WO2012105610A1 - 眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬 - Google Patents

眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬 Download PDF

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Abstract

 抗VEGF薬と、一般式(I):(式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。) で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、の組み合わせから構成される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬。

Description

眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬
 本発明は、抗VEGF薬と、特定のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体との組み合わせから構成される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬に関するものである。
 血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進には、血管内皮増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor:以下、VEGFという。)の関与が最も大きい。近年、VEGFについては、血管新生、血管透過性亢進、及び血管内皮細胞増殖などの生理作用に基づく種々の眼病変への関与が明らかにされている。
 VEGFをターゲットとした医薬(以下、抗VEGF薬という。)は、既に、加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、糖尿病黄斑症、糖尿病網膜症、又は血管新生緑内障等の治療に広く臨床使用されている。抗VEGF薬として、VEGFに関連する受容体拮抗薬、抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、及び核酸医薬などが知られている。具体的には、ベバシズマブナトリウム、ソラフェニブ、スニチニブ、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ及びアフリベルセプト(VEGF-Trap EYE)等がある。これらは一般に、眼科領域では、硝子体内注射剤として使用されている。
 (3R)-2’-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン-3,4’(1’H)ピロロ[1,2-a]ピラジン]-1’,2,3’,5(2’H)-テトロン(ラニレスタット)は、アルドース還元酵素(AR)阻害剤である。当該化合物については、白内障、神経障害、腎症のような糖尿病性合併症の治療剤としての用途(特許文献1、特許文献2)が知られているが、血管新生抑制効果などは知られていない。アルドース還元酵素(AR)阻害剤のうち特定の種類のものついては、加齢黄斑変性、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症等に関する用途(特許文献3、4)が提案されている。
 抗VEGF薬については、他の治療剤との併用が知られている(特許文献5、6)。腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)との併用(特許文献7、8)、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤との併用(特許文献9)、降圧剤との併用(特許文献10)が報告されている。さらに、抗VEGF薬である抗VEGFアプタマーと、他の抗VEGF薬との併用(特許文献11)が報告されている。しかし、抗VEGF薬とピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体との併用については未だ報告されていない。
特許第2516147号公報 特許第3158128号公報 特開平11-310538号公報 国際公開第2008/093691号 特表2007-505938号公報 特表2007-505939号公報 特表2004-529149号公報 特開2009-256373号公報 特開2009-102359号公報 特表2008-537538号公報 特表2005-511576号公報
 眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患に広く臨床使用されている抗VEGF薬は、当該患者の硝子体内へ注射する投与形態がとられており、しかも頻回の硝子体内注射が必要とされている。
 しかし、硝子体内注射は、患者及び医療機関側の精神的、肉体的、及び医療経済的な負担が大きいために、治療の中断を招く傾向がある。また、治療満足度の低い患者に対して投与量を増やすと、脳卒中等の副作用を引き起こし易くなる傾向がある。例えば、代表的な抗VEGF薬であるラニビズマブは、その半減期が短く、ヒトの硝子体内に注射されたときの消失半減期は9日と報告されている(ラニビズマブの添付文書)。そのことがラニビズマブの投与回数の増加に繋がっており、患者及び診療側の大きな負担となっている。
 このことから、抗VEGF薬の臨床効果を高める方策、投与回数又は投与量を減らす方策が求められている。従って、本発明は、抗VEGF薬の用量及び投与回数を減らすこととその有効性を向上させることを目的とする。
