WO2013125067A1 - 胃瘻用半固形栄養剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】胃食道逆流の発生が抑制された胃瘻用半固形栄養剤を提供する。 【解決手段】本発明は、糖質7~17重量%と、蛋白質1.5~6.5重量%とを含む胃瘻用半固形栄養剤であって、37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、篩に乗せて残渣の重量を測定する形状変化評価試験により算出される前記残渣の割合を示す残存率が、20%以下好ましくは10%以下である、胃瘻用半固形栄養剤である。

Description

胃瘻用半固形栄養剤
 本発明は、胃瘻用半固形栄養剤に関する。
 食道と気管とは隣接しているため、嚥下の動作により喉頭蓋が気管の入口である喉頭を塞ぐことで誤嚥を防いでいる。健常者が誤嚥した場合は、咳やむせにより気管から誤って入った食物等を出そうとし、仮に、誤嚥により食物中の細菌等が気管や肺に入り込んでも、免疫によって当該細菌を駆逐できるため、通常の社会生活をする上では影響は殆どない。
 しかし、高齢者や脳の疾患などの影響で嚥下機能の低下した人は、食物をうまく飲み込むことができず、また喉頭蓋の動きが低下しているため、咳やむせといった動作も鈍く誤嚥し易く、さらに誤嚥によって当該食物中の細菌が気管や肺に入ると、免疫力の低下などにより細菌を駆逐することができないため、細菌性の肺炎に感染しやすいといった問題がある。この問題は、食物の経口摂取が困難な患者に対して施され、患者の腹壁と胃壁とに跨って造設された胃瘻の瘻孔に挿入された栄養チューブを介して患者の胃に注入するといった経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG法)においても、同様に胃食道逆流により食物中の細菌が気管や肺に入ることが起こりうる。
 一般に、胃食道逆流は、胃液の逆流を防ぐ括約筋の機能低下、食道や胃の蠕動運動の低下、腹圧の上昇、胃液の分泌増加、過剰な食物摂取など種々の要因が重なって起こるものであると言われており、現在のところ胃食道逆流を根本的に治療する方法は無く、対症療法が主である。また、高齢者や脳血管障害等により経口摂取不能となった患者は、免疫力も著しく低下しており、胃食道逆流により胃内容物が肺まで達すると、重篤な肺炎を併発して、最悪のケースは呼吸不全等により死に到る虞がある。例えば、非特許文献1では、胃瘻患者の10%~20%が胃食道逆流のハイリスク患者であることが報告されている。
 そのため、PEG法において使用されるいわゆる胃瘻用半固形栄養剤には、栄養剤としての機能だけでなく胃食道逆流を低減することが胃瘻栄養の安全性向上の観点では重要な課題の一つである。かかる課題を解決する技術としては特許文献1および特許文献2が挙げられる。
 当該特許文献1では、形態保持性を有する半固形状の経腸栄養剤、具体的には液状栄養剤に寒天を加えて半固形化するか、もしくは卵を加えて凝固することによって形態保持性を賦与した経腸栄養剤が胃食道逆流の防止に有用であることが開示されている。半固形化された栄養剤は胃瘻チューブを介して胃内に注入される過程で栄養剤は分断されるが、分断された栄養剤は胃内でも形態保持性を有することによって、胃の蠕動運動が刺激され、結果として、胃食道逆流が防止されると考えられている。
 当該特許文献2には、栄養組成物の製造段階で半固形化されたゲル化栄養剤の製造技術が開示されているが、その意図するところは特許文献1と同様であり、寒天を配合して形態保持性を賦与した半固形状栄養組成物を提供するものである。
 一方、非特許文献2に示す研究では、胃食道逆流の防止に有用な栄養組成物は、必ずしも固体に類似した形態保持性を有する物質に限定されるものではないことが示されている。即ち、10000mPa・s以上の高粘性の半固形状組成物を、1回におよそ200g以上の量で、約10分程度の短時間で胃瘻チューブから注入することにより、胃壁の弛緩をもたらし、その結果、胃壁に存在する伸展受容器を介して食道側から小腸側に向かう強力な胃蠕動が誘発されることによって、胃内容物の逆流が抑えられることが記載されている。
特開2007-211032号公報 特開2006-182767号公報
Coben RM:Gastroenterogy 1994 「胃瘻からの半固形短時間注入法の手技とそのエビデンス」合田文則編 胃瘻からの半固形短時間摂取法ガイドブック―胃瘻患者のQOL向上を目指して 医歯薬出版 19頁-26頁 (2006)
 近年の研究により、半固形状の栄養組成物が胃瘻患者の胃食道逆流を抑制できる点で優れていることが明らかになってきたが、半固形状の組成物の性状によっては栄養成分の消化・吸収に悪影響を及ぼす可能性がある。即ち、胃内に注入された栄養組成物は、胃内で食塊として貯留される間に胃酸と混和されるが、ゲル状の半固形組成物に由来する食塊はその形態を保持したまま小腸に送り込まれることとなる。市販の半固形栄養剤を半固形化するために用いられているゲル化剤は、本来的に難消化性の物質であり、このため食塊は消化不十分なまま排泄され、栄養成分の体内での利用性が低下するために患者の状態によっては栄養不良を招く虞がある。そのため、特許文献1のような形態保持性を賦与した経腸栄養剤や特許文献2のゲル化栄養剤は、胃内容物の逆流が抑えられたとしても栄養不良を引き起こすという問題が生じる。従って、胃食道逆流を防止するとともに、消化・吸収性も良好な半固形流動食が求められる。
 第二に、栄養成分とともに水分管理における安全性も重要な課題である。水分補給を目的とした半固形状組成物が市販されているが、栄養組成物とは別個に購入する経済的負担の問題があり、このため多くの場合、お茶等に「トロミ剤」と称される粉末増粘剤を溶かして胃瘻チューブから注入されているが、トロミ剤を衛生的に溶解する手間等の問題がある。第三に、胃瘻患者の多くに認められる副作用として下痢、便秘等の問題がある。近年、大腸機能維持には食物繊維が重要であることが解明されており、半固形栄養組成物においても食物繊維の適宜な処方が求められている。
 そこで、本発明の一形態では、胃食道逆流を抑制・防止でき、腸内での食塊の分解性に優れた栄養剤を提供する。本発明の他の形態では、半固形状組成物としての物性を保持したまま、水分含有量を増加させた半固形組成物を提供することによって、水分補給時の胃食道逆流を抑制・防止できる栄養剤を提供する。本発明のその他の形態では、適切な種類と量の食物繊維を有するために大腸機能の維持に有用である栄養剤を提供する。
 本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、糖質7~17質量%と、蛋白質1.5~6.5質量%と、を含む胃瘻用半固形栄養剤であって、37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、目開き300μmの篩に乗せて残渣の重量を測定する形状変化評価試験により算出される前記残渣の割合を示す残存率が20%以下である、胃瘻用半固形栄養剤により、上記課題を解決する。
