JP5925289B2 - 胃瘻用半固形化栄養剤 - Google Patents

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Description

本発明は、胃瘻用半固形化栄養剤に関する。
経腸栄養法は、消化管を経由する生理的な栄養投与経路であり、高カロリー輸液法の問題点を解決できるため、咀嚼・嚥下機能の著しい低下や意識障害などによって、食物の経口摂取が困難な患者向けの重要な栄養投与法である。
経管栄養法には、経鼻経管栄養法や胃瘻経管栄養投与法などがある。経鼻経管栄養法は鼻腔を経由して胃内に挿入した細くかつ長いチューブを介して経腸栄養剤を投与するため、液状の経腸栄養剤を用いる必要がある。そのため、結果として投与に数時間程度の長時間を要し、患者やその介護者への負担が大きい。
また、経鼻経管栄養法により長期で経腸栄養を施行した場合では、液状栄養剤の胃食道逆流に起因する誤嚥性肺炎などの合併症に悩まされる症例も少なくない。
一方、胃瘻経管栄養投与法とは、経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy、PEG)を施行して胃に接続したチューブにより体外から直接、胃内部へ栄養を供給(投与)する栄養管理法である。従来行われてきた経鼻経管栄養法と比較し、管理が容易であること、患者の苦痛が少ないこと、摂食・嚥下リハビリテーションが容易であることから最近では有用な経管栄養法の一つとして注目されている。
PEGにおいては、下記(1)〜(3)の点から経腸栄養剤に粘度(粘稠度)や保形性を付与する手法が検討されている。(1)液体の経腸栄養剤を胃に急速に投与することにより胃食道逆流が生じ、誤嚥性肺炎が発症することを防ぐ。(2)液体の経腸栄養剤を胃に急速に投与することにより胃から腸に一気に経腸栄養剤が落下し(ダンピング)、糖質が急速に吸収されて血糖値が不安定となったり、下痢の症状を引き起こすことを防止する。(3)液状の経腸栄養剤は(2)に記載の症状を防止するために、患者に同一体位で長時間投与する必要があったが、経腸栄養剤に粘度や保形性を付与した場合、短時間で投与が可能になる。結果として、褥瘡を防止したり、患者の負担を軽減し、患者のQOLの向上に貢献できる。
経腸栄養剤に粘度を付与する方法としては、従来種々の方法が検討されてきた。例えば、特許文献1では、経腸栄養剤に寒天を添加する方法が開示されている。また、寒天、キサンタンガムおよびカラギーナンを含むゲル状流動食(特許文献2)、タンパク質の等電点ゲルとペクチン、キサンタンガムなどのゲル化剤ゲルとの複合ゲルからなる嚥下障害者に適したゲル状組成物(特許文献3)などが開示されている。
特開2003−201230号公報 特開2008−237186号公報 国際公開第99/34690号
しかし、寒天を用いて調製された半固形化栄養剤は一度粉砕されると再結着しにくい性質を有する。その為、容器やシリンジ等から胃瘻チューブに注入される段階でクラッシュゲル状(ゲルが崩れ、小さなゲル状の破片の集まりとなっている状態)となり、ゲル片がチューブ内に残るという問題点があった。また、寒天に他の化合物を配合した栄養剤においても、粘度や保形性などの点で十分なものではなかった。
一方で、栄養剤を患者に投与する際、従来の半固形化栄養剤では、チューブから栄養剤を押し出す際の吐出抵抗が高いため、栄養剤を押し出す際に大きな力が必要となり、介護者等の身体的負担が大きい場合があった。
したがって、適度な粘度、保形性を有し、また、介護者が栄養剤を投与する際の負担が少ない半固形化栄養剤が求められていた。
本発明の目的は、シリンジ等から押し出した場合にも保形性が高く、かつチューブから押しだす際の抵抗が少ない半固形化栄養剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ゼリー強度の低い寒天および加工デンプンを併用することによって上記課題を解決できることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の胃瘻用半固形化栄養剤に係る。
(1)栄養素、ゼリー強度が10kPa以下の寒天および加工デンプンを含む胃瘻用半固形化栄養剤であって、前記ゼリー強度が10kPa以下の寒天の含有量が前記胃瘻用半固形化栄養剤の全量に対して0.05〜1質量%であり、前記加工デンプンの含有量が前記胃瘻用半固形化栄養剤の全量に対して、0.1〜7質量%である、胃瘻用半固形化栄養剤。
(2)25℃での粘度が10,000〜50,000mPa・sである、(1)に記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
(3)pHが3.0〜4.5である、(1)または(2)に記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
(4)シリンジから60mm/minの速度で排出する際の吐出圧力が15kPa以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
本発明の胃瘻用半固形化栄養剤は、シリンジ等から押し出した場合にも保形性が高く、かつチューブから押しだす際の抵抗が少ない半固形化栄養剤である。したがって、投与された患者が胃食道逆流を起こすことなく、確実に安心かつ容易に栄養を摂取することが可能となる。
本発明の胃瘻患者に適した半固形化栄養剤は、該栄養剤中にゼリー強度が低い寒天および加工デンプンを含むことを一つの大きな特徴とする。
かかる特徴を有することで、従来の寒天やゲル化剤主体の栄養剤と異なり、保形性の高いペースト状の形状を有する。このため、胃内に投与された際、栄養剤の胃食道逆流を防止することが出来る。また、介護者等がチューブから栄養剤を押し出しやすく、身体的負担が軽減されるという効果がある。
以下に、本発明の胃瘻用半固形化栄養剤(以下、単に半固形化栄養剤とも称する)について、更に詳述する。
[半固形化栄養剤]
本発明の一実施形態によると、胃瘻用半固形化栄養剤は、栄養素、ゼリー強度が10kPa以下の寒天および加工デンプンを含む。
[寒天]
寒天とは、テングサ、オゴノリ等の紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したものであり、アガロースやアガロペクチン等の多糖類を主成分として含む。前記アガロースやアガロペクチンは、ガラクトースおよび3,6−アンデヒドロガラクトースが交互に重合した構造を有する。寒天は、アガロースやアガロペクチンの重合度や分子量、寒天中の硫酸基およびピルビン酸基の含有量等によって性状が異なる場合があるが、本形態に係る半固形化栄養剤においては、特に制限されず、いずれのものを用いてもよい。
寒天としては、ゼリー強度が10kPa以下の寒天(以下、低ゼリー強度寒天とも称する)を用いる。低ゼリー強度寒天の寒天を用いることによって、シリンジ等からチューブへ栄養剤を注入する際の吐出抵抗(以下、かような抵抗を注入抵抗とも称する)が抑制され、施術者の負担が抑制されるとともに、栄養剤中に存在する凝集物が低減される。