 上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、抗VEGF薬と、下記一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを組み合わせることで、これらの目的を達成できることを見出し、当該発明を完成させた。即ち、本発明の主な構成は次のとおりである。
(1)抗VEGF薬と、一般式(I):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。)
で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、の組み合わせから構成される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬。
(2)一般式(I):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。)
で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含み、抗VEGF薬と組み合わせて投与される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬。
(3)前記一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体が、(3R)-2’-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン-3,4’(1’H)ピロロ[1,2-a]ピラジン]-1’,2,3’,5(2’H)-テトロンである、(1)又は(2)に記載の医薬。
(4)前記抗VEGF薬が硝子体内注射剤である、(1)~(3)のいずれかに記載の医薬。
(5)前記硝子体内注射剤が、抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、VEGF受容体拮抗薬、及びVEGFに関連する核酸医薬からなる群から選択される、(4)に記載の医薬。
(6)前記眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患が、加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、糖尿病黄斑症、糖尿病網膜症及び血管新生緑内障からなる群から選択される、(1)~(4)のいずれかに記載の医薬。
(7)(2)に記載の医薬と、当該医薬を、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のために抗VEGF薬と組み合わせて投与するための方法が記載された説明書と、からなるキット。
 本発明の医薬は、抗VEGF薬が適用される眼疾患において、眼内血管新生抑制作用及び/又は眼内血管透過性亢進抑制作用を高め、それらの効果を持続させることができる。あるいは、抗VEGF薬の低用量化、薬力学的効果の増強、薬効持続性を高めることによる硝子体内注射間隔の延長、硝子体内注射回数の減少、又は投与間隔の延長を可能にすることができる。また、一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体は、経口的に投与することができるので、使用しやすく、患者及び医療機関等に負担の少ない投与方法であるという利点がある。
レーザー照射7日後の脈絡膜新生血管(以下、CNVという。)容積を示すグラフである。図中の「*」は、危険率5%で有意な差があることを示す。 レーザー照射7日後のCNV容積を示すグラフである。図中の「***」は、危険率0.1%で有意な差があることを示す。
 以下に、本発明の実施形態を更に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
 本発明で使用される一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩は、アルドース還元酵素阻害活性を有する化合物であり、日本国特許第2516147号公報等に記載の合成方法に準じて製造することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。低級アルキル基としてはC~Cアルキル基が好ましく、なかでもメチル基が好ましい。低級アルコキシ基としてはC~Cアルコキシ基が好ましく、なかでもメトキシ基が好ましい。一般式(I)の化合物のなかでも、(3R)-2’-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン-3,4’(1’H)ピロロ[1,2-a]ピラジン]-1’,2,3’,5(2’H)-テトロンが好ましい。
 一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩は、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のために、抗VEGF薬と組み合わせて投与される。言い換えると、一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む医薬は、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の抗VEGF薬による予防又は治療の効果増強剤として用いられる。
 本発明に係る医薬は、更に言い換えれば、抗VEGF薬と、一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、の組み合わせから構成される医薬である。この医薬も、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のために投与される。
 VEGFは、脈管形成および血管新生に関与する一群の糖タンパクであり、加齢、虚血再灌流、炎症など様々な原因により産生される。VEGFが血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGF受容体)に結合すると、血管内皮細胞が活性化する。活性化した血管内皮細胞が遊走及び増殖して、新生血管が形成される。また、VEGFは血管透過性を亢進させ、出血、血液中の成分の漏出、滲出物の貯留を起こす。
