WO2014148417A1 - 携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システム - Google Patents

Abstract

　使い勝手がよい操作マニュアルを使用して印刷装置を容易に操作できると共に、利用者が好きな場所で印刷装置を操作することが可能な装置を提供する。携帯型操作装置３０は、印刷装置１の操作マニュアルを表示しながら、印刷装置１を操作可能な装置である。携帯型操作装置３０は、操作マニュアルを表示する表示画面４０と、利用者により操作マニュアルに関する操作が入力される操作マニュアル入力部５０と、操作マニュアルが表示画面４０に表示されているときに、利用者により印刷装置１に関する操作が入力される装置操作入力部５５と、操作マニュアル入力部５０に入力した上記操作マニュアルに関する操作に基づいて表示画面４０に操作マニュアルを表示させると共に、装置操作入力部５５に入力した印刷装置１に関する操作に基づいて印刷装置１に入力信号を送信する制御部７０と、を備える。

Description

携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システム

　本発明は、携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システムに関する。

　近年、インクジェットプリンタまたはレーザプリンタ等に代表される印刷装置は、様々な用途に応じた機種があり、その機種毎に使用方法が異なることがある。そのため、印刷装置の機種毎に操作マニュアルが用意されている。利用者は、その操作マニュアルを読むことで、印刷装置を操作することができる。

　例えば、特許文献１には、パーソナルコンピュータに付属して使用されるプリンタ等からなる複合機において、パーソナルコンピュータへの入力操作の一部を、操作マニュアル内に記入された文字または記号をスキャナに読み取らせることによって行う操作情報入力方法が開示されている。

特開平６－１３９４０１号公報

　ところで、利用者は、印刷装置の使い方がわからないとき、操作マニュアルをその都度読み返す必要があった。また、利用者は、操作マニュアルのうち目的としている項目をすぐに見つけられるとは限らなかった。そのため、使用方法がわからない印刷装置を使用する場合、必要以上に時間を要することが多かった。また、印刷装置を操作する場合、従来では印刷装置に配置されている操作パネルを操作する、または、印刷装置を操作するためのドライバがインストールされているパーソナルコンピュータ上で操作する必要があり、印刷装置が操作できる場所が限定されていた。そのため、利用者の好きな場所で印刷装置を操作することができなかった。

　本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者にとって使い勝手がよい操作マニュアルを使用して印刷装置を容易に操作できると共に、利用者が好きな場所で印刷装置を操作することが可能な装置を提供することである。

　本発明者は、印刷装置を操作する操作装置を携帯型にすることで、利用者が好きな場所で印刷装置を操作することができるようにすることを考えた。更に、発明者は、その操作装置に操作マニュアルを表示させ、その操作マニュアル上に印刷装置を操作する項目を配置することで、同一画面上で操作マニュアルを読みながら印刷装置の操作をすることが可能であることを考えた。このことによって、利用者が使用方法を知らない印刷装置を使用する場合であっても、印刷装置を容易に操作できることを見出した。

　すなわち、本発明の携帯型操作装置は、記録媒体に印刷を行う印刷装置の操作マニュアルを表示しながら、前記印刷装置を操作可能な携帯型操作装置である。前記携帯型操作装置は、前記操作マニュアルを表示する表示画面と、利用者により前記操作マニュアルに関する操作が入力される操作マニュアル入力部と、前記操作マニュアルが前記表示画面に表示されているときに、利用者により前記印刷装置に関する操作が入力される装置操作入力部と、利用者が前記操作マニュアル入力部に入力した前記操作マニュアルに関する操作に基づいて前記表示画面に前記操作マニュアルを表示させると共に、利用者が前記装置操作入力部に入力した前記印刷装置に関する操作に基づいて前記印刷装置に入力信号を送信する制御部と、を備える。

　前記携帯型操作装置によれば、利用者は、同一画面上で、操作マニュアルを見ながら印刷装置に関する操作を入力することができる。そのため、利用者が印刷装置の操作方法がわからない印刷装置であっても、印刷装置を容易に操作することができる。また、本発明では、操作装置は携帯型であり、操作マニュアルを見ながら印刷装置の印刷に関する情報を入力する場所が限定されない。

　本発明の好ましい一態様によれば、前記操作マニュアル入力部および前記装置操作入力部は、前記表示画面に配置されたタッチパネルである。

　上記態様によれば、利用者が表示画面に直接触れて操作マニュアルを操作することができる。よって、利用者は、操作マニュアルを読みながら印刷装置に関する操作がしやすい。また、操作マニュアル入力部および装置操作入力部の操作をするためのボタン等を、表示画面を除く携帯型操作装置上に配置する必要がなく、携帯型操作装置に表示画面を最大限に配置することができ、利用者は表示画面に表示された操作マニュアルを見易い。

　本発明の印刷装置システムは、前記何れかの前記携帯型操作装置と、前記印刷装置とを備えている。前記携帯型操作装置は、前記印刷装置と無線通信可能に構成されている。

　前記印刷装置システムによれば、携帯型操作装置は、印刷装置と無線で通信している。そのため、利用者は、使用場所を限定されることなく携帯型操作装置を操作することができる。

　本発明の好ましい一態様によれば、前記印刷装置は、前記記録媒体を支持するプラテンと、前記プラテンよりも上方に配置され、主走査方向に移動しながら前記記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、前記プラテンの前記主走査方向の一方に配置され、操作画面または操作ボタンを有する操作パネルと、前記制御部からの前記入力信号を受信する本体側制御部と、を備えている。前記プラテンの前記主走査方向の長さは、Ａ０サイズの用紙の横幅以上の長さである。

　本発明の印刷装置では、プラテンの主走査方向の長さが、Ａ０サイズの用紙の横幅以上の長さである。そのため、例えば、利用者が印刷装置に触れて作業を行う手動メンテナンス等を行う場合、操作パネルを見ながらその作業を行うことができない場合がある。しかし、上記態様によれば、作業者は、携帯型操作装置上の操作マニュアルを見ながら上記作業を行うことができる。よって、作業者は、上記作業がし易い。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記印刷装置は、主走査方向の行き方向および帰り方向に移動可能に構成され、前記行き方向の移動中および前記帰り方向の移動中に前記記録媒体に印刷する記録ヘッドを備えている。前記装置操作入力部は、前記記録ヘッドによる前記行き方向の印刷と、前記記録ヘッドによる前記帰り方向の印刷との間に印刷のずれが生じている際に、上記ずれを補正する操作が入力される補正部を備えている。

　記録ヘッドによる行き方向の印刷と、記録ヘッドによる帰り方向の印刷とで印刷のずれが生じることがあり得る。上記態様によれば、装置操作入力部の補正部によって、その印刷のずれを補正することができる。よって、その印刷のずれが生じることなく記録媒体に印刷することができる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記装置操作入力部は、前記印刷装置が前記記録媒体に印刷する前に行われる試し印刷に関する操作が入力される試し印刷部を備えている。前記制御部は、前記試し印刷部に対して試し印刷に関する操作が入力された際、前記印刷装置の前記本体側制御部に試し印刷信号を送信するように構成されている。

　上記態様によれば、試し印刷をすることで、印刷のずれを事前に把握することができる。利用者は、試し印刷の結果を見ながら、印刷のずれを補正することができる。その結果、記録媒体に印刷するとき、記録ヘッドによる行き方向の印刷と記録ヘッドによる帰り方向の印刷とがずれることを事前に防ぐことができる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記印刷装置は、前記試し印刷を撮影する撮影装置を備える。前記制御部は、前記撮影装置によって撮影された前記試し印刷の画像を前記表示画面に表示させるように構成されている。

　上記態様によれば、撮影装置によって試し印刷を撮影し、その撮影した試し印刷の画像を表示画面に表示する。そのため、利用者は携帯型操作装置を操作している場所で、表示画面を見ながら印刷のずれを把握して、印刷のずれを補正することができる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動メンテナンスであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動メンテナンスのマニュアルである。前記操作マニュアル入力部は、利用者により前記第１の工程が終了したことを示す操作が入力される終了入力部を備えている。前記制御部は、前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、利用者による前記終了入力部に対する入力が行われたとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、を備えている。

　上記態様によれば、利用者は、携帯型操作装置の表示画面に表示された手動メンテナンスのマニュアルを見ながら、印刷装置の手動メンテナンスを行うことができる。例えば、利用者は、表示画面に表示された第１の工程のマニュアルを見ながら、第１の工程を行うことができる。利用者は、手動メンテナンスの第１の工程が終了した後、終了入力部を操作する。このとき、第２表示部によって、表示画面に第２の工程のマニュアルが表示される。よって、利用者は、表示画面に表示された第２の工程のマニュアルを見ながら、第２の工程を行うことができる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動メンテナンスであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動メンテナンスのマニュアルである。前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備えている。前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する前記操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、を備えている。