低ゼリー強度寒天のゼリー強度の下限は特に限定されるものではないが、通常0.1kPa以上である。また、低ゼリー強度寒天のゼリー強度は、注入抵抗抑制の観点から、0.1〜6kPaであることが好ましい。
低ゼリー強度寒天としては、市販品として、ウルトラ寒天イーナ(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.2kPa)、ウルトラ寒天UX−30(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.6kPa)、ウルトラ寒天AX−30(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.7kPa)、ウルトラ寒天BX−30(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.6kPa)、ウルトラ寒天UX−100(伊那食品工業社製、ゼリー強度:3kPa)、ウルトラ寒天AX−100(伊那食品工業社製、ゼリー強度:3.5kPa)、ウルトラ寒天BX−100(伊那食品工業社製、ゼリー強度:3kPa)、ウルトラ寒天UX−200(伊那食品工業社製、ゼリー強度:5kPa)、ウルトラ寒天AX−200(伊那食品工業社製、ゼリー強度:5kPa)、ウルトラ寒天BX−200(伊那食品工業社製、ゼリー強度:5kPa)などが挙げられる。
低ゼリー強度寒天は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
低ゼリー強度寒天と、加工デンプンとの配合質量比は、低ゼリー強度寒天:加工デンプン=1:0.1〜10であることが好ましく、0.3〜7であることがより好ましい。かような範囲であると、注入抵抗の抑制がより発揮されるため好ましい。
本発明において、ゼリー強度は、以下の方法により測定した値を採用する。寒天を90℃の湯に溶解し、1.0質量%溶液を調製し、4℃で24時間冷却後、さらに25℃にて2時間静置後、株式会社サン科学製レオメーターCR−500DXを用いた。測定条件は、直径15mmの樹脂性のプランジャーを用いて、圧縮速度60mm/minで測定した際の最大荷重値をプランジャー面積で割り、ゼリー強度を算出した。上記測定条件によって3回測定し、ゼリー強度はその平均値とする。
低ゼリー強度の含有量は、胃瘻用半固形化栄養剤中の全量に対して0.05〜1質量%であり、好ましくは、0.1〜1質量%である。低ゼリー強度寒天の配合量が0.05質量%未満であると、加工デンプンと併用することの上記効果が発揮されない場合がある。また、低ゼリー強度寒天の配合量が、1質量%を超えると、チューブから栄養剤を投与する際の注入抵抗が高くなるため、好ましくない。
[加工デンプン]
加工デンプンを用いることによって、寒天と組み合わせた場合に、シリンジ等から押し出した場合にも形状が維持されるとともに、チューブからの注入抵抗が抑制される。
加工デンプンとは、デンプンに物理的、酵素的、または化学的処理を行ったものである。当該処理を行うことで、物性、例えば、水への溶解性、糊化温度、加熱溶解時粘性の安定性、物性安定性等が変化する。
前記物理的処理としては、湿熱処理、高周波処理、放射線処理、漂白処理、酸処理、塩基処理等が挙げられる。前記酵素的処理としては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ7、イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素による処理等が挙げられる。前記化学的処理としては、酸化処理、エステル化処理、アセチル化処理、エーテル化処理、架橋処理等が挙げられる。
上記処理によって得られた加工デンプンとしては、特に制限されないが、焙焼デキストリン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。これらのうち、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンおよびリン酸架橋デンプンを用いることが好ましく、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンを用いることがより好ましい。
加工デンプンは自ら調製しても、市販品を用いてもよい。自ら調製する場合には、公知のデンプン、例えば、上述したデンプンに上記の物理的処理、酵素的処理、および化学的処理の少なくとも1つ以上を行うことで加工デンプンを調製することができる。市販品としては、例えば、WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷すいせん(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70WM(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70X(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスVA70C(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、セレクトアミールXF(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、フードスターチHR−7(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、パインエース♯1(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷ゆうがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷あさがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製)、ファリネックスAG100(ヒドロキシプロピルデンプン:松谷化学工業株式会社製)、松谷ゆり(ヒドロキシプロピルデンプン:松谷化学工業株式会社製)等を用いることができる。
加工デンプンの含有量は、胃瘻用半固形化栄養剤中の全量に対して0.1〜7質量%であり、好ましくは、0.3〜5質量%である。加工デンプンの配合量が0.1質量%未満であると、容器から吐出した際の、栄養剤の保形成維持の効果や粘度付与効果が減ぜられる場合がある。また、加工デンプンの配合量が7質量%を超えると、注入抵抗が増加する場合がある。
上述の加工デンプンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
胃瘻用半固形化栄養剤は、栄養補給を目的として栄養素を含む。
[栄養素]