 本発明により、胃瘻患者において多発する胃食道逆流を抑制・防止することができる。
 本発明により、十分な量の栄養成分、水分、および食物繊維を消化管機能が衰えた寝たきりの高齢患者においても消化しやすい状態で、安全に補給可能な胃瘻用半固形栄養剤を提供できる。
図1は、本発明の実施例の胃瘻用半固形栄養剤の形状変化評価試験の様子を示す写真である。 図2は、比較例の胃瘻用半固形栄養剤の形状変化評価試験の様子を示す写真である。
 本発明の第一は、糖質7~17質量%と、蛋白質1.5~6.5質量%と、を含む胃瘻用半固形栄養剤であって、37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、目開き300μmの篩に乗せて残渣の重量を測定する形状変化評価試験により算出される前記残渣の割合を示す食塊残存率が、20%以下である、胃瘻用半固形栄養剤である。
 これにより、胃食道逆流を抑制・防止でき、腸内での食塊の分解性に優れた栄養剤を提供することができる。
 本明細書における「37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、(目開き300μmの)篩に乗せて残渣の重量を測定する形状変化評価試験により算出される前記残渣の割合を示す食塊残存率」とは、胃瘻用半固形栄養剤を加えた37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、篩に乗せて残渣の重量を測定した形状変化評価試験により、人工腸液に加えた前記胃瘻用半固形栄養剤に対する前記残渣の重量の割合(%)をいい、具体的には、パドル式溶出試験機(富山産業社製)のビーカー内に人工腸液(pH6.8 関東化学株式会社製)を500mL入れて37℃に30分加温し、この溶液内に試料である胃瘻用半固形栄養剤100gをシリンジにて注入した後、溶出試験機のパドルを試料に触れないように毎分65回転の速度で60分間回転させた後、当該溶出試験機を停止し、液内に分散した試料と共に、溶液を60メッシュの篩(目開き300μm :JIS規格用 TEST‐SIEVE)に乗せて、篩上に残った固形分を残渣としてその重量を測定し、当初の胃瘻用半固形栄養剤の重量100gに対する残渣重量(g)の割合を食塊残存率(%)として算出している。
 後述する実施例において、人工胃液に対する食塊残存率(%)を測定する場合は、溶出試験機(富山産業)のビーカー内に人工胃液(pH1.2 関東化学株式会社製)を500mL入れ、37℃に30分加温した後、この溶液内に100gの試料をシリンジにて注入する。溶出試験機のパドルは試料に触れないように毎分3回転の速度で5分間回転させた後、溶出試験機を停止し、液内に分散した試料と共に、溶液を60メッシュの篩にのせ、篩上の固形分を残渣とし、その重量を測定した。食塊残存率(%)は、注入した量100gに対する残渣重量(g)の割合(%)として算出した。
 なお、ここで、メッシュとはJISで定められた標準篩の番手を意味し、60メッシュは目開き寸法300μmの篩を意味する。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の人工腸液中での食塊残存率は、20%以下であり、10%以下が好ましいが、人工胃液中で、パドル回転数3rpmの低速にて5分間撹拌した後の食塊残存率は、80%以上が好ましく、85%以上であることがより好ましい。
 本発明では、胃瘻用半固形栄養剤の注入直後は、胃内に80%以上残存していることが、胃蠕動を開始させるためには必要であることを確認している。但し、60分後の人工胃液による食塊残存率は、人工腸液と同様に10%以下まで低下することを確認している。
 なぜならば、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤はペースト状ではあるが、胃瘻チューブで注入された直後には胃内でその食塊形状を維持して胃壁の弛緩をもたらし、結果として伸展受容器を刺激して注入後5分程度で、強力な胃蠕動を誘発するからである。B型回転粘度計における粘度が10000mPa・s以上であれば、3rpmで5分撹拌後の食塊残存率は80%以上であり、胃蠕動を開始するには十分な食塊形状を維持している。
 本発明の胃瘻用半固形栄養剤は、糖質およびタンパク質以外に、水および/または食物繊維を含むことが好ましく、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、糖質、蛋白質、水分及び増粘成分を必須成分とし、当該胃瘻用半固形栄養剤には、必要により、食物繊維をさらに含むことがより好ましい。
 また、当該胃瘻用半固形栄養剤には、任意の成分として、さらに脂質、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、ペプチド、食物繊維、酸味料、乳化剤、添加剤、および香料からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の水分量が91~177ml水分/100Kcalであることがより好ましく、当該水分量が112~144ml水分/100Kcalであることがさらに好ましい。
 上述したように、胃瘻栄養の安全性向上の観点により臨床現場から水分補給時の胃食道逆流を抑制・防止する要請がある。現在の患者に対する水分補給は、(a)食間の比較的胃食道逆流リスクが少ないと考えられる時間帯に液状の水分を胃瘻注入で補給する、(b)病院内でトロミ剤を添加して半固形状とした白湯等で水分を補給する、(c)予め増粘剤またはゲル化剤を添加して半固形状として水分を補給する、といった方法で行われている。しかし、胃食道逆流を頻発する患者では食間期のリスクを回避できず、院内調剤でトロミ剤を利用することは煩雑であり、かつ市販の半固形状の水分補給食品を購入することに関しては医療経済上の問題がある。しかし、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤には、胃瘻患者に必要な水分量を含有させることができるため、水分補給における胃食道逆流の抑制・防止をすることができる。組成物である栄養剤の熱量濃度の低下および固形分濃度の低下により、粘度も低下するため、増粘成分の配合量の調整により、好適な粘度および食塊残存率を有する半固形状の栄養組成物とすることができる。入院患者の一日の必要水分量は、例えば経管栄養管理ガイドラインによれば、25歳以上55歳未満で体重1kgあたり35ml、55歳以上65歳未満で体重1kgあたり30ml、65歳以上で体重1kgあたり25mlとされており、食事として胃瘻用半固形栄養剤を摂取した際に1日の必要水分量も併せて摂取することができる。
 なお、当該水分量が91~177ml水分/100Kcalであるということは、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の熱量が100Kcal当たり91~177mlの水分量が当該胃瘻用半固形栄養剤に含有されていることを言う。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤1g当たりの熱量が、0.5~0.9kcal/gであることが好ましく、112~144kcal/kgであることがより好ましい。
