WO2014021116A1

WO2014021116A1 - ハンディクリーナおよび電気機器

Info

Publication number: WO2014021116A1
Application number: PCT/JP2013/069516
Authority: WO
Inventors: 亮太森; 秀明高野; 田中　剛
Original assignee: 株式会社マキタ
Priority date: 2012-08-01
Filing date: 2013-07-18
Publication date: 2014-02-06

Abstract

　ハンディクリーナは、本体ハウジング（１１）とハンドル（Ｈ）を備えるクリーナ本体（１）を有する。本体ハウジング（１１）は、バッテリ（２０）を電源とする電動モータ（１２）を内装する。ハンドル（Ｈ）は、使用者によって把持される。ハンドル（Ｈ）は、相互に持ち替えて把持される構成の第１グリップ（Ｈ１）と第２グリップ（Ｈ２）を有する。

Description

ハンディクリーナおよび電気機器

　本発明は、ハンディクリーナおよび電気機器に関する。ハンディクリーナは、車室または居室などを清掃するために使用され、比較的小型で手に持って使用され得る。

　特開２００３－２２３９９８号公報と特開平８－３３６４８６号公報にてハンディクリーナが開示されている。ハンディクリーナは、ゴミ（塵埃）を収納しかつ使用者が把持するクリーナ本体を有する。クリーナ本体は、ハウジングと電動モータとバッテリを有する。ハウジングには筒体形状の吸引ノズルが接続される。電動モータは、ハウジング内に設けられ、吸引作用を生じるファンを回転させる。ファンが回転し、ゴミが吸引ノズルからハウジングのゴミ収納部に取り入れられる。バッテリは、電動モータに電力を供給し、別途用意した充電器で充電されて繰り返し使用され得る。

　ハンディクリーナのバッテリと電動モータは、比較的重い。ハンディクリーナは、小型であることから様々な場所を清掃するのに用いられる。しかしハンディクリーナに設けられたハンドルが１箇所であるため、使用者は清掃場所に応じて手首を曲げる必要がある。

　したがって様々な清掃場所において例えば手首に大きな負担を掛けることなく使用し得るハンディクリーナが従来必要とされている。

　１つの特徴によると、ハンディクリーナは、本体ハウジングとハンドルを備えるクリーナ本体を有する。本体ハウジングは、バッテリを電源とする電動モータを内装する。ハンドルは、使用者によって把持される。ハンドルは、相互に持ち替えて把持される構成の第１グリップと第２グリップを有する。したがって使用者は、清掃場所に合わせて第１グリップと第２グリップを持ち替えることができる。これにより作業者は、手首に大きな負担を掛けることなく楽な姿勢で清掃できる。かくしてハンディクリーナを容易に操作できる。

　他の１つの特徴によると第１グリップは、クリーナ本体に設けられた吸引ノズルの軸線に交差する縦向きに延出する。第２グリップは、前記軸線と平行な横向きに延出する。したがって使用者は、縦向きと横向きにおいてハンドルを持ち替えて把持できる。これにより把持した手、例えば手首の負担を少なくでき、使用者は、楽な姿勢で迅速に清掃できる。

　他の１つの特徴によると、ハンドルにバッテリから電動モータへ通電するためのスイッチ本体が内蔵される。したがってハンドル内の空きスペースを利用してスイッチ本体を配置できる。

　他の１つの特徴によると、第１グリップと第２グリップの間に、スイッチ本体をオンオフ操作するためのスイッチレバーが設けられる。したがって第１グリップを把持した場合でも第２グリップを把持した場合でもスイッチレバーが迅速にオンオフ操作され得る。

　他の１つの特徴によると、スイッチレバーは、第１グリップを把持した手でオンオフ操作可能であり、かつ第２グリップを把持した手でもオンオフ操作可能となるように位置する。したがってスイッチレバーが迅速にオンオフ操作され得る。これにより使用者は、ハンディクリーナを容易に使用できる。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、本体ハウジングとハンドルを備えるクリーナ本体を有する。本体ハウジングは、バッテリを電源とする電動モータを内装する。ハンドルは、使用者によって把持される。ハンドルにバッテリから電動モータへ通電するためのスイッチ本体と、スイッチ本体をオンオフ操作するためのスイッチレバーが設けられる。スイッチレバーは、相互に異なる２つの操作方向に操作可能で、何れの方向への操作によってもスイッチ本体をオン操作可能な構成になっている。したがってハンドルを異なる位置で把持し、各位置において楽な操作方向へスイッチレバーを操作できる。これによりスイッチレバーが容易に操作され得る。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、本体ハウジングとハンドルを備えるクリーナ本体を有する。本体ハウジングは、バッテリを電源とする電動モータを内装する。ハンドルは、使用者によって把持される。クリーナ本体の下部に使用者の指が当てられる凹み部が設けられる。したがって使用者は、一方の手でハンドルを把持し、他方の手でクリーナ本体を下から支え得る。これにより一方の手の負担を小さくしつつハンディクリーナをしっかりと保持できる。かくして作業者は、楽に清掃できる。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、吸引ノズルとハンドルとモータとバッテリを有する。吸引ノズルは、ハウジングに設けられかつゴミ取入口を形成する。ハンドルは、ハウジングに設けられかつ作業者に把持される把持部を有する。モータは、ハウジング内に吸引作用を生じさせる。バッテリは、モータに電力を供給する。吸引ノズルの軸線上に把持部、バッテリ、モータが位置する。

　バッテリとモータは、比較的重い。これらバッテリとモータが吸引ノズルの軸線上に位置する。さらに吸引ノズルの軸線上に把持部が位置する。使用者が把持部を掴んでクリーナを操作する際、使用者の前腕の延長上にバッテリとモータと吸引ノズルが位置し得る。使用者がクリーナを揺動回転させる場合、揺動回転の軸線上にバッテリとモータが位置する。したがって使用者がハンディクリーナを操作する負荷が軽減され得る。

　他の１つの特徴によると、バッテリの重心とモータの重心が吸引ノズルの軸線方向の延長領域に位置する。したがって比較的重いバッテリとモータの各重心が吸引ノズルの延長領域に位置する。使用者が把持部を掴んでクリーナを操作する場合、使用者の前腕の延長上にバッテリとモータの重心が位置し得る。したがって使用者がハンディクリーナを揺動回転させる場合、使用者がハンディクリーナを操作する負荷が軽減され得る。

　他の１つの特徴によると、ハンディクリーナの本体全体の重心が吸引ノズルの軸線方向の延長領域に位置する。したがって使用者が把持部を掴んでクリーナを操作する場合、使用者の前腕の延長上にクリーナ全体の重心が位置し得る。したがって使用者がハンディクリーナを揺動回転させる場合、使用者がハンディクリーナを操作する負荷が軽減され得る。

　他の１つの特徴によるとハンドルが環状に形成される。バッテリが環状のハンドルに区画された空間部内に位置する。したがって誤ってクリーナを落下させた場合、ハンドルはバッテリが床面に直接衝突することを抑制し得る。

　他の１つの特徴によるとハウジングは、第１柱状構成部位と第２柱状構成部位と空間部を有する。第１柱状構成部位と第２柱状構成部位は、吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する。空間部は、第１柱状構成部位と第２柱状構成部位によって区画される。バッテリが空間部に位置する。したがって誤ってクリーナを落下させた場合、第１又は第２柱状構成部位は、バッテリが床面に直接衝突することを抑制し得る。