栄養素としては、好適には糖質およびたんぱく質源を含む。前記栄養素は、任意の成分として、さらに脂質、ビタミン、ミネラル、および食物繊維からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
半固形化栄養剤中の栄養素の合計量は、9〜60質量%であることが好ましい。
(糖質)
糖質は、炭水化物とも呼ばれ、エネルギー源となるものである。
用いられうる糖質としては、生体に吸収されてエネルギー源になるものであれば特に制限はなく、例えば、単糖、二糖、および多糖が挙げられる。単糖の具体例としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース等が挙げられる。二糖の具体例としては、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルトース、トレハロース等が挙げられる。多糖の具体例としては、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン等が挙げられる。これらのうち、デキストリンを用いることが好ましい。
デキストリンは、数個のα−グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称であり、デンプンを加水分解して得ることができる。デキストリンは、小腸内での分解速度が遅く吸収が緩やかであることから、急激な血糖上昇を防止しうる。また、デキストリンを用いることにより、半固形化栄養剤の浸透圧を低減することができ、浸透圧性の下痢を予防しうる。デキストリンとしては、α−グルコースの重合度が高い高分子デキストリン、およびα−グルコースの重合度が低い低分子デキストリンのいずれを用いてもよいが、より浸透圧を低減可能な高分子デキストリンを用いることが好ましい。なお、低分子デキストリンは、マルトデキストリンとも呼ばれ、通常、3〜5個のα−グルコースが重合したものである。
デキストリンは、自ら調製しても、市販品を用いてもよい。デキストリンを調製する場合には、公知のデンプン、例えば、トウモロコシ、ワキシーコーン、小麦、米、ワキシーライス、ワキシーミロ、豆(ソラマメ、緑豆、小豆等)、馬鈴薯、甘藷、タピオカ等に含有されるデンプンを、公知の方法により加水分解することで調製することができる。一方、市販されたデキストリンとしては、TK−16(松谷化学工業株式会社製)等が挙げられ、好適に使用することができる。
上述の糖質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の糖質の含有量は、適応する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して5〜30質量%であることが好ましい。なお、上記加工デンプンも糖質であり、ここでいう糖質の含有量とは、加工デンプンを含めた量である。
(たんぱく質源)
たんぱく質源としては、特に制限されず、公知のものが用いられうる。
アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン等の必須アミノ酸;およびグリシン、アラニン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等の非必須アミノ酸が挙げられる。これらの他、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン、O−ホスホチロシン、N−アセチルセリン、Nω−メチルアルギニン、ピログルタミン酸、M−ホルミルメチオニン等の修飾アミノ酸;オルニチン、シトルリン、γ−アミノ酪酸(GABA)、チロキシン、S−アデニルメチオニン等の特殊アミノ酸も包含されうる。また、前記アミノ酸は、それぞれ立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)であっても、位置異性体であってもよく、これらの混合物であってもよい。さらに、前記アミノ酸は、無機酸塩(塩酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)、生体内で加水分解可能なエステル体(メチルエステル等)の形態であってもよい。
ペプチドとしては、上記アミノ酸の2以上がペプチド結合(アミド結合)を介して重合したものが用いられうる。当該ペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド(アミノ酸が約10個程度のもの)、ポリペプチド(アミノ酸が数十〜数百個のもの)のいずれであってもよい。前記ポリペプチドは、植物タンパク質や動物性タンパク質等のタンパク質を含む。なお、一部のオリゴペプチド、例えば、ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、バリルチロシン含有サーデンペプチド等は降圧作用等の保健機能を有しうる。
植物タンパク質としては、米等の穀類、大豆、豆腐等の豆類等に含まれるタンパク質が挙げられる。なお、大豆タンパク質については、胆汁酸と結合してコレステロールの排泄を促進する等の保健機能を有しうる。
動物性タンパク質としては、卵、肉類、魚介類、牛乳等に含まれるタンパク質が挙げられる。
これらのうち、牛乳(乳清)を原料とするホエイタンパク質、牛乳に含まれるカゼインタンパク質、大豆タンパク質を用いることが好ましく、ホエイタンパク質を用いることがより好ましい。当該ホエイタンパク質としては、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、加水分解ホエイペプチド(WPH)等が挙げられる。WPCやWPI、大豆たんぱく等は市販されているものを用いてもよく、市販品としては、WPI18855(Fonterra社製)、WPI18822(Fonterra社製)、WPI1895(Fonterra社製)、WPC392(Fonterra社製)、WPC80(Fonterra社製)、WPC7009(Fonterra社製)、WPC164(Fonterra社製)、WPC162(Fonterra社製)、WPC132(Fonterra社製)、WPC472(Fonterra社製)、プロリーナ900(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ3000(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ1700N(不二製油株式会社製)等が挙げられる。
上述のタンパク質、アミノ酸またはペプチドは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のたんぱく質、アミノ酸またはペプチドの含有量は、適用する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して2〜18質量%であることが好ましい。
(脂質)
脂質は、エネルギー源、生体膜構成成分、ステロイドホルモンや胆汁酸の合成原料となりうる。