　上記態様によれば、利用者による手動メンテナンスの第１の工程が終了すると、検出部によって第１の工程が終了したことが検出される。このとき、検出部は、制御部に検出信号を送信する。検出信号を受信した制御部は、第２表示部によって、手動メンテナンスの第２の工程のマニュアルを表示画面に表示させる。上記態様では、携帯型操作装置と印刷装置との双方向通信によって、表示画面に表示される手動メンテナンスのマニュアルが自動で切り替わる。したがって、利用者が携帯型操作装置を操作することなく、表示画面に表示されるマニュアルを切り替えることができる。よって、利用者が手動メンテナンスをより行い易くなる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動クリーニングであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動クリーニングのマニュアルである。前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備えている。前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、を備えている。

　上記態様によれば、利用者による手動クリーニングの第１の工程が終了すると、検出部によって第１の工程が終了したことが検出される。このとき、検出部は、制御部に検出信号を送信する。検出信号を受信した制御部は、第２表示部によって、手動クリーニングの第２の工程のマニュアルを表示画面に表示させる。上記態様では、携帯型操作装置と印刷装置との双方向通信によって、表示画面に表示される手動クリーニングのマニュアルが自動で切り替わる。したがって、利用者が携帯型操作装置を操作することなく、表示画面に表示されるマニュアルを切り替えることができる。よって、利用者が手動クリーニングをより行い易くなる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記印刷装置は、前記記録ヘッドのクリーニングをする交換可能なクリーニング部材を備えている。前記操作マニュアルは、利用者が行う前記クリーニング部材の交換であって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記クリーニング部材の交換のマニュアルである。前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備えている。前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、を備えている。

　上記態様によれば、利用者によるクリーニング部材の交換の第１の工程が終了すると、検出部によって第１の工程が終了したことが検出される。このとき、検出部は、制御部に検出信号を送信する。検出信号を受信した制御部は、第２表示部によって、クリーニング部材の交換の第２の工程のマニュアルを表示画面に表示させる。上記態様では、携帯型操作装置と印刷装置との双方向通信によって、表示画面に表示されるクリーニング部材の交換のマニュアルが自動で切り替わる。したがって、利用者が携帯型操作装置を操作することなく、表示画面に表示されるマニュアルを切り替えることができる。よって、利用者がクリーニング部材の交換をより行い易くなる。

　本発明の好ましい他の一態様によれば、前記印刷装置は、主走査方向に移動可能に構成され、前記記録媒体の少なくとも一部を切断する交換可能なカッターを備えている。前記操作マニュアルは、利用者が行う前記カッターの交換であって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記カッターの交換のマニュアルである。前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備えている。前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程におけるマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、を備えている。

　上記態様によれば、利用者によるカッターの交換の第１の工程が終了すると、検出部によって第１の工程が終了したことが検出される。このとき、検出部は、制御部に検出信号を送信する。検出信号を受信した制御部は、第２表示部によって、カッターの交換の第２の工程のマニュアルを表示画面に表示させる。上記態様では、携帯型操作装置と印刷装置との双方向通信によって、表示画面に表示されるカッターの交換のマニュアルが自動で切り替わる。したがって、利用者が携帯型操作装置を操作することなく、表示画面に表示されるマニュアルを切り替えることができる。よって、利用者がカッターの交換をより行い易くなる。

　本発明によれば、利用者にとって使い勝手がよい操作マニュアルを使用して印刷装置を容易に操作できると共に、利用者が好きな場所で印刷装置を操作することが可能な携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システムを提供することができる。

第１実施形態に係る印刷装置システムの一部を切り欠いて示す斜視図である。 印刷装置の主要要素のブロック図である。 携帯型操作装置の模式図である。 印刷制御装置と携帯型操作装置の主要要素とのブロック図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図であり、図５の操作マニュアルから説明文を省略した図である。 携帯型操作装置を操作して印刷装置に印刷する手順を示すフローチャートである。 試し印刷の表示例を示す図である。 第２実施形態に係る印刷装置システムの主要要素のブロック図である。 第３実施形態に係る印刷装置システムのプリンタの正面図である。 記録ヘッドを下から見たときの記録ヘッドの斜視図である ワイパーおよびその周辺を示す図である。 フラッシングユニットを示す図である。 第３実施形態に係る印刷装置システムの主要要素のブロック図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 操作マニュアルの表示例を示す図である。 プリンタの手動クリーニングを行う手順を示すフローチャートである。

　以下、本発明の一実施形態に係る携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システムについて説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。

　＜第１実施形態＞
　図１は、本実施形態に係る印刷装置システム１００Ａの一部を切り欠いて示す斜視図である。図１に示すように、印刷装置システム１００Ａは、印刷装置１と、操作装置３０と、を備えている。

　本実施形態に係る印刷装置システム１００Ａの印刷装置は、インクジェットプリンタ（以下、単にプリンタという）１である。ただし、本発明に係る印刷装置はインクジェット方式のプリンタに限定されず、例えば、レーザー方式のプリンタであってもよい。

　プリンタ１は、記録紙５に印刷を行うものである。ここでは、記録紙５はロール状の記録媒体であり、所謂ロール紙である。本実施形態では、記録紙５が本発明に係る記録媒体に対応する。しかし、本発明に係る記録媒体は記録紙５に限定されない。記録媒体は、他のシート状の記録媒体、例えば、樹脂製のシート等であってもよい。また、記録媒体の可撓性や厚みの如何は問わない。すなわち、記録媒体は、ガラス基板等の硬いものであってもよいし、段ボール等の厚みのあるものであってもよい。

　図１において、符号Ｆ、Ｒｒ、ＬおよびＲは、それぞれ前、後、左および右を表している。後述する記録ヘッド２０は左方および右方に移動可能であり、記録紙５は前方および後方に搬送可能である。本実施形態では、記録ヘッド２０の移動方向および記録紙５の搬送方向をそれぞれ主走査方向および副走査方向という。ここでは、主走査方向は左右方向に対応し、副走査方向は前後方向に対応する。主走査方向と副走査方向とは直交している。ただし、主走査方向および副走査方向は特に限定される訳ではなく、プリンタ１の形態等に応じて適宜に設定可能である。また、搬送装置として、記録媒体を載置したテーブル自体を前後左右に動かす装置を備えていてもよい。

　本実施形態では、プリンタ１は、記録紙５を支持するプラテン１２を備えている。プラテン１２には、円筒状のグリッドローラ１３が設けられている。グリッドローラ１３は、その上面部を露出させた状態でプラテン１２に埋設されている。グリッドローラ１３は、図示しないフィードモータによって駆動される。

　プラテン１２の上方には、ガイドレール１６が配置されている。ガイドレール１６は、プラテン１２と平行に配置され、左右に延びている。ガイドレール１６の下方には、複数のピンチローラ１７が略等間隔に配置されている。ピンチローラ１７は、グリッドローラ１３に対向している。ピンチローラ１７は、記録紙５の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されており、グリッドローラ１３との間に記録紙５を挟み込む。グリッドローラ１３およびピンチローラ１７は、記録紙５を狭持しながら前後に搬送可能に構成されている。

　ガイドレール１６は、前方に突出した係合部１８を有している。プリンタ１は、インクを記録紙５に吐出する記録ヘッド２０を備え、記録ヘッド２０は、ケース２１に収納されている。ケース２１の背面には、キャリッジ２２が設けられている。キャリッジ２２の後側部分には、前向きに凹んだ凹部が形成されている。この凹部には、ガイドレール１６の係合部１８が係合している。キャリッジ２２は、ガイドレール１６に沿って摺動可能であり、左右方向に移動可能である。記録ヘッド２０は、キャリッジ２２を介してガイドレール１６によって左右方向に案内される。

　ケース２１の背面上部には、左右に延びる駆動ベルト１９の一部が固定されている。駆動ベルト１９は、図示しないスキャンモータに接続され、このスキャンモータによって駆動される。記録ヘッド２０は、駆動ベルト１９を介して、このスキャンモータによって駆動される。記録ヘッド２０は、記録紙５の主走査方向に移動しながら記録紙５にインクを吐出する。本実施形態では、記録ヘッド２０は、主走査方向のうち行き方向および帰り方向において記録紙５に印刷を行う。ここでは、行き方向とは、右から左へ向かう方向のことをいい、帰り方向とは、左から右へ向かう方向のことをいう。すなわち、本実施形態では、プリンタ１は、双方向印刷が可能な印刷装置である。

