JP5632112B2 - 半固形化栄養剤 - Google Patents

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Description

本発明は、半固形化栄養剤に関する。
近年、食物に代替する栄養補給手段として、簡便に所要とする栄養素を摂取できる栄養剤が注目されている。当該栄養剤としては、固形状、半固形状、液状のもの等が知られており、このうち、半固形状の栄養剤は、医療分野、食品分野における栄養補給手段として有用であり、普及が進んでいる。
医療分野における上記半固形化栄養剤は、主に、病者、乳児、高齢者等に適用され、投与方法は大きく経口投与、経管投与に分けられる。
経口投与は、主に加齢や脳血管障害等により咀嚼や嚥下の動作に困難を伴う嚥下困難者に適用される。嚥下困難者は通常の食事を十分に摂ることが困難である。特に、水や粘性の低い汁物等を摂取する際には、飲み込む力が低下していることから、逆流やむせに対する十分な配慮が必要である。一般的に病院では、市販の増粘剤を液体栄養剤やお茶、水等に混合し、適度な粘性を付与してから投与する等の工夫がなされている。しかしながら、増粘剤を入れすぎてしまうと、部分的に塊になることにより、咽頭残留が生じることがあり、また、増粘剤を食品に添加してから粘度が出る(粘度が安定する)までに若干時間がかかることにより、調製に手間を要することがある等の課題がある。
近年、このような嚥下困難者等を対象として、種々の半固形化栄養剤が開発されている。当該半固形化栄養剤に求められる性質としては、適度な粘性、適度な保形性、口腔および咽頭等への付着のしにくさ、離水のしにくさ等が挙げられる。また、栄養状態の改善やQOL(Quality of Life)の向上等の観点から、栄養価が高いことや、食感および風味に優れている等の性質を併せ持つことが望まれている。
経管投与は、主に経口投与が不可能な高齢者、病者等に対し適用され、経腸栄養法を用いて半固形化栄養剤が投与される。
一般的に、経腸栄養法とは、生体が必要とするカロリー、栄養素(タンパク質源やミネラル、ビタミン類等)の需要を満たすことを目的とする栄養法であり、経口摂取に次ぐ生理的なものである。そのため、経口摂取が不可能でも腸が機能している病者に対しては、通常、経静脈的な栄養補給である高カロリー輸液療法(TPN)よりも経腸栄養法が選択される。前記経腸栄養法において、栄養剤の投与方法としては、経口胃管を用いた投与、経鼻胃管を用いた投与、胃瘻を用いた投与等が挙げられるが、半固形化栄養剤が用いられる場合には、主として、胃瘻を用いた投与が選択される。この際、求められる性質としては、適度な粘性、胃瘻からチューブを介して投与した際、チューブ内に栄養剤が残りづらい、チューブを汚しづらい等が挙げられる。特に粘性に関しては、高い粘性を維持することが重要である。粘性が低い栄養剤を胃瘻から投与した場合、患者の状態によっては、栄養剤が胃から食道に逆流し、食道炎や肺炎等の問題が発生することがある。
一方、食品分野における上記半固形化栄養剤は、食感が独特であり、簡便かつ迅速に栄養素を摂取できることから、主に、携帯食やダイエット食品等に適用される。この際、近年の健康志向の高まりから、日常必要とされる栄養素だけでなく、身体の生理学的機能や生物学的活動に関与する特定の保健機能成分を含む特定保健用食品、不足しがちな栄養成分をさらに含む栄養機能食品として販売されているものもある。
上述の半固形化栄養剤としては、これまでに種々のものが報告されている。例えば、特許文献1には、経腸栄養法に適用される半固形化栄養剤として、経腸栄養剤に寒天や全卵を半固形化剤として添加した半固形化栄養剤が開示されている。また、特許文献2には、寒天と、アルギン酸および/またはその塩類を配合することを特徴とするゲル状経腸栄養剤が開示されている。さらに、特許文献3には、寒天及びLMペクチンを含有することを特徴とする胃瘻患者向け経腸栄養剤用の半固形化剤が開示されている。
特許第3516673号 特開2008−69090号公報 特開2010−229073号公報
しかしながら、特許文献1のように、寒天を多く配合して調製された半固形化栄養剤はゼリー状になる傾向があることから、搬送中の輸送や落下の刺激等で一度破砕されると、離水が発生する場合がある。離水が発生した栄養剤を摂取すると、用途に応じて好適に設定された栄養剤の粘度や保形性が変化し、例えば、胃食道逆流や嘔吐、下痢等が生じうる。また、咀嚼、嚥下困難な高齢者や経口摂取不可能な患者等にあっては、離水した水分によって、むせや誤嚥性肺炎等が生じる場合もある。さらに、離水が生じることにより、経時的な安定性や取扱い性の悪化等の問題も生じうる。
また、特許文献2のように、寒天とともにアルギン酸を併用して調製された半固形化栄養剤は、アルギン酸ナトリウム自体がカルシウムイオンと反応して凝集物を形成するため、不均一な半固形化栄養剤となりやすい。
特許文献3のように、寒天とともにLMペクチンを併用して調製された半固形化栄養剤は、一定の保形性を有するものの、離水が若干生じる場合がある。当該離水を抑制するためにLMペクチンを増量すると、チューブ内への付着が増し、投与時の作業性が低下しうるといった課題を抱えていた。
そこで、本発明は、離水の発生が抑制された半固形化栄養剤を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、半固形化栄養剤に、所定量の寒天および所定量の加工デンプンを含有させることにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、糖質およびタンパク質源を含む栄養素と、水分と、寒天および加工デンプンとを含む半固形化栄養剤に関する。この際、前記寒天の含有量が栄養剤全量に対して0.05〜1.5質量%であり、かつ、前記加工デンプンの含有量が栄養剤全量に対して0.5〜10質量%であることを特徴とする。
本発明により、離水の発生が抑制された半固形化栄養剤が提供される。
[半固形化栄養剤]
本発明に係る半固形化栄養剤は、栄養素、水分、寒天、および加工デンプンを含む。
[栄養素]
栄養素としては、糖質およびタンパク質源を必須に含む。前記栄養素は、任意の成分として、さらに脂質、ビタミン、ミネラル、および食物繊維からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
半固形化栄養剤中の栄養素の合計量は、8〜65質量%であることが好ましく、12〜54質量%であることがより好ましい。
(糖質)
糖質は、炭水化物とも呼ばれ、エネルギー源となるものである。
用いられうる糖質としては、生体に吸収されてエネルギー源になるものであれば特に制限はなく、例えば、単糖、二糖、および多糖が挙げられる。単糖の具体例としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース等が挙げられる。二糖の具体例としては、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルトース、トレハロース等が挙げられる。多糖の具体例としては、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン等が挙げられる。これらのうち、デキストリンを用いることが好ましい。
デキストリンは、数個のα−グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称であり、デンプンを加水分解して得ることができる。デキストリンは、小腸内での分解速度が遅く吸収が緩やかであることから、急激な血糖上昇を防止しうる。また、デキストリンを用いることにより、半固形化栄養剤の浸透圧を低減することができ、浸透圧性の下痢を予防しうる。デキストリンとしては、α−グルコースの重合度が高い高分子デキストリン、およびα−グルコースの重合度が低い低分子デキストリンのいずれを用いてもよいが、より浸透圧を低減可能な高分子デキストリンを用いることが好ましい。なお、低分子デキストリンは、マルトデキストリンとも呼ばれ、通常、3〜5個のα−グルコースが重合したものである。