 通常一日1000kcal程度で栄養管理される寝たきりの高齢患者の場合、栄養組成物の熱量濃度を0.5~0.9kcal/g程度とすれば、必要のエネルギーと必要な水分量とを同時に補給できる。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、粘度10000~40000mPa・sであることが好ましく、15000~30000mPa・sであることがより好ましく、20000~25000mPa・sであることがさらに好ましい。なお、この粘度範囲は、品温を25℃として測定した粘度範囲をいい、後述の実施例で使用したB型粘度計を用いて、(No.64ローターの)回転速度6rpmにて粘度を計測している。
 上述したように、胃食道逆流の原因の一つである胃の受容性弛緩を誘発するためには、固化した保形性を必要としなく、10000mPa・s以上の高粘性の半固形状組成物が注入されれば、弛緩を生じ、注入後数分以内に強力な胃蠕動が誘発される。そのため、粘度が10000~40000mPa・sの範囲であれば、注入後数分以内に強力な胃蠕動が誘発される。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤のpHは、pH3.0以上4.0以下であることが好ましい。
 pHが3.0以上4.0以下であると、適度の酸味を有して風味の観点で好ましく、且つ、胃酸との接触による蛋白凝固に起因する胃瘻チューブの閉塞等の問題を回避できる。また酸性pHであることから、チューブ内の雑菌の繁殖を防止できる。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、食物繊維を含むことが好ましい。これにより大腸機能の維持に有用となる。食物繊維は従来から下痢防止を主目的として流動食に配合されてきたが、半固形状栄養組成物の短時間注入法においては消化管運動が促進されるために、経管投与に起因する下痢は確実に抑えられており、この観点からは食物繊維の配合は必ずしも必要でない。しかしながら、発酵性食物繊維が腸内細菌により資化されて生じる短鎖脂肪酸が大腸機能の維持に有用となることが確認されているため、適切な配合量の食物繊維により大腸機能を維持させることができる。
 そのため、本発明の胃瘻用半固形栄養剤中の食物繊維の含有量は、適応する対象者によって適宜調節されうるが、当該胃瘻用半固形栄養剤全量に対して0.2~1.4質量%であることが好ましく、0.5~1.1質量%であることがより好ましい。
 また、食物繊維は、ヒト大腸に存在する嫌気性細菌により発酵され得る発酵性食物繊維、発酵を受けないものは非発酵性食物繊維と大別され、本発明に係る非発酵性食物繊維は、低分子化アルギン酸Na、ポリデキストロース、寒天、キサンタンガム、サイリウム種皮、セルロース、ジェランガム等が挙げられる。一方、本発明に係る発酵性食物繊維としては、ペクチン、低分子化ペクチン、グアーガム、グアーガム分解物、グアーガム加水分解物、低分子化グアーガム、ビートファイバー、難消化性デキストリン、アラビアガム、プルラン、タマリンドシードガム、水溶性大豆食物繊維(WSSF)等が挙げられ、グアーガム分解物が好ましい。
 本発明の胃瘻用半固形栄養剤に使用される食物繊維は、発酵性食物繊維単独もしくは非発酵性食物繊維単独、または両食物繊維を混合して用いてもよい。
 なお、発酵性、非発酵性の分類については、食新発第0217002号 食物繊維のエネルギー換算係数を基に、エネルギー換算係数(kcal/g)が0kcal/gのものを非発酵性、1もしくは2kcal/gのものを発酵性とした。
 また、発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維とを、1:1.5~1:0.67の質量比の割合で含むことがより好ましく、発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維とを、1:1.2~1:0.8の質量比の割合で含むことがさらに好ましい。
 発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維とを、1:1.5~1:0.67の割合で含むと、胃瘻栄養の安全性の観点で好ましい。
 上記のように、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、上記の成分である糖質と、タンパク質とを必須とする栄養素と、必要により、食物繊維を含む。
 本発明に係る糖質としては、生体に吸収されてエネルギー源になるものであれば特に制限はなく、例えば、単糖、二糖、および多糖が挙げられる。単糖の具体例としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース等が挙げられる。二糖の具体例としては、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルトース、トレハロース等が挙げられる。多糖の具体例としては、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、加工デンプン、上白糖、三温糖、グラニュー糖、デキストリン等が挙げられる。これらのうち、デキストリン、加工デンプン、上白糖を用いることが好ましい。
 デキストリンは、数個のα-グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称であり、デンプンを加水分解して得ることができる。デキストリンは、小腸内での分解速度が遅く吸収が緩やかであることから、急激な血糖上昇を防止しうる。また、デキストリンを用いることにより、胃瘻用半固形栄養剤の浸透圧を低減することができ、浸透圧性の下痢を予防しうる。デキストリンとしては、α-グルコースの重合度が高い高分子デキストリン、およびα-グルコースの重合度が低い低分子デキストリンのいずれを用いてもよいが、より浸透圧を低減可能な高分子デキストリンを用いることが好ましい。なお、低分子デキストリンは、マルトデキストリンとも呼ばれ、通常、3~5個のα-グルコースが重合したものである。
 当該デキストリンとは、自ら調製しても、市販品を用いてもよい。デキストリンを調製する場合には、公知のデンプン、例えば、トウモロコシ、ワキシーコーン、小麦、米、ワキシーライス、ワキシーミロ、豆(ソラマメ、緑豆、小豆等)、馬鈴薯、甘藷、タピオカ等に含有されるデンプンを、公知の方法により加水分解することで調製することができる。一方、市販されたデキストリンとしては、TK-16(松谷化学工業株式会社製)等が挙げられ、好適に使用することができる。上述の糖質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 当該上白糖とは、主成分であるショ糖が97.8~98.00%含み、水分と転化糖(ブドウ糖と果糖の混合物)をそれぞれ約1%程度含んだ結晶状の多糖をいう。