　他の１つの特徴によるとハウジングは、吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する柱状構成部位を有する。柱状構成部位にモータのスイッチが設けられる。バッテリが柱状構成部位に隣接してハウジングに取付けられる。したがってスイッチとバッテリが隣接しているため電気配線を短くし得る。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、ハウジングとモータとバッテリを有する。ハウジングは、環状のハンドルとハンドルによって区画される空間部を備える。モータは、ハウジング内に吸引作用を生じさせる。バッテリは、ハウジングの空間部に位置しかつモータに電力を供給する。したがって誤ってクリーナを落下させた場合、ハンドルは、バッテリが床面に直接衝突することを抑制し得る。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、ハウジングと吸引ノズルとモータとバッテリを有する。ハウジングは、ゴミ吸引経路を有する。吸引ノズルは、ハウジングに設けられてゴミ取入口を形成する。モータは、ゴミ吸引経路に吸引作用を生じさせる。バッテリは、モータに電力を供給する。ハウジングは、第１柱状構成部位と第２柱状構成部位と空間部を有する。第１柱状構成部位と第２柱状構成部位は、吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する。空間部は、第１柱状構成部位と第２柱状構成部位によって区画される。バッテリが空間部に位置する。したがって誤ってクリーナを落下させた場合、第１又は第２柱状構成部位は、バッテリが床面に直接衝突することを抑制し得る。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、吸引ノズルとモータと柱状構成部位を有する。吸引ノズルは、ハウジングに設けられてゴミ取入口を形成する。モータは、ハウジング内に吸引作用を生じさせる。バッテリは、モータに電力を供給する。ハウジングは、吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する柱状構成部位を有する。柱状構成部位にモータのスイッチが設けられる。バッテリが柱状構成部位に隣接してハウジングに取付けられる。したがってスイッチとバッテリが隣接しているため電気配線を短くし得る。

　他の１つの特徴によるとハンディクリーナは、ハンドルとモータとバッテリを有する。ハンドルは、作業者に把持される把持部を有する。モータは、ハウジング内に吸引作用を生じさせる。バッテリは、モータに電力を供給する。把持部、バッテリ、モータが同一直線上に位置する。したがって使用者が把持部を掴んでクリーナを操作する場合、使用者の前腕の延長上にバッテリとモータが位置し得る。使用者がクリーナを揺動回転させる場合、揺動回転の軸線上にバッテリとモータが位置する。そのため使用者がハンディクリーナを操作する負荷が軽減され得る。

　他の１つの特徴によると電気機器は、送風機と排気路と吸音パネルを備える。送風機は、電池によって駆動する。排気路は、送風機の下流側に配置される。吸音パネルは、排気路に設けられかつ孔と有底区画を含む複数の共鳴器を有する。したがって吸込能力が維持されつつ電気機器の送風機が発する騒音が抑制され得る。

　他の１つの特徴によると電気機器は、ハンディクリーナである。

　　他の１つの特徴によると電気機器は、吸音パネルを複数有する。複数の吸音パネルが角度を有して設置される。したがって吸音パネルは、集音して吸音し得る。あるいは吸音パネルは、跳ね返った騒音を吸音し得る。

　他の１つの特徴によると共鳴器における孔及び／又は有底区画の大きさが複数種類存在する。したがって吸音可能な騒音の周波数帯の幅が広くなる。

　他の１つの特徴によると吸音パネルは、曲面を有する。したがって共鳴器の区画体積が曲面によって複数種類とされ得る。これにより吸音周波数帯の幅が容易に広くされ得る。

　他の１つの特徴によると吸音パネルは、排気路に嵌め込んで排気路に装着される。したがって吸音パネルが容易に排気路に設置され得る。あるいは吸音パネルが排気路から外されてメンテナンスされ得る。

　他の１つの特徴によると送風機は、不等ピッチに配列された複数の羽根を有する。これにより騒音の発生が抑制され、吸音パネルが容易に設計され得る。

第１実施形態に係るハンディクリーナの斜視図である。第１実施形態に係るクリーナ本体の断面図である。図２のIII－III線断面矢視図である。第２実施形態に係るクリーナ本体の断面図である。第１実施形態の第１変形例の図３に相当する断面図である。第１実施形態の第２変形例の図３に相当する断面図である。第３実施形態に係るハンディクリーナの中央縦断面図である。図７のハンディクリーナにおけるファンの前面図である。図７のクリーナにおける吸音パネルの一部切り欠き側面図である。図９の吸音パネルの中央断面図である。第４実施形態に係る吸音パネルの図９に相当する図である。第４実施形態に係る吸音パネルの図１０に相当する図である。第５実施形態に係る吸音パネルの図９に相当する図である。第５実施形態に係る吸音パネルの図１０に相当する図である。

　図１～３を参照して本発明の第１実施形態を説明する。図中、ハンディクリーナ１００のゴミ取入口側を前と定める。ゴミ取入口側からハンディクリーナ１００のハウジング中心部方向（後方向）を見て左右方向を定める。図１に示すように第１実施形態に係るハンディクリーナ１００は、例えば小形且つ軽量の充電式掃除機である。使用者は、自動車の室内あるいは部屋の清掃等をする場合に、ハンディクリーナ１００を片手で持って使用できる。

　図１に示すようにハンディクリーナ１００は、クリーナ本体１と広域平面用ノズル２２と延長ノズル（ストレートパイプ）２１を有する。クリーナ本体１は、使用者に保持されるハンドルＨを有する。広域平面用ノズル２２は、ゴミを吸い取るための入り口になり、延長ノズル２１によってクリーナ本体１と接続される。使用者は、掃除するときにハンドルＨを片手で持ち、広域平面用ノズル２２をゴミのある位置に設置し、ハンディクリーナ１００によってゴミを吸い取る。

　図１に示すように電源としてのバッテリパック（バッテリ）２０は、クリーナ本体１の本体ハウジング１１の外部に着脱可能に取付けられる。クリーナ本体１と延長ノズル２１と広域平面用ノズル２２は、一直線上に配置される。

　図１に示すように広域平面用ノズル２２は、相互に回動自在に接続される曲がり管２２１と略直方体の吸込み部２２２を有する。曲がり管２２１の先端には、曲がり管２２１の径より大きい径を有する球状体が一体に設けられる。吸込み部２２２の半割の各々に凹部が設けられる。凹部に球状体が収まるように吸い込み部２２２の半割が球状体挟む。これにより曲がり管２２１と略直方体の吸込み部２２２が回動自在に接続される。クリーナ本体１と延長ノズル２１を揺動させると、曲がり管２２１の曲がり部を支点として球状体が変位する。これにより吸込み部２２２の向きが変わる（首振り）。

　図２に示すようにクリーナ本体１は、その外枠を形成する本体ハウジング１１を有する。本体ハウジング１１は、後部ハウジング１１２とダストカップ１１１を有する。図３に示すように後部ハウジング１１２は、樹脂製であって左右方向に半割りされた右側ハウジング１１２Ｒと左側ハウジング１１２Ｌを有する。右側ハウジング１１２Ｒと左側ハウジング１１２Ｌは、相互に突き合わされて、ねじなどの複数の図２に示す締結部材１１３によって結合される。

