WO2014068609A1

WO2014068609A1 - 電動車両および電動車両用バッテリの搬出方法

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Publication number: WO2014068609A1
Application number: PCT/JP2012/006948
Authority: WO
Inventors: 琢磨野崎
Original assignee: 川崎重工業株式会社
Priority date: 2012-10-30
Filing date: 2012-10-30
Publication date: 2014-05-08
Also published as: US9561735B2; US20150291056A1

Abstract

　電動車両（１０）は、車輪駆動用電力を蓄電する第１バッテリ（２８）を有する第１バッテリパック（７０）と、第１バッテリパック（７０）を支持する車体フレーム（１４）とを備え、第１バッテリ収容空間（Ｓ１）の上方には、第１バッテリ収容空間（Ｓ１）に収容された第１バッテリパック（７０）を吊上げる吊具（６６）を配置可能な吊具空間（Ｓ４）が上方に開放して形成されており、車体（１２）内における第１バッテリ収容空間（Ｓ１）の上方には、第１バッテリパック（７０）が上方に移動可能な持上げ空間（Ｓ８）が形成されており、車体（１２）内における持上げ空間（Ｓ８）の上部領域と車外空間（Ｓ１０）との間には、第１バッテリパック（７０）が車外空間（Ｓ１０）に向けて移動可能な搬出空間が形成されている。

Description

電動車両および電動車両用バッテリの搬出方法

　本発明は、車輪駆動用電力を蓄電するバッテリを有するバッテリパックと、バッテリパックを支持する車体フレームとを備える電動車両および電動車両用バッテリの搬出方法に関する。

　特許文献１には、従来の車両の一例が記載されている。この車両は、フレームを有している。フレーム上の搭乗空間には、シートが設けられており、シートの下方には、エンジンが設けられている。

特開２００７－２８４０２８号公報

　特許文献１の車両において、エンジンをモータに交換した場合には、モータに電力を供給するバッテリを設ける必要がある。バッテリは、保存状態等によっては消耗や劣化が激しくなる場合があり、バッテリ交換等のために、車両の組立後にバッテリを着脱することがある。車両の航続距離を長くするためには、容量の大きい大型のバッテリを用いることが望ましい。しかし、着脱時にバッテリと車体との干渉を防ぐため、バッテリを大型化することが困難である。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、バッテリパックと車体との干渉を防止しつつバッテリパックを大型化できる、電動車両および電動車両用バッテリの搬出方法を提供することを目的とする。

　本発明に係る電動車両は、車輪駆動用電力を蓄電するバッテリを有するバッテリパックと、前記バッテリパックを支持する車体フレームとを備え、前記バッテリパックを収容するバッテリ収容空間の上方には、前記バッテリ収容空間に収容された前記バッテリパックを吊上げる吊具を配置可能な吊具空間が上方に開放して形成されており、車体内における前記バッテリ収容空間の上方には、前記バッテリ収容空間に収容された前記バッテリパックが上方に移動可能な持上げ空間が形成されており、車体内における前記持上げ空間の上部領域と車外空間との間には、前記バッテリパックが前記車外空間に向けて移動可能な搬出空間が形成されている。

　この構成において、バッテリパックを車外空間に搬出する場合には、車体の上方からバッテリパックに向けて吊具を降下させ、当該吊具をバッテリパックに接続する。続いて、吊具でバッテリパックを吊上げ、バッテリパックを持上げ空間に通過させて、持上げ空間の上部領域まで移動させる。その後、吊具または他の装置でバッテリパックを支持し、バッテリパックを搬出空間に通過させて、車外空間まで移動させる。バッテリパックをバッテリ収容空間に搬入する場合には、搬出する場合とは逆の手順をとる。これにより、生産設備以外の設備を用いる場合でも、車体を大きく分解することなく大型のバッテリパックを着脱できる。

　本発明に係る電動車両用バッテリの搬出方法は、車輪駆動用電力を蓄電するバッテリを有するバッテリパックを車外空間に搬出する方法であって、バッテリ収容空間に配置された前記バッテリパックを前記バッテリ収容空間から上方に露出させ、前記バッテリパックを吊上げる吊具を前記バッテリパックに接続し、前記バッテリパックを前記吊具で吊上げて前記バッテリ収容空間から離脱させ、吊上げられた前記バッテリパックを、前記吊具または他の装置を用いて上下方向に直交する一方向に移動させて車外空間に搬出する。

　この構成では、バッテリ収容空間に配置されたバッテリパックを前記バッテリ収容空間から上方に露出させた後に、バッテリパックを吊上げるようにしているので、バッテリパックと車体との干渉は生じない。また、吊上げられたバッテリパックを、上下方向に直交する一方向に移動させて車外空間に搬出するようにしているので、バッテリパックを吊上げる高さを低くでき、搬出作業に要する時間を短縮できる。

　本発明によれば、上記の構成によって、バッテリパックと車体との干渉を防止しつつバッテリパックを大型化できる電動車両および電動車両用バッテリの搬出方法を提供することができる。