 当該加工デンプンとは、デンプンに物理的、酵素的、または化学的処理を行ったものである。当該処理を行うことで、物性、例えば、水への溶解性、糊化温度、加熱溶解時粘性の安定性、物性安定性等が変化する。
 前記物理的処理としては、湿熱処理、高周波処理、放射線処理、漂白処理、酸処理、塩基処理等が挙げられる。前記酵素的処理としては、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ7、イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素による処理等が挙げられる。前記化学的処理としては、酸化処理、エステル化処理、アセチル化処理、エーテル化処理、架橋処理等が挙げられる。
 上記処理によって得られた加工デンプンとしては、特に制限されないが、焙焼デキストリン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。これらのうち、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを用いることが好ましい。
 加工デンプンは自ら調製しても、市販品を用いてもよい。自ら調製する場合には、公知のデンプン、例えば、上述したデンプンに上記の物理的処理、酵素的処理、および化学的処理の少なくとも1つ以上を行うことで加工デンプンを調製することができる。市販品としては、例えば、WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷すいせん(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70WM(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70X(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70C(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)等を用いることができる。
 上述の加工デンプンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明の胃瘻用半固形栄養剤中の糖質の含有量は、適応する対象者によって適宜調節されうるが、当該胃瘻用半固形栄養剤全量に対して7~17質量%であることが好ましく、9~13質量%であることがより好ましい。
 本発明に係るタンパク質としては、特に制限されず、アミノ酸、ペプチド、植物性タンパク質、および動物性タンパク質等が挙げられる。
 アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン等の必須アミノ酸;およびグリシン、アラニン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等の非必須アミノ酸が挙げられる。これらの他、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシリジン、γ-カルボキシグルタミン酸、O-ホスホセリン、O-ホスホチロシン、N-アセチルセリン、Nω-メチルアルギニン、ピログルタミン酸、M-ホルミルメチオニン等の修飾アミノ酸;オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸(GABA)、チロキシン、S-アデニルメチオニン等の特殊アミノ酸も包含されうる。また、前記アミノ酸は、それぞれ立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)であっても、位置異性体であってもよく、これらの混合物であってもよい。さらに、前記アミノ酸は、無機酸塩(塩酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)、生体内で加水分解可能なエステル体(メチルエステル等)の形態であってもよい。
 ペプチドとしては、上記アミノ酸の2以上がペプチド結合(アミド結合)を介して重合したものが用いられうる。当該ペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド(アミノ酸が約10個程度のもの)、ポリペプチド(アミノ酸が数十~数百個のもの)のいずれであってもよい。なお、一部のオリゴペプチド、例えば、ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、バリルチロシン含有サーデンペプチド等は降圧作用等の保健機能を有しうる。
 植物タンパク質としては、米等の穀類、大豆、豆腐等の豆類等に含まれるタンパク質が挙げられる。また、動物性タンパク質としては、卵、肉類、魚介類、牛乳等に含まれるタンパク質が挙げられる。なお、大豆タンパク質については、胆汁酸と結合してコレステロールの排泄を促進する等の保健機能を有しうる。
 これらのうち、牛乳(乳清)を原料とするホエイタンパク質、牛乳に含まれるカゼインタンパク質、大豆タンパク質を用いることが好ましく、ホエイタンパク質を用いることがより好ましい。当該ホエイタンパク質としては、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、加水分解ホエイペプチド(WPH)等が挙げられる。WPCやWPI等は市販されているものを用いてもよく、例えば市販品としては、WPI18855(Fonterra社製)、WPI18822(Fonterra社製)、WPI1895(Fonterra社製)、WPC392(Fonterra社製)、WPC80(Fonterra社製)WPC7009(Fonterra社製)等が挙げられる。上記タンパク質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明の胃瘻用半固形栄養剤中のタンパク質の含有量は、適応する対象者によって適宜調節されうるが、当該栄養剤全量に対して1.5~6.5質量%であることが好ましく、1.5~5.6質量%であることがより好ましい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の必須成分である増粘成分としては、寒天、ゼラチン、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギナン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ジェランガム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、ビーガム等が挙げられる。本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤には増粘成分を含有してもよいが、以下の観点で粘性をコントロール必要がある。すなわち、上述した課題である「(1)半固形状の組成物の性状によっては栄養成分の消化・吸収に悪影響を及ぼす可能性がある」は、主に消化器官の機能が低下した高齢者患者に多くみられる傾向であり、特に寒天等の増粘成分で固化した流動食を胃瘻注入した場合、流動食の一部が固形物としてそのまま排泄される症例があり、さらにはミネラル等の栄養成分の消化・吸収性が低下する可能性が示唆されているものである。