　図２に示すように後部ハウジング１１２は、グリップハウジング１１２ｃとモータハウジング１１２ｄを有する。グリップハウジング１１２ｃは、後部ハウジング１１２の後部に位置し、使用者に把持されるハンドルＨを構成する。グリップハウジング１１２ａ内に電気配線などの電気部品が配置され得る。モータハウジング１１２ｄは、後部ハウジング１１２の前部に位置する。モータハウジング１１２ｄに駆動源としての電動モータ１２とファン１３が内装される。

　図２に示すようにダストカップ１１１は、樹脂成形により釣鐘形状を有する。ダストカップ１１１は、後部ハウジング１１２の前端部に脱着自在に装着される。ダストカップ１１１の先端に筒形状の吸引ノズル５が設けられる。吸引ノズル５は、ダストカップ１１１から前方へ突出する。

　図２に示すように電源となるバッテリパック２０は、本体ハウジング１１の外部に着脱可能に取付けられる。バッテリパック２０は、クリーナ本体１から取り外されて充電されることで再使用できる。バッテリパック２０を電源として電動モータ１２が駆動し、電動モータ１２がファン１３を回転させる。電動モータ１２とファン１３が吸引機構を構成し、吸引機構が本体ハウジング１１に内蔵される。

　図２に示すように吸引機構により吸引されたゴミ等は、集塵機構であるろ過フィルタ１４により捕獲される。ろ過フィルタ１４は、後部ハウジング１１２の外部に接続されるため、後部ハウジング１１２内にゴミ等が侵入しにくい。ろ過フィルタ１４の周囲は、ダストカップ１１１で囲まれるため、捕獲されたゴミ等は、ダストカップ１１１とろ過フィルタ１４の間に留められる。クリーナ本体１は、ダストカップ１１１を取り外すことで２つに分離され、捕獲されたゴミ等がクリーナ本体１の外部に排出され得る。

　図２に示すように後部ハウジング１１２の後部にバッテリ取付け部１８が設けられる。バッテリ取付け部１８にバッテリパック２０が取り外し可能に装着される。バッテリ取付け部１８の上方において、後部ハウジング１１２の後部から第２グリップ（第１柱状構成部位）Ｈ２が後方へ延びる。バッテリ取付け部１８の下方において、後部ハウジング１１２の後部から断面矩形の排気管（第２柱状構成部位）１１４が同じく後方へ延びる。第２グリップＨ２と排気管１１４は、平行に後方へ延びる。第２グリップＨ２と排気管１１４が延びる方向は、ダストカップ１１１の先端に設けた吸引ノズル５の軸線Ｊ５方向と平行である。

　図２に示すように第２グリップＨ２の後部と排気管１１４の後部は、上下方向（縦方向）に延びる第１グリップ（第３柱状構成部位）Ｈ１によって連結される。第２グリップＨ２と排気管１１４と第１グリップＨ１によりループ形の円環形状部１５が構成される。円環形状部１５の内周側に空間部Ｓ１が区画される。空間部Ｓ１、第１及び第２グリップＨ１，Ｈ２及び排気管１１４は、吸引ノズル５と反対側に位置し、本体ハウジング１１の後部に位置する。

　図２に示すように第１グリップＨ１と第２グリップＨ２により、ハンディクリーナ１００のハンドルＨが構成される。使用者は、横方向に延びる第２グリップＨ２を片手で把持し、縦方向に延びる第１グリップＨ１を他の片手で把持できる。

　図２に示すように後部ハウジング１１２の下面には、側方から見て山形の下凹み部１１２ａが設けられる。下凹み部１１２ａは、ねじボス部（締結部材１１３）より前側に位置する前指当て部１１２ａ１とねじボス部より後側に位置する後指当て部１１２ａ２により構成される。使用者は、一方の手で第１グリップＨ１を把持し、他方の手を下凹み部１１２ａに当ててクリーナ本体１を下方から保持できる。これにより第１グリップＨ１を把持した一方の手の負担を小さくできる。

　図２に示すように後部ハウジング１１２の上面には、下凹み部１１２ａよりも前側にて側方から見て山形の上凹み部１１２ｂが設けられる。下凹み部１１２ａの前指当て部１１２ａ１に小指を当て、上凹み部１１２ｂに親指を当て得る。これにより使用者は、後部ハウジング１１２の前部をしっかりと把持できる。前指当て部１１２ａ１に薬指を当て、後指当て部１１２ａ２に小指を当て、使用者が後部ハウジング１１２を把持することもできる。

　後部ハウジング１１２に下凹み部１１２ａが設けられ、上凹み部１１２ｂが設けられない形態でも良い。この形態では、小指が下凹み部１１２ａに当てられ、これにより後部ハウジング１１２がしっかりと保持され得る。これに代えて、後部ハウジング１１２に上凹み部１１２ｂが設けられ、下凹み部１１２ａが設けられない形態でも良い。この形態では、親指を上凹み部１１２ｂに当てられ、これにより後部ハウジング１１２がしっかりと保持され得る。

　図２に示すように第２グリップＨ２は、後部に至るほどその幅寸法が徐々に細くなる。これにより主として薬指または小指によって第２グリップＨ２が確実に保持され得る。

　図２に示すように第１グリップＨ１と第２グリップＨ２は、Ｔ字形に結合される。すなわち第２グリップＨ２は、第１グリップＨ１よりも後方に僅かに突出する後部突出部１１５を後端部に有する。後部突出部１１５は、第１グリップＨ１を把持する手を常に位置決めできる。そのため使用者が第１グリップＨ１を把持しやすく、ハンディクリーナ１００を前方へ押す際にハンドルＨに押し力が加えられやすい。第２グリップＨ２は、後部突出部１１５を有しても良いし、有していなくても良い。

　図２に示すように第１グリップＨ１は、僅かに前方に傾いている。したがって第１グリップＨ１と第２グリップＨ２の結合部分は、第１グリップＨ１と排気管１１４の結合部分よりも吸引ノズル５に近い。そのため第１グリップＨ１を把持する腕の長手方向と吸引ノズル５の軸方向を略同一にすることができる。これにより使用者は、第１グリップＨ１を把持してハンディクリーナ１００にて掃除しやすい。

　図２に示すように第１グリップＨ１は、第１グリップＨ１を把持した手の平の中心が吸引ノズル５の軸線Ｊ５上になるような形状を有する。このため吸引ノズル５の軸線Ｊ５を中心軸としてクリーナ本体１を揺動し易い。

　図２に示すように第１グリップＨ１は、上下中央位置が太い樽形である。すなわち第１グリップＨ１の上部と下部の太さは、中央部位置よりも細い。これにより作業者は、人差し指と小指によって第１グリップＨ１を安定かつ確実に把持できる。

　図２に示すようにハンドルＨは、縦方向に延びる第１グリップＨ１と、横方向に延びる第２グリップＨ２を有する。このため使用者は、手首を屈曲させることなく第１グリップＨ１を片手で把持し、延ばした腕と同方向にハンディクリーナ１００を保持できる。かくして作業者は、楽な姿勢で清掃できる。例えば腰高さの作業台上に沿って図１に示す吸込み部２２２を往復動させて清掃できる。使用者は、第２グリップＨ２を把持し、ハンディクリーナ１００を片手でぶら下げ得る。これにより楽な姿勢で清掃できる。例えば床面等の腰より低い部位の清掃を行う場合、作業者は、大きく屈む等の窮屈な姿勢をとることなく清掃できる。