デキストリンは、自ら調製しても、市販品を用いてもよい。デキストリンを調製する場合には、公知のデンプン、例えば、トウモロコシ、ワキシーコーン、小麦、米、ワキシーライス、ワキシーミロ、豆(ソラマメ、緑豆、小豆等)、馬鈴薯、甘藷、タピオカ等に含有されるデンプンを、公知の方法により加水分解することで調製することができる。一方、市販されたデキストリンとしては、TK−16(松谷化学工業株式会社製)等が挙げられ、好適に使用することができる。
上述の糖質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の糖質の含有量は、適用する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して5〜30質量%であることが好ましい。
(タンパク質源)
タンパク質源としては、特に制限されず、公知のものが用いられうる。例えば、アミノ酸、ペプチド、植物タンパク質、動物タンパク質等が挙げられる。
アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン等の必須アミノ酸;およびグリシン、アラニン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等の非必須アミノ酸が挙げられる。これらの他、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン、O−ホスホチロシン、N−アセチルセリン、Nω−メチルアルギニン、ピログルタミン酸、M−ホルミルメチオニン等の修飾アミノ酸;オルニチン、シトルリン、γ−アミノ酪酸(GABA)、チロキシン、S−アデニルメチオニン等の特殊アミノ酸も包含されうる。また、前記アミノ酸は、それぞれ立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)であっても、位置異性体であってもよく、これらの混合物であってもよい。さらに、前記アミノ酸は、無機酸塩(塩酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)、生体内で加水分解可能なエステル体(メチルエステル等)の形態であってもよい。
ペプチドとしては、上記アミノ酸の2以上がペプチド結合(アミド結合)を介して重合したものが用いられうる。当該ペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド(アミノ酸が約10個程度のもの)、ポリペプチド(アミノ酸が数十〜数百個のもの)のいずれであってもよい。なお、一部のオリゴペプチド、例えば、ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、バリルチロシン含有サーデンペプチド等は降圧作用等の保健機能を有しうる。
植物タンパク質としては、米等の穀類、大豆、豆腐等の豆類等に含まれるタンパク質が挙げられる。なお、大豆タンパク質については、胆汁酸と結合してコレステロールの排泄を促進する等の保健機能を有しうる。
動物性タンパク質としては、卵、肉類、魚介類、牛乳等に含まれるタンパク質が挙げられる。
これらのうち、牛乳(乳清)を原料とするホエイタンパク質、牛乳に含まれるカゼインタンパク質、大豆タンパク質を用いることが好ましく、ホエイタンパク質を用いることがより好ましい。当該ホエイタンパク質としては、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、加水分解ホエイペプチド(WPH)等が挙げられる。WPCやWPI、大豆タンパク等は市販されているものを用いてもよく、市販品としては、WPI18855(Fonterra社製)、WPI18822(Fonterra社製)、WPI1895(Fonterra社製)、WPC392(Fonterra社製)、WPC80(Fonterra社製)、WPC7009(Fonterra社製)、WPC164(Fonterra社製)、WPC162(Fonterra社製)、WPC132(Fonterra社製)、WPC472(Fonterra社製)、プロリーナ900(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ3000(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ1700N(不二製油株式会社製)等が挙げられる。
上述のタンパク質源は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のタンパク質源の含有量は、適用する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して1〜18質量%であることが好ましく、3〜12質量%であることがより好ましい。
(脂質)
脂質は、エネルギー源、生体膜構成成分、ステロイドホルモンや胆汁酸の合成原料となりうる。
用いられうる脂質としては、特に制限されず、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、植物油、動物性油脂、魚油等が挙げられる。
飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。なお、EPAやDHAについては、血中コレステロール上昇抑制作用、中性脂肪上昇抑制作用等の保健機能を有しうる。
植物油としては、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、オリーブオイル、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、サフラワー油(紅花油)、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、クルミ油、ヒョウタン実油、バッファローカボチャ油、カボチャ実油、スイカ実油、アマランサスオイル、あんず油、リンゴ油、アルガンオイル、アボカド油、ババスオイル、モリンガ油、ボルネオ脂、ケープ栗油、ココアバター、キャロブオイル、コフネヤシ油、コリアンダー種油、ディカ油、アマニ油、グレープシードオイル、ヘンプオイル、カポック実油、ラッレマンチアオイル、マルーラ油、メドウフォーム油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ油、パパイヤ油、シソ油、ペクイ油、松の実油、ケシ油、プルーン油、キヌア油、ニガー種子油、こめ油、Royle油、サッチャインチオイル、ツバキ油、アザミ油、トマト油、コムギ油、エゴマ油、サンフラワー油、胚芽油、ヤシ油、落花生油等が挙げられる。
動物性油脂としては、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、乳脂等が挙げられる。
魚油としては、サバ、サケ、ブリ、イワシ、サンマ等の魚油が挙げられる。
これらのうち、ヒトが生体内で合成することができないリノール酸およびα−リノレン酸、またはこれらを含む脂質を用いることが好ましい。
上述の脂質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の脂質の含有量は、適用する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して0〜10質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。