また、増粘成分の種類や配合量、液温などの条件により組成物である胃瘻用半固形栄養剤の性状は異なったものとなり、一般に比較的少量の増粘成分は単に増粘作用だけをもたらす。一方、比較的多量の増粘成分、例えば多量の寒天を添加した場合には、固化したゲル内部に栄養素が封入されてしまう。また、上記したように、増粘成分自体は難消化性多糖であるため、ヒトの消化酵素では分解されず、さらに消化管下部の腸内細菌によっても分解しづらいため、摂取された栄養剤のゲルが十分崩壊しない限り、ゲル内部に取り込まれた栄養素を吸収することができず、栄養素の生体内利用効率が低下することになる。しかしながら、固化には至らない量で増粘成分により低粘性に調製した場合、崩壊性は向上し、栄養素の消化・吸収は良好になるが、胃の受容性弛緩を惹起できないため、胃蠕動を誘発できず、胃食道逆流の抑制・防止効果が損なわれる虞がある。そこで、本発明では、胃食道逆流の抑制・防止に有効な高粘性物性を維持しながら、食塊分解性に優れた胃瘻用半固形栄養剤を増粘成分の種類と量を調整することで達成している。
 そのため、胃瘻用半固形栄養剤中の増粘成分の含有量は、胃瘻用半固形栄養剤全量に対して0.05~1.5質量%であることが好ましく、0.2~1.0質量%であることが好ましい。
 なお、本発明に係る寒天は、アガロースとアガロペクチンとを含む繰り返し単位を有する高分子であればよく、オゴノリ(Gracilaria verrucosa)、オオオゴノリ(Gracilaria gigas)、マクサ(Gelidium amansii)、オバクサ(Pterocladia capillacea)、イタニグサ(Ahnfeltia plicata)等の紅藻類由来の素材が多く用いられるが、寒天原料の由来は限定されることはなく、また寒天の形態としては、棒状、粉末、顆粒等の種類が存在するが、本発明においては特に限定されることはない。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分である脂質としては、特に制限されず、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、植物油、動物性油脂、魚油等が挙げられる。
 飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
 不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。なお、EPAやDHAについては、血中コレステロール上昇抑制作用、中性脂肪上昇抑制作用等の保健機能を有しうる。
 植物油としては、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、オリーブオイル、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、サフラワー油(紅花油)、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、クルミ油、ヒョウタン実油、バッファローカボチャ油、カボチャ実油、スイカ実油、アマランサスオイル、あんず油、リンゴ油、アルガンオイル、アボカド油、ババスオイル、モリンガ油、ボルネオ脂、ケープ栗油、ココアバター、キャロブオイル、コフネヤシ油、コリアンダー種油、ディカ油、アマニ油、グレープシードオイル、ヘンプオイル、カポック実油、ラッレマンチアオイル、マルーラ油、メドウフォーム油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ油、パパイヤ油、シソ油、ペクイ油、松の実油、ケシ油、プルーン油、キヌア油、ニガー種子油、こめ油、Royle油、サッチャインチオイル、ツバキ油、アザミ油、トマト油、コムギ油、エゴマ油、サンフラワー油、胚芽油、ヤシ油、落花生油等が挙げられる。
 動物性油脂としては、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、乳脂等が挙げられる。
 魚油としては、サバ、サケ、ブリ、イワシ、サンマ等の魚油が挙げられる。
 これらのうち、ヒトが生体内で合成することができないリノール酸およびα-リノレン酸、またはこれらを含む脂質を用いることが好ましい。上述の脂質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 胃瘻用半固形栄養剤中の脂質の含有量は、適応用する対象者によって適宜調節されうるが、胃瘻用半固形栄養剤全量に対して0.8~3.5質量%であることが好ましく、1.0~3.1質量%であることがより好ましい。
 また、本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分であるアミノ酸、ペプチドは上記の例示と同一であるのでここでは省略する。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分であるミネラルとしては、栄養成分として必須のミネラル類、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、鉄、亜鉛、銅、マンガン等が挙げられる。2価陽イオンとしては、栄養素である上記カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン等のイオンが挙げられ、これらのイオンは、無機塩又は有機酸塩として栄養素に含まれてもよく、この場合、例えば、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸三カリウムなどの形態で含まれてもよい。これらのミネラルは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 胃瘻用半固形栄養剤中のミネラルの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。胃瘻用半固形栄養剤100gあたりの各ミネラルの好ましい含有量は以下の通りである。
 準主要元素;
 ナトリウム:好ましくは5~6000mg、より好ましくは10~3500mg
 カリウム:好ましくは1~3500mg、より好ましくは25~1800mg
 カルシウム:好ましくは10~2300mg、より好ましくは30~300mg
 リン:好ましくは1~3500mg、より好ましくは25~1500mg
 マグネシウム:好ましくは1~740mg、より好ましくは10~150mg
 必須微量元素;
 鉄:好ましくは0.1~55mg、より好ましくは1~10mg
 亜鉛:好ましくは0.1~30mg、より好ましくは1~15mg
 銅:好ましくは0.01~10mg、より好ましくは0.06~6mg
 ヨウ素:好ましくは0.1~3000μg、より好ましくは1~150μg
 マンガン:好ましくは0.01~11mg、より好ましくは0.1~4mg
 セレン:好ましくは0.1~450μg、より好ましくは1~35μg
