WO2012172646A1 - 車両用ダンパ装置 - Google Patents

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木村 浩章
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Abstract

 シンプルな構造でヒステリシストルクを得ることができる車両用ダンパ装置を提供する。 ストッパ96、97が作動し、プレート90、92とディスクプレート56との間の相対回転が規制されると、プレート90、92とハブ部材58との間で滑りが生じる。これより、プレート90、92とハブ部材58との間で摩擦力が生じ、この摩擦力に基づくヒステリシストルクが発生する。ここで、本構成では、プレート90、92、クリップ94およびストッパ96、97を設けるだけで済むため、大幅な設計変更をすることなくシンプルな構成でヒステリシストルクを得ることができる。

Description

車両用ダンパ装置
 本発明は、車両に備えられるダンパ装置に係り、特に、ヒステリシス機構を備えるダンパ装置に関するものである。
 軸心まわりに回転可能なディスクプレートと、該ディスクプレートと同軸心まわり回転可能なハブ部材と、該ディスクプレートと該ハブ部材との間に介挿される弾性部材とを備える車両用ダンパ装置がよく知られている。また、特許文献1に記載のトルク変動吸収装置のように、更にディスクプレートとハブ部材との間に摩擦要素から成るヒステリシス機構を備えたものも知られている。特許文献1のトルク変動吸収装置1では、二段のヒステリシストルクを発生させる機構が設けられている。また、特許文献2のダンパ装置3では、ハブ部材25の先端に設けられた摩擦材が、ハブ部材25とサイドプレート23とが相対回転した際に押し付けられることによりヒステリシストルクを発生させている。また、特許文献3の図9には、摩擦リング532、ばねクランプ530、円板524、525等から成る第2の減衰装置514が記載されている。
特開2008-303995号公報 特開2010-53922号公報 特開平7-71523号公報
 ところで、特許文献1のトルク変動吸収装置1に備えられているヒステリシス機構は、構成部品が非常に多く構造が複雑となる問題があった。特に、トルク変動吸収装置がコイルスプリング19の内周側に設けられているため、ヒステリシス機構を配置するスペースが小さくなり、小さなダンパ装置に設けることが困難であった。
 また、特許文献2のダンパ装置3では、ヒステリシス機構がコイルスプリング27の外周側に設けられているものの、中間部材24を設けるなど、部品点数が増加して構造が複雑になる問題があった。
 また、特許文献3の第2の減衰装置514は、円板524、525がリング形状(全周形状)となっており、摩擦リング532も同様にリング形状となっている。また、ばねクランプ530においても、摩擦リング532と円板524、525との間で安定した摩擦力を発生させるためには、略リング状に形成される。これより、第2の減衰機構514は、全周或いは略全周の長さの要素で構成されており、各要素が大型化する問題があった。
 本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、シンプルな構造でヒステリシストルクを得ることができる車両用ダンパ装置を提供することにある。
 上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)軸心まわりに回転可能なディスクプレートと、該ディスクプレートと同軸心まわり回転可能なハブ部材と、該ディスクプレートと該ハブ部材との間に介挿される弾性部材とを備える車両用ダンパ装置であって、(b)前記ハブ部材に摺接する摩擦プレート部と該摩擦プレート部を該ハブ部材に押し付ける押圧部とから成る摩擦要素と、該摩擦プレート部と前記ディスクプレートとの間の相対回転量を規定するストッパとを、備え、(c)前記摩擦要素は、前記ハブ部材の外周端部に設けられていることを特徴とする。
 このようにすれば、ストッパが作動し、摩擦プレート部とディスクプレートとの間の相対回転が規制されると、摩擦プレート部とハブ部材との間で滑りが生じる。これより、摩擦プレート部とハブ部材との間で摩擦力が生じ、この摩擦力に基づくヒステリシストルクが発生する。ここで、本構成では、摩擦要素およびストッパを設けるだけで済むため、大幅な設計変更をすることなくシンプルな構成でヒステリシストルクを得ることができる。また、従来の二段のヒステリシス機構に比べて、部品点数が大幅に少なくなり構造がシンプルとなる。
 また、従来のヒステリシス機構では構成部品の大半が円板形状となるが、本発明では、ハブ部材の外周端部に摩擦要素が設けられるので、構成部品がそれぞれピース形状となる。従って、構成部品を製造する際の材料歩留まりを大幅に改善することができる。
 また、従来の二段のヒステリシス機構では、大ヒステリシストルクを発生させる際には高価な高摩擦材料を使用していたが、本発明では摩擦要素がハブ部材の外周端部に設けられるので、摩擦要素の作動半径を大きくとることができる。従って、ナイロン系樹脂等をはじめとする従来の摩擦材料であっても、大ヒステリシストルクを発生させることができる。また、摩擦要素がハブ部材の外周端部に設けられるので、ヒステリシス機構を設ける際のスペースの制約も少なくなり、汎用性が非常に高くなる。