(ビタミン)
ビタミンとは、生物の栄養状態を保つために必要とする糖質、タンパク質源、脂質以外の有機化合物の総称である。
ビタミンとしては、ビタミンA(レチノール)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)ビタミンK(フィロキノン、メナキノン)等の脂溶性ビタミン:ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)等の水溶性ビタミンが挙げられる。これらのビタミンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のビタミンの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。通常、脂溶性ビタミンについては過剰症が生じない量で添加され、水溶性ビタミンについては添加量に制限はない。半固形化栄養剤100gあたりの各ビタミンの好ましい含有量は以下の通りである。
脂溶性ビタミン;
ビタミンA:好ましくは0〜3000μg、より好ましくは20〜200μg
ビタミンD:好ましくは0.1〜50μg、より好ましくは0.1〜5.0μg
ビタミンE:好ましくは0.2〜800mg、より好ましくは1〜10mg
ビタミンK:好ましくは0.5〜1000μg、より好ましくは2〜50μg
水溶性ビタミン;
ビタミンB1:好ましくは0.01〜40mg、より好ましくは0.1〜5mg
ビタミンB2:好ましくは0.01〜20mg、より好ましくは0.05〜5mg
ナイアシン:好ましくは0.1〜300mgNE、より好ましくは0.5〜30mgNE
パントテン酸:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは0.2〜10mg
ビタミンB6:好ましくは0.01〜60mg、より好ましくは0.1〜10mg
ビオチン:好ましくは0.1〜1000μg、より好ましくは1〜100μg
葉酸:好ましくは1〜1000μg、より好ましくは10〜200μg
ビタミンB12:好ましくは0.01〜100μg、より好ましくは0.2〜60μg
ビタミンC:好ましくは1〜2000mg、より好ましくは5〜1000mg。
(ミネラル)
ミネラルとは、生物の栄養状態を保つために必要とする有機化合物以外の元素である。
ミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム等の準主要元素;鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等の必須微量元素等が挙げられる。これらのミネラルは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のミネラルの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。半固形化栄養剤100gあたりの各ミネラルの好ましい含有量は以下の通りである。
準主要元素;
ナトリウム:好ましくは5〜6000mg、より好ましくは10〜3500mg
カリウム:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1800mg
カルシウム:好ましくは10〜2300mg、より好ましくは30〜300mg
リン:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1500mg
マグネシウム:好ましくは1〜740mg、より好ましくは10〜150mg
必須微量元素;
鉄:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは1〜10mg
亜鉛:好ましくは0.1〜30mg、より好ましくは1〜15mg
銅:好ましくは0.01〜10mg、より好ましくは0.06〜6mg
ヨウ素:好ましくは0.1〜3000μg、より好ましくは1〜150μg
マンガン:好ましくは0.01〜11mg、より好ましくは0.1〜4mg
セレン:好ましくは0.1〜450μg、より好ましくは1〜35μg
クロム:好ましくは0.1〜40μg、より好ましくは1〜35μg
モリブデン:好ましくは0.1〜320μg、より好ましくは1〜25μg。
(食物繊維)
食物繊維は、栄養素利用度の低下、血漿コレステロールの低下、血糖応答の改善、大腸機能の改善、および大腸がんの予防等の機能を有しうる。なお、食物繊維は、腸内細菌により醗酵を受けて短鎖脂肪酸、炭酸ガス、水素ガス、メタンガス等に変換される場合がある。このうち、短鎖脂肪酸については大腸で吸収されるため、食物繊維はエネルギー源となる場合がある。
食物繊維としては、特に制限されないが、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、不溶性ペクチン、キチン、キトサン、サイリウム種皮、低分子化アルギン酸ナトリウム等の不溶性食物繊維;水溶性ペクチン、グアガム、コンニャクマンナン、グルコマンナン、アルギン酸、寒天、化学修飾多糖類、ポリデキストロース、難消化性オリゴ糖、マルチトール、イヌリン、カラギナン、小麦ふすま、難消化性デキストリン(例えば、パインファイバーC(松谷化学工業社製)、ポリデキストロース、グアガム分解物等の水溶性食物繊維等が挙げられる。これらの食物繊維は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の食物繊維の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
[水分]
本発明に係る半固形化栄養剤は水分を含む。
半固形化栄養剤中の水分の含有量は、適用する対象者や所望とする粘度等によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して46〜88質量%であることが好ましい。
[寒天]
本形態に係る半固形化栄養剤は、半固形化栄養剤全量に対して0.05〜1.5質量%、好ましくは0.5〜1質量%の寒天を含む。半固形化栄養剤が、所定量の加工デンプンとともに前記含有量で寒天を含むことにより、離水の発生が抑制されうる。
寒天とは、テングサ、オゴノリ等の紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したものであり、アガロースやアガロペクチン等の多糖類を主成分として含む。前記アガロースやアガロペクチンは、ガラクトースおよび3,6−アンデヒドロガラクトースが交互に重合した構造を有する。寒天は、アガロースやアガロペクチンの重合度や分子量、寒天中の硫酸基およびピルビン酸基の含有量等によって性状が異なる場合があるが、本形態に係る半固形化栄養剤においては、特に制限されず、いずれのものを用いてもよい。なお、弾性が高い寒天を用いると、半固形化栄養剤は固体に近いゼリー状となる傾向にある。一方、弾性が小さい寒天を用いると、半固形化栄養剤は液体に近いペースト状となる傾向にある。市販品としては、例えば、ウルトラ寒天UX30(伊那食品工業株式会社製)、ウルトラ寒天UX100(伊那食品工業株式会社製)ウルトラ寒天AX−30(伊那食品工業株式会社製)、ウルトラ寒天AX−100(伊那食品工業株式会社製)、ウルトラ寒天BX−30(伊那食品工業株式会社製)、ウルトラ寒天BX−100(伊那食品工業株式会社製)等を用いることができる。
[加工デンプン]
本形態に係る半固形化栄養剤は、半固形化栄養剤全量に対して0.5〜10質量%、好ましくは0.7〜5質量%の加工デンプンを含む。半固形化栄養剤が、所定量の寒天とともに前記含有量で加工デンプンを含むことにより、離水の発生が抑制されうる。