　図２は、プリンタ１の主要要素のブロック図である。図２に示すように、プリンタ１は、記録ヘッド２０を左右方向（主走査方向）に移動させる駆動機構２３と、記録紙５を前後方向（副走査方向）に送り出す紙送り機構２４とを備えている。本実施形態では、駆動機構２３は、駆動ベルト１９および駆動ベルト１９を駆動するスキャンモータ（図示なし）によって構成され、紙送り機構２４は、グリッドローラ１３、グリッドローラ１３を駆動するフィードモータ（図示なし）およびピンチローラ１７によって構成されている。

　また、プリンタ１は、プリンタ１の内部に設けられたマイクロコンピュータからなる印刷制御装置２５を備えている。本実施形態では、印刷制御装置２５は、「本体側制御部」の一例である。印刷制御装置２５は、画像データ記憶部２６と画像記録部２７とを備えている。画像データ記憶部２６は、記録紙５に印刷する画像データを記憶する。画像記録部２７は、画像データ記憶部２６の印刷する画像データに基づいて、駆動機構２３、記録ヘッド２０および紙送り機構２４を制御して記録紙５に印刷を行う。本実施形態では、画像データ記憶部２６はプリンタ１の内部に設けられているが、画像データ記憶部２６は、無線または有線で通信可能なパーソナルコンピュータ等に設けられてもよい。

　次に、本実施形態に係る操作装置３０について説明する。図３は、操作装置３０の模式図である。図４は、印刷制御装置２５と操作装置３０の主要要素とのブロック図である。図３に示すように、操作装置３０は、記録紙５に印刷を行うプリンタ１の操作マニュアル４１を表示しながら、プリンタ１を操作可能な装置である。操作装置３０は、携帯型の装置であり、図１に示すように、プリンタ１に着脱可能に取り付けられている。このように、本実施形態では、操作装置３０は携帯型であるため、利用者が好きな場所で操作装置３０を操作することができる。操作装置３０の大きさは、特に限定されるものではなく、利用者が片手で持ち運ぶことができるような大きさであることが好ましい。操作装置３０は、プリンタ１と無線で通信可能である。この操作装置３０とプリンタ１との通信方法は、特に限定されるものではなく、例えば、電波、光または音波による通信であってもよい。また、操作装置３０とプリンタ１とが直接通信するようなものであってもよいし、インターネット等を利用し、アクセスポイントを介して操作装置３０とプリンタ１とを通信するようなものであってもよい。なお、本実施形態において、操作装置３０が本発明に係る携帯型操作装置の一例である。操作装置３０は、図４に示すように、表示画面４０と操作マニュアル入力部５０と装置操作入力部５５と制御部７０とを備えている。

　図３に示すように、表示画面４０には、操作マニュアル４１が表示される。本実施形態では、表示画面４０の表面はタッチパネルとなっており、そのタッチパネルが操作マニュアル入力部５０および装置操作入力部５５となる。

　操作マニュアル４１とは、プリンタ１を操作するための操作手順が記載されているものである。図５は、操作マニュアル４１の表示例である。本実施形態では、以下の説明において、図５に示すように、プリンタ１の操作マニュアルのうち、記録紙５の主走査方向における行き方向の印刷と帰り方向の印刷との印刷のずれを補正する操作マニュアル４１について説明する。この印刷のずれとは、本実施形態のように、記録紙５の主走査方向における行き方向および帰り方向の記録ヘッド２０の移動において、記録ヘッド２０がインクを吐出して記録紙５に印刷するときに生じるものであり、その印刷のずれ方は、プリンタ１および記録紙５の厚さ等によって異なる。よって、利用者は、異なるプリンタ１を使用するときや、厚さが異なる記録紙５を使用するとき、この印刷のずれを補正する設定をするとよい。

　図４に示すように、操作マニュアル入力部５０は、利用者による操作マニュアル４１に関する操作が入力される。本実施形態では、表示画面４０上に、操作マニュアル入力部５０用の仮想的な各ボタン等が配置されている。ここでは、例えば、図３に示すように、表示画面４０上に、操作マニュアル表示ボタン４３、説明文表示／非表示ボタン４４およびページ遷移ボタン４５が配置されている。操作マニュアル表示ボタン４３は、操作マニュアル４１を表示画面４０に表示させるボタンである。説明文表示／非表示ボタン４４は、操作マニュアル４１に記載されている各操作項目の説明を表示または非表示にさせるボタンである。ページ遷移ボタン４５は、操作マニュアル４１のページ数が複数ある場合、操作マニュアル４１のうち表示画面４０に表示されているページを変更させるボタンである。利用者は、操作マニュアル入力部５０を介して、上記各ボタンを操作することで操作マニュアル４１を操作する。なお、上記各ボタンの配置場所は特に限定されない。

　図４に示すように、装置操作入力部５５は、操作マニュアル４１が表示画面４０に表示されている間、利用者によるプリンタ１に関する操作が入力される。本実施形態では、表示画面４０に表示されている操作マニュアル４１内には、装置操作入力部５５用の仮想的な各ボタン等が配置されている。ここでは、例えば、図５に示すように、操作マニュアル４１内に、試し印刷ボタン４７、補正値設定項目４８および印刷開始ボタン４９が配置されている。試し印刷ボタン４７は、プリンタ１が記録紙５に印刷する前に行われる試し印刷に関する操作が入力されるものであり、プリンタ１に試し印刷をさせるボタンである。ここでの試し印刷とは、記録ヘッド２０による行き方向の印刷と帰り方向の印刷との間の印刷のずれを見るためのものである。なお、試し印刷ボタン４７は、本発明の試し印刷部の一例である。補正値設定項目４８は、プリンタ１の記録ヘッド２０による印刷のずれがある場合、その印刷のずれを補正するための補正値を設定する項目である。なお、補正値設定項目４８は、本発明の印刷のずれを補正する操作が入力される補正部の一例である。印刷開始ボタン４９は、記録紙５に印刷するためのボタンである。利用者は、装置操作入力部５５を介して、上記各ボタンまたは項目を操作することでプリンタ１の印刷情報を設定する。なお、上記各ボタンおよび項目の配置場所は特に限定されない。

　次に、本実施形態に係る操作装置３０の制御部７０について説明する。制御部７０は、操作装置３０に内蔵され、マイクロコンピュータからなるものである。図４に示すように、制御部７０は、表示画面４０と操作マニュアル入力部５０と装置操作入力部５５と電気的に接続されている。制御部７０は、利用者が操作マニュアル入力部５０に入力した操作マニュアル４１に関する操作に基づいて表示画面４０に操作マニュアル４１を表示させる。また、本実施形態では、制御部７０は、プリンタ１の印刷制御装置２５と電気的に接続されており、印刷制御装置２５とは無線によって通信している。制御部７０は、利用者が装置操作入力部５５に入力したプリンタ１に関する操作に基づいてプリンタ１の印刷制御装置２５に入力信号を送信する。制御部７０は、操作マニュアル制御部７２と、印刷情報制御部７４と、試し印刷制御部７６と、を備えている。

　操作マニュアル制御部７２は、利用者が操作マニュアル入力部５０に入力した操作マニュアル４１に関する操作に基づいて、表示画面４０に操作マニュアル４１を表示させる。具体的には、利用者が操作マニュアル表示ボタン４３を押すと、操作マニュアル制御部７２は、表示画面４０に操作マニュアル４１を表示させる。また、利用者が説明文表示／非表示ボタン４４を押すと、操作マニュアル制御部７２は、表示画面４０の操作マニュアル４１の説明文が表示されている場合はその表示を削除し、その説明文が表示されていない場合はその説明文を表示させる。図６は、操作マニュアル４１の表示例を示す図であり、図５のうち説明文を省略した図である。本実施形態では、図５のような操作マニュアル４１が表示画面４０に表示されている状態で、説明文表示／非表示ボタン４４が押されると、図６のような説明文が省略された操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。また、図６のような操作マニュアル４１が表示画面４０に表示されている状態で、説明文表示／非表示ボタン４４が押されると、図５のような説明文が表示された操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。このことによって、操作マニュアル４１の説明文を表示させることを省略でき、利用者がプリンタ１の操作方法を知っている場合、利用者はその説明文を読むことなくプリンタ１を操作できる。よって、操作の時間短縮となる。利用者がページ遷移ボタン４５を押すと、操作マニュアル制御部７２は、表示画面４０に表示されている操作マニュアル４１のページを遷移させる。