 また、好適には、前記摩擦要素は、少なくとも2個設けられており、前記ストッパが規定する前記相対回転量は、その摩擦要素毎に異なる。このようにすれば、各摩擦要素が滑り出すタイミングをずらすことで、ヒステリシストルクを段階的に変化させることができる。例えば、小ヒステリシストルクから大ヒステリシストルクに切り替える際に、ヒステリシストルクを段階的に変化させることで、小ヒステリシストルクから大ヒステリシストルクへ切り替える際の車両の挙動の変化を抑制することができる。従って、小ヒステリシストルクと大ヒステリシストルクとの差が大きい場合であっても、その切替が可能となり、ヒスの効果を最大限引き出すことができる。
 また、好適には、前記摩擦要素を構成する前記摩擦プレート部と前記押圧部とは、別体で構成されており、その押圧部は、前記ハブ部材に摺接する一対の該摩擦プレート部を挟み込むクリップである。このようにすれば、摩擦要素が一対の摩擦プレート部およびクリップで構成されるので、部品点数の少ないシンプルな構造で摩擦要素を構成することができる。
 また、好適には、前記摩擦プレート部の周方向両端には、前記クリップとの周方向の相対移動を規制する段付部が形成されている。このようにすれば、クリップが周方向にズレても、クリップが段付部に当接するので、クリップの抜けが防止される。
 また、好適には、前記摩擦プレート部には、前記クリップとの当接部に窪みが形成されている。このようにすれば、クリップの前記当接部が窪みに嵌り込むので、クリップの抜けが防止される。
 また、好適には、前記摩擦要素は、前記摩擦プレート部と前記押圧部とが一体成形されているクリップ部材で構成されている。このようにすれば、摩擦要素がクリップ部材で構成されるので、摩擦要素がさらにシンプルな構造となる。また、部品点数の増加もクリップ部材のみとなり、部品点数の増加も抑制される。
 また、好適には、前記ストッパは、前記摩擦プレート部から前記ディスクプレートに向かって突き出す突起と、そのディスクプレートに形成されその突起の移動量を規制する切欠とから構成される。このようにすれば、部品点数を増加することなく、ストッパを容易に構成することができる。
本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置を説明する概略構成図である。 図1のダンパ装置の構成を詳細に説明するための断面図である。 図2の第2ヒステリシス機構を部分的に拡大した部分拡大図である。 図3に示すプレートの斜視図である。 図3の第1プレートを外した状態で第2ヒステリシス機構を矢印A側から見たA矢視図である。 図5の第2トルクリミッタ機構を周方向全体から見た図である。 図2のダンパ装置に伝達されるダンパトルクと捩れ角との関係を示す図である。 本発明の他の実施例である第2ヒステリシス機構の拡大図であって、前述の実施例の図3に対応している。
 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
 図1は、本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、この車両用駆動装置10では、車両において、主駆動源である第1駆動源12のトルクが出力部材として機能する車輪側出力軸14に伝達され、その車輪側出力軸14から差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、この車両用駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2電動機MG2が第2駆動源として設けられており、この第2電動機MG2は自動変速機22を介して上記車輪側出力軸に連結されている。したがって、第2電動機MG2から車輪側出力軸へ伝達される出力トルクがその自動変速機22で設定される変速比γs(=第2電動機MG2の回転速度Nmg2/車輪側出力軸の回転速度Nout)に応じて増減されるようになっている。
 第2電動機MG2と駆動輪18との間の動力伝達経路に介装されている自動変速機22は、変速比γsが「1」より大きい複数段を成立させることができるように構成されており、第2電動機MG2からトルクを出力する力行時にはそのトルクを増大させて車輪側出力軸へ伝達することができるので、第2電動機MG2が一層低容量もしくは小型に構成される。これにより、例えば高車速に伴って車輪側出力軸の回転速度Noutが増大した場合には、第2電動機MG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γsを小さくして第2電動機MG2の回転速度(以下、第2電動機回転速度という)Nmg2を低下させたり、また車輪側出力軸の回転速度Noutが低下した場合には、変速比γsを大きくして第2電動機回転速度Nmg2を増大させる。
 上記第1駆動源12は、主動力源としてのエンジン24と、第1電動機MG1と、これらエンジン24と第1電動機MG1との間でトルクを合成もしくは分配するための動力分配機構としての遊星歯車装置26とを主体として構成されている。上記エンジン24は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とする図示しないエンジン制御用の電子制御装置(E-ECU)によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置には、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダルの操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