加工デンプンとは、デンプンに物理的、酵素的、または化学的処理を行ったものである。当該処理を行うことで、物性、例えば、水への溶解性、糊化温度、加熱溶解時粘性の安定性、物性安定性等が変化する。
前記物理的処理としては、湿熱処理、高周波処理、放射線処理、漂白処理、酸処理、塩基処理等が挙げられる。前記酵素的処理としては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ7、イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素による処理等が挙げられる。前記化学的処理としては、酸化処理、エステル化処理、アセチル化処理、エーテル化処理、架橋処理等が挙げられる。
上記処理によって得られた加工デンプンとしては、特に制限されないが、焙焼デキストリン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。これらのうち、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、およびリン酸架橋デンプンを用いることが好ましく、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンを用いることがより好ましい。
加工デンプンは自ら調製しても、市販品を用いてもよい。自ら調製する場合には、公知のデンプン、例えば、上述したデンプンに上記の物理的処理、酵素的処理、および化学的処理の少なくとも1つ以上を行うことで加工デンプンを調製することができる。市販品としては、例えば、WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷すいせん(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70WM(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70X(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70C(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、セレクトアミールXF(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、フードスターチHR−7(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、パインエース♯1(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷ゆうがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷あさがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスAG100(ヒドロキシプロピルデンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷ゆり(ヒドロキシプロピルデンプン:松谷化学工業株式会社製)等を用いることができる。
上述の加工デンプンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
[その他の成分]
本形態に係る半固形化栄養剤は、さらにその他の公知の成分、例えば、保健機能成分、食品添加物、増粘剤等を含んでいてもよい。
(保健機能成分)
保健機能成分とは、摂取することによって生体に対し一定の機能を発揮する成分である。当該保健機能成分としては、例えば、難消化性オリゴ糖、糖アルコール、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)の他、キトサン、L−アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、豆鼓エキス、ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール、大豆イソフラボン、乳塩基性タンパク質等が挙げられる。
難消化性オリゴ糖
難消化性オリゴ糖とは、単糖類がグリコシド結合によって結合した化合物のうち、多糖類ほどは分子量が大きくない(300〜3000程度)糖類である。前記難消化性オリゴ糖はヒトの消化酵素では分解されず、ヒトの消化酵素で分解されるものについては、上述の糖質に包含されうる。難消化性オリゴ糖を摂取することにより、整腸効果が得られうる。
難消化性オリゴ糖としては、特に制限されないが、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。これらの難消化性オリゴ糖は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の難消化性オリゴ糖の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
糖アルコール 糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいものである。糖アルコールは、口内細菌によって酸に代謝されにくく、歯垢の形成を防止しうる。当該糖アルコールは、低カロリー甘味料として用いられうる。
糖アルコールとしては、エリトリトール、マルチトール、パラチノース等が挙げられる。これらの糖アルコールは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の糖アルコールの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)
CCMおよびCPPは、カルシウムの吸収を促進し、骨形成を促進しうる。当該CCMおよびCPPは、単独で用いても、混合して用いてもよい。また、CCMおよびCPPは、カルシウムと併用することが好ましい。
半固形化栄養剤中のCCMおよびCPPの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
(食品添加物)
食品添加物は、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、湿潤その他の方法によって使用するものである。食品添加物としては、栄養強化の目的以外にも、例えば、グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅、アスコルビン酸2−グルコシド、シクロデキストリン、酸化防止剤、着色料、甘味料、pH調整剤、酸味剤、乳化剤、香料等が挙げられる。
グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅
グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、グルコン酸の重金属イオンとの高いキレート能を利用したグルコン酸塩である。グルコン酸塩の形態とすると吸収されやすくなることから、亜鉛や銅を効果的に吸収することができる。当該グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、単独で用いても、混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のグルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
アスコルビン酸2−グルコシド
アスコルビン酸2−グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)の2位の水酸基にグルコースがα−配位で結合した化合物であり、酸素の攻撃を受けないため通常のビタミンCよりも安定性が高いビタミンC誘導体である。アスコルビン酸2−グルコシドによって効率的にビタミンCを吸収することができる。