用いられうる脂質としては、特に制限されず、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、植物油、動物性油脂、魚油等が挙げられる。
飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。なお、EPAやDHAについては、血中コレステロール上昇抑制作用、中性脂肪上昇抑制作用等の保健機能を有しうる。
植物油としては、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、オリーブオイル、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、サフラワー油(紅花油)、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、クルミ油、ヒョウタン実油、バッファローカボチャ油、カボチャ実油、スイカ実油、アマランサスオイル、あんず油、リンゴ油、アルガンオイル、アボカド油、ババスオイル、モリンガ油、ボルネオ脂、ケープ栗油、ココアバター、キャロブオイル、コフネヤシ油、コリアンダー種油、ディカ油、アマニ油、グレープシードオイル、ヘンプオイル、カポック実油、ラッレマンチアオイル、マルーラ油、メドウフォーム油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ油、パパイヤ油、シソ油、ペクイ油、松の実油、ケシ油、プルーン油、キヌア油、ニガー種子油、こめ油、Royle油、サッチャインチオイル、ツバキ油、アザミ油、トマト油、コムギ油、エゴマ油、サンフラワー油、胚芽油、ヤシ油、落花生油等が挙げられる。
動物性油脂としては、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、乳脂等が挙げられる。
魚油としては、サバ、サケ、ブリ、イワシ、サンマ等の魚油が挙げられる。
これらのうち、ヒトが生体内で合成することができないリノール酸およびα−リノレン酸、またはこれらを含む脂質を用いることが好ましい。
上述の脂質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の脂質の含有量は、適用する対象者によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して1〜8質量%であることが好ましい。
(ビタミン)
ビタミンとは、生物の栄養状態を保つために必要とする糖質、アミノ酸またはペプチド、脂質以外の有機化合物の総称である。
ビタミンとしては、ビタミンA(レチノール)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)ビタミンK(フィロキノン、メナキノン)等の脂溶性ビタミン:ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)等の水溶性ビタミンが挙げられる。これらのビタミンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のビタミンの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。通常、脂溶性ビタミンについては過剰症が生じない量で添加され、水溶性ビタミンについては添加量に制限はない。半固形化栄養剤100gあたりの各ビタミンの好ましい含有量は以下の通りである。
脂溶性ビタミン;
ビタミンA:好ましくは0〜3000μg、より好ましくは20〜200μg
ビタミンD:好ましくは0.1〜50μg、より好ましくは0.1〜5.0μg
ビタミンE:好ましくは0.2〜800mg、より好ましくは1〜10mg
ビタミンK:好ましくは0.5〜1000μg、より好ましくは2〜50μg
水溶性ビタミン;
ビタミンB1:好ましくは0.01〜40mg、より好ましくは0.1〜10mg
ビタミンB2:好ましくは0.01〜20mg、より好ましくは0.05〜10mg
ナイアシン:好ましくは0.1〜300mgNE、より好ましくは0.5〜60mgNE
パントテン酸:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは0.2〜30mg
ビタミンB6:好ましくは0.01〜60mg、より好ましくは0.1〜30mg
ビオチン:好ましくは0.1〜1000μg、より好ましくは1〜100μg
葉酸:好ましくは1〜1000μg、より好ましくは10〜200μg
ビタミンB12:好ましくは0.01〜100μg、より好ましくは0.2〜60μg
ビタミンC:好ましくは1〜2000mg、より好ましくは5〜1000mg。
(ミネラル)
ミネラルとは、生物の栄養状態を保つために必要とする有機化合物以外の元素である。
ミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム等の準主要元素;鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等の必須微量元素等が挙げられる。これらのミネラルは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のミネラルの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。半固形化栄養剤100gあたりの各ミネラルの好ましい含有量は以下の通りである。
準主要元素;
ナトリウム:好ましくは5〜6000mg、より好ましくは10〜3500mg
カリウム:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1800mg
カルシウム:好ましくは10〜2300mg、より好ましくは30〜300mg
リン:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1500mg
マグネシウム:好ましくは1〜740mg、より好ましくは10〜150mg
必須微量元素;
鉄:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは1〜10mg
亜鉛:好ましくは0.1〜30mg、より好ましくは1〜15mg
銅:好ましくは0.01〜10mg、より好ましくは0.06〜6mg
ヨウ素:好ましくは0.1〜3000μg、より好ましくは1〜150μg
マンガン:好ましくは0.01〜11mg、より好ましくは0.1〜4mg
セレン:好ましくは0.1〜450μg、より好ましくは1〜35μg
クロム:好ましくは0.1〜40μg、より好ましくは1〜35μg
モリブデン:好ましくは0.1〜320μg、より好ましくは1〜25μg。
(食物繊維)
食物繊維は、栄養素利用度の低下、血漿コレステロールの低下、血糖応答の改善、大腸機能の改善、および大腸がんの予防等の機能を有しうる。なお、食物繊維は、腸内細菌により醗酵を受けて短鎖脂肪酸、炭酸ガス、水素ガス、メタンガス等に変換される場合がある。このうち、短鎖脂肪酸については大腸で吸収されるため、食物繊維はエネルギー源となる場合がある。