 上記第1電動機MG1は、例えば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に生じるように構成され、インバータ30を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置32に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする図示しないモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG-ECU)によってそのインバータ30が制御されることにより、第1電動機MG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。
 遊星歯車装置26は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリヤCA0とを三つの回転要素として備えて公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置26はエンジン24および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置26および自動変速機22は中心線に対して対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
 本実施例では、エンジン24のクランク軸36は、ダンパ装置38(本発明の車両用ダンパ装置に対応)および動力伝達軸39を介して遊星歯車装置26のキャリヤCA0に連結されている。これに対してサンギヤS0には第1電動機MG1が連結され、リングギヤR0には車輪側出力軸が連結されている。このキャリヤCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。
 上記遊星歯車装置26において、キャリヤCA0に入力されるエンジン24の出力トルクに対して、第1電動機MG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、直達トルクが現れるので、第1電動機MG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度すなわち車輪側出力軸14の回転速度(出力軸回転速度)Noutが一定であるとき、第1電動機MG1の回転速度Nmg1を上下に変化させることにより、エンジン24の回転速度(エンジン回転速度)Neを連続的に(無段階に)変化させることができる。
 本実施例の前記自動変速機22は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にステップドピニオンP1の大径部が噛合するとともに、そのステップドピニオンP1の小径部がピニオンP2に噛合し、そのピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心に配置されたリングギヤR1(R2)に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリヤCA1(CA2)によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がピニオンP2に噛合している。
 前記第2電動機MG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG-ECU)によりインバータ40を介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、アシスト用出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定される。第2サンギヤS2にはその第2電動機MG2が連結され、上記キャリヤCA1が車輪側出力軸に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にタプルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
 そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と非回転部材であるハウジング42との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1とハウジング42との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって制動力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、それぞれ油圧シリンダ等のブレーキB1用油圧アクチュエータ、ブレーキB2用油圧アクチュエータにより発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
 以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリヤCA1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshの高速段Hが成立させられ、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられるとその高速段Hの変速比γshより大きい変速比γslの低速段Lが成立させられるように構成されている。すなわち、自動変速機22は2段変速機で、これらの変速段HおよびLの間での変速は、車速Vや要求駆動力(もしくはアクセル操作量)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。