実施形態に係る電動車両の構成を示す斜視図である。実施形態に係る電動車両の構成を示す平面図である。第１バッテリパックおよび第２バッテリパックの配置を示す左側面図である。第１バッテリパックの構成を示す斜視図である。第１バッテリパックの取付け構造を示す断面図である。第１バッテリパックが移動可能な空間を示す左側面図である。第２バッテリパックが移動可能な空間を示す左側面図である。

　以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。以下の説明で用いる方向の概念は、電動車両に搭乗した運転者から見た方向を基準とし、左右方向は車幅方向と一致する。

　図１は、実施形態に係る電動車両１０を示す斜視図である。図２は、電動車両１０の構成を示す平面図である。なお、図２は、シート２０および荷台２４を取り外した状態を示している。本実施形態に係る電動車両１０は、内燃機関を備えず、バッテリ２８，３０に蓄電された車輪駆動用電力により回転動力を発生させて車輪１６，１８を駆動する。この電動車両１０は、ゴルフカートおよび農業用運搬車等のような様々な用途に使用可能な多目的車両であり、ユーティリティービークルと称されることがある。

　図１に示すように、電動車両１０は、車体１２の基台となる車体フレーム１４と、車体フレーム１４の前部に懸架された左右一対の前輪１６と、車体フレーム１４の後部に懸架された左右一対の後輪１８と、シート２０と、キャビンフレーム２２と、荷台２４とを備えている。また、図２に示すように、電動車両１０は、後輪１８を駆動するモータユニット２６と、第１バッテリパック７０と、第２バッテリパック７６とを備えている。第１バッテリパック７０は、車輪駆動用電力を蓄電する第１バッテリ２８を有しており、第２バッテリパック７６は、車輪駆動用電力を蓄電する第２バッテリ３０を有している。

　図２に示すように、車体フレーム１４は、路面または地面と対向して設けられたフロアフレーム３２と、フロアフレーム３２の後部に前後方向に延びて設けられた左右一対のリヤサイドフレーム３４と、フロアフレーム３２およびリヤサイドフレーム３４の両方に跨って設けられたシートフレーム３６とを有している。

　フロアフレーム３２は、金属製の角パイプまたは円パイプで構成されており、フロアフレーム３２には、板状のフロアパネル３８が取付けられている。フロアパネル３８とシート２０（図１）とで囲まれた空間が、第１バッテリパック７０を収容する第１バッテリ収容空間Ｓ１である。つまり、本実施形態では、第１バッテリ収容空間Ｓ１の上方にシート２０（図１）が設けられている。第１バッテリパック７０は、第１バッテリ収容空間Ｓ１に配置された状態で車体１２に固定されている。第１バッテリパック７０の第１バッテリ２８には、各種のコネクタが接続されている。これにより第１バッテリ２８から各種の電気的負荷（電装品等）への電力供給が可能になっている。

　リヤサイドフレーム３４は、金属製の角パイプで構成されており、リヤサイドフレーム３４の上部には、荷台２４（図１）を受ける荷台受け部３４ａが設けられている。平面視で左右のリヤサイドフレーム３４の間に位置する領域のうち前部には、車体フレーム１４の一部であるバッテリ載置部（図示省略）が設けられており、当該バッテリ載置部に第２バッテリパック７６が搭載されている。第２バッテリパック７６が配置された空間が第２バッテリ収容空間Ｓ２である。第２バッテリパック７６は、第２バッテリ収容空間Ｓ２に配置された状態で車体１２に固定されている。第２バッテリパック７６の第２バッテリ３０には、各種のコネクタが接続されている。これにより第２バッテリ３０から各種の電気的負荷（電装品等）への電力供給が可能になっている。

　シートフレーム３６は、シート２０（図１）の前部を支持するクロスパイプ部３６ａと、シート２０の左右方向両側部を支持する左右一対の縦パイプ部３６ｂとを有している。クロスパイプ部３６ａおよび縦パイプ部３６ｂは、金属製の円パイプで構成されており、左右の縦パイプ部３６ｂには、第１バッテリパック７０を取付けるためのブラケット３９が形成されている。

　図１に示すように、シート２０は、運転者および同乗者が着座するベンチ型シートであり、車体フレーム１４の前後方向中央部に左右方向に延びて設けられている。図６に示すように、シート２０の前部には、複数のＵ字形状の係止部材４０が左右方向に間隔を隔てて設けられている。各係止部材４０の略半円筒状の部分４０ａが、クロスパイプ部３６ａの外周面に回動自在に係止されている。

　図３に示すように、シート２０がシートフレーム３６上に配置された状態では、シート２０の後部がロック機構（図示省略）によってキャビンフレーム２２の第１クロスパイプ部２２ｆに固定される。図６に示すように、ロック機構（図示省略）を解除して、各係止部材４０が設けられたシート２０の前部を中心としてシート２０の後部を上方に回動させると、第１バッテリ収容空間Ｓ１の直上の領域（第１吊具空間Ｓ４および第２持上げ空間Ｓ８）からシート２０が退避され、第１バッテリ収容空間Ｓ１が上方に開放される。