食物繊維としては、特に制限されないが、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、不溶性ペクチン、キチン、キトサン、サイリウム種皮、低分子化アルギン酸ナトリウム等の不溶性食物繊維;水溶性ペクチン、グアガム、コンニャクマンナン、グルコマンナン、アルギン酸、寒天、化学修飾多糖類、ポリデキストロース、難消化性オリゴ糖、マルチトール、イヌリン、カラギナン、小麦ふすま、難消化性デキストリン(例えば、パインファイバーC(松谷化学工業社製)、ポリデキストロース、グアガム分解物、等の水溶性食物繊維等が挙げられる。これらの食物繊維は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の食物繊維の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
[水分]
本発明に係る半固形化栄養剤は、好適には水分を含む。
半固形化栄養剤中の水分の含有量は、適用する対象者や所望とする粘度等によって適宜調節されうるが、半固形化栄養剤全量に対して30〜90質量%であることが好ましく、水分管理の観点から50〜90質量%であることが好ましい。
[その他の成分]
本形態に係る半固形化栄養剤は、さらにその他の公知の成分、例えば、機能性添加物、食品添加物、増粘剤等を含んでいてもよい。
(保健機能成分)
保健機能成分とは、摂取することによって生体に対し一定の機能を発揮する成分である。例えば、難消化性オリゴ糖、糖アルコール、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)、キトサン、L−アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、豆鼓エキス、ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール、大豆イソフラボン、乳塩基性タンパク質等が挙げられる。
難消化性オリゴ糖
難消化性オリゴ糖とは、単糖類がグリコシド結合によって結合した化合物のうち、多糖類ほどは分子量が大きくない(300〜3000程度)糖類である。前記難消化性オリゴ糖はヒトの消化酵素では分解されず、ヒトの消化酵素で分解されるものについては、上述の糖質に包含されうる。難消化性オリゴ糖を摂取することにより、整腸効果が得られうる。
難消化性オリゴ糖としては、特に制限されないが、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。これらの難消化性オリゴ糖は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の難消化性オリゴ糖の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
糖アルコール
糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいものである。糖アルコールは、口内細菌によって酸に代謝されにくく、歯垢の形成を防止しうる。当該糖アルコールは、低カロリー甘味料として用いられうる。
糖アルコールとしては、エリトリトール、マルチトール、パラチノース等が挙げられる。これらの糖アルコールは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の糖アルコールの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)
CCMおよびCPPは、カルシウムの吸収を促進し、骨形成を促進しうる。当該CCMおよびCPPは、単独で用いても、混合して用いてもよい。また、CCMおよびCPPは、カルシウムと併用することが好ましい。
半固形化栄養剤中のCCMおよびCPPの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
(食品添加物)
食品添加物は、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、湿潤その他の方法によって使用するものである。食品添加物としては、栄養強化の目的以外にも、例えば、グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅、アスコルビン酸2−グルコシド、並びにシクロデキストリン、保存料、防かび剤、酸化防止剤、着色料、甘味料、pH調整剤、酸味剤、乳化剤、香料等が挙げられる。
グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅
グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、グルコン酸の重金属イオンとの高いキレート能を利用したグルコン酸塩である。グルコン酸塩の形態とすると吸収されやすくなることから、亜鉛や銅を効果的に吸収することができる。当該グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、単独で用いても、混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のグルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
アスコルビン酸2−グルコシド
アスコルビン酸2−グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)の2位の水酸基にグルコースがα−配位で結合した化合物であり、酸素の攻撃を受けないため通常のビタミンCよりも安定性が高いビタミンC誘導体である。アスコルビン酸2−グルコシドによって効率的にビタミンCを吸収することができる。
半固形化栄養剤中のアスコルビン酸2−グルコシドの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
シクロデキストリン
シクロデキストリンとは、グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖である。6個のグルコースからなるものをα−シクロデキストリン、7個のグルコースからなるものをβ−シクロデキストリン、8個のグルコースからなるものをγ−シクロデキストリンという。シクロデキストリンは、アレルギー抑制効果、血糖値上昇抑制効果、乳化作用等の機能を有しうる。当該シクロデキストリンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中のシクロデキストリンの含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
酸化防止剤