半固形化栄養剤中のアスコルビン酸2−グルコシドの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
シクロデキストリン
シクロデキストリンとは、グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖である。6個のグルコースからなるものをα−シクロデキストリン、7個のグルコースからなるものをβ−シクロデキストリン、8個のグルコースからなるものをγ−シクロデキストリンという。シクロデキストリンは、アレルギー抑制効果、血糖値上昇抑制効果、乳化作用等の機能を有しうる。当該シクロデキストリンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のシクロデキストリンの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
酸化防止剤
酸化防止剤は、半固形化栄養剤の酸化による変質を防止する機能を有する。
酸化防止剤としては、特に制限されないが、アスコルビン酸およびそのナトリウム塩、エリソルビン酸およびそのナトリウム塩等が用いられうる。これらの酸化防止剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
着色料 着色料は、半固形化栄養剤を美しくする機能を有する。
着色料としては、特に制限されないが、食用タール色素(食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、および106号、食用青色1号および2号、食用黄色4号および5号、食用緑色3号等)、β−カロテン、水溶性アナトー、クロロフィル誘導体(クロロフィルa、クロルフィルb、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等)、リボフラビン、三二酸化鉄、二酸化チタン、ベニバナ黄色素、コチニール色素、クチナシ黄色素、ウコン色素、赤キャベツ色素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、パプリカ色素、カラメル等が用いられうる。これらの着色料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
甘味料
甘味料は、半固形化栄養剤に甘味を付与する機能を有する。
甘味料としては、特に制限されないが、サッカリンおよびそのナトリウム塩、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ズルチン、チクロ(サイクラミン酸)、ネオテーム、トレハロース、エリスリトール、マルチトース、パラ地ノース、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア加工の甘味料、ソーマチン、クルクリン、グリチルリチン酸二ナトリウム等が用いられうる。これらの甘味料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
pH調整剤
pH調整剤は、半固形化栄養剤のpHを調整する機能を有する。
pH調整剤としては、特に制限されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アジピン酸等が用いられうる。これらのpH調整剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
酸味料
酸味料は、栄養剤への酸味の付与、食品の酸化の防止、およびpHの調整等の機能を有する。
酸味料としては、特に制限されないが、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸等が用いられうる。これらの酸味料は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
乳化剤
乳化剤は、脂質等の油溶性成分の水への溶解性の向上等の機能を有する。
乳化剤としては、特に制限されないが、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の天然乳化剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
香料
香料は、半固形化栄養剤を着香・嬌臭する機能を有する。
香料としては、特に制限されないが、アセトフェノン、α−アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、デカナール、デカノール、アセト酢酸エチル、ケイ皮酸エチル、デカン酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、dl−メントール、l−メントール、サリチル酸メチル、ピペロナール、プロピオン酸、テルピネオール、バニリン、d−ボルネオール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
その他
α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、トレハロース生成酵素、トレハロース遊離酵素、グルタミナーゼ等の酵素や酵母等が用いられうる。
半固形化栄養剤中の上記食品添加物の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
(増粘剤)
増粘剤は、半固形化栄養剤に粘度を付与する機能を有する。当該増粘剤は、寒天および加工デンプン以外のものであり、寒天および加工デンプンと組み合わせて半固形化栄養剤に適宜配合することが出来る。
増粘剤としては、特に制限されないが、ゼラチン、ペクチン、グアガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギナン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースジェランガム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、ビーガム等が用いられうる。これらの増粘剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の増粘剤の含有量は、粘度等を考慮して適宜調節されうる。
本形態に係る半固形化栄養剤は、所定量の寒天および所定量の加工デンプンを含むことで離水の発生を抑制することができる。当該半固形化栄養剤の離水率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。離水率が1%以下であると、用途に応じて好適に設定された半固形化栄養剤の粘度や保形性が維持されうることから好ましい。なお、本明細書において、「離水率」は、実施例に記載された方法により測定された値を採用するものとする。
また、本形態に係る半固形化栄養剤の粘度は、25℃において、10000〜50000mPa・sであることが好ましく、15000〜30000mPa・sであることがより好ましい。半固形化栄養剤の粘度が10000mPa・s以上であると、胃食道逆流や誤嚥性肺炎等が生じにくくなりうることから好ましい。一方、半固形化栄養剤の粘度が50000mPa・s以下であると、消化が容易となりうることから好ましい。当該粘度は、主として、半固形化栄養剤中の寒天、加工デンプン、およびその他の増粘剤の含有量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「粘度」は、実施例に記載された方法で測定された値を採用するものとする。