 抗VEGF薬は、血管内皮増殖因子(VEGF)によるシグナル伝達経路を阻害する、又はVEGFの生物活性を阻害する。抗VEGF薬は、VEGFの作用を減弱することにより、血管新生の促進抑制、血管透過性亢進抑制、及び血管内皮細胞増殖抑制等の薬理作用を示す。
 抗VEGF薬としては、抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、VEGF受容体拮抗薬、VEGFに関連する核酸医薬などが挙げられる。VEGF受容体拮抗薬は、VEGFと拮抗し、VEGFがVEGF受容体に結合することを阻害する。抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、及びVEGFに関連する核酸医薬の一部は、VEGFと複合体を形成することにより、VEGFとVEGF受容体が結合することを阻害する。その他のVEGFに関連する核酸医薬は、VEGFに関連するタンパク合成を阻害する。尚、抗VEGF抗体には、抗マウスVEGF抗体を遺伝子組み換えによりヒト化した抗VEGF抗体、そのフラグメント、又はそれらのアミノ酸配列を一部改変したものが含まれる。VEGF Ligand阻害剤には、ヒト型VEGF受容体融合タンパク質が含まれる。
 抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、VEGF受容体拮抗薬、及びVEGFに関連する核酸医薬等はすべて、VEGFによるシグナル伝達を抑制する作用をもつ点で共通している。その他の抗VEGF薬として、VEGFの産生及び/又は合成を直接抑制する薬剤などが考えられる。
 VEGF Ligand阻害剤の具体例としては、アフリベルセプト(VEGF-Trap EYE)がある。抗VEGF抗体の具体例としては、ベバシズマブナトリウム、ラニビズマブ、ソラフェニブ、及びスニチニブがある。VEGFに関連する核酸医薬の具体例としては、アプタマー医薬であるペガプタニブナトリウム、及びsiRNAであるRTP801i-14などがある。これらは硝子体内注射剤として使用されている。尚、ベバシズマブナトリウム、ラニビズマブ、及びVEGF-Trap EYE等は、非選択的に全てのVEGFに幅広く結合することによりVEGFの受容体への結合を阻害する。これに対し、ペガプタニブナトリウムは、眼内の病的新生血管に最も関わりあるVEGF165と選択的に結合する。
 一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその塩と、抗VEGF薬とを組み合わせて投与することにより発揮される薬効は、抗VEGF薬単独の投与により発揮される薬効と実質的に同一の範囲である。抗VEGF薬の主な薬理作用は、血管新生抑制作用及び血管透過性亢進抑制作用(浮腫抑制作用)である。それゆえ、抗VEGF薬の適応範囲とは、血管新生及び/又は血管透過性亢進を伴う眼疾患のことであって、本発明に係る医薬の一実施形態は、それらに対して有効である。
 眼内血管新生を伴う眼疾患としては、滲出型加齢黄斑変性(滲出型-AMD)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、糖尿病網膜症、血管新生緑内障、近視性脈絡膜新生血管、網膜色素変性、未熟児網膜症及び続発性脈絡膜新生血管等の眼内血管新生性疾患が挙げられる。
 本発明に係る医薬の別の実施形態は、眼内血管透過性亢進を伴う疾患に対しても有効な医薬である。眼内血管透過性亢進を伴う疾患としては、滲出型加齢黄斑変性(滲出型-AMD)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、糖尿病黄斑症、網膜色素変性、糖尿病網膜症、及び網膜光凝固法(汎網膜光凝固、格子状光凝固、Grid Pattern凝固)による浮腫が挙げられる。眼内血管新生性疾患及び眼内血管透過性疾患は、これらに限定されるものではない。本発明に係る医薬は、これら抗VEGF薬の投与が有効と考えられる眼内血管新生性疾患及び眼内血管透過性亢進を伴う疾患に対し、相乗的な薬効を示す。
 加齢黄斑変性とは、黄斑の加齢に伴う変化によっておこる疾患で、脈絡膜から発生する新生血管(脈絡膜新生血管)の有無で「滲出型」と「萎縮型」に分類される。本発明に係る医薬は特に滲出型加齢黄斑変性に有効である。
 滲出型加齢黄斑変性は、黄斑部を中心とする部位に異常な新生血管(CNV)が発生することによって起こる。これらの新生血管は、出血や滲出を生じ(血管透過性亢進)、視力に関係する黄斑部の組織変性をきたし、機能不全に陥らせ、組織を瘢痕化させることがある。VEGFは眼内新生血管への関与が強いといわれている。
 糖尿病黄斑症とは、血管透過性亢進による黄斑浮腫で起こる黄斑部障害、毛細血管の閉塞又は色素上皮細胞の障害による黄斑部障害を総称する。主病変は黄斑浮腫である。黄斑浮腫を有する患者では眼内のVEGF量が高値であること、またVEGFが極めて強い血管透過性亢進作用を有することから、VEGFは糖尿病黄斑症の浮腫への関与が強いといわれている。
 網膜静脈閉塞症(RVO)には、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)がある。静脈閉塞によりVEGFが産生され、黄斑部を中心に浮腫および血管新生が形成される。RVOは、眼内血管新生及び/又は血管透過性亢進を伴う疾患の一つであり、VEGFの関与が報告されている。
 その他、中心性滲出性脈絡膜網膜症、網膜色素線条症、網膜色素上皮剥離、多発性脈絡膜炎、脈絡膜血管新生、未熟児網膜症などの網膜疾患の発症及び/又は進行にも、眼内新生血管や眼内血管透過性亢進が関与していると考えられている。