酸化防止剤は、半固形化栄養剤の酸化による変質を防止する機能を有する。
酸化防止剤としては、特に制限されないが、アスコルビン酸およびそのナトリウム塩、エリソルビン酸およびそのナトリウム塩等が用いられうる。これらの酸化防止剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
着色料
着色料は、半固形化栄養剤を美しくする機能を有する。
着色料としては、特に制限されないが、食用タール色素(食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、および106号、食用青色1号および2号、食用黄色4号および5号、食用緑色3号等)、β−カロテン、水溶性アナトー、クロロフィル誘導体(クロロフィルa、クロルフィルb、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等)、リボフラビン、三二酸化鉄、二酸化チタン、ベニバナ黄色素、コチニール色素、クチナシ黄色素、ウコン色素、赤キャベツ色素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、パプリカ色素、カラメル等が用いられうる。これらの着色料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
甘味料
甘味料は、半固形化栄養剤に甘味を付与する機能を有する。
甘味料としては、特に制限されないが、サッカリンおよびそのナトリウム塩、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ズルチン、チクロ(サイクラミン酸)、ネオテーム、トレハロース、エリスリトール、マルチトース、パラ地ノース、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア加工の甘味料、ソーマチン、クルクリン、リチルリチン酸二ナトリウム等が用いられうる。これらの甘味料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
pH調整剤
pH調整剤は、半固形化栄養剤のpHを調整する機能を有する。
pH調整剤としては、特に制限されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アジピン酸等が用いられうる。これらのpH調整剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
酸味料
酸味料は、栄養剤への酸味の付与、食品の酸化の防止、およびpHの調整等の機能を有する。
酸味料としては、特に制限されないが、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸等が用いられうる。これらの酸味料は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
乳化剤
乳化剤は、脂質等の油溶性成分の水への溶解性の向上等の機能を有する。
乳化剤としては、特に制限されないが、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の天然乳化剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
香料
香料は、半固形化栄養剤を着香・嬌臭する機能を有する。
香料としては、特に制限されないが、アセトフェノン、α−アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、デカナール、デカノール、アセト酢酸エチル、ケイ皮酸エチル、デカン酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、dl−メントール、l−メントール、サリチル酸メチル、ピペロナール、プロピオン酸、テルピネオール、バニリン、d−ボルネオール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
その他
α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、トレハロース生成酵素、トレハロース遊離酵素、グルタミナーゼ等の酵素や酵母等が用いられうる。
半固形化栄養剤中の上記食品添加物の含有量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。
(増粘剤)
増粘剤は、半固形化栄養剤に粘度を付与する機能を有する。
寒天および加工デンプン以外の増粘剤も適宜組み合わせて配合することが出来る。増粘剤としては、特に制限されないが、ゼラチン、ペクチン、グアガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギナン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースジェランガム、ジェランガム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、ビーガム等が用いられうる。これらの増粘剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
半固形化栄養剤中の増粘剤の含有量は、粘度等を考慮して適宜調節される。
また、本形態に係る半固形化栄養剤の粘度は、好ましくは約10,000〜50,000mPa・s、より好ましくは約14,000 〜30,000mPa・sの粘度を有する。半固形化栄養剤の粘度が10000mPa・s以上であると、胃食道逆流や誤嚥性肺炎等が生じにくくなりうることから好ましい。一方、半固形化栄養剤の粘度が50000mPa・s以下であると、消化が容易となりうることから好ましい。当該粘度は、主として、半固形化栄養剤中の寒天および加工デンプンの含有量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「粘度」は、実施例に記載された方法で測定された値を採用するものとする。
本形態に係る半固形化栄養剤の熱量は、半固形化栄養剤の用途によっても異なるが、0.5〜2.5kcal/gであることが好ましく、水分管理の安全性の観点からは0.5〜1.0kcal/gであることがより好ましいが、水分制限のある患者や熱傷の患者等への投与する場合には、1.0〜2.5kcal/gであることがより好ましい。当該熱量は、糖質、脂質、タンパク質、および食物繊維等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「熱量」とは、実施例に記載された方法で算出された値を採用するものとする。
本形態に係る半固形化栄養剤のpHは、3.0〜4.5であることが好ましく、3.5〜4.0であることがより好ましい。pHが上記範囲にあれば、細菌の増殖を抑制することができ、清涼感が得られうることから好ましい。当該pHは、pH調整剤や酸味料等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「pH」は、実施例に記載された方法で測定された値を採用するものとする。