本形態に係る半固形化栄養剤の熱量は、半固形化栄養剤の用途によっても異なるが、0.5〜2.5kcal/gであることが好ましく、水分管理の安全性の観点からは0.5〜1.0kcal/gであることがより好ましいが、水分制限のある患者や熱傷の患者等へ投与する場合には、1.0〜2.5kcal/gであることがより好ましい。当該熱量は、糖質、脂質、タンパク質源、および食物繊維等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「熱量」とは、実施例に記載された方法で算出された値を採用するものとする。
本形態に係る半固形化栄養剤のpHは、3.0〜4.5であることが好ましく、3.5〜3.9であることがより好ましい。pHが上記範囲にあれば、細菌の増殖を抑制することができ、清涼感が得られうることから好ましい。当該pHは、pH調整剤や酸味料等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「pH」は、実施例に記載された方法で測定された値を採用するものとする。
[用途]
上述の半固形化栄養剤は、医療および食品等の分野に適用されうる。
(医療分野)
医療分野において、半固形化栄養剤は、例えば、経腸栄養剤として用いられ、経腸栄養法に適用されうる。経腸栄養法における半固形化栄養剤の投与方法は、特に制限されないが、通常、経口投与または胃瘻を用いた投与である。経口投与は、咀嚼、嚥下困難であって、腸が機能している高齢者や病者等が対象となりうる。また、胃瘻を用いた投与は、経口摂取困難であって、腸が機能している高齢者や病者等が対象となりうる。
本形態に係る半固形化栄養剤は、栄養素、水分、所定量の寒天、および所定量の加工デンプンを含む。前記栄養素の含有量は、経腸栄養法が目的とする生体が必要とするカロリー、窒素源等の需要を満たすことができる量で含有されることが好ましい。また、半固形化栄養剤の水分量は、投与する高齢者や患者の状態や水分管理等を考慮して設定することが好ましい。
本形態に係る半固形化栄養剤に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、投与方法、半固形化栄養剤を適用する高齢者や患者の状態等に応じて適宜設定されうる。例えば、経口投与の場合には摂取時の味の向上、胃瘻を用いた投与の場合にはゲップ時の不快感の防止等の観点から、甘味料、酸味料、香料等を添加することが好ましい。また、全身管理を要する患者には、栄養状態を保つために必要とするビタミンやミネラルを含有することが好ましい。消化機能が低下している高齢者等には、半固形化栄養剤の投与による便秘を改善するために、食物繊維を添加することが好ましい。
本形態に係る半固形化栄養剤によれば、離水の発生が抑制されることから、半固形化栄養剤が所望の動態で吸収され、また、胃食道逆流や誤嚥性肺炎を起こしにくくなりうる。さらに、保存性や胃瘻を用いた投与における胃瘻チューブの注入時の取り扱い性等も向上しうる。
また、本形態に係る半固形化栄養剤は、離水の発生を抑止しつつ、粘度、熱量、pH等を調整することができることから、例えば、粘度を調節することによって、胃瘻を用いた投与における胃瘻チューブへの付着性や半固形化栄養剤の消化性が改善されうる。また、熱量を調節することによって、半固形化栄養剤が適用される高齢者や患者の栄養管理が容易となりうる。さらに、pHを調節することによって、保存性や清涼感が向上しうる。当該粘度、熱量、pH等は、半固形化栄養剤中の成分、およびその含有量を適宜調節することで制御することができる。
(食品分野)
食品分野において、半固形化栄養剤は、例えば、嗜好食品に適用されうる。
本形態に係る半固形化栄養剤は、栄養素、水分、所定量の寒天、および所定量の加工デンプンを含む。前記栄養素の含有量は、対象とする消費者に応じて適宜選択することが好ましい。すなわち、ダイエット食品として販売する場合には栄養素の含有量は低く設定し、食事の代替となる栄養調整食品として販売する場合には栄養素の含有量は高く設定されうる。また、半固形化栄養剤の水分含有量は、製造しようとする食品の食感やのどこし等を考慮して適宜選択されうる。
本形態に係る半固形化栄養剤に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、製造しようとする食品に応じて適宜選択されうる。例えば、半固形栄養食品に清涼感を付与する場合には、pH調整剤を添加してpHを酸性にすることが好ましい。
本形態に係る半固形化栄養剤によれば、離水の発生が抑制されうることから、好適にエネルギー等を補給することができ、また、嗜好性に優れる食品となりうる。
また、本形態に係る半固形化栄養剤は、離水の発生を抑止しつつ、粘度、熱量、pH等を調整することができることから、目的に応じて種々の製品開発を行うことができる。例えば、粘度を調節することによって、異なる食感を有する半固形化栄養剤を製造することができる。また、熱量を調節することによって、要望に応じた半固形化栄養剤を製造することができる。さらに、pHを調節することによって、所望の清涼感を付与した半固形化栄養剤を製造することができる。当該粘度、熱量、pH等は、半固形化栄養剤中の成分、およびその含有量を適宜調節することで制御することができる。
[半固形化栄養剤の製造方法]
本形態に係る半固形化栄養剤は、公知の方法によって製造することができる。例えば、加温した水に栄養素、寒天、加工デンプン、およびその他所望とする成分を添加し、撹拌することにより製造することができる。また、加温した水に寒天を溶解した溶液と、水に加工デンプンを溶解した溶液とを準備し、栄養素およびその他所望とする成分をいずれかに添加して、2つの溶液を混合、撹拌することで製造することができる。
得られた半固形化栄養剤は、例えば、連続殺菌した後に容器に充填して、製品化することができる。当該連続殺菌の方法としては、特に制限されないが、超高温短時間(UHT)殺菌、熱水殺菌、バッチ式殺菌、およびこれらの組み合わせが挙げられる。前記殺菌は、短時間で行うことが好ましい。短時間で殺菌を行うことにより、半固形化栄養剤に含まれる成分の劣化を抑制することができる。
半固形化栄養剤を充填する容器としては、特に限定されず、公知の容器が用いられうる。当該容器としては、テトラパック、カート缶、ガラス容器、金属缶、アルミパウチ、プラスチック容器等が挙げられる。これらのうち、プラスチック容器を用いることが好ましい。
前記プラスチック容器の原料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリフルオロカーボン、ポリイミド等を用いることが好ましい。
前記プラスチック容器には、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル等を含むガスバリア性樹脂層;アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、酸化ケイ素皮膜、酸化アルミ被膜等のガスバリア性無機層を適宜組み合わせて用いてもよい。当該ガスバリア層を設けることによって、酸素や水蒸気等による半固形化栄養剤の劣化を防止しうる。
また、前記容器はさらに遮光されていてもよい。当該遮光によって、例えば、半固形化栄養剤に含有されうるビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK等の光による劣化が抑制されうる。
上述の容器は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソフトパウチ(株式会社フジシール製)、ボトルドパウチ(凸版印刷株式会社製)、スパウチ(大日本印刷株式会社製)、チアーパック(株式会社細川洋行製)等が用いられうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