　印刷情報制御部７４は、利用者が装置操作入力部５５に入力したプリンタ１に関する操作に基づいてプリンタ１に入力信号を送信する。具体的には、利用者が印刷開始ボタン４９を押すと、印刷情報制御部７４は、印刷開始信号と共に、補正値設定項目４８で設定した印刷のずれに対する補正値を印刷制御装置２５に送信する。試し印刷制御部７６は、利用者が試し印刷ボタン４７を押すと、試し印刷信号を印刷制御装置２５に送信する。

　次に、本実施形態に係る印刷装置システム１００Ａにおいて、プリンタ１における記録紙５の主走査方向のうち行き方向の印刷と帰り方向の印刷との印刷のずれを操作装置３０で補正して、その補正値に基づいて記録紙５に印刷する手順について説明する。図７は、操作装置３０を操作してプリンタ１に印刷する手順を示すフローチャートである。図７に示すように、先ず、利用者は操作装置３０の操作マニュアル表示ボタン４３を押すことで、操作マニュアル制御部７２によって表示画面４０に操作マニュアル４１を表示させる（ステップＳ１）。

　次に、プリンタ１における記録紙５の主走査方向における行き方向の印刷と帰り方向の印刷との印刷のずれを補正するために、試し印刷を行う（ステップＳ２）。ここでは、利用者が試し印刷ボタン４７を押すことで、試し印刷制御部７６は、試し印刷信号を印刷制御装置２５に送信する。ここで、試し印刷信号を受信した印刷制御装置２５は、駆動機構２３、記録ヘッド２０および紙送り機構２４を制御し、試し印刷を行う。なお、試し印刷を行う記録媒体は、記録紙５であってもよいし、試し印刷を印刷する専用の用紙であってもよい。本実施形態では、記録紙５に試し印刷の印刷をしている。

　次に、利用者は、試し印刷された記録紙５を見て、印刷のずれに対する補正値を設定する（ステップＳ３）。図８は、試し印刷の表示例を示す図である。本実施形態では、図８に示すように、試し印刷には、各補正値を設定した場合の記録ヘッド２０による行き方向の印刷と記録ヘッド２０による帰り方向の印刷の印刷結果が表示されている。例えば、印刷のずれの補正値「１」には、プリンタ１において、補正値を「１」に設定した場合の記録ヘッド２０による行き方向の印刷と記録ヘッド２０による帰り方向の印刷の印刷結果が表示されている。ここで、線Ｌ１は、記録紙５の主走査方向における記録ヘッド２０による行き方向の印刷であり、線Ｌ２は、記録紙５の主走査方向における記録ヘッド２０による帰り方向の印刷であり、線Ｌ１と線Ｌ２との間隔が印刷のずれとなる。この線Ｌ１と線Ｌ２との間隔が零のとき、すなわち、線Ｌ１と線Ｌ２とが重なっているとき、印刷のずれは零となる。図８の試し印刷の例では、補正値が「－２」のとき、印刷のずれが零となる。よって、利用者は、この試し印刷の結果を見て適切な補正値を補正値設定項目４８に設定すればよい。

　次に、プリンタ１を利用して記録紙５に印刷する（ステップＳ４）。ここでは、利用者が印刷開始ボタン４９を押すと、印刷情報制御部７４は、印刷開始信号と共に、補正値設定項目４８で設定した印刷のずれに対する補正値（ここでは、－２）を印刷制御装置２５に送信する。印刷開始信号および補正値を受信した印刷制御装置２５は、画像記録部２７によって、画像データ記憶部２６の印刷する画像データおよび受信した補正値に基づいて駆動機構２３、記録ヘッド２０および紙送り機構２４を制御し、記録紙５に印刷する。このことによって、印刷のずれが生じない印刷をすることができる。

　なお、利用者が事前に記録紙５に対するプリンタ１の印刷のずれの補正値がわかっている場合、ステップＳ２の試し印刷を行う手順を省略してもよい。

　以上のように、本実施形態では、図３に示すように、携帯型操作装置の一例である操作装置３０は、記録紙５に印刷を行うプリンタ１の操作マニュアル４１を表示しながら、プリンタ１を操作可能な装置である。このことによって、利用者は、同一の表示画面４０上で、操作マニュアル４１を見ながらプリンタ１の印刷に関する操作を入力することができる。そのため、利用者が操作方法をわからないプリンタ１であっても、プリンタ１を容易に操作することができる。また、本実施形態では、操作装置３０は携帯型であり、操作マニュアル４１を見ながらプリンタ１の印刷に関する情報を入力する場所が限定されない。

　また、本実施形態では、操作マニュアル入力部５０および装置操作入力部５５は、表示画面４０に配置されたタッチパネルである。このことによって、利用者が表示画面４０に直接触れて操作マニュアル４１を操作することができる。よって、利用者は、操作マニュアル４１を読みながらプリンタ１に関する操作がしやすい。また、操作マニュアル入力部５０および装置操作入力部５５の操作をするためのボタン等を、表示画面４０を除く操作装置３０上に配置する必要がなく、操作装置３０に表示画面４０を最大限に配置することができる。よって、利用者は表示画面４０に表示された操作マニュアル４１を見易い。

　本実施形態では、印刷装置システム１００Ａは、操作装置３０と、プリンタ１と、備えている。操作装置３０は、プリンタ１と無線通信可能に構成されている。このことによって、操作装置３０は、プリンタ１と無線で通信し、利用者は、使用場所を限定されることなく操作装置３０を操作することができる。

　本実施形態では、プリンタ１は、主走査方向の行き方向および帰り方向に移動可能に構成され、行き方向の移動中および帰り方向の移動中に記録紙５に印刷する記録ヘッド２０を備える。装置操作入力部５５は、補正部の一例である補正値設定項目４８を備える。記録ヘッド２０による行き方向の印刷と、記録ヘッド２０による帰り方向の印刷とで印刷のずれが生じることがあり得るが、本実施形態では、装置操作入力部５５の補正部によって、その印刷のずれを補正する値を設定することができる。よって、印刷のずれが生じることなく記録紙５に印刷することができる。

　本実施形態では、装置操作入力部５５は、試し印刷部の一例である試し印刷ボタン４７を備える。制御部７０は、試し印刷ボタン４７に対して試し印刷に関する操作が入力された際、印刷制御装置２５に試し印刷信号を送信するように構成されている。このように、本実施形態では、試し印刷をすることで、印刷のずれを事前に把握することができる。利用者は、試し印刷の結果を見ながら、印刷のずれを補正する値を設定することができる。その結果、記録紙５に印刷するとき、行き方向の記録紙５への印刷と帰り方向の記録紙５への印刷とがずれることを事前に防ぐことができる。

　以上、第１実施形態に係る操作装置３０を備えた印刷装置システム１００Ａについて説明したが、本発明に係る印刷装置システムは、第１実施形態に係る印刷装置システム１００Ａに限らず、他の種々の形態で実施することができる。次に、他の実施形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を使用し、その説明は省略することとする。

　＜第２実施形態＞
　第１実施形態では、利用者は、試し印刷ボタン４７を押すことで、プリンタ１が試し印刷を記録紙５に印刷し、利用者がその試し印刷された記録紙５を見ながら、印刷のずれに対する補正値を決定していた。しかし、利用者が試し印刷された記録紙５を直接見ることなく試し印刷の結果を知り、印刷のずれの補正値を決定してもよい。

　図９は、第２実施形態に係る印刷装置システム１００Ｂの主要要素のブロック図である。本実施形態では、図９に示すように、印刷装置システム１００Ｂは、撮影装置９０を備えている。撮影装置９０は、試し印刷を行った記録紙５を撮影するものである。撮影装置９０の種類は特に限定されないが、例えばカメラである。撮影装置９０の配置位置は、特に限定されず、例えばプラテン１２（図１参照）の上方に位置している。本実施形態では、撮影装置９０は、プリンタ１の印刷制御装置２５と電気的に接続されている。印刷制御装置２５が撮影装置９０に撮影信号を送信する。撮影信号を受信した撮影装置９０は、試し印刷を行った用紙を撮影する。

　本実施形態では、利用者が操作装置３０の装置操作入力部５５を介して試し印刷ボタン４７を押すことで、制御部７０の試し印刷制御部７６は、試し印刷信号を印刷制御装置２５に送信する。試し印刷信号を受信した印刷制御装置２５は、駆動機構２３、記録ヘッド２０および紙送り機構２４を制御し、試し印刷を行う。その後、印刷制御装置２５は、撮影装置９０に撮影信号を送信し、撮影信号を受信した撮影装置９０は、試し印刷された記録紙５を撮影する。その後、印刷制御装置２５は、試し印刷の画像を制御部７０に送信し、制御部７０の試し印刷制御部７６は、試し印刷の画像を表示画面４０の操作マニュアル４１上に表示させる。利用者は、操作マニュアル４１上の試し印刷の画像を見ながら、印刷のずれの補正値を補正値設定項目４８に設定する。