 クロム:好ましくは0.1~40μg、より好ましくは1~35μg
 モリブデン:好ましくは0.1~320μg、より好ましくは1~25μg。
 本発明に係る栄養素の任意成分であるビタミンとしては、水溶性ビタミンまたは脂溶性ビタミンのいずれでもよく、例えば、当該脂溶性ビタミンとしては、ビタミンA(レチノール)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)ビタミンK(フィロキノン、メナキノン)等が挙げられ、当該水溶性ビタミンとしては、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)等のが挙げられる。これらのビタミンは、水溶性ビタミンまたは脂溶性ビタミンに限らず単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 胃瘻用半固形栄養剤中のビタミンの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。通常、脂溶性ビタミンについては過剰症が生じない量で添加され、水溶性ビタミンについては添加量に制限はない。胃
瘻用半固形栄養剤100gあたりの各ビタミンの好ましい含有量は以下の通りである。
 脂溶性ビタミン;
 ビタミンA:好ましくは0~3000μg、より好ましくは20~200μg
 ビタミンD:好ましくは0.1~50μg、より好ましくは0.1~5.0μg
 ビタミンE:好ましくは0.2~800mg、より好ましくは1~10mg
 ビタミンK:好ましくは0.5~1000μg、より好ましくは2~50μg
 水溶性ビタミン;
 ビタミンB1:好ましくは0.01~40mg、より好ましくは0.1~5mg
 ビタミンB2:好ましくは0.01~20mg、より好ましくは0.05~5mg
 ナイアシン(当量):好ましくは0.1~300mgNE、より好ましくは0.5~30mgNE
 パントテン酸:好ましくは0.1~55mg、より好ましくは0.2~10mg
 ビタミンB6:好ましくは0.01~60mg、より好ましくは0.1~10mg
 ビオチン:好ましくは0.1~1000μg、より好ましくは1~100μg
 葉酸:好ましくは1~1000μg、より好ましくは10~200μg
 ビタミンB12:好ましくは0.01~100μg、より好ましくは0.2~60μg
 ビタミンC:好ましくは1~2000mg、より好ましくは5~1000mg。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分である酸味料としては、特に制限されないが、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸等が用いられうる。これらの酸味料は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分である乳化剤としては、特に制限されないが、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の天然乳化剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分である添加剤としては、pH調整成分、甘味料、香料などが挙げられ、胃瘻用半固形栄養剤中の添加剤の含有量は、適宜調節される。
 当該pH調整成分としては、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が用いられうる。
 当該甘味料としては、特に制限されないが、フェニルアラニン、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム等が用いられうる。
 当該添加物としては、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、アスコルビン酸‐2グルコシド、シクロデキストリンなどの公知の食品添加物が挙げられる。
 これらのpH調整成分、甘味料、および添加物は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の任意成分である香料としては、特に制限されないが、アセトフェノン、α-アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、デカナール、デカノール、アセト酢酸エチル、ケイ皮酸エチル、デカン酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、dl-メントール、l-メントール、サリチル酸メチル、ピペロナール、プロピオン酸、テルピネオール、バニリン、d-ボルネオール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、医療および食品等の分野に適用されうる。
 医療分野において、胃瘻用半固形栄養剤は、経腸栄養剤として用いられ、経腸栄養法に適用されうる。胃瘻を用いた投与は、経口摂取困難であって、腸が機能している高齢者や病者等が対象となりうる。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤は、栄養素、必要により水分、食物繊維、その他の任意成分を含む。前記栄養素の含有量は、経腸栄養法が目的とする生体が必要とするカロリー、窒素源等の需要を満たすことができる量で含有されることが好ましい。また、胃瘻用半固形栄養剤の水分量は、投与する高齢者や患者の状態や水分管理等を考慮して設定することが好ましい。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、投与方法、胃瘻用半固形栄養剤を適用する高齢者や患者の状態等に応じて適宜設定されうる。例えば、胃瘻を用いた投与の場合にはゲップ時の不快感の防止等の観点から、甘味料、酸味料、香料等を添加することが好ましい。また、全身管理を要する患者には、栄養状態を保つために必要とするビタミンやミネラルを含有することが好ましい。消化機能が低下している高齢者等には、胃瘻用半固形栄養剤の投与による便秘を改善するために、食物繊維を添加することが好ましい。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤によれば、胃食道逆流や誤嚥性肺炎を起こしにくくなりうる。さらに、保存性や胃瘻を用いた投与における胃瘻チューブの注入時の取り扱い性等も向上しうる。
 また、本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤は、胃食道逆流の発生を抑止しつつ、水分とエネルギーを同時に摂取することができることから、例えば、粘度を調節することによって、胃瘻を用いた投与における胃瘻チューブへの付着性や胃瘻用半固形栄養剤の消化性が改善されうる。また、熱量を調節することによって、胃瘻用半固形栄養剤が適用される高齢者や患者の栄養管理が容易となりうる。さらに、pHを調節することによって、保存性や清涼感が向上しうる。当該粘度、熱量、pH等は、胃瘻用半固形栄養剤中の成分、およびその含有量を適宜調節することで制御することができる。