 図2は、図1に示すダンパ装置38の構成を詳細に説明するための断面図である。ダンパ装置38は、軸心Cを中心としてエンジン24と遊星歯車装置26との間に動力伝達可能に設けられている。なお、図1に示す動力伝達軸39がダンパ装置38の内周部にスプライン嵌合される。
 ダンパ装置38は、軸心Cまわりに回転可能なディスクプレート56と、そのディスクプレート56と同軸心Cまわりに相対回転可能なハブ部材58と、ディスクプレート56とハブ部材58との間に介挿され、ディスクプレート56とハブ部材58との間で動力を伝達するばね鋼から成るコイルスプリング62と、ディスクプレート56とハブ部材58との間でヒステリシストルクを発生させる第1ヒステリシス機構64と、ハブ部材58の外周端部に設けられ更にディスクプレート56とハブ部材58との間でヒステリシストルクを発生させる第2ヒステリシス機構65と、ディスクプレート56の外周側に設けられている前記トルクリミッタ機構68とを、含んで構成されている。なお、コイルスプリング62が本発明の弾性部材に対応している。
 ディスクプレート56は、左右一対の円盤状の第1ディスクプレート70(以下、第1プレート70)および第2ディスクプレート72(以下、第2プレート72)から構成され、コイルスプリング62をそれらプレート70、72で軸方向に挟み込んだ状態で、リベット66によって相対回転不能に固定されている。なお、リベット66は後述するトルクリミッタ機構68の構成部品であるライニングプレート76の締結部材としても機能している。第1プレート70には、コイルスプリング62を収容するための第1開口穴70aが周方向に複数個形成されている。また、第2プレート72にも、コイルスプリング62を収容するための第2開口穴72aが、前記第1開口穴70aと対応する位置に周方向に複数個形成されている。そして、第1開口穴70aおよび第2開口穴72aによって形成される空間にコイルスプリング62が等角度間隔で複数個(例えば4個)収容される。これより、ディスクプレート56が軸心Cまわり回転すると、コイルスプリング62も同様に軸心Cまわりに公転させられる。
 ハブ部材58は、内周部に動力伝達軸39がスプライン嵌合される内周歯を備えた円筒部58aと、その円筒部58aの外周面から径方向外側に伸びる円板状のフランジ部58bと、フランジ部58bからさらに径方向外側に突き出す複数本(本実施例では3本)の突き出し部58cとから構成されている。そして、回転方向において各突き出し部58cの間に形成される空間にコイルスプリング62が介挿されている。これより、ハブ部材58が軸心Cまわりに回転すると、コイルスプリング62も同様に軸心Cまわりに公転させられる。このように構成されることで、コイルスプリング62は、ディスクプレート56およびハブ部材58の部材間の相対回転量に応じて弾性変形しつつ動力を伝達する。例えば、ディスクプレート56が回転すると、コイルスプリング62の一端が押圧され、コイルスプリング62の他端がハブ部材58の突き出し部58cを押圧することで、ハブ部材58が回転させられる。このとき、コイルスプリング62は、弾性変形されつつ回転を伝達することで、トルク変動によるショックがコイルスプリング62によって吸収される。
 第1ヒステリシス機構64は、コイルスプリング62の内周側であって、軸方向においてディスクプレート56とハブ部材58のフランジ部58bとの間に設けられている。そして、ヒステリシス機構64は、摩擦材や皿バネ等から構成され、ディスクプレート56とハブ部材58の間で摩擦力を発生させる。本実施例の第1ヒステリシス機構64においては、小さなヒステリシストルク(小ヒス)を発生させる機構として機能している。
 トルクリミッタ機構68は、ディスクプレート56の外周側に設けられており、予め設定されているリミットトルクTlimを越えるトルク伝達を防止する機能を有している。トルクリミッタ機構68は、ディスクプレート56と共にリベット66に連結されていることでディスクプレート56と共に回転する円環板状のライニングプレート76と、外周側に配置されて軸心Cまわりに回転可能なサポートプレート78と、サポートプレート78の内周側に配置され軸心Cまわりに回転可能な円板環状のプレッシャプレート80と、プレッシャプレート80とライニングプレート76との間に介挿されている第1摩擦材81と、ライニングプレート76とサポートプレート76との間に介挿されている第2摩擦材82と、プレッシャプレート80とサポートプレート78との間の間隙に予荷重状態で介挿されているコーン状の皿バネ83とを、含んで構成されている。
 サポートプレート78は、円盤状の第1サポートプレート78aおよび円板状の第2サポートプレート78bから構成され、その外周部には、フライホイール50とサポートプレート78a、78bとを固定する図示しないボルト締結用のボルト穴84、86がそれぞれ形成されている。第1サポートプレート78aは、その内周部が軸方向に屈曲されることで、第1サポートプレート78aと第2サポートプレート78bとの間に空間が形成される。この空間に、第1サポートプレート78aから第2サポートプレート78bに向かって軸方向に、皿バネ83、プレッシャプレート80、第1摩擦材81、ライニングプレート76、および第2摩擦材82が順次収容されている。
 ライニングプレート76は、第1プレート70と第2プレート72と共にリベット66で固定された円環板状の部材である。また、プレッシャプレート80も同様に、円環板状に形成されている。このプレッシャプレート80とライニングプレート76との間に第1摩擦材81が介挿されている。第1摩擦材81は、例えば円環板状に形成される。或いは、円弧状に形成され、周方向に等角度間隔で並んで配置されていても構わない。なお、この第1摩擦材81は、例えばライニングプレート76に貼り着けられる。