　周囲に障害物のない場所の清掃をする時は、第１グリップＨ１を持つ。机の下など、周囲に障害物のある場所の清掃を行う時は、第２グリップＨ２を持つ。このように使用環境に応じて持ち方を変えることができる。

　図２に示すように第１グリップＨ１と第２グリップＨ２の内側縁に沿ってスイッチレバー４０が設けられる。スイッチレバー４０は、第１グリップＨ１と第２グリップＨ２の何れを把持する手の指先によっても引き操作され得る。

　図２に示すようにスイッチレバー４０は、概ねＬ字形を有する。スイッチレバー４０は、第１グリップＨ１に沿った縦部４０ａと第２グリップＨ２に沿った横部４０ｂを有する。縦部４０ａの下端部が支軸４１によって第１グリップＨ１に取付けられる。スイッチレバー４０は、支軸４１を中心に前後方向に傾動され得る。

　図２に示すようにスイッチレバー４０の縦部４０ａの後部が第１グリップＨ１に内装される。縦部４０ａが支軸４１を中心に後側へ傾動すると、作動突起部４０ｃがスイッチ本体４２の作動ボタンを押す。これによりスイッチ本体４２がオンになり、バッテリパック２０から電動モータ１２に電力が供給され、電動モータ１２が起動する。

　図２に示すように作動突起部４０ｃの上方に圧縮ばね４３が設けられる。圧縮ばね４３は、縦部４０ａの上部と第２グリップＨ２の後部に設けられた係合壁部４４の間に介装される。圧縮ばね４３は、横部４０ｂを前方へ変位させるオフ方向にスイッチレバー４０を付勢する。圧縮ばね４３の付勢力に抗してスイッチレバー４０が後方へ傾動することでスイッチ本体４２がオフからオンへ操作される。

　図２に示すように第１グリップＨ１または第２グリップＨ２の何れを把持する場合であってもスイッチレバー４０を指先で引くことができる。例えば、第１グリップＨ１を把持し、人差し指によって縦部４０ａを後方に押すことができる。あるいは第２グリップＨ２を把持し、小指若しくは薬指によって横部４０ｂを上方に押すことができる。これによりスイッチレバー４０が後方へ傾動して、スイッチ本体４２がオンになり、ハンディクリーナ１００が起動し得る。

　第１グリップＨ１及び第２グリップＨ２の一部は、エラストマ樹脂で覆われる。これにより作業者は、心地良く第１グリップＨ１または第２グリップＨ２を握り得る。円環形状部１５には、適宜位置にて図示しない吊り下げ用のストラップが取付けられる。ストラップは、ハンディクリーナを吊り下げて保管する場合等に利用され得る。

　図２に示すように第２グリップＨ２の前部には、暗所での清掃時に便利な照明具１９が備え付けられる。照明具１９は、前方に障害物がない第２グリップＨ２の所定部位に設けられる。照明具１９は、第２グリップＨ２に収納されて第２グリップＨ２から出っ張らない。照明具１９は、主として吸引ノズル５の周辺を照らす。照明具１９は、光源としてＬＥＤあるいは白熱電球、蛍光灯を有し得る。照明具１９にはバッテリパック２０から電力が供給される。

　図２に示すように排気管１１４の端部にルーバー１１４ａが設けられる。ルーバー１１４ａは、クリーナ本体１からの排気の方向を変え得る。したがって使用者の体がクリーナ本体１の長手の延長線上に位置する場合、排気が使用者に当たらないように排気の方向がルーバー１１４ａによって調整され得る。

　図２に示すように排気管１１４の端部は、軸線Ｊ５方向において吸引ノズル５の反対に位置し、排気管１１４の端部と吸引ノズル５の間にハウジング１１が位置する。吸引ノズル５からの吸気方向と排気管１１４の端部からの排気方向が同一方向である。そのためクリーナ本体１内を通過する気体の圧力損失が軽減され得る。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、空間部Ｓ１に配設され、本体ハウジング１１の外部に着脱可能に取付けられる。詳細には、空間部Ｓ１を区画する本体ハウジング１１の外面にバッテリ取付け部１８が設けられる。バッテリ取付け部１８にバッテリパック２０が着脱可能に取付けられる。バッテリパック２０は、特定方向にスライドさせることでバッテリ取付け部１８に着脱される。特定方向は、空間部Ｓ１の開口部に向く方向であり（図２紙厚み方向）、吸引ノズル５の軸線Ｊ５方向とほぼ直行する。

　バッテリパック２０をバッテリ取付け部１８から取り外す方向は、バッテリパック２０をバッテリ取付け部１８へ取付ける方向と逆である。このためバッテリパック２０は、空間部Ｓ１の一方の開口部を通してバッテリ取付け部１８に着脱され得る。

　図２に示すようにバッテリ取付け部１８にプラス端子２３ａとマイナス端子２３ａが設けられる。プラス端子２３ａとマイナス端子２３ａは、バッテリ取付け部１８から後方へ突出し、左右方向（図２紙面厚み方向）に長い。バッテリパック２０には、プラス端子２３ａとマイナス端子２３ａに対応するプラス端子２３ｂとマイナス端子２３ｂが設けられる。

　バッテリパック２０及びバッテリ取付け部１８には、互いに係合可能な係合凹部若しくは係合凸部が設けられる。係合凹部と係合凸部は、バッテリパック２０がバッテリ取付け部１８にスライドして装着され得る構成になっている。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、左右方向にスライドさせ、例えば右方向からバッテリ取付け部１８に固定する。バッテリパック２０のスライド方向は、円環形状部１５の開口する方向あるいは使用者から見て横方向である。このため円環形状部１５は、複雑な形状を必要としない。例えばバッテリパック２０を上下方向若しくは前後方向にスライドさせてバッテリ取付け部１８に固定する場合、円環形状部１５が複雑な形状になる。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、空間部Ｓ１の下領域に位置する。これによりバッテリパック２０は、第２グリップＨ２から離間し、排気管１１４に近接する。したがって作業者が第２グリップＨ２を把持するスペースが十分に確保され得る。

　図２に示すようにバッテリ取付け部１８の前面に電動モータ１２の端子が設けられる。回路基板１７は、バッテリ取付け部１８に隣接し、バッテリ取付け部１８の前面に対向する。

　図２に示すように吸引ノズル５とろ過フィルタ１４とファン１３と電動モータ１２と回路基板１７とバッテリパック２０と第１グリップＨ１は、略同一直線上（軸線Ｊ５上）に配置される。特に、バッテリパック２０と電動モータ１２は、クリーナ本体１において重量比率が高い。したがって第１グリップＨ１とバッテリパック２０と電動モータ１２が軸線Ｊ５上に位置することで使用者の負担が軽減され得る。例えば第１グリップＨ１を把持してハンディクリーナ１００を軸線Ｊ５中心に揺動させる際に、使用者の負担が軽減され得る。その理由は、ハンディクリーナ１００を揺動させるために必要な力がハンディクリーナ１００の重心位置と回転軸（軸線Ｊ５）の距離に略比例するからである。本形態では、ハンディクリーナ１００の重心位置が回転軸上に近い。そのため前記距離が短く、ハンディクリーナ１００を揺動させるために必要な力が小さくなる。