 本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、食品に適用されうる。前記栄養素の含有量は、対象とする消費者に応じて適宜選択することが好ましい。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、製造しようとする食品に応じて適宜選択されうる。例えば、胃瘻用半固形栄養剤に清涼感を付与する場合には、pH調整成分を添加してpHを酸性にすることが好ましい。また、特定保健用食品として承認を得ようとする場合には、例えば、上述の食物繊維、難消化性オリゴ糖、糖アルコール、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)等のうち所定のもの(保健機能成分)を含有させる必要がある。さらに、栄養機能食品の表示をしようとする場合には、例えば、上述のビタミン、ミネラル等のうち所定のもの(栄養成分)を規格基準の範囲内で含有させる必要がある。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤によれば、胃食道逆流の発生が抑制されうることから、好適にエネルギー等を補給することができ、また、嗜好性に優れる食品となりうる。
 また、本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤は、水分と栄養補給を同時にできることから、目的に応じて種々の製品開発を行うことができる。例えば、水分量を調節することによって、異なる食感を有する胃瘻用半固形栄養剤を製造することができる。また、熱量を調節することによって、要望に応じた胃瘻用半固形栄養剤を製造することができる。さらに、pHを調節することによって、所望の清涼感を付与した胃瘻用半固形栄養剤を製造することができる。
 以下に本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤の好適な製造方法の一例を示す。
 本形態に係る胃瘻用半固形栄養剤は、公知の方法によって製造することができる。例えば、加温した水に栄養素、寒天およびその他所望とする成分を、添加し、撹拌することにより製造することができる。また、加温した水に寒天を溶解した溶液と、温水に蛋白や、糖質、加工デンプン等を溶解した溶液とを準備し、その他所望とする成分をいずれかに添加して、2つの溶液を混合、撹拌することで製造することができる。
 得られた胃瘻用半固形栄養剤は、例えば、連続殺菌した後に容器に充填して、製品化することができる。当該連続殺菌の方法としては、特に制限されないが、超高温短時間(UHT)殺菌、熱水殺菌、バッチ式殺菌、およびこれらの組み合わせが挙げられる。前記殺菌は、短時間で行うことが好ましい。短時間で殺菌を行うことにより、胃瘻用半固形栄養剤に含まれる成分の劣化を抑制することができる。
 本発明の第二は、1本当たり300~400Kcalに相当する本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤を容器に充填した、容器充填済み胃瘻用半固形栄養剤である。
 当該胃瘻用半固形栄養剤を充填する容器としては、特に限定されず、公知の容器が用いられうる。当該容器としては、テトラパック、カート缶、ガラス容器、金属缶、アルミパウチ、プラスチック容器等が挙げられる。これらのうち、プラスチック容器を用いることが好ましい。
 前記プラスチック容器の原料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリフルオロカーボン、ポリイミド等を用いることが好ましい。
 前記プラスチック容器には、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル等を含むガスバリア性樹脂層;アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、酸化ケイ素皮膜、酸化アルミ被膜等のガスバリア性無機層を適宜組み合わせて用いてもよい。当該ガスバリア層を設けることによって、酸素や水蒸気等による胃瘻用半固形栄養剤の劣化を防止しうる。
 また、前記容器はさらに遮光されていてもよい。当該遮光によって、例えば、胃瘻用半固形栄養剤に含有されうるビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK等の光による劣化が抑制されうる。
 上述の容器は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソフトパウチ(株式会社フジシール製)、ボトルドパウチ(凸版印刷株式会社製)、スパウチ(大日本印刷株式会社製)、チアーパック(株式会社細川洋行製)等が用いられうる。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
 「胃瘻用半固形栄養剤の製造」
 (実施例1)
 5Lのステンレスバケツに調合水1200部を投入し、湯浴で80℃以上まで加温した。次いで、寒天であるウルトラ寒天UX30(伊那食品工業株式会社製)20部を添加、溶解させた。得られた溶液を50~60℃まで冷却し、タンパク質であるWPI895(ホエイプロテインアイソレート:Fonterra社製)140部、および糖質であるTK-16(デキストリン:松谷化学工業株式会社製)400部を添加した。当該溶液に、脂質である植物油60部、乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステル10部、および加工デンプンであるWMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)35部を50℃で混合した分散液を混合した。さらに、ビタミンとして、水溶性ビタミンミックス0.3部、脂溶性ビタミンミックス1.5部;ミネラルとして、グルコン酸カルシウム20部、塩化マグネシウム10部、塩化カリウム3.2部、塩化ナトリウム0.2部、リン酸二水素ナトリウム10部、およびクエン酸三カリウム6部;食物繊維として、グアーガム加水分解物25部;酵母ミックス0.5部;酸味料としてクエン酸25部、リンゴ酸8部、および乳酸27.3部;アスコルビン酸二グルコシド0.6部;グルコン酸亜鉛0.294部;グルコン酸銅0.029部;香料1.5部を適宜添加して撹拌した。得られた混合液が4000部となるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。
 得られた溶液は、連続殺菌下後、1個当たり200部となるように口栓付きのアルミパウチに充填し、90℃で10分間の容器殺菌処理を行った。前記容器殺菌処理の後、冷却することで、パウチ入りの半固形化の胃瘻用半固形栄養剤を製造した。
 (実施例2)
 タンパク質を、WPC392(ホエイプロテインコンセントレート:Fonterra社製)150部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により半固形化の胃瘻用半固形栄養剤を製造した。