　このように、本実施形態では、第１実施形態と同様の効果が得られると共に、撮影装置９０によって試し印刷を撮影し、その撮影した試し印刷の画像を表示画面４０に表示させることで、試し印刷が印刷された記録紙５をプリンタ１まで取りに行く必要がない。そのため、利用者は操作装置３０を操作している場所から移動することなく、表示画面４０に表示された試し印刷の画像データを見ながら印刷のずれを把握して、印刷のずれを補正することができる。

　＜第３実施形態＞
　次に、第３実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃについて説明する。図１０は、第３実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃのプリンタ１Ｃの正面図である。図１０に示すように、印刷装置システム１００Ｃは、プリンタ１Ｃを備えている。

　プリンタ１Ｃは、プラテン１２を備えている。プラテン１２は、記録ヘッド２０より下方に配置されている。プラテン１２の主走査方向の長さ、すなわち、プラテン１２の左右方向の長さは、Ａ０サイズの用紙の横幅（言い換えると、短辺の長さ）以上の長さである。Ａ０サイズの用紙とは、寸法が８４１ｍｍ×１１８９ｍｍである。また、プラテン１２の主走査方向の長さは、Ａ１サイズの用紙の縦幅（言い換えると、長辺の長さ）以上の長さである。プラテン１２の主走査方向の長さは、Ｂ１サイズの用紙の横幅以上の長さでもある。本実施形態では、プリンタ１Ｃの主走査方向の長さは、利用者の片腕の長さよりも長い。プリンタ１Ｃの主走査方向の長さは、利用者が片腕を主走査方向に伸ばしたときにおける、利用者の目から上記片腕の指先までの長さよりも長い。プリンタ１Ｃは、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向に長い、いわゆる大型のプリンタである。

　プリンタ１Ｃは、操作パネル６０を備えている。操作パネル６０とは、利用者がプリンタ１Ｃを操作するものである。操作パネル６０は、プラテン１２の右方に配置されている。ただし、操作パネル６０は、プラテン１２の左方に配置されてもよい。操作パネル６０は、利用者がプリンタ１Ｃの印刷設定などを入力する操作ボタン６１と、プリンタ１Ｃに関する情報が表示される操作画面６２とを有している。利用者は、操作画面６２を見ながら操作ボタン６１を操作することによって、印刷に関する設定、および、印刷開始の指示などをすることができる。

　プラテン１２の上方には、カバー体６５が開閉自在に設けられている。また、カバー体６５の左方には、左カバー体６５Ｌが開閉自在に設けられている。操作パネル６０の周囲であって、カバー体６５の右方には、右カバー体６５Ｒが開閉自在に設けられている。ここでは、カバー体６５、左カバー体６５Ｌおよび右カバー体６５Ｒは、着脱自在に設けられている。カバー体６５、左カバー体６５Ｌおよび右カバー体６５Ｒは、例えば、ねじによってプリンタ１Ｃの本体に取り付けられている。

　図１１は、記録ヘッド２０を下から見たときの記録ヘッド２０の斜視図である。図１１に示すように、記録ヘッド２０の下面には、吐出部２０ａが設けられている。ここでは、記録ヘッド２０が収納されたケース２１の下面は、開口している。吐出部２０ａは、ケース２１の開口を通って、下方に突出している。吐出部２０ａは、ケース２１から露出している。ここでは、吐出部２０ａから記録紙５に向かってインクが吐出される。なお、本実施形態では、図１０に示すように、プラテン１２の左方かつ後方には、複数のインクカードリッジ２０ｂが取り付けられている。記録ヘッド２０は、図示しないチューブを介してインクカードリッジ２０ｂに接続されている。

　プリンタ１Ｃは、カッティングヘッド６６を備えている。カッティングヘッド６６は、記録ヘッド２０と着脱自在に連結する。カッティングヘッド６６には、カッター６６ａが着脱自在に取り付けられている。カッター６６ａは、交換可能なものである。カッティングヘッド６６は、キャリッジ２２を介してガイドレール１６によって左右方向に案内される。カッティングヘッド６６は、主走査方向に移動し、かつ、記録紙５が副走査方向に移動することで、記録紙５の切り取り加工を行う。カッター６６ａによって、記録紙５の少なくとも一部は切断される。なお、本実施形態では、左カバー体６５Ｌの下方に位置するガイドレール１６の一部１６ａ（図１６参照）は、取り外すことができる。

　プラテン１２の右方には、ワイパー６７およびフラッシングユニット６８が配置されている。ワイパー６７およびフラッシングユニット６８は、右カバー体６５Ｒの下方に配置されている。ワイパー６７は、フラッシングユニット６８の左方に配置されている。図１２は、ワイパー６７およびその周辺を示す図である。図１２に示すように、ワイパー６７は、プラテン１２の右方に設けられた装着部６７ａに着脱可能に装着されている。ワイパー６７は、交換可能なものである。ワイパー６７は、記録ヘッド２０の吐出部２０ａの周辺を清掃するものである。記録ヘッド２０がワイパー６７の上方を通過すると、記録ヘッド２０がワイパー６７によって適度にすられ、記録ヘッド２０に付着している不要なインクなどが除去される。

　フラッシングユニット６８は、記録ヘッド２０の吐出部２０ａから一定量のインクが吐出される。フラッシングユニット６８は、記録ヘッド２０が待機位置ＨＰ１（図１０参照）に位置するときに、吐出部２０ａに対向するように配置されている。図１３は、フラッシングユニット６８を示す図である。図１３に示すように、フラッシングユニット６８は、スポンジ６８ａと、スポンジ６８ａの周囲を囲む枠体６８ｂとを備えている。フラッシングユニット６８は、ポンプ（図示せず）に接続されたチューブ（図示せず）などを介して廃液タンク（図示せず）と接続されている。スポンジ６８ａは、吐出部２０ａから吐出されたインクを吸収するものである。スポンジ６８ａに吸収されたインクは、上記ポンプによって上記廃液タンクに排出される。

　図１４は、第３実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃの主要要素のブロック図である。図１４に示すように、印刷装置システム１００Ｃは、左カバーセンサ８１Ｌと右カバーセンサ８１Ｒとを備えている。左カバーセンサ８１Ｌは、カバー体６５の左方に設けられた左カバー体６５Ｌが利用者によって開放または閉鎖されたことを検出するものである。ここでは、左カバーセンサ８１Ｌは、左カバー体６５Ｌに配置されている。右カバーセンサ８１Ｒは、カバー体６５の右方に設けられた右カバー体６５Ｒが利用者によって開放または閉鎖されたことを検出するものである。ここでは、右カバーセンサ８１Ｒは、右カバー体６５Ｒに配置されている。左カバーセンサ８１Ｌおよび右カバーセンサ８１Ｒは、例えば、位置センサである。ただし、左カバーセンサ８１Ｌおよび右カバーセンサ８１Ｒの配置位置および種類は特に限定されない。なお、本実施形態では、左カバーセンサ８１Ｌおよび右カバーセンサ８１Ｒが「検出部」に対応する。

　次に、本体側制御部２５について説明する。本体側制御部２５は、左カバーセンサ８１Ｌおよび右カバーセンサ８１Ｒと電気的に接続されている。本体側制御部２５は、送信部２５ａを備えている。左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが利用者によって開放または閉鎖されたことが検出されたとき、送信部２５ａは、制御部７０の受信部７７に第１開放検出信号または第１閉鎖検出信号を送信する。また、右カバーセンサ８１Ｒによって、右カバー体６５Ｒが利用者によって開放または閉鎖されたことが検出されたとき、送信部２５ａは、受信部７７に第２開放検出信号または第２閉鎖検出信号を送信する。