(実施例1)
5Lのステンレスバケツに調合水1200部を投入し、湯浴で80℃以上まで加温した。次いで、寒天であるウルトラ寒天UX30(伊那食品工業株式会社製)22部を添加、溶解させた。得られた溶液を50〜60℃まで冷却し、タンパク質源であるWPI895(ホエイプロテインアイソレート:Fonterra社製)140部、および糖質であるTK−16(デキストリン:松谷化学工業株式会社製)395部を添加した。当該溶液に、脂質である植物油60部、乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステル10部、および加工デンプンであるWMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)40部を50〜55℃で混合した分散液を混合した。さらに、ビタミンとして、水溶性ビタミンミックス0.3部、脂溶性ビタミンミックス1.5部;ミネラルとして、グルコン酸カルシウム20部、塩化マグネシウム10部、塩化カリウム3.2部、塩化ナトリウム0.2部、リン酸二水素ナトリウム10部、およびクエン酸三カリウム6部;食物繊維として、サンファイバーHG(グアガム加水分解物:太陽化学株式会社製)25部;酵母ミックス0.5部;酸味料としてクエン酸24部、リンゴ酸8部、および乳酸27.3部;アスコルビン酸二グルコシド0.6部;グルコン酸亜鉛0.3部;グルコン酸銅0.03部;香料1.5部を適宜添加して撹拌した。得られた混合液が4000部となるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。
得られた溶液は、連続殺菌下後、1個当たり200部となるように口栓付きのアルミパウチに充填し、90℃で10分間の容器殺菌処理を行った。前記容器殺菌処理の後、冷却することで、パウチ入りの半固形化栄養剤を製造した。
(実施例2)
タンパク質源を、WPC392(ホエイプロテインコンセントレート:Fonterra社製)150部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により半固形化栄養剤を製造した。
(実施例3)
タンパク質源を、Lacprodan DI−3065(加水分解ホエイペプチド:ArlaFoods社製)140部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により半固形化栄養剤を製造した。
(実施例4)
タンパク質源を、プロリーナ900(大豆タンパク質:不二製油株式会社製)140部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により半固形化栄養剤を製造した。
(実施例5)
寒天の添加量を32部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例6)
糖質であるTK−16の添加量を270部、加工デンプンであるWMSの添加量を165部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例7)
加工デンプンであるWMSを、ファリネックスVA70WM(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)40部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例8)
糖質であるTK−16の添加量を410部、寒天の添加量を40部、加工デンプンであるWMSの添加量を25部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例9)
糖質であるTK−16の添加量を155部、寒天の添加量を4部、加工デンプンであるWMSの添加量を280部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例10)
各成分の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。具体的には、糖質であるTK−16を255部;タンパク質源であるWPI1895を90部;脂質である植物油を35部;寒天を30部;加工デンプンであるWMSを180部;ビタミンである水溶性ビタミンミックスを0.2部、脂溶性ビタミンミックスを1部;ミネラルである、グルコン酸カルシウムを13部、塩化マグネシウム7部、塩化カリウム2部、塩化ナトリウムを0.1部、リン酸二水素ナトリウム7部、およびクエン酸三カリウムを4部;食物繊維である、グアガム加水分解物を15部;乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルを7部;酵母ミックスを0.3部;酸味料である、クエン酸を20部、リンゴ酸を5部、および乳酸18部;アスコルビン酸二グルコシドを0.4部;グルコン酸亜鉛を0.2部;グルコン酸銅を0.02部;香料を1部に変更した。
(実施例11)
各成分の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。具体的には、糖質であるTK−16を800部;タンパク質源であるWPI1895を300部;脂質である植物油を120部;寒天を8部;加工デンプンであるWMSを80部;ビタミンである、水溶性ビタミンミックスを0.6部、脂溶性ビタミンミックスを3部;ミネラルである、グルコン酸カルシウムを40部、塩化マグネシウム20部、塩化カリウム6部、塩化ナトリウムを0.4部、リン酸二水素ナトリウム20部、およびクエン酸三カリウムを12部;食物繊維である、グアガム加水分解物を50部;乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルを20部;酵母ミックスを1部;酸味料である、クエン酸を30部、リンゴ酸を16部、および乳酸40部;アスコルビン酸二グルコシドを1.2部;グルコン酸亜鉛を0.6部;グルコン酸銅を0.06部;香料を3部に変更した。
(実施例12)
各成分の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。具体的には、糖質であるTK−16を900部;タンパク質源であるWPI1895を600部;脂質である植物油を350部;寒天を8部;加工デンプンであるWMSを133部;ビタミンである、水溶性ビタミンミックスを1部、脂溶性ビタミンミックスを5部;ミネラルである、グルコン酸カルシウムを67部、塩化マグネシウム33部、塩化カリウム11部、塩化ナトリウムを0.7部、リン酸二水素ナトリウム33部、およびクエン酸三カリウムを20部;食物繊維である、グアガム加水分解物を83部;乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルを33部;酵母ミックスを2部;酸味料である、クエン酸を30部、リンゴ酸を27部、および乳酸50部;アスコルビン酸二グルコシドを2部;グルコン酸亜鉛を1.0部;グルコン酸銅を0.1部;香料を5部に変更した。
(実施例13)
アスコルビン酸二グルコシドを、アスコルビン酸1部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(実施例14)
食物繊維であるグアガム加水分解物を、パインファイバーC28部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例1)
糖質であるTK−16の添加量を435部に変更し、加工デンプンであるWMSを添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例2)