　図１に示すように、キャビンフレーム２２は、シート２０が設けられた搭乗空間Ｓ３を前方、後方、左方、右方および上方に開放するように、金属製の円パイプで構成されている。車体１２は、搭乗空間Ｓ３に出入りするためのドアを備えていない。キャビンフレーム２２は、左右一対の前ピラーパイプ部２２ａと、左右一対の後ピラーパイプ部２２ｂと、前ピラーパイプ部２２ａの上端部どうしを連結する前クロスパイプ部２２ｃと、後ピラーパイプ部２２ｂの上端部どうしを連結する後クロスパイプ部２２ｄとを有している。また、キャビンフレーム２２は、前クロスパイプ部２２ｃと後クロスパイプ部２２ｄとを、これらの車幅方向両端部において互いに連結する左右一対の縦パイプ部２２ｅを有している。前ピラーパイプ部２２ａの下端部は、ボンネット４２の側部、またはその近傍に位置する車体フレーム１４に接続されている。後ピラーパイプ部２２ｂの下端部は、シート２０の斜め後下方のフロアフレーム３２に接続されている。図１に示すように、前クロスパイプ部２２ｃと、後クロスパイプ部２２ｄと、左右一対の縦パイプ部２２ｅとによって囲まれた上部空間Ｓ１１は、上下方向において搭乗空間Ｓ３に連通されている。

　図３は、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６の配置を示す左側面図である。図３に示すように、キャビンフレーム２２は、さらに、後ピラーパイプ部２２ｂの下端部どうしを連結する第１クロスパイプ部２２ｆと、後ピラーパイプ部２２ｂの上下方向中央部どうしを連結する第２クロスパイプ部２２ｇとを有している。第１クロスパイプ部２２ｆは、支持部（図示省略）を介してシート２０の後部を支持する機能を有している。

　第２クロスパイプ部２２ｇは、運転者および同乗者の背中を受ける背凭れ部４４を支持する機能を有しており、第１クロスパイプ部２２ｆより上方に配置されている。背凭れ部４４は、第２クロスパイプ部２２ｇに対して着脱可能に構成されている。本実施形態の後ピラーパイプ部２２ｂは、路面または地面に対して垂直に設けられており、後クロスパイプ部２２ｄ、第１クロスパイプ部２２ｆおよび第２クロスパイプ部２２ｇは、平面視で重なっている。なお、後ピラーパイプ部２２ｂは、その上端部がその下端部よりも前方または後方に位置するように、傾斜して設けられていてもよい。

　図１に示すように、荷台２４は、平面視で四角形の底壁２４ａと、底壁２４ａの四辺から上方に突出する側壁２４ｂとを有しており、上方に開放されている。図７に示すように、荷台２４は、その後部に設けられた回動軸２４ｃを有しており、手動または自動でその前部を持上げることにより後傾する。図３に示すように、リヤサイドフレーム３４の荷台受け部３４ａに載置された荷台２４の下方に位置する空間であって、平面視で左右のリヤサイドフレーム３４の間に位置する空間が、第２バッテリパック７６を収容する第２バッテリ収容空間Ｓ２である。

　図２に示すように、モータユニット２６は、後輪１８（四輪駆動時には後輪１８および前輪１６）を駆動する動力を生じさせる動力装置である。モータユニット２６には、これを制御するためのインバータ４６と、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０の第１バッテリ２８と、第２バッテリ収容空間Ｓ２に収容された第２バッテリパック７６の第２バッテリ３０とが、電気配線（図示省略）を介して電気的に接続されている。

　図４は、第１バッテリパック７０の構成を示す斜視図である。図４に示すように、第１バッテリパック７０は、第１バッテリ２８と、バッテリ収容容器５４を補強する金属製の第１バッテリ支持部材５０とを有している。第１バッテリ２８は、複数のバッテリ本体５２と、複数のバッテリ本体５２を収容する絶縁樹脂製のバッテリ収容容器５４とを有している。複数のバッテリ本体５２は、所定電圧を得るために互いに直列に接続されている。バッテリ収容容器５４の上面には、外部の充電コネクタ（図示省略）を接続するための充電口５６が設けられている。

　図４に示すように、第１バッテリ支持部材５０は、バッテリ収容容器５４を少なくとも下方から支持する支持部５８と、バッテリ収容容器５４の上面に配置された枠体６０とを有している。枠体６０は、複数の角パイプ６０ａを互いに接続することによって構成されている。枠体６０の左右方向両端部には、ブラケット３９（図２）に固定される固定部６２が形成されている。支持部５８と枠体６０とは、互いに接続されており、枠体６０には、吊具６６（図６）が取付けられる少なくとも１つ（本実施形態では４個）の取付部６８が設けられている。取付部６８は、互いに鎖状に連結された第１リング６８ａおよび第２リング６８ｂを有しており、第１リング６８ａが枠体６０に接続されている。なお、第１バッテリパック７０は、少なくとも１つのバッテリ本体５２を有していればよく、その具体的な構成は適宜設計変更されてもよい。