本形態に係る半固形化栄養剤は、シリンジから60mm/minの速度で排出する際の吐出圧力が15kPa以下であることが好ましく、10kPa以下であることがより好ましい。かように注入抵抗が抑制されていることで、施術者への身体的負担を大幅に減少させることができる。ここで、上記吐出圧力は、後述する実施例の方法により測定された値を採用する。
[用途]
本発明の半固形化栄養剤は、胃瘻用である。ここで胃瘻用栄養剤とは、経管栄養投与法のうち、胃瘻を経由して投与される栄養剤を指す。胃瘻を用いた投与は、経口摂取困難であって、腸が機能している高齢者や病者等が対象となりうる。
本形態に係る半固形化栄養剤は、好適には、栄養素、水分、所定量の寒天、および所定量の加工デンプンを含む。前記栄養素の含有量としては、特に制限されないが、経腸栄養法が目的とする生体が必要とするカロリー、窒素源等の需要を満たすことができる量で含有されることが好ましい。また、半固形化栄養剤の水分量は、投与する高齢者や患者の状態や水分管理等を考慮して設定することが好ましい。
本形態に係る半固形化栄養剤に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、投与方法、半固形化栄養剤を適用する高齢者や患者の状態等に応じて適宜設定されうる。また、全身管理を要する患者には、栄養状態を保つために必要とするビタミンやミネラルを含有することが好ましい。消化機能が低下している高齢者等には、半固形化栄養剤の投与による便秘を改善するために、食物繊維を添加することが好ましい。
本形態の半固形化栄養剤は、加工デンプンと寒天により適切な粘度に調整され且つ必要な栄養源をバランスよく配合されているため、加齢に伴い胃が縮小した高齢者、脳血管障害、神経筋障害などにより嚥下・咀嚼能力が低下した患者、意識障害などにより経口摂取が困難である患者、術後の患者等の胃腸管機能の治療用、低栄養状態の治療用、逆流性食道炎予防・治療用、誤嚥性肺炎予防・治療用に適している。投与では下痢や胃食道逆流の恐れがあることから長時間投与を余儀なくされているが、本形態に係る半固形化栄養剤の使用により、前記の好ましくない現象が抑制され、短時間且つ容易に注入することができ、患者のQOL向上及び介護・看護現場における作業効率性上昇に非常に役立つことが期待される。
[半固形化栄養剤の製造方法]
本形態に係る半固形化栄養剤は、公知の方法によって製造することができる。例えば、加温した水に栄養素、寒天、加工デンプン、およびその他所望とする成分を添加し、撹拌することにより製造することができる。また、加温した水に寒天を溶解した溶液と、水に加工デンプンを溶解した溶液とを準備し、栄養素およびその他所望とする成分をいずれかに添加して、2つの溶液を混合、撹拌することで製造することができる。
得られた半固形化栄養剤は、例えば、連続殺菌した後に容器に充填して、製品化することができる。当該連続殺菌の方法としては、特に制限されないが、超高温短時間(UHT)殺菌、熱水殺菌、バッチ式殺菌、およびこれらの組み合わせが挙げられる。前記殺菌は、短時間で行うことが好ましい。短時間で殺菌を行うことにより、半固形化栄養剤に含まれる成分の劣化を抑制することができる。
半固形化栄養剤を充填する容器としては、特に限定されず、公知の容器が用いられうる。当該容器としては、テトラパック、カート缶、ガラス容器、金属缶、アルミパウチ、プラスチック容器等が挙げられる。これらのうち、プラスチック容器を用いることが好ましい。
前記プラスチック容器の原料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリフルオロカーボン、ポリイミド等を用いることが好ましい。
前記プラスチック容器には、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル等を含むガスバリア性樹脂層;アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、酸化ケイ素皮膜、酸化アルミ被膜等のガスバリア性無機層を適宜組み合わせて用いてもよい。当該ガスバリア層を設けることによって、酸素や水蒸気等による半固形化栄養剤の劣化を防止しうる。
また、前記容器はさらに遮光されていてもよい。当該遮光によって、例えば、半固形化栄養剤に含有されうるビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK等の光による劣化が抑制されうる。
上述の容器は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソフトパウチ(株式会社フジシール製)、ボトルドパウチ(凸版印刷株式会社製)、スパウチ(大日本印刷株式会社製)、チアーパック(株式会社細川洋行製)等が用いられうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
(実施例1〜8)
以下に4000g仕込み時の調合方法を記す。各原料の配合量は、表1に示す通りである。5Lのステンレスバケツに調合水1200gを計量し、湯浴にて80℃以上に加温した。次いで、低ゼリー強度寒天(ウルトラ寒天イーナ(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.2kPa))を加え、十分に溶解させた後、50〜60℃に冷却させて、タンパク質(WPI;WPI1895(ホエイプロテインアイソレート:Fonterra社製)、WPC;WPC392(ホエイプロテインコンセントレート:Fonterra社製)、大豆たんぱく;プロリーナ(登録商標)900(不二製油株式会社製))、および糖質であるデキストリン(TK−16(松谷化学工業株式会社製))を添加した。当該溶液に、脂質である植物油、乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステル、および加工デンプン(WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製))を50〜55℃で混合した分散液を混合した。さらに、ビタミンとして、水溶性ビタミンミックス、脂溶性ビタミンミックス;ミネラルとして、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、およびクエン酸三カリウム;食物繊維として、グアガム加水分解物(サンファイバーHG(太陽化学社製))、パインファイバーC(松谷化学工業株式会社製);酵母ミックス;酸味料としてクエン酸、リンゴ酸、および乳酸;アスコルビン酸2−グルコシド;グルコン酸亜鉛;グルコン酸銅;香料を適宜添加して撹拌した。得られた混合液が4000gとなるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。