 また、第2サポートプレート78bの内周部とライニングプレート76との間には、第2摩擦材82が介挿されている。第2摩擦材82は、第1摩擦材81と同様に、例えば円環板状に形成される。或いは、円弧状に形成され、周方向に等角度間隔で並んで配置されていても構わない。なお、この第2摩擦材82は、例えばライニングプレート76に貼り着けられる。
 第1サポートプレート78aとプレッシャプレート80との間には、皿バネ82が予荷重状態で介挿されている。皿バネ82は、コーン状に形成されており、その内周端部がプレッシャプレート80に当接し、外周端部が第1サポートプレート78aに当接し、前記予荷重(皿バネ荷重W)を発生させるたわみ量に変形されて介挿されている。したがって、皿バネ82は、プレッシャプレート80をライニングプレート76側に向かって皿バネ荷重Wで軸方向に押圧している。これより、プレッシャプレート80と第1摩擦材81との間の摩擦面および第2サポートプレート78bと第2摩擦材82との間の摩擦面で摩擦力が発生する。トルクリミッタ機構68では、摩擦係数μ、摩擦材81、82の作動半径r、皿バネ荷重Wが調整されることで最適なリミッタトルクTlmに設定される。
 第2ヒステリシス機構65は、ハブ部材58(突き出し部58c)の外周端部に設けられている。第2ヒステリシス機構65の構造を図3に示す断面図を用いて詳細に説明する。図3は、図2の第2ヒステリシス機構65を部分的に拡大した部分拡大図である。なお、図3の上方が、図2のダンパ装置38が外周方向に対応している。図3からもわかるように、第2ヒステリシス機構65は、ハブ部材58の外周端部に設けられている。第2ヒステリシス機構65は、ハブ部材58に摺接する一対のプレート90、プレート92と、一対のプレート90、92を軸方向の両側からハブ部材58に向かって押し付けるクリップ94と、ディスクプレート56(第1プレート70、第2プレート72)とプレート90、92との相対回転量を規定するストッパ96、97とを備えている。なお、本実施例では、プレート90およびプレート92が同じ形状に形成され、ストッパ96およびストッパ97についても同じ形状とされている。すなわち、第2ヒステリシス機構65において、プレート90およびプレート92、並びに、ストッパ96およびストッパ97が、ハブ部材58を跨いで対称に構成されている。なお、プレート90およびプレート92が本発明の摩擦プレート部に対応しており、クリップ94が本発明の押圧部およびクリップに対応している。
 一面がハブ部材58に摺接する一対のプレート90、92は、ハブ部材58(突き出し部58c)の外周端部に配置されており、それぞれハブ部材58に摺接するプレート状の摺接部98と、その摺接部98の内周端部からディスクプレート56(70、72)に向かって軸方向に突き出す突起100とを備えている。
 図4は、プレート90、92の斜視図である。なお、図3のプレート90、92の断面図は、図4の一点鎖線で切断した断面図に対応する。図4に示すようにプレート90、92の摺接部98は、例えば長方形状に形成されている。そして、摺接部98のハブ部材58と摺接しない側の面より垂直方向(図3において軸方向)に突き出す突起100が形成されている。この突起100は、第1プレート70に形成されている切欠102、および第2プレート72に形成されている切欠104をそれぞれ貫通している。
 また、摺接部98の長手方向の両端には、摺接部から垂直方向(図3において軸方向)に突き出す段付部106が形成されている。さらに、摺接部98には、摺接部98の長手方向に平行な窪み108が形成されている。この段付部106は、クリップ94の狭圧時においてクリップ94が周方向(図4において長手方向)にズレても、クリップ94を段付部106に当接させることで、クリップ94の抜けを防止するために設けられている。
 図3に戻り、クリップ94は、バネ鋼から成り、内周端部がプレート90、92と当接する一対の狭圧部94aと、その一対の狭圧部94aの外周端部を連結する連結部94bとから構成されている。クリップ94は、ハブ部材58(突き出し部58)を跨ぐようにしてプレート90、92を軸方向に狭圧しており、連結部94bはハブ部材58の外周側を通って一対の狭圧部94aを連結している。なお、ハブ部材58に摺接するプレート90、92、およびそれらプレート90、92をハブ部材58との摺接面に対して略垂直に挟み込むクリップ94によって摩擦要素110が構成される。この摩擦要素110は、ハブ部材58(突き出し部58c)の外周端部に設けられている。なお、この摩擦要素110は、第2ヒステリシス機構65において、ストッパ96、97を省いたものである。
 また、クリップ94の狭圧部94aの先端部(当接部)が、プレート90、92の摺接部98に形成されている窪み108に嵌め込まれている。このように狭圧部94aの先端部が窪み108に嵌め込まれることで、クリップ94のプレート90、92からの抜け落ちが防止される。
 ストッパ96は、プレート90に形成されている突起100、および第1プレート70に形成されている切欠102によって構成されている。また、ストッパ97は、プレート92に形成されている突起100、および第2プレート72に形成されている切欠104によって構成されている。第1プレート70に形成されている切欠102、および第2プレート72に形成されている切欠104は、それぞれ突起100の円周方向への移動量を規定値までに規制できるように、周方向に沿った溝に形成されている。これより、ストッパ96は、プレート90と第1プレート70との相対回転量を規定値までに規制し、ストッパ97は、プレート92と第2プレート72との相対回転量を規定値までに規制する機能を有している。