　図１５～図２４は、操作マニュアル４１の表示例を示す図である。本実施形態では、操作マニュアル４１は、利用者がプリンタ１Ｃに対して行う手動メンテナンスのマニュアルである。ここで、「手動メンテナンス」とは、利用者が自ら行うプリンタ１Ｃのメンテナンスである。「手動メンテナンス」には、手動クリーニング、カッティングヘッド６６のカッター６６ａの交換、および、ワイパー６７の交換などが含まれる。ここでは、「手動クリーニング」とは、利用者が行うプリンタ１Ｃのクリーニングであり、例えば、記録ヘッド２０の吐出部２０ａの周辺、ワイパー６７、および、フラッシングユニット６８の枠体６８ｂなどの清掃が含まれる。記録ヘッド２０の吐出部２０ａの周辺、ワイパー６７およびフラッシングユニット６８ｂの枠体６８ｂなどには、インクが付着することがある。このことによって、吐出部２０ａがインクで詰まったり、印刷に斑が生じたりすることがある。この手動クリーニングは、定期的に行われるとよい。ここでは、手動メンテナンスのうち、手動クリーニングの操作マニュアル４１について説明する。利用者は、表示画面４０に表示された手動クリーニングの操作マニュアル４１を見ながら、プリンタ１Ｃの手動クリーニングを行う。なお、手動クリーニングには、複数の工程が含まれている。なお、操作マニュアル４１には、各工程を示す静止画が設けられていてもよいし、各工程を示す動画が設けられていてもよい。

　ここでは、装置操作入力部５５は、終了入力ボタン８３（図１６参照）を備えている。終了入力ボタン８３は、利用者により表示画面４０に表示されている工程が終了したことを示す操作が入力されるものである。終了入力ボタン８３は、表示画面４０上の仮想的なボタンとして、表示画面４０上に配置されている。

　次に、制御部７０について説明する。図１４に示すように、制御部７０は、受信部７７と表示部７８とを備えている。受信部７７は、本体側制御部２５の送信部２５ａから送信された信号（例えば、第１開放検出信号、第１閉鎖検出信号、第２開放検出信号および第２閉鎖検出信号）を受信する。例えば、受信部７７は、左カバーセンサ８１Ｌによって左カバー体６５Ｌが開放または閉鎖されたことが検出されたときに、送信部２５ａから送信された第１開放検出信号または第１閉鎖検出信号を受信する。

　表示部７８は、手動クリーニングの各工程の操作マニュアル４１を表示画面４０に表示させる。表示部７８は、利用者により表示ボタン４３（図１５参照）が押されたとき、手動クリーニングの最初の工程の操作マニュアル４１が表示される。例えば、左カバー体６５Ｌを取り外す工程（図１５参照）において、左カバーセンサ８１Ｌによって左カバー体６５Ｌが開放されたことが検出され、受信部７７が送信部２５ａから送信された第１開放検出信号を受信したとき、表示部７８は、次の工程の操作マニュアル４１を表示画面４０に表示させる。また、表示部７８は、装置操作入力部５５の終了入力ボタン８３に対する入力が利用者によって行われたとき、次の工程の操作マニュアル４１を表示画面４０に表示させる。なお、本実施形態では、表示部７８は、「第１表示部」および「第２表示部」に対応する。

　次に、本実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃにおいて、利用者がプリンタ１Ｃの手動クリーニングを行う手順について説明する。図２５は、操作装置３０を操作してプリンタ１Ｃの手動クリーニングを行う手順を示すフローチャートである。先ず、利用者が操作装置３０の操作マニュアル表示ボタン４３を押すことで、制御部７０の表示部７８によって表示画面４０に手動クリーニングの左カバー体６５Ｌを取り外す工程の操作マニュアル４１（図１５参照）を表示させる（ステップＳ１１）。なお、このとき、プラテン１２に記録紙５が載置されている場合、利用者は、記録紙５を取り出す。

　利用者は、操作装置３０の表示画面４０に表示された左カバー体６５Ｌを取り外す工程を見ながら、左カバー体６５Ｌを取り外す。ここでは、左カバー体６５Ｌはねじによって固定されているため、このねじを外して左カバー体６５Ｌを取り外す。左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが利用者によって開放されたことが検出されたとき、本体側制御部２５の送信部２５ａは、制御部７０の受信部７７に第１開放検出信号を送信する。受信部７７によって第１開放検出信号が受信された後、表示部７８によって、ガイドレール１６の一部１６ａを取り出す工程の操作マニュアル４１（図１６参照）を表示画面４０に表示させる（ステップＳ１２）。このとき、左カバー体６５Ｌを取り外す工程の操作マニュアル４１は、表示画面４０から削除される。以下の説明において、次の工程の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される際、前の工程の操作マニュアル４１は表示画面４０から削除されている。しかし、表示部７８によって、次の工程の操作マニュアル４１は、前の工程の操作マニュアル４１の上に重ねて表示画面４０に表示させてもよい。なお、ここでは、左カバー体６５Ｌを取り外す工程が「検出部が利用者により第１の工程に関する操作が行われたことを検出するときの「第１の工程」」に対応する。また、ガイドレール１６の一部１６ａを取り外す工程が「第２表示部が本体側制御部からの検出信号を受信したとき、第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させるときの「第２表示部」」に対応する。

　次に、利用者は、ガイドレール１６の一部１６ａを取り外す工程を行う。本実施形態では、ガイドレール１６の一部１６ａを取り外したことは、プリンタ１Ｃによって自動的に検出されない。そのため、表示画面４０上には、終了入力ボタン８３が表示されている。利用者は、ガイドレール１６の一部１６ａを取り外した後、終了入力ボタン８３を押す。

　利用者による終了入力ボタン８３に対する入力が行われた後、表示部７８によって、次の工程である、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程の操作マニュアル４１（図１７参照）が表示される（ステップＳ１３）。なお、ここでは、ガイドレール１６の一部１６ａを取り外す工程が「終了入力部が利用者により第１の工程が終了したことを示す操作が入力されるときの「第１の工程」」に対応する。また、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程が「第２表示部が利用者による終了入力部に対する入力が行われたとき、第２の工程のマニュアルを表示画面に表示させるときの「第２の工程」」に対応する。

　次に、利用者は、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程を行う。この工程は、左カバー体６５Ｌの下方に位置する待機位置ＨＰ２（図１０参照）に記録ヘッド２０を移動させるために行われる。利用者が左カバー体６５Ｌを取り付けると、左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが利用者によって閉鎖されたことが検出される。このとき、駆動機構２３によって、記録ヘッド２０は、待機位置ＨＰ２（図１０参照）に移動する。本体側制御部２５の送信部２５ａは、受信部７７に第１閉鎖検出信号を送信する。受信部７７によって第１閉鎖検出信号が受信された後、表示部７８によって、もう一度、左カバー体６５Ｌを取り外す工程の操作マニュアル４１（図１５参照）が表示画面４０に表示される（ステップＳ１４）。

　ステップＳ１４では、利用者は、もう一度、左カバー体６５Ｌを取り外す工程を行う。左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが開放されたことが検出される。そして、送信部２５ａによって、受信部７７に第１開放検出信号が送信される。その後、表示部７８によって、右カバー体６５Ｒを取り外す工程の操作マニュアル４１（図１８参照）が表示画面４０に表示される（ステップＳ１５）。

　ステップＳ１５では、利用者は、右カバー体６５Ｒを取り外す工程を行う。このとき、利用者は、放電を防ぐために体内の静電気を逃がす作業を行うとよい。右カバーセンサ８１Ｒによって、右カバー体６５Ｒが利用者によって開放されたことが検出されたとき、送信部２５ａは、受信部７７に第２開放検出信号を送信する。受信部７７によって第２開放検出信号が受信された後、表示部７８によって、手動クリーニング工程の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される（ステップＳ１６）。

　本実施形態では、図１９～図２２に示すように、４つの手動クリーニング工程の操作マニュアル４１がある。図１９の手動クリーニング工程の操作マニュアル４１は、プリンタ１Ｃの手動クリーニングを行う位置が表示されているものである。図１９において、矢印は手動クリーニングを行う箇所を示している。図２０の操作マニュアル４１は、記録ヘッド２０の吐出部２０ａの周辺の清掃方法を示すものである。図２１の操作マニュアル４１は、ワイパー６７の清掃方法を示すものである。図２２の操作マニュアル４１は、フラッシングユニット６８の枠体６８ｂの清掃方法を示すものである。なお、手動クリーニングでは、手動クリーニング専用のもの、例えば、先端に綿を有する棒状体１１０と、洗浄液（図示せず）とを使用するとよい。利用者は、図１９の操作マニュアル４１を見て、手動クリーニングをする箇所を把握する。次に、利用者は、画面遷移ボタン８４を押すことで、表示部７８によって、図２０の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。このとき、利用者は、棒状体１１０の先端に、洗浄液を浸す。洗浄液を浸した棒状体１１０を使って、記録ヘッド２０の吐出部２０ａの周辺をブラッシングして、吐出部２０ａの周辺に付着したインク等の汚れを落とす。このとき、吐出部２０ａの内部に上記棒状体が直接触れないようにするとよい。吐出部２０ａ周辺の清掃が終了したとき、利用者は、終了入力ボタン８３を押す。