得られた溶液は、連続殺菌後、1個当たり200部となるように口栓付きのアルミパウチに充填し、90℃で10分間の容器殺菌処理を行った。前記容器殺菌処理の後、冷却することで、パウチ入りの半固形化栄養剤を製造した。
総エネルギーは(4Kcal×糖質含量)+(9Kcal×脂質含量)+(4Kcal×タンパク質含量)+(2kcal×食物繊維含量)として計算し、熱量は、試料g当たりのKcalとして示した。
また、pHは、pH測定器METTLER TOLEDO MP220(METTLER TOLEDO社)を用いて半固形化栄養剤のpHを測定した。
Figure 0005925289
Figure 0005925289
(比較例1〜6)
以下に4000g仕込み時の調合方法を記す。各原料の配合量は、表2に示す通りである。5Lのステンレスバケツに調合水1200gを計量し、湯浴にて80℃以上に加温した。次いで、表2に記載の増粘ゲル化剤(低ゼリー強度寒天としてウルトラ寒天イーナ(伊那食品工業社製、ゼリー強度:0.20kPa、高ゼリー強度寒天として伊那寒天UM−11S(伊那食品工業社製、ゼリー強度:65.6kPa))を加え、十分に溶解させた後、50〜60℃に冷却させて、タンパク質(WPC;WPC392(ホエイプロテインコンセントレート:Fonterra社製)、および糖質であるデキストリン(TK−16(松谷化学工業株式会社製))を添加した。当該溶液に、脂質、乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステル、および加工デンプン(WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン:松谷化学工業株式会社製))を50〜55℃で混合した分散液を混合した。さらに、ビタミンとして、水溶性ビタミンミックス、脂溶性ビタミンミックス;ミネラルとして、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、およびクエン酸三カリウム;食物繊維として、グアガム加水分解物(サンファイバーHG(太陽化学社製));酵母ミックス;酸味料としてクエン酸、リンゴ酸、および乳酸;アスコルビン酸二グルコシド;グルコン酸亜鉛;グルコン酸銅;香料を適宜添加して撹拌した。得られた混合液が4000部となるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。
得られた溶液は、連続殺菌後、1個当たり200部となるように口栓付きのアルミパウチに充填し、90℃で10分間の容器殺菌処理を行った。前記容器殺菌処理の後、冷却することで、パウチ入りの半固形化栄養剤を製造した。
Figure 0005925289
Figure 0005925289
得られた半固形化栄養剤(実施例1〜10、及び比較例1〜6)について性状を観察し、各種物性を評価した。評価方法は以下の通りである。
(1)粘度:半固形化栄養剤を25℃で24時静置後、B型回転粘度計(メーカー:BROOKFIELD、型式:DV‐II+Pro、測定条件:回転速度6rpm、測定時間1min、ローターNo.64、測定温度 室温(25℃))を用い測定した。
(2)注入抵抗(kPa)(シリンジから60mm/minの速度で排出する際の吐出圧力):試料約50gを50mlカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社製)に充填し、20Fr.、内径4mmのバード ガストロストミーチューブ(C.R.Bard社)をシリンジに装着後、オートグラフ(AGS−J:島津製作所社製)を用いて60mm/minの速度でシリンジから排出した際の押出し力を測定した(測定温度:室温25℃)。
(3)保型性:半固形化栄養剤を充填した50mLのカテーテルチップシリンジを内径4mmのチューブに接続し、シリンジから半固形化栄養剤の押出し後の形状を目視で確認し、保形性を判断した。なお、保形性は、下記の評価基準によって判断した。
◎:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出後約10分後まで自重で変形しない
○:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出後約5分後まで自重で変形しない
△:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出直後にやや変形する
×:シリンジから吐出した栄養剤が、吐出直後に大きく変形する。
(4)性状
目視で半固形化栄養剤の性状を判断した。
(5)凝集ムラ
半固形化栄養剤について、下記評価基準に従い、目視で凝集ムラの評価を行った。
◎:約30cmの直線状に容器から吐出された栄養剤が非常に滑らかな外観を有する
○:約30cmの直線状に容器から吐出された栄養剤が滑らかな外観を有する
△:約30cmの直線状に容器から吐出された栄養剤にわずかなザラツキ、部分的な凝集が見られる
×:約30cmの直線状に容器から吐出された栄養剤にザラツキ、大きな塊が見られる。
結果を下記表3に示す。
Figure 0005925289
実施例1〜8の栄養剤は、例えば、比較例3〜6の栄養剤と同程度の粘度であるにもかかわらず、シリンジからの注入抵抗が低く、保形性に優れるものであった。このことから、注入抵抗の制御は、単に栄養剤の粘度に起因するものではなく、低ゼリー強度寒天および加工デンプンを併用することが重要であることが理解できる。
以上の結果より、実施例1〜8の栄養剤は、シリンジからの注入抵抗が低いものであった。また、保形性に優れ、凝集ムラが少ない栄養剤であった。

Claims (4)

  1. 栄養素、ゼリー強度が10kPa以下の寒天、および加工デンプンを含む胃瘻用半固形化栄養剤であって、
    前記ゼリー強度が10kPa以下の寒天の含有量が前記胃瘻用半固形化栄養剤の全量に対して0.05〜1質量%であり、
    前記加工デンプンの含有量が前記胃瘻用半固形化栄養剤の全量に対して、0.1〜7質量%であり、
    前記加工デンプンが、アセチル化リン酸架橋デンプンである、胃瘻用半固形化栄養剤。
  2. 25℃での粘度が10,000〜50,000mPa・sである、請求項1に記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
  3. pHが3.0〜4.5である、請求項1または2に記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
  4. シリンジから60mm/minの速度で排出する際の吐出圧力が15kPa以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の胃瘻用半固形化栄養剤。
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