糖質であるTK−16の添加量を425部;加工デンプンであるWMSの添加量を10部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例3)
加工デンプンであるWMSを、ファリネックスVA70WM 10部に変更したことを除いては、比較例2と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例4)
寒天の添加量を80部に変更したことを除いては、比較例2と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例5)
寒天の添加量を8部に変更し、ペクチン8部を添加したことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例6)
ペクチン16部を添加し、寒天を添加しなかったことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例7)
寒天の添加量を8部に変更し、グアガム8部を添加したことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例8)
グアガム16部を添加し、寒天を添加しなかったことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例9)
寒天の添加量を8部に変更し、ローカストビーンガム8部を添加したことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例10)
ローカストビーンガム16部を添加し、寒天を添加しなかったことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例11)
寒天の添加量を8部に変更し、コンニャクマンナン8部を添加したことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
(比較例12)
コンニャクマンナン16部を添加し、寒天を添加しなかったことを除いては、比較例1と同様の方法で半固形化栄養剤を製造した。
実施例1〜14および比較例1〜12で製造した半固形化栄養剤の組成を、それぞれ表1および表2に示す。
Figure 0005632112
Figure 0005632112
[半固形化栄養剤の評価]
実施例および比較例で得られたそれぞれの半固形化栄養剤について下記の評価を行った。
<離水率>
半固形化栄養剤200gを60メッシュ(目開き300μm:JIS規格用 TEST‐SIEVE)のふるいに静置し室温(25℃)で放置した。30分後、ふるいから通過した液体量(離水量)の重量を測定し、半固形化栄養剤200gに対する離水量の割合を下記式により算出した。
Figure 0005632112
上記離水率の評価は、25℃で24時間静置した半固形化栄養剤、および7ヵ月半の保存を想定した加速試験(40℃で4週間静置)を行った半固形化栄養剤の両方について行った。
<粘度>
B型粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いて半固形化栄養剤の粘度を測定した。測定は、室温(25℃)、回転速度6rpmの条件で、1分間行った。
<熱量>
一般的なエネルギー換算係数、すなわち、糖質を4kcal/g、タンパク質源を4kcal/g、脂質を9kcal/g、および食物繊維を2kcal/gに基づき、下記式によって半固形化栄養剤の熱量を算出した。
Figure 0005632112
なお、上記式において、糖質には、加工デンプンを含んだ値を用いるものとする。
<pH>
pH測定器METTLER TOLEDO MP220(METTLER TOLEDO社)を用いて半固形化栄養剤のpHを測定した。
<性状>
目視で半固形化栄養剤の性状を判断した。
<保形性>
半固形化栄養剤を充填した50mLのカテーテルチップシリンジを内径4mmのチューブに接続し、シリンジから半固形化栄養剤の押出し後の形状を目視で確認し、保形性を判断した。なお、保形性は、下記の評価基準によって判断した。
◎:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出後約10分後まで自重で変形しない
○:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出後約5分後まで自重で変形しない
△:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出直後にやや変形する
×:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出直後に大きく変形する。
<凝集ムラ>
半固形化栄養剤について、下記評価基準に従い、目視で凝集ムラの評価を行った。
○:約20cmの直線状に容器から吐出された栄養剤の表面が滑らかな外観を有する
×:約20cmの直線状に容器から吐出された栄養剤がざらついた外観を有する。
<べたつき>
半固形化栄養剤を充填した50mLのカテーテルチップシリンジを内径4mmのチューブに接続し、シリンジから半固形化栄養剤の全量を押出した後、チューブ中に付着した半固形化栄養剤の洗浄性の程度によって、べたつきを評価した。なお、べたつきの評価は下記の基準に従って行った。
◎:10mLの水でチューブ内の洗浄が完了する
○:20mLの水でチューブ内の洗浄が完了する
△:40mLの水でチューブ内の洗浄が完了する
×:40mLの水で洗浄してもチューブ内に半固形化栄養剤が残存する。
実施例1〜14および比較例1〜12の半固形化栄養剤についての上記評価結果を、寒天含有量および加工デンプン含有量とともに表3に示す。
Figure 0005632112
表3の結果からも明らかなように、実施例の半固形化栄養剤は、所定量の寒天および所定量の加工デンプンを含有することにより、離水の発生が抑制されていることが分かる。
一方、比較例1〜4の半固形化栄養剤は、前記所定量の寒天および前記所定量の加工デンプンを含有しておらず、離水率が高い値を示した。特に、比較例4の半固形化栄養剤については、2.0質量%の寒天を含んでいることから、固体に近いゼリー状となっており、また、離水率も高い値を示した。したがって、比較例4の半固形化栄養剤は、例えば、胃瘻を用いた投与において、胃瘻チューブに注入する際に、ゼリー状の形態が崩れ、小さいゼリーの破片となった状態となり、胃食道逆流を生じうることが理解される。
また、比較例5〜12の半固形化栄養剤は、公知の増粘剤を単独または寒天と併用したものであるが、いずれも離水の発生を十分に抑制することができなかった。
なお、実施例1〜14の結果から、本発明に係る半固形化栄養剤は、含有されうる成分の種類および成分を適宜変更することで、離水の発生を抑制しつつ、所望の成分を必要とする量で含有させることができ、また、粘度、熱量、pH等も制御できることが分かった。

Claims (3)

  1. 糖質およびタンパク質源を含む栄養素と、
    水分と、
    寒天および加工デンプンと、
    を含む半固形化栄養剤であって、
    前記寒天の含有量が栄養剤全量に対して0.05〜1.5質量%であり、
    前記加工デンプンの含有量が栄養剤全量に対して0.5〜10質量%であり、
    25℃での粘度が10000〜50000mPa・sである、半固形化栄養剤。
  2. 熱量が0.5〜2.5kcal/gである、請求項1に記載の半固形化栄養剤。
  3. pHが3.0〜4.5である、請求項1またはに記載の半固形化栄養剤。
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