　特に、クリーナは、吸引ノズル５の軸線Ｊ５回りに揺動させることが多い。そのため吸引ノズル５の軸線Ｊ５上の位置に第１グリップＨ１とバッテリパック２０と電動モータ１２が位置することが望ましい。

　図２のＧ１は、バッテリパック２０の重心位置を示す。Ｇ２は、電動モータ１２の重心位置を示す。Ｇ０は、バッテリパック２０を含むクリーナ本体１全体の重心位置を示す。破線Ｔは、吸引ノズル５の軸線Ｊ５方向の延長領域の境界を示す。延長領域は、例えば軸線Ｊ５に直交する断面積が最大である吸引ノズル５の内周面を軸線Ｊ５方向に延長した領域である。前記領域内にＧ１とＧ２とＧ０が位置する。

　上記構成のため、バッテリパック２０の有無に係らず、クリーナ本体１全体の重心が吸引ノズル５の軸線Ｊ５上に位置する。バッテリパック２０を取り外している場合は、吸引ノズル５が下に向くようにハンディクリーナ１００を持上げることが多い。この場合、クリーナ本体１全体の重心位置は、バッテリパック２０の有無によって略垂直方向に移動するのみである。そのため使用者は、重心位置の変動が気にならない。

　図２に示すようにバッテリパック２０を含むクリーナ本体１全体の重心位置Ｇ０は、電動モータ１２の軸線Ｊ５上にある。バッテリパック２０と電動モータ１２の間に回路基板１７が配設され、軸線Ｊ５上に位置する。

　バッテリパック２０は、電圧１４．４Ｖの充電式リチウムイオンバッテリである。バッテリパック２０は、別途用意する充電器で充電して繰り返し使用され得る。一般にリチウムイオンバッテリは、ニッケル水素バッテリに比べて軽い。市場で一般的に流通するニッケル水素バッテリの重さは、電圧１４．４Ｖ、公称容量３．３Ａｈの場合に１０２０ｇである。一方、リチウムイオンバッテリの重さは、電圧１４．４Ｖ、公称容量３．０Ａｈの場合に約５００ｇであり、ニッケル水素バッテリの約１／２である。従ってリチウムイオンバッテリを電源として用いることでハンディクリーナが軽くなる。

　図２に示すようにハンドルＨは、縦方向（上下方向）に延びる第１グリップＨ１と、横方向（前後方向）に延びる第２グリップＨ２を有する。そのため作業に合わせてグリップを選択して把持でき、ハンディクリーナ１００の使い勝手が向上する。

　図２に示すように第１グリップＨ１と第２グリップＨ２の何れを把持した場合でも、把持した手の指先でスイッチレバー４０を引き操作できる。したがってハンディクリーナ１００の操作性が高い。２つのグリップＨ１，Ｈ２に対して１つのスイッチレバー４０が使用され得る。そのためグリップＨ１，Ｈ２のそれぞれに対応してスイッチレバーを設ける形態に比べてハンディクリーナが安価になる。

　図２に示すように第１グリップＨ１とバッテリパック２０と電動モータ１２が軸線Ｊ５上の領域内に配置される。そのためクリーナ本体１を揺動する際の使用者の負荷が軽減され得る。Ｇ１とＧ２とＧ０が吸引ノズル５の軸線Ｊ５上の領域内に位置する。そのためクリーナ本体１を揺動する際の使用者の負荷が大きく軽減され得る。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、空間部Ｓ１内に配設される。そのため誤ってクリーナ本体１を落とした場合であってもバッテリパック２０は、直接に床に当たることが阻止される。すなわちバッテリパック２０は、円環形状部１５によって損傷することが阻止され得る。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、ハンドルＨの近傍に設けられたバッテリ取付け部１８にスライドして脱着され得る。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、本体ハウジング１１の外面に装着されるいわゆるカートリッジ式である。一方、従来のバッテリは、クリーナ本体内に挿入される組み込み式である。そのためバッテリパック２０は、蓋等を開閉することなく、本体ハウジング１１に脱着され得る。

　図２に示すようにバッテリパック２０は、クリーナ本体１から露出された状態で取付けられる。そのためバッテリパック２０のサイズまたは形状は、バッテリ取付け部１８に対応すれば良い。かくしてバッテリパック２０は、他形態のハンディクリーナ若しくは電動工具で使用されるバッテリと共用され得る。

　広範囲の電圧に対する電動モータ１２あるいは変換回路を使用することで、例えば１２Ｖ、１４．４Ｖあるいは１８Ｖなどの異なる電圧のバッテリパック２０が使用され得る。

　図４を参照して第２実施形態について説明する。図４に示すクリーナ本体３は、図２に示す第１実施形態と異なるスイッチを有する。クリーナ本体３の他の構成は、実質的に第１実施形態と同じである。

　図２に示すスイッチ（スイッチレバー４０）は、引き操作されることでＯＮになるトリガースイッチである。一方、図４に示すスイッチは、電子スイッチを含むスイッチプレート３６を有する。電子スイッチが押されてスイッチがオンになる。スイッチプレート３６は、第２グリップＨ２の根元（前部）に配設され、照明具１９に隣接する。

　図４に示すようにバッテリ取付け部１８と回路基板１７は、Ａ配線２４ａによって接続される。回路基板１７と電動モータ１２は、Ｂ配線２４ｂによって接続される。回路基板１７とスイッチプレート３６は、Ｃ配線２４ｃによって接続される。回路基板１７と照明具１９は、Ｄ配線２４ｄによって接続される。第１実施形態も同様の配線を有する。

　図４に示すように電気配線が接続される部品がクリーナ本体３の中央部に集中している。これにより電気配線は、クリーナ本体３を長手方向に四等分した際の把持部側中央の１／４の長さ領域に集中する。そのため配線を短くできる。第１実施形態も同様の構成を有し、実質的に同じ作用効果を奏する。

　図４に示すようにクリーナ本体３は、第１グリップＨ１と第２グリップＨ２を有する。第２グリップＨ２を把持した手の指先でスイッチプレート３６がオンオフ間で切替えられる。第１グリップＨ１を一方の手で把持した場合は、他方の手でスイッチプレート３６がオンオフ間で切替えられる。

　図５を参照して第１実施形態の第１変形例について説明する。図５の排気管１１４は、図３の排気管１１４と異なる左右方向の幅長さを有する。図３の排気管１１４の幅は、バッテリパック２０の幅よりも若干短い。一方、図５の排気管１１４の幅は、バッテリパック２０の幅よりも長い。したがってハンディクリーナ１００が横向きに床に落下した際、排気管１１４が床に接触する可能性が高い。そのためバッテリパック２０が損傷する可能性が低減する。

　図６を参照して第１実施形態の第２変形例について説明する。図６の排気管１１４は、図３，５の排気管１１４と異なる幅長さを有する。図３，５においてバッテリパック２０の一部は、第２グリップＨ２と排気管１１４が接する平面上に位置する。一方、図６においてバッテリパック２０は、第２グリップＨ２と排気管１１４が接する平面上に位置しない。したがってハンディクリーナ１００が傾いた状態で床に落下した場合に、第２グリップＨ２又は排気管１１４がバッテリパック２０よりも床に接触する可能性が更に高い。これによりバッテリパック２０の損傷する可能性が更に低減する。