 本発明に係る医薬の有効成分として用いられる一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその塩、及び抗VEGF薬は、それぞれ別の複数の製剤に含まれていてもよいし、1つの製剤として同一の製剤に含まれていてもよい。「組み合わせから構成される医薬(組み合わせからなる医薬)」とは、複数の医薬又はその有効成分が、組み合わせて投与される医薬、言い換えれば、併用で投与される医薬である。
 投与する複数の有効成分が別々の複数の製剤に含まれる場合には、必ずしも、これら複数の製剤が同時に患者に投与される場合だけに限られない。このような併用投与によれば、一方の医薬(その有効成分)が血中有効濃度又は組織内有効濃度を維持していなくても併用効果を十分に引き出すことができるため、それぞれの薬物が血中有効濃度又は組織内有効濃度を維持している期間が重複するような投与方法でなくても良い。通常、それぞれの製剤は、それぞれの本来の投与方法に従って投与されるため、それらの投与は、同一回数となる場合もあり、異なる回数となる場合もある。
 また、その有効成分は、それぞれ異なる投与形態をとることができる。すなわち、抗VEGF薬は硝子体内注射であり、一般式(I)で表されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体は経口剤という投与形態であるが、これらに限定されない。一般式(I)で表されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む医薬は、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の抗VEGF薬による予防又は治療の効果増強剤として、又は抗VEGF薬の効果持続剤として、用いられる。
 上記医薬の投与形態を例示すると、
(1)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを両方含む単一製剤の投与、
(2)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与、
(6)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での異なる投与間隔における投与、及び、
(7)抗VEGF薬と一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での異なる投与間隔における投与が挙げられる。
 尚、(5)の投与形態としては、まず抗VEGF薬を投与し、一定時間経過後、次にラニレスタット等の一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体を投与する、という順序での投与、又はその逆の順序での投与を例示することができる。(6)又は(7)の投与形態としては、まず抗VEGF薬を投与し、次に抗VEGF薬を投与するまでの間、一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体を毎日投与する、という投与間隔での投与、又はまず一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体を毎日投与し、次に抗VEGF薬を投与し、その後引き続き前記ピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体を毎日投与する、という投与間隔での投与を例示することができる。
 本発明に係る医薬は、複数の有効成分が別々の複数の製剤に含まれるものであっても、1つの製剤として同一の製剤に含まれるものであっても、通常の製剤技術により、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、又はシロップ剤として、許容される用量形態で投与することができる。
 固形剤の場合には、製剤化に際して薬理学的に認容し得る賦形剤、例えば澱粉、乳糖、精製白糖、グルコース、結晶セルロース、カルボキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、燐酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム等を用いることができ、必要であれば滑沢剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、着色剤等を配合することができる。また、液剤の場合には、安定剤、溶解助剤、懸濁化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤等を用いることができる。
 本発明に係る医薬の投与量は、抗VEGF薬又は一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体の通常の投与量に準じて、投与対象、投与ルート、対象疾患、剤形等により、適宜選択することができる。すなわち、一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体、特にラニレスタットの投与量は、症状、年齢、投与法、剤型等により異なるが、成人患者(体重60kg)1人あたり、通常10~160mg/日、好ましくは40~80mg/日を1回又は数回に分けて連日投与する。経口投与する場合の投与量は、成人患者(体重60kg)1人あたり、通常10~160mg/日、好ましくは20~80mg/日、更に好ましくは、40~80mg/日である。
 抗VEGF薬の投与量は、薬物によって異なる。ベバシズマブナトリウムの投与量は、成人患者1人あたり、0.1mg/回~2.5mg/回の硝子体内投与である。ペガプタニブの投与量は、成人患者1人あたり、通常0.1mg/回~3mg/回、好ましくは0.3mg/回の硝子体内投与である。ラニビズマブの投与量は、成人患者1人あたり、通常0.1mg/回~0.5mg/回、好ましくは0.5mg/回の硝子体内投与である。VEGF-Trap EYEの投与量は、成人患者1人あたり、通常0.1mg/回~4mg/回の硝子体内投与である。なお、抗VEGF薬の投与は、硝子体内投与の場合は1回/月から1回/2~3カ月の投与を基本とする。あるいは、病変が悪化もしくは再燃した場合には必要に応じて投与する。なお、この用法用量は、一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体等と組み合わせて投与しない場合の抗VEGF薬の一般的な用法用量であるが、抗VEGF薬を一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体等と組み合わせて投与する場合は、組み合わせによる効果増強を考慮して、適宜、抗VEGF薬の投与量を削減し、投与回数を減らすことができる。