　図５は、第１バッテリパック７０の取付け構造を示す断面図である。図５に示すように、取付部６８を枠体６０に取付けた状態において、第１リング６８ａおよび第２リング６８ｂは、枠体６０の上面で倒れている。したがって、取付部６８は、第１バッテリパック７０の後部から上方に所定間隔（第１間隔Ｄ１）を隔てて配置された第１クロスパイプ部２２ｆに当たらない。図６に示すように、第１バッテリパック７０を吊具６６で吊り下げる際には、各取付部６８に接続された吊具６６の第２ワイヤ６６ｃが上下方向に対して傾斜し、これに伴って、各取付部６８が上下方向に対して傾斜する。このとき、第１バッテリパック７０の後部に設けられた取付部６８は、第１クロスパイプ部２２ｆに当たらないように前傾する。したがって、第１バッテリパック７０の後部が第１クロスパイプ部２２ｆの直下に配置されているにもかかわらず、第１バッテリパック７０を前方に移動させることなく、フロアパネル３８から浮上させることができる。

　図５に示すように、バッテリ収容容器５４（または支持部５８）の下面には、ゴム等の弾性材料からなる緩衝材６４が設けられている。図２に示すように、ボルト等の締結部材６５を用いて固定部６２をブラケット３９に締結すると、図５に示すように、バッテリ収容容器５４（または支持部５８）の下面とフロアパネル３８の上面との間で緩衝材６４が圧縮される。

　図２に示すように、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０は、その左右方向長さが前後方向長さよりも十分に長くなるように形成されている。車体１２の一部である後クロスパイプ部２２ｄ（図１）、第１クロスパイプ部２２ｆ（図３）および第２クロスパイプ部２２ｇ（図３）は、上下方向に直交する方向であって、第１バッテリパック７０が延びる方向と同じ方向（左右方向）に延びて形成されている。

　図６は、第１バッテリパック７０が移動可能な空間を示す左側面図である。本実施形態の電動車両１０では、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０が、吊上げ装置８０を用いて車外空間Ｓ１０に搬出される。吊上げ装置８０は、吊具６６と、吊具６６を支持する支持部８２と、巻上部（図示省略）とを有している。吊具６６は、第１ワイヤ６６ａと、第１ワイヤ６６ａの下端部に取付けられたフック部６６ｂと、第１バッテリパック７０の取付部６８に接続されるとともに、フック部６６ｂに引っ掛けられる第２ワイヤ６６ｃとを有している。巻上部（図示省略）は、第１ワイヤ６６ａを巻き取ったり、繰り出したりすることにより、フック部６６ｂを上下方向に移動させるように構成されている。支持部８２は、第１ワイヤ６６ａを吊下げる位置を水平方向に移動させることにより、第１ワイヤ６６ａおよびフック部６６ｂを水平方向に移動させるように構成されている。

　図６に示す本実施形態の電動車両１０は、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０を、吊上げ装置８０を用いて車外空間Ｓ１０に搬出可能なように構成されている。

　すなわち、図１に示す上部空間Ｓ１１は、図６に示す吊具６６を搭乗空間Ｓ３に導入できるように、上下方向において搭乗空間Ｓ３と連通している。図６に示すように、上部空間Ｓ１１および搭乗空間Ｓ３のそれぞれの一部が、吊具６６を配置可能な第１吊具空間Ｓ４となっている。通常運転時には、搭乗空間Ｓ３と第１バッテリ収容空間Ｓ１との間にシート２０が配置されており、第１吊具空間Ｓ４の下部は、シート２０で遮断されている。シート２０の前部を中心としてシート２０の後部を上方に回動させると、シート２０は、第1吊具空間Ｓ４から退避される。

　図３に示すように、第１バッテリパック７０の搬出時に障害物となるキャビンフレーム２２の第１クロスパイプ部２２ｆは、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０の後部の直上に、第１バッテリパック７０から第１間隔Ｄ１を隔てて配置されている。第１間隔Ｄ１は、第１バッテリパック７０をフロアパネル３８から浮上させた状態で前方に移動させる際に、第１バッテリパック７０の底部が第１バッテリパック７０の下方の障害物に干渉しない程度の寸法に設定される。たとえば、第１バッテリパック７０の前方のフロアパネル３８にナット（図示省略）が配置されている場合には、第１間隔Ｄ１は、ナットの高さＸ１よりも大きく設定される（Ｄ１＞Ｘ１）。なお、第１間隔Ｄ１は、第１バッテリパック７０が傾斜することによる第１バッテリパック７０の上下方向寸法の変動幅Ｘ２をさらに考慮して、Ｄ１＞Ｘ１＋Ｘ２を満たすように設定されることが好ましい。

　図３に示すように、第１バッテリパック７０の搬出時に障害物となるシートフレーム３６のクロスパイプ部３６ａは、第１バッテリパック７０の前部から前方に第２間隔Ｄ２を隔てて配置されている。本実施形態の第１バッテリパック７０と第１クロスパイプ部２２ｆとは、平面視において前後方向から重なっている。前後方向における第１クロスパイプ部２２ｆの前端と第１バッテリパック７０の後端との間隔（すなわち重なり幅）を第３間隔Ｄ３とすると、第２間隔Ｄ２は第３間隔Ｄ３よりも大きく（Ｄ２＞Ｄ３）設定されている。

　このように間隔Ｄ１～Ｄ３が設定されることにより、第１バッテリパック７０と第１クロスパイプ部２２ｆとの間、および第１バッテリパック７０とクロスパイプ部３６ａとの間には、第１バッテリパック７０が上方および前方に移動可能な第１持上げ空間Ｓ５が形成される。したがって、第１バッテリパック７０を上方に浮かした状態で前方に移動させることにより、第１バッテリパック７０を、左右一対の縦パイプ部３６ｂと、クロスパイプ部３６ａと、第１クロスパイプ部２２ｆとで囲まれたフレーム開口Ｑの直下に位置する第１持上げ位置Ｐ１まで移動させることができる。