　本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。

　図２に示すスイッチレバー４０に代えて、グリップＨ１，Ｈ２のそれぞれに対応する各スイッチレバーが設けられても良い。

　図２に示すスイッチレバー４０に代えて、押しボタンあるいはテープスイッチが設けられても良い。テープスイッチは、シート状で可撓性を有し、第１グリップＨ１と第２グリップＨ２に沿って貼り付けられても良い。

　ハンディクリーナ１００は、図２に示すように排気管１１４を有していても良いし、排気管１１４を有していなくても良い。排気管１１４を有さない場合、後部ハウジング１１２の左右部に排気口を設け、排気口を経てファン１３から排気しても良い。

　バッテリパック２０は、図２に示すように横方向にスライドして本体ハウジング１１に脱着されても良いし、上下方向、前後方向あるいは傾斜方向にスライドして本体ハウジング１１に脱着されても良い。

　バッテリは、ハウジングの外部に取付けられても良いし、ハウジング内に取付けられても良い。

　ハンディクリーナ１００は、集塵手段として図２に示すろ過フィルタ１４に代えて、遠心分離または電気集塵などの各種の集塵手段を有していても良い。ハンディクリーナ１００は、１つまたは２以上の集塵手段を有していても良い。

　バッテリパックは、排気管１１４に沿って若しくはその内部に装着されても良い。

　図７～１０を参照して第３実施形態を説明する。図７に示すようにハンディクリーナ２０１は、本体部２０２の前側（図７の右側）に集塵ケース２０４を備える。集塵ケース２０４は、後方に開口する釣鐘状である。集塵ケース２０４の前端にノズル状の吸込口２０６が形成される。集塵ケース２０４の開口部が本体部２０２の前縁に嵌め込まれて、集塵ケース２０４が本体部２０２に取付けられる。集塵ケース２０４と本体部２０２の前部によって集塵室が形成され、吸込口２０６が集塵室に通じている。

　図７に示すように集塵ケース２０４内にダストフィルタ２１０が収容される。ダストフィルタ２１０は、袋状のフィルタ２１１とフィルタフレーム２１２とプレフィルタ２１３を備える。フィルタフレーム２１２は、フィルタ２１１内に挿入される先細り筒状である。プレフィルタ２１３は、フィルタ２１１の外側を覆う。フィルタフレーム２１２とプレフィルタ２１３は、本体部２０２の前部に取付けられる。

　図７に示すように本体部２０２は、縦半割状の２つの本体ハウジング部を左右から組み合わせて成る本体ハウジング２１９で覆われる。本体部２０２の前部にファンケース２２０が設けられ、ファンケース２２０にファン２２１が収容される。ファンケース２２０は、後側を開放した皿状であり、前側中央に吸気開口２２５を備える。

　図８は、ファンケース２２０を外した本体部２０２の前面を示す。ファン２２１は、複数の羽根２２６を備え、全方向に風を吹き出す遠心ファンである。各羽根２２６は、前方から見て放射方向から右へ傾く渦線状であり、前方に立設する。羽根２２６の間隔の全てあるいは一部が等しくなく、不均一な間隔である。図８の一点鎖線で示すようにファン２２１の回転軸を中心とする隣接する羽根２２６の内周基端部のなす角度は、さまざまな大きさを有する。

　図７に示すようにファン２２１あるいはファンケース２２０の後側にモータケース２３０が設けられる。モータケース２３０にモータ２３１が収容される。モータケース２３０は、前方に開いた碗状である。モータケース２３０の後部下側に排気開口２３２が設けられる。モータ２３１の回転軸２３５にファン２２１が固定される。電動の送風機は、ファン２２１とモータ２３１を含む。ファン２２１は、モータ２３１によって回転する。

　図７に示すように本体ハウジング２１９は、モータケース２３０以後においてループ状のハンドル２３９を有する。ハンドル２３９の下前端にモータケース２３０の排気開口２３２が位置する。本体ハウジング２１９は、排気開口２３２以降において筒状の排気路２４０を有する。ハンドル２３９の後部にスイッチ２４５が設置される。ハンドル２３９の前部の後面に電池取付部２４６が設けられる。電池取付部２４６に電池２４７が取付けられる。電池２４７は、モータ２３１の後方に位置する。モータ２３１、スイッチ２４５、電池取付部２４６、及び電池取付部２４６に取付けられた電池２４７は、互いに電気的に接続される。電池２４７は、電池取付部２４６に装着された時、及び／又は図示しない別個の充電器に装着された時に充電され得る。

　図９，１０に示すように排気路２４０に複数の吸音パネル２５０が設けられる。各吸音パネル２５０は、板状であり、パネルベース２５２とパネルカバー２５３を有する。パネルベース２５２は、ハニカム状の複数の有底区画２５１を有する。有底区画２５１は、正六角柱状である。

　図９，１０に示すようにパネルカバー２５３は、複数の有底区画２５１の開口を覆う。パネルカバー２５３には、有底区画２５１に対応する複数の孔２５４が設けられる。各有底区画２５１とパネルカバー２５３で囲まれる空間は、孔２５４を通じて吸音パネル２５０の外部に通じる。吸音パネル２５０の外部を流れるエアの一部が孔２５４から当該空間内に出入りすることでエアの圧力変動が共鳴により減衰される。したがって有底区画２５１と孔２５４は、共鳴器としての役割を担う。

　図９，１０に示すように共鳴器によって減衰される圧力変動の周波数は、前記空間または孔２５４の大きさに依存する。孔２５４が大き過ぎると共鳴器として機能し難くなる。そのため減衰される圧力変動の周波数は、主に前記空間の大きさに依存する。パネルカバー２５３は、パネルベース２５２に容易に装着するために平板状が好ましい。そのため前記空間の大きさは、有底区画２５１の形状（容積）によって決定される。減衰される圧力変動の周波数は、有底区画２５１の形状によって主に決定される。

　図９，１０に示すように実際に減衰される周波数は、有底区画２５１の体積に応じた厳密な値を含む所定の幅を有する。エアが吸音パネル２５０の外部を通過することで所定幅の周波数に係る圧力変動が低減される。吸音パネル２５０は、有底区画２５１の体積に応じた周波数帯の圧力変動を吸収する。

　図７に示すように吸音パネル２５０は、排気路２４０の後半部内に着脱可能に設置される。排気路２４０の後半部は、角柱状であって、ハンドル２３９下部を構成する。各吸音パネル２５０が排気路２４０の左部、右部、下部に設置される。排気路２４０の後端縁にフィルタ板２６０が嵌め込まれる。フィルタ板２６０の後ろに排気路２４０を流れるエア（排気）の方向を変更するフィン２６１が設けられる。

　図７に示すハンディクリーナ２０１の動作例を以下に説明する。スイッチ２４５をオンにすると、電池２４７がモータ２３１に電気を供給し、モータ２３１が回転軸２３５を介してファン２２１を回転させる。各羽根２２６がエアを外方へ送り、下記のエア流れが発生する。