　次に、利用者による終了入力ボタン８３に対する入力が行われた後、表示部７８によって、図２１のワイパー６７の清掃の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。利用者は、吐出部２０ａの周辺の清掃と同様に、棒状体１１０および洗浄液を使用して、ワイパー６７に付着したインク等の汚れを落とす。ワイパー６７の清掃が終了したとき、利用者は、終了入力ボタン８３を押す。

　次に、表示部７８によって、図２２のフラッシングユニット６８の枠体６８ｂの清掃の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。利用者は、棒状体１１０および洗浄液を使用して、枠体６８ｂに付着したインク等の汚れを落とす。枠体６８ｂの清掃が終了したとき、利用者は、終了入力ボタン８３を押す。

　利用者による終了入力ボタン８３に対する入力が行われた後、表示部７８によって、次の工程である、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程の操作マニュアル４１（図１７参照）が表示される（ステップＳ１７）。利用者は、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程を行う。この工程は、右カバー体６５Ｒの下方に位置する待機位置ＨＰ１（図１０参照）に記録ヘッド２０を移動させるために行われる。利用者が左カバー体６５Ｌを取り付けると、左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが利用者によって閉鎖されたことが検出される。本体側制御部２５の送信部２５ａは、受信部７７に第１閉鎖検出信号を送信する。受信部７７によって第１閉鎖検出信号が受信された後、表示部７８によって、右カバー体６５Ｒを取り付ける工程の操作マニュアル４１（図２３参照）が表示される（ステップＳ１８）。

　ステップＳ１８では、利用者は、右カバー体６５Ｒを取り付ける工程を行う。ここでは、右カバーセンサ８１Ｒによって、右カバー体６５Ｒが利用者によって閉鎖されたことが検出される。このとき、駆動機構２３によって、記録ヘッド２０は、待機位置ＨＰ１（図１０参照）に移動する。送信部２５ａは、受信部７７に第１閉鎖検出信号を送信する。受信部７７によって第２閉鎖検出信号が受信された後、表示部７８によって、もう一度、左カバー体６５Ｌを取り外す工程の操作マニュアル４１（図１５参照）が表示画面４０に表示される（ステップＳ１９）。なお、ステップＳ１９は、ステップＳ１１と同様のため、詳細な説明は省略する。ステップＳ１９の工程の終了後、表示部７８によって、ガイドレール１６の一部１６ａを取り付ける工程の操作マニュアル４１（図２４参照）が表示画面４０に表示される（ステップＳ２０）。

　本実施形態では、ガイドレール１６の一部１６ａを取り付けたことは、プリンタ１Ｃによって自動的に検出されない。そのため、表示画面４０上には、終了入力ボタン８３が表示されている。利用者は、ガイドレール１６の一部１６ａを取り付けた後、終了入力ボタン８３を押す。

　次に、利用者による終了入力ボタン８３に対する入力が行われた後、表示部７８によって、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程の操作マニュアル４１（図１７参照）が表示される（ステップＳ２１）。なお、ステップＳ２１は、ステップＳ１３と同様のため、詳細な説明は省略する。このようにして、利用者による手動クリーニングが行われる。

　以上、本実施形態では、プリンタ１Ｃは、家庭用プリンタと比較して、主走査方向に長い、いわゆる大型のプリンタである。詳しくは、プラテン１２の主走査方向の長さは、Ａ０サイズの用紙の横幅以上の長さである。そのため、例えば、利用者がプリンタ１Ｃの手動メンテナンス等のようにプリンタ１Ｃに直接触れて作業を行う場合、作業をする箇所が操作パネル６０の操作画面６２より離れた箇所であることがあり得る。よって、利用者は、操作画面６２を見ながらその作業を行うことができない場合がある。また、本実施形態では、利用者が行うプリンタ１Ｃの手動クリーニングには、左カバー体６５Ｌを取り付ける工程（例えば、ステップＳ１３）、および、左カバー体６５Ｌを取り外す工程（例えば、ステップＳ１１）が含まれる。左カバー体６５Ｌは、プラテン１２に対して操作パネル６０の反対側に配置されている。また、プリンタ１Ｃの主走査方向の長さは、利用者の片腕の長さよりも長い。そのため、仮に、操作パネル６０の操作画面６２に手動クリーニングの操作マニュアル４１を表示させて、利用者が操作画面６２を見ながら左カバー体６５Ｌを取り外そうとする場合、利用者の手が左カバー体６５Ｌに届かない。よって、利用者が操作画面６２を見ながら左カバー体６５Ｌを取り外すことは困難である。また、利用者が、操作画面６２に表示された操作マニュアル４１を見ずに、左カバー体６５Ｌを取り外すことも考えられる。手動クリーニングは頻繁に行われるものではなく、左カバー体６５Ｌは、頻繁に取り外されるものではない。そのため、利用者が、手動クリーニングの方法、例えば、左カバー体６５Ｌの取り外し方を覚えていない場合があり得る。よって、利用者が操作マニュアル４１を見ずに手動クリーニングを行うことは困難な場合がある。しかし、本実施形態では、操作マニュアル４１を表示する操作装置３０は携帯型である。そのため、作業者は、操作装置３０上の操作マニュアル４１を見ながら手動クリーニングなどの手動メンテナンスの作業を行うことができる。よって、作業者は、上記作業がし易い。

　本実施形態では、利用者は、操作装置３０の表示画面４０に表示された手動クリーニングの操作マニュアル４１を見ながら、プリンタ１Ｃの手動クリーニングを行うことができる。例えば、利用者による手動クリーニングの左カバー体６５Ｌを取り外す工程（ステップＳ１１）が終了すると、左カバーセンサ８１Ｌによって左カバー体６５Ｌを取り外す工程が終了したことが検出される。このとき、本体側制御部２５の送信部２５ａは、制御部７０の受信部７７に第１開放検出信号を送信する。第１開放検出信号を受信した制御部７０は、表示部７８によって、ガイドレール１６の一部１６ａを取り出す工程の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される（ステップＳ１２）。本実施形態では、操作装置３０とプリンタ１Ｃとの双方向通信によって、表示画面４０に表示される手動クリーニングのマニュアルの一部が自動で切り替わる。したがって、利用者が操作装置３０を操作することなく、表示画面４０に表示される操作マニュアル４１を切り替えることができる。よって、利用者が手動クリーニングをより行い易くなる。

　＜第４実施形態＞
　次に、第４実施形態に係る印刷装置システムについて説明する。本実施形態に係る印刷装置システムは、第３実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃと同様の構成をしている。本実施形態では、操作マニュアル４１は、利用者が行うワイパー６７の交換のマニュアルである。なお、本実施形態では、ワイパー６７が「クリーニング部材」に対応する。

　ワイパー６７の交換の操作マニュアル４１には、右カバー体６５Ｒを取り外す工程、ワイパー６７を交換する工程および右カバー体６５Ｒを取り付ける工程などが含まれる。詳細な説明は省略するが、右カバー体６５Ｒを取り外す工程では、右カバーセンサ８１Ｒによって、右カバー体６５Ｒが利用者によって開放されたことが検出されたとき、本体側制御部２５の送信部２５ａは、制御部７０の受信部７７に第２開放検出信号を送信する。受信部７７によって第２開放検出信号が受信されたとき、表示部７８によって、次の工程、例えば、ワイパー６７を交換する工程の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。利用者は、操作装置３０の表示画面４０に表示されたワイパー６７を交換する工程の操作マニュアルを見ながら、ワイパー６７を交換するとよい。

　本実施形態であっても、第３実施形態と同様に、操作装置３０の表示画面４０に表示されたワイパー６７の交換の操作マニュアル４１を見ながら、ワイパー６７の交換を行うことができる。また、操作装置３０とプリンタ１Ｃとの双方向通信によって、表示画面４０に表示されるワイパー６７の交換のマニュアルの一部が自動で切り替わる。したがって、利用者が操作装置３０を操作することなく、表示画面４０に表示される操作マニュアル４１を切り替えることができる。よって、利用者がワイパー６７の交換をより行い易くなる。

　＜第５実施形態＞
　次に、第５実施形態に係る印刷装置システムについて説明する。本実施形態に係る印刷装置システムは、第３実施形態に係る印刷装置システム１００Ｃと同様の構成をしている。本実施形態では、操作マニュアル４１は、利用者が行うカッティングヘッド６６のカッター６６ａの交換のマニュアルである。

