JP6584206B2 - 便器装置 - Google Patents
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Description
上向きの座面を有する便座と、
前向きの背当て面を有する板状の背もたれと、
前記背当て面に形成された膨出部と、
前記座面の後方に配され、前記座面の後端縁部と前記背当て面の下端縁部のうちいずれか一方の縁部又は両方の縁部を延長させた形態の弧状凹面とを備え、
前記膨出部の前面が、平面視において左右方向における中央部を凹ませた形態で湾曲し、
前記背もたれのうち前記膨出部の形成領域が、肉薄に形成されることで後方へ変位可能となっていることを特徴とする。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図10を参照して説明する。本実施例1の便器装置Aは、便鉢30を有する便器本体Bの上面に載置した状態で取り付けられるものである。便器装置Aは、上向きの座面12を有する便座10と、前向きの背当て面16を有する背もたれ15と、洗浄水を貯留するためのタンク31とを備えている。
便座10は、常には、便鉢30の上端面に載置された倒伏姿勢(図1〜4を参照)に置かれている。便座10は、その後端部の回動軸11(図5,6,8参照)を支点として倒伏姿勢に対して約90°立ち上がった起立姿勢(図8を参照)へ回動し得るようになっている。この回動軸11は、後述する背もたれ15の下端縁部15Eの近傍に配されている。
背もたれ15は、タンク31の前面に固定して設けられている。背もたれ15は、全体として正面視形状が略方形の板状をなしている。背もたれ15の前面(正面)は、その全領域が背当て面16となっている。図9に示すように、背もたれ15は、発泡ウレタン等の弾性を有する弾性部材17と、金属製(硬質)のフレーム18とをインサート成形等によって一体化させた形態である。弾性部材17の表面(背当て面16)には、合成皮革等の可撓性を有するシート材(図示省略)が貼り付けられて一体化されている。シート材は、弾性部材17と一体となって弾性変形するようになっている。この背もたれ15(背当て面16)を構成する弾性部材17の材料は、便座10(座面12及び弧状凹面14)とは異なり、且つ便座10よりも柔らかい材料である。
本実施例の便器装置Aは、左右対称な一対の肘掛け27を有している。肘掛け27は、タンク31の左右両側面に支持されており、背もたれ15の側縁から前方へ突出した形態である。肘掛け27は、金属製の心材28を発泡ウレタン等の弾性支持部材29で包囲した形態である(図10を参照)。肘掛け27の弾性支持部材29の素材は、背当て面16の素材(弾性部材17)よりは少し硬めのものが選択されているが、着座者が肘や腕を載せたときに不快感を感じない程度の弾力は有している。
便座10が倒伏姿勢となって便器本体Bに載置されている状態で、便座10に着座者が座ると、着座者の臀部が、座面12と弧状凹面14に接した状態で両面12,14によって下から支えられる。また、膨出部20は弧状凹面14よりも前方へ突出しているので、臀部を弧状凹面14に接触させた状態で、腰部を膨出部20に当てるとともに、背中を背当て面16のうち膨出部20よりも上方の領域に当てるようにすると、着座者の背骨は良好なS字形を描くように姿勢を矯正される。これにより、着座者は、リラックスした姿勢で便器装置Aに安定して身体を預けることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、背もたれの素材を弾性変形可能な材料としたが、背もたれは弾性変形し難い材料からなっていてもよい。
(2)上記実施例では、便座の後端縁部と背当て面の下端縁部とを近接させ、座面から弧状凹面を経て背当て面に至る領域が連続するようにしたが、これに限らず、便座の後端縁部と背当て面の下端縁部とが離間した位置関係であり、座面から弧状凹面を経て背当て面に至る領域の一部が不連続となっていてもよい。
(3)上記実施例では、便座と背もたれを異なる材料としたが、便座と背もたれを同じ材料としてもよい。
(4)上記実施例では、便座の座面を硬質の合成樹脂製としたが、座面は弾性変形な材料であってもよい。
(5)上記実施例では、弧状凹面が、座面の後端縁部のみを延長させた形態であるが、弧状凹面は、背当て面の下端縁部のみを延長させた形態でもよく、座面の後端縁部と背当て面の下端縁部の両方の縁部を延長させた形態でもよい。
(6)上記実施例では、便座に立上り部を形成したが、便座に立上り部を形成せず、座面の全体が概ね水平であってもよい。
(7)上記実施例では、立上り部を座面の全幅に亘って形成したが、幅方向における立上り部の形成範囲は、座面の全幅よりも狭い領域でもよい。