　図７に示すようにエアが吸込口２０６から吸引されて集塵ケース２０４内に取り込まれる。取り込まれたエアは、ダストフィルタ２１０を通過する。フィルタ２１１とプレフィルタ２１３は、エア内の塵埃を捕捉する。エアは、吸気開口２２５を通ってファンケース２２０に入り、ファン２２１がエアを外方に送る。ファン２２１の各羽根２２６は、不等ピッチにおいて配置される。羽根２２６の通過の周期が不規則になるため、均一なピッチのファンによって発生する特有の雑音（高周波音）の発生が抑制される。

　図７に示すようにファン２２１に吸引されたエアは、ファンケース２２０の内壁またはモータケース２３０の内壁に当たり、後方に曲げられる。これによりエアは、モータケース２３０の排気開口２３２に案内される。エアは、本体ハウジング２１９に直接吹き当たらないため、風量ムラによる本体ハウジング２１９の振動が抑制される。

　図７に示すようにエアは、排気開口２３２から排気路２４０を通り、フィルタ板２６０を通る。エアは、フィン２６１によって排気方向が調整されて排気される。エアが生ずる音は、排気路２４０を通過する際に下記のように吸収される。エアの一部は、排気路２４０に設置された吸音パネル２５０の何れかの孔２５４に入る。圧力変動が共鳴により熱エネルギー等に変換されて吸収される。吸収される圧力変動の周波数は、有底区画２５１の体積に対応する範囲である。

　３枚の吸音パネル２５０がU字状に配置される。複数の吸音パネル２５０が互いに角度を有して配置される。エアの流れが微視的に種々の方向に向いていても吸音される。他の吸音パネル２５０または排気路２４０の壁に跳ね返ったエアにおける音も吸音される。吸音パネル２５０の設置角度によってエアの方向を調整できる。これにより集音して効率的な吸音ができる。

　図７に示すようにハンディクリーナ２０１は、送風機と排気路２４０と吸音パネル２５０を備える。送風機は、電池２４７により駆動するファン２２１とモータ２３１を有する。排気路２４０は、送風機の下流側に配置される。吸音パネル２５０は、複数の共鳴器を有し、共鳴器は、排気路２４０に設けられた孔２５４と有底区画２５１を含む。電池駆動の送風機を備えるハンディクリーナ２０１では、エア圧力変動の周波数変化または排気路２４０内の排気の強さまたは方向の変化が起き得る。共鳴器は、該変化を効果的に減衰できる。吸音パネル２５０は、排気路２４０を塞がずに吸音する。したがって吸音パネル２５０は、エアが吸込まれることを妨げない。

　図７に示すように複数の吸音パネル２５０は、U字状に配設され、例えば相互に９０°の角度で設置される。複数の吸音パネル２５０は、角度を有して設置されるために、排気路２４０において様々な方向に跳ね返ったエアを吸音できる。好ましくは複数の吸音パネル２５０は、集音することで効率的に吸音できる。

　図７に示すように吸音パネル２５０は、排気路２４０に嵌め込まれるために容易に排気路２４０に装着されあるいは容易にメンテナンスされ得る。送風機は、不均一なピッチで配設されたファンを有する。そのため送風機により発生するエア圧力変動が抑制され、騒音が抑制され得る。これにより吸音パネル２５０の設計が容易にされ得る。

　図１１，１２を参照して第４実施形態を説明する。第４実施形態に係るクリーナは、第３実施形態と同様に構成され、図９，１０に示す吸音パネル２５０に代えて図１１，１２に示す吸音パネル２７０を有する。吸音パネル２７０は、ハニカム状のリブを有するパネルベース２７２とパネルカバー２７３を備える。

　図１１，１２に示すようにパネルベース２７２は、第３実施形態と同じ有底区画２５１と有底区画２７１ａ，２７１ｂを有する。有底区画２７１ａは、隣接する六角形状の有底区画２５１の共通壁を無くし、これらを２個つなげた構造になっている。有底区画２７１ｂは、隣接する３個の有底区画２５１をつなげた構造になっている。吸音パネル２７０の孔２７４は、各有底区画２５１，２７１ａ，２７１ｂに設けられる。

　図１１に示すように有底区画２５１，２７１ａ，２７１ｂは、複数の大きさを有する。有底区画２５１を備える共鳴器は、エア圧力変動の第１の周波数帯を吸音する。有底区画２７１ａまたは有底区画２７１ｂを備える共鳴器は、エア圧力変動の第２または第３の周波数帯の音を吸収する。これにより吸音される周波数帯が幅広くなる。電池駆動の送風機を備えるハンディクリーナ２０１は、運転開始から定常状態まであるいは定常状態から運転終了までにおいて音の周波数変動を生じ得る。さらにハンディクリーナ２０１は、電池の容量が低下することで音の周波数変動を生じ得る。ハンディクリーナ２０１は、複数種類の共鳴器を有する。一つの共鳴器は、電池容量が多い時の周波数帯を吸音し得る。他の共鳴器は、電池容量が少ない時の周波数帯を吸音し得る。これによりハンディクリーナ２０１は、電池容量の変化に係らずに好適に吸音できる。有底区画２７１ａ，２７１ｂは、有底区画２５１を複数組合わせて形成される。そのため吸音周波数帯の異なる共鳴器が容易に形成され得る。

　図１３，１４を参照して第５実施形態を説明する。第５実施形態に係るクリーナは、第３実施形態と同様に構成され、図９，１０に示す吸音パネル２５０に代えて図１１，１２に示す吸音パネル２８０を有する。吸音パネル２８０は、ハニカム状のリブを有するパネルベース２８２とパネルカバー２５３を備える。

　図１３，１４に示すようにパネルベース２８２は、パネルカバー２５３に対向する断面円弧状の曲面を有する。ハニカムリブにより形成される有底区画２８１ａ，２８１ａ’，２８１ｂ，２８１ｂ’，２８１ｃは、曲面の一部を底に有する。したがって有底区画２８１ａ，２８１ａ’，２８１ｂ，２８１ｂ’，２８１ｃは、六角柱状でありつつ互いに容積の異なる空間を仕切る。排気路２４０は、吸音パネル２８０の曲面に沿いかつ吸音パネル２８０が装着される装着部分を有する。

　図１３，１４に示すように共鳴器に係る有底区画２８１ａ，２８１ａ’，２８１ｂ，２８１ｂ’，２８１ｃの大きさは、複数種類存在する。そのため吸音できる周波数帯の幅が広くなる。有底区画２８１ａ，２８１ａ’，２８１ｂ，２８１ｂ’，２８１ｃの一面は、吸音パネル２５０の曲面にて形成される。そのため吸音周波数帯の異なる共鳴器が容易に形成され得る。ハンドル２３９または排気路２４０が曲面を有する場合、各吸音パネル２８０がその曲面に追従し得る曲面を有することが好ましい。これによりハンドル２３９の美観が向上あるいは排気路２４０の排気性能が向上しつつ、吸音パネル２８０が容易にハンドル２３９または排気路２４０に装着され得る。吸音パネル２８０は、幅広い周波数帯の音を吸収し得る。

　吸音パネルの共鳴器は、第３実施形態のように連結された区画を有していても良い。吸音パネルの共鳴器は、第５実施形態のように底に曲面を有していても良い。吸音パネルの共鳴器は、四角柱状の区画、四角柱状と六角柱状の組合せ等の区画を有していても良い。吸音パネルの共鳴器は、底以外にて曲面を有していても良い。吸音パネルの共鳴器は、孔の面積または孔の個数の相違する区画を有していても良い。