　カッター６６ａの交換の操作マニュアル４１は、例えば、左カバー体６５Ｌを取り外す工程、カッター６６ａを交換する工程および左カバー体６５Ｌを取り付ける工程などが含まれる。詳細な説明は省略するが、左カバー体６５Ｌを取り外す工程では、左カバーセンサ８１Ｌによって、左カバー体６５Ｌが利用者によって開放されたことが検出されたとき、本体側制御部２５の送信部２５ａは、制御部７０の受信部７７に第１開放検出信号を送信する。受信部７７によって第１開放検出信号が受信された後、表示部７８によって、次の工程、例えば、カッター６６ａを交換する工程の操作マニュアル４１が表示画面４０に表示される。利用者は、操作装置３０の表示画面４０に表示されたカッター６６ａを交換する工程の操作マニュアルを見ながら、カッター６６ａを交換するとよい。

　本実施形態であっても、第３実施形態と同様に、操作装置３０の表示画面４０に表示されたカッター６６ａの交換の操作マニュアル４１を見ながら、カッター６６ａの交換を行うことができる。また、操作装置３０とプリンタ１Ｃとの双方向通信によって、表示画面４０に表示されるカッター６６ａの交換のマニュアルの一部が自動で切り替わる。したがって、利用者が操作装置３０を操作することなく、表示画面４０に表示される操作マニュアル４１を切り替えることができる。よって、利用者がカッター６６ａの交換をより行い易くなる。

　＜変形例＞
　上記各実施形態では、操作マニュアル入力部５０および装置操作入力部５５は、操作装置３０の表示画面４０上のタッチパネルであった。しかし、操作マニュアル入力部５０および装置操作入力部５５は、操作装置３０の表示画面４０を除く位置に、上述した各種ボタンおよび機能が物理的に配置されたものであってもよい。この場合、利用者がこのボタンおよび機能を操作することによって、表示画面４０に操作マニュアル４１に関する操作や、プリンタ１に関する操作が入力される。

　第１および第２実施形態では、操作装置３０は、プリンタ１に着脱可能に取り付けられる携帯型の装置であった。しかし、本発明に係る携帯型操作装置は、従来公知のタブレット端末（例えば、ｉＰａｄ（登録商標））やスマートフォン等であってもよい。この場合、タブレット端末やスマートフォン等の操作装置には、プリンタ１の操作マニュアル４１を表示し、かつ、プリンタ１を操作するためのソフトウエアがインストールされているとよい。また、プリンタ１には、操作するための操作パネルが配置されていてもよい。

　本発明の操作マニュアルは、上各実施形態の上記操作マニュアルに限定されない。例えば、本発明の操作マニュアルは、印刷装置の紙詰まりによるエラーが発生した際の操作マニュアルであってもよいし、印刷装置の他の操作マニュアルであってもよい。

　本発明の印刷装置システムは、複数の印刷装置を備えていてもよい。携帯型操作装置は、複数の印刷装置と無線通信可能に構成されていてもよい。このことによって、１つの携帯型操作装置に、複数の印刷装置のそれぞれの操作マニュアルを表示させることができる。よって、１つの携帯型操作装置で複数の印刷装置を操作することができる。

　　１、１Ｃ　プリンタ（印刷装置）
　　５　記録紙（記録媒体）
　２０　記録ヘッド
　２５　印刷制御装置（本体側制御部）
　３０　操作装置（携帯型操作装置）
　４０　表示画面
　４１　操作マニュアル
　５０　操作マニュアル入力部
　５５　装置操作入力部
　７０　制御部
　９０　撮影装置
１００Ａ、１００Ｂ、１００Ｃ　印刷装置システム

Claims (12)

1. 　記録媒体に印刷を行う印刷装置の操作マニュアルを表示しながら、前記印刷装置を操作可能な携帯型操作装置であって、
   　前記操作マニュアルを表示する表示画面と、
   　利用者により前記操作マニュアルに関する操作が入力される操作マニュアル入力部と、
   　前記操作マニュアルが前記表示画面に表示されているときに、利用者により前記印刷装置に関する操作が入力される装置操作入力部と、
   　利用者が前記操作マニュアル入力部に入力した前記操作マニュアルに関する操作に基づいて前記表示画面に前記操作マニュアルを表示させると共に、利用者が前記装置操作入力部に入力した前記印刷装置に関する操作に基づいて前記印刷装置に入力信号を送信する制御部と、
   を備える、携帯型操作装置。
2. 　前記操作マニュアル入力部および前記装置操作入力部は、前記表示画面に配置されたタッチパネルである、請求項１に記載の携帯型操作装置。
3. 　請求項１または２に記載の前記携帯型操作装置と、前記印刷装置と、を備え、
   　前記携帯型操作装置は、前記印刷装置と無線通信可能に構成されている、印刷装置システム。
4. 　前記印刷装置は、
   　　前記記録媒体を支持するプラテンと、
   　　前記プラテンよりも上方に配置され、主走査方向に移動しながら前記記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
   　　前記プラテンの前記主走査方向の一方に配置され、操作画面または操作ボタンを有する操作パネルと、
   　　前記制御部からの前記入力信号を受信する本体側制御部と、
   を備え、
   　前記プラテンの前記主走査方向の長さは、Ａ０サイズの用紙の横幅以上の長さである、請求項３に記載の印刷装置システム。
5. 　前記印刷装置は、主走査方向の行き方向および帰り方向に移動可能に構成され、前記行き方向の移動中および前記帰り方向の移動中に前記記録媒体に印刷する記録ヘッドを備え、
   　前記装置操作入力部は、前記記録ヘッドによる前記行き方向の印刷と、前記記録ヘッドによる前記帰り方向の印刷との間に印刷のずれが生じている際に、上記ずれを補正する操作が入力される補正部を備える、請求項３に記載の印刷装置システム。
6. 　前記装置操作入力部は、前記印刷装置が前記記録媒体に印刷する前に行われる試し印刷に関する操作が入力される試し印刷部を備え、
   　前記制御部は、前記試し印刷部に対して試し印刷に関する操作が入力された際、前記印刷装置の前記本体側制御部に試し印刷信号を送信するように構成されている、請求項５に記載の印刷装置システム。
7. 　前記印刷装置は、前記試し印刷を撮影する撮影装置を備え、
   　前記制御部は、前記撮影装置によって撮影された前記試し印刷の画像を前記表示画面に表示させるように構成されている、請求項６に記載の印刷装置システム。
8. 　前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動メンテナンスであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動メンテナンスのマニュアルであり、
   　前記操作マニュアル入力部は、利用者により前記第１の工程が終了したことを示す操作が入力される終了入力部を備え、
   　前記制御部は、
   　　前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、
   　　利用者による前記終了入力部に対する入力が行われたとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、
   を備えた、請求項４に記載の印刷装置システム。
9. 　前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動メンテナンスであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動メンテナンスのマニュアルであり、
   　前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備え、
   　前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する前記操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成され、
   　前記制御部は、
   　　前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、
   　　前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、
   を備えた、請求項４に記載の印刷装置システム。
10. 　前記操作マニュアルは、利用者が前記印刷装置に対して行う手動クリーニングであって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記手動クリーニングのマニュアルであり、
    　前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備え、
    　前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成され、
    　前記制御部は、
    　　前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、
    　　前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、
    を備えた、請求項４に記載の印刷装置システム。
11. 　前記印刷装置は、前記記録ヘッドのクリーニングをする交換可能なクリーニング部材を備え、
    　前記操作マニュアルは、利用者が行う前記クリーニング部材の交換であって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記クリーニング部材の交換のマニュアルであり、
    　前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備え、
    　前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成され、
    　前記制御部は、
    　　前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、
    　　前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、
    を備えた、請求項４に記載の印刷装置システム。
12. 　前記印刷装置は、主走査方向に移動可能に構成され、前記記録媒体の少なくとも一部を切断する交換可能なカッターを備え、
    　前記操作マニュアルは、利用者が行う前記カッターの交換であって、第１の工程と、前記第１の工程の後に行われる第２の工程とを少なくとも含む前記カッターの交換のマニュアルであり、
    　前記印刷装置は、利用者により前記第１の工程に関する操作が行われたことを検出する検出部を備え、
    　前記本体側制御部は、前記第１の工程に関する操作が行われたことが前記検出部によって検出されたとき、前記制御部に検出信号を送信するように構成され、
    　前記制御部は、
    　　前記第１の工程のマニュアルを前記表示画面に表示させる第１表示部と、
    　　前記本体側制御部からの前記検出信号を受信したとき、前記第２の工程におけるマニュアルを前記表示画面に表示させる第２表示部と、
    を備えた、請求項４に記載の印刷装置システム。

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