 図5は、図3において、第1プレート70を外した状態で第2ヒステリシス機構65を矢印A側から見たA矢視図である。なお、図5において、第1プレート70に形成されている切欠102のみ破線で示されている。また、本実施例のハブ部材58の突き出し部58cは、周方向に3箇所形成されており、各突き出し部58に同様の第2ヒステリシス機構65がそれぞれ設けられている(図6参照)。
 図5に示すように、第2ヒステリシス機構65並びに第2ヒステリシス機構65を構成する摩擦要素110は、ハブ部材58(突き出し部58c)の外周端部に設けられている。プレート90は、ハブ部材58を跨いだ状態でプレート90およびプレート92を挟み込むクリップ94によって固定されている。なお、プレート92側においても図5と同様の形状となっており、プレート92がクリップ94によって固定されている。このように構成されると、突起100が第1プレート70に形成されている切欠102を移動可能な範囲において、プレート90とハブ部材58とが一体的に回転する。そして、突起100が切欠102の周方向の端部と当接すると、プレート90とハブ部材58との摺接面で滑りが生じ、その際にヒステリシストルクが発生する。このヒステリシストルクは、プレート90とハブ部材58との摺接面の摩擦係数μ、クリップ94の皿バネ荷重W、プレート90の作動半径rに比例し、これらを調整することによりそのヒステリシストルクが適宜設定される。ここで、第2ヒステリシス機構65を構成する摩擦要素110は、ハブ部材58の外周端部に設けられているので、その作動半径rが大きい。従って、大きなヒステリシストルクであっても容易に発生させることができる。
 図6は、図5の第2トルクリミッタ機構65を周方向全体から見た図である。本実施例では、ハブ部材58から3本の突き出し部58cが径方向に突き出している。そして、各突き出し部58cにそれぞれ第2トルクリミッタ機構65が設けられている。便宜上、図6において左下の第2トルクリミッタ機構65を第2トルクリミッタ機構65aとし、その第2トルクリミッタ機構65aから反時計回りに第2トルクリミッタ機構65b、第2トルクリミッタ機構65cとそれぞれ符号を付与する。各第2トルクリミッタ機構65a~65cは、プレート90、プレート92、クリップ94、突起100の形状は何れも同じ形状に形成されている。また、ハブ部材58とプレート90、プレート92との摺動面の摩擦係数μについても同じ値に設定されている。
 一方、破線で示す第1プレート70に形成されている切欠102(102a~102d)の周方向の溝幅は、各第2トルクリミッタ機構65毎にそれぞれ異なる値に設定されている。従って、突起100が周方向に移動可能な作動角が異なる。具体的には、第2トルクリミッタ機構65aの作動角θ1が最も小さく、第2トルクリミッタ機構65bの作動角θ2が作動角θ1よりも大きく、第2トルクリミッタ機構65cの作動角θ3が作動角θ2よりも大きく構成されている。なお、切欠102のハブ部材58を跨いで対称な位置に形成されている第2プレート72の切欠104は、各切欠102と同じ溝幅に設定されている。なお、各切欠102の溝幅は、狙ったヒステリシストルクが発生するように予め実験等に基づいて設定されている。
 図7は、ダンパ装置38に伝達されるダンパトルクTと捩れ角θとの関係を示している。ここで、横軸がダンパ装置38の捩れ角、縦軸がダンパトルクTを示している。図7に示すように捩れ角θが小さい領域において、小ヒス(小ヒステリシストルク)が発生している。この小ヒスは、ダンパ装置38の第1ヒステリシス機構64によるものである。このとき、第2トルクリミッタ機構65a~65cでは、何れも滑りが生じていない。そして突起100の作動角がθ1となる捩れ角θに到達すると、第2トルクリミッタ機構65aにおいて滑りが生じる。これにより、ヒステリシストルクが増大する。次いで、突起100の作動角がθ2となる捩れ角θに到達すると、第2ヒステリシス機構65bにおいて滑りが生じる。これにより、ヒステリシストルクがさらに増大する。そして、突起100の作動角がθ3となる捩り角θに到達すると、さらに第2ヒステリシス機構65cにおいても滑りが生じる。これにより、ヒステリシストルクがさらに増加する。
 このように、各ヒステリシス機構65a~65cの滑り出すタイミングを変化させることで、図7に示すように、小ヒスから大ヒス(大ヒステリシストルク)への過渡特性を段階的に変化させることができる。なお、従来では、一点鎖線で示すように、小ヒスから大ヒスへの特性変化差が大きくなって、車両挙動が顕著となるため、最適なヒス設定が困難であった。これに対して、本実施例では、小ヒスから大ヒスへの変化を段階的になますことができるので、車両性能を損なうことなく小ヒスから大ヒスへの設定が可能となる。
 上述のように、本実施例によれば、ストッパ96、97が作動し、プレート90、92とディスクプレート56との間の相対回転が規制されると、プレート90、92とハブ部材58との間で滑りが生じる。これより、プレート90、92とハブ部材58との間で摩擦力が生じ、この摩擦力に基づくヒステリシストルクが発生する。ここで、本構成では、プレート90、92、クリップ94およびストッパ96、97を設けるだけで済むため、大幅な設計変更をすることなくシンプルな構成でヒステリシストルクを得ることができる。また、従来の二段のヒステリシス機構に比べて、部品点数が大幅に少なくなり構造がシンプルとなる。また、従来の構造からの変更点も少ないので、汎用性が非常に高くなる。