 (実施例3)
 タンパク質を、大豆たんぱく(プロリーナ900)(不二製油株式会社製)140部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により半固形化の胃瘻用半固形栄養剤を製造した。
以下表1に実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤の組成、熱量、pHを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 (比較例1)
 TMミニ(テルミールミニ珈琲味:テルモ株式会社製)2000部を40℃の水で30分間加熱した後、寒天20部に水2000部分散させて煮立て寒天が溶解したことを確認し、加熱しておいたTMミニ2000部を、当該分散した寒天含有溶液2020部に添加して30秒攪拌して混合溶液4020部を得た。その後、当該混合溶液をカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社製)で吸い取り、4℃で12時間静置し、固めたものを比較サンプルとした。
 「胃瘻用半固形栄養剤の評価」
 (熱量測定)
 一般的なエネルギー換算係数、すなわち、糖質を4kcal/g、蛋白質を4kcal/g、脂質を9kcal/g、および食物繊維を2kcal/gに基づき、下記式によって半固形化栄養剤の熱量を算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 (pH)
 pH測定器(METTLER TOLEDO MP220(METTLER TOLEDO社)を用いて半固形化栄養剤のpHを測定した。その結果を上記の表1に示す。
 (性状)
 目視で実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較サンプルの性状を判断した。その結果を上記の表1に示す。
 (粘度測定)
 上記実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較例で製造した比較サンプルについて、粘度測定を行った。当該粘度測定は、以下の測定機器と条件を用いて行った。
 尚、粘度測定の結果は後述の表2に示す。
  測定機器:B型粘度計
  メーカー:BROOKFIFLD
  型式  :DV‐II+Pro
  測定条件:回転速度 6rpm
       測定時間 1min
       ローターNo.64
       測定温度 室温(25℃)
 (形状変化評価試験による残存率測定)
 上記実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較例で製造した比較サンプルについて、人工胃液および人工腸液における形状変化評価試験よる残存率測定を行った。当該形状変化評価試験による残存率測定は、以下の測定機器と条件を用いて行った。
 (1)人工胃液における形状変化評価試験
 溶出試験機(富山産業)のビーカー内に人工胃液(pH1.2 関東化学社製)を500mL入れ、37℃に30分加温した後、この溶液内に100gの試料(上記実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較例で製造した比較サンプル)をそれぞれシリンジにて注入する。溶出試験機のパドルは試料に触れないように毎分3回転の速度で5分間回転させた後、溶出試験機を停止し、液内に分散したそれぞれの試料と共に、溶液を60メッシュの篩にのせ、篩上の固形分を残渣とし、その重量を測定した。食塊残存率(%)は、ビーカーに注入した量100gに対する残渣重量(g)の割合(%)として算出した。その結果を以下の表2、表3-1および表3-2に示す。
 (2)人工腸液における形状変化評価試験
 溶出試験機(富山産業)のビーカー内に人工腸液( pH6.8 関東化学社製)を500mL入れ、37℃に30分加温した後、この溶液内に100gの試料を(上記実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較例で製造した比較サンプル)をそれぞれシリンジにて注入する。溶出試験機のパドルは試料に触れないように毎分65回転の速度で60分間回転させた後、溶出試験機を停止し、液内に分散したそれぞれの試料と共に、溶液を60メッシュの篩にのせ、篩上の固形分を残渣とし、その重量を測定した。食塊残存率(%)は、ビーカーに注入した量100gに対する残渣重量(g)の割合(%)として算出した。その結果を以下の表2、表3-1および表3-2に示す。
 実施例1の胃瘻用半固形栄養剤を人工腸液に注入し、かつ毎分65回転の速度で60分間回転させた後の形状変化評価試験の様子を図1の写真で示す。図1において、左側の写真は、溶出試験機のビーカーの横からみた状態を示し、右側の写真は溶出試験機のビーカーの上からみた状態を示す。
 また比較例1の比較サンプルを人工腸液に注入し、かつ毎分65回転の速度で60分間回転させた後の形状変化評価試験の様子を図2の写真に示す。図2において、左側の写真は、溶出試験機のビーカーの横からみた状態を示し、右側の写真は溶出試験機のビーカーの上からみた状態を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
以下の表3-1および表3-2は、上記表2における実施例1~3の胃瘻用半固形栄養剤および比較例で製造した比較サンプルそれぞれの残存率をグラフ化したものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 上記図1および2、表2、表3-1、および表3-2から本発明に係る胃瘻用半固形栄養剤は、腸内での分解性に優れていることが確認される。

Claims (6)

  1.  糖質7~17質量%と、蛋白質1.5~6.5質量%とを含む胃瘻用半固形栄養剤であって、37℃の人工腸液中で60分間毎分65回転攪拌した後、目開き300μmの篩に乗せて残渣の重量を測定する形状変化評価試験により算出される前記残渣の割合を示す食塊率が、20%以下である、胃瘻用半固形栄養剤。
  2.  25℃における粘度が10000~40000mPa・sである、請求項1に記載の胃瘻用半固形栄養剤。
  3.  1gあたりの熱量が0.5~0.9kcalである、請求項1または2に記載の胃瘻用半固形栄養剤。
  4.  水分量91~177ml水分/100Kcalである、請求項1~3のいずれか1項に記載の胃瘻用半固形栄養剤。
  5.  pHは、4.0以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の胃瘻用半固形栄養剤。
  6.  発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維とを、1:1.5~1:0.67の割合で含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の胃瘻用半固形栄養剤。
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