　クリーナは、２個以下あるいは３個以上の吸音パネルを有していても良い。吸音パネルのなす角度は、９０°未満でも良いし、あるいは９０°超でも良い。吸音パネルは、排気路の長手方向に並設されても良い。各吸音パネルは、異なる区画形状を有していても良い。各吸音パネルは、曲面を有しても良いし、有していなくても良い。

　ファンは、上述するように不等なピッチにおいて設置されても良いし、等ピッチにおいて設置されても良い。ファンケースとモータケースは、別に設けられても良いし、一体にされても良い。排気路は、後方に向く出口を有していて良いし、横方向に向く出口を有していても良い。電池またはスイッチ等は、ハンドル外側等に設けられても良い。クリーナは、フィルタケースを有していなくても良い。電池は、一次電池であっても良い。各種部材は、他の形状を有していも良い。各種部材の個数または配置は、適宜変更しても良い。上記構造は、電池駆動の送風機を備える集塵機、ブロワ等の他の電気機器に適用しても良い。

Claims

　ハンディクリーナであって、
　バッテリを電源とする電動モータを内装する本体ハウジングと、使用者が把持するためのハンドルとを備えるクリーナ本体を有し、
　前記ハンドルは、相互に持ち替えて把持される構成の第１グリップと第２グリップを有するハンディクリーナ。
　請求項１記載のハンディクリーナであって、
　前記第１グリップは、前記クリーナ本体に設けられた吸引ノズルの軸線に交差する縦向きに延出し、
　前記第２グリップは、前記軸線と平行な横向きに延出するハンディクリーナ。
　請求項１又は２記載のハンディクリーナであって、
　前記ハンドルに、前記バッテリから前記電動モータへ通電するためのスイッチ本体が内蔵されたハンディクリーナ。
　請求項３記載のハンディクリーナであって、
　前記第１グリップと前記第２グリップの間に、前記スイッチ本体をオンオフ操作するためのスイッチレバーが設けられたハンディクリーナ。
　請求項４記載のハンディクリーナであって、
　前記スイッチレバーは、前記第１グリップを把持した手でオンオフ操作可能であり、かつ前記第２グリップを把持した手でもオンオフ操作可能となるように位置するハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　バッテリを電源とする電動モータを内装する本体ハウジングと、使用者が把持するためのハンドルとを備えるクリーナ本体を有し、
　前記ハンドルに、前記バッテリから前記電動モータへ通電するためのスイッチ本体と、前記スイッチ本体をオンオフ操作するためのスイッチレバーが設けられ、
　前記スイッチレバーは、相互に異なる２つの操作方向に操作可能で、何れの方向への操作によっても前記スイッチ本体をオン操作可能な構成としたハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　バッテリを電源とする電動モータを内装する本体ハウジングと、使用者が把持するためのハンドルとを備えるクリーナ本体を有し、
　前記クリーナ本体の下部に使用者の指が当てられる凹み部が設けられたハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　ハウジングに設けられかつゴミ取入口を形成する吸引ノズルと、
　前記ハウジングに設けられかつ作業者に把持される把持部を有するハンドルと、
　前記ハウジング内に吸引作用を生じさせるモータと、
　前記モータに電力を供給するバッテリを有し、
　前記吸引ノズルの軸線上に前記把持部、前記バッテリ、前記モータが位置するハンディクリーナ。
　請求項８記載のハンディクリーナであって、
　前記バッテリの重心と前記モータの重心が前記吸引ノズルの前記軸線方向の延長領域に位置するハンディクリーナ。
　請求項８又は９記載のハンディクリーナであって、
　前記ハンディクリーナの本体全体の重心が前記吸引ノズルの前記軸線方向の延長領域に位置するハンディクリーナ。
　請求項８～１０のいずれか１項に記載のハンディクリーナであって、
　前記ハンドルが環状に形成され、
　前記バッテリが前記環状の前記ハンドルに区画された空間部内に位置するハンディクリーナ。
　請求項８～１０のいずれか１項に記載のハンディクリーナであって、
　前記ハウジングは、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する第１柱状構成部位と、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する第２柱状構成部位と、前記第１柱状構成部位と前記第２柱状構成部位によって区画される空間部を有し、
　前記バッテリが前記空間部に位置するハンディクリーナ。
　請求項８～１０のいずれか１項に記載のハンディクリーナであって、
　前記ハウジングは、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する柱状構成部位を有し、
　前記柱状構成部位に前記モータのスイッチが設けられ、
　前記バッテリが前記柱状構成部位に隣接して前記ハウジングに取付けられるハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　環状のハンドルと前記ハンドルによって区画される空間部を備えるハウジングと、
　前記ハウジング内に吸引作用を生じさせるモータと、
　前記ハウジングの前記空間部に位置しかつ前記モータに電力を供給するバッテリを有するハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　ゴミ吸引経路を有するハウジングと、
　前記ハウジングに設けられてゴミ取入口を形成する吸引ノズルと、
　前記ゴミ吸引経路に吸引作用を生じさせるモータと、
　前記モータに電力を供給するバッテリを有し、
　前記ハウジングは、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する第１柱状構成部位と、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する第２柱状構成部位と、前記第１柱状構成部位と前記第２柱状構成部位によって区画される空間部を有し、
　前記バッテリが前記空間部に位置するハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　ハウジングに設けられてゴミ取入口を形成する吸引ノズルと、
　前記ハウジング内に吸引作用を生じさせるモータと、
　前記モータに電力を供給するバッテリを有し、
　前記ハウジングは、前記吸引ノズルの軸線方向と平行に延出する柱状構成部位を有し、
　前記柱状構成部位に前記モータのスイッチが設けられ、
　前記バッテリが前記柱状構成部位に隣接して前記ハウジングに取付けられるハンディクリーナ。
　ハンディクリーナであって、
　作業者に把持される把持部を有するハンドルと、
　前記ハウジング内に吸引作用を生じさせるモータと、
　前記モータに電力を供給するバッテリを有し、
　前記把持部、前記バッテリ、前記モータが同一直線上に位置するハンディクリーナ。
　電気機器であって、
　電池によって駆動する送風機と、
　前記送風機の下流側に配置された排気路と、
　前記排気路に設けられかつ孔と有底区画を含む複数の共鳴器を有する吸音パネルを備える電気機器。
　請求項１８記載の電気機器であって、
　前記電気機器がハンディクリーナである電気機器。
　請求項１８または１９記載の電気機器であって、
　前記吸音パネルを複数有し、
　前記複数の吸音パネルが角度を有して設置される電気機器。
　請求項１８～２０のいずれか１項に記載の電気機器であって、
　前記共鳴器における前記孔及び／又は前記有底区画の大きさが複数種類存在する電気機器。
　請求項２１記載の電気機器であって、
　前記吸音パネルは、曲面を有する電気機器。
　請求項１８～２２のいずれか１項に記載の電気機器であって、
　前記吸音パネルは、前記排気路に嵌め込んで前記排気路に装着される電気機器。
　請求項１８～２３のいずれか１項に記載の電気機器であって、
　前記送風機は、不等ピッチに配列された複数の羽根を有する電気機器。