 また、本実施例によれば、従来の二段のヒステリシス機構では、大ヒステリシストルクを発生させる際には高価な高摩擦材料を使用していたが、本発明では第2ヒステリシス機構65の摩擦要素110がハブ部材58の外周端部に設けられるので、第2ヒステリシス機構65を構成する摩擦要素110の作動半径rを大きくとることができる。従って、ナイロン系樹脂等をはじめとする従来の摩擦材料であっても、大ヒステリシストルクを発生させることができる。また、第2ヒステリシス機構65並びにそれを構成する摩擦要素110がハブ部材58の外周端部に配置されるので、第2ヒステリシス機構65を設ける際のスペース上の制約も少なくなり、汎用性が非常に高くなる。
 また、本実施例によれば、第2ヒステリシス機構65を構成する摩擦要素110は、少なくとも2個設けられており、ストッパ96、97が規定する前記相対回転量は、その第2ヒステリシス機構65毎に異なる。このようにすれば、各摩擦要素110が滑り出すタイミングをずらすことで、ヒステリシストルクを段階的に変化させることができる。例えば、小ヒステリシストルクから大ヒステリシストルクに切り替える際に、ヒステリシストルクを段階的に変化させることで、小ヒステリシストルクから大ヒステリシストルクへ切り替える際の車両の挙動の変化を抑制することができる。従って、小ヒステリシストルクと大ヒステリシストルクとの差が大きい場合であっても、その切替が可能となり、ヒスの効果を最大限引き出すことができる。
 また、本実施例によれば、摩擦要素110を構成するプレート90、92とクリップ94とは、別体で構成されており、そのクリップ94は、ハブ部材58に摺接する一対のプレート90、92を挟み込む。このようにすれば、摩擦要素110が一対のプレート90、92およびクリップ94で構成されるので、部品点数の少ないシンプルな構造で摩擦要素110を構成することができる。
 また、本実施例によれば、プレート90、92の周方向両端には、クリップ94との周方向の相対移動を規制する段付部106が形成されている。このようにすれば、クリップ94が周方向にズレても、クリップ94が段付部106に当接するので、クリップ94の抜けが防止される。
 また、本実施例によれば、ストッパ96、97は、プレート90、92からプレート70、72に向かって突き出す突起100と、そのプレート70、72に形成されその突起の移動量を規制する切欠102、104とから構成される。このようにすれば、部品点数を増加することなく、ストッパ96、97を容易に構成することができる。
 また、本実施例によれば、従来のヒステリシス機構では構成部品の大半が円板形状となるが、本発明では、ハブ部材58の外周端部に第2ヒステリシス機構65が設けられるので、構成部品がそれぞれピース形状となる。従って、構成部品を製造する際の材料歩留まりを大幅に改善することができる。
 つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
 図8は、本発明の他の実施例である第2ヒステリシス機構150の拡大図であって、前述の実施例の図3に対応している。本実施例の第2ヒステリシス機構150についてもハブ部材58(突き出し部58c)の外周端部に設けられている。第2ヒステリシス機構150を、前述した実施例の第2ヒステリシス機構65と比較すると、プレート(90、92)とクリップ(94)とが一体的に形成されている。具体的には、第2ヒステリシス機構150は、ハブ部材58と摺接するプレート部152を備えたクリップ部材154と、ディスクプレート56(第1プレート70、第2プレート72)とクリップ部材154との相対回転量を規定するストッパ156、158とを備えている。なお、ストッパ156、158については、前述した実施例のストッパ96、97とその構造が同じであるため、その説明を省略する。
 クリップ部材154は、一面がハブ部材58と摺接する一対のプレート部152と、それら一対のプレート部152を連結する連結部162と、プレート部152の内周端から軸方向に突き出す一対の突起164とが、一体成形された部材である。なお、一対の突起164は、それぞれストッパ156、158を構成する部材として機能する。
 クリップ部材154は、バネ鋼等から成り、ハブ部材58を挟み込んだ状態で予め設定されている予荷重(バネ荷重)が発生するように形成されている。従って、クリップ部材154をハブ部材58に挟み込んだ状態では、一対のプレート部152がハブ部材58を軸方向に狭圧するので、ハブ部材58とプレート部152との間の摺接面166で発生する摩擦力に基づくヒステリシストルクが発生する。このように、クリップ部材154は、プレート部152(摩擦プレート部)と、プレート部152をハブ部材58に押し付ける機能(押圧部)とを兼ね備えている。すなわち、クリップ部材154によって本発明の摩擦要素168が構成される。なお、ヒステリシス機構150の作動および効果については、前述した実施例と同様であるためその説明を省略する。
 上述のように、本実施例によれば、第2ヒステリシス機構150がクリップ部材154、ストッパ156、158で構成されることによっても前述の実施例と同様の効果を得ることができる。また、クリップ部材154に、クリップとして機能および摩擦プレートとしての機能を持たせることで、第2ヒステリシス機構150を構成する部品点数をさらに少なくすることができる。
 以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