　図２に示すように、シートフレーム３６における左右一対の縦パイプ部３６ｂの左右方向の間隔は、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０の左右方向長さよりも十分に長く設定されている。また、図３に示すように、シートフレーム３６のクロスパイプ部３６ａとキャビンフレーム２２の第１クロスパイプ部２２ｆとの前後方向の間隔は、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０の前後方向長さよりも十分に長く設定されている。図６に示すように、これにより、第１バッテリパック７０は、第１バッテリ収容空間Ｓ１内の第１持上げ位置Ｐ１からフレーム開口Ｑを通して搭乗空間Ｓ３内の第２持上げ位置Ｐ２まで移動可能である。つまり、第１バッテリ収容空間Ｓ１の上方には、第１持上げ位置Ｐ１に配置された第１バッテリパック７０が上方に移動可能な第２持上げ空間Ｓ８が、車体１２の一部を避けて上方に延びるように形成されている。通常運転時には、搭乗空間Ｓ３と第１バッテリ収容空間Ｓ１との間にシート２０が配置されており、第２持上げ空間Ｓ８の下部はシート２０で遮断されている。シート２０の前部を中心としてシート２０の後部を上方に回動させると、シート２０は、第２持上げ空間Ｓ８から退避される。

　図１に示すように、キャビンフレーム２２は、シート２０が設けられた搭乗空間Ｓ３を前方、後方、左方、右方および上方に開放して形成されている。したがって、第１バッテリパック７０を、これらのいずれかの方向から車外空間Ｓ１０に移動させることができる。つまり、車体１２内における第２持上げ空間Ｓ８の上部領域と車外空間Ｓ１０との間には、第１バッテリパック７０が車外空間Ｓ１０に向けて移動可能な搬出空間Ｓ１２が形成されている。

　本実施形態では、第２持上げ空間Ｓ８の上部領域に位置する第１バッテリパック７０から見て、キャビンフレーム２２の左右方向の一方の開口が、第１バッテリパック７０の左右方向に垂直な断面よりも十分に大きく形成されており、この開口が車体１２の上部よりも下方において搬出空間Ｓ１２の一部を構成している。したがって、第２持上げ空間Ｓ８の上部領域（第２持上げ位置Ｐ２）に位置する第１バッテリパック７０を、左右方向の一方から搬出空間Ｓ１２に通過させて車外空間Ｓ１０に搬出することができる。

　図２に示すように、第２バッテリパック７６は、第２バッテリ３０と、第２バッテリ支持部材７４とを有している。第２バッテリ３０は、第１バッテリ２８とほぼ同様に構成されており、第２バッテリ支持部材７４は、第１バッテリ支持部材５０とほぼ同様に構成されている。

　図７は、第２バッテリパック７６が移動可能な空間を示す左側面図である。本実施形態の電動車両１０では、第２バッテリ収容空間Ｓ２に収容された第２バッテリパック７６が、吊上げ装置８０を用いて車外空間Ｓ１０に搬出される。図７に示すように、本実施形態の電動車両１０は、第２バッテリ収容空間Ｓ２に収容された第２バッテリパック７６を、吊上げ装置８０を用いて車外空間Ｓ１０に搬出可能なように構成されている。

　図７に示すように、第２バッテリ収容空間Ｓ２の上方には、第２バッテリパック７６を吊上げる吊具６６を配置可能な第２吊具空間Ｓ６が上方に開放して形成されている。また、第２バッテリ収容空間Ｓ２の上方には、第２バッテリ収容空間Ｓ２に収容された第２バッテリパック７６が上方に移動可能な第３持上げ空間Ｓ９が、車体１２の一部を避けて上方に延びるように形成されている。通常運転時には、第２吊具空間Ｓ６および第３持上げ空間Ｓ９は、荷台２４で遮断されており、荷台２４が第２バッテリパック７６を搬出するときの障害物となる。荷台２４を手動または自動で後傾させると、第２吊具空間Ｓ６および第３持上げ空間Ｓ９から荷台２４が退避され、第２バッテリ収容空間Ｓ２が上方に開放される。

　図７に示すように、荷台２４を後傾させた状態では、第２吊具空間Ｓ６および第３持上げ空間Ｓ９は、車体１２の左右方向両側に開放される。したがって、第３持上げ空間Ｓ９の上部領域に配置された第２バッテリパック７６は、左右方向のいずれか一方から車外空間Ｓ１０に移動可能である。つまり、車体１２内における第３持上げ空間Ｓ９の上部領域と車外空間Ｓ１０との間には、第２バッテリパック７６が左右方向の一方から車外空間Ｓ１０に向けて移動可能な搬出空間（図示省略）が形成されている。