(8)上記実施例では、立上り部の上端縁をその全幅に亘ってほぼ水平としたが、立上り部の上端縁は幅方向に関して高低差を有していてもよい。
(9)上記実施例では、背当て面の素材を肘掛けの上面よりも軟らかい材料としたが、背もたれ面の素材は、肘掛けの上面と同じ柔らかさの材料でもよく、肘掛けの上面よりも硬い材料でもよい。
(10)上記実施例では、肘掛けを左右一対設けたが、肘掛けは、左右いずれか一方のみに設けてもよい。
(11)上記実施例では、背もたれの側縁から肘掛けを前方へ突出させているが、肘掛けを設けない形態としてもよい。
(12)上記実施例では、溝部が、背もたれの背面を凹ませた形態であるが、溝部は、背もたれの下端面を凹ませた形態や、背もたれの背面下端縁から下面に亘って凹ませた形態であってもよい。
(13)上記実施例では、変形許容手段が、背もたれの下端縁部を凹ませた溝部であるが、これに限らず、背もたれの下端縁部の内部に形成した中空空間によって変形許容手段を構成してもよく、背もたれのうち下端縁部のみを柔軟な材料とすることによって変形許容手段を構成してもよい。
(14)上記実施例では、溝部内にリブを形成したが、溝部にリブを形成しない形態としてもよい。
(15)上記実施例では、背もたれが弾性部材と金属製のフレームとを一体化させた形態としたが、背もたれは、弾性部材のみで構成してもよく、金属や合成樹脂からなる弾性変形し難い材料のみで構成してもよい。
(16)上記実施例では、背もたれを構成するフレームが金属製であるが、フレームは弾性変形し難い合成樹脂製であってもよい。
(17)上記実施例では、便座を起立させることができるようになっているが、本発明は、便座を起立させることのできない便器装置にも適用できる。
(18)上記実施例では、背もたれが固定されているが、本発明は、背もたれを後方へ傾けるためのリクライニング機構を備えた便器装置にも適用できる。
<参考例>
(1)上記実施例では、膨出部が、平面視において左右方向における中央部を凹ませた形態で湾曲しているが、参考形態として、膨出部は平面視において湾曲しない平坦な形状にすることも考えられる。
(2)上記実施例では、背もたれのうち膨出部の形成領域を後方へ変位し得るようにするための手段として、背もたれの後面に凹みを設けて肉薄としたが、参考形態として、背もたれのうち膨出部の形成領域の素材を、他の領域よりも柔らかい材料とすることも考えられる。
(3)上記実施例では、背もたれのうち膨出部の形成領域を、後方へ変位し得るようにしたが、参考形態として、背もたれのうち膨出部の形成領域は、後方へ変位しない形態も考えられる。
10…便座
10E…便座の後端縁部
12…座面
13…立上り部
14…弧状凹面
15…背もたれ
15E…背もたれの下端縁部
16…背当て面
20…膨出部
27…肘掛け
Claims (5)
- 上向きの座面を有する便座と、
前向きの背当て面を有する板状の背もたれと、
前記背当て面に形成された膨出部と、
前記座面の後方に配され、前記座面の後端縁部と前記背当て面の下端縁部のうちいずれか一方の縁部又は両方の縁部を延長させた形態の弧状凹面とを備え、
前記膨出部の前面が、平面視において左右方向における中央部を凹ませた形態で湾曲し、
前記背もたれのうち前記膨出部の形成領域が、肉薄に形成されることで後方へ変位可能となっていることを特徴とする便器装置。 - 前記背もたれが、弾性変形可能な材料からなることを特徴とする請求項1記載の便器装置。
- 前記便座が撥水性を有する材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の便器装置。
- 前記便座が硬質の合成樹脂材料からなり、
前記弧状凹面が、前記座面の後端縁部を立ち上がるように延長させた形態であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の便器装置。 - 前記背もたれの側縁部から前方へ突出した形態の肘掛けを有しており、
前記背当て面が前記肘掛け部の上面よりも軟らかい材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の便器装置。
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JP2015156918A JP6584206B2 (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 便器装置 |
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