから見た前後方向であり、図３においてｘ軸方向）に長い細長形状である。浴槽２は、底面部５１と、底面部５１の外周縁から立ち上がった周壁部５２とを備えている。浴槽２は、底面部５１と周壁部５２とによって貯湯部１０を形成している。底面部５１においては、上面５１Ｓが水平に拡がっている。周壁部５２は、入浴者Ｈが図３に示す入浴姿勢で入浴した際に入浴者Ｈの背後の後壁部５２Ａと、後壁部５２Ａのｙ軸方向（図４参照）における両端部の夫々からｘ軸方向に延びる左右壁部５２Ｂと、左右壁部５２Ｂの前端同士を連結した前壁部５２Ｃとから構成されている。左右壁部５２Ｂと前壁部５２Ｃとは同じ高さであり、後壁部５２Ａは左右壁部５２Ｂ及び前壁部５２Ｃに比べて高い位置まで上方に延びている。後壁部５２Ａは斜め上後方に向けて傾斜している。後壁部５２Ａの内面に、後述する背もたれ部６１及び枕部６２の後面が当接することで背もたれ部６１及び枕部６２が支持されている。左右壁部５２Ｂの夫々には、後壁部５２Ａ寄りの内面に水平方向（ｘ軸方向）に延びた段部５３が形成されている。段部５３に、入浴者Ｈが入浴姿勢をとった際に肘をかけることができる。

　浴槽２では、背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３を一体に形成されている。背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３は、肉厚であり、背もたれ部６１及び枕部６２の後面が後壁部５２Ａの内面に当接し、座部６３の下面が底部３４の上面に当接するように貯湯部１０内に配置されている。一体に形成した背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３は、左右幅（ｙ軸方向における幅）が左右壁部５２Ｂ夫々の間の長さと略等しく形成されており、貯湯部１０内から取り外すことができる。つまり、一体に形成した背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３は、貯湯部１０に着脱自在である。

　背もたれ部６１には、水平面に対する傾斜角αが約５０度の背もたれ面６１Ｓを前面に形成されている。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、背もたれ面６１Ｓの下部に入浴者Ｈの臀部が当接し、上部に背中が当接する。

　枕部６２は、背もたれ部６１の上端部に連続し、背もたれ面６１Ｓに対する傾斜角βが約１５度の枕面６２Ｓが前面に形成されている。つまり、枕面６２Ｓは、背もたれ面６１Ｓを上方へ延長した仮想延長面Ｘから前壁部５２Ｃ寄りに位置し、水平面に対する傾斜が背もたれ面６１Ｓよりも急である。また、枕面６２Ｓは、貯湯部１０の上端よりも高い位置に設けられている。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、枕面６２Ｓに入浴者Ｈの後頭部が当接する。

　座部６３は、背もたれ部６１の下端部に連続している。座部６３は、入浴者Ｈから見て前方に向かって昇り傾斜した座面６３Ｓを有している。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、座面６３Ｓに入浴者Ｈの臀部が当接する。また、入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、座部６３より前方の底面部５１の上面５１Ｓに入浴者Ｈの足が着く。

　枕部６２の下部には開口した吐水口７１が設けられ、背もたれ部６１の下端部には開口した流入口７２が設けられている。また、一体に形成された背もたれ部６１及び枕部６２は、吐水口７１と流入口７２とを連通し、途中にポンプ７３を配した循環路７４を内蔵している。吐水口７１は、横長のスリット形状である。ポンプ７３を駆動すると、流入口７２から貯湯部１０内の温水が流入し、循環路７４を経て吐水口７１から入浴姿勢の入浴者Ｈの肩に向かって温水を吐水することができる。

　上記構成を有する浴槽２は、入浴者Ｈの後頭部が当接する枕面６２Ｓが、背もたれ面６１Ｓを上方へ延長した仮想延長面Ｘから前壁部５２Ｃ寄りに位置し、水平面に対する傾斜が背もたれ面６１Ｓよりも急である。このため、入浴者Ｈが後頭部を枕面６２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面６１Ｓに当接させた入浴姿勢をとると、浮力を受けない入浴者Ｈの頭部の荷重をｘ軸方向で入浴者Ｈの身体の重心（腰のあたり）に近づけることができる。よって、入浴者Ｈの頭部の荷重が身体に受けた浮力を打消すように働き、入浴姿勢を安定させることができる。また、入浴者Ｈの身体の大小にかかわらず、浴槽２は後頭部を枕面６２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面６１Ｓに当接させた入浴姿勢をとることができるため、入浴姿勢を安定させることができる。

　したがって、本実施形態の浴槽２によっても、安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　また、浴槽２は、座面６３Ｓが背もたれ部６１の下端部に向けて下り傾斜しているため、入浴者Ｈの臀部が背もたれ面６１Ｓの下部に当接した正しい入浴姿勢を入浴者Ｈは容易にとることができる。このため、入浴者Ｈは安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　また、浴槽２において、一体に形成された背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３は、貯湯部１０に着脱自在である。このため、背もたれ部６１、枕部６２、及び座部６３の有無を選択することができる。また、既設の浴槽等に背もたれ部６１、枕部６２及び座部６３を取り付けることによって、入浴者Ｈは安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　第３実施形態
　本実施形態の浴槽３は、図５に示すように、背もたれ面８１Ｓ及び枕面８２Ｓが同一の曲率で入浴者Ｈの後方に僅かに凹むように湾曲した湾曲面で形成されている。他の構成は第１実施形態と同様であり、同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。