 本発明の医薬は、一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体等を含む医薬と、該医薬を、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のために抗VEGF薬と組み合わせて投与するための方法が記載された説明書とから、キットを構成することもできる。キットの説明書には、一般式(I)のピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体等を含む医薬を抗VEGF薬と組み合わせて投与する場合の、用法及び用量等に関する説明文が記載されている。尚、その用法及び用量は、前述の通りである。
 本発明は、以下の実験例によって、さらに詳しく説明される。ただし、これらは本発明を限定するものではない。本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変化させた形態により実施することができる。
 本発明者らは、レーザー照射によって実験的に脈絡膜新生血管(CNV)を誘導するマウスモデルを用いて、CNV容積に対する有効性を評価した。CNVモデルは、レーザー照射による炎症惹起でマクロファージが遊走され、その結果としてVEGFが産生され、新生血管が発生し、血管透過性亢進がみられるモデルである。換言すれば、CNVモデルは、VEGFを介する眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患に対する有効性を評価する実験モデルである。
実験1:
方法
 体重約20g(6週齢)の雄性C57BL/6Jマウスの両眼にレーザーを照射(片眼当たり4~6スポット照射)して実験的にCNVを誘導した。薬物は、後述のように、抗VEGF抗体、ラニレスタットそれぞれ単独、または両者の組み合わせにより投与した。ラニレスタットの用量は文献で用いられている通常用量である3mg/kg/dayとした。抗VEGF抗体は、R&D Systems社より購入した抗マウスVEGF抗体を使用した。例数は1群当たり5匹とし以下の4群を設定した。
(a) 無処置群
(b) ラニレスタット3mg/kg投与群:ラニレスタット3mg/kgを1日1回強制経口投与(3mg/kg/day)
(c) 抗VEGF抗体投与群:抗VEGF抗体1ngを硝子体内注射により投与
(d) 併用群:抗VEGF抗体1ngを硝子体内注射により投与+ラニレスタット投与(3mg/kgを1日1回強制経口投与(3mg/kg/day))
 ラニレスタット投与はレーザー照射日(照射後20~30分)から照射7日後まで行った。抗VEGF抗体はレーザー照射直後に硝子体内注射により投与した。レーザー照射終了後、通常飼育を7日間行い、その後眼球を摘出して脈絡膜中に発現したCNVの容積を測定した。尚、CNVの誘導及び評価は以下の手順で行った。
[レーザー照射による実験的CNVの誘導]
 トリブロモエタノール0.30mLをマウス腹腔内に投与して麻酔した後、散瞳薬と局所麻酔薬を点眼した。その後、マウス両眼にレーザー光凝固装置(Lumenis)を用いてレーザー(波長532nm、出力200mW、照射時間100ms、スポットサイズ100μm)を片眼に付き4~6発照射した。レーザー照射によりCNVが発現し、その後容積が増大した。
[CNV容積評価]
 レーザー照射7日後にトリブロモエタノール麻酔下で安楽死後、マウス左右眼球を摘出した。摘出した眼球を用いて、常法に従ってフラットマウントを作製した。CNVの染色はFITC‐Griffonia simplicifolia isolectin‐B4を用いて行った。CNV容積は、CNV近傍の画像を共焦点レーザー顕微鏡(Zeiss LSM5 Pascal)で取り込み、画像解析ソフト(NIH Image J)を用いて測定した。容積はμmで表した。
結果
 図1は、レーザー照射7日後の脈絡膜新生血管(CNV)容積を示すグラフである。表1に無処置群を基準とした各群のCNV抑制率を示す。ラニレスタット投与群では、無処置群と比較してCNV容積の抑制効果がみられたものの有意差はなく、CNV抑制率は18.3%であった。抗VEGF抗体投与群では、無処置群と比較してCNV容積の抑制効果はみられなかった。一方、併用群では、無処置群と比較してCNV容積の有意な抑制効果がみられ(p<0.05)、ラニレスタット投与群の2倍以上のCNV抑制率を示した。
考察
 今回の成績は、抗VEGF抗体の血中濃度又は組織内濃度の低下により臨床効果が減弱又は消失した状態でラニレスタットを併用しても、効果が増強されることを示すものである。抗VEGF抗体の最大薬効を示す用量は10ngであるから、今回の実験は、抗VEGF薬の硝子体内濃度が10分の1程度にまで低下した状態を想定している。このように抗VEGF薬の効果が減弱又は消失した状態でも、ラニレスタットを併用すれば、抗VEGF薬の効果を持続させることができる。併用による効果増強は、抗VEGF薬の効果の持続性、並びに効果減弱及び再燃による再投与までの間隔を延長させるので、抗VEGF薬の投与回数を減らすことに繋がる。
 今回の成績はまた、抗VEGF薬の投与量を減らした場合でもラニレスタットを併用すれば、効果が増強されることを意味するものである。この併用により、抗VEGF薬の投与量を1/10程度まで減らすことが可能になり、抗VEGF薬の副作用の軽減につながることが期待される。