　以下には、図６に基づいて、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０を車外空間Ｓ１０に搬出する方法を説明する。第１バッテリパック７０を車外空間Ｓ１０に搬出する際には、まず、図６に示すように、シート２０の前部を中心としてシート２０の後部を上方に回動させることにより、第１吊具空間Ｓ４および第２持上げ空間Ｓ８からシートを退避させ、第１バッテリ収容空間Ｓ１を上方に開放させる。つまり、第１バッテリ収容空間Ｓ１に配置された第１バッテリパック７０を第１バッテリ収容空間Ｓ１から上方に露出させる。また、障害物となる背凭れ部４４を第２クロスパイプ部２２ｇから取外すとともに、図２に示す締結部材６５を取外す。なお、図６は、第１バッテリパック７０が第２持上げ空間Ｓ８の上部領域に位置決めされた状態を示している。

　また、車体１２の上方に吊上げ装置８０の支持部８２を配置し、支持部８２から第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０（図２）に向けて吊具６６を降下させるとともに、その吊具６６を第１バッテリパック７０の各取付部６８に接続する。続いて、第１持上げ空間Ｓ５において、吊具６６で第１バッテリパック７０を吊上げるとともに前方に移動させ、第１バッテリパック７０をフレーム開口Ｑの下方の第１持上げ位置Ｐ１に位置決めする。その後、吊具６６で第１バッテリパック７０をさらに吊上げて第１バッテリ収容空間Ｓ１から離脱させ、第１バッテリパック７０を第２持上げ空間Ｓ８に通過させて、フレーム開口Ｑの上方の第２持上げ位置Ｐ２まで移動させる。

　第２持上げ位置Ｐ２に位置する第１バッテリパック７０を左右方向の一方に設けられた搬出空間Ｓ１２（図１）から車外空間Ｓ１０に搬出する場合には、フォークリフトなどの載置装置の載置部（図示省略）を、キャビンフレーム２２の外側から搬出空間Ｓ１２（図１）に通過させて第２持上げ位置Ｐ２の第１バッテリパック７０に近づける。そして、第１バッテリパック７０を載置部で下方から支持した後、吊具６６を第１バッテリパック７０の取付部６８から取外し、第１バッテリパック７０を支持した載置部（図示省略）を搬出空間Ｓ１２（図１）に通過させて車外空間Ｓ１０まで移動させる。第１バッテリパック７０を第１バッテリ収容空間Ｓ１に搬入する場合には、搬出する場合と逆の手順をとる。

　第１バッテリパック７０を上下方向に直交する一方向から車外空間Ｓ１０に搬出する場合であって、吊具６６を用いる場合には、キャビンフレーム２２の左右の縦パイプ部２２ｅ、前クロスパイプ部２２ｃおよび後クロスパイプ部２２ｄのいずれかが吊具６６が移動する妨げになる。この場合、これらのうち少なくとも１つが着脱可能に構成され、吊具６６を移動させる際に取外される。つまり、この場合、第１吊具空間Ｓ４が、その第２持上げ空間Ｓ８の直上に位置する領域から上下方向に直交する一方向に開放可能に形成される。

　以下には、図７に基づいて、第２バッテリ収容空間Ｓ２に収容された第２バッテリパック７６を車外空間Ｓ１０に搬出する方法を説明する。第２バッテリパック７６を車外空間Ｓ１０に搬出する際には、まず、図７に示すように、手動または自動により荷台２４を後傾させて、第２吊具空間Ｓ６および第３持上げ空間Ｓ９から荷台２４を退避させる。つまり、第２バッテリ収容空間Ｓ２を上方に開放させて、第２バッテリ収容空間Ｓ２に配置された第２バッテリパック７６を第２バッテリ収容空間Ｓ２から上方に露出させる。また、吊上げ装置８０の支持部８２から第２バッテリパック７６に向けて吊具６６を降下させ、その吊具６６を第２バッテリパック７６の取付部６８に接続する。続いて、吊具６６で第２バッテリパック７６を吊上げることにより、第３持上げ位置Ｐ３に位置する第２バッテリパック７６を第２バッテリ収容空間Ｓ２から離脱させるとともに、第２バッテリパック７６を第３持上げ空間Ｓ９に通過させて第３持上げ空間Ｓ９の上部領域に位置する第４持上げ位置Ｐ４まで移動させる。その後、吊具６６または他の装置（たとえばフォークリフト）で第２バッテリパック７６を支持し、これを左右方向の一方から搬出空間（図示省略）に通過させて車外空間Ｓ１０に搬出する。第２バッテリパック７６を第２バッテリ収容空間Ｓ２に搬入する場合には、搬出する場合と逆の手順をとる。なお、図７は、第２バッテリパック７６が第３持上げ空間Ｓ９の上部領域に位置決めされた状態を示している。

　本実施形態によれば、上記構成により以下の効果を奏することができる。すなわち、図６および図７に示すように、生産設備以外の設備を用いる場合でも、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６を車体１２と干渉することなく簡単に着脱できるので、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６を大型化することができる。また、車体１２を大きく分解することなく第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６を着脱できるので、着脱作業時間を短縮できる。

　図６に示す第２持上げ空間Ｓ８および図７に示す第３持上げ空間Ｓ９は、車体１２の一部を避けて上方に延びるように形成されているので、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６は、車体１２と干渉することなく上方に移動することができる。また、第１バッテリパック７０の上方に車体１２の一部である第１クロスパイプ部２２ｆを配置しているので、第１バッテリパック７０の上方の空間を有効に活用できる。