 例えば、前述の実施例では、プレート90、92に形成されている突起100がプレート90、92の内周端部側と位置しているが、必ずしも内周端部に限定されず、クリップ94がプレート90、92の摺接部98を挟み込むことができる範囲において、変更することができる。
 また、前述の実施例では、プレート90およびプレート92の形状は同一形状であるとしたが、必ずしも同一形状でなくても構わない。
 また、前述の実施例では、各第2ヒステリシス機構65a~65bで発生するヒステリシストルクは等しいものとしたが、必ずも等しくする必要はなく、異なる設定にしても構わない。例えば、第2ヒステリシス機構65cで発生するヒステリシストルクが、他の第2ヒステリシス機構65a、65bで生じるヒステリシストルクよりも大きい設定とするなど自由に変更することができる。
 また、前述の実施例では、各第2ヒステリシス機構65a~65cにおいて、切欠102、104の周方向の溝幅を変化させることで、滑り出すタイミングを変化させているが、突起100の周方向の幅をそれぞれ変化させて、各ヒステリシス機構65a~65cが滑り出すタイミングを変化させても構わない。さらには、切欠102、104の周方向の溝幅および突起100の周方向の幅の両方を変化させて、各ヒステリシス機構65a~65cが滑り出すタイミングを変化させても構わない。
 また、前述の実施例では、ストッパ96およびストッパ97が設けられているが、何れか一方が設けられている構成であっても構わない。
 また、前述の実施例では、周方向に3個の第2ヒステリシス機構65a~65cが設けられているが、必ずしも全てもハブ部材58の外周端部に第2ヒステリシス機構65を設ける必要はなく、少なくとも1つの第2ヒステリシス機構65が設けられている構成であっても構わない。また、ハブ部材58の突き出し部58cが4箇所以上ある場合には、第2ヒステリシス機構65が4箇所以上設けられる構成であってもよい。
 また、前述の実施例では、第1ヒステリシス機構64が設けられているが、第2ヒステリシス機構65によって第1ヒステリシス機構64の機能を持たせることで、第1ヒステリシス機構64を無くした構成しても構わない。
 また、前述の実施例では、プレート90、92に段付部106および窪み108が形成されているが、必ずしも設ける必要なく、これらが設けられていない構成であっても構わない。
 また、前述の実施例では、プレート90、92の摺接部98は、長方形状に形成されているが、長方形状に限定されず、正方形や円弧形状であっても構わない。
 また、前述の実施例では、ダンパ装置38のディスクプレート56とハブ部材58との間には、バネ鋼から成るコイルスプリング62が介挿されているが、必ずしもコイルスプリング62に限定されず、ゴム等の弾性部材が介挿されている構成であっても構わない。
 また、前述の実施例の第2ヒステリシス機構150においても、少なくとも2個設けて、ヒステリシストルクを段階的に変化させる構成とすることもできる。
 なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
 38:ダンパ装置
 56:ディスクプレート
 58:ハブ部材
 62:コイルスプリング(弾性部材)
 70:第1ディスクプレート(ディスクプレート)
 72:第2ディスクプレート(ディスクプレート)
 90:プレート(摩擦プレート部)
 92:プレート(摩擦プレート部)
 94:クリップ
 96:ストッパ
 97:ストッパ
 100:突起
 102:切欠
 104:切欠
 106:段付部
 108:窪み
 110:摩擦要素
 152:プレート部(摩擦プレート部)
 154:クリップ部材(摩擦プレート部、押圧部)
 156:ストッパ
 158:ストッパ
 164:突起
 168:摩擦要素

Claims (7)

  1.  軸心まわりに回転可能なディスクプレートと、該ディスクプレートと同軸心まわり回転可能なハブ部材と、該ディスクプレートと該ハブ部材との間に介挿される弾性部材とを備える車両用ダンパ装置であって、
     前記ハブ部材に摺接する摩擦プレート部と該摩擦プレート部を該ハブ部材に押し付ける押圧部とから成る摩擦要素と、該摩擦プレート部と前記ディスクプレートとの間の相対回転量を規定するストッパとを、備え、
     前記摩擦要素は、前記ハブ部材の外周端部に設けられていることを特徴とする車両用ダンパ装置。
  2.  前記摩擦要素は、少なくとも2個設けられており、
     前記ストッパが規定する前記相対回転量は、該摩擦要素毎に異なることを特徴とする請求項1の車両用ダンパ装置。
  3.  前記摩擦要素を構成する前記摩擦プレート部と前記押圧部とは、別体で構成されており、
     該押圧部は、前記ハブ部材に摺接する一対の該摩擦プレート部を挟み込むクリップであることを特徴とする請求項1または2の車両用ダンパ装置。
  4.  前記摩擦プレート部の周方向両端には、前記クリップとの周方向の相対移動を規制する段付部が形成されていることを特徴とする請求項3の車両用ダンパ装置。
  5.  前記摩擦プレート部には、前記クリップとの当接部に窪みが形成されていることを特徴とする請求項3または4の車両用ダンパ装置。
  6.  前記摩擦要素は、前記摩擦プレート部と前記押圧部とが一体成形されているクリップ部材で構成されていることを特徴とする請求項1または2の車両用ダンパ装置。
  7.  前記ストッパは、前記摩擦プレート部から前記ディスクプレートに向かって突き出す突起と、該ディスクプレートに形成され該突起の移動量を規制する切欠とから構成されることを特徴とする請求項1の車両用ダンパ装置。
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