 即ち、今回の併用群における成績は、臨床的に治療効果が認められた抗VEGF薬の有効性をさらに高め、その結果として抗VEGF薬の再投与までの間隔の延長、すなわち効果の持続が可能であることを示唆する。また、現行の抗VEGF薬治療で効果が不十分な患者に対しても、併用により、優れた血管新生の抑制効果が期待できる。あるいは、抗VEGF薬の投与量を減らしても十分な治療効果をもたらすことが期待できる。
 尚、現在臨床使用されている抗VEGF抗体は、全てのVEGFアイソフォームを阻害する選択性のないヒト型の抗VEGF薬であるため、マウスには反応しない。今回実験に使用した抗マウスVEGF抗体は、抗ヒトVEGF抗体と同様に全てのVEGFアイソフォームを阻害することから、本試験における抗マウスVEGF抗体の効果は、抗ヒトVEGF抗体の臨床での効果に反映される。
実験2:
方法
 実験1と同様に、CNVを誘導する処置を施したマウスに、抗VEGF抗体、ラニレスタットをそれぞれ単独で、又はこれらを組み合わせて投与した。ラニレスタットの用量は文献で用いられている最大用量である10mg/kg/dayとした。この用量は最大薬効を示す用量と考えられる。例数は1群当たり4匹とし以下の4群を設定した。
(a) 無処置群
(b) ラニレスタット10mg/kg投与群:ラニレスタット10mg/kgを1日1回強制経口投与(10mg/kg/day)
(c) 抗VEGF抗体投与群:抗VEGF抗体1ngを硝子体内注射により投与
(d) 併用群:抗VEGF抗体1ngを硝子体内注射により投与+ラニレスタット10mg/kgを1日1回強制経口投与(10mg/kg/day)
 ラニレスタット投与は、レーザー照射日(照射後20~30分)から照射7日後まで行った。抗VEGF抗体はレーザー照射直後に硝子体内注射により投与した。実験1と同様にしてCNVの容積を測定した。
結果
 図2は、レーザー照射7日後の脈絡膜新生血管(CNV)容積を示すグラフである。表2に無処置群を基準とした各群のCNV抑制率を示す。ラニレスタット投与群では、無処置群と比較してCNV容積の顕著な抑制効果がみられ(p<0.001)、そのCNV抑制率は39.3%であった。抗VEGF抗体投与群では、無処置群と比較してCNV容積の有意な抑制効果はみられなかった。一方、併用群では、無処置群と比較してCNV容積の顕著な抑制効果がみられ(p<0.001)、そのCNV抑制率は53.5%であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
考察
 抗VEGF抗体とラニレスタットとの併用群は、ラニレスタット投与群よりCNV容積の抑制効果がみられた。ラニレスタット投与群は血管新生抑制に対する最大効果を示したと考えられるので、併用群はラニレスタットの最大効果を超える血管新生抑制効果を示したといえる。さらに、併用群では、効果が減弱した抗VEGF抗体にラニレスタットを併用して、ラニレスタットの最大効果を超える血管新生抑制効果を示している。血管新生を抑制する効果が得られたことから、血管透過性亢進を抑制する効果も得られることが強く示唆される。これらの結果は、ラニレスタットの用量を増やしても単独では達成できなかった効果を、併用により達成できたことを示している。このような最大薬効以上の効果は当業者の予測を超えたものである。

Claims (7)

  1.  抗VEGF薬と、一般式(I):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。)
    で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、の組み合わせから構成される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬。
  2.  一般式(I):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はニトロ基を意味し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を意味する。)
    で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含み、抗VEGF薬と組み合わせて投与される、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のための医薬。
  3.  前記一般式(I)で示されるピロロ[1,2-a]ピラジン誘導体が、(3R)-2’-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン-3,4’(1’H)ピロロ[1,2-a]ピラジン]-1’,2,3’,5(2’H)-テトロンである、請求項1又は2に記載の医薬。
  4.  前記抗VEGF薬が硝子体内注射剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬。
  5.  前記硝子体内注射剤が、抗VEGF抗体、VEGF Ligand阻害剤、VEGF受容体拮抗薬、及びVEGFに関連する核酸医薬からなる群から選択される、請求項4に記載の医薬。
  6.  前記眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患が、加齢黄斑変性、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、糖尿病黄斑症、糖尿病網膜症及び血管新生緑内障からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬。
  7.  請求項2に記載の医薬と、
     当該医薬を、眼内血管新生及び/又は眼内血管透過性亢進を伴う疾患の予防又は治療のために抗VEGF薬と組み合わせて投与するための方法が記載された説明書と、
    からなるキット。
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