　後クロスパイプ部２２ｄ（図１）、第１クロスパイプ部２２ｆ（図３）および第２クロスパイプ部２２ｇ（図３）は、上下方向に直交する方向であって、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６が延びる方向と同じ方向に延びて形成されているので、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６が、これら車体１２の一部と干渉し難い。

　図６に示す吊具６６で吊上げられた第１バッテリパック７０を、上下方向に直交する一方向に移動させて車外空間Ｓ１０に搬出させると、上方に移動させて車外空間Ｓ１０に搬出させる場合よりも第１バッテリパック７０を吊上げる高さを低くでき、搬出作業時間を短縮できる。この場合、第１吊具空間Ｓ４が、その第２持上げ空間Ｓ８の直上に位置する領域から上下方向に直交する一方向に開放して形成されていると、吊具６６を用いて第１バッテリパック７０を簡単に搬出することができる。

　図６に示すように、第１バッテリ収容空間Ｓ１の上方にシート２０を設けているので、第１バッテリ収容空間Ｓ１の上方の空間を有効に活用できる。図７に示すように、第２バッテリ収容空間Ｓ２の上方に荷台２４を設けているので、第２バッテリ収容空間Ｓ２の上方の空間を有効に活用できる。

　図２に示すように、第１バッテリパック７０を第１バッテリ収容空間Ｓ１に上方から収容すると同時に、ブラケット３９で固定部６２を受けることができる。また、ブラケット３９と固定部６２とを締結部材６５で簡単に締結することができる。たとえば、締結部材６５がボルトである場合には、固定部６２に設けられた孔（図示省略）とブラケット３９に設けられた孔（図示省略）とにボルトを上方から挿入して、これらを簡単に締結することができる。したがって、第１バッテリ収容空間Ｓ１における第１バッテリパック７０の着脱作業を簡単かつ迅速に行なうことができる。

　図５に示すように、バッテリ収容容器５４（または支持部５８）の下面とフロアパネル３８の上面との間で緩衝材６４が圧縮されるので、第１バッテリパック７０のがたつきを防止できる。

　図６に示すように、第１バッテリ収容空間Ｓ１に位置する第１バッテリパック７０に吊具６６を接続した状態で、吊具６６が上下方向に直交する方向、具体的には前方に移動可能なように第１吊具空間Ｓ４を形成しているので、第１バッテリパック７０を吊具６６で浮かした状態で上下方向に直交する方向（前方）に移動させて第１持上げ位置Ｐ１に位置決めすることができる。また、図７に示すように、第４持上げ位置Ｐ４に位置する第２バッテリパック７６に吊具６６を接続した状態で、吊具６６が上下方向に直交する方向、具体的には左右方向に移動可能なように第２吊具空間Ｓ６を形成しているので、第２バッテリパック７６を吊具６６で浮かした状態で上下方向に直交する方向（左右方向）に移動させて車外空間Ｓ１０に搬出することができる。このように、吊具空間Ｓ４，Ｓ６が上下方向のほか上下方向に直交する方向に拡張されていることで、第１バッテリパック７０および第２バッテリパック７６を着脱可能とした上で、これらの設置スペースの自由度を向上できるとともに、これらの着脱作業を容易に行うことができる。

　なお、図３に示す第１バッテリパック７０は、車体１２の一部である第１クロスパイプ部２２ｆと平面視で重ならないように配置されてもよい。この場合には、第１バッテリパック７０を前方に移動させるための第１持上げ空間Ｓ５の一部を省略することができる。また、図２に示す第１バッテリパック７０は、車体１２の一部であるシートフレーム３６と平面視で重なるように配置されてもよい。この場合には、第１バッテリパック７０がシートフレーム３６と重ならない第１持上げ位置Ｐ１（図６）まで移動するための移動空間が車体１２内に設けられる。さらに、図２に示す第２バッテリパック７６は、車体１２の一部と平面視で重なるように配置されていてもよい。この場合には、第２バッテリパック７６が車体１２の一部と重ならない第３持上げ位置Ｐ３（図７）まで移動するための移動空間が車体１２内に設けられる。車体１２には、第１バッテリパック７０または第２バッテリパック７６のいずれか一方だけが搭載されてもよい。

　図６に示す第１バッテリパック７０は、吊上げ装置８０を用いて第２持上げ位置Ｐ２より上方に設けられた搬出空間（図示省略）から車外空間Ｓ１０に搬出されてもよい。この場合には、図１に示す上部空間Ｓ１１が、第１バッテリパック７０の上下方向に垂直な断面よりも十分大きく形成されてもよいし、着脱可能に設けられたパイプ部２２ｃ，２２ｄ，２２ｅのいずれか１つが取外されることにより、第１バッテリパック７０を通過させる搬出空間（図示省略）が形成されてもよい。