　浴槽３の背もたれ部８１は、略中央部において水平面に対する傾斜角αが約５０度の背もたれ面８１Ｓを有している。湾曲した背もたれ面８１Ｓの水平面に対する傾斜角とは、背もたれ面８１Ｓの接線が水平面に対して形成する傾斜角に相当する。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、背もたれ面８１Ｓの下部に入浴者Ｈの臀部が当接し、上部に背中が当接する。

　浴槽３の枕部８２は、背もたれ面８１Ｓの上端部における接線に沿って上方へ延長した仮想延長面Ｙから離れる方向かつ前側面部３６に向かって仮想延長面Ｙに対して傾斜した枕面８２Ｓを有している。湾曲した枕面８２Ｓは、略中央部における接線が、仮想延長面Ｙに対して約７度の傾斜角βを有している。つまり、枕面８２Ｓの略中央部における接線の水平面に対する傾斜が仮想延長面Ｙよりも急であり、背もたれ面８１Ｓよりも急である。また、枕面８２Ｓは、貯湯部１０の上端（各フランジ部２１、２２、２３）よりも高い位置に設けられている（上方に突出している）。入浴者Ｈが入浴姿勢をとると、枕面８２Ｓに入浴者Ｈの後頭部が当接する。枕面８２Ｓは、入浴者Ｈの後頭部を安定して支持できるように、縦方向が１５０ｍｍ以上の長さであるとよい。

　上記構成を有する浴槽３は、入浴者Ｈの後頭部が当接する枕面８２Ｓが、背もたれ面８１Ｓの上端部における接線に沿って上方へ延長した仮想延長面Ｙから離れる方向かつ前側面部３６に向かって仮想延長面Ｙに対して傾斜している。従って、枕面８２Ｓは、前側面部３６寄りに位置し、略中央部における接線の水平面に対する傾斜が背もたれ面８１Ｓよりも急である。つまり、背もたれ面８１Ｓ及び枕面８２Ｓが後方に凹むように湾曲している浴槽であっても、入浴者Ｈが後頭部を枕面８２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面８１Ｓに当接させた入浴姿勢をとると、浮力を受けない入浴者Ｈの頭部の荷重をｘ軸方向で入浴者Ｈの身体の重心（腰のあたり）に近づけることができる。よって、入浴者Ｈの頭部の荷重が身体に受けた浮力を打消すように働き、入浴姿勢を安定させることができる。また、入浴者Ｈの身体の大小にかかわらず、浴槽３は後頭部を枕面８２Ｓに当接させ、背中を背もたれ面８１Ｓに当接させた入浴姿勢をとることができるため、入浴姿勢を安定させることができる。

　したがって、本実施形態の浴槽３も安定した入浴姿勢でリラックスして入浴することができる。

　本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
（１）上記実施形態では、背もたれ面が水平面に対して約５０度傾斜していたが、背もたれ面の水平面に対する傾斜は４０度以上であればよい。
（２）実施形態１及び２では、枕面が背もたれ面に対して約１５度傾斜しており、実施形態３では、枕面が仮想延長面よりも約７度傾斜していたが、枕面は背もたれ面よりも水平面に対する傾斜が急であればよい。
（３）上記実施形態では、座部が設けられていたが、座部を設けなくてもよい。
（４）実施形態２では、背もたれ部、枕部、及び座部が一体に形成されていたが、背もたれ部と枕部とが一体に形成され、貯湯部に着脱自在であればよい。
（５）上記実施形態では、入浴姿勢をとった入浴者の肩に向かって温水を吐水するために、吐水口、流入口、及び途中にポンプを配した循環路を有していたが、これらを有さなくてもよい。
（６）背もたれ部、枕部、及び座部はクッション性を有する材質で形成してもよい。

　１、２、３　　浴槽
　１０　　貯湯部
　３１、６１、８１　　背もたれ部
　３１Ｓ、６１Ｓ、８１Ｓ　　背もたれ面
　３２、６２、８２　　枕部
　３２Ｓ、６２Ｓ、８２Ｓ　　枕面
　３３、６３　　座部
　３３Ｓ、６３Ｓ　　座面
　Ｈ　　入浴者
　Ｘ　　（背もたれ面を上方へ延長した）仮想延長面
　Ｙ　　（背もたれ面の上端部における接線に沿って上方へ延長した）仮想延長面

Claims

　入浴者から見て前側に位置する前側面部を有する貯湯部と、
　水平面に対して４０度以上に傾斜し、前記入浴者の背中が当接する背もたれ面を有した背もたれ部と、
　前記背もたれ面を上方へ延長した仮想延長面から離れる方向かつ前記前側面部に向かって前記仮想延長面に対して傾斜し、水平面に対する傾斜が前記背もたれ面よりも急であり、前記入浴者の後頭部が当接する枕面を有した枕部と、
を備えている、浴槽。
　前記仮想延長面が、前記背もたれ面の上端部における接線に沿って上方へ延長した仮想延長面であり、前記接線の水平面に対する傾斜が前記背もたれ面よりも急であり、前記枕面が、前記貯湯部の上端よりも高い位置に配置されている、請求項１に記載の浴槽。
　前記背もたれ部の下端部に連続し、前記前側面部に向かって昇り傾斜しており、前記入浴者の臀部が当接する座面を有する座部を備えている、請求項１又は２記載の浴槽。
　前記背もたれ部及び前記枕部が着脱自在である、請求項１乃至３のいずれか１項記載の浴槽。