　図６に示す第１バッテリパック７０は、上部空間Ｓ１１を通過する第１ワイヤ６６ａを有する第１の吊上げ装置８０（図６）と、上部空間Ｓ１１の外側を通過する第１ワイヤを有する第２の吊上げ装置（図示省略）とを用いて、車外空間Ｓ１０に搬出されてもよい。この場合には、第２持上げ位置Ｐ２に位置する第１バッテリパック７０に対して、第２の吊上げ装置の吊具を接続した後に、第１の吊上げ装置８０の吊具６６の接続を解除するようにしてもよい。第２持上げ位置Ｐ２に位置する第１バッテリパック７０を、車外空間Ｓ１０に搬出する吊具の構成としては、上記の構成のほかに多様な構成から適宜選択して用いることができる。

　第１バッテリ収容空間Ｓ１を上方に開放させる構成としては、図６に示す構成のほか、他の構成が用いられてもよい。たとえば、シート２０の後部を中心にシート２０の前部を上方に回動させる構成が用いられてもよいし、シート２０を着脱可能にした構成が用いられてもよい。

　上述の実施形態では、第１バッテリパック７０が上方に移動するときの障害物（車体１２の一部）である第１クロスパイプ部２２ｆ（図６）が、第１バッテリパック７０の後部の上方に設けられているが、このような障害物は、第１バッテリパック７０の前部の上方、左側部の上方および右側部の上方のいずれかに設けられていてもよい。この場合、第１持上げ空間Ｓ５は、障害物を避けて第１バッテリパック７０が移動できるように形成されていてもよい。また、障害物は、第１バッテリパック７０に干渉しないように取外しできるように形成されていてもよい。

　図６に示す第１クロスパイプ部２２ｆは、ボルト等の締結部材によって車体１２に対して着脱可能に取付けられていてもよい。この場合に、第１クロスパイプ部２２ｆを取外すと、第１バッテリ収容空間Ｓ１に収容された第１バッテリパック７０の枠体６０（図４）に対して取付部６８を取付け易くなる。また、取付部６８に対して吊具６６を取付け易くなる。さらに、第１バッテリパック７０が上方に移動するときの障害物が無くなるので、第１バッテリパック７０を吊上げ易くなる。

　図５に示す取付部６８は、第１クロスパイプ部２２ｆの前端よりも前方に配置されていてもよい。この場合には、第１クロスパイプ部２２ｆを車体１２に取付けた状態でも、第１バッテリパック７０の枠体６０に対して取付部６８を取付け易い。また、取付部６８に対して吊具６６（図６）を取付け易い。この場合でも、第１クロスパイプ部２２ｆは、第１バッテリパック７０から上方に第１間隔Ｄ１を隔てて配置されているので、第１バッテリパック７０を吊上げることができる。

　以上のように、本発明に係る電動車両は、バッテリと車体との干渉を防止しつつバッテリを大型化できるという優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できるユーティリティビークル等に広く適用すると有益である。

Ｓ１　第１バッテリ収容空間
Ｓ４　第１吊具空間
Ｓ８　第２持上げ空間
Ｓ１０　車外空間
１０　電動車両
１２　車体
２８　第１バッテリ
１４　車体フレーム
６６　吊具

Claims

　車輪駆動用電力を蓄電するバッテリを有するバッテリパックと、
　前記バッテリパックを支持する車体フレームとを備え、
　前記バッテリパックを収容するバッテリ収容空間の上方には、前記バッテリ収容空間に収容された前記バッテリパックを吊上げる吊具を配置可能な吊具空間が上方に開放して形成されており、
　車体内における前記バッテリ収容空間の上方には、前記バッテリ収容空間に収容された前記バッテリパックが上方に移動可能な持上げ空間が形成されており、
　車体内における前記持上げ空間の上部領域と車外空間との間には、前記バッテリパックが前記車外空間に向けて移動可能な搬出空間が形成されている、電動車両。
　前記バッテリ収容空間の上方には、車体の一部が配置されており、
　前記持上げ空間は、前記車体の一部を避けて上方に延びるように形成されている、請求項１に記載の電動車両。
　前記車体の一部は、上下方向に直交する方向であって、前記バッテリ収容空間に収容された前記バッテリパックが延びる方向と同じ方向に延びて形成されている、請求項２に記載の電動車両。
　前記吊具空間は、前記持上げ空間の直上に位置する領域から上下方向に直交する一方向に開放して形成されている、請求項１ないし３のいずれかに記載の電動車両。
　前記バッテリ収容空間の上方に設けられたシートを備え、
　前記シートは、前記吊具空間および前記持上げ空間から退避可能なように構成されている、請求項１ないし４のいずれかに記載の電動車両。
　前記バッテリ収容空間の上方に設けられた荷台を備え、
　前記荷台は、前記吊具空間および前記持上げ空間から退避可能なように構成されている、請求項１ないし４のいずれかに記載の電動車両。
　車輪駆動用電力を蓄電するバッテリを有するバッテリパックを車外空間に搬出する電動車両用バッテリの搬出方法であって、
　バッテリ収容空間に配置された前記バッテリパックを前記バッテリ収容空間から上方に露出させ、
　前記バッテリパックを吊上げる吊具を前記バッテリパックに接続し、
　前記バッテリパックを前記吊具で吊上げて前記バッテリ収容空間から離脱させ、
　吊上げられた前記バッテリパックを、前記吊具または他の装置を用いて上下方向に直交する一方向に移動させて車外空間に搬出する、電動車両用バッテリの搬出方法。